JP3291842B2 - 往復動エンジン用ピストンリングの固着監視装置 - Google Patents
往復動エンジン用ピストンリングの固着監視装置Info
- Publication number
- JP3291842B2 JP3291842B2 JP16382993A JP16382993A JP3291842B2 JP 3291842 B2 JP3291842 B2 JP 3291842B2 JP 16382993 A JP16382993 A JP 16382993A JP 16382993 A JP16382993 A JP 16382993A JP 3291842 B2 JP3291842 B2 JP 3291842B2
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- Japan
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- piston ring
- cylinder liner
- temperature
- piston
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- Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
- Testing Of Engines (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は往復動エンジンで用いら
れるピストンリングの固着監視装置に関するものであ
る。
れるピストンリングの固着監視装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】シリンダ内のピストンの往復動を、連接
棒を経てクランク軸の回転運動に変えて動力を得る型式
の往復動エンジンは、舶用あるいは自動車用等のエンジ
ンとして広く普及している。
棒を経てクランク軸の回転運動に変えて動力を得る型式
の往復動エンジンは、舶用あるいは自動車用等のエンジ
ンとして広く普及している。
【0003】上記往復動エンジンでは、通常、図4に示
す如く、シリンダライナ1とピストン2との間の気密を
保ったり、シリンダライナ1の内壁の潤滑油を掻き落し
て燃焼室に入らないようにしたりするために、ピストン
2の外周部に設けた溝3内に、ピストンリング4を嵌設
した構成としてある。5はシリンダカバーを示す。
す如く、シリンダライナ1とピストン2との間の気密を
保ったり、シリンダライナ1の内壁の潤滑油を掻き落し
て燃焼室に入らないようにしたりするために、ピストン
2の外周部に設けた溝3内に、ピストンリング4を嵌設
した構成としてある。5はシリンダカバーを示す。
【0004】上記構成の往復動エンジンにおいては、シ
リンダライナ1とピストンリング4との間に異常摩耗に
よる焼き付きが発生する問題があるので、この焼き付き
を監視するための一手段として、従来では、シリンダラ
イナ1の壁面温度を計測する方式が採用されている。
リンダライナ1とピストンリング4との間に異常摩耗に
よる焼き付きが発生する問題があるので、この焼き付き
を監視するための一手段として、従来では、シリンダラ
イナ1の壁面温度を計測する方式が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記温度計
測方式の場合、シリンダライナ1の壁面温度の絶対値を
検出するのみであるため、実際に温度が上がらないと、
すなわち、軽微な焼き付きが発生しないと検知すること
ができず、又、シリンダライナ1の壁面温度は負荷条件
等の運転環境によっても変化することから、異常の有無
は熟練者の判断に頼っているのが実情である。
測方式の場合、シリンダライナ1の壁面温度の絶対値を
検出するのみであるため、実際に温度が上がらないと、
すなわち、軽微な焼き付きが発生しないと検知すること
ができず、又、シリンダライナ1の壁面温度は負荷条件
等の運転環境によっても変化することから、異常の有無
は熟練者の判断に頼っているのが実情である。
【0006】そこで、本発明は、ピストンリングがシリ
ンダライナに焼き付く予兆として、ピストンリングがピ
ストン溝に固着することに着目し、この固着を監視する
ことができるような往復動エンジン用ピストンリングの
固着監視装置を提供し、以って、シリンダライナへのピ
ストンリングの焼き付き事故を未然に防止することがで
きるようにしようとするものである。
ンダライナに焼き付く予兆として、ピストンリングがピ
ストン溝に固着することに着目し、この固着を監視する
ことができるような往復動エンジン用ピストンリングの
固着監視装置を提供し、以って、シリンダライナへのピ
ストンリングの焼き付き事故を未然に防止することがで
きるようにしようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、外周部の溝にピストンリングを嵌設した
ピストンを往復動可能に収容するシリンダライナの周方
向複数個所に、該シリンダライナの壁面温度を検出する
ための温度計測端をそれぞれ取り付け、且つ上記シリン
ダライナの壁面温度計測結果に基づく温度分布からピス
トンリングの周方向変位を検出するようにした演算器を
備えた構成とする。
決するために、外周部の溝にピストンリングを嵌設した
ピストンを往復動可能に収容するシリンダライナの周方
向複数個所に、該シリンダライナの壁面温度を検出する
ための温度計測端をそれぞれ取り付け、且つ上記シリン
ダライナの壁面温度計測結果に基づく温度分布からピス
トンリングの周方向変位を検出するようにした演算器を
備えた構成とする。
【0008】
【作用】温度計測端を通じて計測されたシリンダライナ
の周方向複数個所の壁面温度の推移に基づき演算器によ
り温度分布が求められる。上記温度分布から最高温部の
移動がピストンリングの合い口の移動に変換され、ピス
トンリングの固着の有無が判定される。
の周方向複数個所の壁面温度の推移に基づき演算器によ
り温度分布が求められる。上記温度分布から最高温部の
移動がピストンリングの合い口の移動に変換され、ピス
トンリングの固着の有無が判定される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0010】図1は本発明の一実施例を示すもので、図
4に示した往復動エンジンと同様に、外周部の溝3にピ
ストンリング4を嵌設したピストン2をシリンダライナ
1内に往復動可能に収容してある構成において、上記シ
リンダライナ1の周方向複数個所(実施例では対向する
2個所)に、温度計測端6をそれぞれ取り付け、且つ該
各温度計測端6を、シリンダライナ1の壁面温度計測結
果に基づき温度分布を求めてピストンリング4の周方向
変位を検出するようにした演算器7に接続し、上記ピス
トンリング4の周方向変位によってピストンリング4の
固着を監視できるようにする。
4に示した往復動エンジンと同様に、外周部の溝3にピ
ストンリング4を嵌設したピストン2をシリンダライナ
1内に往復動可能に収容してある構成において、上記シ
リンダライナ1の周方向複数個所(実施例では対向する
2個所)に、温度計測端6をそれぞれ取り付け、且つ該
各温度計測端6を、シリンダライナ1の壁面温度計測結
果に基づき温度分布を求めてピストンリング4の周方向
変位を検出するようにした演算器7に接続し、上記ピス
トンリング4の周方向変位によってピストンリング4の
固着を監視できるようにする。
【0011】次に、本発明によるピストンリング4の固
着監視の原理を説明する。
着監視の原理を説明する。
【0012】上記ピストンリング4には、図2に示す如
く、その組立構造上、必ず合い口(切り口)4aが存在
し、この合い口4aの部分より燃焼ガスが漏れるため、
これに対応するシリンダライナ1の壁面部分は温度が高
くなる。一方、ピストンリング4はピストン2の溝3及
びシリンダライナ1に対して、通常、周方向変位を起す
ことが知られている。したがって、シリンダライナ1の
壁面の最高温部の位置がわかれば、ピストンリング4の
合い口4aの位置を知ることができ、この合い口4aの
位置が周方向で止まればピストンリング4の固着を検出
することができる。
く、その組立構造上、必ず合い口(切り口)4aが存在
し、この合い口4aの部分より燃焼ガスが漏れるため、
これに対応するシリンダライナ1の壁面部分は温度が高
くなる。一方、ピストンリング4はピストン2の溝3及
びシリンダライナ1に対して、通常、周方向変位を起す
ことが知られている。したがって、シリンダライナ1の
壁面の最高温部の位置がわかれば、ピストンリング4の
合い口4aの位置を知ることができ、この合い口4aの
位置が周方向で止まればピストンリング4の固着を検出
することができる。
【0013】上記構成に基づくピストン2の具体的な固
着監視要領を説明すると、たとえば、図3の(イ)に示
す如く、シリンダライナ1とピストン2の組み合わせ
を、直交するX軸とY軸とからなる座標上に置き、Y軸
上のシリンダライナ1の内壁部A点とB点に温度計測端
6がある場合において、A点とB点とが同一温度である
ときは、ピストンリング4の合い口4aがX軸上のC点
又はD点にあることがわかる。一方、A点の方がB点よ
りも温度が高いときには、ピストンリング4の合い口4
aがA点−C点間の第I象限又はA点−D点間の第IV象
限にあることがわかる。したがって、A点とB点の温度
計測によって図3の(ロ)に示す如き温度推移が得ら
れ、この計測により演算器7でA点−B点間の温度分布
が求められるので、最高温度点の移動状況からピストン
リング4の合い口4aの移動状況がとらえられ、ピスト
ンリング4の固着の有無が判定される。
着監視要領を説明すると、たとえば、図3の(イ)に示
す如く、シリンダライナ1とピストン2の組み合わせ
を、直交するX軸とY軸とからなる座標上に置き、Y軸
上のシリンダライナ1の内壁部A点とB点に温度計測端
6がある場合において、A点とB点とが同一温度である
ときは、ピストンリング4の合い口4aがX軸上のC点
又はD点にあることがわかる。一方、A点の方がB点よ
りも温度が高いときには、ピストンリング4の合い口4
aがA点−C点間の第I象限又はA点−D点間の第IV象
限にあることがわかる。したがって、A点とB点の温度
計測によって図3の(ロ)に示す如き温度推移が得ら
れ、この計測により演算器7でA点−B点間の温度分布
が求められるので、最高温度点の移動状況からピストン
リング4の合い口4aの移動状況がとらえられ、ピスト
ンリング4の固着の有無が判定される。
【0014】上記においては、2点計測であるため、ピ
ストンリング4の合い口4aの位置は、第I,IV象限間
及び第II,III 象限の間では判別できないが3点以上の
計測であれば、全周にわたって位置を特定することがで
きる。すなわち、温度計測点が1個所であれば、焼き付
きにより温度が上がったのかピストンリング4の合い口
4aが通過したことにより温度が上がったのかは短期間
では判別できないので、焼き付きが起った場合は重大な
事故になる。その点、温度計測点が2個所であれば、1
80°の位相ずれは判別できないものの、最高温部の通
過により溝3及びシリンダライナ1に対するピストンリ
ング4の周方向変位の有無を判別することができ、更
に、温度計測点が3個所以上であれば、360°にわた
って合い口4aの位置を特定することができる。
ストンリング4の合い口4aの位置は、第I,IV象限間
及び第II,III 象限の間では判別できないが3点以上の
計測であれば、全周にわたって位置を特定することがで
きる。すなわち、温度計測点が1個所であれば、焼き付
きにより温度が上がったのかピストンリング4の合い口
4aが通過したことにより温度が上がったのかは短期間
では判別できないので、焼き付きが起った場合は重大な
事故になる。その点、温度計測点が2個所であれば、1
80°の位相ずれは判別できないものの、最高温部の通
過により溝3及びシリンダライナ1に対するピストンリ
ング4の周方向変位の有無を判別することができ、更
に、温度計測点が3個所以上であれば、360°にわた
って合い口4aの位置を特定することができる。
【0015】したがって、上記温度分布から、ピストン
リング4が固着してシリンダライナ1に対する周方向相
対運動が停止したと検出され、この期間が予め設定して
おいた期間より長いときは、シリンダライナ1とピスト
ンリング4の潤滑状態が変化して焼き付き事故を起す予
兆であるとして、エンジンを停止し適当な措置を講ずる
ように警告を発するようにする。これにより、実際に異
常摩耗が発生する前に、熟練者を要することなく異常の
有無を検出することができる。
リング4が固着してシリンダライナ1に対する周方向相
対運動が停止したと検出され、この期間が予め設定して
おいた期間より長いときは、シリンダライナ1とピスト
ンリング4の潤滑状態が変化して焼き付き事故を起す予
兆であるとして、エンジンを停止し適当な措置を講ずる
ように警告を発するようにする。これにより、実際に異
常摩耗が発生する前に、熟練者を要することなく異常の
有無を検出することができる。
【0016】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の往復動エンジ
ン用ピストンリングの固着監視装置によれば、シリンダ
ライナの周方向複数個所での壁面計測温度の推移に基づ
く温度分布を求めることができるようにしたので、シリ
ンダライナとピストンリングとの間に焼き付きが発生す
る前の段階で起るピストンリングの周方向運動の停止
(固着)をとらえることができ、これにより焼き付きが
発生する前に適切な措置を施すことができて重大事故の
発生を未然に防止することができ、又、従来の如き温度
の絶対値ではなく温度の変化に基づいて判定できること
から、熟練を要することなく焼き付きの予兆を確実に検
出することができる、等の優れた効果を発揮する。
ン用ピストンリングの固着監視装置によれば、シリンダ
ライナの周方向複数個所での壁面計測温度の推移に基づ
く温度分布を求めることができるようにしたので、シリ
ンダライナとピストンリングとの間に焼き付きが発生す
る前の段階で起るピストンリングの周方向運動の停止
(固着)をとらえることができ、これにより焼き付きが
発生する前に適切な措置を施すことができて重大事故の
発生を未然に防止することができ、又、従来の如き温度
の絶対値ではなく温度の変化に基づいて判定できること
から、熟練を要することなく焼き付きの予兆を確実に検
出することができる、等の優れた効果を発揮する。
【図1】本発明の往復動エンジン用ピストンリングの固
着監視装置の一実施例を示す概要図である。
着監視装置の一実施例を示す概要図である。
【図2】ピストンリングの斜視図である。
【図3】本発明によるピストンリングの固着監視要領を
示すもので、(イ)は温度測定個所を座標上に置いた
図、(ロ)は計測した温度推移図である。
示すもので、(イ)は温度測定個所を座標上に置いた
図、(ロ)は計測した温度推移図である。
【図4】往復動エンジンの一例を示す部分断面図であ
る。
る。
1 シリンダライナ 2 ピストン 3 溝 4 ピストンリング 6 温度計測端 7 演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 5/00 F02B 77/08 F02F 1/18
Claims (1)
- 【請求項1】 外周部の溝にピストンリングを嵌設した
ピストンを往復動可能に収容するシリンダライナの周方
向複数個所に、該シリンダライナの壁面温度を検出する
ための温度計測端をそれぞれ取り付け、且つ上記シリン
ダライナの壁面温度計測結果に基づく温度分布からピス
トンリングの周方向変位を検出するようにした演算器を
備えた構成を有することを特徴とする往復動エンジン用
ピストンリングの固着監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16382993A JP3291842B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 往復動エンジン用ピストンリングの固着監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16382993A JP3291842B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 往復動エンジン用ピストンリングの固着監視装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346789A JPH06346789A (ja) | 1994-12-20 |
JP3291842B2 true JP3291842B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=15781542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16382993A Expired - Fee Related JP3291842B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 往復動エンジン用ピストンリングの固着監視装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3291842B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5182627B2 (ja) * | 2008-06-24 | 2013-04-17 | 株式会社Ihi | ピストンリング摺動状態モニタリング装置及び方法 |
JP5331529B2 (ja) * | 2009-03-23 | 2013-10-30 | 日産自動車株式会社 | ピストンリングの合口位置のずれ検出方法、及びずれ検出装置 |
ES2784954B2 (es) * | 2019-03-28 | 2021-06-18 | Sanz Xavier Mas | Dispositivo de proteccion de sonda pirometrica |
-
1993
- 1993-06-10 JP JP16382993A patent/JP3291842B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06346789A (ja) | 1994-12-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |