JP3283610B2 - ブラックマトリックス基板用のレリーフ画像 - Google Patents

ブラックマトリックス基板用のレリーフ画像

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JP3283610B2 JP4266393A JP4266393A JP3283610B2 JP 3283610 B2 JP3283610 B2 JP 3283610B2 JP 4266393 A JP4266393 A JP 4266393A JP 4266393 A JP4266393 A JP 4266393A JP 3283610 B2 JP3283610 B2 JP 3283610B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラックマトリックス基
板用のレリーフ画像に係り、特に無電解メッキにより寸
法精度が高く遮光性に優れたブラックマトリックス基板
を製造することを可能としたレリーフ画像に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットディスプレーとして、モ
ノクロあるいはカラーの液晶ディスプレイが注目されて
いる。液晶ディスプレイには、3原色の制御を行うため
にアクティブマトリックス方式および単純マトリックス
方式とがあり、いずれの方式においてもカラーフィルタ
が用いられている。そして、カラーの液晶ディスプレイ
は構成画素部を3原色(R,G,B)とし、液晶の電気
的スイッチングにより3原色の各光の透過を制御してカ
ラー表示を行うものである。
【0003】このカラーフィルタは、透明基板上に各着
色層と保護層と透明電極層を形成して構成されている。
そして、発色効果や表示コントラストを上げるために、
着色層のR,G,Bの各画素の境界部分に遮光性を有す
るパターン(ブラックマトリックス)が形成される。ま
た、アクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイで
は、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子と
して用いているため、光リーク電流を抑制する必要があ
る。このため、ブラックマトリックスに対して高い遮光
性が要求される。
【0004】従来、ブラックマトリックスとしては、蒸
着クロム薄膜をフォトエッチングしてレリーフ形成した
もの、親水性樹脂レリーフを染色したもの、黒色顔料を
分散した感光液を用いてレリーフ形成したもの、黒色電
着塗料を電着して形成したもの、印刷により形成したも
の等があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
蒸着クロム薄膜をフォトエッチングしてレリーフ形成し
たものは寸法精度が高いものの、蒸着やスパッタ等の真
空成膜工程が必要であることや、製造工程が複雑である
ために、製造コストが高く、また、強い外光の下での表
示コントラストを高めるためにクロムの反射率を抑える
必要が生じ、このため、製造コストが更にかかる低反射
クロムのスパッタ等を行う必要があった。また、上述の
黒色染料や顔料を分散した感光性レジストを用いる方法
は、製造コストは安価となるが、感光性レジストが黒色
のためフォトプロセスが不充分となり易いことや、充分
な遮光性を得難い等、高品質なブラックマトリックスが
得られないという問題があった。さらに、上述の印刷方
法によるブラックマトリックス形成では、製造コストの
低減は可能であるものの、寸法精度が低いという問題が
あった。
【0006】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、液晶ディスプレイ等のフラットディスプ
レイ、CCD等のイメージャー、あるいはカラーセンサ
等のカラーフィルタに用いることのできる寸法精度が高
く遮光性に優れたブラックマトリックス基板を無電解メ
ッキにより低コストで製造することのできるブラックマ
トリックス基板用のレリーフ画像を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明はX線回折法により求められるX線散
乱強度が200〜580cps/μmであるポリビニルアル
コールを含有し、ブラックマトリックス用パターンを有
するような構成とした。
【0008】
【作用】ブラックマトリックス用パターンを有するレリ
ーフ画像に含有されるポリビニルアルコールは、X線散
乱強度が200〜580cps/μmであるため、レリーフ
画像に無電解メッキ液が接触した際に、無電解メッキ液
がレリーフ画像内に均一かつ速やかに浸透することにな
り、これにより、レリーフ全体に略均一かつ速やかに金
属微粒子を析出することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明のレリーフ画像を用いて製
造されたブラックマトリックス基板を使用したアクティ
ブマトリックス方式による液晶ディスプレイ(LCD)
の一例を示す斜視図であり、図2は同じく概略断面図で
ある。図1および図2において、LCD1はカラーフィ
ルタ10と透明ガラス基板20とをシール材30を介し
て対向させ、その間に捩れネマティック(TN)液晶か
らなる厚さ約5〜10μm程度の液晶層40を形成し、
さらに、カラーフィルタ10と透明ガラス基板20の外
側に偏光板50,51が配設されて構成されている。
【0010】図3はカラーフィルタ10の拡大部分断面
図である。図3においてカラーフィルタ10は、透明基
板13上にブラックマトリックス14を形成したブラッ
クマトリックス基板12と、このブラックマトリックス
基板12のブラックマトリックス14間に形成された着
色層16と、このブラックマトリックス14と着色層1
6を覆うように設けられた保護層18および透明電極1
9を備えている。このカラーフィルタ10は透明電極1
9が液晶層40側に位置するように配設されている。そ
して、着色層16は赤色パターン16R、緑色パターン
16G、青色パターン16Bからなり、各着色パターン
の配列は図1に示されるようにモザイク配列となってい
る。尚、着色パターンの配列はこれに限定されるもので
はなく、三角配列、ストライプ配列等としてもよい。
【0011】また、透明ガラス基板20上には表示電極
22が各着色パターン16R、16G、16Bに対応す
るように設けられ、各表示電極22は薄膜トランジスタ
(TFT)24を有している。また、各表示電極22間
にはブラックマトリックス14に対応するように走査線
(ゲート電極母線)26aとデータ線26bが配設され
ている。
【0012】このようなLCD1では、各着色パターン
16R、16G、16Bが画素を構成し、偏光板51側
から照明光を照射した状態で各画素に対応する表示電極
をオン、オフさせることで液晶層40がシャッタとして
作動し、着色パターン16R、16G、16Bのそれぞ
れの画素を光が透過してカラー表示が行われる。
【0013】カラーフィルタ10を構成するブラックマ
トリックス基板12の透明基板13としては、石英ガラ
ス、低膨張ガラス、ソーダライムガラス等の可撓性のな
いリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂
板等の可撓性を有するフレキシブル材等を用いることが
できる。このなかで、特にコーニング社製7059ガラ
スは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高
温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にア
ルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、ア
クティブマトリックス方式によるLCD用のカラーフィ
ルタに適している。
【0014】ここで、本発明のブラックマトリックス基
板用のレリーフ画像および、このレリーフ画像を用いた
ブラックマトリックス基板12の製造例を図4乃至図6
を参照して説明する。
【0015】図4に示される例において、先ず透明基板
13上に親水性樹脂を含有する感光性レジストを塗布
し、その後、50〜80℃、10〜30分間の条件で乾
燥して厚さ0.1〜5.0μm程度の感光性レジスト層
3を形成する(図4(A))。次に、ブラックマトリッ
クス用のフォトマクス9を介して感光性レジスト層3を
露光する(図4(B))。そして、露光後の感光性レジ
スト層3を現像してブラックマトリックス用のパターン
を有する本発明のレリーフ画像4を形成する(図4
(C))。
【0016】上記のようにして作成したレリーフ画像を
用いてブラックマトリックス14を形成するには、ま
ず、このレリーフ画像に熱処理(70〜200℃、5〜
30分間)を施す。次に、無電解メッキの触媒となる金
属化合物の水溶液をレリーフ画像4にスプレーし水洗し
て触媒含有レリーフ5とする(図4(D))。そして、
透明基板13上の触媒含有レリーフ5を無電解メッキ液
に接触させることにより、触媒含有レリーフ5内に金属
粒子を析出させて黒化せしめ、ブラックマトリックス1
4を形成する(図4(E))。尚、熱処理は触媒含有レ
リーフを形成した後に行ってもよい。また、形成したブ
ラックマトリックスに加熱あるいは硬膜剤塗布による硬
膜処理を施してもよい。
【0017】図5に示される例では、先ず透明基板13
上に親水性樹脂および無電解メッキの触媒となる金属化
合物の水溶液を含有する感光性レジストを塗布し、その
後、50〜80℃、10〜30分間の条件て乾燥して厚
さ0.1〜5.0μm程度の感光性レジスト層6を形成
する(図5(A))。次に、ブラックマトリックス用の
フォトマクス9を介して感光性レジスト層6を露光する
(図5(B))。そして、露光後の感光性レジスト層3
を現像して乾燥することによりブラックマトリックス用
のパターンを有する本発明のレリーフ画像7を形成する
(図5(C))。この場合のレリーフ画像7は、図4に
示されるレリーフ画像4とは異なり、無電解メッキの触
媒となる金属化合物を含んだ触媒含有レリーフである。
【0018】上記のようにして作成したレリーフ画像7
を用いてブラックマトリックス14を形成するには、ま
ず、このレリーフ画像7に熱処理(70〜200℃、5
〜30分間)を施し、次に、透明基板13上のレリーフ
画像(触媒含有レリーフ)7を無電解メッキ液に接触さ
せることにより、レリーフ内に金属粒子を析出させて黒
化せしめ、ブラックマトリックス14を形成する(図5
(D))。この場合も、ブラックマトリックスに加熱あ
るいは硬膜剤塗布による硬膜処理を施してもよいことは
勿論である。
【0019】さらに、図6に示される例においては、先
ず透明基板13上に親水性樹脂、ジアゾ基又はアジド基
を有する化合物、及び無電解メッキの触媒となる金属化
合物を含有した感光性レジストを塗布乾燥して厚さ0.
1〜5.0μm、好ましくは0.1〜2.0μm程度の
感光性レジスト層8を形成する(図6(A))。ここ
で、ジアゾ基、アジド基を有する化合物は無電解メッキ
時にメッキの抑制効果があり、これらと親水性樹脂、無
電解メッキの触媒となる化合物を含有するレジストを用
い、パターン露光し無電解メッキ液と接触することによ
り無電解メッキの金属粒子がレジスト層中に形成され遮
光層となることは知られている(特開昭57−1049
28号、同57−104929号)。次にブラックマト
リックス用のフォトマスク9を介して感光性レジスト層
8を露光することにより、本発明のレリーフ画像8′と
する(図6(B))。すなわち、このレリーフ画像8′
は、無電解メッキの触媒となる金属化合物を含んだ触媒
含有レリーフであるとともに、ジアゾ基又はアジド基を
有する化合物によるメッキ抑制効果が上記の露光によっ
てブラックマトリックスのパターン形状に解除されたも
のとなっている。
【0020】上記のようにして作成したレリーフ画像
8′を用いてブラックマトリックス14を形成するに
は、この透明基板13を無電解メッキ液に接触させるこ
とにより露光部分に無電解メッキの金属粒子を析出させ
て黒化せしめ、ブラックマトリックス14を形成する
(図6(C))。
【0021】尚、図6(D)に示すように、透明基板1
3を現像して未露光部分を除去してもよい。次に、本発
明のブラックマトリックス基板用のレリーフ画像を構成
する材料について説明する。本発明のレリーフ画像の主
たる構成材料である感光性レジストは、親水性のポリビ
ニルアルコール樹脂および光硬化型の感光性基を含有す
るものである。
【0022】親水性ポリビニルアルコール樹脂として
は、スルホン基変性物、アセトアセチル基変性物、カチ
オン基変性物、アクリルアミド基変性物、カルボキシル
基変性物等の変性ポリビニルアルコール、未変性ポリビ
ニルアルコールである。そして、上記のポリビニルアル
コール樹脂は、けん化度が86〜99、平均重合度が5
00〜1700であることが好ましい。
【0023】ここで、ブラックマトリックスの要求特性
である高光学濃度、低反射率等を満足させるには、触媒
含有レリーフ内に金属微粒子を析出させる上記のプロセ
スにおける金属微粒子の析出性が重要である。そして、
この金属微粒子の析出性は、触媒含有レリーフ内におけ
る無電解メッキ液の浸透性と強い相関があると考えら
れ、感光性レジスト内に含有されるポリビニルアルコー
ル樹脂の構造物性が重要となる。一般的には、ポリビニ
ルアルコール被膜の水溶液中での膨潤性が、その結晶性
に依存することが知られており、このことから、上記の
プロセスにおける無電解メッキ液の浸透性が、感光性レ
ジスト中のポリビニルアルコールの結晶性に依存すると
考えられる。
【0024】本発明では、上記の観点からレリーフ画像
中のポリビニルアルコールの結晶性をX線回折法による
散乱強度値で評価し、X線散乱強度を200〜580cp
s/μmの範囲、好ましくは300〜400cps/μmの範
囲に設定したことを特徴とする。この散乱強度値が58
0cps/μmを越えると、金属微粒子の析出性が悪くな
り、実質的に光学濃度が高い(約3以上)のブラックマ
トリックスが得られないこととなる。また、散乱強度値
が200cps/μm未満になると、レリーフ画像が無電解
メッキ液に溶解するという不都合が生じる。
【0025】尚、本発明ではレリーフ画像に含有される
ポリビニルアルコールのX線散乱強度値が上記の範囲内
にあることが重要である。したがって、例えば、感光性
レジスト中におけるポリビニルアルコールのX線散乱強
度値を上記の範囲内に設定してもよく、あるいは、例え
ば図4に示したようなプロセスにおいて、レリーフの熱
処理の条件を制御することによりレリーフを構成するポ
リビニルアルコールのX線散乱強度を上記の範囲に設定
してもよい。
【0026】このように、本発明では感光性レジスト中
のポリビニルアルコールのX線散乱強度値を所定の範囲
に設定したことにより、レリーフ画像(触媒含有レリー
フ)が無電解メッキ液と接触した際に、無電解メッキ液
が触媒含有レリーフ内に浸透し易くなり、触媒含有レリ
ーフ中に均一に金属微粒子が析出することになる。これ
により、形成されたブラックマトリックス14は充分な
黒さと低反射率を有することになり、従来のクロム薄膜
からなるブラックマトリックスにおける金属層による反
射という問題が解消される。
【0027】また、感光性基としては、ジアゾ基を有す
るジアゾニウム化合物およびパラホルムアルデヒドの反
応生成物であるジアゾ樹脂、アジド基を有するアジド化
合物、ポリビニルアルコールにケイ皮酸を縮合したケイ
皮酸縮合樹脂、スチルバゾリウム塩を用いた樹脂、重ク
ロム酸アンモニウム等が挙げられる。
【0028】さらに、感光性レジストには、セラミック
スや多孔質アルミナ等の無機物質が添加されていてもよ
い。この無機物質は、感光性レジスト中に0.1〜10
重量%の範囲で含有させることができる。
【0029】本発明において用いる無電解メッキの触媒
となる金属化合物は、例えばパラジウム、金、銀、白
金、銅等の塩化物、硝酸塩等の水溶性塩、および錯化合
物が用いられ、水溶液として市販されている無電解メッ
キ用のアクチベータ溶液をそのまま、あるいは希釈して
用いることができる。尚、このような金属化合物を本発
明のレリーフ画像に含有させる場合、含有量は0.05
〜1.0重量%程度が好ましい。
【0030】無電解メッキ液は、水素化ホウ素化合物、
次亜リン酸および次亜リン酸塩の中から少なくとも1つ
選ばれた還元剤と、有機カルボン酸およびその塩の中か
ら少なくとも1つ選ばれた錯化剤と、コバルト塩および
ニッケル塩の中から少なくとも1つ選ばれた金属塩とを
含有するものである。
【0031】上記の水素化ホウ素化合物としては、水素
化ホウ素ナトリウム、N−ジメチルアミンボラジン、ボ
ラジン誘導体、ジメチルアミンボラン等が挙げられ、次
亜リン酸塩としては次亜リン酸ナトリウム等が挙げら
れ、錯化剤としての有機カルボン酸およびその塩として
は、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、クエン酸水素二
アンモニウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、グリコール
酸、コハク酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、グリシ
ン、ロッシェル塩、リンゴ酸、エチレンジアミン、ジエ
チルトリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられ
る。また、無電解メッキ液における還元剤の濃度は0.
03〜0.07 mol/l、錯化剤の濃度は0.1〜1.
0 mol/l、金属塩の濃度は0.1〜0.3 mol/lで
あることが好ましい。
【0032】さらに、無電解メッキ液には、カセイソー
ダ、水酸化アンモニウム等の塩基性化合物、無機酸、有
機酸等のpH調整剤や、クエン酸ナトリウム、酢酸ナト
リウム等のオキシカルボン酸、ホウ酸、炭酸、有機酸、
無機酸のアルカリ塩に代表される緩衝剤や、反応促進
剤、安定剤、界面活性剤等を含有させてもよい。
【0033】上記のような無電解メッキ液のpH値は7
〜9、メッキ液温度は20〜40℃程度が好ましい。ま
た、2種以上の無電解メッキ液を併用してもよい。例え
ば、まず、核(例えば無電解メッキの触媒となる金属化
合物としてパラジウムを使用した場合はパラジウムの
核)を作り易い水素化ホウ素ナトリウムのようなホウ素
系還元剤を含む無電解メッキ液を用い、次に、酸化還元
電位の卑な次亜リン酸系還元剤を含む無電解メッキ液を
用いることができる。
【0034】上述のようなブラックマトリックス基板1
2のブラックマトリックス14間における赤色パターン
16R、緑色パターン16G、青色パターン16Bから
なる着色層16の形成は、染色法、分散法、印刷法、電
着法等の公知の種々の方法に従って行うことができる。
【0035】カラーフィルタ10のブラックマトリック
ス14と着色層16を覆うように設けられる保護層18
は、カラーフィルタ10の表面平滑化、信頼性の向上、
および液晶層40への汚染防止等を目的とするものであ
り、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹
脂等の透明樹脂、あるいは二酸化ケイ素等の透明無機化
合物等を用いて形成することができる。保護層の厚さは
0.5〜50μm程度が好ましい。
【0036】透明共通電極19としては、例えば酸化イ
ンジウムスズ(ITO)膜を用いることができる。IT
O膜は蒸着法、スパッタ法等の公知の方法により形成す
ることができ、厚さは200〜2000Å程度が好まし
い。
【0037】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。 (実験例)透明基板としてコーニング社製7059ガラ
ス(厚さ=1.1mm)を用い、スピンコート法(回転
数=1500r.p.m.)により下記組成の感光性レジスト
を透明基板上に塗布し、その後、70℃、10分間の条
件で乾燥して感光性レジスト層(厚さ=0.6μm)を
形成した。
【0038】 感光性レジストの組成 ・ポリビニルアルコール4.47%水溶液 (日本合成化学製ゴーセナールT−330) …1000重量部 ・ジアゾ樹脂5%水溶液(シンコー技研製D−011) … 57重量部 次に、感光性レジスト層に対してブラックマトリックス
用のフォトマスク(線幅=20μm)を介して露光を行
った。露光用の光源は超高圧水銀灯2kwを用い、10
秒間照射した。その後、常温の水を用いてスプレー現像
を行い、エアー乾燥してブラックマトリックス用の線幅
20μmのレリーフ画像を形成した。
【0039】次に、この透明基板に、70,90,12
0,150,170,190℃の各温度にて30分間の
熱処理を施し、さらにその後、透明基板を塩化パラジウ
ム水溶液(日本カニゼン製レッドシューマー)に30秒
間浸漬し、水洗い、水切りして上記のレリーフ画像を触
媒含有レリーフとした。この時の透明基板のレリーフ部
の膜厚は、すべて0.5μmであった。
【0040】その後、透明基板をホウ素系還元剤を含む
25℃のニッケルメッキ液(奥野製薬製ニッケルメッキ
液トップケミアロイB−1)に4分間浸漬させ、水洗乾
燥して黒色レリーフ(ブラックマトリックス)を形成し
た(試料1〜6)。
【0041】次に、上記のようにして作成した各試料
(1〜6)について、無電解メッキ前の触媒含有レリー
フにおけるポリビニルアルコールのX線散乱強度、ブラ
ックマトリックスの光学濃度について、下記のようにし
て測定を行った。測定結果を表1に示した。
【0042】・X線散乱強度 測定方法:X線回折法 装 置:RADII−C((株)リガク製) 仕 様:アタッチメント…薄膜アタッチメント、走査
軸…2θ、X線入射角…0.5°、計数法…連続測定,
サンプリング角度…0.02°、走査速度…1.0°/
min 、積算回数…3回、ターゲット…Cu、管電圧:6
0kV、管電流…300mA、スリット…DS0.20mm
RSM 0.80mm、モノクロメルータ…使用、カウンタ
ー…SC ・光学濃度 測定方法:分光透過率測定(波長:400〜700n
m) 装 置:顕微鏡分光測光装置 (オリンパス光学工業(株)製 AH2−STK) 仕 様:分光波長400〜700nm、波長分解能
5.0nm
【0043】
【表1】 表1に示されるように、触媒含有レリーフにおけるポリ
ビニルアルコールのX線散乱強度値が200〜580cp
s/μmの範囲にある試料1,2,3は、ほぼ3以上の高
い光学濃度を示している。しかし、X線散乱強度値が上
記の範囲外にある試料4,5,6は充分な光学濃度が得
られていない。但し、ここでいうcps/μmという単位
は、レリーフ画像部の単位膜厚当りのX線散乱強度を意
味する。
【0044】また、全体的な傾向として、熱処理温度増
大に伴い、散乱強度値は増大傾向にあるが、それと同時
に、X線回折ピーク角が高角度側にシフトし、半値幅は
減少傾向にある。すなわち、定性的な知見ではあるが、
熱処理温度が増大するに伴って、レリーフ画像内のポリ
ビニルアルコールのポリマーチェインが形成する格子の
規則性がより短周期になり、結晶化度が大きくなり、さ
らに配向分散度が小さくなることが示唆される。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればブ
ラックマトリックス用パターンを有するレリーフ画像が
X線散乱強度が200〜580cps/μmのポリビニルア
ルコールを含有していることにより、レリーフ画像内に
無電解メッキの触媒となる金属化合物が均一に存在可能
となり、さらに無電解メッキ液がレリーフ画像内に均一
に浸透し得るため、レリーフ全体に略均一かつ速やかに
金属粒子が析出され、光学濃度が高いとともに反射率の
低い寸法精度の良好なブラックマトリックスが可能とな
り、また、真空プロセス等が不要であるため、ブラック
マトリックス基板の製造コストの低減にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレリーフ画像を用いて製造されたブラ
ックマトリックス基板を使用したアクティブマトリック
ス方式による液晶ディスプレイの一例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示される液晶ディスプレイの概略断面図
である。
【図3】図1に示される液晶ディスプレイに用いられて
いるカラーフィルタの拡大部分断面図である。
【図4】本発明のレリーフ画像の製造の一例を説明する
ための工程図である。
【図5】本発明のレリーフ画像の製造の他の例を説明す
るための工程図である。
【図6】本発明のレリーフ画像の製造の他の例を説明す
るための工程図である。
【符号の説明】
3…感光性レジスト層 4…レリーフ画像 5…触媒含有レリーフ 6…感光性レジスト層 7…レリーフ画像 8…感光性レジスト層 8′…レリーフ画像 9…ブラックマトリックス用のフォトマスク 10…カラーフィルタ 12…ブラックマトリックス基板 13…透明基板 14…ブラックマトリックス(黒色レリーフ) 16…着色層 16R,16G,16B…着色パターン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無電解メッキの触媒となる金属化合物を
    0.01〜5重量%の範囲で含有する、X線回折法によ
    り求められるX線散乱強度が200〜580cps/μ
    mであるポリビニルアルコールを含有し、ブラックマト
    リックス用パターンを有することを特徴とするブラック
    マトリックス基板用のレリーフ画像。
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