JP3294702B2 - トルクコンバータのインペラ及びトルクコンバータのインペラにおけるブレード部材のインペラシェルへの固定方法 - Google Patents

トルクコンバータのインペラ及びトルクコンバータのインペラにおけるブレード部材のインペラシェルへの固定方法

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JP3294702B2
JP3294702B2 JP04730294A JP4730294A JP3294702B2 JP 3294702 B2 JP3294702 B2 JP 3294702B2 JP 04730294 A JP04730294 A JP 04730294A JP 4730294 A JP4730294 A JP 4730294A JP 3294702 B2 JP3294702 B2 JP 3294702B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクコンバータのイ
ンペラ、及びブレード部材のインペラシェルへの固定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは、3種の羽根車(イ
ンペラ,タービン,ステータ)を作動油室内部に有し、
作動油により入力側回転体から出力側回転体にトルクを
伝達する装置である。インペラは、概ね円板状のインペ
ラシェルと、インペラシェルの内側面に放射状に配置さ
れた多数のブレード部材と、ブレード部材の内側に固定
された環状のインナーシェルとを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のインペラに
おいては、ブレード部材とインペラシェルとが溶接によ
り固定されている。この場合は、溶接剤が流体の流れの
抵抗となることがある。特公昭58−15658号公報
は、インペラシェルにエンボス加工による複数の凹部を
設け、ブレード部材に複数の突起を形成したインペラを
開示している。そこでは、ブレード部材の突起をインペ
ラシェルの凹部内に挿入し、凹部の近傍をポンチ等によ
りかしめることによってブレード部材をインペラシェル
に固定している。この場合、ブレード部材の突起はブレ
ード部材から真っ直ぐに延びているので、たとえかしめ
部により固定されていても、固定強度が弱い。
【0004】本発明の目的は、ブレード部材の固定強度
を高めることにある。本発明の他の目的は、ブレード部
材の位置決め精度を高めることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトルクコン
バータのインペラは、インペラシェルと複数のブレード
部材とインペラコアとを備えている。インペラシェル
は、複数の凹部を有する。複数のブレード部材は、イン
ペラシェルの凹部内に挿入された折り曲げ突起部を有す
るインペラコアは、複数のブレード部材に固定されてい
る。インペラシェルは、折り曲げ突起部を固定するかし
め部を有している。折り曲げ突起部は、ブレード部材の
側面方向の一方側に折り曲げられている。
【0006】折り曲げ突起部の先端と根元は、凹部の側
壁に当接して位置決めされているのが好ましい。本発明
に係るトルクコンバータのインペラにおけるブレード部
材のインペラシェルへの固定方法は、準備工程と挿入工
程とかしめ部形成工程とを含んでいる。準備工程では、
複数の凹部を有するインペラシェルと折り曲げ突起部を
有する複数のブレード部材とを用意する。挿入工程で
は、ブレード部材の折り曲げ突起部をインペラシェルの
凹部内に挿入する。かしめ部形成工程は、インペラシェ
ルの凹部近傍をかしめて、折り曲げ突起部に当接するか
しめ部を形成する。
【0007】挿入工程では、折り曲げ突起部の先端と根
元は凹部の側壁に当接して位置決めされるのが好まし
い。
【0008】
【作用】本発明に係るトルクコンバータのインペラで
は、ブレード部材の折り曲げ突起部がインペラシェルの
凹部内に挿入され、かしめ部が突起部を固定している。
このように折り曲げ突起部が固定されることで、ブレー
ド部材とインペラシェルとの固定強度が高くなってい
る。
【0009】折り曲げ部の先端と根元が凹部の側壁に当
接して位置決めされている場合には、ブレード部材の位
置決め精度が高くなる。本発明に係るトルクコンバータ
のインペラにおけるブレード部材のインペラシェルへの
固定方法では、ブレード部材の折り曲げ突起部をインペ
ラシェルの凹部内に挿入した後に、インペラシェルの凹
部近傍をかしめて折り曲げ突起部に当接するかしめ部を
形成する。このように、折り曲げ突起部がかしめ部によ
って固定されることによって、ブレード部材とインペラ
シェルとの固定強度が高くなる。
【0010】さらに、挿入工程で折り曲げ突起部の先端
と根元が凹部の側壁に当接して位置決めされる場合に
は、ブレード部材の位置決め精度が高くなる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例が採用されたトル
クコンバータ1を示している。ここでは、O−Oがトル
クコンバータ1の回転軸線であり、図の左側にエンジン
(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッショ
ン(図示せず)が配置されている。
【0012】このトルクコンバータ1では、円板状のフ
ロントカバー2と、円板状フロントカバー2の外周壁2
aに溶接されたインペラシェル3aとが、内部に作動油
が充填された作動油室を形成している。作動油室内に
は、インペラ3、タービン4及びステータ5からなるト
ルクコンバータ本体と、ロックアップ装置6とが配置さ
れている。
【0013】インペラシェル3aの内部には複数のイン
ペラブレード3bが固定されており、インペラブレード
3bの内側には環状のインペラコア3cが固定されてい
る。図2に詳細に示すように、インペラシェル3aは断
面円弧状の円板部材であり、半径方向中間部内側に、円
周方向に渡って複数のエンボス部11を有している。エ
ンボス部11は、円周方向に2列に渡って形成されてい
る。このエンボス部11のインペラシェル3a内側は、
エンボス凹部11aになっている。ブレード部材3c
は、インペラシェル3aの内側に放射状に多数配置され
ている。インペラブレード3cの外側には、エンボス部
11に対応する部分にブレードタブ12を有している。
ブレードタブ12は、図3に示すように一方向に折り曲
げられている。ブレードタブ12の先端は、エンボス凹
部11aの側壁に当接している。また、ブレードタブ1
2の根元部分においてまっ直ぐな部分がエンボス凹部1
1aの側壁に当接している。さらに、エンボス凹部11
aの近傍においては、ブレードタブ12に当接するかし
め部13が形成されている。このようにかしめ部13が
ブレードタブ12に当接することにより、インペラブレ
ード3cはインペラシェル3aに確実に固定されてい
る。
【0014】インペラコア3bには、円周方向に複数の
孔15が形成されている。この孔15内に、インペラブ
レード3cの内側に形成された複数の突起14が挿入さ
れている。突起14は折り曲げられてインペラコア3b
を複数のインペラブレード3cに固定している。次に、
インペラ3の製造方法について説明する。
【0015】予めインペラシェル3aにはエンボス加工
でエンボス部11を形成しておく。また、ブレード部材
3cには打ち抜き加工によりブレードタブ12及び突起
14等が形成されている。次に、インペラシェル3aに
多数のインペラブレード3cを固定する。図4及び図6
に示す状態から、インペラブレード3cをインペラシェ
ル3aの内側に組み付ける。このとき、ブレードタブ1
2をエンボス凹部11a内に挿入する。挿入された図7
の状態において、ブレードタブ12の先端とブレードタ
ブ12の根元部分においてまっ直ぐな部分とがエンボス
凹部11aの側壁に当接して位置決めされている。以上
により、インペラブレード3cの位置決め精度が向上す
る。したがって、インペラブレード3cの間隔が一定に
なる。
【0016】次に、図7の状態からポンチ17によりエ
ンボス凹部11aの近傍を加工して、図3に示すかしめ
部13を形成する。かしめ部13は、ブレードタブ12
に当接してインペラブレード3cをインペラシェル3a
に固定している。ここでは、ブレードタブ12が折り曲
げられていることにより、インペラブレード3cはイン
ペラシェル3aから外れにくい。すなわち、両者間の固
定強度が高くなっている。なお、かしめ部13を形成す
る工程は、インペラブレード3cを1枚止める毎に行っ
ても良いし、全てのインペラブレード3cを仮止めした
後に同時に行ってもよい。
【0017】最後に、インペラシェル3bを複数のイン
ペラブレード3cの内側に取り付ける。インペラシェル
3bに形成された孔15をインペラブレード3cの突起
に嵌合する。そして、突起14を折り曲げて両者を固定
する。インペラシェル3bの孔15と突起14との嵌合
は、インペラブレード3cの間隔が一定になってインペ
ラブレード3cのがたつきがないために容易である。
【0018】
【発明の効果】本発明に係るトルクコンバータのインペ
ラでは、ブレード部材の折り曲げ突起部がインペラシェ
ルの凹部内に挿入され、かしめ部が突起部を固定してい
る。このように折り曲げ突起部が固定されることで、ブ
レード部材とインペラシェルとの固定強度が高くなって
いる。
【0019】折り曲げ部の先端と根元が凹部の側壁に当
接して位置決めされている場合には、ブレード部材の位
置決め精度が高くなる。本発明に係るトルクコンバータ
のインペラにおけるブレード部材のインペラシェルへの
固定方法では、ブレード部材の折り曲げ突起部をインペ
ラシェルの凹部内に挿入した後に、インペラシェルの凹
部近傍をかしめて折り曲げ突起部に当接するかしめ部を
形成する。このように、折り曲げ突起部がかしめ部によ
って固定されることによって、ブレード部材とインペラ
シェルとの固定強度が高くなる。
【0020】さらに、挿入工程で折り曲げ突起部の先端
と根元が凹部の側壁に当接して位置決めされる場合に
は、ブレード部材の位置決め精度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用されたトルクコンバー
タの縦断面概略図。
【図2】本発明の一実施例としてのインペラの縦断面部
分図。
【図3】図2のIII −III 断面図。
【図4】インペラ組立工程の一段階を示す縦断面図。
【図5】インペラの組立工程の一段階を示す図4に相当
する図。
【図6】インペラブレードをインペラシェルに固定する
工程の一段階を示す縦断面図。
【図7】インペラブレードをインペラシェルに固定する
工程の一段階を示す縦断面図。
【符号の説明】
3 インペラ 3a インペラシェル 3c インペラブレード 11a エンボス凹部 12 ブレードタブ 13 かしめ部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 41/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の凹部を有するインペラシェルと、 前記インペラシェルの前記凹部内に挿入された折り曲げ
    突起部を有する複数のブレード部材と、 前記複数のブレード部材に固定されたインペラコアとを
    備え、 前記インペラシェルは前記折り曲げ突起部を固定するか
    しめ部を有しており、 前記折り曲げ突起部は、前記ブレード部材の側面方向の
    一方側に折り曲げられている、トルクコンバータのイン
    ペラ。
  2. 【請求項2】前記折り曲げ突起部の先端と根元は、前記
    凹部の側壁に当接して位置決めされている、請求項1に
    記載のトルクコンバータのインペラ。
  3. 【請求項3】複数の凹部を有するインペラシェルと、折
    り曲げ突起部を有する複数のブレード部材とを用意する
    準備工程と、 前記ブレード部材の前記折り曲げ突起を前記インペラシ
    ェルの前記凹部内に挿入する挿入工程と、 前記インペラシェルの前記凹部近傍をかしめて、前記折
    り曲げ突起部に当接するかしめ部を形成するかしめ部形
    成工程と、 を含むトルクコンバータのインペラにおけるブレード部
    材のインペラシェルへの固定方法。
  4. 【請求項4】前記挿入工程において、前記折り曲げ突起
    部の先端と根元は前記凹部の側壁に当接して位置決めさ
    れる、請求項3に記載のトルクコンバータのインペラに
    おけるブレード部材のインペラシェルへの固定方法。
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KR100822481B1 (ko) * 2006-12-27 2008-04-16 한국파워트레인 주식회사 토크 컨버터의 임펠러 및 터빈의 제작 방법

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