JP3293363B2 - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

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JP3293363B2
JP3293363B2 JP25038794A JP25038794A JP3293363B2 JP 3293363 B2 JP3293363 B2 JP 3293363B2 JP 25038794 A JP25038794 A JP 25038794A JP 25038794 A JP25038794 A JP 25038794A JP 3293363 B2 JP3293363 B2 JP 3293363B2
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錬太郎 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、オリフィス通路を通じて流動せ
しめられる流体の流動作用を利用して防振効果を得るよ
うにした流体封入式マウント装置に係り、特に、オリフ
ィス通路の連通状態を調節することによって防振特性を
切り換えることのできる流体封入式マウント装置に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて振動の伝達を抑える防振連結体乃至は防振支
持体の一種として、特開昭60−104824号公報等
に開示されているように、防振連結される一方の部材に
取り付けられる第一の取付金具と、防振連結される他方
の部材に取り付けられる筒状の周壁部を備えた第二の取
付金具とを、本体ゴム弾性体により連結する一方、該第
二の取付金具によって支持された仕切部材を挟んだ両側
に、壁部の一部が本体ゴム弾性体によって構成されて振
動入力時に内圧変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の
一部が可撓性膜によって構成されて容積変化が容易に許
容される平衡室とを画成して、それら受圧室および平衡
室にそれぞれ所定の非圧縮性流体を封入すると共に、そ
れら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を
設けてなる構造の流体封入式マウント装置が知られてい
る。このような流体封入式マウント装置においては、オ
リフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用
等の流動作用に基づいて、ゴム弾性体だけでは得ること
が困難な防振効果を容易に得ることができることから、
例えば自動車用エンジンマウント等として、好適に用い
られている。
【0003】ところで、自動車用エンジンマウントにお
いては、一般に、周波数や振幅が異なった複数種類の振
動が入力され、それらの各振動に対して防振効果が要求
されることとなるが、流体の流動作用に基づく防振効果
が有効に発揮される周波数域が狭く、単一のオリフィス
通路では要求される防振特性を十分に達成することが困
難である場合が多い。
【0004】そこで、特開昭60−113832号公報
や特開昭62−88833号公報,実開昭63−173
47号公報,実開平3−20743号公報等において、
弁手段によってオリフィス通路を連通/遮断制御するこ
とにより、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流
体の流動作用に基づいて発揮される防振効果を調節する
ようにしたマウント装置が提案されている。
【0005】ところが、このような構造のマウント装置
にあっては、受圧室または平衡室に弁手段を配する必要
があることに加えて、該弁手段を駆動するアクチュエー
タも設けなければならないために、構造が極めて複雑と
なって製作性およびコスト性が悪く、且つ大型で重くな
り易いという問題があった。
【0006】また、特開平4−60231号公報等に
は、平衡室の壁部を構成する可撓性膜の背後に空気室を
形成すると共に、該空気室に負圧源を選択的に接続して
可撓性膜を負圧吸引し、平衡室の容積変化を抑えること
により、オリフィス通路の連通状態を制御するようにし
たマウント装置が開示されているが、かかる構造のマウ
ント装置においては、可撓性膜全体に無理な力が加わっ
て耐久性が低下するおそれがあると共に、オリフィス通
路の遮断効果を十分に得ることも難しいという問題があ
り、特に、オリフィス通路を開閉制御することによって
複数のオリフィス通路を選択的に機能させる場合には、
各オリフィス通路を通じて受圧室に連通される平衡室を
二つ以上独立して形成しなければならないために、構造
が複雑となって大型化することが避けられないという不
具合もあったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、簡単で且つコンパクトな機構によってオリ
フィス通路の連通状態を調節することのできる流体封入
式マウント装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、(a)防振連結される一方
の部材に取り付けられる第一の取付金具と、(b)該第
一の取付金具に対して所定距離を隔てて配されて、防振
連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付金具
と、(c)該第一の取付金具と該第二の取付金具の間に
介装されて、それら両金具を連結する本体ゴム弾性体
と、(d)前記第二の取付金具によって支持された仕切
部材と、(e)該仕切部材に対して一方の側に形成され
て、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体にて構成されると
共に、内部に所定の非圧縮性流体が封入せしめられ、振
動入力時に該本体ゴム弾性体の弾性変形によって内圧変
動が生ぜしめられる受圧室と、(f)前記仕切部材を挟
んで該受圧室とは反対側に形成されて、壁部の一部が可
撓性膜にて構成されると共に、内部に所定の非圧縮性流
体が封入せしめられ、該可撓性膜の変形によって容積変
化が許容される平衡室と、(g)前記受圧室と前記平衡
室との間に形成されて、それら両室間での流体流動を許
容する、該平衡室への連通口が前記可撓性膜に対向位置
せしめられた第一のオリフィス通路と、(h)前記可撓
性膜を挟んで前記平衡室とは反対側に配されて、該可撓
性膜に押圧力を及ぼすことにより、該可撓性膜の一部を
前記第一のオリフィス通路における前記平衡室への連通
口に密接させて該連通口を覆蓋せしめ得る押圧手段とを
有し、且つ前記第二の取付金具が前記可撓性膜の外方を
覆う底壁部を有している一方、前記押圧手段が、該底壁
部の前記可撓性膜に対向する側において該底壁部に支持
されて、負圧源に接続される作用室を該底壁部との間に
おいて形成すると共に、自身の弾性力に基づいて前記可
撓性膜を前記連通口に押圧して閉鎖せしめる、該可撓性
膜とは別体の押圧ゴムからなる可撓壁を含んで構成さ
れ、前記負圧源による負圧吸引作用によって、該可撓壁
が吸引変形せしめられて、前記可撓性膜による前記連通
口の閉鎖が解除されるようにした流体封入式マウント装
置にある。
【0009】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、流路断面積:Aと流路長さ:Lの比:A/Lが前
記第一のオリフィス通路よりも小さい第二のオリフィス
通路が、前記受圧室と前記平衡室との間に形成される。
【0010】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、前記第二の取付金具に対して、前記可撓性膜
の外方を覆う底壁部が設けられ、該底壁部によって前記
押圧手段が支持せしめられる。
【0011】さらに、本発明の好ましい第三の態様にお
いては、少なくとも前記可撓性膜に対向位置する周壁部
分が変形可能な可撓壁とされた中空構造を有し、内部空
所に圧力媒体が給排されることにより、該可撓壁が前記
可撓性膜に対して接近・離隔方向に変位せしめられる作
用部材によって、前記押圧手段が構成される。また、か
かる本発明の好ましい第三の態様のマウント装置におい
て、より好適には、前記可撓壁がゴム弾性体によって構
成されることにより、該ゴム弾性体の弾性力に基づい
て、可撓壁が可撓性膜に圧接されて押圧力が及ぼされる
と共に、内部空所に負圧空気を導いて該可撓壁を内方に
吸引変形させることによって、可撓性膜に対する押圧力
が解除されるように構成される。
【0012】
【作用・効果】このような本発明に従う構造とされた流
体封入式マウント装置においては、押圧手段によって可
撓性膜をオリフィス通路の連通口に密接させることによ
り、オリフィス通路を連通・遮断等せしめて、該オリフ
ィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基
づいて発揮される防振効果を調節することができるので
ある。
【0013】そこにおいて、かかるマウント装置におい
ては、押圧手段による押圧力を、可撓性膜に対して、外
方から及ぼすことができることから、オリフィス通路の
連通状態を制御するための特別な部材を受圧室や平衡室
の内部に配設する必要がないのであり、それ故、構造の
簡略化とそれに伴う製作性の向上および製作コストの低
減が有利に達成され得る。
【0014】また、かかるマウント装置においては、オ
リフィス通路の連通状態を制御するための特別な部材を
受圧室や平衡室の内部に配設する必要がないことから、
非圧縮性流体中での組付けによって受圧室および平衡室
への流体封入を行う場合にも、大気中で押圧手段を組み
付けることができるのであり、押圧手段の組付けを非圧
縮性流体中で行う必要がないことから、極めて良好なる
製作性が発揮され得るのである。
【0015】さらに、本発明の好ましい第一の態様にお
いては、押圧手段によって第一のオリフィス通路の連通
口を開閉して該第一のオリフィス通路を連通/遮断切り
換えすることにより、第一のオリフィス通路と第二のオ
リフィス通路を択一的に機能せしめることができるので
あり、それ故、第一のオリフィス通路を通じての流体の
流動作用に基づく防振効果と、第二のオリフィス通路を
通じての流体の流動作用に基づく防振効果とを、入力振
動に応じて得ることが可能となって、広い周波数域の入
力振動に対して有効な防振効果を得ることができるので
ある。
【0016】また、本発明の好ましい第二の態様におい
ては、第二の取付金具の底壁部と可撓性膜との間に形成
される、可撓性膜の膨出変形を許容するための空間を利
用して押圧手段を配設することが可能であることから、
スペースの有効利用が図られてマウント装置のコンパク
ト化が有利に達成され得るのである。
【0017】さらに、本発明の好ましい第三の態様にお
いては、押圧手段によって可撓性膜を押圧するための駆
動力源を、圧力媒体を介して、マウント外部から容易に
供給せしめることが可能であり、マウント装置自体に駆
動力源を設ける必要がないことから、マウント装置の構
造の簡略化および小型軽量化が一層有利に図られ得る。
【0018】また、かかる第三の態様において、可撓壁
をゴム弾性体にて構成し、その弾性力を可撓性膜に対す
る押圧力として利用すると共に、圧力媒体として負圧空
気を利用することとすれば、特に、内燃機関のエンジン
マウントに適用するに際して、内燃機関の吸気側によっ
て容易に得られる負圧を駆動力源として利用できるとい
った利点もある。
【0019】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0020】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用エンジンマウント10が示されている。この
エンジンマウント10は、パワーユニット側および車体
側の何れか一方に取り付けられる第一の取付金具12
と、パワーユニット側および車体側の何れか他方に取り
付けられる第二の取付金具14とが、それらの間に介装
された本体ゴム16によって弾性的に連結されてなる構
造とされており、パワーユニットを車体に対して防振支
持せしめるようになっている。なお、自動車への装着時
には、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に
パワーユニット重量が及ぼされることにより、それら第
一の取付金具12と第二の取付金具14が互いに接近す
る方向に所定量だけ相対変位せしめられることとなる。
【0021】より詳細には、第一の取付金具12は、円
板形状を有する板金具18の下面に対して、カップ状の
突出金具20が、その開口部において溶着固定されてな
る構造とされており、全体として中空の略逆円錐台形状
を有している。また、板金具18の中央部分には、取付
ボルト22が、上方に突出して固設されており、この取
付ボルト22によって、第一の取付金具12が、図示し
ないパワーユニット側またはボデー側の部材に対して取
り付けられるようになっている。
【0022】一方、第二の取付金具14は、大径円筒形
状を有する筒金具24の軸方向下方の開口部に、浅底有
底円筒形状を有する底金具26がかしめ固定されてなる
構造とされており、全体として深底大径の有底円筒形状
を有している。かかる筒金具24は、軸方向中間部分に
段差部28を有しており、該段差部28を挟んで、軸方
向上側が小径部30とされていると共に、軸方向下側が
大径部32とされている。また、小径部30側の開口部
には、軸方向外方に向かって拡径するテーパが付されて
いると共に、大径部32側の開口部には、かしめ部34
が形成されている。また一方、底金具26には、その開
口周縁部にフランジ部36が形成されており、該フラン
ジ部36が筒金具24のかしめ部34にかしめ固定され
ることにより、底金具26が筒金具24に固着されてい
る。更に、底金具26には、底壁中央から下方に突出し
て取付ボルト38が固設されており、この取付ボルト3
8によって、第二の取付金具14が、図示しないボデー
側またはパワーユニット側の部材に取り付けられるよう
になっている。
【0023】そして、かかる第二の取付金具14を構成
する筒金具24における軸方向上方の開口部において、
第一の取付金具12が、径方向に所定距離を隔てて配さ
れており、それら第一の取付金具12と筒金具24との
間に本体ゴム16が介装されている。この本体ゴム16
は、略円錐台形状を有しており、その小径側端面に対し
て第一の取付金具12が加硫接着されて、該第一の取付
金具12の突出金具20が内部に突入位置せしめられて
いる一方、その大径側端部外周面に対して筒金具24の
開口部内周面が加硫接着されている。即ち、かかる本体
ゴム16は、第一の取付金具12および筒金具24が接
着された一体加硫成形品39として形成されているので
あり、かかる本体ゴム16により、筒金具24における
軸方向上方の開口部が流体密に閉塞されている。なお、
筒金具24の内周面には、その小径部30の略全面を被
覆する薄肉ゴム層40と、段差部28から大径部32側
に向かって突出する環状のシールゴム42とが、それぞ
れ、本体ゴム16と一体的に形成されている。
【0024】一方、筒金具24における軸方向下方の開
口部には、それぞれ略円板形状を有する仕切部材44
と、可撓性膜としてのダイヤフラム46が、配設されて
おり、それら仕切部材44とダイヤフラム46の各外周
縁部が互いに重ね合わされて、筒金具24の大径部32
内に挿入せしめられ、底金具26のフランジ部36と共
に、筒金具24のかしめ部34にてかしめ固定されるこ
とにより、該筒金具24、延いては第二の取付金具14
に対してかしめ固定されている。
【0025】そこにおいて、ダイヤフラム46は、略円
板形状の薄肉ゴム膜によって形成されており、第二の取
付金具14にかしめ固定される外周縁部には、円環形状
の金属リング48が加硫接着されている。そして、この
ダイヤフラム46の外周縁部が、第二の取付金具14に
かしめ固定されることにより、筒金具24の軸方向下方
の開口部が流体密に閉塞されており、以て、筒金具24
内における本体ゴム16とダイヤフラム46との対向面
間に、外部空間に対して密閉されて内部に所定の非圧縮
性流体が封入された密閉室が形成されているのである。
なお、ダイヤフラム46を挟んで、密閉室と反対側に位
置する底金具26側には、ダイヤフラム46の膨出変形
を許容する空気室50が形成されている。また、密閉室
に封入される非圧縮性流体としては、特に本実施例で
は、後述するオリフィス通路を通じての流体の流動作用
に基づく防振効果を有利に得るために、0.1Pa・s
以下の粘度を有するものが望ましく、例えば水やアルキ
レングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコー
ン油等が好適に採用される。
【0026】また、仕切部材44は、全体として略円板
形状を有しており、ダイヤフラム46よりも内側(密閉
室側)に配されて、外周縁部が第二の取付金具14にか
しめ固定されることにより、該第二の取付金具14によ
って固定的に支持されている。それにより、上記密閉室
が、仕切部材44を挟んだ両側に二分されており、以
て、壁部の一部が本体ゴム16にて構成されて、振動入
力時に該本体ゴム16の弾性変形に基づいて内圧変動が
生ぜしめられる受圧室52と、壁部の一部がダイヤフラ
ム46にて構成されて、該ダイヤフラム46の変形に基
づいて容積変化が容易に許容される平衡室54とが、仕
切部材44を挟んだ両側に形成されている。
【0027】さらに、仕切部材44は、略円環板形状の
仕切板金具56を有している。この仕切板金具56の中
央部分には、略円錐台状の外周面形状をもって軸方向上
方に突出する上方突部58が屈曲形成されており、該上
方突部58の内部において、下方に向かって開口する凹
所60が形成されている。また、かかる上方突部58の
突出先端面には、中央穴62が形成されていると共に、
該中央穴62内に薄肉のゴム膜64が配されており、該
ゴム膜64の外周縁部が仕切板金具56に加硫接着され
ることによって、中央穴62がゴム膜64により閉塞さ
れている。また、仕切板金具56における中央穴62の
周縁部には、下方に向かって突出する円環形状の仕切ゴ
ム66が、ゴム膜64と一体的に形成されている。
【0028】また、仕切板金具56の中央部分には、円
板形状の蓋金具68が、下面側に重ね合わされて固着さ
れている。そして、この蓋金具68により、仕切板金具
56に設けられた凹所60の開口部が覆蓋されていると
共に、仕切板金具56に設けられた仕切ゴム66の突出
先端面が蓋金具68に圧接されることによって、かかる
凹所60の内部が、中央部分と外周部分とに仕切られて
いる。これにより、蓋金具68によって覆蓋された凹所
60の外周部分には、周方向に所定長さで延びて周方向
両端部が連通孔70,72を通じて受圧室52と平衡室
54にそれぞれ連通されることにより、受圧室52と平
衡室54の間での流体流動を許容する上側環状オリフィ
ス通路74が形成されている。また一方、蓋金具68に
よって覆蓋された凹所60の中央部分は、ゴム膜64の
背後に位置せしめられていると共に、蓋金具68に設け
られた複数の通孔76を通じて平衡室54に接続されて
おり、それによって、ゴム膜64の小変位乃至は小変形
に基づき、受圧室52と平衡室54との間での実質的な
流体流動を許容し、こもり音等の高周波振動の入力時に
おける受圧室52の微小内圧変動を吸収することによ
り、動ばね定数の著しい上昇を抑える液圧吸収機構が構
成されている。
【0029】更にまた、仕切板金具56の外周部分に
は、上方に開口する溝形断面を有する円環形状の溝金具
78が、下面側に重ね合わされて固着されている。そし
て、この溝金具78の開口部が、仕切板金具56と蓋金
具68にて覆蓋されることにより、該溝金具78の内部
において、周方向に所定長さで延び、周方向両端部が連
通孔80,82を通じて受圧室52と平衡室54にそれ
ぞれ連通せしめられて、それら受圧室52と平衡室54
の間での流体流動を許容する下側環状オリフィス通路8
4が形成されている。ここにおいて、かかる下側環状オ
リフィス通路84は、上側環状オリフィス通路74に比
して、流路断面積:Aと流路長さ:Lの比:A/Lが大
きく設定されており、それによって、下側環状オリフィ
ス通路84を通じて流動せしめられる流体の共振効果
が、上側環状オリフィス通路74を通じて流動せしめら
れる流体の共振効果よりも、高い周波数域の入力振動に
対して発揮され得るようにされている。より具体的に
は、本実施例では、上側環状オリフィス通路74を通じ
て流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、シェイ
ク等の低周波振動に対する減衰効果が発揮される一方、
下側環状オリフィス通路84を通じて流動せしめられる
流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動等の中周
波数振動に対する低動ばね効果が発揮されるように、各
オリフィス通路74,84の流路断面積や長さ等が設定
されているのである。
【0030】すなわち、上述の説明から明らかなよう
に、本実施例では、下側環状オリフィス通路84によっ
て、第一のオリフィス通路が構成されていると共に、上
側環状オリフィス通路74によって、第二のオリフィス
通路が構成されている。
【0031】さらに、下側環状オリフィス通路84を平
衡室54に連通させる連通孔82は、図示されているよ
うに、溝金具78の底部に形成されて、ダイヤフラム4
6に向かって開口させられており、該連通孔82の開口
部がダイヤフラム46に対向位置せしめられている。
【0032】また、ダイヤフラム46の外側を覆う底金
具26の内部には、略円環板形状を有する可撓壁として
の押圧ゴム86が収容されており、その内周縁部が固定
金具89によって底金具26の底壁面に固定されると共
に、外周縁部が底金具26の開口部と仕切部材44の間
で挟圧固定されることにより、底金具26の外周部分に
沿って配設されている。更に、かかる押圧ゴム86は、
周方向の大部分が底金具26の内面に密着した形状を有
しているが、ダイヤフラム46を挟んで連通孔82の開
口部に対向位置する部分だけは、底金具26の内面から
離れて内方に突出する弾性突出部88とされている。ま
た、この弾性突出部88が底金具26から離れて突出さ
れていることにより、それら突出部88と底金具26の
間に密閉された作用室90が形成されていると共に、底
金具26の周壁部を貫通して接続通路92が配されてお
り、この接続通路92により、作用室90が、所定の切
換バルブ(図示せず)を介して、負圧源(図示せず)に
接続されるようになっている。
【0033】すなわち、作用室90が負圧源に接続され
ておらず、大気に開放された状態下では、押圧ゴム86
の弾性突出部88が、それ自体の弾性力に基づいて、ダ
イヤフラム46を仕切部材44側に押圧せしめて連通孔
82の開口部に密着させることにより、連通孔82が閉
鎖されて下側環状オリフィス通路84が遮断されるので
あり、一方、作用室90が負圧源に接続されて、負圧吸
引された場合には、図2に示されているように、押圧ゴ
ム86き弾性突出部88が底金具26側に吸引変形され
て、ダイヤフラム46に対する押圧力が解除されること
により、連通孔82が開口されて下側環状オリフィス通
路84が連通状態に維持されることとなる。なお、この
ことから明らかなように、本実施例では、圧力媒体とし
てエア−が採用されていると共に、作用室90を画成す
る押圧ゴム86と底金具26を含んで作用部材(押圧手
段)が構成されており、かかる作用部材が、第二の取付
金具14を構成する底金具26によって支持されてい
る。
【0034】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10においては、作用室90を負圧源と大気中
とに択一的に連通せしめることにより、下側環状オリフ
ィス通路84を連通状態と遮断状態に切り換えてマウン
ト防振特性を制御することができるのであり、それ故、
シェイク等の低周波振動の入力時には、作用室90を大
気中に連通させて下側環状オリフィス通路84を遮断す
ることにより、上側環状オリフィス通路74を通じて流
動せしめられる流体の流動量を十分に確保し、以て、該
上側環状オリフィス通路74を通じて流動せしめられる
流体の共振作用に基づく減衰効果を有利に得る一方、ア
イドリング振動等の中周波振動の入力時には、作用室9
0を負圧源に連通させて下側環状オリフィス通路84を
連通させることにより、該上側環状オリフィス通路74
を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく低動
ばね効果を有利に得ることができるのである。なお、上
側環状オリフィス通路74は、常時、連通状態とされる
が、流路断面積と流路長さの比:A/Lが下側環状オリ
フィス通路84よりも小さく、流動抵抗が大きいことか
ら、下側環状オリフィス通路84を連通状態とすること
によって、該下側環状オリフィス通路84を通じての流
体流動量は十分に確保され得る。
【0035】しかも、かかるエンジンマウント10にお
いては、ダイヤフラム46を外部から押圧することによ
って、下側環状オリフィス通路84を連通状態と遮断状
態に切り換えることができることから、下側環状オリフ
ィス通路84を連通/遮断するための弁手段やアクチュ
エータ等の特別な部材を受圧室52や平衡室54の内部
に配設する必要がないのであり、それ故、極めて簡単な
構造によって防振特性の切換制御が実現され得、良好な
る製作性とコスト性が発揮され得るのである。
【0036】また、一体加硫成形品39に対する仕切部
材44およびダイヤフラム46の組付けを非圧縮性流体
中で行うことにより、受圧室52および平衡室54に流
体を封入するに際しても、下側環状オリフィス通路84
を連通/遮断するための特別な部材を流体中で組み付け
る必要がなく、大気中において、押圧ゴム86を底金具
26に組み付けるだけで良いことから、極めて良好なる
製作性が発揮され得るのである。
【0037】また、本実施例のエンジンマウント10に
おいては、ダイヤフラム46に押圧力を及ぼす押圧手段
が、第二の取付金具14を構成する底金具26の一部を
利用して構成されていると共に、ダイヤフラム46の変
形を許容するための空気室50に収容配置されているこ
とから、構成部品とスペースの有効利用が何れも有利に
図られ得て、一層の構造の簡略化と装置のコンパクト化
が達成され得るといった利点もある。
【0038】さらに、本実施例のエンジンマウント10
においては、押圧ゴム86自体の弾性力に基づいて、ダ
イヤフラム46に対する押圧力が発揮されると共に、内
燃機関の吸気系において容易に得られる負圧空気を利用
して、ダイヤフラム46に対する押圧力が解除されるよ
うになっていることから、マウント装置自体に特別なア
クチュエータを設ける必要がなく、マウント装置の構造
の簡略化および小型軽量化が、一層有利に達成され得る
のである。
【0039】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0040】例えば、押圧手段は、可撓性膜を外方から
押圧して第一のオリフィス通路の連通口に密接させ得る
ものであれば良く、前記実施例の構造に限定されるもの
では決してない。具体的には、押圧ゴム86を薄肉と
し、作用室90に圧縮空気を導入して該押圧ゴム86を
膨出変形させることにより、圧縮空気の圧力に基づいて
可撓性膜を押圧させたり、或いは、コイルバネ等の付勢
手段を利用して可撓性膜を押圧させたり、電磁石等の駆
動手段を利用して可撓性膜を押圧させたりすることも可
能である。
【0041】また、前記実施例では、二つのオリフィス
通路74,84のうち、流路断面積と長さの比:A/L
が大なる方のオリフィス通路84を連通/遮断するよう
になっていたが、本発明は、その他、単一のオリフィス
通路を有するマウント装置において、該オリフィス通路
を連通/遮断することによって防振特性を切換制御する
ものや、或いは、オリフィス通路の平衡室への連通口を
複数設けてそのうちの幾つかを開閉することにより、該
オリフィス通路の流路面積や流路長さを変更して防振特
性を切換制御するマウント装置などにも、有利に適用さ
れ得る。
【0042】更にまた、前記実施例において採用されて
いたゴム膜64からなる液圧吸収機構は、必ずしも設け
る必要はない。
【0043】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、ボデーマウントや、或いは、自
動車以外の各種のマウント装置に対して、何れも、有利
に適用され得るものである。
【0044】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントの別の作動状
態を示す、図1に対応する縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム 24 筒金具 26 底金具 44 仕切部材 46 ダイヤフラム 52 受圧室 54 平衡室 74 上側環状オリフィス通路 82 連通孔 84 下側環状オリフィス通路 86 押圧ゴム 88 弾性突出部 90 作用室 92 接続通路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振連結される一方の部材に取り付けら
    れる第一の取付金具と、 該第一の取付金具に対して所定距離を隔てて配されて、
    防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付
    金具と、 該第一の取付金具と該第二の取付金具の間に介装され
    て、それら両金具を連結する本体ゴム弾性体と、 前記第二の取付金具によって支持された仕切部材と、 該仕切部材に対して一方の側に形成されて、壁部の一部
    が前記本体ゴム弾性体にて構成されると共に、内部に所
    定の非圧縮性流体が封入せしめられ、振動入力時に該本
    体ゴム弾性体の弾性変形によって内圧変動が生ぜしめら
    れる受圧室と、 前記仕切部材を挟んで該受圧室とは反対側に形成され
    て、壁部の一部が可撓性膜にて構成されると共に、内部
    に所定の非圧縮性流体が封入せしめられ、該可撓性膜の
    変形によって容積変化が許容される平衡室と、 前記受圧室と前記平衡室との間に形成されて、それら両
    室間での流体流動を許容する、該平衡室への連通口が前
    記可撓性膜に対向位置せしめられた第一のオリフィス通
    路と、 前記可撓性膜を挟んで前記平衡室とは反対側に配され
    て、該可撓性膜に押圧力を及ぼすことにより、該可撓性
    膜の一部を前記第一のオリフィス通路における前記平衡
    室への連通口に密接させて該連通口を覆蓋せしめ得る押
    圧手段とを有し且つ前記第二の取付金具が前記可撓性膜の外方を覆う底
    壁部を有している一方、前記押圧手段が、該底壁部の前
    記可撓性膜に対向する側において該底壁部に支持され
    て、負圧源に接続される作用室を該底壁部との間におい
    て形成すると共に、自身の弾性力に基づいて前記可撓性
    膜を前記連通口に押圧して閉鎖せしめる、該可撓性膜と
    は別体の押圧ゴムからなる可撓壁を含んで構成され、前
    記負圧源による負圧吸引作用によって、該可撓壁が吸引
    変形せしめられて、前記可撓性膜による前記連通口の閉
    鎖が解除されるようにした ことを特徴とする流体封入式
    マウント装置。
  2. 【請求項2】 流路断面積:Aと流路長さ:Lの比:A
    /Lが前記第一のオリフィス通路よりも小さい第二のオ
    リフィス通路が、前記受圧室と前記平衡室との間に形成
    されている請求項1に記載の流体封入式マウント装置。
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