JP3295811B2 - スパイラル刃物 - Google Patents
スパイラル刃物Info
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Description
器等に用いられる刃物、特に刃先ラインがスパイラル状
を成した刃物に関する。
ば、図11に示すようにホブ盤を使って管状または棒状
の刃物素材からスパイラル刃を削り出し、これを電気か
みそりの内刃16として用いたものがある(実開平2−
67969号公報)。また、スパイラル刃物ではない
が、図12に示すように電気かみそりの内刃16とし
て、刃保持用の基台1の周面にストレートの帯状刃2を
ねじり弾性変形させないまま軸方向に平行にインサート
成形したものがある(特開昭63−194692号公
報)。
技術のごとくホブ切りによるものでは切れ味が良好であ
る反面、生産性が低く、コスト高になる。
2を基台1にインサート成形するので、量産化を図るこ
とができる。しかし、薄手の帯状刃2は毛から受ける切
断抵抗で撓み過ぎる傾向が大であるため、それだけ切れ
味が低下する。帯状刃2の基台1の周面からの突出高さ
hを小さくすることにより撓みを小さく抑えられるが、
こうした場合は固定外刃18と基台1の周面との間に形
成される空間が狭くなって長い毛が導入され難くなった
り、切断後の毛屑が固定外刃18の毛導入孔19から吹
出やすくなるといった問題が生じるため、その突出高さ
hはあまり小さくすることができない。また、帯状刃2
の板厚を大きくすれば撓みにくくなるが、これでは固定
外刃18の内面との接触面積の増大により摺動抵抗が大
きくなってモータに過負荷を加える不具合が生じ、また
その所望形状の塑性、プレス加工が容易でなくなる。
ば、特開昭58−173577号公報に示されるように
ドラムの外周の保持溝に螺旋刃を巻きつけ、その両端を
かしめ付けるものがあるが、螺旋刃はこの両端でのみ固
定され、その余の中間部分は保持溝内に保持されている
だけであるので、切断抵抗によりぐらつき状に傾き易
く、しかも一条の刃をドラム全長に巻きつけているの
で、ねじれ角が大きくなり過ぎて50°を越え、切れ味
の悪いものとなる。
されるものは、刃を複数枚にしているが、その固定は両
端だけであり、前述したものと同様に、その中間領域は
摺動、切断抵抗により傾き、変動し易く、切れ味の不安
定なものとなる。
ル刃物を提供し、その生産性の向上を図ることを目的と
する。
は、プラスチック製の基台1と、弾性材からなる帯状刃
2とからなる。帯状刃2は、ねじり弾性変形させた状態
のまま、その刃元側端2aを全長にわたって基台1の周
面に所定深さでインサート成形して埋設してあり、帯状
刃2には、基台1の周面に埋設される刃元側端2a寄り
に、透孔ないし切欠からなる抜け止め手段が、全長にわ
たって埋設状態で設けられている。
できる。ここで、一体に成形するとは、基台1と回転軸
3とを同じ材料で一体成形すること、および基台1の成
形時にこれとは別体の回転軸3を基台1にインサート成
形することの双方を含む。
た状態のままで基台1に埋設してあるので、その刃先側
端2bが毛等から受ける切断抵抗で撓む方向に逆らう方
向のねじれ応力が作用するため、切削時の撓みを小さく
抑えることができて切れ具合が良好となる。帯状刃2を
基台1にインサート成形するので、成形サイクルを短縮
化できてスパイラル刃物の生産性を高める。
することにより、毛等の被切断物もすべることなく切断
できる。
基台1に対する回転軸3の組み付けを省略できる。
2bの長さよりも大きくしてあるので、帯状刃2をねじ
り変形させて基台1に埋設するときもその埋め込み深さ
を帯状刃全長にわたって均等にし、全ての帯状刃2の刃
先側端2bの高さを同じに揃えることができ、この点で
も切れ味の向上に寄与する。
切れ味の良いスパイラル刃物を安価に大量生産できる。
物を例示している。このスパイラル刃物は、ナイロン、
アセタール、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、
ポリカーボネート、ポリスチレン、PBT樹脂のような
エンジニアリングプラスチック、特にこれらの結晶性樹
脂単独、またはガラス繊維もしくは金属ウイスカー入り
のエンジニアリングプラスチックからなる円柱または多
角柱形状の基台1の周面に、複数本の薄い、例えばSU
S403J2のようなステンレス鋼板からなる帯状刃2
を軸心に対して所定の傾き角(ねじれ角β)をつけて埋
設してなる。前記のような基台1の樹脂材料は、帯状刃
2が作用時に受ける温度と表面硬度(衝撃性)を考慮し
て選定される。例えば、耐熱性が常時100℃以上で、
衝撃強さが6kg・cm/cm以上のものが好ましい。
厚方向にねじれ変形させて内部応力が残留したままその
刃元側端2aが基台1の周面に所定深さに埋設される。
この場合、刃元側端2a寄りに透孔や切欠等からなる抜
け止め手段をその全長にわたって、または部分的に設け
ているが、その埋設状態でねじれ変形を部分的に緩和し
ない程度の大きさおよび配置にすることが好ましい。こ
のためには透孔等が全て埋設されてしまえば最も安定す
る。
ス等からなる金属製の回転軸3を突出させている。
て製造することができる。上記基台1は射出成形し、こ
の成形時に帯状刃2および回転軸3をインサートする。
図5および図6はその基台成形金型構造の断面図を示
す。この基台成形金型6はその中央に成形品たる基台1
に該当するキャビティ7を有するとともに、キャビティ
7の内周に帯状刃2をねじり変形させて内部応力が残留
した状態に挿入保持する複数本(図示例では12本)の
スパイラル溝8を形成してなる。
架台に装着する際に、向き規制をする必要があり、この
ために図6および図7に示すように一側壁に軸方向に沿
って切欠6aを設ける。また、この切欠6aは後述する
縦分割ブロック10を保守、修理するために再連結する
際の方向の間違いを防止するにも有効である。この基台
成形金型6は、図7に示すように多数の縦分割ブロック
10を軸方向に隙間なく積み重ねることにより組み立て
られる。各縦分割ブロック10は基台成形金型6を軸方
向に均等に又は不均等に分割した多角形あるいは円形状
であり、その中央に前記キャビティ7を形成する円形の
孔11を有し、かつ該孔11の内周に前記スパイラル溝
8を形成するスリット12を放射状に設けている。この
縦分割ブロック10の全てを積み重ねることにより、各
ブロック10の孔11が連通してキャビティ7が形成さ
れる。また各ブロック10のスリット12はスパイラル
溝8に沿うべく少しずつ位相をずらしていて、全部の縦
分割ブロック10の積み重ねによって、そのキャビティ
7の内周にスパイラル溝8が形成される。
台軸長が40mmの場合、板厚1mmの縦分割ブロック10
を40枚、積み重ねてある。
ようにその周方向に等分割し、かつその分割線がスパイ
ラル溝8に沿った形の複数の横分割ブロック9からなる
ものを用いることもできる。この場合、横分割ブロック
9の内面に円周状のライン9aを刻んでおけば、成形後
の基台1の表面に帯状刃2の埋設方向と交差する微細な
凹凸を形成でき、使用時、切屑が基台1の表面を帯状刃
2に沿って移動し、その一端寄りに切屑が集中的に堆積
するのを軽減できる。
るに際しては、まず、帯状刃2をキャビティ7の上方か
ら入れてその刃先側端2bをスパイラル溝8に挿入す
る。帯状刃2はスパイラル溝8に挿入されることにより
ねじれ荷重が加えられて内部にねじれ応力が発生したま
ま保持された状態でスパイラル溝8内で所定のねじれ角
β(例えば18°)がつけられ、刃元側端2aがキャビ
ティ7内に突出する。
心には、その周面に基台回止め用の凹凸を形成した回転
軸3を配し、この上下端を基台成形金型6のスプールブ
ッシュ13および下型14で支持することにより垂直に
保持固定する。このとき、回転軸3の基台回止め用の凹
凸が軸方向中間付近に設けられていると、その装填間違
いを防止できる。
ティ7に射出して充填することにより、基台1が成形さ
れると同時に、帯状刃2の刃元側端2aが該基台1の周
面に所定深さに埋設され、同時に回転軸3が基台1の中
心に埋込み成形される。
刃元側端2aの長さl1 は凸円弧状の刃先側端2bの長
さl2 よりも短く設定することにより、その刃元側端2
aを基台1の周面にその軸方向全長にわたって均等な深
さに埋設できる。
1の端面上に複数箇所、例えば帯状刃2の刃元側端2a
と回転軸3との間に、より好ましくは回転軸3にできる
限り近づくような位置に設定することにより、樹脂射出
成形圧で帯状刃2がスパイラル溝8からキャビティ7内
に抜け出たり、こじれ状に傾くのを抑えることができ
る。また、基台1の端面上に該基台1の周縁に沿うフィ
ルム状ゲートとすることもよい。
上における相隣る帯状刃2の刃元側端2aの延長線どう
し間の箇所に対応するように複数箇所に設定すると、溶
融樹脂が帯状刃2のスパイラル形状に沿って流れて充填
され、成形後の基台1内の残留応力を軽減させることが
できる。例えば、図6に示すようにゲート15を3箇所
に不等分配置すれば、等分配置された帯状刃2の或る一
つの端部とゲート15とが合致しても、他のゲート15
は合致しないので、帯状刃2を不必要に変形させること
なく射出成形することができる。
プールブッシュ13を取り外して、成形品(スパイラル
刃物)を基台成形金型6から上方へスパイラル溝8に沿
って回しながら取り出す。
て刃付けするが、この研磨は円筒研削とし、研削方向は
図2に示す回転方向Xと反対方向としてすくい面方向に
バリが発生しないようにする。かかる研磨作業を容易に
するために、回転軸3の両端面を図3に示すごとくすり
鉢状に凹設させておけばよい。
2にすくい角α、例えばすくい角α=5°をつけること
が好ましい。帯状刃2にすくい角αをつけるためには、
基台成形金型6のスパイラル溝8に、図9に示すよう
に、そのすくい角αに見合う角γをつけておく必要があ
る。
溝8の全長にわたって等しくつけると、次のような不具
合が生じる。帯状刃2を基台成形金型6のスパイラル溝
8に挿入すると、帯状刃2にねじり荷重が加えられて内
部応力が生じる。このため、成形後、基台成形金型6か
ら成形品を取り出すと、帯状刃2が内部応力で変形し、
すくい角αが帯状刃2の全長にわたって均等につけるこ
とができない。すなわち、その帯状刃2の内部応力によ
る変形は、図9に示すように、帯状刃2の長手方向の中
間部ではほとんどみられないが、中間部からねじり始端
A(ゲート15側)に向かうに従って負の方向(ねじり
方向と反対方向)に変形(図9中、破線aで示す変形状
態)し、ねじり終端Bに向かうに従って正の方向(ねじ
り方向)に漸次大きく変形(図9中、破線bで示す変形
状態)して行くといった、不具合が生じる。
よる変形を見込んでスパイラル溝8につける角γを次の
ように設定する。すなわち、図9に示すように、スパイ
ラル溝8の中間部の角γは、帯状刃2につけようとする
すくい角αと同じに設定し、中間部からねじり始端Aに
向かって漸次減少させ、ねじり終端Bに向かって漸次増
加させる。こうすることによって、帯状刃2の全長にわ
たってすくい角αを均一につけることができる。
りの内刃16に適用した場合を示している。この電気か
みそりは本体ケース17の上部に網目状の固定外刃18
を装着し、この固定外刃18の内面に対し摺接回転する
上記スパイラル刃物からなる内刃16が回転軸3まわり
に回転自在に支持されている。
り弾性変形させたまま埋設してあるので、この埋設状態
で帯状刃2の内部に原形の直線状に復帰しようとする方
向にねじれ応力が作用している。このため、帯状刃2は
ねじり変形し易いように板厚0.1mm程度の薄いものとし
ても、また基台1の周面からの突出高さhを毛屑吹出し
の無いよう高く設定しても、毛切断時の帯状刃2は撓み
にくくなり、毛の切断作用を高めることができる。
ねじれ角βを18°に設定してねじれ応力を作用させて
いるが、ねじれ角βが大きくなる程ねじれ応力が過多と
なり、帯状刃2に加わる衝撃力でこの帯状刃2の折損事
故が発生するおそれがある。このような場合、例えば、
ねじれ角を30〜45°近くにまで大きくする場合は、
帯状刃2を予め10°〜20°位までプレス処理し、塑
性変形させた後埋設することにより、ねじれ応力をねじ
れ角10°〜20°の場合に相当するまで減少補正する
ことができる。
材料で一体に成形することも可能であり、この場合は、
特に基台1と回転軸3との偏心ばらつきが抑制できる。
持するスパイラル溝の角の変化状態を示す説明図
の縦断側面図
Claims (4)
- 【請求項1】 プラスチック製の基台1と、弾性材から
なる帯状刃2とからなり、 帯状刃2は、ねじり弾性変形させた状態のまま、その刃
元側端2aを全長にわたって基台1の周面に所定深さで
インサート成形して埋設してあり、 帯状刃2には、基台1の周面に埋設される刃元側端2a
寄りに、透孔ないし切欠からなる抜け止め手段が、全長
にわたって埋設状態で設けられていることを特徴とする
スパイラル刃物。 - 【請求項2】 帯状刃2のねじれ角βが、45°より小
さく設定されている請求項1記載のスパイラル刃物。 - 【請求項3】 基台1に回転軸3が一体に成形されてい
る請求項1記載のスパイラル刃物。 - 【請求項4】 帯状刃2の凸円弧状の刃先側端2bの長
さが、凹円弧状の刃元側端2aの長さよりも大きく設定
されている請求項1記載のスパイラル刃物。
Priority Applications (1)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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-
2000
- 2000-08-11 JP JP2000244141A patent/JP3295811B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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