JP3294572B2 - キノコの栽培方法とキノコの栽培用培地 - Google Patents

キノコの栽培方法とキノコの栽培用培地

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒラタケやエノ
キタケ等、針葉樹の鋸屑で子実体形成可能なキノコの栽
培方法とキノコの栽培用培地に関する。
【0002】
【従来の技術】昭和50年代以降、キノコの栽培方法と
して菌床栽培法(木質材料である培地基材と米糠、フス
マ、コーンブラン等の栄養材を混合して調整した培養基
材を使って栽培する方法)が広く普及し、季節に関係な
く一年を通してキノコが生産可能となった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ここ数年間
は、キノコ類の年間総生産額は2700億円前後で横這
い傾向が続き、頭打ち状態となっている。さらに、キノ
コ生産者の経営状態は、キノコの市場価格の低迷、中国
産シイタケに代表される輸入キノコの増大、培地基材で
あるオガコの高騰等により、厳しい状態が続いている。
【0004】また、菌床栽培法は、普及し始めてから年
月が浅く、生産されるキノコの品質と収量が安定しない
ものであった。加えて、消費者の嗜好は多様化し、消費
者間に馴染み深くなり過ぎたヒラタケ(通称シメジ)、
エノキタケには斬新な魅力がなく、健康志向を反映した
機能性成分の向上が求められている。
【0005】一方、小豆加工食品製造業界では、廃棄物
として生じる餡殻の処理に苦慮している。餡殻は、小豆
の絞り粕であるが、家畜飼料としての用途以外には焼却
処分されており、昨今の環境問題が注目されている状況
下では、焼却処分以外の有効利用方法が求められてい
る。小豆加工食品は我が国のいたる所で製造されてお
り、餡殻は乾物重量で年間500t以上生じると推定さ
れている。
【0006】この発明は上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、餡殻を培地基材に利用し、キノコを安
定した収量で収穫可能なキノコの栽培方法とキノコの栽
培用培地を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、針葉樹の鋸
屑で子実体形成可能なヒラタケやエノキタケ等のキノコ
の栽培方法において、小豆加工食品の餡を製造する際の
小豆の絞り粕である餡殻と針葉樹の鋸屑とを混合した培
地基材であって重量の20〜80%を餡殻で構成した培
地基材を調整し、この培地基材に所定量の米糠、フス
マ、コーンブラン等の栄養材を混合し、ここに種菌を接
種して適温適湿で培養し、子実体を発生させ成長させる
キノコの栽培方法である。さらに、ヤナギマツタケ、ブ
ナシメジの栽培にも適用可能である。
【0008】また、上記培地基材は、餡殻と針葉樹の鋸
屑との混合物であり、使用される木材鋸屑は、例えばス
ギ製材鋸屑やエゾマツ製材鋸屑等である。
【0009】この発明は、餡殻を含む培地基材に、所定
量の栄養材を混合したキノコの栽培用培地である。上記
培地基材は餡殻と針葉樹の鋸屑との混合物である。餡殻
は、培地基材重量の20〜80%であり、所定量の米
糠、フスマ、コーンブラン等の栄養材を混合したキノコ
の栽培用培地である。培地基材の餡殻の割合は、より好
ましくは40〜60%である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て説明する。この発明の一実施形態のキノコ栽培用培地
基材は、針葉樹のオガコ(例えば、スギ製材鋸屑あるい
はエゾマツ製材鋸屑)と餡殻を所定の割合で混合して培
地基材を調整する。例えば、餡殻の占める割合を重量比
で20〜80%、より好ましくは40〜60%とする。
この培地基材に栄養材(米糠、フスマ、コーンブラン
等)を混合し、適正な含水率に水分調整した後ビンに詰
め、ビンごと培地基材に滅菌処理を施す。そして、この
培地基材にヒラタケ又はエノキタケの種菌を接種し、一
定期間所定温度下で培養する。そして、菌掻き、注水処
理後、所定温度で培養を続けると子実体が発生し、傘の
開きが適当な状態になったとき子実体を収穫する。
【0011】この実施形態のキノコの栽培方法によれ
ば、餡殻が20〜80%混合された培地基材でヒラタケ
又はエノキタケを栽培することにより、子実体の収量が
増加する。さらに、エノキタケでは、遊離アミノ酸、有
機酸の含有量が増し、甘味性の強い子実体が収穫され
る。そして、従来廃棄されていた餡殻を有効に利用する
ことができる。
【0012】なお、この発明のキノコの栽培方法とキノ
コの栽培用培地は、ヤナギマツタケ、ブナシメジ等、針
葉樹鋸屑で子実体形成可能な他のキノコの栽培にも適用
可能である。
【0013】
【実施例】次に、この発明の第一実施例について説明す
る。培地基材は、餡殻の占める割合を、重量比で0%
(対照区、スギオガコ100%)、25%(スギオガコ
75%)、50%(スギオガコ50%)、75%(スギ
オガコ25%)、100%の5種類に設定し、培地基材
を調整した。栄養材として米糠を用い、培地基材と栄養
材を重量比で18:17の割合で混合し、含水率を湿量
基準で65%に調整して培地とした。
【0014】この培地基材を、PP製ビンに520g詰
め、120℃で45分間滅菌処理を施し、放冷後ヒラタ
ケ種菌を接種した。20±2℃で30日間培養し、菌掻
き、注水処理後、15±2℃でRH90%以上の条件下
で子実体発生を促した。そして16〜18日間後、傘の
開きが8分の状態で子実体を収穫した。
【0015】上記の条件で、二回実験を繰り返した。そ
の結果を以下の表1に示す。
【0016】
【表1】 この結果、培地基材に餡殻を混合することにより、子実
体収量は増加した。一回目の試験では、餡殻の混合割合
75%の試験区において、対照区に対し約1.5割増の
子実体収量を示した。また、二回目の実験では、餡殻の
混合割合が25〜100%の試験区において、対照区に
対し1〜2割増の子実体収量を示し、餡殻の混合割合が
75%の試験区で最も子実体量が多くなった。100%
餡殻の試験区では、培地に粘性が生じ、培地調整の作業
性が著しく低下した。従って、培地基材として餡殻単独
で使用することは困難と考えられる。
【0017】次に、この発明の第二実施例について説明
する。上記第一実施例と同様の条件で培地を調整し、エ
ノキタケ種菌を接種した。16±2℃で28〜35日間
培養し、菌掻き後、芽出し処理を14±2℃で10〜1
1日間、抑制処理を5±2℃で8日間、生育処理を7±
2℃で14日間とし、その後子実体を収穫した。その結
果を以下の表2に示す。
【0018】
【表2】 この結果、餡殻の混合割合が50%以上の試験区におい
て、対照区に対し1割程度増加した子実体収量を示し
た。ただし、餡殻100%の試験区では、ヒラタケ栽培
の場合と同様に作業性が劣り、培地基材として餡殻単独
で使用することは困難と考えられる。
【0019】次に、この発明の第三実施例について説明
する。培地基材は、餡殻の占める割合を、重量比で0%
(対照区、エゾマツオガコ100%)、20%(エゾマ
ツオガコ80%)、40%(エゾマツオガコ60%)、
50%(エゾマツオガコ50%)、60%(エゾマツオ
ガコ40%)、80%(エゾマツオガコ20%)の6種
類に設定し、培地基材を調整した。そして第二実施例と
同様の条件で培地を調整し、エノキタケ種菌を接種し、
培養を行い、子実体を収穫した。その結果を以下の表3
に示す。
【0020】
【表3】 この結果、餡殻の混合割合が20〜80%の試験区にお
いて、対照区に対し1〜2割程度増加した子実体収量を
示した。
【0021】次に、第三実施例で得られたエノキタケの
子実体について、遊糖類、糖アルコール、有機酸、遊離
アミノ酸の含有量を測定した。遊離糖と糖アルコールの
測定結果を表4に、有機酸の測定結果を表5に、遊離ア
ミノ酸の測定結果を表6に示す。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】 この結果、餡殻を混合した培地で栽培された子実体に
は、グリセロール、グリシン、アラニンの甘味性成分の
含有量が顕著に増加した。これらの成分の増加により、
甘いエノキタケが形成された。また、旨みに関連するグ
ルタミン酸、クエン酸、コハク酸の含有量が多くなり、
身体の代謝促進に関連する非タンパク性アミノ酸である
タウリン、γ−アミノ酪酸の含有量が増加した。また、
有機酸総量、遊離アミノ酸の総量も増加し、機能性成分
に富んだ子実体が収穫された。
【0025】このことから、培地基材の構成要素として
餡殻が20〜80%、好ましくは40〜60%占めるよ
うに調整した培地でヒラタケ、エノキタケの菌床栽培を
行うことにより、子実体収量は1〜2割増加し、エノキ
タケにおいては機能性に富む甘いキノコの栽培が可能と
なることが明らかになった。
【0026】
【発明の効果】この発明のキノコの栽培方法とキノコの
栽培用培地によれば、子実体収量が増加し、また代謝促
進に関連する成分等をより多く含有し、旨み性と甘味性
の高いエノキタケ等を得ることができる。これにより、
消費者の嗜好の多様性に対応することができ、新たな需
要を生むことが期待でき、ヒラタケ、エノキタケ等のキ
ノコ生産者の経営安定化にも繋がるものである。また、
餡殻が有効に利用されることにより、従来焼却処分して
いたものが有効に活用され、小豆加工食品製造業界にお
いてもメリットがある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針葉樹の鋸屑で子実体形成可能なキノ
    コの栽培方法において、小豆加工食品の餡を製造する際
    の小豆の絞り粕である餡殻と針葉樹の鋸屑とを混合した
    培地基材であって重量の20〜80%を餡殻で構成した
    培地基材を調整し、この培地基材に所定量の栄養材を混
    合し、滅菌処理を施し、ここに種菌を接種して適温適湿
    で培養し、子実体を発生させ成長させることを特徴とす
    るキノコの栽培方法。
  2. 【請求項2】 針葉樹の鋸屑で子実体形成可能なキノ
    コの栽培用培地において、小豆加工食品の餡を製造する
    際の小豆の絞り粕である餡殻と針葉樹の鋸屑とを混合し
    た培地基材であって重量の20〜80%を餡殻で構成し
    培地基材に、所定量の栄養材を混合したキノコの栽培
    用培地。
  3. 【請求項3】 上記培地基材重量の40〜60%を
    殻で構成したことを特徴とする請求項2記載のキノコの
    栽培用培地。
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