JP3292742B2 - 可逆感熱記録材料 - Google Patents

可逆感熱記録材料

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JP3292742B2 JP28591791A JP28591791A JP3292742B2 JP 3292742 B2 JP3292742 B2 JP 3292742B2 JP 28591791 A JP28591791 A JP 28591791A JP 28591791 A JP28591791 A JP 28591791A JP 3292742 B2 JP3292742 B2 JP 3292742B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱により可逆的に記
録、消去が可能な可逆感熱記録材料に関し、定期券、切
符、回数券などプリペイドカードとして用いられる書換
え可能な表示機能付きメモリーカードや、ICカード、
ファクシミリ用記録紙などに利用されるとき最もその特
徴を発揮する。
【0002】
【従来の技術】従来の可逆感熱記録材料には、ロイコ染
料と顕色剤および消色剤との組合せにより可逆的に発色
・消色させる感熱染料系の記録材料と、マトリクスポリ
マ中の有機結晶粒子の融解・凝固挙動を利用して、その
凝固条件によって粒子の透明性の変化を利用する相変化
形の可逆感熱記録材料、およびおもにコレステリック液
晶等の液晶ポリマによりその分子配列の熱的挙動を利用
して透明性を変える方法等がある。
【0003】本発明は、マトリクスポリマ中の有機結晶
粒子の融解・凝固挙動を利用して、その凝固条件によっ
て粒子の透明性が変化することを利用する相変化形感熱
記録材料に関するもので、熱によって微粒子を融解させ
再び固化しその条件によって凝固形態(多結晶状態、単
結晶状態、無定形状態など)の透明性に違いを生じさせ
記録する。この感熱記録材料は、例えば特開昭54−1
19377に開示されているように、マトリクスポリマ
と次のような溶融性有機分子との組合せにより構成さ
れ、きわめて多様な記録材料を構成できる。ここに開示
された溶融性有機分子としては、脂肪族、芳香族のアル
コール、カルボン酸、アミン、アミドおよび、これらの
ハロゲン化物、硫化物などがある。また一方、マトリク
スポリマとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリア
クリル酸、スチロール、シリコーン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の一般的
なポリマが開示されている。また、これを改良してカー
ボンブラックや酸化防止剤をさらに加えた記録材料が、
特開昭57−82087や、特開昭57−82088に
開示されている。
【0004】しかし、これら従来多く検討されていた化
合物では、透明化温度は比較的低くて数十℃の領域であ
るため記録の保存安定性に劣り、かつその幅も数℃と狭
いため記録条件に余裕度がないという課題があった。例
えば、高い解像力とコントラストとが得られる代表的な
直鎖飽和脂肪酸である炭素数22のベヘン酸(融点80
℃)を溶融性有機分子に用い、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合ポリマとの組合せによる可逆感熱記録材料では、
透明化温度領域が約68℃〜74℃であり、その幅が約
6℃と狭く安定な記録を行なうことが難しかった。
【0005】このような低い透明化温度と狭い温度幅を
改善する方法として、炭素数16以上の高級脂肪酸に脂
肪族ジカルボン酸を混合して有機結晶粒子を構成する方
法が、特開平2−1363、特開平3−2089に開示
されている。特開平2−1363においては、高級脂肪
酸に対して炭素数4から16のジカルボン酸あるいはそ
の誘導体を重量で95:5から20:80で加え、両者
の分子を共融化することによって、温度幅を拡大し、特
開平3−2089においては、高級脂肪酸に対して炭素
数20以上の脂肪族ジカルボン酸を重量で95:5から
50:50で加え、両者の分子を共融化して温度幅を拡
大している。それらの特性は、透明化温度が100℃以
下であり、温度幅はせいぜい数℃〜20℃程度であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、可逆感熱記録
材料からなる記録媒体を用いる場合に、安定に記録を行
ない、その記録情報を安定に保持するには、記録用熱源
の温度制御安定性の余裕度や通常の使用環境温度などか
ら考えて、さらに高い温度領域まで透明化温度を上げて
透明化温度幅を広げた材料が必要とされている。
【0007】そこで、本発明の目的は、新規な有機結晶
粒子を構成することで、透明化温度が高く、温度幅が広
く、記録解像力に優れ、かつコントラストの高い可逆感
熱記録材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機結晶粒子
が炭素数12以上の炭化水素鎖を有する飽和脂肪酸モノ
アミド、炭素数12以上の炭化水素鎖を有する飽和脂肪
酸ビスアミド、および炭素数12以上の炭化水素鎖で置
換された尿素化合物より選ばれた少なくとも1種の脂肪
族化合物と、一般式HOOC(CH2nCOOH(但
し、nは14〜24の整数)で示される脂肪族ジカルボ
ン酸との混合物からなり、その両者の混合比が重量で6
0対40から10対90の範囲で、マトリクスポリマ中
に前記有機結晶粒子を分散した可逆感熱記録材料を構成
して、かかる従来の課題を解決し上記目的を達成した。
【0009】
【作用】本発明の可逆感熱記録材料は、炭素数12以上
の炭化水素鎖を有する飽和脂肪酸モノアミド、炭素数1
2以上の炭化水素鎖を有する飽和脂肪酸ビスアミド、お
よび炭素数12以上の炭化水素鎖で置換された尿素より
選ばれた少なくとも1種と、2つの水素結合基を有する
脂肪族ジカルボン酸とを混合して含む有機結晶粒子を、
熱可塑性透明ポリマからなるマトリクスポリマ中に分散
した構成を有する。
【0010】脂肪族ジカルボン酸は、単独でマトリクス
ポリマに分散して記録媒体を形成した場合には、均一な
記録層が形成され難かった。均一な記録層ができても
濁度に劣り良好なコントラストを得難かった。本発明
は、脂肪族ジカルボン酸と他の有機結晶性分子とを混合
した有機結晶粒子を形成して、脂肪族ジカルンボン酸の
特徴を活かした良好な記録特性を有する可逆感熱記録材
料を提供するものである。
【0011】本発明に至るにあたって、可逆感熱記録材
料の有機結晶粒子として多くの有機化合物を鋭意検討し
た結果、記録感度や記録特性に関しては、有機結晶粒子
の融点と、水素結合基を有する有機分子の水素結合基
数や種類が重要であることが判明した。さらに、水素結
合性の相互作用による効果を検討した結果、2つの水素
結合に関与する極性の強い酸アミド基をもつ脂肪酸アミ
ド、あるいは3つの水素結合に関与する極性の強いウレ
ア基をもつ長鎖炭化水素鎖の置換尿素が、脂肪族ジカル
ボン酸と混合したときに優れた特性を示すことを見いだ
した。これら脂肪酸アミド類、脂肪族置換尿素類は、立
体的に生じる強い水素結合によって分子間の強い会合を
生じるために結晶性が高く、結晶強度も高く、脂肪族化
合物の中で特に高い融点を有しており、特に脂肪族長鎖
が飽和炭化水素鎖であるときには、各種の有機溶剤に溶
解しにくいという特徴がある。
【0012】脂肪族ジカルボン酸を単独で使用した記録
材料の場合には、2つの水素結合基を有していることか
ら、水素結合という強い結合で会合を生じ易く融点が高
いことにより透明化温度領域が高くなると考えられる
が、逆にコントラストに関してはマトリクスポリマとの
相互作用などが大きいため相溶性が高くなりすぎて、結
晶粒子サイズが微細となり、白濁し難く、透過率変化が
小さくなると考えられる。
【0013】本発明では、脂肪族ジカルボン酸に加え
て、炭素数12以上の炭化水素鎖を有する飽和脂肪酸モ
ノアミド、炭素数12以上の炭化水素鎖を有する飽和脂
肪酸ビスアミド、および炭素数12以上の炭化水素鎖で
置換された尿素より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化
合物とを混合した有機結晶粒子をマトリクスポリマ中に
分散することによって、コントラストが高く、広い透明
化温度範囲を実現できる。すなわち、正確にはまだわか
っていないが、これら脂肪族化合物の強い水素結合性に
よって、脂肪族ジカルボン酸と混合して両者が共融化し
たときに、分子間相互作用が高まり、会合あるいは錯体
形成などによって、混晶や共晶のような複合体を形成
し、多くの結晶形態が形成される作用が大きく寄与し
て、各形態の温度特性の相違から広い透明化温度が得ら
れ、かつ複数の複雑な微結晶であるため白濁度が向上し
て高いコントラストが得られるようになると考えられ
る。また、脂肪酸モノアミドや脂肪酸ビスアミドの脂肪
酸アミド類および脂肪族置換尿素類は、記録層を形成す
る際に、溶剤に難溶であるために、溶液中において脂肪
族ジカルボン酸と共融化するとともに極微粒子として分
散されて有機結晶粒子内で結晶核としての役目を果たす
と考えられる。そして、これらの結晶核部分の融点が高
いため、有機結晶粒子の融解、結晶化の過程において高
い温度温度まで結晶核としての効果が働き、高くて広い
透明化温度領域を有することができると考えられる。
【0014】
【実施例】図1に本発明の可逆感熱記録材料の構成の断
面概念図を示す。アルミ蒸着による反射層2を形成した
高分子シート1上に、本発明の記録層3を形成してい
る。この記録層3の上にさらに耐摩耗性の表面コート層
4が形成されている。記録層3は図2に示したように、
水素結合基を有する熱可塑性透明ポリマからなるマトリ
クスポリマ5と有機結晶粒子6とを含み、加熱・放冷過
程によってマトリクスポリマ5中の有機結晶粒子6は、
透明な状態6Aと不透明な白濁状態6B(光散乱状態)
の二状態をとる。これがそれぞれ消去・記録に相当す
る。
【0015】本発明の有機結晶粒子6としては、脂肪族
ジカルボン酸と、飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビ
スアミド、および炭化水素鎖で置換された尿素より選ば
れた少なくとも1種とを混合して含む。脂肪族ジカルボ
ン酸は、一般式HOOC(CH2nCOOH(但し、n
は14〜24の整数)の化合物が、炭化水素鎖の両端に
カルボキシル基を有しており、分子の両端で分子間水素
結合を生じるために結晶性がよく、融点も120℃以上
と高いため比較的高い透明化温度が得られ好ましい。な
お、式中のn(炭化水素鎖の長さ)は、有機結晶粒子6
の融点、有機結晶粒子6内の水素結合の相互作用とマト
リクスポリマ5への有機結晶粒子6の溶解性との釣合、
およびマトリクスポリマ5中への有機結晶粒子6の分散
性から適正な長さが選択される。
【0016】また、脂肪族ジカルボン酸と混合する脂肪
族化合物としては、水素結合基として酸アミド基、ある
いはウレア基を1つ以上有しており、炭化水素鎖の長さ
としては、脂肪族ジカルボン酸とほぼ等しい長さで、複
合体を作り易く、かつ融点の条件を満たしていることが
好ましく、このような要請を満足するには、炭素数が1
2以上が好ましい。化合物としては、飽和脂肪酸モノア
ミド、飽和脂肪酸ビスアミド、および炭化水素鎖の置換
尿素が優れた性質を得ることができ、代表的な化合物と
しては、飽和脂肪酸モノアミドはラウリン酸アミド(融
点86℃)、パルミチン酸アミド(同100℃)、ステ
アリン酸アミド(同101℃)、ベヘン酸アミド(同1
10℃)、ヒドロキシステアリン酸アミド(同110
℃)、N−ステアリルステアリン酸アミド(同94
℃)、N−ステアリルオレイン酸アミド(同67℃)、
オレイルステアリン酸アミド(同74℃)、メチロール
ステアリン酸アミド(同111℃)、メチロールベヘン
酸アミド(同110℃)など、飽和脂肪酸ビスアミドは
メチレンビスステアリン酸アミド(同143℃)、エチ
レンビスラウリン酸アミド(同157℃)、エチレンビ
スステアリン酸アミド(同143℃)、エチレンビスヒ
ドロキシステアリン酸アミド(同144℃)、ヘキサメ
チレンビスステアリン酸アミド(同146℃)、N,
N’−ジステアリルアジピン酸アミド(同144℃)、
m−キシレンビスステアリン酸アミド(同123℃)、
N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド(同129
℃)など、炭化水素鎖置換の尿素はN,N’−ジステア
リル尿素(同114℃)、ステアリル尿素、キシレンビ
スステアリル尿素(同163℃)、ジフェニルメタンビ
スステアリル尿素(同210℃)などがある。これら
は、工業的に樹脂の滑剤、感熱記録紙の増感剤、トナー
のブロッキング防止剤などにも使用される材料で毒性も
低く、消費者に直接触れる用途の記録材料に適したもの
である。
【0017】優れた記録性能を得るためには、脂肪族ジ
カルボン酸と、飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビス
アミド、および炭化水素鎖の置換尿素より選ばれた少な
くとも1種の脂肪族化合物との混合比が重要である。混
合比としては、重量比において混合する脂肪族化合物と
脂肪族ジカルボン酸との比が、特に60対40から10
対90の時に優れた記録性能が得られる。脂肪族ジカル
ボン酸の割合が組成比率より多い場合には、混合する脂
肪族化合物と共融化が少なく複合体部分が作用しないた
め、高コントラストが得られない。逆に、混合する脂肪
族化合物の割合が前述の組成比率の範囲より多い場合に
は、脂肪族化合物が脂肪族ジカルボン酸と共融化しにく
くなり、過剰の脂肪族化合物がマトリクス中に分離、析
出して記録層の均質性が悪くなってコントラストが悪く
なるとともに、透明化温度領域も狭くなってしまう。
【0018】一方、一般にマトリクスポリマ5には、ポ
リエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロー
ス、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、スチレン−
ブタジエン共重合体などがあり、マトリクスポリマ5は
有機結晶粒子との組合せによって大きく挙動を異にす
る。本発明に供されるマトリクスポリマ5としては、図
2に示したように水素結合基含有の熱可塑性の透明ポリ
マがよい効果が得られる。その理由は、複合体となった
有機結晶粒子6の界面近傍に存在する水素結合基と、マ
トリクスポリマ5に含まれる水素結合基との相互作用に
よって、溶融・凝固挙動が単体の化合物からなる有機結
晶粒子6の場合と異なった特性となり、透明度変化の挙
動も変化するからである。具体的な水素結合基を有する
マトリクスポリマの例として、接着性(OH基含有)ポ
リエステル、部分ケン化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、ポリアミド、ポリウレタン、熱可塑性フェノール樹
脂、ビニルアルコール共重合体、アクリル酸共重合体、
アクリルアミド共重合体、マレイン酸共重合体等が適し
ている。また、本発明の記録材料は薄膜であるため、か
なりの透明度が得られる。さらに、本発明の記録層に
は、可塑剤を適時併用してもよいこと当然である。
【0019】なお、可逆感熱記録層3を構成する有機結
晶粒子6のマトリクスポリマ5に対する添加量は、5〜
60%の範囲で加えることができるが、15〜30%の
添加が望ましい。有機結晶粒子6の比率がこれ以上にな
ると結着力が弱まり記録層3として均質なコーティング
も困難になる。逆に、マトリクスポリマ5の比率が高く
なると、有機結晶粒子6の量が少なくなるため不透明化
が困難になり、記録のコントラストが悪くなる。
【0020】本発明の可逆感熱記録材料を用いた記録媒
体は、耐摩耗性の表面コート層4を付与すれば感熱ヘッ
ドの接触に対しても経時劣化が小さく繰り返し耐久性の
高い記録媒体を構成することができる。この記録媒体は
感熱ヘッドのみならずレーザによってもヒートモードで
書き込み・消去可能である。また消去に熱ローラを用い
る場合もある。
【0021】さらに、図1に示したような表面コ−ト層
4は本発明の可逆感熱記録媒体として必須ではないが、
感熱ヘッドまたは熱ローラ等による記録消去を繰り返す
本発明の記録媒体には、表面コ−ト層4を設けた形態の
方が記録消去時による熱変形が生じなくなるため好まし
い。なお、表面コ−ト層4の材料としては、アクリル系
等の紫外線または加熱硬化タイプの透明な樹脂が適応で
き、塗布後樹脂の硬化形態に応じて常法によって硬化し
て供される。
【0022】次に、実施例を用いて本発明を説明する。 (実施例1)可逆感熱記録材料の有機結晶粒子6とし
て、脂肪族ジカルボン酸はHOOC(CH218COO
Hのエイコサンジカルボン酸(融点127℃)を0.6
g、ステアリン酸アミド(融点101℃)を0.4gを
用いて混合して構成した。さらに、マトリクスポリマ5
として塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体3gを用いて、
テトラヒドロフラン15gに混合溶解し、図1に示すア
ルミ蒸着反射層2を形成した0.2mmのポリエステル
高分子シート1上に塗布し、100℃の恒温槽中で乾燥
した後に14μmの厚さの記録層3を形成した。その記
録層3の上にさらに耐摩耗性の表面コート層4として紫
外線硬化形アクリル樹脂のプレポリマを15μmコーテ
ィング後、紫外線照射して硬化させ、可逆感熱記録シー
トを作製した。 この可逆感熱記録シートに感熱ヘッド
によって、書き込み・消去をおこなった。このシートの
透明化温度領域は約80〜110゜Cで、透明化温度幅
は約30℃であった。この条件から感熱ヘッドによって
エネルギーを与え115゜Cで書き込み・白濁化し、1
00゜Cで消去・透明化したところ、鮮明な記録特性が
得られた。マクベス光学濃度での評価によって、コント
ラスト0.73が得られ、良好な記録の認識ができた。
さらに繰り返して寿命特性を測定したところ500回以
上の繰り返しに耐えた。
【0023】
【0024】(実施例2)可逆感熱記録材料の有機結晶
粒子6として、脂肪族ジカルボン酸はHOOC(C
214COOHのヘキサデカンジカルボン酸(融点1
23℃)を0.9g、エチレンビスステアリン酸アミド
(融点143℃)を0.1gを用いて混合して構成し
た。さらに、マトリクスポリマ5として部分ケン化した
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(水酸基比率約5%)
3gを用いて、テトラヒドロフラン15gに混合溶解
し、図1に示すアルミ蒸着反射層2を形成した0.2m
mのポリエステル高分子シート1上に塗布し、120℃
の恒温槽中で乾燥した後に10μmの厚さの記録層を形
成した。その記録層3の上にさらに耐摩耗性の表面コー
ト層4として紫外線硬化形アクリル樹脂のプレポリマを
15μmコーティング後、紫外線照射して硬化させた。
【0025】こうしてできた可逆感熱記録シートに感熱
ヘッドによって、書き込み・消去をおこなった。記録特
性としては、透明化温度領域が約85〜113℃で幅約
23℃で安定な記録ができ、マクベス光学濃度で0.7
以上の良好なコントラストを得ることができた。
【0026】(実施例3)可逆感熱記録材料の有機結晶
粒子6として、脂肪族ジカルボン酸はHOOC(C
216COOHのオクタデカンジカルボン酸(融点1
25℃)を0.7g、キシレンビスステアリル尿素(融
点163℃)を0.3gを用いて混合して構成した。さ
らに、マトリクスポリマ5として塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合樹脂3gを用いて、テトラヒドロフラン15g
に混合溶解し、記録材料の原液を調製した。中間層8の
熱可塑性透明ポリマとしては、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合樹脂を使用し、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹
脂0.3gをテトラヒドロフラン12gに溶解し、アル
ミ蒸着反射層2を形成した0.2mmのポリエステル高
分子シート1上に、アンカー層として2μmの厚さで形
成した。さらに、乾燥した後にアンカー層の上に記録材
料の原液を塗布し、150℃の恒温槽中で乾燥して15
μmの厚さの記録層3を得た。その記録層3の上にさら
に耐摩耗性の表面コート層4として紫外線硬化形アクリ
ル樹脂のプレポリマを15μmコーティング後、紫外線
照射して硬化させ、可逆感熱記録シートを作製した。
【0027】この可逆感熱記録シートに感熱ヘッドによ
って、書き込み・消去をおこなった。このシートの透明
化温度領域は約78〜110゜Cで、透明化温度幅は約
32℃であった。この条件から感熱ヘッドによってエネ
ルギーを与え115゜Cで書き込み100゜Cで消去した
ところ、鮮明な記録が行なわれた。
【0028】(実施例4)可逆感熱記録材料の有機結晶
粒子6として、脂肪族ジカルボン酸はHOOC(C
220COOHのエイコサンジカルボン酸(融点12
7℃)を0.4g、ステアリン酸アミド(融点101
℃)を0.3g、さらにドコサノール(融点70℃)を
0.3gを用いて混合して構成した。さらに、マトリク
スポリマ5として部分ケン化した塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体(水酸基比率約5%)3gを用いて、テトラ
ヒドロフラン15gに混合溶解し、記録材料の原液を調
製し、それを用いて、実施例1と同様に可逆感熱記録シ
ートを作製した。
【0029】この可逆感熱記録シートに感熱ヘッドによ
って、書き込み・消去をおこなった。このシートの透明
化温度領域は約75〜95゜Cで、透明化温度幅は約2
1℃であった。この条件から感熱ヘッドによってエネル
ギーを与え100゜Cで書き込み90゜Cで消去したとこ
ろ、鮮明な記録が行なわれ、繰り返し寿命特性を測定し
たところ500回以上の繰り返しにおいても、記録の判
別が良好に行なわれた。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明は、有機結晶粒子が
マトリクスポリマ中に分散された高分子組成物を含み、
有機結晶粒子が炭素数12以上の炭化水素鎖を有する飽
和脂肪酸モノアミド、炭素数12以上の炭化水素鎖を有
する飽和脂肪酸ビスアミド、および炭素数12以上の炭
化水素鎖で置換された尿素より選ばれた少なくとも1種
と、一般式HOOC(CH2nCOOH(但し、nは1
4〜24の整数)で示される脂肪族ジカルボン酸との混
合物からなり、その両者の成分比が重量で60対40か
ら10対90の範囲で、マトリクスポリマ中に有機結晶
粒子を分散することで、加熱温度によって可逆的に透明
度が変化する可逆感熱記録材料を構成して、従来の課題
を解決し、広くて高い透明化温度領域を持ちことにより
記録余裕度が高く、かつコントラストも高い特性を示す
と共に、信頼性の高い優れた記録特性を有する効果があ
る。
【0031】また、本発明の可逆感熱記録材料を高分子
シート上に形成した記録シートは、感熱記録ヘッドやレ
ーザで書き込み・消去する可逆感熱記録シートとして広
く利用できるものである。このように本発明は工業的価
値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆感熱記録材料による記録媒体の一
実施例の構成を示す断面概念図
【図2】(a)は本発明の一実施例の可逆感熱記録材料
中の透明状態の有機結晶粒子の状態を示す要部拡大断面
図 (b)は本発明の一実施例の可逆感熱記録材料中の不透
明状態の有機結晶粒子の状態を示す要部拡大断面図
【符号の説明】
1 高分子シート基材 2 反射層 3 記録層 4 表面コート層 5 マトリクスポリマ 6 有機結晶粒子 6A 透明な状態の有機結晶粒子 6B 不透明な白濁状態の有機結晶粒子 7 界面の相互作用領域

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機結晶粒子がマトリクスポリマ中に分散
    された高分子組成物を含む記録材料において、前記有機
    結晶粒子が炭素数12以上の炭化水素鎖を有する飽和脂
    肪酸モノアミド、炭素数12以上の炭化水素鎖を有する
    飽和脂肪酸ビスアミド、および炭素数12以上の炭化水
    素鎖で置換された尿素より選ばれた少なくとも1種の脂
    肪族化合物と、一般式HOOC(CH2)nCOOH(但
    し、nは14〜24の整数)で示される脂肪族ジカルボ
    ン酸との混合物からなり、前記混合物の混合比が重量で
    60対40から10対90の範囲にあることを特徴とす
    る可逆感熱記録材料。
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