JP3288659B2 - 硫黄化合物含有食品用脱臭剤の製法 - Google Patents

硫黄化合物含有食品用脱臭剤の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キレート化合物含
有肥料を施肥して栽培した野菜を用いた硫黄化合物含有
食品の脱臭剤及び脱臭法に属する。
【0002】
【従来の技術】腎臓の働きを活発にして血圧を下げ、動
脈硬化や冷え性の予防、疲労回復、新陳代謝促進作用、
食欲不振の解消、強壮作用等の効能があるニンニクには
特有の強い臭気がある。ニンニクを切ると、ニンニク中
のアミノ酸のアリインに酵素アリナーゼが作用し、硫化
アリルの一種であるアリシン(ジアリルチオスルフィン
酸エステル)が形成されて強烈な臭いを発生する。ニン
ニク以外のタマネギ、ネギ、アサツキ、ニラ、ラッキョ
ウ等もアリシンに類似した硫黄化合物により、特有の臭
いを発生する。
【0003】特有の臭いを脱臭するために、ニンニクを
加熱してアリナーゼを失活させる方法及び水や酢等に浸
しアリナーゼを溶解させる方法は公知である。また、特
開平5−43454号公報は、ニンニク製品に対しレモ
ン精油又はシトラール、オクチルアルデヒド等を加え、
マスキング効果により脱臭するアルキルサルファイドの
脱臭法を開示する。特開平9−103263号公報は、
ニンニクの硫化成分をペプチド又は糖類と結合させ不揮
発化合物に変換して無臭化する無臭ニンニクを開示す
る。特開平10−179075号公報は、20℃以下に
冷却した生ニンニクの実を擂り潰したペースト状物にビ
タミンB1及び/又はビタミンB1含有食材を混合し、
凍結乾燥、粉末状にした脱臭生ニンニクの製造法を開示
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】加熱及び溶解させる方
法では、ニンニク中のアリナーゼは完全に失活せず、ア
リインから形成されるアリシンは強烈な臭いを発生す
る。また、従来のように、レモン精油、ペプチド、ビタ
ミンB1等をニンニクに添加する脱臭化では、添加物質
の化学成分とアリシンとが単純に結合するだけで、分解
されないアリシンは特有の臭いを再発すると考えられ
る。そこで、本発明は、食用野菜からなりかつ混合する
ことにより特有の臭気を抑制できる硫黄化合物含有食品
の脱臭剤及び脱臭法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による硫黄化合物
含有食品用脱臭剤の製法は、重量基準で、カルシウム
(Ca)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、亜鉛
(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、セレ
ン(Se)、ゲルマニウム(Ge)及びクロム(Cr)から選
択される金属の1種又は2種以上の金属化合物0.01
〜4部と、グリシン、アラニン、ヴァリン、アルギニ
ン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、
スレオニン、チロシン、メチオニン及びシスチンから選
択される1種又は2種以上のアミノ酸に、ペンタル酸及
びヘキサル酸から選択される糖酸並びに酢酸、プロピオ
ン酸、クロトン酸、オレイン酸、ソルビン酸及びリノー
ル酸から選択される脂肪酸の何れか又は両方を加えたア
ミノ酸混合物1〜5部と、カリ肥料2〜8部と、窒素肥
料0.1〜1部と、リン肥料0.01〜2部と、水とを混
合してpHを6.0〜7.5としたキレート化合物含有肥
料を製造する工程と、キレート化合物含有肥料を施肥し
て栽培した野菜を冷凍乾燥する工程とを含む。ニンニク
は、アミノ酸の一種であるアリインが酵素アリナーゼの
作用によって酵素分解され形成されるアリシンを始め、
硫化アリル、二硫化アリル、二硫化アリルプロピル、三
硫化アリル等の硫黄化合物が原因物質となり特有の臭気
を発する。ニンニク以外のタマネギ、ネギ、アサツキ、
ニラ、ラッキョウ等もアリシンに類似した硫黄化合物に
より、特有の臭いを発する。アミノ酸に糖酸及び脂肪酸
の何れか又は両方を加えた混合物と金属とにより形成さ
れるキレート化合物を野菜の肥料として土壌に散布する
と、他の肥効成分と共にキレート化合物が根から野菜に
吸収される。生育した野菜を収穫し、乾燥した後、粉状
に形成すると、硫黄化合物含有食品用脱臭剤が得られ
る。食品中の硫黄化合物は、アミノ酸に糖酸及び脂肪酸
の何れか又は両方を加えたアミノ酸混合物と金属とを混
合して形成されたキレート化合物に化学的に結合して、
特有の臭気の無い包接化合物を形成する。包接化合物
は、一方の化合物により形成された1〜3次元の分子規
模の空間内に他方の化合物が包接された分子錯体の一種
である。臭気成分である硫黄化合物は、野菜が土壌中の
肥料から吸収したキレート化合物に包接され、臭気が殆
ど無い包接化合物に変化する。また、キレート化合物を
吸収した野菜を硫黄化合物と混合させるので、特有の臭
気を脱臭すると同時に野菜に含まれるビタミン、ミネラ
ル等の必須の栄養素を体内に摂取することができる。本
発明の実施の形態では、カプセルに充填した粉状の野菜
をニンニク等の硫黄化合物含有食品と共に口内に摂取す
ることにより、口臭予防にも効果がある。
【0006】本発明による実施の形態では、乾燥した野
菜を粉状に形成する工程、硫黄化合物を含有する食品に
粉状野菜を添加する工程又は粉状の野菜をカプセルに充
填する工程を含む。キレート化合物含有肥料は、重量基
準で三酸化セレン0.03〜2部と、絹精練廃液から抽
出したアミノ酸0.5〜1.5部と、ペンタル酸0.5〜
1.5部と、酢酸0.5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部
と、窒素肥料0.3〜0.8部と、リン肥料0.5〜1部
と、水とを混合したときpHが6.3〜7.0である。
【0007】体内に摂取された野菜に含まれるキレート
化合物は、ペプチド鎖に組み込まれて、基質により酸化
還元をうける活性中心となり、グルタチオンS−トラン
スフェラーゼ(GST)分子種及びグルタチオンペルオキ
シターゼ(GPx)等の解毒酵素が誘導される。生体内に
存在する親電子性化合物(electrophile compound)
は、求電子置換反応、求電子付加反応などの求電子反応
で、相手分子の電子密度の高いところを攻撃し、相手分
子の電子を共有することによって反応する物質である。
例えば、親電子性化合物は、金属含有ポリマーの金属−
窒素結合(例えば、Si-N結合、Al-N結合、B-N結合な
ど)の電子密度の高いところを攻撃し、これらの結合を
分離し、新たな結合を生成する親電子性基を有する。親
電子性基を有する親電子性化合物は、ベンゾピレン等の
多核芳香族炭化水素、アゾ化合物、芳香族アミン、その
他多数の化学物質の少なくともいずれかを含む発癌物質
が水酸化されて生じ、DNA又は蛋白質の求核部分と共
有結合して突然変異、細胞毒性及び発癌を発現する。前
記解毒酵素は、活性酸素、過酸化水素、有機過酸化物等
との反応性に富む親電子性化合物を水又はアルコール類
に還元反応する触媒として作用する。
【0008】アミノ酸に糖酸及び脂肪酸のいずれか又は
両方を加えたアミノ酸混合物と金属とを混合すると、ア
ミノ基、カルボキシル基等のキレート形成能を有する官
能基が多く含まれ、金属を中心とするキレート化合物が
容易に形成される。特に、アミノ酸は、アミノ基の窒素
原子が強い電子供与性を有し、電子受容体である金属と
の配位結合を促進するので、アミノ酸と金属とが結合し
てキレート化合物が更に容易に形成される。また、金属
と共にキレート化合物を形成するとき、アミノ酸1分子
中に含まれるカルボキシル基及びアミノ基により、アミ
ノ酸は一般に二座配位錯体となり、5員環のキレート環
を形成する。キレート環を含む錯体は対応する単純錯体
に比べ安定度が高く、5員環はその中で最も安定(キレ
ート効果)なので、アミノ酸と金属とを結合して形成さ
れたキレート化合物は、長期間放置しても金属化合物の
沈殿が生じず変性しない。また、土壌中に肥料として散
布されたキレート化合物は、微生物等による分解を殆ど
受けずに農作物に確実に吸収される。生育された農作物
が生体内に摂取されると、活性酸素等を還元する触媒と
して作用する解毒酵素を高収率で生成できる。
【0009】金属化合物が0.01部未満であるとキレ
ート化合物が形成されず、4部を超えてもキレート化合
物を含有する肥料としての効果は変わらないが、土壌中
に蓄積される金属化合物が過剰量になることを回避しな
ければならない。アミノ酸に糖酸及び脂肪酸のいずれか
又は両方を加えた総量は、1部未満であるとキレート化
合物が形成されず、5部を超えても効果は変わらない。
カリ肥料の含有量が2〜8部であると、炭水化物及び窒
素化合物を合成し、同化作用、根の発育、開花及び結実
を促進する。2部未満であると、炭水化物及び窒素化合
物を十分に合成できない。窒素肥料の含有量が0.1〜
1部であると、植物の蛋白質合成、細胞の分裂及び増
殖、根の発育、葉茎の繁茂を促進し、また、養分の吸
収、同化作用を促進する。0.1部未満であると蛋白質
を十分に合成できない。リン肥料の含有量が0.01〜
2部であると、根の発育を促進して発芽を活発化する。
リン肥料が0.01部未満であると農作物の根の発育が
十分に促進されない。カリ肥料、窒素肥料及びリン肥料
がそれぞれ8部、1部及び2部を超えると、各肥料とし
ての生理作用は変わらないが、過剰量の肥料が土壌中に
残留し土壌に悪影響を及ぼす。キレート化合物含有肥料
のpHが6.0未満であると酸性過多により土壌汚染の
恐れがあり、7.5を超えると錯体の安定性に影響を及
ぼす。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明による硫黄化合物含
有食品の脱臭剤及び脱臭法の実施の形態を説明する。本
発明による硫黄化合物含有食品の脱臭剤は、キレート化
合物含有肥料を施肥して栽培した野菜を乾燥してなる。
ニンニクは、アミノ酸の一種である化学式1に示すアリ
インが酵素アリナーゼによって分解され形成される化学
式2に示すアリシンを始め、硫黄化合物が原因物質とな
り特有の不快な臭気を発する。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】ニンニク臭を脱臭するため、硫黄化合物を
臭気の無い化合物に変性させる必要がある。本発明で
は、最初に、野菜を栽培する土壌にキレート化合物含有
肥料を散布して、他の肥効成分と共にキレート化合物を
根から野菜に吸収させてキレート化合物を含有する野菜
を栽培する。次に、キレート化合物含有野菜を収穫し、
例えば−20℃程度の冷凍庫で数時間冷凍乾燥させた
後、粉砕機で野菜を粉状にする。この粉状野菜をニンニ
ク又はニンニクを含む製品に混ぜると、粉状野菜に含ま
れるキレート化合物がニンニクに含まれるアリシン等の
硫黄化合物を包接し化学結合した包接化合物を形成す
る。包接化合物はニンニクの特有の臭気を脱臭する。ま
た、ニンニクが本来持つ薬効である腎臓の働きの活性化
及び動脈硬化防止等を減殺せずに、野菜の栄養素も体内
に取り入れることができる。
【0014】本実施の形態では、野菜を粉状にすると、
ニンニク中のアリシン、その他の硫黄化合物と野菜に含
まれるキレート化合物とが接触する確率が増えニンニク
に対する脱臭能がより向上する。また、ニンニクと混合
して調理せずに、粉状野菜をカプセル内に充填して摂取
又は服用すると、口内のニンニク臭を脱臭できる。
【0015】また、本発明による硫黄化合物含有食品の
脱臭剤は、タマネギ、ネギ、アサツキ、ニラ及びラッキ
ョウの特有の臭気も脱臭できる。即ち、これらの臭気の
原因物質は、ニンニクと同様に硫黄化合物であり、化学
式3に示す通り、アリシンと類似した化学構造式を有す
る。従って、タマネギ、ネギ、アサツキ、ニラ及びラッ
キョウと共に本発明による脱臭剤を使用しても、アリシ
ン同様に包接化合物を形成でき、特有の臭気を脱臭する
ことができる。
【0016】
【化3】
【0017】本実施の形態では、キレート化合物含有肥
料は、重量基準で金属化合物0.01〜4部と、糖酸及
びアミノ酸、脂肪酸及びアミノ酸又は糖酸、脂肪酸及び
アミノ酸の混合物であるアミノ酸混合物1〜5部と、カ
リ肥料2〜8部と、窒素肥料0.1〜1部と、リン肥料
0.01〜2部と、水とを混合しpHを6.0〜7.5と
して製造する。好適には、重量基準で三酸化セレン0.
03〜2部と、アミノ酸0.5〜1.5部と、ペンタル酸
0.5〜1.5部と、酢酸0.5〜1.5部と、カリ肥料3
〜5部と、窒素肥料0.3〜0.8部と、リン肥料0.5
〜1部と、水とを混合してpHが6.3〜7.0とする。
【0018】金属化合物は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸
塩、酢酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、塩化物、酸
化物及び水酸化物の1種又は2種以上である。金属化合
物の金属は、キレート化合物の中心金属を形成し、カル
シウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、
亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、
アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(C
o)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、
ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、クロム(C
r)、銀(Ag)、ストロンチウム(Sr)、インジウム(I
n)、錫(Sn)、金(Au)及びジルコニウム(Zr)の1
種又は2種以上である。特に、金属化合物としてセレン
化合物が好ましい。セレンは、活性酸素等の親電子性化
合物を水又はアルコール類に還元する酵素であるグルタ
チオンペルオキシターゼ(GPx)の成分であり、ペプチ
ド鎖に組み込まれ基質により酸化還元を受ける活性中心
となる。従って、セレンを含有したキレート化合物含有
肥料を施した野菜を摂取すると、ニンニク臭を脱臭する
ばかりでなく、グルタチオンペルオキシターゼ(GPx)
の誘導を速やかに行い、突然変異、細胞及び発癌を抑制
できる。
【0019】アミノ酸混合物のアミノ酸は、グリシン、
アラニン、ヴァリン、アルギニン、リシン、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、チロシン、
メチオニン及びシスチンの1種又は2種以上である。ア
ミノ酸又はアミノ酸混合物として、絹精練廃液を使用す
る。絹精練廃液とは、絹繊維中のフィブロインを包むコ
ロイド状のセリシンを、熱水、セッケン水溶液又は酵素
を含む水溶液中に溶解除去して、フィブロインのみから
なる絹糸を精製する際に排出される廃液である。絹精練
廃液は、グリシン、アラニン、セリン等のアミノ酸の
他、分子量及び官能基の多いフィブロイン、セリシン等
の蛋白質を含有する。これにより、絹精練廃液には、配
位基を複数有する多座配位子を多く含み、金属と配位結
合するとき、2個以上のキレート環を同時に形成するの
で、キレート環1個に比べてキレート効果が相乗され
て、より安定なキレート化合物が形成される。従って、
絹精練廃液を使用して生成されたキレート化合物含有肥
料は、長期間放置しても変性しない。また、散布された
土壌中で微生物等による分解を殆ど受けずに、キレート
化合物を確実に農作物へ吸収させる。
【0020】糖酸は、ペンタル酸、ヘキサル酸等を使用
する。脂肪酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽
和脂肪酸、アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、ソル
ビン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸を使
用する。
【0021】カリ肥料は、塩化カリウム、硫酸カリウ
ム、カーナライト(KCl・MgCl2・6H2O)、鉱石カリ肥料
(KCl又はK2SO4を含む)、ニガリカリ塩(KCl(+NaCl+
MgSO4))、草木灰(K2CO3、KHCO3)、海ソウ灰(KCl、K
2SO4)、セメントダスト(硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩)
及び溶鉱炉ダスト(炭酸塩、硫酸塩)の少なくとも1種
使用する。
【0022】窒素肥料は、硫安((NH4)2SO4)、塩安(N
H4Cl)、硝安(NH4NO3)、リン安((NH4)2HPO4、NH4H2P
O4)、アンモニア水肥料(NH4OH)、アンモニア化デイ
炭(有機酸のアンモニウム塩)、アンモニア化過リン酸
石灰(NH4H2PO4、(NH4)2SO4)、硫硝安((NH4)2SO4+NH
4NO3)、アンモホス((NH4)2SO4+(NH4)2HPO4)、硫リ
ン安((NH4)2SO4+(NH4)2HPO4)、下肥(アンモニウム
塩)及びウマヤ肥(アンモニウム塩)のアンモニア系窒
素、硝安(NH4NO3)、チリ硝石(NaNO3)、硝酸石灰(C
a(NO3)2)、硫酸カリ(KNO3)、硫硝安((NH4)2SO4+NH
4NO3)及び硝安石灰(NH4NO3+CaCO3)カルウレア(Ca
(NO3)2・4CO(NH2)2)の硝酸窒素、石灰窒素(CaCN2)等
のシアナミド系窒素、尿素(CO(NH2)2)及びカルウレア
(Ca(NO 3)2・4CO(NH2)2)の尿素系窒素、尿素樹脂化肥
料(ウラホルム)(CO(NH2)2−HCHO縮合物)、オキザマ
イド(NH2COCONH2)、グアニル尿素塩([NH2C(NH)NHCON
H2]X)、グアニジン塩([NH2C(NH)NH2]X)及びアンモニ
ア化デイ炭(CO(NH2)2含有)のアミノ系窒素並びに魚肥
(NH2、NH含有)及び大豆かす(NH2、NH含有)の蛋白系
窒素の少なくとも1種使用するが、Xは、HCl、H2SO4、H
NO3、H3PO4等の無機酸の1種又は2種以上である。
【0023】リン肥料は、過リン酸石灰(Ca(H2PO4)2
CaSO4)、重過リン酸石灰(Ca(H2PO 4)2)、苦土過リン
酸(過リン酸石灰+ジャ紋岩)、溶成リン肥(CaO−MgO
−P2O 5−SiO2ガラス)、焼リン肥(Ca3(PO4)2−CaNaPO4
固溶体)、混合リン肥(過(重過)リン酸石灰+溶成リ
ン肥)、リン鉱石粉末肥料(Ca3(PO4)2)、沈殿リン酸
石灰(CaHPO4)、硫リン安((NH4)2SO4+NH4H2PO4)、
硫化リン安((NH4)2SO4+NH4H2PO4+K2SO4)、固形肥料
(硫安+過リン酸石灰+カリ塩+デイ炭、リン酸塩の形
はCa(H2PO4)2)及び化成肥料類(CaHPO4、Ca3(PO4)
2等)の少なくとも1種使用する。
【0024】
【実施例】重量基準で、三酸化セレン(SeO3)0.07
部を水3部に溶解させた後、絹精練廃液から抽出したア
ミノ酸1部、ペンタル酸1部、酢酸1部を水3部に溶解
させた混合液を加え、60分間撹拌した。撹拌時間は3
0分間以上であれば実質的に問題無いが、キレート化合
物の均質化を十分に達成するため、少なくとも60分間
撹拌することが好ましい。次に、カリ肥料として草木灰
(K2CO3、KHCO3)4部を加え、60分間撹拌した。更
に、窒素肥料として硫安((NH4)2SO4)0.5部と、リン
肥料として過リン酸石灰(Ca(H2PO4)2+CaSO4)1部を
加え、pHを6.6に調整したキレート化合物含有肥料
を得た。
【0025】得られたセレンを含むキレート化合物含有
肥料を水で10倍に希釈し、カイワレ大根の株の根元に
2ヶ月間、週に1回100cc散布した。育成したカイワ
レ大根を冷凍乾燥粉砕して本発明による脱臭剤を得た。
一方、キレート化合物含有肥料を施さずに栽培したカイ
ワレ大根を冷凍乾燥後に粉砕した比較例を準備した。両
者に擂り潰したペースト状のニンニクを加え撹拌し、人
が臭いを嗅いだ結果、キレート化合物含有しないニンニ
ク臭が強い比較例に対して、キレート化合物含有する実
施例のカイワレ大根は殆どニンニク臭が無く、本発明の
脱臭効果を確認できた。また、ニンニク以外のタマネ
ギ、ネギ、アサツキ、ニラ及びラッキョウについても同
様の試験を行った結果、脱臭効果を確認できた。
【0026】
【発明の効果】本発明では、食用野菜に含有される栄養
素を摂取できると同時に、不快感を与える臭気を抑制
し、除去できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/212 A23L 1/015

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量基準で、カルシウム(Ca)、マグネ
    シウム(Mg)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(C
    u)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、セレン(Se)、ゲ
    ルマニウム(Ge)及びクロム(Cr)から選択される金属
    の1種又は2種以上の金属化合物0.01〜4部と、グ
    リシン、アラニン、ヴァリン、アルギニン、リシン、ア
    スパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、チ
    ロシン、メチオニン及びシスチンから選択される1種又
    は2種以上のアミノ酸に、ペンタル酸及びヘキサル酸か
    ら選択される糖酸並びに酢酸、プロピオン酸、クロトン
    酸、オレイン酸、ソルビン酸及びリノール酸から選択さ
    れる脂肪酸の何れか又は両方を加えたアミノ酸混合物1
    〜5部と、カリ肥料2〜8部と、窒素肥料0.1〜1部
    と、リン肥料0.01〜2部と、水とを混合してpHを
    6.0〜7.5としたキレート化合物含有肥料を製造する
    工程と、 キレート化合物含有肥料を施肥して栽培した野菜を冷凍
    乾燥する工程とを含むことを特徴とする硫黄化合物含有
    食品用脱臭剤の製法。
  2. 【請求項2】 乾燥した野菜を粉状に形成する工程を含
    む請求項1に記載の硫黄化合物含有食品用脱臭剤の製
    法。
  3. 【請求項3】 硫黄化合物を含有する食品に粉状野菜を
    添加する工程を含む請求項1又は2に記載の硫黄化合物
    含有食品用脱臭剤の製法。
  4. 【請求項4】 粉状の野菜をカプセルに充填する工程を
    含む請求項1〜3の何れか1項に記載の硫黄化合物含有
    食品用脱臭剤の製法。
  5. 【請求項5】 キレート化合物含有肥料は、重量基準で
    三酸化セレン0.03〜2部と、絹精練廃液から抽出し
    たアミノ酸0.5〜1.5部と、ペンタル酸0.5〜1.5
    部と、酢酸0.5〜1.5部と、カリ肥料3〜5部と、窒
    素肥料0.3〜0.8部と、リン肥料0.5〜1部と、水
    とを混合したときpHが6.3〜7.0である請求項1〜
    4の何れか1項に記載の硫黄化合物含有食品用脱臭剤の
    製法。
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