JP3292005B2 - 蓄冷器 - Google Patents

蓄冷器

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JP3292005B2 JP28104495A JP28104495A JP3292005B2 JP 3292005 B2 JP3292005 B2 JP 3292005B2 JP 28104495 A JP28104495 A JP 28104495A JP 28104495 A JP28104495 A JP 28104495A JP 3292005 B2 JP3292005 B2 JP 3292005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温で比熱の大き
い蓄冷材が充填された蓄冷器に関するもので、各種の冷
凍機に利用される。
【0002】
【従来の技術】スターリング式、GM(ギホードマクマ
ホン)式、パルス管式等の、蓄冷器を使う各種の冷凍機
には、冷凍能力の向上という点から蓄冷材が充填された
蓄冷器が必須になる。この蓄冷器は、一方向に流れる圧
縮された作動ガスから熱を奪ってその熱を蓄えると共
に、反対方向に流れる膨張した作動ガスに蓄えた熱を伝
達するものである。
【0003】従来、蓄冷器内に充填される蓄冷材として
は、銅や鉛等の合金が多用されている。ところが、銅や
鉛からなる蓄冷材では、格子系の比熱が主体なため、4
0K以上での比熱は大きいものの、20K以下の極低温
での比熱は過度に小さくなる。そのため、このような蓄
冷材が充填された蓄冷器を冷凍機(特に多段式の冷凍
機)内で使用した場合には、20K前後の極低温領域に
おいて、圧縮された作動ガスから充分に熱を吸収するこ
とができず、又、膨張した作動ガスに充分に熱を伝達す
ることができなくなる。その結果、前記蓄冷材が充填さ
れた蓄冷器を使用する冷凍機では、極低温に到達させる
ことができないという問題点があった。
【0004】そこで、上記問題点を解決するために提案
された蓄冷器としては、特開平1−310269号公報
に示されるものが知られている。その代表例として、格
子系の比熱だけでなくスピン系の比熱をもつEr3 Ni
からなる磁性体の蓄冷材が充填された蓄冷器が開示され
ている。このものは、20K以下の極低温でその比熱が
銅や鉛からなる蓄冷材よりも大きいため、銅や鉛からな
る蓄冷材よりも20K以下(特に10K未満)の極低温
において蓄冷効率を向上できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したE
3 Niからなる蓄冷材では、磁気変態点(即ち磁気的
状態間の相転移)が8K付近に存在することから、比熱
が10K未満で大きいものの、10〜30Kでは小さく
なる。このため、10K未満の極低温では蓄冷効率が高
くなるものの、10〜30Kで蓄冷効率が不充分であ
る。従って、Er3Niからなる蓄冷材では、10〜3
0Kの冷凍を発生する冷凍機には適用し難いという問題
点がある。
【0006】故に、本発明は、10〜30K付近で比熱
が大きく、10〜30K付近での蓄冷効率を向上させ得
る蓄冷材をもつ蓄冷器を提供することを、第1の技術的
課題とするものである。
【0007】又、従来の蓄冷材は、Er3 Niに代表さ
れるように、希土類の割合が多い。
【0008】希土類金属は高価なものであり、Er3
iのように希土類の割合が多いものは、コスト的にかな
り高いものとなる。
【0009】故に、本発明は、安価に製造できる蓄冷材
をもつ蓄冷器を提供することを、第2の技術的課題とす
るものである。
【0010】更に、従来の蓄冷材料の熱伝導率はあまり
良好ではない。例えばEr3 Niの熱伝導率は10Kで
約0.005W/K・cmである。蓄冷材の熱伝導率
は、蓄冷効率を向上させる上で、蓄冷材の比熱の次に重
要なものである。又、サイクルタイムの速いスターリン
グ冷凍機(300〜600rpm、5〜10Hz)にお
いては、短時間の間に熱交換しなければならないため、
熱伝導率が低い場合には、充分に熱交換できず、充分な
蓄冷効果が得られない。従って、従来の蓄冷材は、その
熱伝導率の悪さ故に、蓄冷効率の向上を阻害していた。
【0011】故に、本発明は、熱伝導率が良く、蓄冷効
率を更に向上できる蓄冷材をもつ蓄冷器を提供すること
を、、第3の技術的課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した第1、第2、第
3の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に
おいて講じた技術的手段は、蓄冷材が充填されてなる蓄
冷器において、前記蓄冷材は、少なくともCE,Nd、
Prの1種又は2種以上を含有する希土類元素34〜8
at%と、少なくともAgを含有する添加物18〜6
at%とからなる磁性体であることを特徴とする蓄冷
器としたことである。
【0013】Ce,Nd,Prの1種又は2種以上を含
有する希土類元素とAgを用いた蓄冷材では、図1,図
2,図3から明らかなように、RとRAg化合物、RA
g化合物、RAg2 化合物、RAg化合物とRAg2
合物との混在した組織(Rは、Ce,Nd,Prの1種
又は2種以上)等が生成する。そして、これらの化合物
の磁気変態点が約5〜30Kにあり、磁気変態点付近で
は比熱のピークが存在する。このため、従来のEr3
iからなる磁気変態点が10K以下(8K)の蓄冷材と
比較して、約10〜30Kで比熱を向上させることがで
きる。
【0014】希土類元素の含有量が20at%以下(即
ち添加物の含有量が80at%以上)であると、例えば
図2及び図3に示すPr−Ag及びNd−Agの状態図
から明らかなように、その磁気変態点が約5〜30Kと
なるRとRAg化合物、RAg化合物、RAg2 化合
物、RAg化合物とRAg2 化合物との混在した組織が
全く生成しない。さらに、格子系の比熱しかもたないA
g単体の相を生成することから、10〜30Kでの比熱
を向上させることができない。一方、希土類元素の含有
量が95at%以上である(即ち添加物の含有量が5a
t%以下である)と、希土類元素の高い活性のため、耐
環境性(酸化、腐食等)の面で問題が発生する。
【0015】又、希土類元素Rの含有量が20〜50a
t%のときには、RAg化合物とRAg2 化合物との混
在した組織を生成させることができることから、図1に
示すように、その混在した組織の比率に応じて比熱のピ
ーク値と温度が調整可能となる。一方、希土類元素Rの
含有量が50〜95at%のときには、RAg化合物と
Rとの混在した組織を生成させることができることか
ら、その混在した組織の比率に応じて比熱のピーク値と
温度が調整可能となる。
【0016】又、Ce、Nd、Prは、希土類金属の中
でも比重の小さい軽希土類金属に分類されるものであ
る。これらの軽希土類金属は、比較的安価である。その
ため、従来のErのような重希土類金属を使用する蓄冷
材よりも安価に製造でき、コスト的に有利である。
【0017】又、添加物中にAgを含有していることか
ら、熱伝導率が従来のものよりも大きくなり、熱交換能
力の向上に寄与する。例えば、10KにおけるEr3
iの熱伝導率は約0.005W/K・cmであるのに対
して、PrAgは0.02W/K・cmであり、従来の
蓄冷材の約4倍の熱伝導率となる。
【0018】
【0019】また、希土類元素の含有量を、34〜82
at%とした場合、化合物中に必ずRAg化合物が存在
する。このRAg化合物の磁気変態点は、PrAgで1
2K、NdAgで22Kであるため、この化合物を含む
ことにより、10〜30Kでの比熱が一層向上する。
【0020】上記第1、第2、第3の技術的課題を解決
するために、本発明の請求項2において講じた技術的手
段は、前記磁性体は、CeAg化合物又はNdAg化合
物又はPrAg化合物を含むことを特徴とする請求項2
に記載の蓄冷器としたことである。
【0021】RAg化合物の磁気変態点は、PrAgで
12K、NdAgで22Kであるため、この化合物を含
むことにより、10〜30Kでの比熱が一層向上する。
また、RAg化合物は、化合物中に占める希土類元素の
割合が、原子量率で50%であり、従来のEr3 Ni化
合物中に示す希土類元素の割合(75at%)よりも少
ない。このように、希土類元素の割合を減らすことで、
蓄冷材料をさらに安価に製造できる。さらに、従来のE
3 Niは熱伝導率の悪い希土類元素が75at%含ま
れているが、RAg化合物は希土類元素が50at%し
か含まれていない。また残りの50at%は熱伝導率の
良いAgである。このため、従来のEr3 Niと比較し
て、熱伝導率が大きくなり、蓄冷効率を向上することが
できる。
【0022】又、上記技術的手段において、添加物内
に、B,Al,In,Si,Ge,Ga,Sn,Au,
Mg,Zn,Pd,Pt,Re,Cs,Ir,Fe,M
n,Cr,Cd,Hg,Os,P,La,Y,Ti,S
bの内の少なくとも1種の元素を含有させることが望ま
しい。これらの元素を添加し、一部Agと置換すること
で、希土類原子間の磁気相互作用の変化や、原子間距離
を変えることができ、これにより磁気変態点をコントロ
ールすることができる。従って、これらの元素を添加す
ることで、比熱のピーク温度やピーク値もコントロール
できることが実験的に確認された。
【0023】以上より、10〜30Kでの蓄冷効率を向
上させることができ、上記技術的手段による蓄冷器を1
0〜30Kの冷凍を発生する冷凍機に適用可能となる。
【0024】又、従来技術の代表であるEr3 Ni系合
金と比較して、コストの低減が図れ、更にEr3 Niよ
りも熱伝導率を向上させているため、蓄冷効率の優れた
蓄冷材をもつ蓄冷器を安価に提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕 Pr50Ag50 Prブロック5.664g(50at%)とAgブロッ
ク4.336g(50at%)とをアーク溶解炉に配置
し、アーク溶解炉内を真空吸引した後、アルゴンガスに
て置換する。その後、アーク溶解して蓄冷材を製造し、
5×5×7mmに切断する。ここで、図2に示す状態図
から、上記の如く製造した蓄冷材Pr50Ag50は、Pr
Ag化合物(磁気変態点12K、比熱ピーク10K)組
織であることがわかる。
【0026】Nd50Ag50 Ndブロック5.72g(50at%)とAgブロック
4.28g(50at%)とをアーク溶解炉に配置し、
上記と同様な操作によって蓄冷材のサンプルを作成す
る。このように作成された蓄冷材Nd50Ag50は図2に
示す状態図から、NdAg化合物(磁気変態点22K、
比熱ピーク22K)組織であることがわかる。
【0027】Pr25Nd25Ag50 Prブロック2.813g(25at%)とNdブロッ
ク2.880g(25at%)とAgブロック4.30
7g(50at%)とをアーク溶解炉に配置し、上記と
同様な操作によって蓄冷材サンンプルを作成する。
【0028】次に、上記の如く製造した蓄冷材の比熱を
Ge温度計を用いて断熱法により略3〜25Kで測定し
た。ここで、断熱法とは、断熱条件下で試料(ここでは
インゴット)にジュール熱ΔQを加えたときの温度変化
ΔTを測定して、ジュール熱ΔQを温度変化ΔTで割っ
た値を比熱ΔCとする方法である。この比熱測定結果を
図4に示す。
【0029】図4から明らかなように、実施形態1の蓄
冷材Pr50Ag50では、Er3 Niを用いた蓄冷材と比
較して、略8.0〜12Kでの比熱が大きくなってい
る。これは、Pr50Ag50は磁気変態点が12Kであ
り、比熱のピークが10K付近に存在するため、従来例
のEr3 Niに比べて10K前後の比熱が数倍大きく上
回る。また、Pr50Ag50のデバイ温度は約170Kと
低く、このため格子系の比熱も大きくなり、10〜30
Kの温度領域においても従来例であるEr3 Niの比熱
と同等以上である。
【0030】又、蓄冷材Nd50Ag50では、Er3 Ni
を用いた従来の蓄冷材と比較して、略12.5〜23K
での比熱が大幅に上回っている。この大幅な上昇は、N
dAg化合物(磁気変態点22K)の比熱ピークが22
K付近に存在し、加えてデバイ温度も約175Kと低い
ために格子比熱も上昇し、これらの相乗効果でこのよう
な大幅な比熱の上昇が望めるものと考えられる。
【0031】又、蓄冷材Pr25Nd25Ag50は、Er3
Niと比較して、8.5〜25Kでの比熱が同等以上で
ある。また比熱のピークは12K付近に存在する。これ
は、磁気変態点が12KであるPr50Ag50と、磁気変
態点が22KであるNd50Ag50が混相となり、比熱の
ピークがPr50Ag50に比べて高温側にズレ、このため
比熱はPrAgと比較して10〜13Kにかけて高くな
っている。このように、希土類元素同志を置換すること
で、比熱ピーク値、温度等の比熱特性をコントロールす
ることが可能となる。
【0032】〔実施形態2〕 Pr50Ag50 上記の実施形態1に示したものと同様な方法で、蓄冷材
Pr50Ag50を作成する。
【0033】Pr60Ag40 Prブロック6.621g(60at%)とAgブロッ
ク3.379g(40at%)とをアーク溶解炉に配置
し、実施形態1と同様な方法で蓄冷材サンプルPr60
40を作成する。
【0034】Pr40Ag60 Prブロック4.655g(40at%)とAgブロッ
ク5.345g(60at%)とをアーク溶解炉に配置
し、実施形態1と同様な方法で蓄冷材サンプルPr40
60を作成する。
【0035】図2に示す状態図から、実施形態2の蓄冷
材サンプルのうち、Pr50Ag50は主にPrAg化合物
(磁気変態点12K、比熱ピーク10K)であり、Pr
60Ag40は、PrAg化合物(磁気変態点12K、比熱
ピーク10K)及びPr(磁気変態点34K)の混在し
た組織であり、Pr40Ag60は、PrAg化合物(磁気
変態点12K、比熱ピーク10K)とPrAg2 化合物
(磁気変態点約7K)の混在した組織であることがわか
る。
【0036】実施形態2の蓄冷材の比熱を実施形態1と
同様に測定し、その測定結果を図5に示す。
【0037】図5から明らかなように、実施形態2の蓄
冷材Pr60Ag40でも、Er3 Niを用いた蓄冷材(従
来例1)と比較して、略8.0〜25Kでの比熱が同等
以上であるが、Pr50Ag50よりは、比熱ピークでの比
熱値は小さくなっている。これは、PrAgの割合がP
50Ag50に比べて減少した分だけ、10K(比熱ピー
ク温度)での比熱ピーク値が減少しているものと考えら
れる。
【0038】又、実施形態2の蓄冷材Pr40Ag60
は、Er3 Niを用いた蓄冷材と比較して略8.5〜2
5Kで比熱が同等以上である。Pr40Ag60は、PrA
g(磁気変態点12K)とPrAg2 化合物(磁気変態
点約7K)が混相となっており、このため比熱ピークが
約7Kと約10Kに現れるが、、PrAgの割合がPr
50Ag50に比べて減少しているため、10Kでの比熱ピ
ークは小さくなっている。しかしながら、10K付近
(8〜13K)での比熱は、従来のEr3 Niよりも大
きくなっている。
【0039】図6は、Pr−Ag系の蓄冷材において、
PrとAgの組成比を変えていった場合に、10Kにお
いて示す比熱を比較したグラフである。これによると、
Pr−Ag系の蓄冷材は、Prの組成比が34〜82a
t%の範囲内であると、10Kにおいて従来のEr3
iの比熱を上回ることがわかる。
【0040】〔実施形態3〕 Pr45Er5 Ag50 Prブロック5.045g(45at%)とErブロッ
ク0.665g(5at%)とAgブロック4.290
g(50at%)とを前記と同様に、アーク溶解してサ
ンプルを作成した。この蓄冷材サンプルは、PrAgと
ErAgとの混在した状態である。
【0041】Pr50Ag45Ga5 Prブロック5.75g(50at%)とAgブロック
3.96g(45at%)とGaブロック0.29g
(5at%)とを前記と同様に、アーク溶解して蓄冷材
サンプルPr50Ag45Ga5 を作成した。
【0042】図7から明らかなように、蓄冷材Pr45
5 Ag50でもEr3 Niを用いた蓄冷材と比較して略
8.5〜25Kでの比熱が大きくなっている。
【0043】又、蓄冷材Pr45Er5 Ag50は、Er3
Niを用いた蓄冷材と比較して、略9〜25Kでの比熱
が上回っている。この蓄冷材サンプルにおいては、Ga
の添加により、10Kでの比熱ピークは消滅している
が、ピーク以外のところで比熱が少しずつ上昇したこと
で、9K以上でEr3 Niを上回ることができた。
【0044】〔従来例〕Erブロック8.95g(75
at%)とNiブロック1.05g(25at%)とを
アーク溶解炉に配置したこと以外は、実施形態1と同様
である。ここで、従来例の蓄冷材はEr3 Ni(磁気変
態点8K)であり、その比熱特性を実施形態1と同様に
測定し、その測定結果を図4に示す。
【0045】図4から明らかなように、従来例の蓄冷材
Er3 Niは、8K以下での比熱は大きいが、8.5K
以上での比熱は実施形態1,2,3と比較して小さくな
っている。これは、Er3 Niの磁気変態点が8Kに存
在し、比熱のピークが7K付近に存在するためであると
考えられる。
【0046】尚、実施形態1,2,3に係る蓄冷材が充
填された蓄冷器は、30K以下特に8.5K〜30Kの
冷凍を発生するスターリング式、GM式、パルス管式の
各種の冷凍機に適用できる。又、多段冷凍機の温度に合
わせて、各段に用いることも可能である。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明は、以下の如く効果を有
する。
【0048】Ce,Nd,Prの1種又は2種以上を含
有する希土類元素20〜95at%と、少なくともAg
を含有する添加物5〜80at%とからなる磁性体で蓄
冷材を構成した。これにより、従来の蓄冷材と比較し
て、10〜30Kにおいて比熱を向上させることがで
き、これらの温度範囲の冷凍を発生する冷凍機に適用可
能となる。また、希土類元素として、Ce、Nd、Pr
等の軽希土類元素を用いているので、安価に製造でき、
さらに添加物中にAgが含有しているため、熱伝導率が
優れた蓄冷材とすることができる。
【0049】請求項2の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0050】請求項1に記載の蓄冷器において、希土類
元素の含有量を34〜82at%と、添加物の含有量を
18〜66at%とした。これにより、従来の蓄冷材と
比較して、10〜30K、特に10K付近の温度におい
て顕著に比熱を向上させることができ、これらの温度範
囲の冷凍を発生する冷凍機に適用可能となる。
【0051】請求項3の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0052】請求項2に記載の蓄冷器において、磁性体
にCeAg又はNdAg又はPrAgを含有するものと
した。これらの化合物(RAg化合物)は、図4におい
て、Nd50Ag50又はPr50Ag50を代表として示すよ
うに、その磁気変態点付近において、極めて大きな比熱
を示す。従って、これらの化合物を含有する蓄冷材を用
いることにより、10〜30Kの冷凍を発生する冷凍機
の冷凍能力をより一層向上させることができる。また、
RAg化合物は、化合物中の希土類元素の割合が50a
t%と、従来のEr3 Ni(Erの割合75at%)よ
りも少ない。このため高価な希土類元素の使用量が減少
し、コストの低減を図れる。更に、RAg化合物は、熱
伝導率の良いAgが50at%含まれるので、蓄冷材と
しての熱伝導率が向上し、蓄冷効率の良い蓄冷器を提供
することができる。
【0053】請求項4の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0054】添加物内に、B,Al,In,Si,G
e,Ga,Sn,Au,Mg,Zn,Pd,Pt,R
e,Cs,Ir,Fe,Mn,Cr,Cd,Hg,O
s,P,La,Y,Ti,Sbの内の少なくとも1種の
元素を含有するものとした。これらの元素を含有するこ
とにより、比熱のピークは消滅するが、10〜30Kの
温度範囲において、全体的に比熱を大きくすることがで
きる。このように、上記元素を添加することにより、比
熱のピーク温度、ピーク値をコントロールすることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における蓄冷材の化合物(Pr,Nd,
Ce−Ag系)の磁気変態点を示すグラフである。
【図2】Pr−Ag系化合物の2元状態図である。
【図3】Nd−Ag系化合物の2元状態図である。
【図4】本発明の実施形態1の蓄冷材と従来の蓄冷材の
比熱特性を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態2の蓄冷材と従来の蓄冷材の
比熱特性を示すグラフである。
【図6】10Kにおける、Pr−Ag系蓄冷材の組成比
率を変化させた場合の、比熱を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態3の蓄冷材と従来の蓄冷材の
比熱特性を示すグラフである。
フロントページの続き 審査官 上原 徹 (56)参考文献 特開 平7−294034(JP,A) 特開 平5−269447(JP,A) 特開 平5−239586(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄冷材が充填されてなる蓄冷器におい
    て、 前記蓄冷材は、少なくともCE,Nd、Prの1種又は
    2種以上を含有する希土類元素34〜82at%と、少
    なくともAgを含有する添加物18〜66at%とから
    なる磁性体であることを特徴とする蓄冷器。
  2. 【請求項2】 前記磁性体は、少なくともCeAg化合
    物又はNdAg化合物又はPrAg化合物を含むことを
    特徴とする請求項1に記載の蓄冷器。
  3. 【請求項3】 前記添加物は、B,Al,In,Si,
    Ge,Ga,Sn,Au,Mg,Zn,Pd,Pt,R
    e,Cs,Ir,Fe,Mn,Cr,Cd,Hg,O
    s,P,La,Y,Ti,Sbの内の少なくとも1種の
    元素を含有することを特徴とする請求項1又は2のいず
    れか1項に記載の蓄冷器。
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