JP3290167B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JP3290167B2
JP3290167B2 JP36764499A JP36764499A JP3290167B2 JP 3290167 B2 JP3290167 B2 JP 3290167B2 JP 36764499 A JP36764499 A JP 36764499A JP 36764499 A JP36764499 A JP 36764499A JP 3290167 B2 JP3290167 B2 JP 3290167B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字・図形・画像
等を被記録媒体に記録・造形するインクジェットプリン
タに用いられるインクジェット記録ヘッドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア情報化社会におい
てパソコンが普及し、それに伴ってプリンタの需要が増
大している。特に、インクジェットプリンタは低価格で
高画質なカラープリントが可能なことから、急速に市場
が増大しつつある。
【0003】インクジェットプリンタには種々の方式が
あり、圧電素子を使用して機械振動力をインクの圧力波
に変換してインク液滴を吐出させる方式や、インクを急
激に加熱して気泡を発生させ、気泡の圧力波でインク液
滴を吐出させる方式、また,静電力でインクを吸引して
飛翔させる方式等があり、中でも圧電素子を使用する方
式は、圧電素子の製造方法が進歩する中で、特に注目さ
れている。
【0004】そこで、図17に示すような構成のインク
ジェット記録ヘッドが提案されている(例えば、特開平
2−3311号公報)。ここで、図17に示すように長
さ、幅、厚さ方向を規定する。
【0005】このインクジェット記録ヘッド101は、
圧電セラミックス材料102に、圧力室106および空
洞部108が、一対の駆動電極103を間に挟んで交互
に設けられている。インク供給部104からインク導入
部105を通じて、圧力室106に供給されたインクは
ノズル孔107より吐出される。
【0006】このような構成のインクジェット記録ヘッ
ドでは、圧力室106と空洞部108に挟まれた駆動電
極103に電圧を印加して、圧電セラミックス材料を変
形させることよって発生した吐出エネルギーを、これに
隣接する圧力室にのみ伝播することができるため、隣接
するノズルからでも同時に液滴を吐出させることができ
る。
【0007】したがって、個別のノズルの吐出制御が可
能であり、かつ狭ピッチにノズルを配置したインクジェ
ット記録ヘッドを得ることができるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが図17のよう
な従来のインクジェット記録ヘッドでは、そのインク吐
出のために駆動電極を含む部分の圧電セラミックス材料
を効率良く変形させる必要があり、圧力室106と空洞
部108の間の圧電セラミックス材料を、非常に薄くす
る必要がある。
【0009】そのため構造的に弱く、インクジェット記
録ヘッドの強度が低くなるという問題があった。この事
は、製造時においても取り扱いが非常に困難であること
から、歩留まりを低下させるという問題も有していた。
【0010】また図17の従来のインクジェット記録ヘ
ッドの構造では、一つのノズルからインクを吐出させる
ために二つの駆動部兼隔離壁(駆動電極を含む圧電セラ
ミックス部分)を変形させる必要がある。一つの駆動部
兼隔離壁には、最低でもそれぞれ二つの電極を設ける必
要があるため、一つの圧力室に対し、すなわち一つのノ
ズルに対して、合計で四つの電極を必要とすることとな
る。電極材料には、銀やパラジウム、白金などの高価な
金属が使用されるため、インクジェット記録ヘッドのコ
ストが高くなるという問題を有していた。また電極の数
が多くなるため、外部の駆動回路との接続数が増えるこ
とや、狭ピッチとなり外部回路との接続が困難になるこ
となどの問題を有していた。
【0011】また、上記の構造によりインクが充填され
る圧力室が、主に厚さの薄い圧電セラミックス材料から
構成されることとなっている。このため圧力室の剛性が
低くなり、駆動電極を含む圧電セラミックス材料で発生
させた変形のエネルギーが一部圧力室の壁の変形に使用
され、インク吐出のエネルギーに変換する効率が悪くな
ると言う問題があった。
【0012】また、圧力室を構成する壁の剛性が低い
と、圧力室の共振周波数が低くなるため、吐出の繰返し
周波数も高くできず、描画が遅くなるという問題があっ
た。
【0013】またインクジェット記録ヘッドでは、駆動
電極を含む圧電セラミックス材料の寸法が、振動特性に
直接的に大きな影響を与えるため、わずかな製造上の誤
差が吐出特性に影響を与えて、複数ノズルにおける吐出
均一性が悪くなり画質が低下するという問題があった。
【0014】本発明は、上記従来のインクジェット記録
ヘッドの課題に鑑み、強度が高く、製造歩留まりが高
く、エネルギー変換効率が高い、インクジェット記録ヘ
ッドを提供するものである。
【0015】また、本発明は、多数のノズルを2次元に
配列する場合に、高速で高画質な画像を形成しうるノズ
ル配列構造としたインクジェット記録ヘッドを提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第の1本発明(請求項1
に対応)は、インク導入部より供給されるインクを吐出
するノズルと連通するインク圧力室と、圧電素子および
前記圧電素子を駆動する少なくとも2つの電極を含む駆
動部兼隔離壁と、圧力緩衝室と、固定壁と、を具備する
圧電体ブロック(A)を少なくとも1つ含むインクジェ
ット記録ヘッドであって、前記圧電体ブロック(A)
は、固定壁、インク圧力室、駆動部兼隔離壁および圧力
緩衝室を同一方向にこの順番に配列して構成され、前記
固定壁は内部電極を有さず、前記インク圧力室に対して
前記駆動部兼隔離壁側の1方向からのみ力を与えてイン
クジェットさせる構成をとっていることを特徴とするイ
ンクジェット記録ヘッドである。
【0017】第2の本発明(請求項2に対応)は、イン
ク導入部より供給されるインクを吐出するノズルと連通
するインク圧力室と、圧電素子および前記圧電素子を駆
動する少なくとも2つの電極を含む駆動部兼隔離壁と、
圧力緩衝室と、固定壁と、を具備する圧電体ブロック
(B)を少なくとも1つ含むインクジェット記録ヘッド
であって、前記圧電体ブロック(B)は、固定壁、第一
のインク圧力室、第一の駆動部兼隔離壁、圧力緩衝室、
第二の駆動部兼隔離壁および第二のインク圧力室を同一
方向にこの順番に配列して構成され、前記固定壁は内部
電極を有さず、前記第一及び第ニのインク圧力室に対し
て前記駆動部兼隔離壁側の1方向からのみ力を与えてイ
ンクジェットさせる構成をとっていることを特徴とする
インクジェット記録ヘッドである。
【0018】第3の本発明(請求項3に対応)は、前記
固定壁の配列方向の厚みが、前記圧電体ブロック(B)
の第一および第二のインク圧力室間の配列ピッチPか
ら、第一および第二のインク圧力室の配列方向における
厚みの和の1/2を差し引いた厚みであり、かつ少なく
とも2つの圧電体ブロックが積層されていることを特徴
とする請求項2記載のインクジェット記録ヘッドであ
る。
【0019】第4の本発明(請求項4に対応)は、イン
ク導入部より供給されるインクを吐出するノズル(A)
と連通するインク圧力室(A)と、圧電素子(A)およ
び前記圧電素子(A)を駆動する少なくとも2つの電極
(A)を含む駆動部兼隔離壁(A)と、圧力緩衝室
(A)と、固定壁(A)と、を具備する圧電体ブロック
(A)と、前記インク導入部より供給されるインクを吐
出するノズル(B)と連通するインク圧力室(B)と、
圧電素子(B)および前記圧電素子(B)を駆動する少
なくとも2つの電極(B)を含む駆動部兼隔離壁(B)
と、圧力緩衝室(B)と、固定壁(B)と、を具備する
圧電体ブロック(B)と、を少なくともそれぞれ一つ含
むインクジェット記録ヘッドであって、前記圧電体ブロ
ック(A)は、固定壁、インク圧力室、駆動部兼隔離壁
および圧力緩衝室を同一方向にこの順番に配列して構成
され、前記固定壁(A)は内部電極を有さず、前記イン
ク圧力室に対して前記駆動部兼隔離壁側の1方向からの
み力を与えてインクジェットさせる構成をとっており
前記圧電体ブロック(B)は、固定壁、第一のインク圧
力室、第一の駆動部兼隔離壁、圧力緩衝室、第二の駆動
部兼隔離壁および第二のインク圧力室を同一方向にこの
順番に配列して構成され、前記固定壁(B)は内部電極
を有さず、前記第一及び第ニのインク圧力室に対して前
記駆動部兼隔離壁側の1方向からのみ力を与えてインク
ジェットさせる構成をとっていることを特徴とするイン
クジェット記録ヘッドである。
【0020】第5の本発明(請求項5に対応)は、前記
圧電体ブロック(A)および(B)が、圧電材料を含む
粉末を焼成して一体成形したブロック成形体である第1
〜4のいずれかの本発明のインクジェット記録ヘッドで
ある。
【0021】第6の本発明(請求項6に対応)は、前記
ブロック成形体が、前記粉末および結合剤から成形した
シートを積層した積層体を焼成したものである第5の本
発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0022】第7の本発明(請求項7に対応)は、前記
圧電体ブロック(A)および/または(B)が、前記イ
ンク圧力室と前記圧力緩衝室の配列方向と同一の方向、
または前記インク圧力室と前記圧力緩衝室の配列方向と
垂直の方向に繰り返して配列している第1〜6のいずれ
かの本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0023】第8の本発明(請求項8に対応)は、前記
圧電体ブロック(A)および/または(B)が、前記イ
ンク圧力室と前記圧力緩衝室の配列方向と同一の方向、
および、前記インク圧力室と前記圧力緩衝室の配列方向
と垂直の方向に繰り返して配列している第1〜6のいず
れかの本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0024】第9の本発明(請求項9に対応)は、前記
圧電体ブロック(A)および/または(B)の少なくと
も2つが、焼成によって一体化している第1〜8のいず
れかの本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0025】第10の本発明(請求項10に対応)は、
前記圧電体ブロック(A)および/または(B)の少な
くとも2つが、接着剤によって接合されている第7また
は8の本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0026】第11の本発明(請求項11に対応)は、
前記圧電体ブロック(A)および/または(B)が、互
いに接合せずに所定の基材に配列している第7または8
の本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0027】第12の本発明(請求項12に対応)は、
前記圧電体ブロック(A)および/または(B)の少な
くとも2つが焼成によって一体化して構成される圧電体
ブロックの集合体が、前記圧電体ブロック(A)および
/または(B)の少なくとも2つが焼成によって一体化
して構成される他の圧電体ブロックの集合体に対して、
又は前記圧電体ブロック(A)および/または(B)に
対して、接着剤によって接合されている第7または8の
本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0028】第13の本発明(請求項13に対応)は、
前記圧電体ブロック(A)および/または(B)の少な
くとも2つが焼成によって一体化して構成される圧電体
ブロックの集合体が、前記圧電体ブロック(A)および
/または(B)の少なくとも2つが焼成によって一体化
して構成される他の圧電体ブロックの集合体に対して、
又は前記圧電体ブロック(A)および/または(B)に
対して、接合せずに所定の基材に配列している第7また
は8の本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0029】第14の本発明(請求項14に対応)は、
前記固定壁の、前記インク圧力室および圧力緩衝室の配
列方向と同一の方向の長さが、前記駆動部兼隔離壁の、
前記配列方向と同一の方向の長さよりも、長い第1〜4
のいずれかに記載の本発明のインクジェット記録ヘッド
である。
【0030】第15の本発明(請求項15に対応)は、
前記固定壁が、前記駆動部兼隔離壁よりも強固な部分を
含む第1〜4のいずれかに記載の本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドである。
【0031】第16の本発明(請求項16に対応)は、
前記固定壁が、中空部分を含む第1〜4のいずれかに記
載の本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0032】第17の本発明(請求項17に対応)は、
前記インク圧力室と連通するノズルが開口する側におい
て、前記圧力緩衝室が閉塞している第1〜16のいずれ
かの本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0033】第18の本発明(請求項18に対応)は、
前記圧力緩衝室が、外部に連なる空気流入出路と連通し
ている第1〜17のいずれかの本発明のインクジェット
記録ヘッドである。
【0034】第19の本発明(請求項19に対応)は、
前記電極が、網目状構造である第1〜18のいずれかの
本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0035】第20の本発明(請求項20に対応)は、
前記電極は2つであることを特徴とする第1〜19のい
ずれかの本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0036】第21の本発明(請求項21に対応)は、
前記電極の一方は、前記インク圧力室又は前記圧力緩衝
室に露出している第20の本発明のインクジェット記録
ヘッドである。
【0037】第22の本発明(請求項22に対応)は、
前記電極の一方は、前記圧力緩衝室に露出している第2
1の本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0038】第23の本発明(請求項23に対応)は、
前記電極の双方は、前記インク圧力室及び前記圧力緩衝
室に露出している第20の本発明のインクジェット記録
ヘッドである。
【0039】第24の本発明(請求項24に対応)は、
前記電極の双方は、前記駆動部兼隔壁の内部に埋設され
ている第20の本発明のインクジェット記録ヘッドであ
る。
【0040】第25の本発明(請求項25に対応)は、
前記電極の一方が前記インク圧力室から前記配列方向に
おいて所定の距離(L1)をおいて設けられ、前記電極
の他方が前記圧力緩衝室から前記配列方向において所定
の距離(L2)をおいて設けられており、前記L1と前記
L2が、L1≠L2の関係を満たす第24の本発明のイン
クジェット記録ヘッドである。
【0041】第26の本発明(請求項26に対応)は、
前記電極の一方が前記インク圧力室から前記配列方向に
おいて所定の距離(L1)をおいて設けられ、前記電極
の他方が前記圧力緩衝室から前記配列方向において所定
の距離(L2)をおいて設けられており、前記L1と前記
L2が、L1>L2の関係を満たす第24の本発明のイン
クジェット記録ヘッドである。
【0042】第27の本発明(請求項27に対応)は、
前記2つの電極の間に、さらに他の電極が一つ以上配置
されている第20〜26のいずれかの本発明のインクジ
ェット記録ヘッドである。
【0043】第28の本発明(請求項28に対応)は、
前記駆動部兼隔離壁のインク圧力室に露出する面に設け
られた電極が、接地されている第21又は23の本発明
のインクジェット記録ヘッドである。
【0044】第29の本発明(請求項29に対応)は、
前記駆動部兼隔離壁に設けられた電極が対向する部分
が、インク圧力室および圧力緩衝室が対向する部分に含
まれる第1〜28のいずれかの本発明のインクジェット
記録ヘッドである。
【0045】第30の本発明(請求項30に対応)は、
前記電極の一つにおける、前記インク圧力室と圧力緩衝
室の配列方向に垂直な方向の長さが、前記電極と隣接す
る電極における前記と同方向の長さと異なる第29の本
発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0046】第31の本発明(請求項31に対応)は、
前記電極の一つがインク圧力室および圧力緩衝室が対向
する部分に含まれ、かつ前記電極と隣接する電極が、前
記インク圧力室および圧力緩衝室が対向する部分を分断
している第30の本発明のインクジェット記録ヘッドで
ある。
【0047】第32の本発明(請求項32に対応)は、
前記含まれる一つの電極より、前記隣接する分断電極の
方が、厚みが厚い第31の本発明のインクジェット記録
ヘッドである。
【0048】第33の本発明(請求項33に対応)は、
前記インク圧力室における、前記配列方向に垂直な方向
の長さと、前記圧力緩衝室における前記と同一方向の長
さが異なる第1〜32のいずれかの本発明のインクジェ
ット記録ヘッドである。
【0049】第34の本発明(請求項34に対応)は、
前記圧電体ブロック(A)および/または(B)のイン
ク圧力室と連通するノズル間の距離が、同一方向におい
て一定である第1〜33のいずれかの本発明のインクジ
ェット記録ヘッドである。
【0050】第35の本発明(請求項35に対応)は、
インク圧力室に連通するノズルが、インクジェットプリ
ンタにおけるインクジェット記録ヘッドの移動方向と同
方向に任意の数配列されて構成されたノズル列を、前
記移動方向に対して垂直な方向にm個配列して構成した
インクジェット記録ヘッドであって、前記各ノズルは、
前記移動方向に対して垂直方向上では互いに重なり合う
ことなく配列され、その各ノズルの内、前記移動方向を
基準として最も近接するノズル同士のズレ量(X)が、
同じ前記ノズル列に属する各ノズル間の距離(P)に対
して、X≦P/mである第8の本発明のインクジェット
記録ヘッドである。
【0051】第36の本発明(請求項36に対応)は、
隣り合う前記ノズル列同士の、前記移動方向に対して垂
直方向における、距離が、前記Xの倍数である第35の
本発明のインクジェット記録ヘッドである。
【0052】第37の本発明(請求項37に対応)は、
前記移動方向は、前記インク圧力室と、圧力緩衝室との
配列方向と一致する第35の本発明のインクジェット記
録ヘッドである。
【0053】第38の本発明(請求項38に対応)は、
前記移動方向は、前記インク圧力室と、圧力緩衝室との
配列方向と一致しない第35の本発明のインクジェット
記録ヘッドである。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明によるインクジェット記録
ヘッドは、これを構成する圧電体ブロックが、供給され
たインクを吐出するノズルと連通するインク圧力室と、
圧電素子および圧電素子を駆動するための電極を有する
駆動部兼隔離壁、およびインクを充填していない圧力緩
衝室を具備し、駆動部兼隔離壁を挟んでインク圧力室お
よび圧力緩衝室を同一方向に配置している。 (以下の説明は請求項1、に関連する。) 圧電体ブロックにおけるインク圧力室、駆動部兼隔離壁
および圧力緩衝室、固定壁の配列には、固定壁、インク
圧力室、駆動部兼隔離壁および圧力緩衝室を同一方向に
この順番に配列した形態(以下、このような形態の圧電
体ブロックを圧電体ブロック(A)という。)と、固定
壁、第一のインク圧力室、第一の駆動部兼隔離壁、圧力
緩衝室、第二の駆動部兼隔離壁および第二のインク圧力
室を同一方向にこの順番に配列した形態(以下、このよ
うな形態の圧電体ブロックを圧電体ブロック(B)とい
う。)とがある。
【0055】ここで図1に、圧電体ブロックをインク圧
力室、圧力緩衝室と同方向に複数配列した形態のインク
ジェット記録ヘッドの一例における斜視図を示す。図1
においてインクジェット記録ヘッド1は、固定壁6、イ
ンク圧力室3、電極7を有する駆動部兼隔離壁4、圧力
緩衝室5がこの順に同方向に並んで配列した圧電体ブロ
ック2を、更にインク圧力室、圧力緩衝室の配列方向と
同方向に配列して構成されている。
【0056】圧電体ブロック2の前面には、インク圧力
室3の開口部に対応するようにノズル8を設けたノズル
板9が接合され、圧電体ブロック2の背面にはインク導
入部10が設けられている。また、図1に示すようにノ
ズルの配列方向を厚さ方向、ノズル板の面に関して厚さ
方向と垂直の方向を幅方向、その両方に垂直な方向を長
さ方向とする。 (以下の説明は請求項4、7、33に関連する。) インクジェット記録ヘッドでは多数のノズルを有すると
印字や描画が高速となる。したがって、圧電体ブロック
(A)や圧電体ブロック(B)を、インク圧力室と圧力
緩衝室の配列方向と同一の方向(厚さ方向)や、インク
圧力室と圧力緩衝室の配列方向と垂直方向で、かつイン
ク圧力室の長手方向と垂直な方向(幅方向)、あるいは
その両方の方向に複数個配列して、多数のノズルを有す
るインクジェット記録ヘッドを構成することが好まし
い。
【0057】このとき、圧電体ブロック(A)および圧
電体ブロック(B)を、単独の種類で、あるいは混在さ
せて配列し、インクジェット記録ヘッドを構成してもよ
い。 (以下の説明は請求項5に関連する。) 圧電体ブロック(A)および(B)は、圧電材料を含む
粉末を焼成して一体成形したブロック成形体であると、
組み立てが不要であるので工程数が減ることや、接着が
必要がないため接着層の寸法を考慮する必要がなく、所
定の形状とすることが容易であること、またインク圧力
室や駆動部兼隔離壁などのインクジェット記録ヘッド全
体の剛性を高めることが出来るため好ましい。
【0058】特に駆動部兼隔離壁の幅方向に関する壁と
の接合部分が、圧電セラミックスの一体成形であると、
駆動部の歪みを駆動部兼隔離壁の撓みに変換する効率が
高くなることや、変形特性に大きく影響を与える接着部
がないため、複数の駆動部兼隔離壁の振動特性を一定と
することが容易であるため好ましい。
【0059】また、インク圧力室を構成する壁の部分に
も接着部が無いとインク圧力室の剛性が高くなるため、
吐出効率および吐出周波数が高くなるため好ましい。 (以下の説明は請求項6に関連する。) この一体成形の圧電体ブロックは、圧電材料の粉末を例
えば樹脂等の結合剤と混練した後にシートを成形し、こ
のシートを積層・圧着して形成した積層体を焼成したも
のであると好ましい。
【0060】これは圧電材料をシートにしたものは薄層
化することが容易であるため、厚さ方向におけるノズル
配列を高密度化することが容易であることや、燒結させ
る前の圧電材料の粉末を含むシートは、加工が容易であ
るため製造が容易であり、歩留まりを向上できるためで
ある。
【0061】圧電体ブロックは、圧電性を有する材料か
らなり、圧電セラミックスや、圧電単結晶などにより構
成される。圧電セラミックスとしては、チタン酸ジルコ
ン酸鉛、チタン酸バリウムおよびチタン酸鉛などが使用
できる。また圧電単結晶としては、水晶、ニオブ酸リチ
ウムおよび単結晶チタン酸ジルコン酸鉛などが使用でき
る。 (以下の説明は請求項11に関連する。) インクジェット記録ヘッドを、2つ以上の圧電体ブロッ
クで構成する場合において、圧電体ブロックの集合体を
形成する場合には、以下のような形態が挙げられる。一
つの形態は、圧電体ブロック同士を接合することなく個
々に配置する形態であり、もう一つの形態は、圧電体ブ
ロック同士を接合して集合体を形成する形態である。
【0062】圧電体ブロックを互いに接合することなく
個別に配置する場合は、例えば、ノズル板やインク導入
部に複数の圧電体ブロックを一つ一つ接合して固定する
方法が挙げられる。また、圧電体ブロックをいくつか並
べた後、枠体等で囲み、配列した圧電体ブロックを枠体
でしめつけて固定する方法などがある。
【0063】この方法によると一旦組み上げたインクジ
ェット記録ヘッドのインク圧力室の間隔がずれていた場
合などに、組み上げた圧電体ブロックを再加工するなど
の手法を行うことが出来るため好ましい。 (以下の説明は請求項9、10に関連する。) 一方、圧電体ブロックを接合して集合体としたインクジ
ェット記録ヘッドを形成する場合には、圧電体ブロック
をエポキシ系等の接着剤によって接着したり、圧電体ブ
ロックが焼結によって接合した形態となるよう、圧電材
料の粉末を結合剤と混練して成形したシートからなる積
層体を形成した後、焼成して圧電体ブロックが焼結によ
って接合した形態とすることが好ましい。
【0064】ここで圧電体ブロックの集合体は、圧電体
ブロックを厚さ方向または幅方向に並べて板状にした
り、厚さ方向および幅方向に並べてブロック状にした
り、また、一段目に4個、二段目に3個、三段目に2個
ずつ並べて階段状にしたりして形成する。 (以下の説明は請求項12、13に関連する。) これらの圧電体ブロックの集合体は、お互いに接合する
ことなく別々に配置しても、また、圧電体ブロックの集
合体同士を接着剤などで接合してもよい。圧電体ブロッ
クの集合体を配置する形態には種々のものがあり、適宜
最適な配置を採用する。例えば、列状の圧電体ブロック
の集合体を厚さ方向または幅方向に並べたりする形態が
ある。 (以下の説明は請求項14に関連する。) 圧電体ブロック(A)および(B)のいずれの形態にお
いても、インク圧力室に関して駆動部兼隔離壁の反対側
は変形しない固定壁である。この固定壁は変形させる必
要がないため、インク圧力室および圧力緩衝室の配列方
向における長さ(以下、厚さという。)を長くすること
ができる。そのため、圧電体ブロックおよび圧電体ブロ
ックを組み合わせて得られるインクジェット記録ヘッド
の強度を、向上させることができるものである。
【0065】また、製造過程におけるインクジェット記
録ヘッドの強度も向上するため、取り扱いを容易にし、
歩留まりを向上させることが出来るものである。
【0066】またインク圧力室を構成する壁が、駆動部
兼隔離壁以外の部分が固定壁を含む厚い壁となること
で、インク圧力室の剛性を高くすることができ、駆動部
兼隔離壁で発生した機械的なエネルギーを損失すること
なく吐出のエネルギーに変換することができ、低駆動電
圧での吐出を可能とするものである。
【0067】また、インク圧力室を構成する壁の剛性が
高いことにより、インク圧力室自体の共振周波数が高く
なり、吐出の繰返し周波数を高くすることが出来るもの
である。
【0068】以上のように、固定壁の厚さはノズルの配
列密度が許す範囲で厚くすることが好ましい。 (以下の説明は請求項15に関連する。) また、固定壁が駆動部兼隔離壁などよりも強固な部分を
含んでいると、更にインクジェット記録ヘッドの強度が
向上する。例えば、圧電セラミックス粒子が、駆動部兼
隔離壁を構成する部分よりも、更に高密度に結着(焼
結)している板を作成し、このセラミックス板を固定壁
として配置する。このときセラミックス板の幅方向の長
さ(以下、幅という。)がインク圧力室およびインク緩
衝室よりも長いと、固定壁が支柱として働くため更に好
ましい。
【0069】上記のような圧電セラミックス板のかわり
に、ステンレス等の金属板を用いることもできる。また
圧電セラミックス粒子に白金等の粒子を混合して強度を
向上させて成形した板や、アルミナやジルコニアなどの
圧電セラミックス以外の強度の高いセラミックスの板を
用いてもよい。 (以下の説明は請求項16に関連する。) また、固定壁に例えば圧力緩衝室と同程度の大きさの中
空部分を設けると、固定壁の剛性は多少落ちるが、柔軟
性が向上するため、粘り強い固定壁を形成することが出
来る。
【0070】また、固定壁にセラミックスの燒結体の板
を用いる場合には、セラミックスを板状に成形した際に
混練した、樹脂などの結合剤を容易に除去できるため、
内部に巣や割れなどのない固定壁を形成することが容易
となるものである。
【0071】ここでインク圧力室はインクが充填される
ため、インクジェット記録ヘッドの製造直後には完全な
空隙となっている必要がある。またインク圧力室にイン
クを充填してノズルより吐出させる場合には、インク圧
力室に気泡が残留していると駆動部兼隔離壁の変形エネ
ルギーが気泡を圧縮するのみに使われ、インクをノズル
より吐出させることが出来ない。
【0072】インクをインク圧力室に気泡を残すことな
く充填させるため、インク圧力室の内壁は充填するイン
クが良く濡れるような特性とするか、またはインク圧力
室を気泡が残留しにくい形状とすることが好ましい。イ
ンク圧力室内が水性インクに良く濡れるようにするため
には、燒結後にインク圧力室の内面に親水性膜を設ける
ことが好ましい。
【0073】また気泡の残留しないインク圧力室の形状
としては、インク導入部およびノズルへ向かって、イン
ク圧力室が細くなっていくようなテーパー形状となって
いることが好ましい。 (以下の説明は請求項18に関連する。) 圧力緩衝室は隣接する駆動部兼隔離壁で発生した吐出エ
ネルギーを隣接するインク圧力室以外に伝播させない働
きをするものであり、基本的には空気以外何も入ってい
ない状態が好ましいが、インクジェット記録ヘッドの強
度を向上させるために何らかの材料が充填されていても
よい。
【0074】このような場合に圧力緩衝室に充填される
材料としては、圧力減衰効果の大きい材料が好ましく、
例えば発泡ゴム、発泡ウレタンなどが使用できる。
【0075】また圧力減衰効果を高めるため、圧力緩衝
室は空気の流入経路を介して外部と連通していることが
望ましい。圧力緩衝室が外部と連通していることによっ
て、大きな圧力減衰効果が得られるものである。 (以下の説明は請求項19に関連する。) なお圧力緩衝室は隣接するインク圧力室に導入されるイ
ンクや、ノズルから吐出されたインクを吸引などして汚
染されないようにするため、インク圧力室が開口してい
る側には開口させないことが好ましい。
【0076】また、ノズル板を貼る場合、圧電体ブロッ
クとノズル板の接合面積を多くするため、圧力緩衝室の
開口部はインク圧力室の開口面側に無いことが好まし
い。これによりノズル板の接合を容易にし、かつ正確に
行えるようになる。
【0077】圧力緩衝室の開口部がインク圧力室の開口
面側に無いようにするためには、圧力緩衝室もしくはイ
ンク圧力室を、互いに圧電体ブロックの別の面に露出す
るように屈曲させることが有効である。
【0078】なおインクを吐出するノズルは、インク圧
力室の開口部をそのまま利用したり、インク圧力室と連
通するような孔を穿孔したノズル板をインク圧力室が開
口する面に貼り付けて設けたりする。
【0079】インク圧力室の開口部をノズルとすると、
複数の微細なノズルの形状を均一に形成することが困難
であるため、通常は別にノズルを設けたノズル板をイン
ク圧力室の開口部に合わせて接合する。
【0080】このノズル板は、インク圧力室の剛性を高
くするために剛性が高く、またインクと化学的な反応を
しない材料で構成されていればよく、セラミックスや金
属、樹脂などが好適に用いられる。 (以下の説明は請求項20に関連する。) 圧電素子を駆動する電極の、駆動部兼隔離壁内における
配置には種々の形態がある。駆動部兼隔離壁の電極の対
向する部分が、インク吐出のエネルギーを発生する圧電
素子となる部分である。
【0081】その一つの駆動部兼隔離壁にある電極が二
つの場合の、電極の配置の好ましい形態の一つは、一対
の電極のうち一つの電極を駆動部兼隔離壁の内部に設
け、もう一つの電極を駆動部兼隔離壁のインク圧力室に
露出する面または圧力緩衝室に露出する面に設ける構造
である。
【0082】このように、電極に挟まれておらず電圧を
印加しても歪みを発生しない部分(以下、規制部とい
う。)と、電極に挟まれ電圧を印加することによって歪
みを発生する部分(以下、駆動部という。)とを、駆動
部兼隔離壁内に形成すると、印加電圧の極性と駆動部の
分極方向によって、駆動部兼隔離壁の撓み方向を一意に
設定しうるものであり、インク吐出の制御を自在に行う
ことができるものである。
【0083】特に露出される電極は、圧力緩衝室に露出
させることがより好ましい。これはインク圧力室に電極
を露出させると、インクとの電気化学反応により電極が
劣化したり、インクから析出物が発生して、ノズルつま
りの原因となったりするためである。 (以下の説明は請求項21、22に関連する。) また、電極の配置の他の好ましい形態は、電極の一つを
インク圧力室から所定の距離(L1)をおいて設け、も
う一つの電極を圧力緩衝室から所定の距離(L2)をお
いて設ける。
【0084】このような構成をとると、電極がセラミッ
クスの中に配置されてインクに触れることがないため、
電極が剥離したり、電極がインクに対して電気化学的な
反応を起こさせることがないため好ましい。この場合に
はL1とL2を異ならせておくことによって、印加電圧の
極性と駆動部の分極方向によって駆動部兼隔離壁の撓み
方向を一意に設定できるめ、インク吐出の制御を自由に
行うことができるものである。
【0085】例えば、一対の電極に挟まれた駆動部が収
縮するような方向に電界の方向を設定した場合には、L
1>L2とすると、駆動部兼隔離壁はインク圧力室の体
積を減少させる方向に撓み、逆に電極に挟まれた部分が
延伸する場合には、インク圧力室の体積を増加させる方
向に撓む。
【0086】この場合にL1とL2の長さが近いと駆動部
兼隔離壁の撓み量が大きくなりにくいため、L1とL2の
長さは大きく異ならせておくことが好ましい。
【0087】また特に、L1>L2としておくことが好ま
しい。これはインク圧力室と電極の間にあるセラミック
スを厚くしておくことにより、万が一の場合にも、イン
クと電極の接触の確率を低くすることができるものであ
る。 (以下の説明は請求項24に関連する。) 上記した駆動部兼隔離壁にある電極の形態のいずれにお
いても、駆動部兼隔離壁の内部に設けた一対の電極の間
に1つ以上の電極を設けると、さらに低電圧での駆動が
可能となる。
【0088】この場合には複数の電極に挟まれた駆動部
が同じ方向に伸縮するように電界の向きおよび分極方向
を設定する。 (以下の説明は請求項21に関連する。) また、電極の配置の他の好ましい形態は、第一の電極を
駆動部兼隔離壁のインク圧力室に露出する面に設け、第
二の電極を駆動部兼隔離壁の内部に設け、さらに第三の
電極を駆動部兼隔離壁の圧力緩衝室に露出する面に設け
るものである。
【0089】この場合には、駆動部兼隔離壁内部の電極
が存在せず、第一と第三の電極だけでも、駆動部兼隔離
壁を撓ませることは可能であるが、その撓み方向を一意
に決定することができないため、先に述べた第二の電極
を含む三つの電極を設けることがより好ましい。
【0090】このように電極を配置した場合には、第二
の電極によって2つに分割された駆動部兼隔離壁が互い
に逆方向に伸縮するように制御する、あるいは同方向に
伸縮するが伸縮する量を異ならせるようにすることによ
って駆動部兼隔離壁の撓み方向を一意に設定でき、イン
ク吐出制御を自由に行うことができるものである。
【0091】第二の電極によって二つに分割された駆動
部兼隔離壁を、互いに逆方向に伸縮させる場合には、例
えば第一の電極と第二の電極に挟まれた部分(第一駆動
部)が延伸し、第二の電極と第三の電極に挟まれた部分
(第二駆動部)が収縮するように、各電極間の電圧の極
性と駆動部の分極方向を制御すると、駆動部兼隔離壁は
インク圧力室側に撓みインクを吐出する。
【0092】この場合には、第一駆動部のみが延伸した
場合、または第二駆動部のみが収縮した場合よりも低電
圧で大きな撓みを得ることが出来るため、効率的にイン
クを吐出することができるものである。
【0093】第二の電極によって、二つに分割された駆
動部兼隔離壁を、同方向に延伸させる場合には、例えば
インク圧力室に接する第一駆動部の延伸量が、圧力緩衝
室に接する第二の駆動部の延伸量より大きくなるように
する。
【0094】このためには、第一および第二の駆動部に
印加する電圧の向きと分極方向を共に延伸するように設
定し、第一の駆動部に印加される電界強度の大きさを、
第二の駆動部に印加される電界強度より大きくなるよう
にすることによって、駆動部兼隔離壁が圧力室側に撓み
インクを吐出することができるものである。
【0095】第一および第二の駆動部を共に収縮させる
場合についても同様に、電界の向き、および強度を適当
に設定することによってインク吐出することが出来るも
のである。 (以下の説明は請求項24に関連する。) この電極配置の形態の場合にも、対向する電極の間に1
つ以上の電極を設けてもよい。この場合には、インク圧
力室にもっとも近い駆動部と、圧力緩衝室に最も近い駆
動部は、互いに逆方向に伸縮するように電界の向きおよ
び分極方向を設定する。
【0096】駆動部兼隔離壁の内部の電極によって仕切
られた駆動部はどちらの向きに伸縮しても良く、また伸
縮しなくても良い。もっとも好ましくは駆動部兼隔離壁
の中央に電極を配し、中央の電極で仕切られた駆動部兼
隔離壁が互いに逆方向に変形するよう電界の向きおよび
分極方向を設定されていることである。この場合に最も
効率的なインク吐出を行うことが出来る。 (以下の説明は請求項28に関連する。) また駆動部兼隔離壁に配置されている電極のうち、イン
ク圧力室に露出する電極が接地されていると、印加した
電圧によりインクに電流が流れることがなく、電流が流
れた場合に生じる電気化学な反応によって、電極が消耗
したり染料が析出したりする等の問題が発生するのを防
止することができるため好ましい。 (以下の説明は請求項19に関連する。) さらに、いずれの電極においても電極が網目状構造にな
っていると、電極を挟んで隣接する圧電体同士を電極の
網目の間を通して接合することができ、インクジェット
記録ヘッドの強度をより向上させることができるもので
ある。
【0097】またインク圧力室や圧力緩衝室に露出する
電極の場合についても、電極と圧電セラミックスとの燒
結時の収縮率の差に基づく歪みを緩和させることが出来
るため好ましい。
【0098】電極を網目状に形成するには、金属板また
は金属薄膜に網目状のパターンを形成したり、金属の量
を適当に調整したペーストを所定の厚さに印刷して燒結
時に網目状になるようにしたり、電極材料と微粒子の圧
電体を混合したペーストを作成して印刷したり、または
網目状に印刷したりして形成される。
【0099】電極は、電気伝導性の良い材料からなり、
例えば、金属を用いて作成される。使用できる金属とし
ては銀、パラジウム、金および白金などがあげられる。
【0100】上記のような構成のインクジェット記録ヘ
ッドにおいては、各電極間に電圧を印加することによっ
て歪みを発生する駆動部兼隔離壁の範囲は、電極の対向
する駆動部分であり、その歪みによって駆動部兼隔離壁
が撓むという仕組みとなっている。
【0101】また、ノズルから吐出するインク量は、駆
動部兼隔離壁がインク圧力室側に撓むことによって与え
る体積変化の量で決まる。そのため駆動部兼隔離壁に設
けられた電極が対向する部分の幅が、いずれの駆動部兼
隔離壁においても等しくなるようにすることが好まし
い。
【0102】このようにすると、どのインク圧力室の体
積変化の量も同じにすることができ、その結果インク吐
出量が均一になり、画質の良い描画が行う事が出来るも
のである。 (以下の説明は請求項29に関連する。) 特に、電極が対向する部分の幅が、インク圧力室および
圧力緩衝室が対向する部分の幅よりも小さいと、駆動部
兼隔離壁におけるの梁構造の付け根部分が、大きく変形
および移動をしないため、駆動部兼隔離壁の電極間で発
生させた歪みを損失することなく駆動部兼隔離壁の撓み
へと変換して、インク圧力室に体積変化を与えることが
できるものである。 (以下の説明は請求項30に関連する。) また、駆動部兼隔離壁の一対の電極のうち、一つの電極
の幅が隣接する電極の幅よりも大きいと、製造上の問題
により、対向する電極の位置が幅方向に多少ずれても、
駆動部兼隔離壁の電圧が印加される部分の幅が変わらな
いため、駆動部の歪み量、つまり駆動部兼隔離壁の撓み
量を一定として、ノズルから吐出するインク量を均一に
することができるものである。 (以下の説明は請求項31、32に関連する。) このとき、一方の電極がインク圧力室および圧力緩衝室
が対向する部分に含まれ、もう一方の電極がインク圧力
室および圧力緩衝室が対向する部分を分断するようにす
ると、上記の吐出の効率化、および吐出均一性の効果を
実現しやすい構造となるため好ましい。
【0103】さらに、分断する電極の厚みが、隣接する
電極よりも大きいと支柱の効果が更に高まり、駆動部兼
隔離壁の強度が向上するため好ましい。 (以下の説明は請求項33に関連する。) インク圧力室と圧力緩衝室が対向する部分は、撓みを発
生して実質的にインク圧力室に体積変化を与えて、イン
ク吐出させる駆動部兼隔離壁の部分であり、いずれの駆
動部兼隔離壁においても、このインク圧力室と圧力緩衝
室対向する部分の幅が等しくなるようにすると、複数の
駆動部兼隔離壁の振動特性が一様になり、複数のノズル
から吐出するインクを均一にすることができ、高画質な
描画を可能とする。
【0104】このとき、隣接するインク圧力室と圧力緩
衝室の幅を異ならせておくと、製造上の問題でどちらか
の位置が幅方向にずれたとしても、インク圧力室または
圧力緩衝室の幅の狭い方の一方が、インク圧力室と圧力
緩衝室の対向する部分の幅となるため、駆動部兼隔離壁
の撓みを発生する梁の幅が変化するのを防止することが
できる。
【0105】隣接するインク圧力室と連通するノズル間
の距離が厚さ方向や、幅方向に一定であったりすると、
描画の際のインクジェット記録ヘッドや被記録媒体(例
えば紙など)の移動を、一定速度や一定のステップとす
ることが出来るため、インクジェット記録ヘッドおよび
被記録媒体の移動させる機構や走査方法を単純にするこ
とが出来るため好ましい。
【0106】インクジェットプリンタでは描画を行なう
際に、インクジェット記録ヘッドおよび印刷対象(たと
えば紙など)を互いに垂直方向に移動させる。ノズルが
インクジェット記録ヘッドの移動方向(主走査方向)に
直線状に配列され、この主走査方向に直線状に配列した
ノズルの列を、更に印刷対象の移動方向(副走査方向)
にm列配列した形態のインクジェット記録ヘッドにおい
えては、すべてのノズルが副走査方向に投影した場合
に、重なり合うことが無く配列していることとが好まし
い。
【0107】 (以下の説明は請求項35に関連する。) こうすることによって仮想的にノズルの配列密度を高く
することができ、高画質の描画を実現できるものであ
る。
【0108】これは任意のノズルの列における一つのノ
ズルに対して、主走査方向において最も近接する他の列
のノズルとの、主走査方向におけるズレ量(X)が、一
つのノズル列における隣接するノズルの間隔(P)に対
して、X≦P/mであることによって実現できる。こう
して形成したインクジェット記録ヘッドによって、副走
査方向に投影したノズルの配列密度を最も高く配置する
ことができ、高画質な描画を実現できるインクジェット
記録ヘッドを構成することができるものである。
【0109】このときノズルの配列方向とインク圧力
室、圧力緩衝室の配列方向は同じであっても、異なって
いても良いが、同方向であると、インク圧力室とノズル
の位置あわせが容易となり、ノズル板の接合が確実とな
るため好ましい。しかし製造上の誤差により、インク圧
力室の間隔とノズルの間隔がわずかに異なっている場合
には、ノズルの配列方向とインク圧力室、圧力緩衝室の
配列方向に角度をつけて異ならせることにより、すべて
のノズルをインク圧力室の開口面の中に配列させること
ができ、製造上の誤差を吸収できるものである。 (以下の説明は請求項36に関連する。) また、第一のノズルの列と、これに隣接するノズルの列
では、インクを吐出するタイミングを、それぞれのノズ
ルの列における列同士の距離だけ時間的に遅延させる必
要がある。
【0110】通常、この遅延時間は記録解像度に相当す
るパルス信号を基準にして、パルス数を変化させること
によって遅延時間を調節するものである。
【0111】記録解像度は、通常は被記録媒体の縦横で
同じ解像力を選択するため、上述したズレ量(X)が、
記録解像度を決定する。
【0112】第一のノズルの列と、これに隣接する第二
のノズルの列との、副走査方向における距離が、隣接す
るノズルの列におけるノズルのズレ量(X)の倍数であ
ると、ノズルの列の吐出のタイミングを、記録解像度に
相当するパルスを基準として合わせることが可能となる
ため好ましい。
【0113】以下に、図面を参照して本発明をより詳細
に説明する。 (実施の形態1) 既に示した図1を用いて、本発明実施の形態1について
更に詳細に説明する。図1に示したインク導入部10
は、インク一色につき一つ以上に他色と仕切られて設け
られている。
【0114】このインク導入部10は圧電体ブロック2
中に一体に製造されるか、別に製造されたインク導入部
10を圧電体ブロック2に接合する。
【0115】図1に示したインクジェット記録ヘッド
は、固定壁6、インク圧力室3、電極7を有する駆動部
兼隔離壁4、圧力緩衝室5が同一方向に配列した構造を
含む圧電体ブロック2より構成した。このような構成の
圧電体ブロックを圧電体ブロック(A)とする。このよ
うな圧電体ブロックは、例えば圧電セラミックスの粉末
を結合剤と混合し、所望の形状の型などに充填して成形
し、その後型から外して焼成するか、型を焼失可能な樹
脂を用いて形成して、型と一体で焼成することによって
燒結した圧電体ブロックを得ることが出来る。
【0116】また、別の製造方法としては圧電セラミッ
クスグリーンシートの積層工法によって製作することが
できる。
【0117】例えば、固定壁シートにインク圧力室に相
当する圧力室用空隙を形成した圧力室シート、電極を印
刷や転写などにより設けた駆動部兼隔離壁シート、圧力
緩衝室に相当する圧力緩衝室用空隙を加工した圧力緩衝
室シートを所定の順序で繰返し積層し、(図1のインク
ジェット記録ヘッドを製作する場合には5回繰り返
す。)必要ならば熱および圧力で接着し、その後一体に
焼成する事によって圧電体ブロックの集合体を得る。そ
して形成した圧電体ブロックの集合体にノズル板、必要
ならばインク導入部を接合する。
【0118】図1では、圧電体ブロックを厚さ方向に1
列に配列させてインクジェット記録ヘッドを構成した
が、図2(a)に示すように幅方向のみに1列配列させ
たり、図2(b)に示すように、厚さ方向および幅方向
にそれぞれ同数づつ配列させたり、また、図2(c)に
示すように、厚さ方向および幅方向で階段状に配列させ
たりすると、一定範囲にあるインク圧力室とこれに連通
するノズルの数を多くすることができ、描画速度向上の
効果が得られるものである。
【0119】このように複数の圧電体ブロックで構成さ
れるインクジェット記録ヘッドは、セラミックスを一体
で焼結して形成したり、焼結した圧電体ブロック同士を
接着剤で複数接合したり、あるいはノズル板やインク導
入部に所定の順序で接合したり、あるいは圧電体ブロッ
クを複数並べて、全体を枠体で固定するなどして形成さ
れる。
【0120】上記のようなインクジェット記録ヘッドの
動作の一例を、図3を参照しながら説明する。
【0121】電極17aおよび17bに挟まれた駆動部
14aが幅方向に縮むように電極17aと17bの間に
電圧を印加すると、電極17aおよび17bに挟まれて
いない規制部14bは変形しないために、駆動部14a
と規制部14bの歪み量の差により、駆動部兼隔離壁4
は全体として図3に示すように左側に膨らむように撓
み、インク圧力室3の体積を減少させる。このとき、イ
ンク圧力室3に充填されているインクは、駆動部兼隔離
壁4の撓み変形の分だけ押しのけられて、インク圧力室
に連通したノズル8より吐出される。
【0122】その後、電圧印加を解除すると駆動部兼隔
離壁は元の位置に戻る。このとき、インク圧力室は吐出
したインクの体積の分だけ大気圧に比べ負圧となるた
め、インク圧力室のノズル側およびインク導入側から気
体および液体を吸引する力が発生する。
【0123】ところが、吐出ノズル側はノズル部におけ
るインクの表面張力により、外部の気体がインク圧力室
内部に引き込まれる事が防止される。この効果により、
ノズルからインク圧力室に気泡を混入させず、次のイン
ク吐出を可能とする。
【0124】インク圧力室に気泡が混入すると、気泡の
圧縮に駆動部兼隔離壁の撓みのエネルギーが使われるた
め、インク吐出が不可能となるものである。一方、イン
ク導入部側からは、ノズルより吐出された分のインクが
インク圧力室に導入され、次のインク吐出が可能な状態
となるものである。
【0125】このように、電極17aおよび17bへ印
加する電圧の極性と、駆動部14aの分極方向により、
駆動部兼隔離壁4の撓み方向を一意に設定することがで
き、インク圧力室に充填したインクの吐出制御を自由に
行なうことができるものである。
【0126】なお、図1〜3ではインク圧力室と圧力緩
衝室の厚みが同一に描かれているが、圧力緩衝室は駆動
部兼隔離壁が撓む事のできるだけのスペースがあればよ
く、そのため圧力緩衝室の厚みを小さくしてインク圧力
室の配列間隔を狭め、ノズルの配列密度を高くすること
も可能である。
【0127】一方、インク圧力室の開口部はノズル板を
接合しない場合には、吐出孔径の大きさとすれば良い
が、ノズル板を接合する場合には、少なくともノズル径
よりも大きな開口部が必要となる。
【0128】更に、ノズル板接合時の位置ずれ、接着剤
のはみだしなどの部分を考慮すると、吐出ノズルの直径
が20〜30μm程度である場合には、ノズル径の3倍
程度以上の厚さの開口部があることが好ましい。 (実施の形態2) 本実施の形態では、図4に示すように、インクジェット
記録ヘッドを第一のインク圧力室3a、電極7aを有す
る第一の駆動部兼隔離壁4a、圧力緩衝室5、電極7b
を有する第二の駆動部兼隔離壁4b、第二のインク圧力
室3b、固定壁6が同方向に配列した構造を含む圧電体
ブロック12より構成した。
【0129】このような構成の圧電体ブロックを、圧電
体ブロック(B)とする。圧電体ブロック(B)を用い
る以外は、実施の形態1と同様にしてインクジェット記
録ヘッドを構成した。この圧電体ブロック(B)の場合
には圧力緩衝室5を第一のインク圧力室3aおよび第二
のインク圧力室3bで共有しており、圧力緩衝室の中央
を基準として左右対称の構造となっている。
【0130】本実施の形態によると、図4に示すよう
に、インク圧力室に連通するノズルを等間隔Pに配置す
る場合に、左端の圧電体ブロック12の第二のインク圧
力室3bと、中央の圧電体ブロック12の第一のインク
圧力室3aの間に、厚さの厚い固定壁6を設けることが
出来るため、インクジェット記録ヘッドの剛性が高くな
り、信頼性が向上するものである。
【0131】また製造工程においても、インクジェット
記録ヘッドの強度が高くなるため取り扱いが容易で、歩
留まりを向上させることが出来るものである。また、イ
ンク圧力室と連通するノズルを等間隔でない配列とした
場合には、更にノズルの配列密度を高くすることができ
るものである。
【0132】例えば、それぞれの厚さをインク圧力室で
80μm、駆動部兼隔離壁で60μm、圧力緩衝室で8
0μmとした時に、インク圧力室に連通するノズルの間
隔が、インク圧力室、圧力緩衝室の配列方向で280μ
mであるとすると、固定壁の厚さは200μmとなる。
【0133】なお実施の形態1で製作したインクジェッ
ト記録ヘッドにおいては、インク圧力室、駆動部兼隔離
壁、圧力緩衝室の厚さ、およびノズル間隔を上記の場合
と同じとすると、固定壁の厚さは60μmとなる。
【0134】また、固定壁に図5に示すように中空部を
設けると、固定壁の強度は多少下がるものの、駆動部兼
隔離壁で発生した圧力エネルギーがインクを通して固定
壁に伝搬し、固定壁に歪みが生じた場合に固定壁の内部
で発生する歪みを緩和して、破壊されにくくすることが
できるものである。また固定壁が樹脂を混練したセラミ
ックス粉体を焼結させた物である場合には、樹脂を除去
することが容易になるため、製造にかかる時間を短く
し、また固定壁の中に予期しない巣や割れなどを発生す
ることが防止して歩留まりを向上することできるため、
インクジェット記録ヘッドの製造コストを低くすること
ができる。 (実施の形態3) 本実施の形態では、インクジェット記録ヘッドを図6に
示すようにインク圧力室3、電極7を有する駆動部兼隔
離壁4、圧力緩衝室5、固定壁6を同方向に積層した構
造を含む圧電体ブロック2と、第一のインク圧力室3
a、電極7aを有する第一の駆動部4a、圧力緩衝室
5、電極7bを有する第二の駆動部4b、第二のインク
圧力室3b、固定壁6が同方向に積層した構造を含む圧
電体ブロック12を混在して構成したこと以外は、実施
の形態1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを構成
した。
【0135】圧電体ブロック2および12は、固定壁6
を介して厚さ方向に配列しており、本実施の形態におけ
る効果は、実施の形態1および2において詳述したこと
と同様である。 (実施の形態4) 本実施の形態では、実施の形態1における圧電体ブロッ
ク2の駆動部兼隔離壁4に、電極を3つ設けた圧電体ブ
ロック22を作製した以外は、実施の形態1と同様にし
てインクジェット記録ヘッドを構成した。図7に示すよ
うに、駆動部兼隔離壁に電極27a、27b、および2
7cを設ける。そして、電極27bを接地または駆動電
極とし、その両側の電極27aおよび27cを電極27
bと逆の極性にして、駆動部24aと24bが同じ方向
に変形するように各電極間に電圧を印加する。
【0136】駆動部24aと24bとで、分極方向を逆
方向にして駆動部24aおよび24bを共に収縮させる
と、規制部24cは変形しないため、駆動部兼隔離壁4
はインク圧力室3の方に撓んで、インク圧力室3を圧縮
する。
【0137】本実施の形態によると、実施の形態1の場
合と比べ電極間の距離が約1/2となるため、同じ電圧
を印加した場合には電界強度が2倍となり、インク吐出
に必要な変形を得るための駆動電圧を約1/2にするこ
とができるものである。
【0138】また図7では3つの電極をいずれも駆動部
兼隔離壁の中央より右側にのみ設けたが、電極27cが
駆動部兼隔離壁の圧力緩衝室に露出し、かつ電極27b
が27aと27cの間にあれば、電極27aはインク圧
力室に露出する面以外のいずれの部分にあっても良く、
図7以外の電極位置においても同様の効果が得られるも
のである。 (実施の形態5) 本実施の形態では、電極を駆動部兼隔離壁のインク圧力
室に露出する面、前記駆動部兼隔離壁の内部、および駆
動部兼隔離壁の圧力緩衝室に露出する面に設けた他は、
実施の形態1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを
構成した。
【0139】図8に示すように、駆動部兼隔離壁4が圧
力室3に露出する面に電極37aを設け、駆動部兼隔離
壁4が圧力緩衝室に露出する面に電極37cを設ける。
また、電極37aと電極37cの間に電極37bを設け
る。
【0140】そして電極37aおよび37bとで挟まれ
る駆動部34aが延伸し、かつ電極37bおよび37c
とで挟まれる駆動部34bが収縮するように各電極間に
電圧を印加して、駆動部兼隔離壁4を撓ませることによ
りインク圧力室3を圧縮する。
【0141】このような構成をとると、更にインク圧力
室3の体積変化を起こさせる、駆動部兼隔離壁4の撓み
を大きくすることができる。このとき、電極37aおよ
び37cを接地電極とし、電極37bを駆動電極とする
と、圧力室3に充填されているインクに電流が流れるこ
とがないため、インクの劣化が抑制され、また電気化学
反応によりインク中からの析出物が発生して、ノズルつ
まりを発生することが無いため好ましい。
【0142】また図8に示す電極を配置した構造におい
て、駆動部34a、34bを共に延伸または収縮させて
もインク吐出制御を行うことが出来る。駆動部34a、
34bを共に延伸させる場合には、駆動部34aの延伸
量を34bよりも大きくすることによって、駆動部兼隔
離壁をインク圧力室側に撓ませてインク吐出することが
可能となる。
【0143】また駆動部を共に収縮させる場合には、駆
動部34aの収縮量を34bよりも小さくすることによ
って、駆動部兼隔離壁をインク圧力室側に撓ませること
が出来る。
【0144】このように電極で仕切られた駆動部の延伸
・収縮量を異ならせるためには、駆動部兼隔離壁にある
電極間に印加する駆動電圧と電極間の距離から決まる電
界強度を異ならせてやれば良い。
【0145】具体的には、例えば駆動部34a、34b
共に延伸させる場合には、印加電圧の極性と分極方向を
適当に設定し、駆動部34aの両端にある電極37a、
37b間にかかる電界強度を、駆動部34bの両端にあ
る電極37b、37c間にかかる電界強度より小さくす
れば良い。
【0146】駆動部を共に収縮させる場合についても、
同様の手法によりインク吐出することが可能である。 (実施の形態6) 本実施の形態では、駆動部兼隔離壁に電極を5つ設けて
圧電体ブロック42を作製した他は、実施の形態5と同
様にしてインクジェット記録ヘッドを構成した。図9に
示すように、駆動部兼隔離壁4に5つの電極47a〜4
7eを設ける。
【0147】そして、実施の形態5と同様に、駆動部兼
隔離壁を撓ませてインク圧力室3が体積変化を起こすよ
うに、駆動部44a〜44dを延伸または収縮するよう
に各電極間に電圧を印加する。またはいくつかの駆動部
を変形させなくても良い。
【0148】このように駆動部兼隔離壁に複数の電極を
設けることによって、さらに低電圧での駆動が可能とな
る。
【0149】なお、他の実施の形態で構成した、インク
圧力室側に電極の露出しないインクジェット記録ヘッド
の駆動部の電極に対して、本実施の形態を適用しても同
様の効果が得られる。 (実施の形態7) 本実施の形態では駆動部兼隔離壁の電極を、インク圧力
室および圧力緩衝室から距離L1およびL2の駆動部兼隔
離壁の内部に設けた他は、実施の形態1と同様にしてイ
ンクジェット記録ヘッドを構成した。図10に示すよう
に、インク圧力室3に近い側の電極7aを、インク圧力
室から距離L1の位置に設け、また圧力緩衝室に近い側
の電極7bを圧力緩衝室から距離L2の位置に設ける。
このような構成を取ると電極がインク圧力室や圧力緩衝
室などの外界に対して露出せず、セラミックスの内部に
あるため、セラミックスが電極の剥離防止や、インクか
らのカバーの役割をするためインクジェットヘッドの信
頼性を向上することができるものである。
【0150】この場合、L1≠L2とすることで、駆動部
兼隔離壁4の撓み方向を一意に設定することができ、イ
ンク吐出停止を自在に行なうことができるものである。
特にL1>L2とするとインク圧力室から電極までの距離
が長くなるために、電極とインクの相互作用による電気
化学的な反応が起こりにくく、電極やインクの劣化がな
いためインクジェットヘッドの信頼性を向上することが
可能となるものである。 (実施の形態8) 本実施の形態では、電極の幅をインク圧力室および圧力
緩衝室の幅よりも小さく設ける他は、実施の形態1と同
様にしてインクジェット記録ヘッドを構成した。図11
に示すように、電極57aおよび57bの幅をインク圧
力室3および圧力緩衝室5の幅よりも小さくして設け
る。
【0151】このような構成をとると、電圧を印加され
て変形する部分がインク圧力室および圧力緩衝室の幅よ
りも小さくなり、駆動部兼隔離壁4が撓む時の梁の付け
根部分が大きく移動や変形せずに固定されているため、
駆動部54aの変形を効率良く駆動部兼隔離壁4の撓み
に変換して、圧力室3に体積変化を与えられるため、低
電圧での効率的な吐出が可能となるものである。 (実施の形態9) 本実施の形態では、対向する電極の一つの幅が、もう一
方の電極の幅よりも大きくなるように設ける他は、実施
の形態1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを構成
した。図12に示すように、駆動部兼隔離壁4に電極6
7aおよび67bを設ける。
【0152】電極67aの幅は、インク圧力室3および
圧力緩衝室5の幅よりも大きく、電極67bの幅は、イ
ンク圧力室3および圧力緩衝室5の幅よりも小さくす
る。
【0153】このような構成をとると、駆動部兼隔離壁
4の梁として撓む場合の、幅方向の両側に電界が印加さ
れずに固定された部分が存在するため、実施の形態8と
同様の理由により、低電圧で効率的な吐出が可能とな
る。
【0154】また幅方向に長くした電極67aが駆動部
兼隔離壁の支柱の効果をすることにより、駆動部兼隔離
壁の強度が向上し、高い信頼性を確保できる物である。
【0155】また、電極67aおよび67bの位置が、
製造上の誤差によりインク圧力室と圧力緩衝室の対向す
る部分の範囲で幅方向に多少ずれても、電圧の印加され
る駆動部64aの幅が変らないため、駆動部兼隔離壁の
撓み量を一定とし、各ノズルから吐出するインクの量を
均一にすることができるものである。
【0156】なお、駆動部兼隔離壁に電極を複数個設け
た場合も、隣接する電極の幅を一方を狭くし、もう一方
を大きくすることによって、同様の効果が期待できる。
【0157】また図12の紙面の奥行き方向である、長
さ方向に対しても、一対の電極のうち一方の電極を長
く、他方を短くすることによって、同様に製造誤差を吸
収して電界の印加される部分の長さを一定としうること
によって、吐出均一性の効果を得ることが出来るもので
ある。 (実施の形態10) 本実施の形態では、対向する電極の一つの幅がもう一方
の電極の幅よりも大きく、かつ厚みが大きいようにする
他は、実施の形態1と同様にしてインクジェット記録ヘ
ッドを構成した。図13(a)に示すように、駆動部兼
隔離壁4に電極77aおよび77bを設ける。電極77
aの幅および厚みは電極77bよりも大きくする。
【0158】このような構成をとると、厚さが薄く、ま
た繰り返しの変形をうけることにより劣化する可能性の
ある駆動部兼隔離壁4に対して、幅が広く、厚さの厚い
の電極77aが支柱の役割をするため、駆動部兼隔離壁
4の強度を向上することができる。そのため、インクジ
ェット記録ヘッドの強度も向上する。
【0159】図13(a)の電極77a、77bの幅と
長さを逆の関係にしても同様の効果が得られる。また駆
動部兼隔離壁に電極を3つ設けた構造である場合にも、
図13(b)のように一対の電極の一方の幅を広く、厚
さを厚く、つまり、電極77cおよび77eの幅および
厚みを電極77dよりも大きくしても、駆動部兼隔離壁
4の強度が向上する。
【0160】ここでも図13(b)においては電極77
cおよび77eと電極77dの幅および厚みを逆の関係
としても同様の効果が得られるものである。
【0161】また図13の紙面の奥行き方向である、長
さ方向に対しても、一対の電極のうち長さの長い、一方
の電極を厚くすることによって、駆動部兼隔離壁4の強
度を向上することができるものである。 (実施の形態11) 本実施の形態では、インク圧力室の幅と圧力緩衝室の幅
が異なるように設ける他は実施の形態1と同様にして、
インクジェット記録ヘッドを構成した。図14(a)に
示すように、圧力緩衝室5の幅をインク圧力室3より大
きくして設ける。
【0162】このような構成をとると、製造上の誤差に
よりインク圧力室3と圧力緩衝室5の位置が、圧力緩衝
室5の幅の範囲内でずれても、駆動部兼隔離壁4の梁と
して撓む部分の幅が変化することがなくなる。
【0163】このため複数の駆動部兼隔離壁の撓み量が
常に一定となり、各ノズルから吐出するインクの量を均
一にすることができるものである。同様の効果は、図1
4(b)に示すように、インク圧力室3を圧力緩衝室5
より長くすることによっても得られる。 (実施の形態12) 本実施の形態では、インク圧力室の開口面に圧力緩衝室
の開口面が露出しないようにした他は実施の形態1と同
様にして、インクジェット記録ヘッドを構成した。図1
5に示すように、圧力緩衝室をインク導入部側およびノ
ズル側に開口させない事により、ノズルから吐出したイ
ンクなどを吸引して汚染されることがない。
【0164】またインク圧力室の開口面にノズル板を接
合する場合には、同じ面に圧力緩衝室の開口部がないた
めノズルと本体との接合面が大きく取れ、接合が容易に
確実に行なうことができるものである。また、ノズルか
ら漏れたインクを圧力緩衝室が吸い込む事がなく、吐出
信頼性を向上することができるものである。 (実施の形態13) 本実施の形態では、実施の形態1で製作したインクジェ
ット記録ヘッドを、幅方向にm=2個、配列してインク
ジェット記録ヘッドを構成した。図16(a)および
(b)に、得られたインクジェット記録ヘッドをノズル
面から見た図を示す。図16(b)は図16(a)の要
部を拡大した図である。この時図16に示した厚さ方向
を、インクジェットプリンタにおけるインクジェット記
録ヘッドが移動する方向と、同一方向である事とする。
図16に示したインクジェット記録ヘッドの上側の列
の、左から数えてn番目のノズルをノズル8nとし、厚
さ方向において下側の列のノズルのうちノズル8nに最
も近接するノズルをノズル8sとする。
【0165】上側の列および下側の列、ともにノズル間
隔は一定値Pである。そして、上側の列の左からn番目
のノズル8nと、第二列の左からs番目のノズルとのノ
ズル配列方向におけるズレ(X)は、例えばX=1/3
・Pとなるようにし、上側のノズル列と、下側のノズル
列との距離は、例えば6Xとなるようにする。
【0166】このような構成をとると、効率よくノズル
を配置することができ、解像度に優れたインクジェット
記録ヘッドを得ることができ、またインクジェットプリ
ンタにおける印刷対象(例えば紙など)の移動ステップ
や、移動速度を一定とすることができ、インクジェット
プリンタの走査機構を、単純にしてインクジェットプリ
ンタの信頼性を高くし、コストを低くすることができる
ものである。
【0167】これは、実施の形態2で製作した圧電体ブ
ロック12を配列したインクジェット記録ヘッド、およ
び実施の形態3で製作した圧電体ブロック2および12
を混在して配列したインクジェット記録ヘッドにおいて
も同様の効果が得られるものである。
【0168】本実施の形態では、圧電体ブロックの幅方
向とノズルの配列方向を同一としたが、異なる方向であ
っても高画質な画像形成、および信頼性、低コストにお
いては同様の効果が得られるものである。また、ノズル
配列と圧電体ブロック配列を、適当に角度をつけて異な
らせた場合には、ノズルピッチと圧力室配列のピッチを
吸収して、インクジェット記録ヘッドの製造歩留まりを
向上させることができるものである。
【0169】
【発明の効果】上記のように本発明によると、構造強度
が高く、耐久性に優れ、エネルギー使用効率が良いため
低電圧駆動が可能で、圧力室の剛性が高いため高周波数
吐出が可能で、均一な吐出により高画質な印刷が実現で
き、解像度の高い画像形成が可能で、コストの安いイン
クジェット記録ヘッドが得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態として製作したインクジ
ェット記録ヘッドの斜視図である。
【図2】本発明の他の実施の形態として製作したインク
ジェット記録ヘッドの断面図である。
【図3】同インクジェット記録ヘッドの動作方法を示す
断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態として製作したインク
ジェット記録ヘッドの断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態として製作したインク
ジェット記録ヘッドの断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態として製作したインク
ジェット記録ヘッドの断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態として製作したインク
ジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態として製作したインク
ジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態として製作したインク
ジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態として製作したイン
クジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態として製作したイン
クジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態として製作したイン
クジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図13】本発明の他の実施の形態として製作したイン
クジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図14】本発明の他の実施の形態として製作したイン
クジェット記録ヘッドの要部の断面図である。
【図15】本発明の他の実施の形態として製作したイン
クジェット記録ヘッドの要部の斜視図である。
【図16】本発明の他の実施の形態として製作したイン
クジェット記録ヘッドのノズル部を示す図である。
【図17】従来のインクジェット記録ヘッドの断面図で
ある。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド 2、12、22、32、42、52 圧電体ブロック 3 インク圧力室 3a 第一のインク圧力室 3b 第二のインク圧力室 4 駆動部兼隔離壁 4a 第一の駆動部兼隔離壁 4b 第二の駆動部兼隔離壁 5 圧力緩衝室 6 固定壁 7、7a、7b、17a、17b、17c、27a、2
7b、27c、37a、37b、37c、47a、47
b、47c、47d、47e、57a、57b、67
a、67b、77a、77b、77c、77d 電極 8 ノズル 9 ノズル板 10 インク導入部 14a、24a、24b、34a、34b、44a、4
4b、44c、54a、54b、64a、64b 駆動
部 14b、24c 規制部 101 インクジェットヘッド 102 圧電セラミック材料 103 駆動電極 104 インク供給部 105 インク導入部 106 圧力室 107 ノズル孔 108 空洞部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永原 英知 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (72)発明者 雨宮 清英 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (72)発明者 橋本 雅彦 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (72)発明者 三浦 眞芳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 立川雅一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−3311(JP,A) 特開 昭63−160852(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク導入部より供給されるインクを吐出
    するノズルと連通するインク圧力室と、圧電素子および
    前記圧電素子を駆動する少なくとも2つの電極を含む駆
    動部兼隔離壁と、圧力緩衝室と、固定壁と、を具備する
    圧電体ブロック(A)を少なくとも1つ含むインクジェ
    ット記録ヘッドであって、 前記圧電体ブロック(A)は、固定壁、インク圧力室、
    駆動部兼隔離壁および圧力緩衝室を同一方向にこの順番
    に配列して構成され、前記固定壁は内部電極を有さず、
    前記インク圧力室に対して前記駆動部兼隔離壁側の1方
    向からのみ力を与えてインクジェットさせる構成をとっ
    ていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】インク導入部より供給されるインクを吐出
    するノズルと連通するインク圧力室と、圧電素子および
    前記圧電素子を駆動する少なくとも2つの電極を含む駆
    動部兼隔離壁と、圧力緩衝室と、固定壁と、を具備する
    圧電体ブロック(B)を少なくとも1つ含むインクジェ
    ット記録ヘッドであって、 前記圧電体ブロック(B)は、固定壁、第一のインク圧
    力室、第一の駆動部兼隔離壁、圧力緩衝室、第二の駆動
    部兼隔離壁および第二のインク圧力室を同一方向にこの
    順番に配列して構成され、前記固定壁は内部電極を有さ
    ず、前記第一及び第ニのインク圧力室に対して前記駆動
    部兼隔離壁側の1方向からのみ力を与えてインクジェッ
    トさせる構成をとっていることを特徴とするインクジェ
    ット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記固定壁の配列方向の厚みが、前記圧電
    体ブロック(B)の第一および第二のインク圧力室間の
    配列ピッチPから、第一および第二のインク圧力室の配
    列方向における厚みの和の1/2を差し引いた厚みであ
    り、かつ少なくとも2つの圧電体ブロックが積層されて
    いることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  4. 【請求項4】インク導入部より供給されるインクを吐出
    するノズル(A)と連通するインク圧力室(A)と、圧
    電素子(A)および前記圧電素子(A)を駆動する少な
    くとも2つの電極(A)を含む駆動部兼隔離壁(A)
    と、圧力緩衝室(A)と、固定壁(A)と、を具備する
    圧電体ブロック(A)と、 前記インク導入部より供給されるインクを吐出するノズ
    ル(B)と連通するインク圧力室(B)と、圧電素子
    (B)および前記圧電素子(B)を駆動する少なくとも
    2つの電極(B)を含む駆動部兼隔離壁(B)と、圧力
    緩衝室(B)と、固定壁(B)と、を具備する圧電体ブ
    ロック(B)と、 を少なくともそれぞれ一つ含むインクジェット記録ヘッ
    ドであって、 前記圧電体ブロック(A)は、固定壁、インク圧力室、
    駆動部兼隔離壁および圧力緩衝室を同一方向にこの順番
    に配列して構成され、前記固定壁(A)は内部電極を有
    さず、前記インク圧力室に対して前記駆動部兼隔離壁側
    の1方向からのみ力を与えてインクジェットさせる構成
    をとっており、 前記圧電体ブロック(B)は、固定壁、第一のインク圧
    力室、第一の駆動部兼隔離壁、圧力緩衝室、第二の駆動
    部兼隔離壁および第二のインク圧力室を同一方向にこの
    順番に配列して構成され、前記固定壁(B)は内部電極
    を有さず、前記第一及び第ニのインク圧力室に対して前
    記駆動部兼隔離壁側の1方向からのみ力を与えてインク
    ジェットさせる構成をとっていることを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記圧電体ブロック(A)および(B)
    が、圧電材料を含む粉末を焼成して一体成形したブロッ
    ク成形体である請求項1〜4のいずれかに記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】前記ブロック成形体が、前記粉末および結
    合剤から成形したシートを積層した積層体を焼成したも
    のである請求項5記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】前記圧電体ブロック(A)および/または
    (B)が、前記インク圧力室と前記圧力緩衝室の配列方
    向と同一の方向、または前記インク圧力室と前記圧力緩
    衝室の配列方向と垂直の方向に繰り返して配列している
    請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  8. 【請求項8】前記圧電体ブロック(A)および/または
    (B)が、前記インク圧力室と前記圧力緩衝室の配列方
    向と同一の方向、および、前記インク圧力室と前記圧力
    緩衝室の配列方向と垂直の方向に繰り返して配列してい
    る請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  9. 【請求項9】前記圧電体ブロック(A)および/または
    (B)の少なくとも2つが、焼成によって一体化してい
    る請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  10. 【請求項10】前記圧電体ブロック(A)および/また
    は(B)の少なくとも2つが、接着剤によって接合され
    ている請求項7または8に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  11. 【請求項11】前記圧電体ブロック(A)および/また
    は(B)が、互いに接合せずに所定の基材に配列してい
    る請求項7または8に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】前記圧電体ブロック(A)および/また
    は(B)の少なくとも2つが焼成によって一体化して構
    成される圧電体ブロックの集合体が、 前記圧電体ブロック(A)および/または(B)の少な
    くとも2つが焼成によって一体化して構成される他の圧
    電体ブロックの集合体に対して、又は前記圧電体ブロッ
    ク(A)および/または(B)に対して、 接着剤によって接合されている請求項7または8に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  13. 【請求項13】前記圧電体ブロック(A)および/また
    は(B)の少なくとも2つが焼成によって一体化して構
    成される圧電体ブロックの集合体が、 前記圧電体ブロック(A)および/または(B)の少な
    くとも2つが焼成によって一体化して構成される他の圧
    電体ブロックの集合体に対して、又は前記圧電体ブロッ
    ク(A)および/または(B)に対して、 接合せずに所定の基材に配列している請求項7または8
    に記載のインクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】前記固定壁の、前記インク圧力室および
    圧力緩衝室の配列方向と同一の方向の長さが、前記駆動
    部兼隔離壁の、前記配列方向と同一の方向の長さより
    も、長い請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  15. 【請求項15】前記固定壁が、前記駆動部兼隔離壁より
    も強固な部分を含む請求項1〜4のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  16. 【請求項16】前記固定壁が、中空部分を含む請求項1
    〜4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  17. 【請求項17】前記インク圧力室と連通するノズルが開
    口する側において、前記圧力緩衝室が閉塞している請求
    項1〜16のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  18. 【請求項18】前記圧力緩衝室が、外部に連なる空気流
    入出路と連通している請求項1〜17のいずれかに記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  19. 【請求項19】前記電極が、網目状構造である請求項1
    〜18のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  20. 【請求項20】前記電極は2つであることを特徴とする
    請求項1〜19のいずれかに記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  21. 【請求項21】前記電極の一方は、前記インク圧力室又
    は前記圧力緩衝室に露出している請求項20記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  22. 【請求項22】前記電極の一方は、前記圧力緩衝室に露
    出している請求項21記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  23. 【請求項23】前記電極の双方は、前記インク圧力室及
    び前記圧力緩衝室に露出している請求項20記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  24. 【請求項24】前記電極の双方は、前記駆動部兼隔壁の
    内部に埋設されている請求項20記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  25. 【請求項25】前記電極の一方が前記インク圧力室から
    前記配列方向において所定の距離(L1)をおいて設け
    られ、前記電極の他方が前記圧力緩衝室から前記配列方
    向において所定の距離(L2)をおいて設けられてお
    り、 前記L1と前記L2が、L1≠L2の関係を満たす請求項2
    4記載のインクジェット記録ヘッド。
  26. 【請求項26】前記電極の一方が前記インク圧力室から
    前記配列方向において所定の距離(L1)をおいて設け
    られ、前記電極の他方が前記圧力緩衝室から前記配列方
    向において所定の距離(L2)をおいて設けられてお
    り、 前記L1と前記L2が、L1>L2の関係を満たす請求項2
    4記載のインクジェット記録ヘッド。
  27. 【請求項27】前記2つの電極の間に、さらに他の電極
    が一つ以上配置されている請求項20〜26のいずれか
    に記載のインクジェット記録ヘッド。
  28. 【請求項28】前記駆動部兼隔離壁のインク圧力室に露
    出する面に設けられた電極が、接地されている請求項2
    1又は23に記載のインクジェット記録ヘッド。
  29. 【請求項29】前記駆動部兼隔離壁に設けられた電極が
    対向する部分が、インク圧力室および圧力緩衝室が対向
    する部分に含まれる請求項1〜28のいずれかに記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  30. 【請求項30】前記電極の一つにおける、前記インク圧
    力室と圧力緩衝室の配列方向に垂直な方向の長さが、前
    記電極と隣接する電極における前記と同方向の長さと異
    なる請求項29のインクジェット記録ヘッド。
  31. 【請求項31】前記電極の一つがインク圧力室および圧
    力緩衝室が対向する部分に含まれ、かつ前記電極と隣接
    する電極が、前記インク圧力室および圧力緩衝室が対向
    する部分を分断している請求項30記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  32. 【請求項32】前記含まれる一つの電極より、前記隣接
    する分断電極の方が、厚みが厚い請求項31記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  33. 【請求項33】前記インク圧力室における、前記配列方
    向に垂直な方向の長さと、前記圧力緩衝室における前記
    と同一方向の長さが異なる請求項1〜32のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  34. 【請求項34】前記圧電体ブロック(A)および/また
    は(B)のインク圧力室と連通するノズル間の距離が、
    同一方向において一定である請求項1〜33のいずれか
    に記載のインクジェット記録ヘッド。
  35. 【請求項35】インク圧力室に連通するノズルが、イン
    クジェットプリンタにおけるインクジェット記録ヘッド
    の移動方向と同一方向に任意の数配列されて構成された
    ノズル列を、前記移動方向に対して垂直な方向にm個配
    列して構成したインクジェット記録ヘッドであって、 前記各ノズルは、前記移動方向に対して垂直方向上では
    互いに重なり合うことなく配列され、 その各ノズルの内、前記移動方向を基準として最も近接
    するノズル同士のズレ量(X)が、同じ前記ノズル列に
    属する各ノズル間の距離(P)に対して、X≦P/mで
    ある請求項8記載のインクジェット記録ヘッド。
  36. 【請求項36】隣り合う前記ノズル列同士の、前記移動
    方向に対して垂直方向における、距離が、前記Xの倍数
    である請求項35記載のインクジェット記録ヘッド。
  37. 【請求項37】前記移動方向は、前記インク圧力室と、
    圧力緩衝室との配列方向と一致する請求項35のインク
    ジェット記録ヘッド。
  38. 【請求項38】前記移動方向は、前記インク圧力室と、
    圧力緩衝室との配列方向と一致しない請求項35のイン
    クジェット記録ヘッド。
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