JP3295674B2 - 希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法 - Google Patents

希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組成分布が均質でかつ
組成が最適であって高い磁気特性を有する希土類−鉄−
コバルト−窒素系磁性材料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性材料は家庭電化製品、音響製品、自
動車部品やコンピューターの周辺端末機まで、幅広い分
野で使用されており、エレクトロニクス材料としての重
要性は年々増大しつつある。特に最近、各種電気・電子
機器の小型化、高効率化が要求されてきたため、より高
性能の磁性材料が求められている。
【0003】この時代の要請に応え、Sm−Co系、N
d−Fe−B系などの希土類磁性材料の需要が急激に増
大している。しかし、Sm−Co系は原料供給が不安定
で原料コストが高く、Nd−Fe−B系は耐熱性、耐食
性に劣る問題点がある。一方、新しい希土類磁性材料と
しては、希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料が発明
されている(例えば特開平2−57663)。この材料
は磁化、異方性磁界、キュリー点が高い上に耐食性が良
好なので、Sm−Co系、Nd−Fe−B系の欠点を補
う磁性材料として期待されている。
【0004】また、その製造方法についてみると他の磁
性材料が一貫して冶金学的な手法で製造されているのに
対し、希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の特徴
は、希土類−鉄−コバルト合金を活性な窒素を含む気相
中で熱処理して、固気反応により格子内に窒素を侵入さ
せる工程を含むことである。
【0005】さらにこの際、アンモニアまたは窒素ガス
を含む還元性雰囲気で加熱処理すれば高い磁気特性を持
つ希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料(特開平2−
57663)が得られるが、この反応系における窒素量
は広い範囲をとることができ、その最適化方法が課題で
あった。
【0006】上記のほかに、IEEE TRANSAC
TION ON MAGNETICS,MAG−23,
No.5,3098〜3100(1987)、J.AP
PL.PHYS.,69(5),3007〜3010
(1991)や日本応用磁気学会誌、第16巻、第2
号、169〜172頁、1992年などに記載の、窒素
ガスのみを用いた希土類−(鉄及びまたはコバルト)−
窒素系材料の製造法が提案されているが、この方法で
は、加熱前に見られなかったα−Fe相やβ−Co相が
加熱処理後に生成するなど窒素組成の不均一化をきた
し、満足できる磁気特性が得られない問題点があった。
【0007】従って、希土類−鉄−コバルト−窒素系磁
性材料は窒素組成分布は不均一になり易く、最適な窒素
組成量にしづらい問題を有しており、均質で各種磁気特
性の高い希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料を得る
方法の確立が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は希土類−鉄−
コバルト合金に活性な窒素を導入する方法において、窒
素組成が均質な製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】窒素組成が均質な、或い
は均質で最適な希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料
を生産性よく得るために、加熱処理により窒素組成を制
御する工程に於けるガス種、分圧、加熱温度について鋭
意検討した結果、組成が均質で磁気特性の高い材料とす
る加熱処理方法を見いだし、本発明を成すに至った。
【0010】ここにいう磁気特性とは、材料の飽和磁化
(4πIs)、残留磁束密度(Br)、磁気異方性磁界
(Ha)、磁気異方性エネルギー(Ea)、磁気異方性
比、キュリー点(Tc)、固有保磁力(iHc)、角形
比(Br/4πIs)、最大エネルギー積[(BH)m
ax]、および熱減磁率など上記各種磁気特性の温度変
化率を言う。但し、磁気異方性比とは、外部磁場を15
kOe印加した時の困難磁化方向の磁化(a)と容易磁
化方向の磁化(b)との比(a/b)であり、磁気異方
性比が小さいもの程、磁気異方性エネルギーが高いと評
価する。
【0011】即ち、本発明は (1)希土類−鉄−コバルト合金粉体またはインゴット
を、301℃〜594℃の温度範囲で、アンモニアガ
ス、窒素ガスのうち少なくとも一種と水素ガスとを含む
混合ガスと接触させるとき、換算アンモニア分圧Pと温
度T℃の組み合わせが下記実験式で示す条件、 T≦198P2−493P+595を満たす ことを特徴とする希土類−鉄−コバルト−窒素
系磁性材料の製造方法、または、 (2)希土類−鉄−コバルト合金粉体またはインゴット
を、301℃〜594℃の温度範囲で加熱処理するのに
際して、接触する気相中にアルゴン、ヘリウム、ネオン
のうち少なくとも1種を含むガスを用いることを特徴と
する(1)記載の希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材
料の製造方法であり、 (3)希土類−鉄−コバルト合金粉体またはインゴット
と、混合ガスを接触させ加熱処理を行うに際して、加熱
処理開始時刻のP及びTをP0及びT0とし、加熱処理終
了時刻のP及びTをP1及びT1としたとき、それらの組
み合わせが下記実験式で示す条件 {(P0>P1)∪(T0>T1)}∩{(T0≦198P0 2−493P0+595) ∪(T1≦198P1 2−493P1+595)}を満たす ことを特徴とする(1)または(2)記載の希
土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法、およ
び、 (4)希土類−鉄−コバルト合金粉体またはインゴット
と、混合ガスを接触させ加熱処理を行うに際して、処理
温度を350℃〜450℃の温度範囲とすることを特徴
とする(1)、(2)、または(3)の何れかに記載の
希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法、お
よび、 (5)希土類−鉄−コバルト合金粉体またはインゴット
と、混合ガスを接触させ加熱処理を行うに際して、処理
温度を470℃〜594℃の温度範囲とすることを特徴
とする(1)、(2)、または(3)の何れかに記載の
希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法、ま
たは、 (6)希土類−鉄−コバルト合金粉体またはインゴット
の鉄成分の0.001〜49原子%を、Ni、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、P
d、Zn、B、Al、Ga、C、Si、Ge、Snのう
ち一種または二種以上に置き換えたことを特徴とする
(1)、(2)、(3)、(4)、または(5)の何れ
かに記載の希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製
造方法である。
【0012】以下本発明について詳細に説明する。ま
ず、希土類−鉄−コバルト合金について説明する。希土
類(R)としては、Y,La,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,YbおよびLuのうち少なくとも一種を含めば良
く、従ってミッシュメタルやジジム等の二種以上の希土
類元素の混合物を用いても良いが、好ましい希土類とし
ては、Y,Nd,Ce,Pr,Sm,Gd,Dy,Er
である。さらに好ましくはY,Nd,Ce,Pr,Sm
である。
【0013】また、このRは工業的生産により入手可能
な純度でよく、製造上不可避の不純物、例えばO,H,
C,Al,Si,F,Na,Mg,Ca,Liなどが存
在していても差し支えない。
【0014】鉄(Fe)は強磁性を担う本磁性材の基本
組成であるが、Feの0.001〜49原子%をNi,
Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,
Mn,Pd,Zn,B,Al,Ga,C,Si,Ge,
Snの元素(M)のうち1種または2種以上に置き換え
ることができる。このうち特にNi,Ti,Zr,H
f,V,Mo,Mn,B,Al,C,Si,Geのうち
一種あるいは二種以上が好ましい。更に好ましくはT
i,Zr,V,Cr,Mo,B,Cのうち一種または二
種以上である。以降、鉄もしくは鉄成分と記述した場
合、Feの一部をMにより置換した場合も含むこととす
る。
【0015】Mによる鉄の置換量は、好ましくは0.0
1〜34原子%、さらに好ましくは0.1〜20原子%
である。コバルト(Co)は、鉄成分とCoの合計量に
対して0.01原子%から50原子%までの範囲で添加
する。Coの導入により、キュリー点が上昇するととも
に、熱減磁率や耐酸化性が向上し、添加量によっては磁
化も向上する。
【0016】本発明における希土類−鉄−コバルト合金
の組成は、希土類が5〜20原子%、鉄成分とCoが合
わせて80〜95原子%の範囲にあることが必要であ
る。希土類が5原子%以下のとき、鉄成分を多く含む軟
磁性相が分離し、窒化物の保磁力が低下して実用的な永
久磁石とならない。また希土類が20原子%を超える
と、残留磁束密度が低下して好ましくない。
【0017】希土類−鉄−コバルト合金の結晶構造とし
ては、R2(Fe,Co)17型やR2(Fe、Co)17
X型などの六方晶系並びに菱面体晶系、R2(Fe,C
o)14B型、R2(Fe,Co)14C型やR((Fe,
Co)1-YY12型などの正方晶系のうち一種もしくは
二種以上をとる。なお好ましいXの値としては、0.0
0022〜3であり、この時の鉄とコバルトの合計量に
対するMの原子比は0.001〜13.6原子%、好ま
しいYの値としては0.000012〜0.33、この
時の鉄とコバルトの合計量に対するMの原子比は、0.
001〜33.3原子%である。
【0018】本発明で得られる希土類−鉄−コバルト−
窒素系材料は、結晶構造がその原料とする希土類−鉄−
コバルト合金とほぼ同じ対称性を有し、窒素が格子間に
侵入するかもしくはM成分などと置換して導入され、結
晶格子が多くの場合膨張する。
【0019】それに伴い、耐食性及び磁気特性の各項目
のうち一項目以上が向上し、実用上好適な磁性材料とな
る。例えば、希土類−鉄−コバルト合金として、菱面体
構造を有するSm10.5Fe85.0Co4.5を選んだ場合、
窒素を導入することによって、磁気異方性が面内異方性
から硬磁性材料として好適な一軸異方性に変化し、磁気
異方性エネルギーを初めとする磁気特性と耐食性が向上
する。
【0020】導入される窒素(N)量は、好ましくは希
土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料に対して1〜30
原子%、更に好ましくは2〜20原子%である。目的と
する希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料によって、
最適な窒素量は異なり、例えば菱面体構造を有するSm
10.5Fe80.6Co8.9を原料合金として選ぶと、最適な
窒素量は13〜14原子%付近となる。
【0021】このときの最適な窒素量とは、目的に応じ
て異なるが、材料の耐食性及び磁気特性のうち少なくと
も一項目が最適となる窒素量であり、磁気特性が最適と
は磁気異方性比、熱減磁率の絶対値は極小、その他は極
大となることである。尚、希土類−鉄−コバルト−窒素
系磁性材料の磁気特性は、窒素量のみならず窒素組成分
布や結晶構造にも影響される。磁性発現の源となる結晶
構造が維持され、かつ窒素組成が均質であるほど磁気特
性が高い。
【0022】窒素のほかに本発明により得られた希土類
−鉄−コバルト−窒素系磁性材料には、水素(H)が
0.01〜5原子%、さらに酸素(O)が0.01〜1
0原子%含まれる場合もある。以下、本発明の製造法に
ついて説明する。
【0023】(1)希土類−鉄合金の調製 希土類−鉄合金の製造法としては、R,Fe,Co,M
金属を高周波により溶解し、鋳型などに鋳込む高周波溶
解法、銅などのボートに金属成分を仕込み、アーク放電
により溶かし込むアーク溶解法、高周波溶解した溶湯
を、回転させた銅ロール上に吹き付け或いは流し込みリ
ボン状の合金を得る超急冷法またはロール回転法、高周
波溶解した溶湯をガスで噴霧して合金粉体を得るガスア
トマイズ法、Fe−Co合金及びMの粉体またはFe−
Co−M合金粉体、及び、RまたはR及びMの酸化物粉
体、及び還元剤を高温下で反応させ、RまたはR及びM
を還元しながら、RまたはR及びMを、Fe−Co−M
またはFe−Co合金粉末中に拡散させるR/D法、各
金属成分単体及びまたは合金をボールミルなどで微粉砕
しながら反応させるメカニカルアロイング法、上記何れ
かの方法で得た合金を水素雰囲気下で加熱し、一旦R及
びまたはM水素化物と、Fe−Co及びまたはMまたは
Fe−Co−M合金に分解し、この後高温下で低圧とし
て水素を追い出しながら再結合させ合金化するHDDR
法のいずれを用いてもよい。
【0024】高周波溶解法、アーク溶解法を用いた場
合、溶融状態から、合金が凝固する際にFe主体の軟磁
性成分が析出しやすく、特に窒化工程を経た後も保磁力
の低下をひきおこす。そこで、この軟磁性成分を消失さ
せたり、結晶性を向上させる目的として、アルゴン、ヘ
リウムなどの不活性ガス中もしくは真空中、800〜1
300℃の温度範囲で焼鈍を行うことが有効である。こ
の方法で作製した合金は、超急冷法などを用いた場合に
比べ、結晶粒径が大きく結晶性が良好であり、高い残留
磁束密度を有している。
【0025】また超急冷法やロール回転法を用いた場合
は、微細な結晶粒が得られ、条件によってはサブミクロ
ンの粒子も調製できる。但し、冷却速度が大きい場合に
は、合金の非晶質化が起こり、窒化後においても磁化な
どの磁気特性が低下する。この場合も合金調製後の焼鈍
は有効である。
【0026】ガスアトマイズ法で得た合金は球状の形態
を取ることが多く、微粉体から粗粉体まで調製すること
が可能である。この場合も条件によっては焼鈍を行い、
結晶性を良好にすることが必要となる。
【0027】R/D法、メカニカルアロイング法、HD
DR法により調製した合金は、微細な結晶粒を有してお
り、均質な窒化粉体を得るために本発明の製造法を用い
るのは特に効果的である。
【0028】ところで、焼鈍条件によっては、合金の結
晶相が異なる場合がある。例えば、R2Fe17合金の中
には、焼鈍した場合と急冷した場合で、結晶相が異なる
ものがあるし、Nd−Fe−Co−C合金は焼鈍条件に
より、菱面体晶系をとる場合と正方晶系をとる場合があ
る。従って、焼鈍の条件は充分注意を要するし、また焼
鈍条件を制御することで目的とする結晶相を選ぶことが
できる。
【0029】(2)粗粉砕及び分級 上記方法で作製した合金インゴットを直接窒化すること
も可能であるが、結晶粒径が500μmより大きいと窒
化速度が遅く、粗粉砕を行ってから窒化する方が効率的
である。
【0030】粗粉砕はジョークラッシャー、ハンマー、
スタンプミル、ローターミル、ピンミル、コーヒーミル
などを用いて行う。また、ボールミルやジェットミルな
どのような粉砕機を用いても、条件次第では窒化に適当
な合金粉末の調製が可能である。
【0031】また、粗粉砕の後、ふるい、振動式あるい
は音波式分級機、サイクロンなどを用いて粒度調整を行
うことも、より均質な窒化を行うために有効である。粗
粉砕、分級の後、不活性ガスや水素中で焼鈍を行うと構
造の欠陥を除去することができ、場合によっては効果が
ある。
【0032】以上で、本発明の製造法における希土類−
鉄−コバルト合金の粉体原料またはインゴット原料の調
製法を例示したが、これらの原料の結晶粒径、粉砕粒
径、微構造、表面状態などにより、以下に示す窒化の最
適条件、特に最適な加圧力と加熱処理時間に違いが見ら
れる。しかしながら、本発明の製造法によれば、いずれ
の原料においても均質な組成分布を有する希土類−鉄−
コバルト−窒素材料が得られる。
【0033】(3)窒化・焼鈍 アンモニア及びまたは窒素ガスと、水素ガスの混合ガス
を用いて、上記(1)または(2)で得た希土類−鉄−
コバルト合金粉体またはインゴットの結晶構造内に窒素
を導入する工程である。
【0034】このときアンモニア及びまたは窒素ガスと
水素の混合ガス中に、アルゴン、ヘリウム、ネオンなど
の不活性ガス、またはヒドラジンやアミン類などの含窒
素化合物のうち反応場で合金原料内に活性窒素を供給し
得るガスまたは蒸気が共存していても良い。この場合の
換算アンモニア分圧Pは以下の式で定められる。
【0035】 P=(PNH3+PAN+0.03PN2)/(PNH3+PAN+0.03PN2 +PH2+Pi) ここにPNH3はアンモニアガスの分圧(atm)、PAN
はアンモニア、窒素ガスを除くヒドラジン、アミン類な
どの含窒素化合物のうち反応場で合金原料内に活性窒素
を供給し得るガスまたは蒸気の分圧(atm)、PN2
窒素ガスの分圧(atm)、PH2は水素ガスの分圧(a
tm)、Piは不活性ガスに関する定数で不活性ガスが
共存しない場合は0、共存する場合は不活性ガス以外の
各ガス分圧に対して充分無視できる任意の定数、例えば
10-20などである。
【0036】従って、共存する不活性ガスの分圧は、本
発明におけるPの範囲になんら影響を及ぼさないが、窒
素ガスはアンモニアガスに比較してかなり小さいがPの
範囲に影響する。
【0037】ところで、合金中に含まれる窒素量は、ア
ンモニア・水素混合ガスの換算アンモニア分圧(P)、
加熱温度(T/℃)、加圧力(p)、加熱処理時間
(t)により制御しうる。このなかで、窒素組成が均質
な窒化粉を得るために重要なパラメーターはPとTであ
り、これらを特定の範囲に制御しなければならない。
【0038】Tが301℃から594℃の範囲で、Pと
の組み合わせが下記実験式で示す条件 T≦198P2−493P+595を満たす 範囲に制御すれば、窒素組成が均質になるのみ
ならず、合金の結晶構造をほぼ保ちながら窒素を導入で
き、磁気特性の高い結晶相を得ることができる。
【0039】Tが301℃より低い温度で窒化した場
合、加熱処理時間が長くなりすぎて、実用的ではない。
またTが594℃より高いと組成が均質となるPの範囲
が極めて低くしかも小さくなるので、制御が極めて難し
くなり好ましくない。窒化過程の制御がさらに容易とな
るTの範囲として特に好ましいのは、350〜450℃
であり、この範囲では磁気特性も極めて高くなる。
【0040】また、加熱処理時間tを短くし、生産性を
充分高めるためには、Tを470〜594℃の範囲で選
ぶのがよい。但し、窒素組成分布は若干不均一になる傾
向を示し、生産性と磁気特性のバランスでTの範囲を選
ぶ必要がある。上記301℃から594℃の範囲で窒化
した場合でも下式、 T>198P2−493P+595 の範囲で窒化した場合、主に合金粉体表面、インゴット
表面や径の小さな粉体の窒素組成が高くなったり、合金
原料の結晶相によっては構造が崩れてしまい好ましくな
い。
【0041】窒素量の最適化に関しては、窒素組成の均
質化と異なり、P及びTに加えて、tとpの制御も本質
的に重要である。同じP及びTの条件下でも、アルゴ
ン、ヘリウム、ネオンなどの不活性ガスが共存した場
合、それらが共存しない場合に比して最適な加熱処理時
間tが長くなる。そのため、窒化速度が極めて早くなる
470℃以上594℃以下の高温領域において、不活性
ガス共存下で加熱処理することは、窒化を制御しやすく
なり、極めて有効である。
【0042】また、窒素ガス及び水素ガスの混合雰囲気
中においては、窒素ガスと同一のアンモニアガス分圧を
有するアンモニアガス及び水素ガスの混合雰囲気に比較
して、窒素ガス分圧のPに対する寄与が極めて小さいた
めに、450℃以上594℃以下の比較的高い温度領域
で、Pの制御が容易となる。この場合も最適窒素組成に
なるtを長くすることができるため、特に希土類−鉄−
コバルト合金の結晶粒径及びまたは粉砕粒径が小さい原
料に対して効果を発揮する。
【0043】さらに、tに大きく影響を及ぼす因子とし
て上記のほかに、結晶粒径及び粒度がある。希土類−鉄
−コバルト合金の粒度を0.1〜100μm範囲に小さ
く揃えることは窒化工程における加熱処理時間を早め、
生産性を向上させる上で極めて有効である。粒度が0.
1μmより小さい場合、加熱処理時間が短すぎて窒化工
程の制御が困難であり、また100μm〜500μmの
範囲では、生産性向上の効果が期待できるとはいえ、充
分ではない。粒度が500μm以上でかつ合金中の結晶
粒径が500μmを越えると、本発明によっても高い磁
気特性と生産性が両立し得なくなる。
【0044】更に窒素ガスと水素ガスの混合雰囲気下に
おいて、希土類−鉄−コバルト合金の種類によっては、
pが1以上70までの大きな値にする方が、組成の最適
化、及び均質化に有効である場合がある。もちろん、p
は1未満であってもPとTが本発明の範囲内にあれば、
均質な磁性粉を得ることができる。
【0045】以上の方法で窒化を行った場合、組成が均
質で最適近傍である希土類−鉄−コバルト−窒素系材料
が得られるが、この後、窒素組成のさらなる最適化、均
質化を図る目的で窒化工程におけるP以下及びまたはT
以下の条件で焼鈍を行うことは、有効な方法である。も
ちろん、この焼鈍工程におけるT及びPの条件が、本発
明の請求項1が規定する製造法の範囲に入っている場合
は、窒化工程の範躊に包含され、加熱処理時間に加算さ
れる。
【0046】この窒素組成の焼鈍工程、これを以降組成
アニール工程と呼ぶ、に於いては、窒化工程が開始され
る時刻t0におけるP及びT値をP0及びT0、組成アニ
ール工程が終了する時刻t1におけるP及びT値をP1
びT1とした場合、それらの組み合わせが下記実験式で
示す条件、 {(P0>P1)∪(T0>T1)}∩{(T0≦198P0 2−493P0+595) ∪(T1≦198P1 2−493P1+595)}を満たす 範囲にあることが必要である。(A∪BはAと
Bの和集合のことであり、A、Bどちらかの条件を満た
している範囲を指す。A∩BはAとBの積集合のことで
あり、A、B両方の条件を満たしている範囲を指す。) ここに、時刻t0は厳密に窒化が進行し始める時刻では
なく、所定のT及びPに達する時刻を言い、同様に、時
刻t1は組成アニールの所定条件を逸脱する時刻をい
う。従って、時刻t0、t1を決定する際、昇温、降温工
程は考慮にいれない。なお、T及びPを窒化工程中変化
させる場合、T及びPの最大値をT0、P0とする。組成
アニール工程で、T及びPを変化させる場合は、T及び
Pの最小値をT1、P1とする。これらの場合、T0、P0
を決める時刻t0は異なっていてもよいし、T1、P1
1についても同様である。しかし、いかなる場合でも
0<t1でなくてはならない。
【0047】P0がP1より小さくて、かつT0がT1より
小さい場合は組成アニールの効果は全くない。また、P
0とP1の差もしくはT0とT1の差が大きければ大きいほ
ど、組成アニールの効果は高く、490℃以下の温度条
件では、P=0、即ち、水素ガス及び各種不活性ガスの
うち一種もしくは二種以上で組成アニールを行うことは
有効である。
【0048】また、P0、T0あるいはP1、T1のうち、
どちらか一方が本発明の請求項1に規定する範囲にあ
り、かつ(P0>P1)∪(T0>T1)の範囲にあれば、
本発明の請求項3の範囲に含まれる好ましい製造法であ
る。但し、P1、T1が本発明の請求項1に規定する範囲
にない場合はP1=0であることが好ましく、しかもT
が594℃を越えないことが必要である。それ以外の場
合は組成アニールの効果が期待できない。
【0049】組成アニール工程の主な効果は、固気反応
により一旦希土類−鉄−コバルト合金内に導入された窒
素のうち一部を、再び気相中に放出することにより達成
される。従って、窒化工程により、粉体内の一部または
全部で最適値を越えた窒素量を最適値に戻すか、あるい
はそれと同時に、未反応内至最適値より少ない部分に窒
素を導入することができて、はじめて効果を発揮する。
さらに、組成分布もこの工程を経る方がより均質とな
る。
【0050】上記の様に、窒化工程に組成アニール工程
の一部または全部が含まれる場合、窒化工程の一部で本
発明の請求項1に規定する範囲を逸脱することが許され
るが、望ましくは請求項1で規定される製造法によって
全窒化工程が成されるほうがよく、少なくとも全加熱処
理時間の50%は請求項1の範囲にある方が好ましい。
このとき、全加熱処理時間とはTが301℃以上594
℃以下の範囲にある時間とし、Tが301℃より小さい
温度にある時間は請求項1の範囲を逸脱する時間に加算
しない。
【0051】窒化・組成アニール装置としては、横型、
縦型の管状炉、回転式反応炉、密閉式反応炉などのバッ
チ型の装置、縦型、傾斜型の流動層方式の管状炉、横
型、傾斜型の回転式反応炉などの連続型の装置が挙げら
れる。いずれの反応装置を用いても、製造方法が本発明
で規定する範囲にあれば、組成が均質な粉体を得ること
ができる。しかし、最適な加圧力p、加熱温度時間tは
それぞれの反応装置で異なる。
【0052】短時間の加熱処理時間で反応が終了する本
発明請求項5に規定する製造法においては、生産性向上
の効果を最大限発揮するために、上記のなかで連続型の
装置を用いることが好ましい。反応に用いるガスは、ア
ンモニア分圧を一定に保ちながら1気圧以上の気流を反
応炉に送り込む気流方式、ガスを容器に0.01〜70
気圧の領域で封入する封入方式、或いはそれらの組合せ
などで供給する。
【0053】封入方式を用いた場合、反応の進行に連れ
Pが変動するので、加熱処理を行う各時刻においてTと
Pが本発明の規定する領域にある様に制御する必要があ
る。また気流方式を用いた場合でも流量とTの組合せに
よっては導入混合ガスのPが反応場でのPと大きく異な
ることがあり、この場合も同様に反応の進行につれPが
変化するので注意を要する。
【0054】但し、前述のように組成アニール工程を含
む場合で全加熱処理時間に対して50%時間までにおい
ては、TとPが本発明の請求項1に規定する領域を逸脱
しても、ある程度均質な組成分布が得られるため、本発
明の効果は充分に発揮される。
【0055】また、密閉式反応炉を用いて焼鈍を行う場
合、好ましくは不活性ガスに置換してから、容器内を真
空にして加熱処理する方法もある。窒化工程あるいは組
成アニール工程は何度かにわけて行うことができる。勿
論装置等を替えて行うことも可能である。但し、窒化−
焼鈍の組合せを繰り返す場合、それぞれの組合せ毎にT
0、P0、T1、P1が本発明の範囲にあることが必要であ
る。
【0056】この方法の利点は窒化粉体の粒度を細かく
して、次いで微粉砕を行う場合、粉砕効率を向上させた
り、選択的な粉砕ができる点である。以上が本発明の製
造法に関する説明であるが、特に実用的な硬磁性材料と
して、本発明で製造した希土類−鉄−コバルト−窒素系
磁性材料を応用する際には、(4)微粉砕、(5)磁場
成形、(6)着磁を行う場合がある。以下、その例を簡
単に示す。
【0057】(4)微粉砕 例えば単磁区粒子型の希土類−鉄−コバルト−窒素系磁
性材料のうち、特に窒化処理後も大きな結晶粒径を保っ
ていて、かつ大きな保磁力を発現させたい場合、窒化処
理後も多結晶粒体を保っていて、かつ異方性の硬磁性材
料としたい場合などに微粉砕を行う。
【0058】微粉砕の方法としては、回転ボールミル、
振動ボールミル、遊星ボールミル、ウェットミル、ジェ
ットミル、カッターミル、ピンミル、自動乳鉢及びそれ
らの組合せなどが用いられる。粉砕を行う目的及び目標
とする粉砕粒径に応じて、微粉砕方法が選ばれる。
【0059】(5)磁場成形 例えば(3)又は(4)で得た磁性粉体を異方性ボンド
磁石に応用する場合、熱硬化性樹脂や金属バインダーと
混合したのち磁場中で圧縮成形したり、熱可塑性樹脂と
共に混練したのち磁場中で射出成形を行ったりして、磁
場成形する。磁場成形は希土類−鉄−コバルト−窒素系
磁性材料を充分に磁場配向せしめるため、好ましくは1
0kOe以上、さらに好ましくは15kOe以上の磁場
中で行う。
【0060】(6)着磁 (5)で得た異方性ボンド磁石材料や、焼結磁石材料に
ついては、磁石性能を高めるために、通常着磁が行われ
る。着磁は例えば静磁場を発生する電磁石、パルス磁場
を発生するコンデンサー着磁器などによって行う。充分
着磁を行わしめるための、磁場強度は好ましくは15k
Oe以上、さらに好ましくは30kOe以上である。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。評価方法は以下のとおりである。
【0062】(1)磁気特性 平均粒径約30〜100μm以上の希土類−鉄−コバル
ト−窒素系磁性粗粉体については、配向磁場15kO
e、銅バインダー法を用い、振動試料型磁力計(VS
M)にて、飽和磁化(4πIs)、磁気異方性比を測定
した。平均粒径5μm以下に粉砕した材料については、
外部磁場15kOe中、12ton/cm2で5mm×
10mm×2mm程度に成形し、室温中60kOeの磁
場でパルス着磁した後、VSMにて残留磁束密度(B
r)、固有保磁力(iHc)、最大エネルギー積〔(B
H)max〕を測定した。
【0063】(2)窒素組成 Si34を標準試料として、不活性ガス融解法によりN
の量を定量した。なお、Nの組成分布については、EP
MA解析装置により、粉体内部と表面付近の窒素量をS
TE分光結晶を用いて比較測定し、その差の小さいもの
ほど均質な窒化粉であると評価した。以下に例示する限
りにおいて、表面と内部の窒素量の比が0.92〜1.
08までの範囲の粉体を均質とし、それ以外を不均質と
した。
【0064】実施例1 純度99.9%のSm、純度99.9%のFeおよび純
度99.9%のCoを用いてアルゴンガス雰囲気下高周
波溶解炉で溶解混合し、ついで溶湯を純鉄の鋳型中に流
し込んで冷却し、さらにアルゴン雰囲気中で、1000
℃、35時間焼鈍することにより、Sm10.8Fe84.7
4.5の合金を調製した。
【0065】この合金をジョークラッシャーにより粉砕
し、次いで窒素雰囲気中、ローターミルでさらに粉砕し
た後、ふるいで粒度を調整して、平均粒径約30μmの
粉体を得た。この希土類−鉄−コバルト合金粉体を横型
管状炉に仕込み、450℃において、アンモニア分圧
0.32atm、水素ガス0.68atmの混合気流中
で、3時間加熱処理した。
【0066】得られたSm−Fe−Co−N粉体の窒素
組成量及び磁気特性を表1に示した。なお、この粉体の
研磨断面の組成分布をEPMAにより分析した結果、若
干表層部の窒素濃度が高いものの、内部との差はほぼ8
%内であり、均質な材料が得られたと評価した。
【0067】実施例2〜8 ガス種、T、P及びtを、表1に示す条件に変更する以
外は実施例1と同様にして、Sm−Fe−Co−N粉体
を得た。その結果を表1に示す。
【0068】比較例1〜5 ガス種、T、P及びtを、表1に示す条件に変更する以
外は実施例1と同様にして、Sm−Fe−Co−N粉体
を得た。その結果を表1に示す。
【0069】これらの粉体の窒素組成分布を実施例1と
同様にして測定した結果、この粉体の表面付近の窒素濃
度は内部に比して8%以上高く、表面から内部に向かう
はっきりした濃度勾配を有する不均質な粉体であること
が判った。
【0070】実施例9〜15 実施例2〜8と同様な方法で、表2に示す加熱温度
0、換算アンモニア分圧P0において、それぞれ窒素組
成及び組成分布が最適となる時間、加熱処理を行った。
【0071】続いて、条件を表2に示すガス種、加熱温
度T1、換算アンモニア分圧P1に変更し、表2に示す加
熱処理時間(焼鈍時間)tだけ焼鈍処理を行った。窒化
続いて焼鈍を行って得られた粉体の窒素組成量、磁気特
性を表2に示した。なお、これらの粉体の研磨断面のE
PMAによる窒素組成分析の結果、粉体内部と表面部に
組成差がなく、極めて、均質な組成分布を有しているこ
とが判った。
【0072】比較例6〜8 ガス種、T0、T1、P0、P1及びtを、表2に示す条件
に変更する以外は実施例9〜15と同様にして、Sm−
Fe−Co−N粉体を得た。その結果を表2に示す。
【0073】実施例16〜18 ガス種、T0、T1、P0、P1及びtを、表3に示す条件
に変更する以外は実施例9〜15と同様にして、Sm−
Fe−Co−N粉体を得た。その結果を表3に示す。な
お、実施例16及び17のT0、P0は本発明の請求項1
に規定する範囲を逸脱しているが、T0、P0条件下の加
熱処理時間がそれぞれ30分間及び20分間としたた
め、この時間が全加熱処理時間の50%以内となり、均
質な粉体が得られている。
【0074】実施例19 実施例18で得たSm−Fe−Co−N粉体を、460
℃、Ar気流中で2.5時間焼鈍した結果を表3に示
す。
【0075】実施例20及び21 原料合金粉体、T、Pおよびtを表4に示す条件に変更
する以外は実施例1と同様にして窒化を行ない、続いて
表4に示す条件で焼鈍し、Nd−Fe−Co−B−N粉
体、およびNd−Fe−Co−Ti−N粉体を得た。そ
の結果を表4に示す。
【0076】比較例9及び10 原料合金粉体、T、Pおよびtを表4に示す条件に変更
する以外は実施例1と同様にしてNd−Fe−Co−B
−N粉体、およびNd−Fe−Co−Ti−N粉体を得
た。その結果を表4に示す。
【0077】実施例22及び23 実施例1及び10の粉体を回転ボールミルにより、平均
粒径約3μmに粉砕した。その磁気特性を表5に示す。 実施例24 Tを435℃、Pを0.35、tを4.5時間として加
熱処理したのち、Ar気流中で450℃、1時間焼鈍を
おこなう以外は実施例1と同様にしてSm−Fe−Co
−N粉体を得た。この粉体を実施例22及び23と同様
にして評価した結果を表5に示す。
【0078】比較例11 比較例6の粉体を回転ボールミルにより、平均粒径約3
μmに粉砕した。その磁気特性を表5に示す。
【0079】実施例25 純度99.9%のSm、純度99.9%のFe及び純度
99.9%のCoを用いてアルゴンガス雰囲気下高周波
溶解炉で溶解混合し、次いで溶湯を銅ロールに吹き付け
て冷却し、リボン状の合金を得た。この合金を石英チュ
ーブに仕込み、Ar雰囲気下、850℃で1.5時間焼
鈍処理をしてSm10.7Fe84.8Co4.5の合金を調製し
た。
【0080】この合金をピンミルにて粉砕し、平均粒径
10μmの粉体を得た。次にこの粉体を密閉式反応容器
にいれ、アンモニアガス0.3atm、窒素ガス0.7
atm、水素ガス1.0atm、アルゴンガス2.0a
tmの分圧になるように混合ガスを仕込み、430℃で
3時間加熱処理して均質なSm−Fe−N粉体を得た。
このものの窒素組成は13.7原子%、飽和磁化は1
4.2kG、磁気異方性比は0.31であった。
【0081】次いで、アルゴン気流中で420℃、30
分間焼鈍した後、ジェットミルで2μmに粉砕した粉体
の保磁力iHcは10.9kOe、残留磁束密度Brは
8.7kG、(BH)maxは16.2MGOeであっ
た。
【0082】実施例26及び27 Coの添加量をFeとCoの合計量に対して15atm
%、30atm%とする以外は実施例1と同様にして、
Sm−Fe−Co原料合金を得た。これを、表6に示し
たT及びPで所定時間加熱処理した。結果を表6に示
す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、組成が均質でかつ最適の組成を有する、磁気
特性の高い希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料を製
造することができる。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−106574 (32)優先日 平成4年4月24日(1992.4.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平2−57663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/032 - 1/08 B22F 1/02 C23C 8/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類−鉄−コバルト合金粉体またはイ
    ンゴットを、301℃〜594℃の温度範囲で、アンモ
    ニアガス、窒素ガスのうち少なくとも一種と水素ガスと
    を含む混合ガスと接触させるとき、換算アンモニア分圧
    Pと温度T℃の組み合わせが下記実験式で示す条件 T≦198P2−493P+595を満たす ことを特徴とする希土類−鉄−コバルト−窒素
    系磁性材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 希土類−鉄−コバルト合金粉体またはイ
    ンゴットを、301℃〜594℃の温度範囲で加熱処理
    するのに際して、接触する気相中にアルゴン、ヘリウ
    ム、ネオンのうち少なくとも1種を含むガスを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の希土類−鉄−コバルト−
    窒素系磁性材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 希土類−鉄−コバルト合金粉体またはイ
    ンゴットと、混合ガスを接触させ加熱処理を行うに際し
    て、加熱処理開始時刻のP及びTをP0及びT0とし、加
    熱処理終了時刻のP及びTをP1及びT1としたとき、そ
    れらの組み合わせが下記実験式で示す条件 {(P0>P1)∪(T0>T1)}∩{(T0≦198P0 2−493P0+595) ∪(T1≦198P1 2−493P1+595)}を満たす ことを特徴とする請求項1または2記載の希土
    類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 希土類−鉄−コバルト合金粉体またはイ
    ンゴットと、混合ガスを接触させ加熱処理を行うに際し
    て、処理温度を350℃〜450℃の温度範囲とするこ
    とを特徴とする請求項1、2、または3の何れかに記載
    の希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 希土類−鉄−コバルト合金粉体またはイ
    ンゴットと、混合ガスを接触させ加熱処理を行うに際し
    て、処理温度を470℃〜594℃の温度範囲とするこ
    とを特徴とする請求項1、2、または3の何れかに記載
    の希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 希土類−鉄−コバルト合金粉体またはイ
    ンゴットの鉄成分の0.001〜49原子%を、Ni、
    Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、
    Mn、Pd、Zn、B、Al、Ga、C、Si、Ge、
    Snのうち一種または二種以上に置き換えたことを特徴
    とする請求項1、2、3、4、または5の何れかに記載
    の希土類−鉄−コバルト−窒素系磁性材料の製造方法。
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