JP3293283B2 - 液圧駆動型スピーカ - Google Patents

液圧駆動型スピーカ

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隆雄 藤井
仁志 北山
林  光昭
典子 鹿野
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隆雄 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重低音再生専用スピー
カとして提案された液圧駆動型スピーカに関し、特にそ
の周波数特性を改善した液圧駆動型スピーカに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液圧駆動型スピーカとして、図6に示す
油圧サーボ方式のスピーカが提案されている。同図に示
す液圧駆動型スピーカは、音源となる振動板2が復動式
ピストン3のピストン棒3aの先端に取り付けられてお
り、油圧シリンダ4内の前後のシリンダ室4a,4bへ
油を流入出させて復動式ピストン3を動かすことにより
振動板2を加振して音を発生させる。液圧シリンダ4内
への油の流入出はサーボ弁5によって制御される。この
サーボ弁5の駆動を制御するための制御装置6には、外
部からの音声入力信号とピストン棒3aに取り付けられ
た加速度センサ7からの加速度信号が入力される。すな
わち、この液圧駆動型スピーカの制御系は、ピストン棒
3aと共に変位する振動板2の加速度をスピーカの出力
として入力側にフィードバックすることで、目標入力に
忠実な音の再生を図っている。
【0003】この液圧駆動型スピーカは、振動板2がエ
ッジレス構造で、復動式ピストン3によって駆動される
ため振動板2の変位を大きくとることができる。また、
油圧駆動力を利用し大きな入力が可能となるため大音圧
の出力が得られる。このような特性により、液圧駆動型
スピーカは従来のボイスコイル型スピーカでは到底実現
し得ない大きな音圧で10Hzから100Hz程度の低周波
音を再生することができる。したがって、この液圧駆動
型スピーカとボイスコイル型スピーカとを組み合わせて
スピーカシステムを構成することで、10Hz付近の超低
音域から高音域に亙り迫力ある音の再生が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の液圧
駆動型スピーカとボイスコイル型スピーカとを組み合わ
せて使用する場合、液圧駆動型スピーカの発生音域の上
限が100Hz程度であるため、ボイスコイル型スピーカ
とのクロスオーバーポイントは100Hz以下に設定され
る。しかし、100Hz以下のクロスオーバーポイントで
は、両者の再生音の連続性が必ずしも良いとは限らず、
超低音域から高音域にかけてのシステムの周波数特性を
フラットにできない場合があった。
【0005】そこで、液圧駆動型スピーカの発生音域を
100Hz以上に高めることが要求される。そのためには
液圧駆動型スピーカの周波数特性を10Hz付近から10
0Hz以上の音域までフラットにするような制御系が確立
されなければならない。
【0006】しかし、液圧駆動型スピーカの制御系は、
スピーカの出力として振動板2の加速度を監視し、この
加速度の特性を改善することを目的として組まれるた
め、同時に振動板3の振動位置を制御することが難し
く、このような制御系で周波数特性を無理に高域まで延
ばそうとすると、運転開始後短時間で振動板2の振動位
置が大きくずれ、最終的にシリンダストロークの限界に
当って音が出せなくなるという致命的な問題が生ずる。
【0007】本発明は、このような事情の下に創案され
たものであり、その目的は、ボイスコイル型スピーカの
再生音との連続性が良好となる所望の高い音域まで周波
数特性を改善できる液圧駆動型スピーカを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明の液圧駆動スピーカは、液圧シリンダ内へ圧
液を流入出させて復動式ピストンを動かすことにより復
動式ピストンの先端部に固定した振動板を加振して音を
発生する液圧駆動スピーカにおいて、上記液圧シリンダ
内への圧液の流入出を制御するサーボ弁と、上記振動板
の変位をサーボ弁の内部回路へフィードバックし、上記
振動板を常時ホームポジションに戻すためのばねとして
機能する内部フィードバック手段と、上記振動板、上記
復動式ピストン、上記液圧シリンダ、上記サーボ弁及び
上記内部フィードバック手段からなる制御対象の状態X
f及び外部からの音声入力iに基いて上記サーボ弁の制
御入力uを出力する制御装置とを備え、当該制御装置
は、この制御系の定常偏差eすなわち上記振動板の加速
度d 2 x/dt 2 と上記音声入力iとの差を無くすべく
音声入力iに応じて設計された内部モデル回路とを有
し、この内部モデル回路に所定の帯域の音声入力iに対
する定常偏差eを入力して得られる内部モデルの状態X
cにフィードバックゲインKc0をかけ合わせた値か
ら、上記制御対象の状態XfにフィードバックゲインK
f0をかけ合わせた値を引き、これにパラメータΣを掛
けた値を上記サーボ弁の制御入力uとして出力するよう
構成されており、上記フィードバックゲインKc0、K
f0及びパラメータΣは、上記定常偏差eと上記制御入
力uとの自乗積分
【数1】 を最小とするように定められているものである。
【0009】
【0010】
【数2】
【0011】を最小とするように定められることが望ま
しい。
【0012】
【作用】発明の液圧駆動型スピーカは、振動板、復動
式ピストン、液圧シリンダ、サーボ弁及び内部フィード
バック手段からなる制御対象を最適制御理論に基づいて
制御する制御装置を付加したものであり、周波数特性を
改善したい所定の周波数帯域の音声入力iに対して自乗
積分
【数3】 を最小にするようにフィードバックゲインKc0,Kf
0及びパラメータΣを決めて制御系を組むことにより、
周波数特性を希望の帯域の周波数特性をフラットにでき
る。この制御系は振動板の振動位置を制御する機能を有
していないが、制御対象自体が内部フィードバック手段
を具備しているので、振動板を常にホームポジションで
振動させて、100Hz以上の希望の高音域まで周波数特
性を改善できる。このように、本発明の液圧駆動型スピ
ーカは、ボイスコイル型スピーカの再生音との連続性が
良好となる100Hz以上の高音域までその周波数特性を
改善できる。したがって、液圧駆動型とボイスコイル型
の2つのタイプのスピーカを同時に使用し、100Hz以
上の所定の音域において両タイプのスピーカの再生音を
重ね合わせることで、超低音域から高音域にかけての周
波数特性をフラットできる。
【0013】
【0014】
【数3】
【0015】を最小にするように上記ゲインKc0,K
f0及びパラメータΣを決めて制御系を組むことによ
り、周波数特性を希望の帯域の周波数特性をフラットに
できる。この制御系は振動板の振動位置を制御する機能
を有していないが、制御対象自体が上記内部フィードバ
ック手段を具備しているので、振動板を常にホームポジ
ションで振動させて、100Hz以上の希望の高音域まで
周波数特性を改善できる。
【0016】このように、本発明の液圧駆動型スピーカ
は、ボイスコイル型スピーカの再生音との連続性が良好
となる100Hz以上の高音域までその周波数特性を改善
できる。したがって、液圧駆動型とボイスコイル型の2
つのタイプのスピーカを同時に使用し、100Hz以上の
所定の音域において両タイプのスピーカの再生音を重ね
合わせることで、超低音域から高音域にかけての周波数
特性をフラットできる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0018】図1は本発明の液圧駆動型スピーカの一実
施例を示す概略構成図である。
【0019】同図に示される液圧駆動型スピーカは、ス
ピーカ枠1及び振動板2からなる音響出力部と、復動式
ピストン3、液圧シリンダ4及びサーボ弁5からなる液
圧駆動部と、外部からの音声入力iに応じてサーボ弁5
を制御するための制御装置6とからなる。
【0020】スピーカ枠1は、振動板2を包囲してスピ
ーカボックス7の開口部に嵌め込まれて固定されてい
る。振動板2は復動式ピストン3のピストン棒3aの先
端に固定されており、この復動式ピストン3を支承する
液圧シリンダ4がスピーカ枠1の背面中央に固定されて
いる。復動式ピストン3のピストン棒3aの中間部には
液圧シリンダ4の内壁に摺接するピストン棒3bが設け
られており、液圧シリンダ4内はこのピストンヘッド3
bによって前後のシリンダ室4a,4bに分割されてい
る。これら前後のシリンダ室4a,4bへの圧液の流入
出をサーボ弁5で調節することにより復動式ピストン3
が前後に駆動される。つまり、サーボ弁5の制御の下
で、圧液を前側のシリンダ室4aに導くと、復動式ピス
トン3は後側に変位し、また、圧液を後側のシリンダ室
4bに導くと、復動式ピストン3は前側に変位する。
【0021】サーボ弁5は、その内部に設けられたスプ
ールの変位を調節することにより、液圧シリンダ4内の
前後のシリンダ室4a,4bへの圧液の流入出を調節す
るものであり、このスプールを変位させるための電磁機
構(トルクモータ)と、この電磁機構を制御入力信号に
応じて制御するための内部回路とを備えている。このサ
ーボ弁5は、ピストン棒3aに設けられた変位センサ8
からの変位信号がその内部回路に入力(内部フィードバ
ック)されるようになっており、振動板2のホームポジ
ションからの変位(ピストン棒3aの変位に等しい)に
比例した復元力を復動式ピストン3に作用させるべく、
前後のシリンダ室4a,4bへの圧液の流入出を制御す
る。すなわち、この液圧駆動型スピーカの液圧駆動部
は、振動板2を常時ホームポジションに戻すためのばね
として機能する内部フィードバック手段を具備してい
る。この内部フィードバックによるばね機能は、制御装
置6からの制御入力uの有無に関係なく機能する。した
がって、振動板2がホームポジションから移動した状態
でこの液圧駆動型スピーカが駆動を停止している場合で
も、スピーカを起動すると直ちに振動板2がホームポジ
ションに移動し、制御装置6から制御入力uが発せられ
ると、それに応じてサーボ弁5が駆動して振動板2をホ
ームポジションで振動させる。
【0022】図2に、この液圧駆動型スピーカの制御系
の概略図を示す。制御装置6は、上記振動板2、上記復
動式ピストン3、上記液圧シリンダ4、上記サーボ弁5
及び上記内部フィードバック手段からなる系を制御対象
10として設計され、定常偏差e、すなわち振動板2の
加速度d2 x/dt2 と外部からの音声入力iとの差を
無くすために音声入力iに応じて設計された内部モデル
回路9を備えている。そして、この内部モデル回路9に
所定の周波数帯域の音声入力iに対する定常偏差eと外
部からの音声入力iとの差を入力して得られる内部モデ
ルの状態XcにフィードバックゲインKc0をかけ合わ
せた値から、上記制御対象の状態Xfにフィードバック
ゲインKf0をかけ合わせた値を引き、これにフィード
バックゲインΣを掛けた値を上記サーボ弁5の制御入力
uとして出力するよう構成されている。そして、周波数
特性を改善したい所定の周波数帯域の音声入力iに対し
て上記自乗積分
【0023】
【数4】
【0024】を最小にするように上記フィードバックゲ
インKc0,Kf0及びΣを決めて制御系を組むことに
より、希望の帯域の周波数特性をフラットにできる。こ
の制御系は振動板2の振動位置を制御する機能を有して
いないが、制御対象10が上記内部フィードバック手段
を具備しているので、振動板2を常にホームポジション
で振動させて、100Hz以上の希望の高音域まで周波数
特性を改善できる。
【0025】上記制御対象の状態Xfとしては、例え
ば、振動板2の変位x、速度dx/dt、液圧シリンダ
4内の前後のシリンダ室4a,4bの差圧Pm及びサー
ボ弁5の出力流量qを選ぶことができる。その場合、変
位xの検出手段として上記変位センサ8を利用できる。
また、速度dx/dtは変位センサ8による検出変位を
微分することで得られる。また、シリンダ室4a,4b
の差圧Pmは、図1に示すように各シリンダ室4a,4
bに圧力センサ11a,11bをそれぞれ設け、両セン
サ11a,11bの検出値の差を取ることで得られる。
また、サーボ弁出力流量qは、サーボ弁5内の圧液供給
ポートに流量センサ12を設けることにより検出され
る。
【0026】図3は、その場合の制御系の一例をブロッ
ク線図で表したものであり、Kf0(1)、Kf0
(2)、Kf0(3)及びKf0(4)は、それぞれ変
位x、速度dx/dt、差圧Pm及びサーボ弁出力流量
qに掛かるフィードバックゲインである。また、この場
合、内部モデル回路9に定常偏差eを入力して得られる
内部モデルの状態Xcとして、加速度に対応する状態X
c(1)と速度に対応する状態Xc(2)とが出力され
るようになっており、Kc0(1)及びKc0(2)
は、これら内部モデルの状態Xc(1)、Xc(2)に
それぞれ掛かるコントローラゲインである。そして、こ
の制御系は、内部モデルの状態Xc(1)及び状態Xc
(2)に各々フィードバックゲインKc0(1)、Kc
0(2)を掛け合わせて両者を足し合わせた値から、制
御対象10の状態である変位x、速度dx/dt、差圧
Pm及び流量qに各々フィードバックゲインKf0
(1)、Kf0(2)、Kf0(3)及びKf0(4)
を掛け合わせてこれらを足し合わせた値を引き、これに
フィードバックゲインΣを掛け合わせた値を制御入力u
とするように構成される。
【0027】この制御系を設計することは、すなわち、
上記各フィードバックゲインKc0(1)、Kc0
(2)、Kf0(1)、Kf0(2)、Kf0(3)、
Kf0(4)及びΣを決定することに帰着する。
【0028】この種の制御系の設計には、ILQ(Inve
rs Linear Quadratic )設計法が適している。ILQ設
計法とは、従来の最適レギュレータ(LQ)のように先
に重みを指定して最適制御を求める代わりに、むしろ何
かの重みQ(>0)、R(>0)に関して最適であるよ
うな状態フィードバックを求めることにより、最適レギ
ュレータの特長(低感度特性、ロバスト安定性など)を
残したまま設計を簡単化できる理論であり、本発明者の
一人によって提案されたものである(参考文献;藤井・
水島.LQ設計への新しい試み.計測制御学会論文集 V
ol.23,No.2(昭和62年 2月)、藤井・下村.ILQ最適
サーボ設計法の一般化.システム制御情報学会論文誌 V
ol.1,No.6,pp194 〜203,1988)。
【0029】そこで、ここではILQ設計法で上記液圧
駆動型スピーカの制御系を設計し、その有効性を示す。
【0030】まず、物理法則に基づき制御対象の運動方
程式をたてる。
【0031】
【数5】
【0032】これらモデルの運動方程式より、状態とし
てx,dx/dt,Pm,qをとり、次式のように状態
空間表現になおす。
【0033】
【数6】
【0034】出力y=d2 x/dt2 であることより、
次の出力方程式が得られる。
【0035】
【数7】
【0036】ここで、モデルに含まれる各パラメータを
以下のように選び、
【0037】
【表1】
【0038】内部モデルに次式(7)で示される2次振
動系モデルを用いてILQCADによりKf0=[Kf
0(1) Kf0(2) Kf0(3) Kf0
(4)]及びKc0=[Kc0(1) Kc0(2)]
を計算した。
【0039】その結果、次の値が得られた。
【0040】
【数8】
【0041】 Kf0=[1.1899e-4 -1.8358e-4 -2.5252e-5 4.4796e-5 ] Kc0=[1.5813e4 1.3454el] ただし、ILQ設計法ではΣをゲイン調整パラメータと
してくくり出すことができ、この場合Σ=2000とした。
【0042】図4は、各フィードバックゲインを上記値
に決定した制御系を状態変数線図で示したものである。
ただし、変位フィードバックゲインKFは0〜10の範
囲で可変であり、振動板2の位置が液圧シリンダ4のス
トロークの限界に当たらない範囲で決定される。
【0043】この制御系の閉ループ周波数応答をKF=
10として調べたところ、図5に示すように10Hz付近
から400Hz付近までの周波数特性をフラットにするこ
とができた。
【0044】したがって、この液圧駆動型スピーカとボ
イスコイル型スピーカとを同時に使用し、100Hz以上
400Hz以下の所定の音域において両タイプのスピーカ
の再生音を重ね合わせることにより、液圧駆動型スピー
カで出せる10Hz付近の極低音域からボイスコイル型ス
ピーカで出せる高音域にかけて周波数特性がフラットな
スピーカシステムを実現できる。
【0045】特に、ILQ設計法で液圧駆動型スピーカ
の制御系を設計した場合、設計後にΣの値を調節できる
ので、使用するボイスコイル型スピーカの特性に応じて
液圧駆動型スピーカの周波数応答を指定できる。
【0046】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下のよ
うな優れた効果を発揮できる。
【0047】
【0048】本発明の液圧駆動型スピーカは、周波数特
性を改善したい所定の周波数帯域の音声入力iに対して
自乗積分
【0049】
【数9】
【0050】を最小にするように各フィードバックゲイ
ンKc0,Kf0及びΣを決めて制御系を組むことによ
り、希望の帯域の周波数特性をフラットにできる。制御
対象自体が内部フィードバック手段を具備しているの
で、振動板を常にホームポジションで振動させて、10
0Hz以上の希望の高音域まで周波数特性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液圧駆動型スピーカの一実施例を示す
概略構成図である。
【図2】本発明の液圧駆動型スピーカの制御系の一実施
例を示す概略図である。
【図3】本発明の液圧駆動型スピーカの制御系の一実施
例を示すブロック線図である。
【図4】本発明の液圧駆動型スピーカの制御系の一実施
例を示す状態変数線図である。
【図5】本発明の液圧駆動型スピーカの周波数特性を示
す図である。
【図6】従来の液圧駆動型スピーカを示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 スピーカ枠 2 振動板 3 復動式ピストン 4 液圧シリンダ 5 サーボ弁 6 制御装置 7 加速度センサ 8 変位センサ(内部フィードバック手段)
フロントページの続き (72)発明者 林 光昭 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)発明者 鹿野 典子 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (56)参考文献 特開 平1−311799(JP,A) 特開 平5−252593(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 23/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧シリンダ内へ圧液を流入出させて復
    動式ピストンを動かすことにより復動式ピストンの先端
    部に固定した振動板を加振して音を発生する液圧駆動ス
    ピーカにおいて、上記液圧シリンダ内への圧液の流入出
    を制御するサーボ弁と、上記振動板の変位をサーボ弁の
    内部回路へフィードバックし、上記振動板を常時ホーム
    ポジションに戻すためのばねとして機能する内部フィー
    ドバック手段と、上記振動板、上記復動式ピストン、上
    記液圧シリンダ、上記サーボ弁及び上記内部フィードバ
    ック手段からなる制御対象の状態Xf及び外部からの音
    声入力iに基いて上記サーボ弁の制御入力uを出力する
    制御装置とを備え、当該制御装置は、この制御系の定常
    偏差eすなわち上記振動板の加速度d 2 x/dt 2 と上
    記音声入力iとの差を無くすべく音声入力iに応じて設
    計された内部モデル回路とを有し、この内部モデル回路
    に所定の帯域の音声入力iに対する定常偏差eを入力し
    て得られる内部モデルの状態Xcにフィードバックゲイ
    ンKc0をかけ合わせた値から、上記制御対象の状態X
    fにフィードバックゲインKf0をかけ合わせた値を引
    き、これにパラメータΣを掛けた値を上記サーボ弁の制
    御入力uとして出力するよう構成されており、上記フィ
    ードバックゲインKc0、Kf0及びパラメータΣは、
    上記定常偏差eと上記制御入力uとの自乗積分 【数1】 を最小とするように定められていることを特徴とする
    圧駆動型スピーカ。
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