JP3298400B2 - 鉄鉱石の溶融還元における予備還元炉の操業方法 - Google Patents
鉄鉱石の溶融還元における予備還元炉の操業方法Info
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- JP3298400B2 JP3298400B2 JP04882596A JP4882596A JP3298400B2 JP 3298400 B2 JP3298400 B2 JP 3298400B2 JP 04882596 A JP04882596 A JP 04882596A JP 4882596 A JP4882596 A JP 4882596A JP 3298400 B2 JP3298400 B2 JP 3298400B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄鉱石の溶融還元設
備において、溶融状態での還元工程の前に溶融還元炉の
還元性排ガスを利用して、固体状態で予め予備還元を行
うための流動層式予備還元炉の操業方法に関するもので
ある。
備において、溶融状態での還元工程の前に溶融還元炉の
還元性排ガスを利用して、固体状態で予め予備還元を行
うための流動層式予備還元炉の操業方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石の溶融還元法においては、設備を
溶融還元炉と流動層式の予備還元炉とから構成し、溶融
還元炉で発生する排ガスを予備還元炉流動層の流動化用
還元ガスとして利用する方法が提案されている。そし
て、この流動層としては鉄鉱石の予熱、還元に伴う粉化
を抑制できるという点から、バブリング流動層が有利で
あり、使用されている。
溶融還元炉と流動層式の予備還元炉とから構成し、溶融
還元炉で発生する排ガスを予備還元炉流動層の流動化用
還元ガスとして利用する方法が提案されている。そし
て、この流動層としては鉄鉱石の予熱、還元に伴う粉化
を抑制できるという点から、バブリング流動層が有利で
あり、使用されている。
【0003】この構成を有する溶融還元設備の一例が、
特開平1−149912号公報に開示されている。この
設備は、図5に示すような溶融還元炉1と予備還元炉2
とから構成され、鉄鉱石は予備還元炉2で予熱及び予備
還元された後、溶融還元炉1に供給され、溶融還元され
て溶銑となる。そして、溶融還元炉1で発生する還元性
の高温ガスは、予備還元炉2へ導入される。
特開平1−149912号公報に開示されている。この
設備は、図5に示すような溶融還元炉1と予備還元炉2
とから構成され、鉄鉱石は予備還元炉2で予熱及び予備
還元された後、溶融還元炉1に供給され、溶融還元され
て溶銑となる。そして、溶融還元炉1で発生する還元性
の高温ガスは、予備還元炉2へ導入される。
【0004】予備還元炉2は図6に示すように、ガス噴
出用の多数の分散板ノズル7を有する分散板6で上下に
区分され、分散板ノズル7から還元ガスを吹き込み、鉄
鉱石の流動層10が形成され、鉄鉱石の予熱と予備還元
がなされている。
出用の多数の分散板ノズル7を有する分散板6で上下に
区分され、分散板ノズル7から還元ガスを吹き込み、鉄
鉱石の流動層10が形成され、鉄鉱石の予熱と予備還元
がなされている。
【0005】予備還元炉2では還元ガス中に含まれるダ
ストが、分散板6及び分散板ノズル7へ付着し、大きな
問題となる。即ち、溶融還元炉1から発生する還元ガス
には多量のダストが含まれており、この内10μm以下
の微粉ダストはサイクロン等の除塵装置5では除去でき
ず、このような微粉ダストを含む還元ガスがそのまま予
備還元炉2に導入されてしまうためである。このダスト
はNaやKのアルカリ化合物やSを多く含んでいるた
め、通常温度が900℃を越える還元ガス中では粘着性
を持ち、このためダストは分散板6の下面や分散板ノズ
ル7の内面に付着する。特に分散板ノズル7を通過する
際に、この還元ガスは縮流されて分散板ノズル7におけ
るガス流速は数10m/秒以上の高速になるため、分散
板ノズル7内面ではダストが強固に付着し易い。ダスト
による付着物は次第に成長し、遂には還元ガスの円滑な
流れを妨げ、適正な流動層10を形成できなくなる。
ストが、分散板6及び分散板ノズル7へ付着し、大きな
問題となる。即ち、溶融還元炉1から発生する還元ガス
には多量のダストが含まれており、この内10μm以下
の微粉ダストはサイクロン等の除塵装置5では除去でき
ず、このような微粉ダストを含む還元ガスがそのまま予
備還元炉2に導入されてしまうためである。このダスト
はNaやKのアルカリ化合物やSを多く含んでいるた
め、通常温度が900℃を越える還元ガス中では粘着性
を持ち、このためダストは分散板6の下面や分散板ノズ
ル7の内面に付着する。特に分散板ノズル7を通過する
際に、この還元ガスは縮流されて分散板ノズル7におけ
るガス流速は数10m/秒以上の高速になるため、分散
板ノズル7内面ではダストが強固に付着し易い。ダスト
による付着物は次第に成長し、遂には還元ガスの円滑な
流れを妨げ、適正な流動層10を形成できなくなる。
【0006】分散板ノズル7へのダスト付着防止対策と
して、分散板ノズル7を強制冷却する、又、高圧ガスを
ノズル孔に噴射する等の幾つかの対策があるが、この対
策の一つに、分散板ノズル7の形状として、図6に示す
ような鉛直方向に貫通した孔を有するノズル(以下、鉛
直方向に貫通した孔を有するノズルを「ストレート形
状」のノズルと定義する)を用いることが一般に行われ
ている。ストレート形状のノズルでは、分散板ノズル7
内でのガスの流れ方向が直線状となり、ダストが分散板
ノズル7内面へ衝突し付着する機会が減少することと、
分散板6の冷却構造が容易になるためである。尚、上下
方向に拡大又は収縮した孔を有していても、鉛直方向に
孔が貫通していれば、本願で定義したストレート形状の
ノズルに含まれるものである。
して、分散板ノズル7を強制冷却する、又、高圧ガスを
ノズル孔に噴射する等の幾つかの対策があるが、この対
策の一つに、分散板ノズル7の形状として、図6に示す
ような鉛直方向に貫通した孔を有するノズル(以下、鉛
直方向に貫通した孔を有するノズルを「ストレート形
状」のノズルと定義する)を用いることが一般に行われ
ている。ストレート形状のノズルでは、分散板ノズル7
内でのガスの流れ方向が直線状となり、ダストが分散板
ノズル7内面へ衝突し付着する機会が減少することと、
分散板6の冷却構造が容易になるためである。尚、上下
方向に拡大又は収縮した孔を有していても、鉛直方向に
孔が貫通していれば、本願で定義したストレート形状の
ノズルに含まれるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなストレート
形状のノズルでは溶融還元設備の操業初期や操業中のト
ラブルにより、分散板ノズル7での通過ガス量が少なく
なった場合には、予備還元室8から風箱9に、分散板ノ
ズル7を通って鉄鉱石が落下する、所謂落鉱が発生す
る。
形状のノズルでは溶融還元設備の操業初期や操業中のト
ラブルにより、分散板ノズル7での通過ガス量が少なく
なった場合には、予備還元室8から風箱9に、分散板ノ
ズル7を通って鉄鉱石が落下する、所謂落鉱が発生す
る。
【0008】落鉱した鉱石は風箱9内に滞留し、最終的
には系外に排出されて、溶銑の製造には使用されないた
め、鉱石歩留りが悪化する。更に、風箱9内で滞留中、
長時間還元ガスに曝されて、還元され金属化した鉱石ど
うしが焼結して大きな塊状となるので、風箱9からの落
鉱の排出作業は容易でなく、溶融還元設備の稼働率を低
下させる要因となる。又、落鉱した鉱石を溶融還元炉1
に供給する設備を設ければ鉱石歩留りは向上し、稼働率
も向上するが、鉱石移送装置が新たに必要となり、設備
費の増大を招く。以上の背景から予備還元炉においては
風箱への落鉱はできるだけ回避する必要がある。
には系外に排出されて、溶銑の製造には使用されないた
め、鉱石歩留りが悪化する。更に、風箱9内で滞留中、
長時間還元ガスに曝されて、還元され金属化した鉱石ど
うしが焼結して大きな塊状となるので、風箱9からの落
鉱の排出作業は容易でなく、溶融還元設備の稼働率を低
下させる要因となる。又、落鉱した鉱石を溶融還元炉1
に供給する設備を設ければ鉱石歩留りは向上し、稼働率
も向上するが、鉱石移送装置が新たに必要となり、設備
費の増大を招く。以上の背景から予備還元炉においては
風箱への落鉱はできるだけ回避する必要がある。
【0009】本発明はこのような問題に鑑みなされたも
ので、分散板ノズルからの落鉱を効果的に防止する予備
還元炉の操業方法を提供しようとするものである。
ので、分散板ノズルからの落鉱を効果的に防止する予備
還元炉の操業方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融還元炉と
予備還元炉とからなる鉄鉱石の溶融還元設備にて、予備
還元炉を分散板で上下の2室に仕切り、上側を予備還元
室、下側を風箱とし、溶融還元炉で発生したガスを風箱
を介して分散板に設けたストレート形状の分散板ノズル
にて予備還元室に導入し、予備還元室で鉄鉱石の流動層
を形成して鉄鉱石を予熱又は予備還元する方法におい
て、分散板ノズルでのガス流速を63m/秒を超える領
域とし、更に分散板ノズルでのガス流速と、(2)式で
示す分散板圧損(ΔPd)と(3)式で示す層圧損(Δ
Pb)の比との関係を下記の(1)式を満足する領域に
設定して操業することを特徴とする予備還元炉の操業方
法である。
予備還元炉とからなる鉄鉱石の溶融還元設備にて、予備
還元炉を分散板で上下の2室に仕切り、上側を予備還元
室、下側を風箱とし、溶融還元炉で発生したガスを風箱
を介して分散板に設けたストレート形状の分散板ノズル
にて予備還元室に導入し、予備還元室で鉄鉱石の流動層
を形成して鉄鉱石を予熱又は予備還元する方法におい
て、分散板ノズルでのガス流速を63m/秒を超える領
域とし、更に分散板ノズルでのガス流速と、(2)式で
示す分散板圧損(ΔPd)と(3)式で示す層圧損(Δ
Pb)の比との関係を下記の(1)式を満足する領域に
設定して操業することを特徴とする予備還元炉の操業方
法である。
【0011】 ΔPd/ΔPb≧〔6.3/(V−63)〕+0.23 …………(1) ΔPd=(ρ/2g)×(V/α)n …………(2) ΔPb=4W/πD2 …………(3) 但し、記号は以下を表すものである。
【0012】 ρ;ガス密度(kg/m3 ) g;重力加速度(m/秒2 ) V;分散板ノズルでのガス流速(m/秒) n;指数(1.98とした) α;流量係数(1.0とした) D;予備還元炉内径(m) W;予備還元炉内鉱石滞留量(kg) π;円周率 本発明者らは図6に示す予備還元炉において、導入ガス
量と、分散板ノズルの開口部面積及び数と、予備還元炉
内鉱石滞留量(以下、「鉱石滞留量」と記す)とを変更
して、予備還元炉における分散板ノズルでの落鉱の発生
状況を調べた。尚、使用した予備還元炉内径Dは2.7
mである。
量と、分散板ノズルの開口部面積及び数と、予備還元炉
内鉱石滞留量(以下、「鉱石滞留量」と記す)とを変更
して、予備還元炉における分散板ノズルでの落鉱の発生
状況を調べた。尚、使用した予備還元炉内径Dは2.7
mである。
【0013】図2はこのようにして調査した落鉱の調査
結果で、分散板ノズルでのガス流速(以下、分散板ノズ
ルでのガス流速を「ガス流速」と記す)を横軸に、分散
板圧損(以下、「ΔPd」と記す)と層圧損(以下、
「ΔPb」と記す)の比(以下、「ΔPd/ΔPb」と
記す)を縦軸として、予備還元室から風箱への落鉱の有
無をプロットしたもので、図2中で△印は落鉱が無い場
合で、●印は落鉱の発生した場合を示している。
結果で、分散板ノズルでのガス流速(以下、分散板ノズ
ルでのガス流速を「ガス流速」と記す)を横軸に、分散
板圧損(以下、「ΔPd」と記す)と層圧損(以下、
「ΔPb」と記す)の比(以下、「ΔPd/ΔPb」と
記す)を縦軸として、予備還元室から風箱への落鉱の有
無をプロットしたもので、図2中で△印は落鉱が無い場
合で、●印は落鉱の発生した場合を示している。
【0014】ここで鉱石滞留量Wが一定の条件、即ちΔ
Pbが一定の条件においても、ΔPdはガス流速により
変化するため、ΔPd/ΔPbは図2の実線に示すよう
にガス流速の増加と共に指数関数的に増加する。又、逆
に、ガス流速が一定の条件、即ちΔPdが一定の条件に
おいても、ΔPbは鉱石滞留量に比例して変化するた
め、ΔPd/ΔPbは鉱石滞留量に反比例して増減す
る。
Pbが一定の条件においても、ΔPdはガス流速により
変化するため、ΔPd/ΔPbは図2の実線に示すよう
にガス流速の増加と共に指数関数的に増加する。又、逆
に、ガス流速が一定の条件、即ちΔPdが一定の条件に
おいても、ΔPbは鉱石滞留量に比例して変化するた
め、ΔPd/ΔPbは鉱石滞留量に反比例して増減す
る。
【0015】図2から落鉱の発生は、ガス流速とΔPd
/ΔPbの両者の関係から規定されていることが判り、
図2中に示す破線よりΔPd/ΔPbが大きく、且つガ
ス流速が速い条件下で、落鉱を防止できることが判っ
た。この破線を回帰式で求めると、下記の(4)式が得
られた。
/ΔPbの両者の関係から規定されていることが判り、
図2中に示す破線よりΔPd/ΔPbが大きく、且つガ
ス流速が速い条件下で、落鉱を防止できることが判っ
た。この破線を回帰式で求めると、下記の(4)式が得
られた。
【0016】 ΔPd/ΔPb=〔6.3/(V−63)〕+0.23 …… (4) しかしガス流速が63m/秒以下の更に小さい場合で
も、ΔPd/ΔPbの値に関わり無く落鉱の発生しない
範囲があることも判った。
も、ΔPd/ΔPbの値に関わり無く落鉱の発生しない
範囲があることも判った。
【0017】以上の落鉱現象を基に、落鉱発生の原因と
状況をガス流速VとΔPd/ΔPbとのマップ上で分類
し、それを図1に示した。図1の斜線部は落鉱発生領域
を示している。落鉱の発生状況は、図1に示すA,B,
Cの3領域に分類して説明できる。以下にA、B、C各
領域の現象を説明する。
状況をガス流速VとΔPd/ΔPbとのマップ上で分類
し、それを図1に示した。図1の斜線部は落鉱発生領域
を示している。落鉱の発生状況は、図1に示すA,B,
Cの3領域に分類して説明できる。以下にA、B、C各
領域の現象を説明する。
【0018】1.領域Aにおける落鉱状況 この領域はガス流速が63m/秒以下の領域で、一部に
落鉱の発生しない範囲を含んでいる。然し、領域Aのよ
うにガス流速が遅い場合には、落鉱は分散板ノズルにお
けるガス抗力と鉱石重力の静的バランスで決まる。即
ち、落鉱が発生するガス流速は、鉱石粒の終末速度と一
致し、従って、ガス流速が、終末速度より更に低下した
場合に落鉱が発生することになる。例えば鉄鉱石粒直径
が8mmの場合、終末速度は40m/秒であることか
ら、ガス流速を40m/秒以上に保持すれば、落鉱を防
止できることになる。
落鉱の発生しない範囲を含んでいる。然し、領域Aのよ
うにガス流速が遅い場合には、落鉱は分散板ノズルにお
けるガス抗力と鉱石重力の静的バランスで決まる。即
ち、落鉱が発生するガス流速は、鉱石粒の終末速度と一
致し、従って、ガス流速が、終末速度より更に低下した
場合に落鉱が発生することになる。例えば鉄鉱石粒直径
が8mmの場合、終末速度は40m/秒であることか
ら、ガス流速を40m/秒以上に保持すれば、落鉱を防
止できることになる。
【0019】然し、分散板の開口比(分散板の開口比と
は、予備還元炉の断面積に対する分散板ノズルの全開口
部の面積の割合を表す)を流動化に最適な条件である3
%以下に確保しつつ、更にガス流速を60m/秒以下に
設定すると、予備還元室内の層内ガス空塔速度は2m/
秒未満になり、鉱石の流動化状況は極めて不活発とな
り、予備還元炉の本来の目的である予熱又は予備還元の
機能を果たせなくなり、従って、領域Aは予備還元炉の
操業には不適当である。
は、予備還元炉の断面積に対する分散板ノズルの全開口
部の面積の割合を表す)を流動化に最適な条件である3
%以下に確保しつつ、更にガス流速を60m/秒以下に
設定すると、予備還元室内の層内ガス空塔速度は2m/
秒未満になり、鉱石の流動化状況は極めて不活発とな
り、予備還元炉の本来の目的である予熱又は予備還元の
機能を果たせなくなり、従って、領域Aは予備還元炉の
操業には不適当である。
【0020】2.領域Bにおける落鉱状況 領域Bは、ガス流速が63m/秒より速いが、ΔPd/
ΔPbは下記の(5)式の領域で、比較的小さく、その
値はガス流速の増加と共に低下するが、およそ0.5乃
至0.3より小さい領域である。
ΔPbは下記の(5)式の領域で、比較的小さく、その
値はガス流速の増加と共に低下するが、およそ0.5乃
至0.3より小さい領域である。
【0021】 ΔPd/ΔPb<〔6.3/(V−63)〕+0.23 …… (5) ΔPd/ΔPbが小さいと、ガス流量の変化、又は鉱石
の流動化状況の変化によって、一部のガス流速が減ずる
ことが生ずる。又、鉱石滞留量が多くなることに起因し
てΔPd/ΔPbが小さくなると、ガスの偏流が生じ易
くなる。
の流動化状況の変化によって、一部のガス流速が減ずる
ことが生ずる。又、鉱石滞留量が多くなることに起因し
てΔPd/ΔPbが小さくなると、ガスの偏流が生じ易
くなる。
【0022】これらガス流量、鉱石の流動化状況、及び
鉱石滞留量の時間的、場所的な変動によってガス流速が
小さくなった分散板ノズルで、落鉱が生じる。従って、
領域Bは予備還元炉の操業には不適当である。この領域
では、ガス流速が小さい程、落鉱が発生し易くなる。
鉱石滞留量の時間的、場所的な変動によってガス流速が
小さくなった分散板ノズルで、落鉱が生じる。従って、
領域Bは予備還元炉の操業には不適当である。この領域
では、ガス流速が小さい程、落鉱が発生し易くなる。
【0023】3.領域Cにおける落鉱状況 領域Cでは、ガス流速は、領域Bと同一の63m/秒以
上の領域であるが、ΔPd/ΔPbは(1)式を満足す
る領域である。この領域では、ガス流速も大きく且つΔ
Pd/ΔPbも大きいため、偏流及びガス量の変動が生
じても、ガス流速に及ぼす影響は極めて小さく、落鉱は
生じない。従って、この領域Cで予備還元炉の操業を行
えば、落鉱がなく、又安定した鉱石の流動化が得られ、
予備還元炉の操業に最適である。
上の領域であるが、ΔPd/ΔPbは(1)式を満足す
る領域である。この領域では、ガス流速も大きく且つΔ
Pd/ΔPbも大きいため、偏流及びガス量の変動が生
じても、ガス流速に及ぼす影響は極めて小さく、落鉱は
生じない。従って、この領域Cで予備還元炉の操業を行
えば、落鉱がなく、又安定した鉱石の流動化が得られ、
予備還元炉の操業に最適である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明を適用した溶融還元設備の
概要を図5に、予備還元炉の概要を図6に示す。図5に
おいて1は溶融還元炉、2は流動層式の予備還元炉、3
及び4はダクト、5は除塵装置、6は分散板、11は上
吹き酸素ランス、12は中・粗粒鉱石用排出管、13は
粉鉱石用排出管、14は攪拌用底吹きガス配管、15は
ガス流量計で、溶融還元炉1で発生した還元性の高温ガ
スはダクト3で除塵装置5へ送られ、除塵装置5で除塵
された後、ダクト4を介して予備還元炉2へ導入され
る。又、図6において7はスレート形状の分散板ノズ
ル、8は予備還元室、9は風箱、10は流動層で、ダク
ト4を介して導入された高温ガスは風箱9から分散板ノ
ズル7を通り、予備還元室8へ導入される。高温ガスの
発生量はガス流量計15にて測定できるようになってい
る。
概要を図5に、予備還元炉の概要を図6に示す。図5に
おいて1は溶融還元炉、2は流動層式の予備還元炉、3
及び4はダクト、5は除塵装置、6は分散板、11は上
吹き酸素ランス、12は中・粗粒鉱石用排出管、13は
粉鉱石用排出管、14は攪拌用底吹きガス配管、15は
ガス流量計で、溶融還元炉1で発生した還元性の高温ガ
スはダクト3で除塵装置5へ送られ、除塵装置5で除塵
された後、ダクト4を介して予備還元炉2へ導入され
る。又、図6において7はスレート形状の分散板ノズ
ル、8は予備還元室、9は風箱、10は流動層で、ダク
ト4を介して導入された高温ガスは風箱9から分散板ノ
ズル7を通り、予備還元室8へ導入される。高温ガスの
発生量はガス流量計15にて測定できるようになってい
る。
【0025】鉄鉱石は先ず予備還元室8に装入されて流
動層10を形成し、予熱及び予備還元された後、中・粗
粒鉱石用排出管12及び粉鉱石用排出管13を介して、
溶融還元炉1に供給される。溶融還元炉1においては予
備還元された鉄鉱石の他に石炭や石灰が装入されると共
に、攪拌用底吹きガス配管14を介して底吹きガスで溶
湯を攪拌しながら、酸素が上吹き酸素ランス11から吹
き込まれ、鉄鉱石は溶融還元されて溶銑となる。
動層10を形成し、予熱及び予備還元された後、中・粗
粒鉱石用排出管12及び粉鉱石用排出管13を介して、
溶融還元炉1に供給される。溶融還元炉1においては予
備還元された鉄鉱石の他に石炭や石灰が装入されると共
に、攪拌用底吹きガス配管14を介して底吹きガスで溶
湯を攪拌しながら、酸素が上吹き酸素ランス11から吹
き込まれ、鉄鉱石は溶融還元されて溶銑となる。
【0026】以上の構成からなる溶融還元設備に本発明
を適用するには以下の手順を採る。 〔工程1〕;溶融還元炉1の生産量能力により、単位時
間当たりの発生ガス量を把握する。尚、当然のことなが
ら溶融還元炉1の発生ガスで予備還元炉2内の鉄鉱石が
流動層となるように、予備還元炉2の内径寸法は考慮さ
れたものであることはいうまでもない。
を適用するには以下の手順を採る。 〔工程1〕;溶融還元炉1の生産量能力により、単位時
間当たりの発生ガス量を把握する。尚、当然のことなが
ら溶融還元炉1の発生ガスで予備還元炉2内の鉄鉱石が
流動層となるように、予備還元炉2の内径寸法は考慮さ
れたものであることはいうまでもない。
【0027】〔工程2〕;発生ガス量が最小の場合で
も、ガス流速が、図1の領域Cの範囲内となるように分
散板ノズル7の全開口部の面積を決める。その後、分散
板ノズル7の数、及びノズル孔径を決める。この際、溶
融還元炉1からの発生ガス量の変動が有っても安定して
落鉱を防止するうえで、ガス流速の目安としては、ΔP
d/ΔPbの値が広い範囲となる、100m/秒以上と
することが望ましい。
も、ガス流速が、図1の領域Cの範囲内となるように分
散板ノズル7の全開口部の面積を決める。その後、分散
板ノズル7の数、及びノズル孔径を決める。この際、溶
融還元炉1からの発生ガス量の変動が有っても安定して
落鉱を防止するうえで、ガス流速の目安としては、ΔP
d/ΔPbの値が広い範囲となる、100m/秒以上と
することが望ましい。
【0028】〔工程3〕;予備還元炉2の容量に見合う
鉱石滞留量を決める。
鉱石滞留量を決める。
【0029】〔工程4〕;工程2で定めたガス流速、工
程3で定めた鉱石滞留量、更に予備還元炉内径、及びガ
ス密度等から、ΔPd/ΔPbを算出する。ΔPd/Δ
Pbが図1の領域Cの範囲を外れた場合は、ガス流速が
更に速くなるように、分散板ノズル7の全開口部の面積
を減少させて、ΔPd/ΔPbの増大を図り、再度計算
を行う。ΔPd/ΔPbの目標値としては、(1)式の
右辺の値より、更に0.05程度大きくすることが望ま
しい。このようにして、ガス流速とΔPd/ΔPbが共
に、図1の領域Cの範囲となるようにする。
程3で定めた鉱石滞留量、更に予備還元炉内径、及びガ
ス密度等から、ΔPd/ΔPbを算出する。ΔPd/Δ
Pbが図1の領域Cの範囲を外れた場合は、ガス流速が
更に速くなるように、分散板ノズル7の全開口部の面積
を減少させて、ΔPd/ΔPbの増大を図り、再度計算
を行う。ΔPd/ΔPbの目標値としては、(1)式の
右辺の値より、更に0.05程度大きくすることが望ま
しい。このようにして、ガス流速とΔPd/ΔPbが共
に、図1の領域Cの範囲となるようにする。
【0030】〔工程5〕;以上のようにして定めたノズ
ル数、ノズル孔径を有した分散板6を予備還元炉2に設
置する。その際、鉱石の粒径を配慮してノズル孔径を選
定すること、分散板の全面に均等にノズルを配置するこ
とが重要となる。
ル数、ノズル孔径を有した分散板6を予備還元炉2に設
置する。その際、鉱石の粒径を配慮してノズル孔径を選
定すること、分散板の全面に均等にノズルを配置するこ
とが重要となる。
【0031】〔工程6〕;溶融還元の操業を開始する。
予備還元炉1の操業方法は、先ず、操業初期は発生ガス
量が少ないため、結果的に分散板ノズル流速も小さくな
り、鉱石を予備還元炉2に装入しても風箱へ落下してし
まう。このため、ガス流速が工程2で定めた値に達した
後に、予備還元炉2内への鉱石装入を開始する。操業が
安定期に入ったならば、鉱石滞留量の管理を行い、ΔP
d/ΔPbが図1の領域Cの範囲となるようにする。
予備還元炉1の操業方法は、先ず、操業初期は発生ガス
量が少ないため、結果的に分散板ノズル流速も小さくな
り、鉱石を予備還元炉2に装入しても風箱へ落下してし
まう。このため、ガス流速が工程2で定めた値に達した
後に、予備還元炉2内への鉱石装入を開始する。操業が
安定期に入ったならば、鉱石滞留量の管理を行い、ΔP
d/ΔPbが図1の領域Cの範囲となるようにする。
【0032】
【実施例】図5及び図6に概要を示した溶融還元設備と
予備還元炉からなる溶融還元設備に本発明を実施した例
を以下に示す。
予備還元炉からなる溶融還元設備に本発明を実施した例
を以下に示す。
【0033】本実施例で使用した予備還元炉の内径
(D)は2.7mで、高さ(H)は9mで、溶融還元炉
の底吹き攪拌ガスとして窒素ガスを用いた。
(D)は2.7mで、高さ(H)は9mで、溶融還元炉
の底吹き攪拌ガスとして窒素ガスを用いた。
【0034】本実施例に用いた溶融還元炉の溶銑生産量
は15〜21ton/Hrであり、その時の発生ガス量は4
5,000〜73,000m3/Hrとなる。ちなみに、発
生ガス量から予備還元室内の層内ガス空塔速度を求める
と、2.2m/秒〜3.5m/秒となり、流動層を形成
するための最小流動化速度が約0.3m/秒であるの
で、流動化状況の目安となる層内ガス空塔速度と最小流
動化速度との比は7.3以上となり、鉱石は十分流動す
る範囲である。尚、発生ガスの概略組成はCO;30
%、CO2 ;30%、N2 ;40%で、温度は約900
℃、圧力は約2.5atm である。
は15〜21ton/Hrであり、その時の発生ガス量は4
5,000〜73,000m3/Hrとなる。ちなみに、発
生ガス量から予備還元室内の層内ガス空塔速度を求める
と、2.2m/秒〜3.5m/秒となり、流動層を形成
するための最小流動化速度が約0.3m/秒であるの
で、流動化状況の目安となる層内ガス空塔速度と最小流
動化速度との比は7.3以上となり、鉱石は十分流動す
る範囲である。尚、発生ガスの概略組成はCO;30
%、CO2 ;30%、N2 ;40%で、温度は約900
℃、圧力は約2.5atm である。
【0035】ガス流速は、分散板の開口比を決めると算
出できる。図3に、開口比を1.5〜3.0%に設定し
た場合のガス流速の計算結果を実線で示す。
出できる。図3に、開口比を1.5〜3.0%に設定し
た場合のガス流速の計算結果を実線で示す。
【0036】ここでガス流速が図1の領域Cの範囲内に
入り、且つΔPd/ΔPbが比較的広い範囲となるよう
に、ガス流速の目標最低値を110m/秒に設定し、発
生ガス量が最低の45,000m3/Hrの場合でもガス流
速が、設定した目標最低値以上になるように開口比を決
定する。本実施例の場合は、図3に示すように開口比を
1.8%に設定すると、最低発生ガス量の場合でもガス
流速が121m/秒となり、設定した目標最低値より大
きくなる。ガス流速を121m/秒として、(1)式の
右辺に代入すると、(1)式の右辺は0.338とな
る。
入り、且つΔPd/ΔPbが比較的広い範囲となるよう
に、ガス流速の目標最低値を110m/秒に設定し、発
生ガス量が最低の45,000m3/Hrの場合でもガス流
速が、設定した目標最低値以上になるように開口比を決
定する。本実施例の場合は、図3に示すように開口比を
1.8%に設定すると、最低発生ガス量の場合でもガス
流速が121m/秒となり、設定した目標最低値より大
きくなる。ガス流速を121m/秒として、(1)式の
右辺に代入すると、(1)式の右辺は0.338とな
る。
【0037】次に、上記で決定した開口比におけるΔP
d/ΔPbを計算する。今回、ガス流速(V)を121
m/秒、鉱石滞在量(W)を8,000kgと規定し、
更に、ガスの組成、温度、圧力から求めたガス密度
(ρ)を0.85kg/m3 、重力加速度(g)=9.
8m/秒2 、予備還元炉内径(D)=2.7mを代入し
て、(1)式の左辺であるΔPd/ΔPbを算出する
と、ΔPd/ΔPb=0.41となる。この条件は
(1)式を満足し、従って図1の領域Cに入っており、
落鉱回避条件を満足している。
d/ΔPbを計算する。今回、ガス流速(V)を121
m/秒、鉱石滞在量(W)を8,000kgと規定し、
更に、ガスの組成、温度、圧力から求めたガス密度
(ρ)を0.85kg/m3 、重力加速度(g)=9.
8m/秒2 、予備還元炉内径(D)=2.7mを代入し
て、(1)式の左辺であるΔPd/ΔPbを算出する
と、ΔPd/ΔPb=0.41となる。この条件は
(1)式を満足し、従って図1の領域Cに入っており、
落鉱回避条件を満足している。
【0038】以上の検討結果より開口比を1.8%に決
定して、流動層の安定化の観点から、ノズル径と数を決
定する。本設備ではノズル孔径を40mmΦのストレート
形状と決め、分散板ノズル数は開口比から82個とし、
分散板に均一に配置した。
定して、流動層の安定化の観点から、ノズル径と数を決
定する。本設備ではノズル孔径を40mmΦのストレート
形状と決め、分散板ノズル数は開口比から82個とし、
分散板に均一に配置した。
【0039】このようにして、操業を開始した。操業開
始直後は鉄鉱石は予備還元炉には装入せず、直接溶融還
元炉に装入した。還元反応が進み、上吹き酸素ランスか
らの酸素と石炭とが反応して発生ガス量が増加し、更に
温度が上昇してガス体積が増大して、ガス流速が121
m/秒以上に達した後に、予備還元炉内への鉱石装入を
開始した。予備還元炉内への鉱石装入開始直後は、鉱石
滞留量を8,000kg以内とした。
始直後は鉄鉱石は予備還元炉には装入せず、直接溶融還
元炉に装入した。還元反応が進み、上吹き酸素ランスか
らの酸素と石炭とが反応して発生ガス量が増加し、更に
温度が上昇してガス体積が増大して、ガス流速が121
m/秒以上に達した後に、予備還元炉内への鉱石装入を
開始した。予備還元炉内への鉱石装入開始直後は、鉱石
滞留量を8,000kg以内とした。
【0040】操業が安定期に入ると、発生ガス量が増加
し且つ安定してくる。発生ガス量が増大するとガス流速
が速くなり、(1)式の右辺の値は低下する。それに伴
って、左辺のΔPd/ΔPbを低下させること、即ち鉱
石滞留量を増加させることが可能となる。開口比が1.
8%の条件において、(1)式を用いて、発生ガス量の
増減による鉱石滞留量の上限値が算出できる。図4に開
口比が1.8%の条件における、(1)式から算出した
発生ガス量と鉱石滞留量の上限値の関係を示す。発生ガ
ス量が50, 000m3/Hrでは、鉱石滞留量の上限値は
12ton、60,000m3/Hrでは20ton、最大
発生ガス量である73,000m3/Hrでは31tonと
なり、発生ガス量の増加と共に鉱石滞留量を増加させる
ことが可能となる。
し且つ安定してくる。発生ガス量が増大するとガス流速
が速くなり、(1)式の右辺の値は低下する。それに伴
って、左辺のΔPd/ΔPbを低下させること、即ち鉱
石滞留量を増加させることが可能となる。開口比が1.
8%の条件において、(1)式を用いて、発生ガス量の
増減による鉱石滞留量の上限値が算出できる。図4に開
口比が1.8%の条件における、(1)式から算出した
発生ガス量と鉱石滞留量の上限値の関係を示す。発生ガ
ス量が50, 000m3/Hrでは、鉱石滞留量の上限値は
12ton、60,000m3/Hrでは20ton、最大
発生ガス量である73,000m3/Hrでは31tonと
なり、発生ガス量の増加と共に鉱石滞留量を増加させる
ことが可能となる。
【0041】又、鉱石滞留量が少ないと分散板ノズルか
らの吹き出しガスによって鉱石が炉上部から炉外に吹き
飛ばされて、鉱石の良好な流動化状態を形成できなくな
る、所謂「吹き抜け」現象が生じる。これを生じさせな
い鉱石滞留量の最小値を下限値とする(これを「吹き抜
け限界」という)。吹き抜けは、流動層内の静止層高さ
がガスジェット高さより低い場合に発生すると仮定する
と、吹き抜け限界もΔPd/ΔPbと同様にガス流速に
よって変化する。図4に開口比を1.8%とした場合に
おける、発生ガス量に対して計算した鉱石滞留量の下限
値を示す。
らの吹き出しガスによって鉱石が炉上部から炉外に吹き
飛ばされて、鉱石の良好な流動化状態を形成できなくな
る、所謂「吹き抜け」現象が生じる。これを生じさせな
い鉱石滞留量の最小値を下限値とする(これを「吹き抜
け限界」という)。吹き抜けは、流動層内の静止層高さ
がガスジェット高さより低い場合に発生すると仮定する
と、吹き抜け限界もΔPd/ΔPbと同様にガス流速に
よって変化する。図4に開口比を1.8%とした場合に
おける、発生ガス量に対して計算した鉱石滞留量の下限
値を示す。
【0042】操業が安定期に入ったならば、発生ガス量
に応じて、鉱石滞留量を図4の上限値と吹き抜け限界の
下限値との範囲で制御する。本実施例の発生ガス量の範
囲では下限値を約4.5tonとして制御した。
に応じて、鉱石滞留量を図4の上限値と吹き抜け限界の
下限値との範囲で制御する。本実施例の発生ガス量の範
囲では下限値を約4.5tonとして制御した。
【0043】このようにして三日間の連続操業を行っ
た。此の間、鉱石滞留量とガス流速の適性管理を行った
結果、落鉱は発生せず、安定操業が実現できた。又、予
備還元炉から排出された鉄鉱石が所定の温度と還元率が
確保されているということと、炉内の温度及び圧力分布
の状況から推定して、予備還元炉内の鉄鉱石の流動状況
も良好であった。
た。此の間、鉱石滞留量とガス流速の適性管理を行った
結果、落鉱は発生せず、安定操業が実現できた。又、予
備還元炉から排出された鉄鉱石が所定の温度と還元率が
確保されているということと、炉内の温度及び圧力分布
の状況から推定して、予備還元炉内の鉄鉱石の流動状況
も良好であった。
【0044】
【発明の効果】本発明に従い、ガス流速を確保し、更に
ガス流速とΔPd/ΔPbとの関係を適正範囲に制御し
て予備還元炉を操業することにより、新たな設備を設置
することなく落鉱の発生を防止でき、鉱石の歩留り低下
もなく、長時間の連続安定操業が可能となる。
ガス流速とΔPd/ΔPbとの関係を適正範囲に制御し
て予備還元炉を操業することにより、新たな設備を設置
することなく落鉱の発生を防止でき、鉱石の歩留り低下
もなく、長時間の連続安定操業が可能となる。
【図1】本発明による、分散板ノズルでのガス流速とΔ
Pd/ΔPbとを指標として、落鉱発生の有無で3つの
領域に分類して示した図である。
Pd/ΔPbとを指標として、落鉱発生の有無で3つの
領域に分類して示した図である。
【図2】流動層式予備還元炉において、分散板ノズルで
のガス流速とΔPd/ΔPbとを指標として落鉱の有無
を調査した結果と、鉱石滞留量のΔPd/ΔPbに及ぼ
す影響を同時に示した図である。
のガス流速とΔPd/ΔPbとを指標として落鉱の有無
を調査した結果と、鉱石滞留量のΔPd/ΔPbに及ぼ
す影響を同時に示した図である。
【図3】本発明の実施例において、分散板ノズルでのガ
ス流速を本発明の範囲内にするために、発生ガス量から
開口比を決定する方法の例を示す図である。
ス流速を本発明の範囲内にするために、発生ガス量から
開口比を決定する方法の例を示す図である。
【図4】本発明の実施例における予備還元炉内鉱石滞留
量の上限と下限の吹き抜け限界の例を示す図である。
量の上限と下限の吹き抜け限界の例を示す図である。
【図5】本発明を適用した溶融還元設備の概要図であ
る。
る。
【図6】本発明を適用した予備還元炉の概要図である。
1:溶融還元炉 2:予備還元炉 3:ダクト 4:ダクト 6:分散板 7:分散板ノズル 8:予備還元室 9:風箱 10:流動層 12:中・粗粒鉱石用排出管 13:粉鉱石用排出管 15:ガス流量計
フロントページの続き (72)発明者 松原 真二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 平岡 英伸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 長谷川 輝之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 有山 達郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−180186(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 11/00 C21B 13/00 101
Claims (1)
- 【請求項1】 溶融還元炉と予備還元炉とからなる鉄鉱
石の溶融還元設備にて、予備還元炉を分散板で上下の2
室に仕切り、上側を予備還元室、下側を風箱とし、溶融
還元炉で発生したガスを風箱を介して分散板に設けたス
トレート形状の分散板ノズルにて予備還元室に導入し、
予備還元室で鉄鉱石の流動層を形成して鉄鉱石を予熱又
は予備還元する方法において、 前記分散板ノズルでのガス流速を63m/秒を超える領
域とし、更に分散板ノズルでのガス流速と、(2)式で
示す分散板圧損(ΔPd)と(3)式で示す層圧損(Δ
Pb)の比との関係を下記の(1)式を満足する領域に
設定して操業することを特徴とする予備還元炉の操業方
法。 ΔPd/ΔPb≧〔6.3/(V−63)〕+0.23 …………(1) ΔPd=(ρ/2g)×(V/α)n …………(2) ΔPb=4W/πD2 …………(3) 但し、記号は以下を表すものである。 ρ;ガス密度(kg/m3 ) g;重力加速度(m/秒2 ) V;分散板ノズルでのガス流速(m/秒) n;指数(1.98とした) α;流量係数(1.0とした) D;予備還元炉内径(m) W;予備還元炉内鉱石滞留量(kg) π;円周率
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04882596A JP3298400B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 鉄鉱石の溶融還元における予備還元炉の操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04882596A JP3298400B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 鉄鉱石の溶融還元における予備還元炉の操業方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241715A JPH09241715A (ja) | 1997-09-16 |
JP3298400B2 true JP3298400B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=12814011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04882596A Expired - Fee Related JP3298400B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 鉄鉱石の溶融還元における予備還元炉の操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3298400B2 (ja) |
-
1996
- 1996-03-06 JP JP04882596A patent/JP3298400B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09241715A (ja) | 1997-09-16 |
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