JP3295155B2 - ブラックマトリックス基板作成用の感光材料 - Google Patents

ブラックマトリックス基板作成用の感光材料

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JP3295155B2 JP489893A JP489893A JP3295155B2 JP 3295155 B2 JP3295155 B2 JP 3295155B2 JP 489893 A JP489893 A JP 489893A JP 489893 A JP489893 A JP 489893A JP 3295155 B2 JP3295155 B2 JP 3295155B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラックマトリックス基
板作成用の感光材料に係り、特に無電解メッキにより寸
法精度が高く遮光性に優れたブラックマトリックス基板
を製造することを可能にした感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットディスプレーとして、モ
ノクロあるいはカラーの液晶ディスプレイが注目されて
いる。液晶ディスプレイには、3原色の制御を行うため
にアクティブマトリックス方式および単純マトリックス
方式とがあり、いずれの方式においてもカラーフィルタ
ーが用いられている。そして、液晶ディスプレイは構成
画素部を3原色(R,G,B)とし、液晶の電気的スイ
ッチングにより3原色の各光の透過を制御してカラー表
示を行うものである。
【0003】このカラーフィルターは、透明基板上に各
着色層と保護層と透明電極層を形成して構成されてい
る。そして、発色効果や表示コントラストを上げるため
に、着色層のR,G,Bの各画素の境界部分に遮光性を
有するパターン(ブラックマトリックス)が形成され
る。また、アクティブマトリックス方式の液晶ディスプ
レイでは、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング
素子として用いているため、光リーク電流を抑制する必
要がある。このため、ブラックマトリックスに対して高
い遮光性が要求される。
【0004】従来、ブラックマトリックスとしては、蒸
着クロム薄膜をフォトエッチングしてレリーフ形成した
もの、親水性樹脂レリーフを染色したもの、黒色顔料を
分散した感光液を用いてレリーフ形成したもの、黒色電
着塗料を電着して形成したもの、印刷により形成したも
の等があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
蒸着クロム薄膜をフォトエッチングしてレリーフ形成し
たものは寸法精度が高いものの、蒸着やスパッタ等の真
空成膜工程が必要であることや、製造工程が複雑である
為に製造コストが高く、また、強い外光の下での表示コ
ントラストを高めるためにクロムの反射率を抑える必要
が生じ、このため、製造コストが更にかかる低反射クロ
ムのスパッタ等を行う必要があった。また、上述の黒色
染料や顔料を分散した感光性レジストを用いる方法は、
製造コストは安価となるが、感光性レジストが黒色のた
めフォトプロセスが不充分となり易いことや、充分な遮
光性を得難い等、高品質なブラックマトリックスが得ら
れないという問題があった。さらに、上述の印刷方法に
よるブラックマトリックス形成では、製造コストの低減
は可能であるものの、寸法精度が低いという問題があっ
た。
【0006】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、液晶ディスプレイ等のフラットディスプ
レイ、CCD等のイメージャー、あるいはカラーセンサ
等のカラーフィルタに用いることのできる平坦性が高く
遮光性に優れたブラックマトリックス基板を無電解メッ
キにより低コストで製造することのできるブラックマト
リックス基板作成用の感光材料を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明はけん化度が65〜99.9、平均重
合度が250〜2800であるポリビニルアルコールと
光架橋剤を含有する水溶液であるような構成とした。
【0008】
【作用】透明基板上に形成されたブラックマトリックス
用のレリーフは、けん化度が65〜99.9、平均重合
度が250〜2800であるポリビニルアルコールを含
有する感光材料を用いて形成されているため、解像力、
感度共良好であり、また、無電解メッキによりレリーフ
全体に均一に金属粒子が析出され、形成されたブラック
マトリックス基板は、高解像力、高光学濃度、低反射率
のものとなる。
【0009】
【実施例】本発明の感光材料に用いるポリビニルアルコ
ールは、親水性のポリビニルアルコールであり、そのけ
ん化度は65〜99.9、平均重合度は250〜280
0であることを特徴としている。具体的には未変性ポリ
ビニルアルコールあるいはスルホン基変性物、アセトア
セチル基変性物、カチオン基変性物、アミド変性物、カ
ルボキシル基変性物等の変性ポリビニルアルコールであ
る。この中で、特にカルボキシル基変性物が無電解メッ
キにおける金属微粒子の析出性が高いという点から好ま
しい。上記のポリビニルアルコールのけん化度が65未
満になると、後述する無電解メッキにおける無電解メッ
キ液のレリーフ画像内への浸透が不十分で金属析出性が
悪く、高光学濃度のブラックマトリックスが得られな
い。また、ポリビニルアルコールの平均重合度が250
未満であると、無電解メッキにおける金属微粒子の析出
性が低いとともに、感光材料の感度も悪くなり、平均重
合度が2800を越えると感光材料の解像度が悪くな
る。
【0010】本発明の感光材料に含有される上記のよう
なポリビニルアルコールの含有量は、2〜8重量%程度
が好ましい。尚、ポリビニルアルコールの代わりにPV
P、カゼイン、ゼラチン、水溶性アクリル樹脂等の水溶
性樹脂を用いた場合、無電解メッキにおける金属微粒子
の析出性が悪く、高光学濃度のブラックマトリックスが
得られない。
【0011】また、本発明の感光材料は光架橋剤として
光硬化型の感光性基を含有する。感光性基としては、ジ
アゾ基を有するジアゾニウム化合物およびパラホルムア
ルデヒドの反応生成物であるジアゾ樹脂、アジド基を有
するアジド化合物、ポリビニルアルコールにケイ皮酸を
縮合したケイ皮酸縮合樹脂、スチルバゾリウム塩を用い
た樹脂、重クロム酸アンモニウム等が挙げられる。
【0012】本発明の感光材料に含有される上記のよう
な感光性物質の含有量は、2〜15重量%程度が好まし
い。さらに、本発明の感光材料には、セラミックスや多
孔質アルミナ等の無機物質、あるいは顔料、ポリマー等
の有機物が添加されていてもよい。
【0013】次に、上記のような本発明の感光材料を用
いたブラックマトリックス基板の作成例を図1を参照し
て説明する。先ず透明基板2上に本発明の感光材料を塗
布して厚さ0.1〜5.0μm程度、好ましくは0.1
〜2.0μm程度の感光性レジスト層3を形成する(図
1(A))。次に、ブラックマトリックス用のフォトマ
スク7を介して感光性レジスト層3を露光する(図1
(B))。そして、露光後の感光性レジスト層3を現像
してブラックマトリックス用のパターンを有するレリー
フ4形成する(図1(C))。
【0014】次に、この透明基板2を無電解メッキの触
媒となる金属化合物の水溶液に浸漬し水洗して乾燥した
後、熱処理(100〜200℃、5〜30分間)を施し
て触媒含有レリーフ5とする(図1(D))。そして、
透明基板2上の触媒含有レリーフ5を無電解メッキ液に
接触させることにより黒色レリーフとし、ブラックマト
リックス6を形成する(図1(E))。尚、上記の熱処
理は、触媒含有レリーフ5を形成する前のレリーフ4の
段階で行ってもよい。この場合の熱処理条件は、90〜
130℃、5〜60分間程度が好ましい。また、ブラッ
クマトリックス6に加熱あるいは硬膜剤塗布による硬膜
処理を施してもよい。
【0015】上記のブラックマトリックス形成に使用す
る無電解メッキの触媒となる金属化合物は、例えばパラ
ジウム、金、銀、白金、銅等の塩化物、硝酸塩等の水溶
性塩、および錯化合物が用いられ、水溶液として市販さ
れている無電解メッキ用のアクチベータ溶液をそのま
ま、あるいは希釈して用いることができる。尚、このよ
うな金属化合物を本発明の感光材料に含有させてもよ
い。この場合、含有量は0.00001〜0.001重
量%程度とすることが好ましい。
【0016】上記のブラックマトリックス形成に使用で
きる無電解メッキ液は、例えば次亜リン酸、次亜リン酸
ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、N−ジメチルア
ミンボラン、ボラジン誘導体、ヒドラジン、ホルマリン
等の還元剤と、例えばニッケル、コバルト、鉄、銅、ク
ロム等の水溶性の被還元性重金属塩と、メッキ速度、還
元効率等を向上させるカセイソーダ、水酸化アンモニウ
ム等の塩基性化合物と、無機酸、有機酸等のpH調整
剤、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等のオキシカ
ルボン酸、ホウ酸、炭酸、有機酸、無機酸のアルカリ塩
に代表される緩衝剤と、重金属イオンの安定性を目的と
した錯化剤の他、反応促進剤、安定剤、界面活性剤等と
を有する無電解メッキ液が使用される。
【0017】また、2種以上の無電解メッキ液を併用し
てもよい。例えば、まず、核(例えば無電解メッキの触
媒となる金属化合物としてパラジウムを使用した場合は
パラジウムの核)を作り易い水素化ホウ素ナトリウムの
ようなホウ素系還元剤を含む無電解メッキ液を用い、次
に、金属析出速度の速い次亜リン酸系還元剤を含む無電
解メッキ液を用いることができる。
【0018】上述のようなブラックマトリックス基板1
のブラックマトリックス6間に赤色パターン、緑色パタ
ーン、青色パターンからなる着色層を形成するには、染
色法、分散法、印刷法、電着法等の公知の種々の方法を
用いることができる。
【0019】また、カラーフィルタを作成するには、上
述のようにして作成したブラックマトリックス6と着色
層を覆うように保護層を設け、カラーフィルタの表面平
滑化、信頼性の向上、および液晶層への汚染防止等を図
ることができる。この保護層は、アクリル系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等の透明樹脂、あるいは
二酸化ケイ素等の透明無機化合物等を用いて形成するこ
とができる。保護層の厚さは0.5〜50μm程度が好
ましい。
【0020】さらに、保護層上には、透明共通電極とし
て例えば酸化インジウムスズ(ITO)膜を形成するこ
とができる。ITO膜は蒸着法、スパッタ法等の公知の
方法により形成することができ、厚さは200〜200
0Å程度が好ましい。
【0021】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。 (実験例1)試料1 透明基板としてコーニング社製7059ガラス(厚さ=
1.1mm)を用い、スピンコート法(回転数=160
0r.p.m.)により下記の組成の感光材料を透明基板上に
塗布し、その後、70℃、10分間の条件で乾燥して感
光性レジスト層(厚さ=0.6μm)を形成した。
【0022】 (感光材料の組成) ・カルボキシル基変性ポリビニルアルコール (けん化度:95〜98、平均重合度:1700) (日本合成化学工業製ゴーセナールT−330) … 42重量部 ・ジアゾ樹脂(シンコー技研製D−011) … 3重量部 ・水 …955重量部 次に、感光性レジスト層に対してブラックマトリックス
用のフォトマスク(線幅=20μm)を介して露光を行
った。露光用の光源は超高圧水銀灯2kWを用い、10
秒間照射した。その後、常温の水を用いてスプレー現像
を行い、スピン乾燥後、100℃、30分間の熱処理を
施して、ブラックマトリックス用の線幅20μmのレリ
ーフを形成した。
【0023】つぎに、この透明基板を塩化パラジウム水
溶液(日本カニゼン製レッドシューマー)に5分間浸漬
し、水洗、乾燥して上記のレリーフを触媒含有レリーフ
とした。
【0024】その後、透明基板をホウ素系還元剤を含む
30℃のニッケルメッキ液(奥野製薬製ニッケルメッキ
液トップケミアロイB−1)に4分間浸漬させ、水洗乾
燥した後、200℃、60分間の熱処理を施して黒色レ
リーフ(ブラックマトリックス)を形成しブラックマト
リックス基板(試料1)を得た。
【0025】試料2 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、未変性ポリビニルアルコール
(けん化度:99.9、平均重合度:1700、日本合
成化学工業製ゴーセノール N−300)に代えた他
は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(試
料2)を得た。
【0026】試料3 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、カチオン基変性ポリビニルアル
コール(けん化度:85〜88、平均重合度:150
0、日本合成化学工業製ゴーセファイマーK−210)
に代えた他は、試料1と同様にしてブラックマトリック
ス基板(試料3)を得た。
【0027】試料4 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、アミド変性ポリビニルアルコー
ル(けん化度:95.8〜96.8、平均重合度:17
00、電気化学工業製EP−120K)に代えた他は、
試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(試料
4)を得た。
【0028】試料5 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、未変性ポリビニルアルコール
(けん化度:99、平均重合度:300)に代えた他
は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(試
料5)を得た。
【0029】試料6 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、未変性ポリビニルアルコール
(けん化度:99、平均重合度:2600)に代えた他
は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(試
料6)を得た。
【0030】試料7 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、未変性ポリビニルアルコール
(けん化度:70、平均重合度:1700)に代えた他
は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(試
料7)を得た。
【0031】比較試料1 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、未変性ポリビニルアルコール
(けん化度:99、平均重合度:200)に代えた他
は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(比
較試料1)を得た。
【0032】比較試料2 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、未変性ポリビニルアルコール
(けん化度:99、平均重合度:3000)に代えた他
は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(比
較試料2)を得た。
【0033】比較試料3 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、未変性ポリビニルアルコール
(けん化度:60、平均重合度:1700)に代えた他
は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板(比
較試料3)を得た。
【0034】比較試料4 試料1の作製に用いた感光材料のカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールを、ポリビニルピロリドン(平均重
合度:10800、GAF製 PLASDONE K-90)に代え
た他は、試料1と同様にしてブラックマトリックス基板
(比較試料4)を得た。
【0035】比較試料5 試料1の作製に用いた感光材料の代わりに、富士薬品工
業製カゼイン 9重量%、東洋合成工業製4,4′−ジ
アジドスチルベン2,2′−ジスルホン酸ナトリウム
0.9重量%の水溶液を用い、透明基板上に東レ・ダウ
コーニングシリコーン製シランカップリング剤S602
0の1重量%水溶液をコーティング後、試料1と同様に
して、ブラックマトリックス基板(比較試料5)を得
た。
【0036】比較試料6 試料1の作製に用いた感光材料の代わりに、ゼラチン
10重量%、東洋合成工業製4,4′−ジアジドスチル
ベン2,2′−ジスルホン酸ナトリウム 1重量%、日
本ユニカー製シランカップリング剤A−1108 0.
1重量%の水溶液を用い、試料1と同様にして、ブラッ
クマトリックス基板(比較試料6)を得た。
【0037】比較試料7 試料1の作製に用いた感光材料の代わりに、水溶性アク
リル系感光材RADOC−01(大阪有機化学工業製)
を用い、試料1と同様にして、ブラックマトリックス基
板(比較試料7)を得た。
【0038】比較試料8 試料1の作製に用いた感光材料の代わりに、ポリビニル
ピロリドン(GAF製、PLASDONE K−90)
4重量%、4,4′−ジアジドスチルベン2,2′−ジ
スルホン酸ナトリウム(東洋合成工業製)0.5重量
%、シランカップリグ剤A−1108(日本ユニカー
製)0.05重量%の水溶液を用い、試料1と同様にし
て、ブラックマトリックス基板(比較試料8)を得た。
【0039】次に、上記の各ブラックマトリックス基板
(試料1〜7、比較試料1〜8)について、無電解メッ
キ時の金属微粒子の析出性、感光材料の感度、感光材料
の解像度を評価して表1に示した。
【0040】
【表1】 表1に示されるように、試料1〜7では良好な品質のブ
ラックマトリックスが得られた。しかし、平均重合度が
低い比較試料1では無電解メッキにおける金属微粒子の
析出性が悪く、また感光材料の感度も不良であった。一
方、平均重合度が高い比較試料2では感光材料の解像度
が不良であった。さらに、けん化度の低い比較試料3で
は無電解メッキにおける金属微粒子の析出性が不良であ
った。また、感光材料にポリビニルアルコール以外のポ
リマーを用いた比較試料4〜8では無電解メッキにおけ
る金属微粒子の析出性が不良またはムラが発生した。
【0041】次に、上記の各ブラックマトリックス基板
(試料1〜7、比較試料1〜8)に着色層、保護層およ
び透明電極を形成してカラーフィルタを作成した。着色
層の形成は、まず、ブラックマトリックス層上に、スピ
ンコート法(回転数=1200r.p.m.)により赤色感光
性樹脂(ザ・インクテック(株)製MR−G(R))を
塗布した。その後、70℃、30分間の条件で乾燥(プ
レベーク)して赤色感光性樹脂層(膜厚=1.2μm)
を形成した。
【0042】次に、この赤色感光性樹脂層の赤色画素を
形成すべき領域に、赤色画素用のフォトマスク(線幅=
100μm)の位置合わせを行った後、このフォトマス
クを介して露光を行った。露光装置は大日本スクリーン
(株)製のプロキシミティー露光装置を使用し、露光量
は150mJ/cm2 とした。その後、常温の水を用いて
シャワー現像(現像時間=60秒間)を行い、その後、
150℃、30分間の熱処理(ポストベーク)を施して
赤色画素を形成した。
【0043】同様の工程を繰り返して、赤色画素、緑色
画素、青色画素からなる着色層を形成した。尚、各画素
の作成条件は下記の表2に示す条件に従った。
【0044】
【表2】 次に、保護層の形成は、下記に示される組成の塗工液を
スピンコート法(回転数=1500r.p.m.)により上記
の着色層上に塗布した(膜厚=2.0μm)。
【0045】 (保護層形成用の塗工液組成) ・光硬化性アクリレートオリゴマー(o−クレゾールノボラック エポキシアクリレート(分子量1500〜2000)) … 35重量部 ・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 … 15重量部 ・多官能重合性モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサ アクリレート(日本化薬製DPHA)) … 50重量部 ・重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュアー) … 2重量部 ・エポキシ硬化剤(ゼネラルエレクトリック社製 UVE1014)… 2重量部 ・エチルセロソルブアセテート …200重量部 そして、この塗布膜に対して大日本スクリーン(株)製
のプロキシミティー露光装置を使用し露光量150mJ
/cm2 で全面露光を行った。その後、基板を常温の1,
1,2,2−テトラクロロエタンに1分間浸漬し、塗布
膜の未硬化部分のみを除去し、保護膜を形成した。
【0046】さらに、この保護膜上にスパッタリング法
により厚さ0.4μmの酸化インジウムスズ(ITO)
膜を形成して透明電極とし、カラーフィルタを得た。ま
た、着色層を下記のように印刷法により形成してカラー
フィルタを作成した。すなわち、版深6μm、幅110
μmのストライプ状の凹部を有する版、及びシリコーン
ブランケットを用い、凹版オフセット印刷法により、ブ
ラックマトリックス基板上のブラックマトリックス間
に、下記インキ組成物S−1,S−2,S−3をこの順
序で印刷し、それぞれブルー、グリーン、レッドの11
0μm幅のストライプパターンを印刷形成した。その
後、前記基板を200℃で30分間加熱することによ
り、インキ組成物を熱硬化させて膜厚2〜3μmの着色
層を得た。
【0047】 ワニスの組成 ・ポリエステルアクリレート樹脂 (東亜合成化学工業(株)アロニックスM−7100)…70重量部 ・ジアリルフタレートプレポリマー …30重量部 インキ組成物(S−1)の組成 ・ワニス …100重量部 ・顔料(リオノールブルーES) (東洋インキ製造(株)製、C.I.Pigment Blue 15:6)…15.5重量部 ・顔料(リオノゲンバイオレットRL) (東洋インキ製造(株)製、C.I.Pigment Vioet 23)… 4重量部 インキ組成物(S−2)の組成 ・ワニス …100重量部 ・顔料(リオノールグリーン2YS) (東洋インキ製造(株)製、C.I.PigmentGreen 36 )…22重量部 ・顔料(セイカファーストエロー2700) (大日精化工業(株)製、C.I.Pigment Yellow 83 )…7.5重量部 インキ組成物(S−3)の組成 ・ワニス …100重量部 ・顔料(クロモフタルレッドA3B) (チバ・ガイギー社製、C.I.Pigment Red 177) …32重量部 ・顔料(セイカフェーストエロー2700) (大日精化工業(株)製、C..Pigment Yellow 83 )… 8重量部 次に、上述のように保護層と透明電極を形成してカラー
フィルタを得た。
【0048】このように作成したカラーフィルタの内、
試料1〜7のブラックマトリックス基板を用いて作成さ
れたものは、カラー液晶ディスプレイに使用された場
合、高い発色効果や表示コントラストを示した。しか
し、比較試料1〜8のブラックマトリックス基板を用い
て作成されたものは、カラー液晶ディスプレイに使用さ
れた場合、発色効果や表示コントラストは不十分であっ
た。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば感
光材料はけん化度が65〜99.9、平均重合度が25
0〜2800であるポリビニルアルコールを含有する水
溶液であり、この感光材料を用いて透明基板上に形成さ
れたブラックマトリックス用のレリーフの表面は平坦で
あり、無電解メッキによりレリーフ全体に均一に金属粒
子が析出され、形成されたブラックマトリックス基板は
平坦性が高く、光学濃度が高いとともに反射率が低いも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光材料を用いたブラックマトリック
ス基板の作成例を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1…ブラックマトリックス基板 2…透明基板 3…感光性レジスト層 4…レリーフ 5…触媒含有レリーフ 6…ブラックマトリックス(黒色レリーフ)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けん化度が65〜99.9、平均重合度
    が250〜2800であるカルボキシル基変性ポリビニ
    ルアルコールと光架橋剤を含有する水溶液であることを
    特徴とするブラックマトリックス基板作成用の感光材
    料。
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