JP3297583B2 - 竪型連続焼鈍炉の冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、竪型連続焼鈍炉の
冷却装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、竪型連続焼鈍炉に採用されている
冷却装置として、特公平２−１６３７５号公報が提案さ
れている。この技術は図４に示すように、竪型連続焼鈍
炉の炉体内に複数ノズル（１０）を配置した、一対の冷
却箱（１）を帯板に面して所定の間隔をあけて設置して
いる。そして、ノズルより冷媒を吹き出して帯板（２）
に吹きつけ帯板を所定の温度まで冷却している。帯板に
吹きつけた後の冷媒は、炉体の所定の位置に設置した吸
い込み口（９）より、吸い込んでダクト（１１）、熱交
換機（８）、ブロワ（７）および横断面がＹ字状のダク
ト（６）を介して一対の冷却箱（１）に戻され、循環し
て使用している。また、冷却後の冷媒は、冷却箱（１）
に設置した突出ノズル（１０）の間を通って炉内へ排出
し、排出された冷媒は再び吸い込み口（９）より、吸い
込んでダクト（１１）、熱交換機（８）、ブロワ
（７）、Ｙ字状ダクト（６）を介して冷却箱（１）に戻
され、循環して使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
は、冷却箱の冷媒供給側は冷媒を供給するためのダクト
が連結されているが、反供給側は、冷媒が供給されない
ので、炉体に直接冷却箱が支持されていた。このため、
帯板に吹きつけられた後の冷媒は、ノズルの間を上下し
て流出する一方、帯板の巾方向言い換えれば冷媒の供給
側および反供給側の帯板との間を通って流出していた。
供給側への冷媒の流出は、Ｙ字状のダクトにより、断面
が制約されて、冷媒の流出量は反供給側に比し少ない。
これは、反供給側は冷却箱が炉体に支持されているだけ
なので炉体と帯板の隙間が明き、帯板に吹きつけ後の冷
媒は、反供給側に流れ易くなっている。このため、反供
給側の方が供給側に比し過冷となり、帯板の巾方向温度
分布が均一ではなくなり、クーリングバックル等が発生
し、帯板が破断する等の問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】竪型連続焼鈍炉の冷却装
置において、冷却箱に冷媒を供給する側の反対側に横断
面がく字状のガイドプレートを配置する。このく字状の
ガイドプレートは、冷却箱の冷媒供給側および反供給側
が略同じ形状、つまり、横断面がＹ字状のダクトを連設
した部分と同じ形状になるように配置する。また、この
く字状のガイドプレートは、冷却箱の帯板の長さ方向に
冷却箱と同じ長さまで設置する。冷却箱に設置したノズ
ルから吹き出す冷媒は、ノズルの間を通って流れるもの
と、冷却箱の両サイドを通って流れるものとに分かれ
る。冷却箱の両サイドを通って流れる冷媒は、冷却箱の
冷媒供給側と反供給側とが同じ形状となるようにく字状
のガイドプレートを配置したので均等にながれ、帯板巾
方向の温度差はなくなり、冷却むらによるクーリングバ
ックルの発生は皆無となった。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明について図面に従っ
て詳細に説明する。図１は、竪型連続焼鈍炉の冷却装置
部の全体図であり、図２は、本発明の一実施例を示す斜
視図を示す。また図３は、本発明の冷却箱の平面図を示
す。図１において、竪型連続焼鈍炉内の冷却装置の概略
図で帯板（２）は、竪型連続焼鈍炉の上方に配設した搬
送ロール（３）と下方に配設した搬送ロール（３）によ
り帯板を上下に搬送する。この上下に搬送する帯板
（２）の表裏面に所定の間隔をあけて冷却箱（１）を対
設する。

【０００６】この冷却箱（１）には、図２に示すよう
に、多数のノズル（１０）を配置し、このノズル（１
０）から冷媒を帯板（２）の面に吹きつけて帯板を所定
の温度まで冷却する。帯板（２）を冷却するこの冷媒
は、炉体（４）の所定の位置に配設した炉内雰囲気ガス
を吸い込む吸い込み口（９）より吸引して熱交換機
（８）を通過して、所定の温度に冷却され、ブロワ
（７）にて昇圧し、Ｙ字状のダクト（６）を介して冷却
箱（１）に送られノズル（１０）より吹き出し帯板
（２）を冷却する。これら吸い込み口（９）、熱交換機
（８）、ブロワ（７）冷却箱（１）は、各々ダクト（１
１）にて連結し、炉内雰囲気ガスを循環して使用してい
る。

【０００７】このように構成する冷却装置は、図１に示
すように搬送ロール（３）間に複数分割して配置してい
る。ノズル（１０）より帯板（２）に吹きつけられた冷
媒は、帯板（２）の面に沿って上下および両サイドに流
れていくが、帯板（２）表裏面の隙間は、冷却箱（１）
を均等な間隔に配設しているためガスの流路も均等であ
り、冷却ガスは、帯板（１）の上下面を均等に流れる。

【０００８】一方、両サイドに流出する冷媒は、冷媒供
給側と反供給側とは、反供給側に冷媒供給側に連設した
冷媒を供給するためのＹ字状と同じ形状となるようにガ
イドプレート（５）を配設し、図３に示すＡ部横断面が
同じとなるように流路を確保したので両サイドにも同じ
帯板（２）へ吹きつけ後の冷媒は均等に流れる。このた
め冷却後の冷媒による、帯板（２）の冷却の片寄りが解
消し、このようなタイプの冷却装置にて、発生していた
帯板（２）の一方側の片冷えが皆無となり、冷却帯での
トラブルも解消した。

【０００９】

【発明の効果】このように竪型連続焼鈍炉の冷却装置の
冷却箱の反冷媒供給側を冷媒供給側と横断面が略同一と
なるようにガイドプレートを配設したので、帯板冷却後
の冷媒の流れが帯板の巾方向に均等に流れ、巾方向の冷
却温度が均等になり、従来発生していた冷却不均一によ
るクーリングバックルの発生が皆無となった。このため
クーリングバックルによる板破断も解消した。また、不
均一冷却による帯板の蛇行も解消し、生産性も大幅に向
上し、本発明による効果は非常に大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】竪型連続焼鈍炉の冷却装置部の全体図、

【図２】本発明の一実施例を示す斜視図、

【図３】本発明の冷却箱の平面図、

【図４】従来技術を示す斜視図である。

【符号の説明】

1 冷却箱 2 帯板 3 搬送ロール 4 炉体 5 ガイドプレート 6 Ｙ字状ダクト 7 ブロワ 8 熱交換機 9 吸い込み口 1 0 ノズル 1 1 ダクト

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送ロール（３）を介して、帯板（２）
   を上下搬送して処理を行う竪型連続焼鈍炉であって、前
   記帯板（２）の表裏面に、適宜間隔をおき相対向して、
   １対の冷却箱（１）を配設し、この冷却箱（１）の巾方
   向一方向にその横断面がＹ字状のダクト（６）を連設し
   て冷媒を供給し、それぞれ冷却箱（１）に配設したノズ
   ル（１０）を介し帯板（２）を冷却する竪型連続焼鈍炉
   の冷却装置において、前記冷却箱（１）の冷媒の反供給
   側に、その横断面がく字状のガイドプレート（５）を設
   置して、前記冷却箱（１）の冷媒供給側および反冷媒供
   給側の横断面が略同形状になるように形成して冷却後の
   冷媒の流れを均等にしたことを特徴とする竪型連続焼鈍
   炉の冷却装置。