JP3294779B2 - 1,3−ジオキソランの回収方法 - Google Patents
1,3−ジオキソランの回収方法Info
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Description
ンの製造におけるコモノマーとして用いられるなど、各
種化学工業における有用な化学原料である1,3−ジオ
キソランの回収方法に関する。
ようにポリオキシメチレンコポリマーは、トリオキサン
とエチレンオキサイド又は1,3−ジオキソランとを酸
性触媒の存在下に塊状重合により製造されている。ポリ
オキシメチレンコポリマーの製造を工業的に実施する場
合、連続式混練機を用いて塊状重合し、トリエチルアミ
ン等の塩基性物質水溶液により酸性触媒の失活化するこ
とが知られている。又、連続的な操作をする場合、装置
のスケールや反応条件などにより一定はしないが未反応
物が存在し、この未反応物を回収する必要がある。特に
失活操作後の溶液よりこの未反応物を回収する必要があ
る。ポリオキシメチレンをトリオキサンとエチレンオキ
サイドを用いて共重合せしめた場合、未反応物として残
るものはトリオキサンのみならず、トリオキサンの分解
物であるホルムアルデヒド、エチレンオキサイドの転移
物である1,3−ジオキソランなどであり、トリオキサ
ンと1,3−ジオキソランを用いて共重合せしめた場
合、未反応物としてはトリオキサンのみならず、トリオ
キサンの分解物であるホルムアルデヒド、1,3−ジオ
キソランなどが残る。これらの未反応物水溶液より各未
反応物ごとに回収精製し、再度反応原料として用いるこ
とは、工業的にも環境的にも重要である。本発明はかか
る見地から、ポリオキシメチレン重合時に生じた未反応
物、特に1,3−ジオキソランを効率的に回収すること
を目的とするものである。これまで、1,3−ジオキソ
ランの回収方法については、特開平7−285958号公報、
特開平7−285959号公報等の提案があるが、これらの方
法はトリオキサンやホルムアルデヒドを含有する系にお
いては採用できず、また有機溶剤を用いることは、後の
分離操作を複雑にするなどの問題がある。更に、メタノ
ールを含有する系においては、1,3−ジオキソランと
メタノールは共沸混合物を作ることが知られており、通
常の方法では分離が困難である。
ヒド、トリオキサン、メタノール及び1,3−ジオキソ
ランを含む水溶液からの1,3−ジオキソランの回収
を、簡易かつ合理的方法により行うことのできる手法の
提供を目的とする。本発明者はかかる目的を達成するた
めに鋭意検討した結果、上記水溶液から1,3−ジオキ
ソランを蒸留法により回収する場合、蒸留塔の操作圧力
を変更し、その適切な組み合わせを採用することが極め
て有効であることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。即ち本発明は、ホルムアルデヒド、トリオキサン、
メタノール及び1,3−ジオキソランを含む水溶液から
蒸留操作により1,3−ジオキソランを回収するにあた
り、該水溶液を常圧以下で操作する蒸留塔(第1塔)の
中段にフィードし、更に第1塔からの水溶液を4〜7気
圧の加圧下で操作する蒸留塔(第2塔)にフィードし、
第2塔の缶出部より1,3−ジオキソランを得ることを
特徴とする1,3−ジオキソランの回収方法である。
する。本発明で使用されるホルムアルデヒド、トリオキ
サン、メタノール及び1,3−ジオキソランを含む水溶
液は、通常、トリオキサンの精製工程中で得られ、その
濃度は精製工程における反応条件や反応工程からのトリ
オキサンの回収濃度などにより異なるが、ホルムアルデ
ヒドの濃度は概ね 0.1〜15重量%の範囲にあり、ト
リオキサンの濃度は 0.1〜10重量%の範囲にある。同様
に1,3−ジオキソランの濃度も上記条件により異なる
が、概ね、0.1 〜15重量%の範囲にある。また、この水
溶液には低沸点物であるメタノールも含まれるが、通
常、その濃度は、0.1〜10重量%の範囲にある。
塔、バブルキャップ、カスケードトレイ、キッテルトレ
イ、バルブトレイ、チムニートレイ、パイプトレイ、バ
ッフルトレイ、ジェットトレイ、ユニフラックス、ナッ
ターフロート、バラストトレイ、アングルトレイ、デュ
アルフロートトレイ、リフトトレイ、ベンチュリトレ
イ、リップルトレイ、フレキシトレイ、リサイクリング
トレイ、ターボグリッドトレイ、V−グリッドトレイ、
ターボフレックストレイ、マルチプルダウンカマートレ
イ等の形式があり、すべてのものが利用できる。蒸留塔
の段数としては、第1塔及び第2塔ともに理論段数とし
て5〜50理論段数が適当であり、更には、蒸留塔の実際
的な装置上の制約を考えると20〜40理論段数の範囲が好
ましい。また、蒸留塔へのフィード位置に関しては、塔
頂より理論段数の5分の1を除く上限から塔底より理論
段数の5分の1を除く下限までの範囲が適当であり、更
には、塔頂より理論段数の3分の1を除く上限から塔底
より理論段数の3分の1を除く下限までの中央部分の範
囲が好ましい。蒸留塔の還流比に関しては、実際に使用
される蒸留塔の段数により多少変化するが、通常1〜30
の範囲であり、更に好ましい還流比1〜10の範囲にあ
る。 これらの条件により構成される蒸留塔の第1塔を先ず常
圧で操作した場合では、その塔頂より得られる組成とし
て、1,3−ジオキソランとメタノールの最低共沸組成
を得ることができる。 また、この第1塔を減圧で操作し
た場合、塔頂での1,3−ジオキソラン組成が増加する
が、これは1,3−ジオキソランの回収率を高めるとい
う点で重要な操作条件となる。 一方、塔底からは、ホルムアルデヒド、トリオキサン等
の高沸点成分を含む水溶液が除去される。 第1塔で得られる1,3−ジオキソラン組成の増加し
た、メタノールとの共沸組成を成す塔頂液は、更に第2
塔に供給され、第1塔とは逆に加圧下で操作されること
により、塔頂からはメタノール組成に富む1,3−ジオ
キソランとの共沸組成を成してなしてメタノール成分が
除去され、その結果、塔底より99重量%以上に濃縮され
た1,3−ジオキソランを得ることが可能になる。 即ち、図1の1,3−ジオキソランとメタノールの気液
平衡図に示されるように、この両成分は、1,3−ジオ
キソラン:メタノールが40:60で最低共沸組成を作り、
通常では簡単に蒸留分離できないものである。ところ
が、本発明者らは、操作圧力によって最低共沸点が移動
することに着目して、先ず第1塔では1,3−ジオキソ
ランとメタノールの共沸組成を減圧下で操作すること
で、塔頂の留出液側では1,3−ジオキソランの組成を
増加せしめ、しかる後に第2塔において加圧下で操作す
ることにより共沸点を逆側に移動させることで、塔頂で
の1,3−ジオキソランの組成を低減せしめ、メタノー
ルとの分離を容易ならしめ、しかも2段蒸留することで
50%以上の高回収率でほぼ純粋な1,3−ジオキソラン
を得ることを可能としたのである。 本発明において、第1塔の操作圧力は常圧以下であれば
特に限定されないが、200 〜600mmHg が適当であり、更
に装置コストを勘案すると300 〜500mmHg が適切であ
る。 一方、第2塔の操作圧力としては、回収率を考慮す
ると4気圧以上が適当であり、更に加圧による熱源上昇
等の経済性を勘案すると5〜7気圧が適切となる。 このように本発明は、その気液平衡の関係からみても、
常識ではその蒸留分離が非常に困難であった、1,3−
ジオキソランとメタノールの分離を、異なった操作圧力
で制御される蒸留塔を適切に組み合わせることにより可
能としたであり、その工業的価値は大きい。
%、メタノール4.6 重量%、1,3−ジオキソラン3.8
重量%を含む水溶液を、図2に示す如く50段の多孔板を
有する第1蒸留塔Iのより毎時4500gで供給し、常圧
にて連続的に運転した。塔頂温度が62℃、塔底温度が98
℃で一定になった時、塔頂より得た留出物を分析した
ところ、その組成は、1,3−ジオキソラン41.7重量
%、メタノール58.3重量%で、ほぼ2成分の共沸組成で
あり、ホルムアルデヒド、トリオキサン、水の各成分は
ほとんど含まれていなかった。次に第1塔で得られた留
出液を、50段の多孔板を有する第2蒸留塔IIの中段に
毎時 300gで供給し、操作圧力を6気圧に保持しながら
連続運転した。塔頂温度が117 ℃、塔底温度が138 ℃で
一定になった時、塔底より毎時90gで得られた缶出液
を分析した。この缶出液の組成は、1,3−ジオキソラ
ン99.6重量%で、高濃度に濃縮されており、その回収率
は52%であった。
外は実施例1と同様の方法で蒸留操作を行い、先ず、第
1塔の塔頂温度が48℃、塔底温度が83℃で一定になった
時、1,3−ジオキソラン45重量%、メタノール55重量
%の組成からなる留出液を塔頂から得た。この留出液を
操作圧力6気圧に調整された第2塔の中段に毎時 300g
で供給し、塔頂温度が116 ℃、塔底温度が137 ℃で一定
になった時、塔底より毎時 105gで得られた缶出液を
分析した。この缶出液の組成は、1,3−ジオキソラン
99.6重量%で、高濃度に濃縮されており、その回収率は
52%であった。
作を行い、塔頂より得た留出物を毎時 300gで得た。
その組成は、1,3−ジオキソラン41重量%、メタノー
ル59重量%で、ほぼ2成分の共沸組成であり、メタノー
ルの混入が多く、1塔のみの蒸留では、1,3−ジオキ
ソランの回収はできなかった。
例1と同様の操作を行い、第2塔より缶出液を毎時 1
50gで得たが、その組成は、1,3−ジオキソラン37重
量%、メタノール63重量%で、メタノールの混入が多か
った。 一方、留出液も毎時 150gで得たが、1,3−
ジオキソラン54重量%、メタノール46重量%となり、こ
のままでは1,3−ジオキソランの回収はできなかっ
た。
作圧力を常圧とした以外は、実施例1と同様の操作を行
い、第2塔より缶出液を毎時 150gで得たが、その組
成は、1,3−ジオキソラン22重量%、メタノール78重
量%で、メタノールの混入が多く、このままでは1,3
−ジオキソランの回収はできなかった。
操作圧力を400mmHg の減圧とした以外は、実施例1と同
様の操作を行い、第2塔より缶出液を毎時 150gで得
たが、その組成は、1,3−ジオキソラン18重量%、メ
タノール82重量%で、メタノールの混入が多く、このま
までは1,3−ジオキソランの回収はできなかった。
サン、メタノール及び1,3−ジオキソランを含む水溶
液からの1,3−ジオキソランを回収を、操作圧力の異
なる2塔の蒸留塔を組み合わせ、第1塔を常圧以下で、
且つ第2塔を加圧下で操作する2段蒸留とすることによ
り、1,3−ジオキソランを容易に分離、回収すること
ができる。
関係を示すグラフである。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ホルムアルデヒド、トリオキサン、メタ
ノール及び1,3−ジオキソランを含む水溶液から蒸留
操作により1,3−ジオキソランを回収するにあたり、
該水溶液を常圧以下で操作する蒸留塔(第1塔)の中段
にフィードし、更に第1塔からの水溶液を4〜7気圧の
加圧下で操作する蒸留塔(第2塔)にフィードし、第2
塔の缶出部より1,3−ジオキソランを得ることを特徴
とする1,3−ジオキソランの回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06444997A JP3294779B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 1,3−ジオキソランの回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06444997A JP3294779B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 1,3−ジオキソランの回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10259183A JPH10259183A (ja) | 1998-09-29 |
JP3294779B2 true JP3294779B2 (ja) | 2002-06-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06444997A Expired - Fee Related JP3294779B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 1,3−ジオキソランの回収方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3294779B2 (ja) |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP06444997A patent/JP3294779B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10259183A (ja) | 1998-09-29 |
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