JP3119296B2 - 柑橘類浮皮防止剤およびそれによる浮皮防止方法 - Google Patents
柑橘類浮皮防止剤およびそれによる浮皮防止方法Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、柑橘類浮皮防止剤
およびそれによる浮皮防止方法に関し、特に、蜜柑の栽
培に際し、フミン酸により、浮皮を軽減する技術に関す
る。
およびそれによる浮皮防止方法に関し、特に、蜜柑の栽
培に際し、フミン酸により、浮皮を軽減する技術に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】蜜柑等の柑橘類においては、その果肉と
果皮との間に空間が少なく、所謂浮皮（浮皮果）の軽減
されたものが好まれ、浮皮を軽減することにより商品価
値が増大し、味覚も良好になる。その為に、栽培農家で
は、種々の工夫を施し、各種農薬等を散布したりするこ
とが行なわれているが、未だ充分な効果を上げれず、効
果が多少あるとしても、多量の散布が必要であったり、
コスト的に高かったりして、浮皮防止効果の高い技術の
出現が望まれていた。
果皮との間に空間が少なく、所謂浮皮（浮皮果）の軽減
されたものが好まれ、浮皮を軽減することにより商品価
値が増大し、味覚も良好になる。その為に、栽培農家で
は、種々の工夫を施し、各種農薬等を散布したりするこ
とが行なわれているが、未だ充分な効果を上げれず、効
果が多少あるとしても、多量の散布が必要であったり、
コスト的に高かったりして、浮皮防止効果の高い技術の
出現が望まれていた。
【０００３】一方、土壌改良剤用途等としてフミン酸類
が知られている。 （１）特開昭６３−３０１８０４号公報には、フミン酸
の水溶性アルカリ金属塩，植物栄養素及び適当な液体を
含有してなる液体作物刺激剤が提案されており、当該液
体作物刺激剤は、作物を刺激し、作物収量を相乗的に増
加させることができるとする。 （２）特開昭５８−１９８２２６号公報には、水稲栽培
において、育苗箱で育成した苗の硬化段階の後期に、天
然腐植酸又はニトロフミン酸等の腐植酸又はその塩類を
散布し，これを苗の株元に付着させ、その後、苗を本田
に移植すると、水稲の発根が促進され、活着を早め，分
けつを促進させることができるとする。 （３）特開平３−８７８８号公報には、特定の元素及び
官能基分析値を有する石炭−誘導酸化生成物を水に溶解
させた可溶性フミン酸塩溶液は，苗木の生長促進，苗木
の根の生長の改善、低い苗条対根量比に導くことができ
るとしている。 （４）特開昭５４−１６０６６０号公報には、鋸屑，樹
皮類等を原料とし，これを尿素と反応させて得られた肥
料は，水溶性窒素が付与されると共に腐植酸様物質と尿
素が反応することにより非水溶性縮合態窒素が生成し、
土壌における肥効持続効果をもたらし，連用による土壌
中の有機物の富化に寄与することができるとする。 （５）特開昭５６−８４３９２号公報には、熔成りん肥
を腐植酸で処理した後，過りん酸石灰等を配合してなる
混合りん酸肥料は、安定した水溶性リン酸分が確実に保
証され施肥効果に優れたものとなるとしている。 （６）特開平０３−２３７０８２号公報には、金属Ｍｇ
精錬時に副生するマグネシウムスラグと、過燐酸石灰，
重過燐酸石灰及び燐酸の１種以上と、腐植酸とを主成分
としてなる粒状腐植酸燐酸肥料は、熔性燐肥を用いず，
く溶性燐酸分と水溶性燐酸分を含有するものにすること
ができ、しかも、水溶性燐酸分を調節できると共に，粒
状物の崩壊性が改善でき，従つて植物の初期生育の助長
を図ることができるとする。 （７）特開昭６１−４０８８９号公報には、堆肥などを
硝酸処理してニトロフミン酸を富化した土壌施用資材が
提案されており、堆肥等の腐食酸質資材を硝酸で酸化し
てニトロフミン酸を富化させた後，必要に応じて砕石採
取場の表土粉，黒雲母岩粉を混合することにより，土壌
の塩基置換容量，団粒性を高め，悪臭のない土壌施用資
材が得られるとする。 （８）特開平３−５２９９０号公報には、オキシフミン
酸（塩）ゲル等からなる石炭から誘導される生成物を土
壌に施すことにより，特に表面の堅くなつた土壌または
圧縮された土壌において 安定な（微小）集合体形成を
図ることができるとする。 （９）特開平４−２１４０８５号公報には、微量元素を
（１）水性媒質中で石炭誘導フミン酸と懸濁させたかま
たは複合した形態、（２）酸化石炭に捕獲された形態、
または（３）上記の（１）および（２）の混合した形態
で含有した微量元素含有組成物を、土壌に供給して、塩
基性土壌においても、植物（トウモロコシ）が鉄、亜
鉛、銅、マンガンまたはこれ等の混合物のような微量元
素を吸収しやすい形態となすようにするという技術が提
案されている。 （１０）特開昭５８−２０８１９１号公報には、腐植酸
及びタンパク態窒素を含む担体に，バチルス属の菌の培
養物と放線菌の培養物とを組合せて配合して成る土壌活
性剤は、有用微生物を土壌中に定着させて土壌を改良し
活性化する機能を有するとする。 （１１）特開平０７−１２６０９１号公報には、天然物
を原料とした珪酸と腐植酸とを主成分とする土壌改良剤
について記載されている。
が知られている。 （１）特開昭６３−３０１８０４号公報には、フミン酸
の水溶性アルカリ金属塩，植物栄養素及び適当な液体を
含有してなる液体作物刺激剤が提案されており、当該液
体作物刺激剤は、作物を刺激し、作物収量を相乗的に増
加させることができるとする。 （２）特開昭５８−１９８２２６号公報には、水稲栽培
において、育苗箱で育成した苗の硬化段階の後期に、天
然腐植酸又はニトロフミン酸等の腐植酸又はその塩類を
散布し，これを苗の株元に付着させ、その後、苗を本田
に移植すると、水稲の発根が促進され、活着を早め，分
けつを促進させることができるとする。 （３）特開平３−８７８８号公報には、特定の元素及び
官能基分析値を有する石炭−誘導酸化生成物を水に溶解
させた可溶性フミン酸塩溶液は，苗木の生長促進，苗木
の根の生長の改善、低い苗条対根量比に導くことができ
るとしている。 （４）特開昭５４−１６０６６０号公報には、鋸屑，樹
皮類等を原料とし，これを尿素と反応させて得られた肥
料は，水溶性窒素が付与されると共に腐植酸様物質と尿
素が反応することにより非水溶性縮合態窒素が生成し、
土壌における肥効持続効果をもたらし，連用による土壌
中の有機物の富化に寄与することができるとする。 （５）特開昭５６−８４３９２号公報には、熔成りん肥
を腐植酸で処理した後，過りん酸石灰等を配合してなる
混合りん酸肥料は、安定した水溶性リン酸分が確実に保
証され施肥効果に優れたものとなるとしている。 （６）特開平０３−２３７０８２号公報には、金属Ｍｇ
精錬時に副生するマグネシウムスラグと、過燐酸石灰，
重過燐酸石灰及び燐酸の１種以上と、腐植酸とを主成分
としてなる粒状腐植酸燐酸肥料は、熔性燐肥を用いず，
く溶性燐酸分と水溶性燐酸分を含有するものにすること
ができ、しかも、水溶性燐酸分を調節できると共に，粒
状物の崩壊性が改善でき，従つて植物の初期生育の助長
を図ることができるとする。 （７）特開昭６１−４０８８９号公報には、堆肥などを
硝酸処理してニトロフミン酸を富化した土壌施用資材が
提案されており、堆肥等の腐食酸質資材を硝酸で酸化し
てニトロフミン酸を富化させた後，必要に応じて砕石採
取場の表土粉，黒雲母岩粉を混合することにより，土壌
の塩基置換容量，団粒性を高め，悪臭のない土壌施用資
材が得られるとする。 （８）特開平３−５２９９０号公報には、オキシフミン
酸（塩）ゲル等からなる石炭から誘導される生成物を土
壌に施すことにより，特に表面の堅くなつた土壌または
圧縮された土壌において 安定な（微小）集合体形成を
図ることができるとする。 （９）特開平４−２１４０８５号公報には、微量元素を
（１）水性媒質中で石炭誘導フミン酸と懸濁させたかま
たは複合した形態、（２）酸化石炭に捕獲された形態、
または（３）上記の（１）および（２）の混合した形態
で含有した微量元素含有組成物を、土壌に供給して、塩
基性土壌においても、植物（トウモロコシ）が鉄、亜
鉛、銅、マンガンまたはこれ等の混合物のような微量元
素を吸収しやすい形態となすようにするという技術が提
案されている。 （１０）特開昭５８−２０８１９１号公報には、腐植酸
及びタンパク態窒素を含む担体に，バチルス属の菌の培
養物と放線菌の培養物とを組合せて配合して成る土壌活
性剤は、有用微生物を土壌中に定着させて土壌を改良し
活性化する機能を有するとする。 （１１）特開平０７−１２６０９１号公報には、天然物
を原料とした珪酸と腐植酸とを主成分とする土壌改良剤
について記載されている。
【０００４】上記から分るように、フミン酸を、作物、
苗木の成長促進又は土壌の調節に使用できることが記載
されており、前記（１）特開昭６３−３０１８０４号公
報には、トマト植物の数を増加出来ることが記載されて
いるが、蜜柑の栽培等果樹の栽培に触れる記載はなく、
フミン酸を施用し、収穫されたミカンにおいて、そのミ
カン皮が果肉表面に密着し、所謂浮き皮を防止した蜜柑
が得られることについて開示する記載はない。
苗木の成長促進又は土壌の調節に使用できることが記載
されており、前記（１）特開昭６３−３０１８０４号公
報には、トマト植物の数を増加出来ることが記載されて
いるが、蜜柑の栽培等果樹の栽培に触れる記載はなく、
フミン酸を施用し、収穫されたミカンにおいて、そのミ
カン皮が果肉表面に密着し、所謂浮き皮を防止した蜜柑
が得られることについて開示する記載はない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、柑橘類の栽培において、浮皮防止効果の高い技術を
提供することにある。また、本発明の目的は、少量の使
用で、充分な浮皮防止効果が得られ、コスト的にも安く
済む浮皮防止技術を提供することにある。本発明の前記
ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記
述からあきらかになるであろう。
は、柑橘類の栽培において、浮皮防止効果の高い技術を
提供することにある。また、本発明の目的は、少量の使
用で、充分な浮皮防止効果が得られ、コスト的にも安く
済む浮皮防止技術を提供することにある。本発明の前記
ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記
述からあきらかになるであろう。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、フミン酸類を
有効成分としてなる柑橘類浮皮防止剤に係り、また、本
発明は、フミン酸類を有効成分としてなる柑橘類浮皮防
止剤を、土壌表面から潅注するか、柑橘類に葉面散布す
るかまたは顆粒あるいは粉末状態で土壌に散布すること
を特徴とする柑橘類の浮皮防止方法に係るものである。
有効成分としてなる柑橘類浮皮防止剤に係り、また、本
発明は、フミン酸類を有効成分としてなる柑橘類浮皮防
止剤を、土壌表面から潅注するか、柑橘類に葉面散布す
るかまたは顆粒あるいは粉末状態で土壌に散布すること
を特徴とする柑橘類の浮皮防止方法に係るものである。
【０００７】本発明で使用されるフミン酸類の例として
は、フミン酸、ニトロフミン酸、オキシフミン酸、これ
らの塩類が挙げられる。フミン酸は、腐植酸とも称さ
れ、土壌または低石炭化度の石炭質中に存するアルカリ
に可溶、酸に不溶のカッ色〜黒色の無定形酸性物質有機
質で、フムスとともに土壌中の有機質および石炭質の大
部分を形成している。その分離法は、一般に、土壌また
は石炭を水または有機溶剤で処理して付随物質を除いた
後、希アルカリで抽出し、酸性になるまで無機酸を加え
て沈殿させて得られる。元素組成は不明であるが、その
一例は、炭素６０〜６５％、水素４〜５％、酸素３０〜
３５％とされている。フミン酸の化学構造は不明である
が、その示性式の一例を示すと、Ｃ 78Ｈ52Ｏ5（ＣＯＯ
Ｈ）8（ＯＨ）7（ＣＯ）2のようなものとされている。
当該フミン酸は、例えば、亜炭、褐炭、草炭の若年炭を
粉砕し、これに硝酸を添加し酸化分解させることにより
得ることができる。ニトロフミン酸は、フミン酸と同様
のもので、例えば、亜炭、泥炭、褐炭等若年炭を粉砕
し、硝酸を添加して酸化を行ない、これをろ過して沈殿
物とロ液に分け、沈殿物を乾燥させることにより得るこ
とができる。また、堆肥，厩肥，コンポスト等の腐食酸
質資材からなる出発材料を脱水，粉砕等の予備処理後，
硝酸を加えて酸化させ、ニトロフミン酸含有量が高く富
化させることにより得ることができる。オキシフミン酸
もこれらフミン酸やニトロフミン酸とほぼ同様の方法で
得られ、例えば、酸化された石炭（オキシコール）をア
ルカリ水溶液と混合し、加熱、冷却生成物をろ過し、ロ
液を酸性にすることにより得ることができる。これらの
フミン酸等の塩類の例としては、水溶性アルカリ金属
塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
は、フミン酸、ニトロフミン酸、オキシフミン酸、これ
らの塩類が挙げられる。フミン酸は、腐植酸とも称さ
れ、土壌または低石炭化度の石炭質中に存するアルカリ
に可溶、酸に不溶のカッ色〜黒色の無定形酸性物質有機
質で、フムスとともに土壌中の有機質および石炭質の大
部分を形成している。その分離法は、一般に、土壌また
は石炭を水または有機溶剤で処理して付随物質を除いた
後、希アルカリで抽出し、酸性になるまで無機酸を加え
て沈殿させて得られる。元素組成は不明であるが、その
一例は、炭素６０〜６５％、水素４〜５％、酸素３０〜
３５％とされている。フミン酸の化学構造は不明である
が、その示性式の一例を示すと、Ｃ 78Ｈ52Ｏ5（ＣＯＯ
Ｈ）8（ＯＨ）7（ＣＯ）2のようなものとされている。
当該フミン酸は、例えば、亜炭、褐炭、草炭の若年炭を
粉砕し、これに硝酸を添加し酸化分解させることにより
得ることができる。ニトロフミン酸は、フミン酸と同様
のもので、例えば、亜炭、泥炭、褐炭等若年炭を粉砕
し、硝酸を添加して酸化を行ない、これをろ過して沈殿
物とロ液に分け、沈殿物を乾燥させることにより得るこ
とができる。また、堆肥，厩肥，コンポスト等の腐食酸
質資材からなる出発材料を脱水，粉砕等の予備処理後，
硝酸を加えて酸化させ、ニトロフミン酸含有量が高く富
化させることにより得ることができる。オキシフミン酸
もこれらフミン酸やニトロフミン酸とほぼ同様の方法で
得られ、例えば、酸化された石炭（オキシコール）をア
ルカリ水溶液と混合し、加熱、冷却生成物をろ過し、ロ
液を酸性にすることにより得ることができる。これらの
フミン酸等の塩類の例としては、水溶性アルカリ金属
塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【０００８】本発明は、上記のようなフミン酸類を有効
成分としてなる柑橘類浮皮防止剤を、土壌表面から潅注
するか、柑橘類に葉面散布するかまたは顆粒あるいは粉
末状態で土壌に散布する。例えば、フミン酸を水に溶解
してなる水溶液（懸濁液）を、土壌表面から潅水するか
または柑橘類に葉面散布するようにすればよい。その施
用には、スプリンクラー散水装置等が使用できる。顆粒
あるいは粉末状のフミン酸類を有効成分としてなる柑橘
類浮皮防止剤をそのまま土壌に施し、雨水等で溶解さ
せ、土中に浸透させるようにしてもよい。フミン酸類と
他の物質と併用してもよい。他の物質の例としては、肥
料が例として挙げられる。その具体例には、リン酸が挙
げられる。過りん酸石灰等の石灰質肥料、砕石、砂利採
取場の表土粉等の粘土鉱物、窒素，リン，カリウム，リ
ン酸カルシウム、アスコルビン酸等の植物栄養素、糖
類、アミノ酸、鉄、亜鉛、銅、マンガンまたはこれ等の
混合物のような微量要素等を併用してもよい。他に、有
機物、保水材、土壌改良剤等も差し支えない範囲内で添
加してもよい。
成分としてなる柑橘類浮皮防止剤を、土壌表面から潅注
するか、柑橘類に葉面散布するかまたは顆粒あるいは粉
末状態で土壌に散布する。例えば、フミン酸を水に溶解
してなる水溶液（懸濁液）を、土壌表面から潅水するか
または柑橘類に葉面散布するようにすればよい。その施
用には、スプリンクラー散水装置等が使用できる。顆粒
あるいは粉末状のフミン酸類を有効成分としてなる柑橘
類浮皮防止剤をそのまま土壌に施し、雨水等で溶解さ
せ、土中に浸透させるようにしてもよい。フミン酸類と
他の物質と併用してもよい。他の物質の例としては、肥
料が例として挙げられる。その具体例には、リン酸が挙
げられる。過りん酸石灰等の石灰質肥料、砕石、砂利採
取場の表土粉等の粘土鉱物、窒素，リン，カリウム，リ
ン酸カルシウム、アスコルビン酸等の植物栄養素、糖
類、アミノ酸、鉄、亜鉛、銅、マンガンまたはこれ等の
混合物のような微量要素等を併用してもよい。他に、有
機物、保水材、土壌改良剤等も差し支えない範囲内で添
加してもよい。
【０００９】本発明は、広くは、果実類のような果肉と
果皮とを有し、その果肉と果皮との間に空間が少なく、
浮皮（浮皮果）の軽減されたものが好まれるものに適用
されるが、特に、柑橘類に適用することにより、浮皮を
軽減し、商品価値を増大させ、味覚も良好にすることが
できる。柑橘類の例としては、南柑２０号のような温州
蜜柑（Ｃｉｔｒｕｓ ｕｎｓｈｉｕ）、甘夏、ネオ夏み
かん等の夏蜜柑、日向夏蜜柑、伊予柑、八朔、三宝柑、
鳴門蜜柑：、グレープフルーツ、文旦（ざぼん）、レモ
ン、甘橙類、ワシントンネーブル、バレンシアオレン
ジ、ポンカン、ゆず等のその他の柑橘類が挙げられる。
果皮とを有し、その果肉と果皮との間に空間が少なく、
浮皮（浮皮果）の軽減されたものが好まれるものに適用
されるが、特に、柑橘類に適用することにより、浮皮を
軽減し、商品価値を増大させ、味覚も良好にすることが
できる。柑橘類の例としては、南柑２０号のような温州
蜜柑（Ｃｉｔｒｕｓ ｕｎｓｈｉｕ）、甘夏、ネオ夏み
かん等の夏蜜柑、日向夏蜜柑、伊予柑、八朔、三宝柑、
鳴門蜜柑：、グレープフルーツ、文旦（ざぼん）、レモ
ン、甘橙類、ワシントンネーブル、バレンシアオレン
ジ、ポンカン、ゆず等のその他の柑橘類が挙げられる。
【００１０】
【００１１】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。
【００１２】実施例１ 次の試験方法にて、温州蜜柑の浮皮軽減効果について調
査した。 試験方法； （１）供試場所、品種 愛媛県北宇和郡吉田町農家圃場 品種；南柑２０号 ４
４年生 （２）試験概要； １区 フミン酸濃縮液１５％ ２００ＣＣ＋水溶性リン酸２０％ １ｋｇ ２区 フミン酸濃縮液１５％ ２００ＣＣ ３区 無施用 各区とも、１ａ当り水１２００リットルに溶かし、土壌
表面へ潅水する。 （３）施用日；平成７年９月１９日（同９月２２日に６
１．５ｍｍの降雨あり） （４）浮皮調査および果実分析日；収穫前 平成７年１
１月２２日 その結果を表１および図１に示す。
査した。 試験方法； （１）供試場所、品種 愛媛県北宇和郡吉田町農家圃場 品種；南柑２０号 ４
４年生 （２）試験概要； １区 フミン酸濃縮液１５％ ２００ＣＣ＋水溶性リン酸２０％ １ｋｇ ２区 フミン酸濃縮液１５％ ２００ＣＣ ３区 無施用 各区とも、１ａ当り水１２００リットルに溶かし、土壌
表面へ潅水する。 （３）施用日；平成７年９月１９日（同９月２２日に６
１．５ｍｍの降雨あり） （４）浮皮調査および果実分析日；収穫前 平成７年１
１月２２日 その結果を表１および図１に示す。
【００１３】
【表１】
【００１４】上記表１および図１に示すように、収穫前
の浮皮程度別の調査では、フミン酸施用区の何れも浮皮
の発生が少なく、浮皮程度の低いものが大きな確率で得
られ、果実が固く締まった果実が得られた。これに対
し、無施用区では、浮皮果の発生が見られ、果実も軟ら
かいものであった。当該園地は、例年浮皮の発生の多い
土地であり、従って、フミン酸施用による顕著な効果が
確かめられた。
の浮皮程度別の調査では、フミン酸施用区の何れも浮皮
の発生が少なく、浮皮程度の低いものが大きな確率で得
られ、果実が固く締まった果実が得られた。これに対
し、無施用区では、浮皮果の発生が見られ、果実も軟ら
かいものであった。当該園地は、例年浮皮の発生の多い
土地であり、従って、フミン酸施用による顕著な効果が
確かめられた。
【００１５】実施例２ 愛媛県北宇和郡吉田町農家圃場の１１年生南柑２０号１
０樹を供試し、１９９５年９月８日に、フミン酸５００
倍水溶液とポリリン酸２０００倍水溶液（以下、Ｐとす
る）とからなる浮皮防止剤を葉面散布し、南柑の浮皮軽
減効果について調査した。収穫前の平成７年１１月１６
日および同１１月２９日に、実施例１に準拠して浮皮発
生果率および浮皮程度を調査した。その結果を表２に示
す。
０樹を供試し、１９９５年９月８日に、フミン酸５００
倍水溶液とポリリン酸２０００倍水溶液（以下、Ｐとす
る）とからなる浮皮防止剤を葉面散布し、南柑の浮皮軽
減効果について調査した。収穫前の平成７年１１月１６
日および同１１月２９日に、実施例１に準拠して浮皮発
生果率および浮皮程度を調査した。その結果を表２に示
す。
【００１６】
【表２】
【００１７】上記表２に示すように、収穫前の浮皮程度
別の調査において、フミン酸とＰ施用区と無施用区との
間には、３０％近くの浮皮の発生果率差があり、浮皮程
度の低いものが大きな確率で得られ、フミン酸とＰ施用
により、浮皮の発生を軽減できることが分る。
別の調査において、フミン酸とＰ施用区と無施用区との
間には、３０％近くの浮皮の発生果率差があり、浮皮程
度の低いものが大きな確率で得られ、フミン酸とＰ施用
により、浮皮の発生を軽減できることが分る。
【００１８】以上本発明者によってなされた発明を実施
例にもとずき具体的に説明したが、本発明は上記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
例にもとずき具体的に説明したが、本発明は上記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
【００１９】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。すなわち、本発明によれば、フミン
酸類を有効成分としてなる柑橘類浮皮防止剤を、土壌表
面から潅注するか、柑橘類に葉面散布するかまたは顆粒
あるいは粉末状態で土壌に散布することにより、収穫さ
れた蜜柑等の柑橘類において、そのミカン皮等の果皮が
果肉表面に密着し、所謂浮き皮を防止した柑橘類が得ら
れる。
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。すなわち、本発明によれば、フミン
酸類を有効成分としてなる柑橘類浮皮防止剤を、土壌表
面から潅注するか、柑橘類に葉面散布するかまたは顆粒
あるいは粉末状態で土壌に散布することにより、収穫さ
れた蜜柑等の柑橘類において、そのミカン皮等の果皮が
果肉表面に密着し、所謂浮き皮を防止した柑橘類が得ら
れる。
【図１】本発明の作用効果を示すグラフである。
１・・・１区におけるデータ ２・・・２区におけるデータ ３・・・３区におけるデータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ａ０１Ｎ 59:26） (56)参考文献 特開 昭63−301804（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−75854（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−66447（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A01N 61/00 A01G 7/06 C05F 11/02 C05G 1/00
Claims (8)
- 【請求項１】 フミン酸類を有効成分としてなる柑橘類
浮皮防止剤。 - 【請求項２】 フミン酸類が、フミン酸である、請求項
１に記載の柑橘類浮皮防止剤。 - 【請求項３】 フミン酸類が、フミン酸の塩類である、
請求項１に記載の柑橘類浮皮防止剤。 - 【請求項４】 フミン酸類が、ニトロフミン酸である、
請求項１に記載の柑橘類浮皮防止剤。 - 【請求項５】 フミン酸類を有効成分としてなる柑橘類
浮皮防止剤が、フミン酸類とリン酸とを含有してなる、
請求項１に記載の柑橘類浮皮防止剤。 - 【請求項６】 柑橘類が、蜜柑である、請求項１〜５い
ずれか１項に記載の柑橘類浮皮防止剤。 - 【請求項７】 フミン酸類を有効成分としてなる柑橘類
浮皮防止剤を、土壌表面から潅注するか、柑橘類に葉面
散布するかまたは顆粒あるいは粉末状態で土壌に散布す
ることを特徴とする柑橘類の浮皮防止方法。 - 【請求項８】 フミン酸類を有効成分としてなる柑橘類
浮皮防止剤が、フミン酸類とリン酸とを含有してなる、
請求項７に記載の柑橘類の浮皮防止方法。
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| JP08216889A JP3119296B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 柑橘類浮皮防止剤およびそれによる浮皮防止方法 |
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