JP3297158B2 - 水中構造物の構築方法 - Google Patents

水中構造物の構築方法

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JP3297158B2
JP3297158B2 JP21696493A JP21696493A JP3297158B2 JP 3297158 B2 JP3297158 B2 JP 3297158B2 JP 21696493 A JP21696493 A JP 21696493A JP 21696493 A JP21696493 A JP 21696493A JP 3297158 B2 JP3297158 B2 JP 3297158B2
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厚宏 北澤
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三井建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、桟橋やドルフィン等の
水中構造物を構築する際に適用される水中構造物の構築
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来提案されている構築方法に
より、水中構造物を構築している作業の一工程を示した
図である。従来、水中構造物(例えば、桟橋やドルフィ
ン等)を構築するには、海底の地盤中の支持層に到達す
る形の、水中構造物の一部である複数の支持杭を最初に
打設構築し、これら支持杭を基準にしながら水中構造物
全体を構築していた。また最近、構築現場の海底の地盤
表面を、図5に示すように、まず掘削等するなどして整
地して平坦な整地面41に成型し、複数の鋼管が柱梁構
造をなす形で陸上で予め構築されたジャケット体43
を、該ジャケット体43を構成する複数の柱部材42が
整地面41に載置立設される形で設置し、次いで、これ
ら柱部材42の下端側を埋没させる形で整地面41の上
に栗石層45を敷設し、これら栗石層45を水中コンク
リートで固めてジャケット体43の根固めを行い、支持
杭46を、各柱部材42の管内部42aを通して、従っ
て、各柱部材42をガイドにして、場所打ちにより、し
かも各柱部材42と各支持杭46とが互いに接合される
形で構築して水中構造物40を構築する構築方法が提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来実施され
ている上述した前者の構築方法では、支持杭を高精度で
打設することが困難であるため、構築される水中構造物
の精度を向上させることが困難であった。また、提案さ
れている上述した後者の方法では、図5に示すように、
設置されたジャケット体43を基準にして支持杭46が
構築されるため、陸上で予め高精度で構築されたジャケ
ット体43を、平坦な整地面41に高精度で設置するこ
とができ、水中構造物40の精度を向上させることが容
易である。しかしその反面、ジャケット体43の設置の
精度を向上させるためには海底の地盤表面を整地する作
業、及び、整地面41の上に敷設した栗石層45を水中
コンクリートで固める作業等の煩雑で困難な作業が必要
となる。そこで、本発明は、上記事情に鑑み、水中構造
物の精度を容易に向上させることができると共に、海底
の地盤表面を整地する作業、及び、整地面の上に敷設し
た栗石層を水中コンクリートで固める作業等の煩雑で困
難な作業を必要としない水中構築物の構築方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、上下方
向に貫通した杭打ち孔(5b)を有する複数の位置決め
管(5)を、水底地盤(3)に打設し、前記複数の位置
決め管(5)と基準位置(K)との間の上下距離(H
2)をそれぞれ測定し、上下方向に貫通したガイド孔
(7d)を有するガイド管(7)を、前記位置決め管
(5)の打設位置に対応させた形で複数本設けてジャケ
ット体(6)を構築し、前記ガイド管(7)と該ガイド
管(7)に対応した前記位置決め管(5)の間の該ガイ
ド管(7)に対応する位置決め管(5)の測定された前
記上下距離(H2)に対応した位置に係止手段(7a、
7e、7f)をそれぞれ設定し、前記ジャケット体
(6)を、前記ガイド管(7)が前記係止手段(5a、
5c、5d、7a、7e、7f)を介して前記位置決め
管(5)にそれぞれ支持され、かつ該ガイド管(7)の
ガイド孔(7d)と、該ガイド管(7)に対応した前記
位置決め管(5)の各杭打ち孔(5b)とが互いに上下
方向に連通接続される形で設置し、上下方向に連通した
ガイド孔(7d)と杭打ち孔(5b)とを通して、前記
水底地盤(3)に支持杭(10)を打設構築し、前記支
持杭(10)と前記ジャケット体(6)とを、該ジャケ
ット体(6)が該支持杭(10)に支持される形で接続
して構成される。なお、( )内の番号等は、図面にお
ける対応する要素を示す、便宜的なものであり、従っ
て、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではな
い。以下の作用の欄についても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により本発明では、複数の位置決
め管(5)の打設が、水底地盤(3)を整地したり、そ
の整地面の上に栗石層を敷設して水中コンクリートで固
めるなどの作業を必要とせずに行われ、その他の作業即
ち、上下距離(H2)の測定及び、ジャケット体(6)
の構築及び、該ジャケット体(6)の位置決め管(5)
への設置及び、支持杭(10)の打設構築が殆ど非水中
作業で行われる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明による水中構造物の構築方法により
構築されたドルフィンの一例を示した断面図、図2は、
図1で示すドルフィンを上方から見た平面図、図3は、
図1で示すドルフィンの構築における一工程を示した
図、図4(a)は、柱部材の外周面側のツバとして設け
られた、柱部材と位置決め管との係止手段の一例を示し
た図、図4(b)は、柱部材の開口下端として設けられ
た、柱部材と位置決め管との係止手段の一例を示した
図、図4(c)は、柱部材の開口下端として設けられ
た、柱部材と位置決め管との係止手段の他の一例を示し
た図である。
【0007】構築現場2には、図1及び図2に示すよう
に、ドルフィン1が構築されており、ドルフィン1は円
筒状の鋼管からなり、その内部が杭打ち空間5bとなっ
ている複数の位置決め管5を有している。各位置決め管
5は、海底の地盤3に鉛直方向に打ち込まれており、こ
れら位置決め管5の各開口上端5aは、地盤3の地盤表
面3aの上方に突出している。複数の位置決め管5には
ジャケット体6が支持され設けられている。ジャケット
体6は、円筒鋼管からなり、その内部がガイド空間7d
となっている複数の柱部材7と、鋼管からなる複数の梁
部材9とが互いに柱梁構造をなす形で接続されて構成さ
れており、ジャケット体6は、各柱部材7がその下側よ
り、各位置決め管5によって支持される形で設けられて
いる。即ち、各柱部材7の内周面側には各柱部材7の軸
心方向に突出したツバ7aが形成されており、各柱部材
7は、各柱部材7の開口下端側からその内部であるガイ
ド空間7dに柱部材7より小径の位置決め管5をそれぞ
れ挿入させると共に、そのツバ7aを各位置決め管5の
開口上端5aにおいて当接させる形で各位置決め管5に
よって支持されている。また、ドルフィン1は、各位置
決め管5の杭打ち空間5bを上下方向に充足する形の、
鉄筋コンクリートからなる複数の支持杭10を有してい
る。各支持杭10の下端側は、杭打ち空間5bから地盤
3を下方に挿入されて地盤3中の支持層3bに到達して
おり、各支持杭10の上端側は、杭打ち空間5bから柱
部材7のガイド空間7dに達している。なお、各柱部材
7の内周面側にはツバ7aよりも上方の位置において、
複数の図示しない係合リブが形成されており、この係合
リブに支持杭10のコンクリートが係合することによっ
て該支持杭10と柱部材7との間では充分な付着力が発
生し、ジャケット体6の重量(及び、ジャケット体6に
加わる負荷重量)が支持杭10に充分に伝達され得るよ
うになっている。このように、ジャケット体6は複数の
位置決め管5によって支持されているだけでなく、複数
の支持杭10によっても支持されている。なお、支持杭
10は、上述したように、地盤3中の支持層3bに到達
しているため、複数の支持杭10によって支持されたジ
ャケット体6は、複数の支持杭10を介して支持層3b
によって支持されていることになり、ジャケット体6
(或いは、負荷重量を得たジャケット体6)は安定した
状態で支持され設けられている。なお、ジャケット体6
のうち最上位置の梁部材9の上端9a及び、柱部材7の
開口上端7cはともに常に海面上に位置している計画さ
れた水平な基準レベルKに存在しており、これら最上位
置の梁部材9には、或いは、これら柱部材7には、これ
ら梁部材9の上端側に架設される形で、或いは、これら
柱部材7の開口上端7cに載置される形で、鋼板からな
る水平なデッキプレート11aが設けられている。ま
た、デッキプレート11aの上には鉄筋コンクリートか
らなる水平なスラブ11が設けられている(なお、図2
では、便宜上、デッキプレート11a及びスラブ11の
輪郭のみを二点鎖線をもって示している。)。
【0008】ドルフィン1及び、その構築現場2は以上
のように構成されているので、ドルフィン1が未だ構築
されていない構築現場2に、本発明による水中構造物の
構築方法を適用して該ドルフィン1を構築するには次の
ように行う。なお、海上には、公知のベノト工法により
場所打ち杭を構築するのに使用されるベノト掘削装置ユ
ニット12が待機しており、ベノト掘削装置ユニット1
2は、図示しないクレーン付作業台船に搭載されている
ケーシングチューブ13及び揺動装置15と、ブーム付
台船16のブーム16aの先端よりワイヤを介して釣支
されたハンマグラブ17からなっている。構築作業はま
ず、未だドルフィン1が構築されていない構築現場2の
海底において、地盤3に、図示しない公知の水中ハンマ
ー等を介して複数の位置決め管5をそれぞれ所定の位置
(即ち、前記ジャケット体6の複数の柱部材7の位置に
それぞれ対応した位置)に鉛直方向に打ち込む。次い
で、海上より、前記基準レベルKから各位置決め管5の
開口上端5aまでの鉛直方向の深さH2をそれぞれ測量
する(なお、深さH2は、各位置決め管5によってそれ
ぞれ異なることが普通である。)。一方、陸上において
は、複数の柱部材7と複数の梁部材9とを柱梁構造をな
す形で接合する形でジャケット体6が構築されており、
上述した測量の結果値である深さH2に基づいて、各柱
部材7の内周面側に各柱部材7の軸心方向に突出したツ
バ7aが溶接接合によりそれぞれ設けられる。即ち、各
ツバ7aは、各柱部材7の開口上端7cから各ツバ7a
の下面位置までの距離が、これら柱部材7に対応した位
置の位置決め管5の各深さH2の大きさの距離に等しく
なる位置においてそれぞれ設けられる。なお、ジャケッ
ト体6には、デッキプレート11aは設けられている
が、スラブ11は未だ設けられていない状態にある。ま
た、ジャケット体6は陸上の安定した作業環境において
構築されるため、その構築は容易かつ高精度で行われ
る。次いで、ツバ7aが設けらたジャケット体6を図示
しない作業台船に積込み、該台船を介して構築現場2ま
で曳航する。そして、ジャケット体6を、図示しない作
業台船に設けられた図示しないクレーンによって揚重
し、各柱部材7の位置がそれぞれ対応した位置決め管5
の上方に整合対応する形でジャケット体6を降下させ
る。降下により、ジャケット体6はその下側より海中2
aに進入し、進入をつづけることによって、各柱部材7
の各開口下端の位置がそれぞれ対応した位置決め管5の
開口上端5aに略同心状に整合対応する形で到達する。
更なる降下により、各柱部材7の各開口下端側より、そ
れぞれ対応した位置決め管5の開口上端5a側が各柱部
材7の各ガイド空間7dに進入し、各柱部材7のツバ7
aが位置決め管5の開口上端5aに到達当接する。到達
当接の後、図示しないクレーンによるジャケット体6の
揚重を解除させる。解除により、ジャケット体6は、ツ
バ7aにおいて当接していた位置決め管5により係止さ
れ支持される。なお、柱部材7の内径と位置決め管5の
外径とは、所定の大きさの径差を有しているため、位置
決め管5の打設が高精度で行われず、従って、各位置決
め管5の打設位置と、これらと対応した各柱部材7の位
置との間に水平距離における誤差が生じている場合に
も、各位置決め管5とそれぞれ対応した柱部材7との間
では、前記径差を利用して各位置決め管5がそれぞれ対
応した柱部材7に極力挿入され得るようになっている。
また、位置決め管5は、地盤3の支持層3bには到達し
ない形で打設されているが、ジャケット体6には未だ鉄
筋コンクリートによる大重量のスラブ11が形成されて
おらず、従って、柱部材7から位置決め管5に伝達され
る加重は極力軽減された状態になっているため、ジャケ
ット体6はこれら位置決め管5によって充分に支持され
得る。
【0009】ところで、前記基準レベルKから各位置決
め管5の開口上端5aまでの鉛直方向の深さは深さH2
であり、柱部材7の開口上端7cからツバ7aまでの距
離は各深さH2に等しい大きさの距離になっているの
で、各柱部材7の開口上端7cは、全て前記基準レベル
Kに存在している。つまり、ジャケット体6は水平に高
精度で設置された。次いで、ジャケット体6の上側の前
記デッキプレート11aを足場として公知のベノト工法
により支持杭10の構築を行う。なお、支持杭10の構
築は、1本の柱部材7毎に行う形で全ての柱部材7に対
して行われる。即ち、各柱部材7に対する支持杭10の
構築は、まず図3に示すように、各柱部材7の開口上端
7cより、図示しない作業台船の図示しないクレーンに
よって吊下げたケーシングチューブ13を各柱部材7の
ガイド空間7dに挿入し降下させ、更に、該ガイド空間
7dより位置決め管5の杭打ち空間5bに挿入し降下さ
せ、ケーシングチューブ13の刃13bが形成された先
端を位置決め管5の杭打ち空間5bに存在している地盤
表面3aに到達させる。到達させた後、図示しない前記
作業台船から積み下し、ジャケット体6上のデッキプレ
ート11aに設置された揺動装置15を介してケーシン
グチューブ13を水平方向に揺動させると共に、下方に
押込むことにより、図3に示すように、刃13bが形成
されたケーシングチューブ13の先端付近を地盤3の中
に挿入させる。次いで、図示しない排水ポンプを介し
て、ケーシングチューブ13の内部13aの海水を排水
した後、該ケーシングチューブ13の内部13a或い
は、該内部13aの上方位置に、ブーム付台船16のブ
ーム16aの先端に釣支されたハンマグラブ17を設置
させる。次いで、該ハンマグラブ17をケーシングチュ
ーブ13の内部13aで落下させ、ケーシングチューブ
13の先端付近の地盤3を掘削して掘削孔19を形成
し、該ハンマグラブ17により掘削した土を掴んで上昇
し、掴んだ土を外部に排出する形の一連の動作と共に、
揺動装置15を介してケーシングチューブ13を水平方
向に揺動させ、かつ該チューブ13を更に下方に押込む
一連の動作を繰り返しながら、地盤3の掘削及び、ケー
シングチューブ13の地盤3への挿入を進める。更に、
掘削及び、挿入を進めて、ケーシングチューブ13が地
盤3の中の支持層3bに到達し、従って、掘削孔19が
支持層3bに到達することにより、これら掘削及び、挿
入を停止する。
【0010】その後、ケーシングチューブ13の内部1
3aに図示しないポンプを介して清水注入、泥水排出に
よるスライム除去を行った後、図示しないクレーンを介
して、ケーシングチューブ13の内部13a即ち、掘削
孔19に鉄筋カゴを挿入設置し、図示しないコンクリー
トポンプ及び、図示しないコンクリート圧送管を介し
て、ケーシングチューブ13の内部13a即ち、掘削孔
19にコンクリートを打設する。なお、コンクリートの
打設にともなってケーシングチューブ13は図示しない
クレーンを介して揚重抜取りする。打設及び、抜取りに
より、コンクリートを所定の位置即ち、柱部材7のツバ
7aの上方の図示しない前記係合リブを埋没させる位置
まで打ち上げて、該柱部材7から、ケーシングチューブ
13、図示しないコンクリート圧送管を撤去して、打設
されたコンクリートを固結させることにより、支持杭1
0を構築が完了する。なお、支持杭10は、支持層3b
に到達している掘削孔19の下端位置から、柱部材7の
ガイド空間7dの所定の打ち上げ位置までの上下範囲に
亙って、掘削孔19、位置決め管5の杭打ち空間5b、
柱部材7のガイド空間7dをコンクリートで充填した形
で構築される。以下、その他の柱部材7に対しても1本
づつ上述した支持杭10の構築作業と同様の作業を行
う。即ち、ケーシングチューブ13を、該チューブ13
の先端を地盤表面3aに到達させる形で、柱部材7の内
部7b及び位置決め管5の内部に挿入させ、揺動装置1
5を介してケーシングチューブ13を水平方向に揺動さ
せると共に下方に押込むことにより、チューブ13の先
端付近を地盤3の中に挿入させ、ケーシングチューブ1
3の内部13aの海水を排水した後、該ケーシングチュ
ーブ13の内部13aでハンマグラブ17を落下させ、
ケーシングチューブ13の先端付近の地盤3を掘削して
掘削孔19を形成し、掘削した土を掴んで上昇し、掴ん
だ土を外部に排出する形の一連の動作と共に、揺動装置
15を介してケーシングチューブ13を水平方向に揺動
させ、かつ該チューブ13を更に下方に押込む一連の動
作を繰り返えす。また、更に、地盤3の掘削及び、ケー
シングチューブ13の地盤3への挿入を進めて、ケーシ
ングチューブ13を支持層3bに到達させ、従って、掘
削孔19を支持層3bに到達させることにより、これら
掘削及び、挿入を停止し、チューブ13の内部13aの
スライム除去を行った後、該内部13a即ち、掘削孔1
9に鉄筋カゴを挿入設置し、ケーシングチューブ13を
揚重抜取りしながら該掘削孔19にコンクリートを所定
の位置まで打設し、打設したコンクリートを固結させ
る。こうした支持杭10の構築作業を、全ての柱部材7
に対して1本づつ行う。
【0011】次いで、ジャケット体6のデッキプレート
11aの上側に鉄筋等を配筋し、コンクリートを打設し
て固結させ、スラブ11を構築する。なお、上述したよ
うに、大重量のスラブ11が構築されたジャケット体6
は、複数の支持杭10を介して支持層3bによって確実
に支持されている。以上で、ドルフィン1の構築が全て
完了する。
【0012】以上のように、本発明による水中構造物の
構築方法によってドルフィン1を構築すると、従来提案
されている水中構造物の構築方法のように海底の地盤3
を整地したり、その整地面の上に栗石層を敷設して水中
コンクリートで固めるなどの作業を必要とせずに、複数
の位置決め管5の打設が容易に行われ、その他の作業即
ち、海上からの基準レベルKと位置決め管5との間の深
さH2の測定及び、陸上でのジャケット体6の構築及
び、該ジャケット体6の位置決め管5への設置及び、柱
部材7の上端7cからの支持杭10の打設構築は殆ど容
易で安全な非水中作業で行われるため、煩雑で困難な作
業が必要ない。また、ジャケット体6は、前記深さH2
に対応した位置に設定された、ジャケット体6と位置決
め管5との間のツバ7aを介して位置決め管5に支持さ
れる形で設置されるので、海面2bに対する該ジャケッ
ト体6の上下方向の設置位置が正確となり、該ジャケッ
ト体6の設置精度が向上され、ドルフィン1の構築精度
が向上される。
【0013】なお、上述した実施例では支持杭10はベ
ノト工法による場所打ち杭として打設構築したが、支持
杭10は、上下方向に連通接続された柱部材7のガイド
空間7dと、該柱部材7に対応した位置決め管5の各杭
打ち空間5bを通して打設構築でき、しかも該支持杭1
0とジャケット体6とを、該ジャケット体6が該支持杭
10に支持される形で接続し得るならば、例えば、鋼管
杭等のように、どのような杭として打設構築されてもよ
い。
【0014】また、上述した実施例ではジャケット体6
の構築は陸上で高精度に行われているが、ジャケット体
6の構築場所は、安定した作業環境で構築が高精度に行
われ得るならば、陸上でなくともよく、例えば、ドライ
ドック或いは、作業台船上或いは、既に構築された水中
構造物の上でもよい。
【0015】また、上述した実施例では柱部材7の内周
面側にツバ7aを設けて、このツバ7aと位置決め管5
の開口上端5aを柱部材7と位置決め管5との係止手段
とした。しかし、柱部材7の内周面側にツバ7aを設け
る代わりに、図4(a)に示すように、柱部材7の外周
面側にツバ7eを設けて、該ツバ7eと位置決め管5の
開口上端5aを柱部材7と位置決め管5との係止手段と
してもよい。ツバ7eを設けた場合、柱部材7の外径は
位置決め管5の内径より小さく形成され、柱部材7は位
置決め管5によって、柱部材7の開口下端側が位置決め
管5の開口上端5a側より、位置決め管5の内部に挿入
する形で、かつツバ7eと位置決め管5の開口上端5a
とが当接する形で支持される。
【0016】また、柱部材7の内外周面側いずれにもツ
バ7a或いは、ツバ7eを設けず、図4(b)或いは、
図4(c)に示すように、位置決め管5の内周面側或い
は、外周面側にツバ5c或いは、ツバ5dを設けてもよ
い。位置決め管5にツバ5c或いは、ツバ5dを設ける
場合、柱部材7は位置決め管5によって、柱部材7の開
口下端7f側が位置決め管5の開口上端5a側より位置
決め管5の内部に挿入する形で、或いは、位置決め管5
の開口上端5aが柱部材7の開口下端7f側より柱部材
7の内部に挿入する形で、かつツバ5c或いは、ツバ5
dと柱部材7の開口下端7fとが当接する形で支持され
る。なお、位置決め管5にツバ5c或いは、ツバ5dを
設ける場合、柱部材7と位置決め管5との係止手段はツ
バ5cと柱部材7の開口下端7f或いは、ツバ5dと柱
部材7の開口下端7fとなる。また、測定されるべき複
数の位置決め管5と基準レベルKとの間の深さH2は、
位置決め管5のツバ5c或いは、ツバ5dと海面2bと
の間の距離となり(ツバ5c、5dは位置決め管5の図
4上端より一定の位置に予め設けられている)、予め長
手方向の長さを長めにして形成された柱部材7を、該柱
部材7に対応する位置決め管5の測定された深さH2に
対応した位置において切断し、その切断端部を開口下端
7fと設定する。
【発明の効果】以上説明したように、本発明による水中
構造物の構築方法は、上下方向に貫通した杭打ち空間5
b等の杭打ち孔を有する複数の位置決め管5等の位置決
め管を、地盤3等の水底地盤に打設し、前記複数の位置
決め管と基準レベルK等の基準位置との間の深さH2等
の上下距離をそれぞれ測定し、上下方向に貫通したガイ
ド空間7d等のガイド孔を有する柱部材7等のガイド管
を、前記位置決め管の打設位置に対応させた形で複数本
設けてジャケット体6等のジャケット体を構築し、前記
ガイド管と該ガイド管に対応した前記位置決め管の間の
該ガイド管に対応する位置決め管の測定された前記上下
距離に対応した位置にツバ7a、7eと開口上端5a、
開口下端7fとツバ5c、5d等の係止手段をそれぞれ
設定し、前記ジャケット体を、前記ガイド管が前記係止
手段を介して前記位置決め管にそれぞれ支持され、かつ
該ガイド管のガイド孔と、該ガイド管に対応した前記位
置決め管の各杭打ち孔とが互いに上下方向に連通接続さ
れる形で設置し、上下方向に連通したガイド孔と杭打ち
孔とを通して、前記水底地盤に支持杭10等の支持杭を
打設構築し、前記支持杭と前記ジャケット体とを、該ジ
ャケット体が該支持杭に支持される形で接続して構成さ
れる。従って、本発明による水中構造物の構築方法で
は、複数の位置決め管の打設が、水底地盤を整地した
り、その整地面の上に栗石層を敷設して水中コンクリー
トで固めるなどの作業を必要とせずに容易に行われ、そ
の他の作業即ち、前記上下距離の測定及び、ジャケット
体の構築及び、該ジャケット体の位置決め管への設置及
び、支持杭の打設構築は殆ど容易で安全な非水中作業で
行われるため、煩雑で困難な作業が必要ないばかりでな
く、ジャケット体は、前記上下距離に対応した位置に設
定された、ジャケット体と位置決め管との間の係止手段
を介して位置決め管に支持される形で設置されるので、
水面に対する該ジャケット体の上下方向の設置位置が正
確となり、該ジャケット体の設置精度が向上され、水中
構造物の構築精度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による水中構造物の構築方法に
より構築されたドルフィンの一例を示した断面図であ
る。
【図2】図2は、図1で示すドルフィンを上方から見た
平面図である。
【図3】図3は、図1で示すドルフィンの構築における
一工程を示した図である。
【図4】図4(a)は、柱部材の外周面側のツバとして
設けられた、柱部材と位置決め管との係止手段の一例を
示した図である。図4(b)は、柱部材の開口下端とし
て設けられた、柱部材と位置決め管との係止手段の一例
を示した図である。図4(c)は、柱部材の開口下端と
して設けられた、柱部材と位置決め管との係止手段の他
の一例を示した図である。
【図5】図5は、従来提案されている構築方法により、
水中構造物を構築している作業の一工程を示した図であ
る。
【符号の説明】
1……水中構造物(ドルフィン) 3……水底地盤(地盤) 5……位置決め管 5a……係止手段(開口上端) 5b……杭打ち孔(杭打ち空間) 5c……係止手段(ツバ) 5d……係止手段(ツバ) 6……ジャケット体 7……ガイド管(柱部材) 7a……係止手段(ツバ) 7d……ガイド孔(ガイド空間) 7e……係止手段(ツバ) 7f……係止手段(開口下端) 10……支持杭 H2……上下距離(深さ) K……基準位置(基準レベル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大丸 正八郎 福岡県福岡市博多区店屋町1番35号 博 多三井ビルディング2号館 三井建設株 式会社 九州支店内 (56)参考文献 特公 昭45−7133(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/06 E02D 5/38 E02D 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向に貫通した杭打ち孔を有する複数
    の位置決め管を、水底地盤に打設し、 前記複数の位置決め管と基準位置との間の上下距離をそ
    れぞれ測定し、 上下方向に貫通したガイド孔を有するガイド管を、前記
    位置決め管の打設位置に対応させた形で複数本設けてジ
    ャケット体を構築し、 前記ガイド管と該ガイド管に対応した前記位置決め管の
    間の該ガイド管に対応する位置決め管の測定された前記
    上下距離に対応した位置に係止手段をそれぞれ設定し、 前記ジャケット体を、前記ガイド管が前記係止手段を介
    して前記位置決め管にそれぞれ支持され、かつ該ガイド
    管のガイド孔と、該ガイド管に対応した前記位置決め管
    の各杭打ち孔とが互いに上下方向に連通接続される形で
    設置し、 上下方向に連通したガイド孔と杭打ち孔とを通して、前
    記水底地盤に支持杭を打設構築し、 前記支持杭と前記ジャケット体とを、該ジャケット体が
    該支持杭に支持される形で接続して構成した水中構造物
    の構築方法。
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