JP3288211B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JP3288211B2
JP3288211B2 JP32671495A JP32671495A JP3288211B2 JP 3288211 B2 JP3288211 B2 JP 3288211B2 JP 32671495 A JP32671495 A JP 32671495A JP 32671495 A JP32671495 A JP 32671495A JP 3288211 B2 JP3288211 B2 JP 3288211B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
insulating film
groove
element isolation
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32671495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08227935A (ja
Inventor
俊樹 藪
隆 上原
瑞樹 瀬川
隆 中林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP32671495A priority Critical patent/JP3288211B2/ja
Publication of JPH08227935A publication Critical patent/JPH08227935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3288211B2 publication Critical patent/JP3288211B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MOSトランジス
タを配設した活性領域を溝型素子分離により区画する構
造を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、半導体素子を搭載したLSIの高
集積化・微細化にともない、各半導体素子間を電気的に
分離する素子分離を形成する方法として、現在の主流で
あるLOCOS法に代わりトレンチ分離法が検討され始
めている。このトレンチ分離法は、半導体素子を形成す
る素子形成領域を取り囲む溝部を形成し、この溝部内に
絶縁膜を埋め込んでこれを素子分離とする方法である
が、トレンチ分離法が検討されている理由は以下の通り
である。
【0003】すなわち、LOCOS法では、シリコン基
板の選択酸化を伴うために、素子形成領域を覆いその酸
化を防止するためのマスクとの境界でいわゆるバーズビ
ークが発生し、素子形成領域側に素子分離の絶縁膜が侵
入して、素子形成領域の寸法変化が生じる。また、LO
COS法では、半導体素子間の間隔の微細化に伴い素子
分離領域への酸素の供給律速が生じ、幅の狭い素子分離
領域では幅の広い素子分離領域に比べて絶縁膜の厚みが
薄くなり、そのために素子分離機能が劣化するという問
題がある。
【0004】一方、トレンチ分離法では、構造上バーズ
ビークの問題は生じることがなく、かつ選択酸化工程を
伴うものではないので、酸素の供給律速に起因する絶縁
膜の薄膜化は生じない。斯かる理由等から、0.5μm
以下のデザインルールを用いるLSIでは、トレンチ分
離法が採用されつつある。
【0005】次に、従来のトレンチ分離法を用いた半導
体装置の製造方法について、説明する。図11(a)〜
(f)は、集積度がそれほど高くない半導体装置に溝型
素子分離を形成する手順を説明する断面図である。
【0006】まず、図11(a)に示すように、半導体
基板10の上にシリコン酸化膜11及びシリコン窒化膜
12を堆積した後、シリコン窒化膜12の上に、素子分
離領域Rtoを開口しかつ素子形成領域Rtrを覆うフォト
レジスト膜FR1を形成する。
【0007】次に、図11(b)に示すように、上記フ
ォトレジスト膜FR1をマスクとしてエッチングを行
い、シリコン窒化膜12及びシリコン酸化膜11を除去
した後、さらに半導体基板10を堀込んで、所定深さの
溝部10aを形成する。このとき、半導体基板10の表
面と溝部10aの側面との間の角度θが90゜を越える
大きな角度になるように、言い換えると溝部10aが大
きな順テーパを有するように、エッチング条件を設定す
る。
【0008】次に、図11(c)に示すように、フォト
レジスト膜FR1を除去した後、減圧CVD法により、
溝部10aの深さ寸法よりも大寸法の厚みを有するシリ
コン酸化膜からなる分離用絶縁膜31を堆積し、溝部1
0aを分離用絶縁膜31で埋める。
【0009】次に、図11(d)に示すように、例えば
化学的機械研磨法(以下、CMP法と略称する)を用い
て、基板表面を平坦化する。つまり、素子形成領域Rtr
内の分離用絶縁膜31は完全に除去して、シリコン窒化
膜12の表面を露出させる。この状態で、溝部10a内
に残存する分離用絶縁膜により、素子分離31aが形成
される。ただし、フォトレジスト膜で素子形成領域Rtr
の反転パターンを形成し、これを用いてエッチバックす
る方法も採られている。
【0010】次に、図11(e)に示すように、シリコ
ン窒化膜12を燐酸ボイル等を用いて除去し、さらにフ
ッ酸系のウェットエッチング液等を用いてシリコン酸化
膜11を除去し、素子分離形成工程を終了する。
【0011】次に、図11(f)に示すように、周知の
方法によって、基板上にシリコン酸化膜からなるゲート
絶縁膜16を介してポリシリコン膜を堆積した後、ポリ
シリコン膜からゲート電極17aをパターニングする。
さらに、図示しないが、不純物イオンの注入によるソー
ス・ドレイン領域の形成や、層間絶縁膜の堆積、層間絶
縁膜中における接続孔の形成、上層金属配線の形成等を
経て、半導体装置が完成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の半導体装置
の製造方法では、溝部10aの側面と半導体基板10の
表面との間の角度θを、90゜よりもかなり大きく、つ
まりかなり大きな順テーパを設けている。これは、分離
用絶縁膜を構成するシリコン酸化膜のステップカバレー
ジがそれほどよくないことを考慮し、いわゆるシャドウ
ィング効果を防止するためである。
【0013】しかしながら、半導体装置の高集積化に伴
い、素子形成領域Rtrだけでなく、素子分離領域Rtoの
寸法も微細化されてくると、以下のような問題があっ
た。
【0014】図12(a)〜(f)は、半導体素子間の
間隔つまり素子分離領域Rtoの幅を微細化した場合の製
造工程を示す断面図であって、図11(a)〜(f)と
まったく同じ工程をそれぞれ示している。この場合、図
12(b)に示す溝部10aを形成する工程において、
溝部10aの側面と半導体基板10表面との間の角度を
90゜に近付けざるを得ない。言い換えると溝部10a
の順テーパを小さくせざるを得ない。その理由は、素子
分離領域Rtoの幅が狭くなっているのに、大きな順テー
パを設けると、素子分離10aの底部の幅が極めて狭く
なるか、あるいは極端な場合、両側面が底部で交差する
3角形状となり溝部10aの深さが浅くなって、素子分
離機能が確保できないからである。
【0015】ところが、このように溝部10aの幅を狭
めてアスペクト比を高くし、しかも溝部10aのテーパ
を小さくする結果、シャドウィング効果により、図12
(c)に示すように、シリコン酸化膜31内にボイド1
9が発生する確率が極めて高くなる。そして、図12
(d)に示すように、基板を平坦化したときにこのボイ
ド19が開口すると、その後、図12(f)に示す工程
で、このボイド19内にゲート電極を構成するポリシリ
コンが埋め込まれる。なお、ボイド各部の高さ位置には
バラツキがあるので、図12(d)に示す工程では、ボ
イド19のうち一部が開口しないこともあるが、後の工
程で開口する可能性が高い。この点について、図13
(a),(b)を参照しながら説明する。図13(a)
に示すボイドの部分19xは比較的下方にあるが、図1
2(e)に示す工程で、シリコン窒化膜12やシリコン
酸化膜11が除去されると、素子分離31aを構成する
シリコン酸化膜もある程度除去される(例えば10〜3
0nm程度)ので、その時点で開口する。つまり、図1
3(b)に示すように、ボイド19xの上端がその後の
工程において定まる素子分離31aの表面よりも高いと
必ず開口することになる。
【0016】そして、断面図では多数個存在するように
見えるボイド19は、図14に示す平面図でみると互い
につながっていることがわかる。したがって、この上に
ポリシリコン膜を堆積してゲート電極を形成すると、図
12(f)に示すように、ボイド中にポリシリコン膜が
残るので、各ゲート電極がボイド中のポリシリコン膜を
介して短絡してしまう。あるいは、ボイドがすべての断
面において開口しないとしても、信頼性を劣化させるこ
とになる。
【0017】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、ボイドの発生を防止するか、ボイド
が発生しても消滅させるか、あるいはボイドが発生して
もその上端が素子分離の表面よりも下方になるようボイ
ドを奥方に形成する手段を講ずることにより、半導体素
子の短絡や素子分離機能の劣化のないつまり高い信頼性
を有し、かつ集積度の高い半導体装置の製造方法を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、MOSトランジスタを形成するための複数の
素子形成領域と上記各素子形成領域を区画するための溝
型素子分離領域とを有する半導体基板上に、エッチング
ストッパ膜を堆積する第1の工程と、上記素子分離領域
を開口したマスクを用いてエッチングを行い、上記素子
分離領域の上記エッチングストッパ膜と上記半導体基板
の一部とを除去して、上記半導体基板に所定深さの溝部
を形成する第2の工程と、上記溝部が形成された状態
で、基板上に埋め込み用絶縁膜を堆積する第3の工程
と、上記埋め込み用絶縁膜をエッチバックして、上記溝
部内に埋め込み層を形成する第4の工程と、上記溝部内
に上記埋め込み層が形成された状態で、基板上に分離用
絶縁膜を堆積する第5の工程と、上記分離用絶縁膜を少
なくとも上記エッチングストッパ膜の表面が露出するま
で化学的機械的研磨法によって除去しながら基板の表面
をほぼ平坦にし、上記溝部内に上記分離用絶縁膜を残存
させて、上記分離用絶縁膜からなる素子分離層を形成す
る第6の工程と、上記素子形成領域内に、ゲート絶縁
膜,ゲート電極及びソース・ドレイン領域からなるMO
Sトランジスタを形成する第7の工程とを備え、上記第
3の工程では、上記素子分離領域の最小幅寸法の1/2
以上の厚みを有する埋め込み用絶縁膜を上記素子分離領
域のうち最小幅を有する部分において上記埋め込み用絶
縁膜中にボイドが発生するよう堆積し、上記第4の工程
では、上記ボイドが開口した後ボイドの下端部下方の埋
め込み用絶縁膜の少なくとも一部が除去されるまで上記
埋め込み用絶縁膜をエッチバックすることにより、上記
埋め込み層の上端が上記溝部の上端よりも下方になるよ
うに形成する方法である。
【0019】この方法により、第5の工程において分離
用絶縁膜を堆積する際に、前の工程で素子分離領域の溝
部の上端よりも下方に埋め込み層が形成されているの
で、分離用絶縁膜の堆積によってボイドが形成されない
か、あるいはボイドが形成されても溝部の奥方に位置す
ることになる。すなわち、その後の工程で、ボイドが素
子分離の表面に開口することはない。したがって、素子
分離の表面にボイドが開口することに起因する信頼性の
劣化を防止することができる。
【0020】特に、第3の工程においてこのような厚め
の埋め込み用絶縁膜を堆積すると、素子分離領域の埋め
込み用絶縁膜内には縦長のスリット状(楕円状)ボイド
が発生する。そして、第4の工程で、このボイドの下端
部の少なくとも一部が除去されるまで分離用絶縁膜がエ
ッチバックされると、元にあったボイドよりも下方に急
峻な側面を有する凹部が形成される。そして、この上に
分離用絶縁膜が堆積されるので、素子分離の表面にボイ
ドが開口することに起因する信頼性の劣化を防止するこ
とができる。
【0021】上記第1の工程では、エッチングストッパ
膜としてゲート絶縁膜を介して第1の導電膜を堆積し、
上記第7の工程では、基板上に第2の導電膜を堆積し
て、上記第1及び第2の導電膜から上記MOSトランジ
スタのゲート電極をパターニングすることができる。
【0022】この方法により、素子分離層の上面が素子
形成領域の半導体基板表面よりも段差を持って高くなる
ので、ボイドの開口をより確実に防止することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) まず、第1の実施形態について説明する。図1(a)〜
(g)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。
【0024】まず、図1(a)に示すように、半導体基
板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20nm
程度)及びエッチングストッパ膜であるシリコン窒化膜
12(厚み150〜200nm程度)を堆積した後、シ
リコン窒化膜12の上に、素子分離領域Rtoを開口しか
つ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜FR1を形
成する。そして、上記フォトレジスト膜FR1をマスク
としてエッチングを行い、シリコン窒化膜12及びシリ
コン酸化膜11を除去した後、さらに半導体基板10を
堀込んで、所定深さ(約500nm)の溝部10aを形
成する。このとき、半導体基板10の表面と溝部10a
の側面との間の角度θが90゜付近(80〜100゜程
度の範囲)になるように、エッチング条件を設定する。
【0025】次に、図1(b)に示すように、フォトレ
ジスト膜FR1を除去した後、減圧CVD法により、溝
部10aの深さ寸法よりも小寸法の厚みを有するシリコ
ン酸化膜(例えば熱酸化膜,シラン系HTO膜,TEO
S系HTO膜等)からなる厚みが約20nmの拡散防止
膜14を堆積し、さらに、拡散防止膜14の上に溝部1
0aの深さ寸法よりも大寸法の厚み(例えば800〜1
000nm程度)を有するシリコン酸化膜からなる分離
用絶縁膜15を堆積し、溝部10aを分離用絶縁膜15
で埋める。この分離用絶縁膜15は、例えばシラン系B
PSG膜,TEOS系BPSG膜等のリフロー性を有す
る膜である。ただし、BPSG膜だけでなく、PSG
膜,BSG膜,ヒ素含有シリコン酸化膜等でもよく、ま
た、シリコン酸化膜を堆積してから不純物イオンの注入
を行うことでリフロー性を与えてもよい。
【0026】このとき、図1(b)に示すように、幅の
狭い素子分離領域Rtoにおいて、溝部10aのアスペク
ト比が高いので、分離用絶縁膜15中にボイド19が発
生する確率が極めて高い。
【0027】ここで、本実施形態の特徴として、図1
(c)に示す工程で、例えば850℃,30分間程度の
熱処理により、分離用絶縁膜15のリフローを行い、ボ
イド19を消滅させる。
【0028】次に、図1(d)に示すように、例えば化
学的機械研磨法(以下、CMP法と略称する)を用い
て、基板表面を平坦化する。つまり、素子形成領域Rtr
の分離用絶縁膜15及び拡散防止膜14を完全に除去し
て、シリコン窒化膜12の表面を露出させる。このとき
溝部10a内に残存する分離用絶縁膜により、素子分離
15aが形成される。
【0029】次に、図1(e)に示すように、シリコン
窒化膜12を燐酸ボイル等を用いて除去し、さらにフッ
酸系のウェットエッチング液等を用いてシリコン酸化膜
11を除去し、素子分離形成工程を終了する。その後、
基板上にゲート絶縁膜16及びポリシリコン膜17を堆
積し、このポリシリコン膜17の上に、ゲート電極等を
形成しようとする領域を覆うフォトレジスト膜FR2を
形成する。
【0030】次に、図1(f)に示すように、フォトレ
ジスト膜FR2をマスクとして、ポリシリコン膜17の
エッチングを行い、ゲート電極17aをパターニングす
る。
【0031】その後、図1(g)に示すように、ゲート
電極17aの側面上のサイドウォール24の形成、ソー
ス・ドレイン領域25の形成、層間絶縁膜26の堆積、
層間絶縁膜中における接続孔の形成、接続孔内への埋め
込み金属27の形成、上層金属配線28の形成等を経
て、半導体装置が完成する。
【0032】以上のように、本実施形態では、素子分離
領域Rtoの間隔が小さくなり溝部10aのアスペクト比
が大きくなることで、分離用絶縁膜15にボイド19が
発生しやすくなっても、分離用絶縁膜15をリフローさ
せることによって、ボイド19を消滅させることができ
る。
【0033】なお、上記実施形態では、分離用絶縁膜1
5の直下に拡散防止膜14を形成したが、この拡散防止
膜14は必ずしも設ける必要はない。ただし、拡散防止
膜14を設けることで、分離用絶縁膜15中の不純物が
半導体基板10内に侵入するのを確実に防止することが
でき、素子形成領域Rtr内に形成されるMOSトランジ
スタの信頼性をより向上させることができる。
【0034】また、エッチングストッパ膜として機能す
るシリコン窒化膜12の代わりにポリシリコン膜を堆積
し、平坦化工程の終了後にこのポリシリコン膜をエッチ
ングして除去するようにしてもよい。
【0035】また、分離用絶縁膜15をリフローさせる
工程は、平坦化工程が終了した後に行うようにしてもよ
い。
【0036】(第2の実施形態) 次に、第2の実施形態について説明する。図2(a)〜
(g)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態の製造方法が上記第1
の実施形態と異なる点は、素子分離用の溝部を形成する
際のエッチングストッパ膜を第1の導電膜であるポリシ
リコン膜で構成し、さらにこのポリシリコン膜の上に第
2の導電膜を堆積し、ゲート電極を積層膜で構成する点
である。
【0037】まず、図2(a)に示すように、半導体基
板10の上にゲート絶縁膜21(厚み10nm程度)及
びエッチングストッパ膜であるポリシリコン膜22(第
1の導電膜)(厚み150〜300nm程度)を堆積し
た後、ポリシリコン膜22の上に、素子分離領域Rtoを
開口しかつ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜F
R1を形成する。そして、上記フォトレジスト膜FR1
をマスクとしてエッチングを行い、ポリシリコン膜22
及びゲート絶縁膜21を除去した後、さらに半導体基板
10を堀込んで、所定深さ(約500nm程度)の溝部
10aを形成する。このとき、半導体基板10の表面と
溝部10aの側面との間の角度θが90゜付近(80〜
100゜程度の範囲)になるように、エッチング条件を
設定する。
【0038】次に、図2(b)〜(d)に示す工程で、
第1の実施形態における図1(b)〜(d)に示す工程
と同様の処理を行う。つまり、分離用絶縁膜15中に発
生したボイド19をリフロー工程により消滅させてか
ら、平坦化工程を行う。
【0039】次に、図2(e)に示すように、平坦化さ
れた基板上に第2の導電膜である厚みが約100〜20
0nmのポリシリコン膜23を堆積し、その上にゲート
電極等を形成しようとする領域を覆うフォトレジスト膜
FR2を形成する。
【0040】次に、図2(f)に示すように、フォトレ
ジスト膜FR2をマスクとして、2つのポリシリコン膜
22,23のエッチングを行い、下層膜22a及び上層
膜23aからなるゲート電極50をパターニングする。
【0041】その後、図2(g)に示すように、上記第
1の実施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理
を行って、半導体装置が完成する。
【0042】本実施形態においても、素子分離領域Rto
の間隔が小さくなり溝部10aのアスペクト比が大きく
なることで、分離用絶縁膜15中にボイド19が発生し
やすくなっても、分離用絶縁膜15をリフローさせるこ
とによって、ボイド19を消滅させることができる。特
に、本実施形態では、上記第1の実施形態に比べ、素子
分離15aを形成する前にゲート絶縁膜21及びゲート
用ポリシリコン膜22をそれぞれ形成,堆積しているの
で、リフロー性を有する分離用絶縁膜15の堆積前から
半導体基板10の表面が露出することがない。したがっ
て、分離用絶縁膜15に含まれるボロンやリン等の不純
物の拡散によるトランジスタ特性の変動を生じる虞れが
まったくないという利点がある。さらに、ゲート電極5
0をパターニングする際には下地に段差がなくフラット
であるので、微細なパターンを安定して形成し得る利点
もある。
【0043】なお、上記実施形態では、ゲート電極50
の上層膜23aをポリシリコン膜23で構成したが、W
Si,TiSi等のシリサイド膜で構成してもよく、低
抵抗化のためにTiN等のバリアメタルとW等の高融点
金属膜との積層膜で構成してもよい。
【0044】また、上記実施形態では、分離用絶縁膜1
5の直下に拡散防止膜14を形成したが、この拡散防止
膜14は必ずしも設ける必要はない。ただし、拡散防止
膜14を設けることで、分離絶縁膜15中の不純物が半
導体基板10内に侵入するのを確実に防止することがで
き、素子形成領域Rtr内に形成されるMOSトランジス
タの信頼性をより向上させることができる。
【0045】また、分離用絶縁膜15をリフローさせる
工程は、平坦化工程が終了した後に行うようにしてもよ
い。
【0046】(第3の実施形態) 次に、第3の実施形態について説明する。図3(a)〜
(g)は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態の製造方法が上記第
1,第2の実施形態と異なる点は、素子分離用の溝部の
形状を逆テーパ状として、分離用絶縁膜内の奥方にボイ
ドを発生させる点である。
【0047】まず、図3(a)に示すように、半導体基
板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20nm
程度)及びエッチングストッパ膜であるシリコン窒化膜
12(厚み150〜200nm程度)を堆積した後、シ
リコン窒化膜12の上に、素子分離領域Rtoを開口しか
つ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜FR1を形
成する。そして、上記フォトレジスト膜FR1をマスク
としてエッチングを行い、シリコン窒化膜12及びシリ
コン酸化膜11を除去した後、さらに半導体基板10を
堀込んで、所定深さ(約500nm)の溝部10aを形
成する。このとき、半導体基板10の表面と溝部10a
の側面との間の角度θが90゜以下(80〜90゜程度
の範囲)になるように、エッチング条件を設定する。
【0048】次に、図3(b)に示すように、フォトレ
ジスト膜FR1を除去した後、基板上に溝部10aの深
さ寸法よりも大寸法の厚み(例えば800〜1000n
m程度)を有するシリコン酸化膜からなる分離用絶縁膜
31を堆積し、溝部10aを分離用絶縁膜31で埋め
る。この分離用絶縁膜31は、上記第1,第2の実施形
態と異なり、リフロー性を有しない膜である。
【0049】このとき、図3(b)に示すように、溝部
10aが逆テーパを有していることで、シャドウィング
効果が大きくなり堆積の早期に溝部10aの上方が分離
用絶縁膜31で塞がれるので、断面形状が比較的円形に
近いボイド19が溝部10aの奥方に発生する。
【0050】次に、図3(c)に示すように、例えば化
学的機械研磨法(以下、CMP法と略称する)を用い
て、基板表面をほぼ平坦にする。つまり、素子形成領域
Rtr内の分離用絶縁膜31は完全に除去して、シリコン
窒化膜12の表面を露出させる。この状態で、溝部内に
残存する分離用絶縁膜により、素子分離31aが形成さ
れる。
【0051】次に、図3(d)に示すように、シリコン
窒化膜12を燐酸ボイル等を用いて除去し、さらにフッ
酸系のウェットエッチング液等を用いてシリコン酸化膜
11を除去し、素子分離形成工程を終了する。
【0052】次に、図3(e)に示すように、基板上に
ゲート絶縁膜16及びポリシリコン膜17を堆積し、こ
のポリシリコン膜17の上に、ゲート電極等を形成しよ
うとする領域を覆うフォトレジスト膜FR2を形成す
る。
【0053】次に、図3(f)に示すように、フォトレ
ジスト膜FR2をマスクとして、ポリシリコン膜17の
エッチングを行い、ゲート電極17aをパターニングす
る。
【0054】その後、図3(g)に示すように、図1
(g)に示す工程と同様の処理を行って、半導体装置が
完成する。
【0055】本実施形態では、素子分離用の溝部10a
の形状を逆テーパ状にすることで、溝部10a内に分離
用絶縁膜31を堆積する際にシャドウィング効果が増幅
される。すなわち、図3(b)に示す工程で、溝部10
a内では、溝部10aの両側面にシリコン酸化膜が堆積
されていくが、上方の両側面に堆積されていくシリコン
酸化膜のために溝部10aの下方に到達する酸化シリコ
ンの量が減小するというシャドウィング効果が大きいの
で、溝部10a内の比較的奥方でボイドが塞がれる。し
たがって、ボイド19の上端が確実に素子分離31aの
表面よりも下方に位置することになって、その後の工程
でボイド19が表面に開口するのを確実に防止すること
ができる。
【0056】特に本実施形態のように、シリコン窒化膜
12を厚くしておき、その後図3(d)に示す工程でシ
リコン窒化膜12を除去した状態で、素子分離31aの
上面が素子形成領域Rtr内の半導体基板10の上面より
も高くなるようにしておくことで、ボイド19の開口を
防止する効果が大きい。
【0057】なお、エッチングストッパ膜として機能す
るシリコン窒化膜12の代わりにポリシリコン膜を堆積
し、平坦化工程の終了後にこのポリシリコン膜をエッチ
ングして除去するようにしてもよい。
【0058】(第4の実施形態) 次に、第4の実施形態について説明する。図4(a)〜
(g)は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態の製造方法が上記第3
の実施形態と異なる点は、素子分離用の溝部を形成する
際のエッチングストッパ膜を第1の導電膜であるポリシ
リコン膜で構成し、さらにこのポリシリコン膜の上に第
2の導電膜を堆積し、ゲート電極を積層膜で構成する点
である。
【0059】まず、図4(a)に示すように、半導体基
板10の上にゲート絶縁膜21(厚み10nm程度)及
びエッチングストッパ膜であるポリシリコン膜22(厚
み150〜300nm程度)を堆積した後、ポリシリコ
ン膜22の上に、素子分離領域Rtoを開口しかつ素子形
成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜FR1を形成する。
そして、上記フォトレジスト膜FR1をマスクとしてエ
ッチングを行い、ポリシリコン膜22及びゲート絶縁膜
21を除去した後、さらに半導体基板10を堀込んで、
所定深さ(約500nm)の溝部10aを形成する。こ
のとき、半導体基板10の表面と溝部10aの側面との
間の角度θが90゜以下(80〜90゜程度の範囲)に
なるように、エッチング条件を設定する。
【0060】次に、図4(b)に示すように、フォトレ
ジスト膜FR1を除去した後、基板上に溝部10aの深
さ寸法よりも大寸法の厚み(例えば800〜1000n
m程度)を有するシリコン酸化膜からなる分離用絶縁膜
31を堆積し、溝部10aを分離用絶縁膜31で埋め
る。この分離用絶縁膜31は、上記第1,第2の実施形
態と異なり、リフロー性を有しない膜である。
【0061】このとき、図4(b)に示すように、溝部
10aが逆テーパを有していることで、シャドウィング
効果が大きくなり堆積の早期に溝部10aの上方が分離
用絶縁膜31で塞がれるので、断面形状が比較的円形に
近いボイド19が溝部10aの奥方に発生する。
【0062】次に、図4(c)に示すように、例えば化
学的機械研磨法(以下、CMP法と略称する)を用い
て、基板表面をほぼ平坦にする。つまり、素子形成領域
Rtr内の分離用絶縁膜31を完全に除去して、ポリシリ
コン膜22の表面を露出させる。この状態で、溝部10
a内に残存する分離用絶縁膜により、素子分離31aが
形成される。
【0063】次に、図4(d)に示すように、平坦化さ
れた基板上に第2の導電膜である厚みが約100〜20
0nmのポリシリコン膜23を堆積し、その上にゲート
電極等を形成しようとする領域を覆うフォトレジスト膜
FR2を形成する。
【0064】次に、図4(e)に示すように、フォトレ
ジスト膜FR2をマスクとして、2つのポリシリコン膜
22,23のエッチングを行い、下層膜22a及び上層
膜23aからなるゲート電極50をパターニングする。
【0065】その後、図4(f)に示すように、上記第
1の実施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理
を行って、半導体装置が完成する。
【0066】本実施形態においても、素子分離用の溝部
10aの形状を逆テーパ状にすることで、ボイド19を
素子分離10a内の奥方に生ぜしめ、その後の工程でボ
イド19が基板表面に開口するのを確実に防止すること
ができる。特に、本実施形態では、上記第3の実施形態
に比べ、シリコン窒化膜12及びシリコン酸化膜11を
エッチングにより除去する工程がないので、この工程の
際に素子分離31aを構成するシリコン酸化膜が除去さ
れることがまったくない。したがって、素子分離31a
の膜厚の減小がない分だけ、より確実にボイド19の開
口を防止することができる。さらに、ゲート電極50を
パターニングする際には下地に段差がなくフラットであ
るので、微細なパターンを安定して形成し得る利点もあ
る。
【0067】なお、本実施形態では、ゲート電極50の
上層膜をポリシリコン膜23で構成したが、WSi,T
iSi等のシリサイドで構成してもよく、低抵抗化のた
めにTiN等のバリアメタルとW等の高融点金属膜との
積層膜で構成してもよい。
【0068】(第5の実施形態) 次に、第5の実施形態について説明する。図5(a)〜
(f)は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態の製造方法の特徴は、
素子分離用の絶縁膜を堆積する前に溝部内にサイドウォ
ールを形成しておく点である。
【0069】まず、図5(a)に示す工程で、半導体基
板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20nm
程度)及びエッチングストッパ膜であるシリコン窒化膜
12(厚み100〜200nm程度)を堆積した後、シ
リコン窒化膜12の上に、素子分離領域Rtoを開口しか
つ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜を形成す
る。そして、上記フォトレジスト膜をマスクとしてエッ
チングを行い、シリコン窒化膜12及びシリコン酸化膜
11を除去した後、さらに半導体基板10を堀込んで、
所定深さ(約500nm)の溝部10aを形成する。こ
のとき、半導体基板10の表面と溝部10aの側面との
間の角度θが90゜付近(80〜100゜程度の範囲)
であることが好ましい。そして、溝部10aが形成され
た状態で、基板上にHTO膜32を溝部10aの幅寸法
の最小値の1/2以下の厚みで堆積する。例えば、最小
の溝幅が500nmの場合、HTO膜32の厚みを15
0〜200nm程度とする。ただし、この値に限定され
るものではない。
【0070】次に、図5(b)に示すように、HTO膜
32をエッチバックし、素子形成領域RtrのHTO膜3
2は除去するとともに、溝部10aの側面上にサイドウ
ォール32aを残す。
【0071】次に、図5(c)に示すように、基板上に
溝部10aの深さ寸法よりも大寸法の厚みを有するシリ
コン酸化膜からなる分離用絶縁膜31を堆積し、溝部1
0aを厚みが約800〜1000nmの分離用絶縁膜3
1で埋める。この分離用絶縁膜31はリフロー性を有し
ない膜である。このとき、溝部10aの側面にサイドウ
ォール32aが形成されているので、溝部10aが大き
な順テーパを有しているのと同じ結果となり、シャドウ
ィング効果が緩和され、溝部10a内にボイドが発生し
ない。
【0072】次に、図5(d)に示すように、フォトレ
ジスト膜で素子形成領域Rtrの反転パターンを形成し、
これを用いてエッチバックすることにより、基板表面を
ほぼ平坦にする。つまり、素子形成領域Rtr内の分離用
絶縁膜31を完全に除去して、シリコン窒化膜12の表
面を露出させる。この工程により、素子分離領域Rtoに
は、溝部10a内に残存する分離用絶縁膜からなる素子
分離31aが形成される。このとき、シリコン窒化膜1
2を完全に露出させるためにはオーバーエッチングを行
う必要があるので、素子分離31aの上面位置は、シリ
コン窒化膜12の上面位置よりもやや下方まで堀込まれ
る。
【0073】次に、図5(e)に示すように、シリコン
窒化膜12を燐酸ボイル等を用いて除去し、さらにフッ
酸系のウェットエッチング液等を用いてシリコン酸化膜
11を除去し、素子分離形成工程を終了する。このと
き、素子分離を構成するシリコン酸化膜もエッチング作
用を受けるので、素子分離31aの上面位置はさらに下
方に移動し、素子分離31aと素子形成領域Rtr内の半
導体基板10の表面高さとがほぼ同じ高さになり、基板
全体がフラットな状態となっている。逆にいうと、本実
施形態では、この工程で基板全体がフラットになるよう
に、シリコン酸膜11及びシリコン窒化膜12の厚み
や、オーバーエッチング量を設定する。
【0074】次に、図5(f)に示すように、基板上に
ゲート絶縁膜16及びポリシリコン膜を堆積し、このポ
リシリコン膜からゲート電極17aをパターニングす
る。
【0075】その後の工程は図示を省略するが、上記第
1の実施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理
を行って、半導体装置が完成する。
【0076】本実施形態では、図5(c)に示す工程で
溝部10a内に分離用絶縁膜が堆積される際に、溝部1
0a内にサイドウォール32aが形成されているので、
溝部10aが大きな順テーパを有しているのと同じ効果
が得られる。すなわち、シャドウィング効果が緩和され
るので、分離用絶縁膜31中にボイドを生ぜしめること
がない。しかも、溝部10a自体の形状は、その側面と
基板表面との間の角度がほぼ90゜に近くなるように、
つまりテーパを持たないか、テーパを持っても極めて小
さくできるので、溝部10aの底部の幅寸法は溝部10
aの上部の幅寸法とそれほど変わらない。すなわち、良
好な素子分離機能を確保しながら、ボイドの発生を有効
に防止することができるのである。
【0077】なお、HTO膜32の代わりにシリコン窒
化膜、あるいはポリシリコン膜等の導電膜を使用しても
よい。
【0078】(第6の実施形態) 次に、第6の実施形態について説明する。図6(a)〜
(f)は、第6の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態が、上記第5の実施形
態と異なる点は、素子分離用の絶縁膜を堆積する前に溝
部の底付近で両側面のサイドウォール間に急峻な凹部を
形成させて、その上に堆積する分離用絶縁膜によって奥
方に凹部を生ぜしめる点である。
【0079】まず、図6(a)に示す工程で、半導体基
板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20nm
程度)及びエッチングストッパ膜であるポリシリコン膜
22(厚み100〜300nm程度)を堆積した後、ポ
リシリコン膜22の上に、素子分離領域Rtoを開口しか
つ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜を形成す
る。そして、上記フォトレジスト膜をマスクとしてエッ
チングを行い、ポリシリコン膜22及びシリコン酸化膜
11を除去した後、さらに半導体基板10を堀込んで、
所定深さ(約500nm)の溝部10aを形成する。こ
のとき、半導体基板10の表面と溝部10aの側面との
間の角度θが90゜付近(80〜100゜程度の範囲)
であることが好ましい。そして、溝部10aが形成され
た状態で、基板上にHTO膜32を溝部10aの幅寸法
の最小値の1/2以下の厚みでかつ比較的厚めに堆積す
る。例えば、最小の溝幅が500nmの場合、HTO膜
32の厚みを2000〜250nm程度とする。ただ
し、この値に限定されるものではない。
【0080】次に、図6(b)に示すように、HTO膜
32をエッチバックし、溝部10aの両側面上に形成さ
れるサイドウォール32bが底面上で相接触するか、サ
イドウォール32bが両側に分離しても両者間に急峻な
凹部が形成される程度に、エッチングを行う。また、サ
イドウォール32bの上端は溝部10aの上端よりも下
方まで除去されている。このようなサイドウォールは、
オーバーエッチングにより実現する。
【0081】次に、図6(c)に示すように、基板上に
溝部10aの深さ寸法よりも大寸法の厚み(例えば80
0〜1000nm程度)を有するシリコン酸化膜からな
る分離用絶縁膜31を堆積し、溝部10aを分離用絶縁
膜31で埋める。この分離用絶縁膜31はリフロー性を
有しない膜である。このとき、溝部10aの両側面上の
サイドウォール32b間に急峻な側面を有する凹部が形
成されているので、この急峻な側面を有する凹部におい
て部分的にアスペクト比が高くなっており、分離用絶縁
膜31の奥方にボイド20が発生する。
【0082】次に、図6(d)に示すように、フォトレ
ジスト膜で素子形成領域Rtrの反転パターンを形成し、
これを用いてエッチバックすることにより、基板表面を
ほぼ平坦にする。つまり、素子形成領域Rtr内の分離用
絶縁膜31を完全に除去して、ポリシリコン膜22の表
面を露出させる。この工程により、素子分離領域Rtoに
は、溝部10a内に残存する分離用絶縁膜からなる素子
分離31aが形成される。このとき、ポリシリコン膜2
2を完全に露出させるためには多少オーバーエッチング
を行う必要があるので、素子分離31aの上面位置は、
ポリシリコン膜22の上面位置よりもやや下方まで堀込
まれる。しかし、ボイド20は素子分離31a内の奥方
にあり、この工程でボイド20が素子分離31aの表面
に開口することはない。
【0083】次に、図6(e)に示すように、ポリシリ
コン膜22を、ドライエッチング又は、酸化剤,フッ酸
等を混合したエッチング液を使用して除去し、さらにフ
ッ酸系のウェットエッチング液等を用いてシリコン酸化
膜11を除去し、素子分離形成工程を終了する。このと
き、素子分離を構成するシリコン酸化膜もエッチング作
用を受けるので、素子分離31aの上面位置はさらに下
方に移動し、素子分離31aと素子形成領域Rtr内の半
導体基板10の表面高さとがほぼ同じ高さになる。ただ
し、この工程においても、ボイド20が素子分離31a
の表面に開口することはない。
【0084】次に、図6(f)に示すように、基板上に
ゲート絶縁膜16及びポリシリコン膜を堆積し、このポ
リシリコン膜からゲート電極17aをパターニングす
る。
【0085】その後の工程は図示を省略するが、上記第
1の実施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理
を行って、半導体装置が完成する。
【0086】本実施形態では、図6(c)に示す工程で
溝部10a内に分離用絶縁膜が堆積される際に、溝部1
0aの両側面上のサイドウォール32b間に急峻な側面
を有する凹部が形成され、かつサイドウォールの上端が
溝部10aの上端よりも下方に位置するまでオーバーエ
ッチングされているので、その上に堆積される分離用絶
縁膜31中の奥方にボイド20が発生する。したがっ
て、その後の工程で、ボイド20が素子分離31aの表
面に開口することはない。しかも、溝部10a自体の形
状は、その側面と基板表面との間の角度がほぼ90゜に
近くなるように、つまりテーパを持たないか、テーパを
持っても極めて小さくできるので、溝部10aの底部の
幅寸法は溝部10aの上部の幅寸法とそれほど変わらな
い。すなわち、高集積化された半導体装置においても、
良好な素子分離機能を確保しながら、半導体装置の信頼
性の劣化を有効に防止することができるのである。
【0087】なお、HTO膜32の代わりに、シリコン
窒化膜、あるいはポリシリコン膜等の導電膜を使用して
もよい。
【0088】(第7の実施形態) 次に、第7の実施形態について説明する。図7(a)〜
(f)は、第7の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態が、上記第6の実施形
態と異なる点は、埋め込み用膜の堆積の際に生じた断面
形状がスリット状(楕円形)のボイドを利用して、素子
分離用の絶縁膜を堆積する際に内部の深い部位にボイド
を発生させる点である。
【0089】まず、図7(a)に示す工程で、半導体基
板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20nm
程度)及びエッチングストッパ膜であるポリシリコン膜
22(厚み100nm程度)を堆積した後、ポリシリコ
ン膜22の上に、素子分離領域Rtoを開口しかつ素子形
成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜を形成する。そし
て、上記フォトレジスト膜をマスクとしてエッチングを
行い、ポリシリコン膜22及びシリコン酸化膜11を除
去した後、さらに半導体基板10を堀込んで、所定深さ
(約500nm)の溝部10aを形成する。このとき、
半導体基板10の表面と溝部10aの側面との間の角度
θが90゜付近(80〜100゜程度の範囲)であるこ
とが好ましい。そして、溝部10aが形成された状態
で、基板上にシリコン酸化膜からなるHTO膜32を溝
部10aの幅寸法の最小値の1/2以上の厚みで堆積す
る。例えば最小の溝幅が500nmの場合、HTO膜3
2の厚みを250〜500nmとする。そのとき、幅の
狭い素子分離形成領域RtoのHTO膜32中にはスリッ
ト状(楕円形)のボイド19が発生する。
【0090】次に、図7(b)に示すように、ボイド1
9が十分開口されるまでHTO膜32をエッチバックす
る。このとき、なお、HTO膜32の厚みやエッチング
量によっては、HTO膜の残存部32cがポリシリコン
膜22の上にまで亘るが、後にこの上にシリコン酸化膜
を再度堆積するので、問題は生じない。
【0091】次に、図7(c)に示すように、基板上に
溝部10aの深さ寸法よりも大寸法の厚み(例えば80
0〜100nm程度)を有するシリコン酸化膜からなる
分離用絶縁膜31を堆積し、溝部10aを分離用絶縁膜
31で埋める。この分離用絶縁膜31はリフロー性を有
しない膜である。このとき、溝部10aに存在していた
断面形状がスリット状のボイド19が開口しているの
で、急峻な側面を有する凹部が形成された状態となって
いる。そして、その上に分離用絶縁膜31が堆積される
ので、上記第6の実施形態と同様に、溝部10aの奥方
にボイド20が発生する。
【0092】その後、図7(d)〜(f)に示す工程
で、上記第6実施形態における図6(d)〜(f)に示
す工程と同じ処理を行う。さらにその後、上記第1の実
施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理を行っ
て、半導体装置を完成する。
【0093】本実施形態では、図7(c)に示す工程で
溝部10a内に分離用絶縁膜が堆積される際に、溝部1
0a内の深い部分にボイド19が開口してなる急峻な側
面を有する凹部が形成されているので、上記第6の実施
形態と同様の作用により、その上に堆積される分離用絶
縁膜31中にボイド20が発生する。しかし、このボイ
ド20が発生する部分は、分離用絶縁膜31の奥方とな
っているので、その後の工程で、ボイド20が素子分離
31aの表面に開口することはない。しかも、溝部10
a自体の形状は、その側面と基板表面との間の角度がほ
ぼ90゜に近くなるように、つまりテーパを持たない
か、テーパを持っても極めて小さくできるので、溝部1
0aの底部の幅寸法は溝部10aの上部の幅寸法とそれ
ほど変わらない。すなわち、高集積化された半導体装置
においても、良好な素子分離機能を確保しながら、半導
体装置の信頼性の劣化を有効に防止することができるの
である。
【0094】(第8の実施形態) 次に、第8の実施形態について説明する。図8(a)〜
(f)は、第8の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態が上記第5〜第7の実
施形態と異なる点は、素子分離用の絶縁膜を堆積する前
に、ステップカバレージの良好な膜を堆積してこれを溝
部内に埋め込んでおく点である。
【0095】まず、図8(a)に示す工程で、半導体基
板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20nm
程度)及びエッチングストッパ膜であるポリシリコン膜
22(厚み100〜300nm程度)を堆積した後、ポ
リシリコン膜22の上に、素子分離領域Rtoを開口しか
つ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜を形成す
る。そして、上記フォトレジスト膜をマスクとしてエッ
チングを行い、ポリシリコン膜22及びシリコン酸化膜
11を除去した後、さらに半導体基板10を堀込んで、
所定深さ(約500nm)の溝部10aを形成する。こ
のとき、半導体基板10の表面と溝部10aの側面との
間の角度θが90゜付近(80〜100゜程度の範囲)
であることが好ましい。そして、溝部10aが形成され
た状態で、基板上にHTO膜からなる下敷き用絶縁膜4
0を堆積し、さらにこの上に、ステップカバレージの良
好なポリシリコン膜からなる埋め込み用膜33を溝部1
0aの深さ寸法の1/2よりも大寸法の厚みで堆積す
る。例えば、最小の溝幅が500nmの場合、埋め込み
用膜33の厚みを250〜300nmとする。このと
き、ポリシリコン膜が良好なステップカバレージを有す
ることから、埋め込み用膜33内にはボイドは発生しな
い。
【0096】次に、図8(b)に示すように、埋め込み
用膜33をエッチバックし、溝部10aの底部付近に埋
め込み層33aを残して、素子形成領域Rtr内の埋め込
み用膜33を完全に除去する。
【0097】次に、図8(c)に示すように、基板上に
溝部10aの深さ寸法よりも大寸法の厚みを有するシリ
コン酸化膜からなる分離用絶縁膜31を堆積し、溝部1
0aを分離用絶縁膜31で埋める。この分離用絶縁膜3
1はリフロー性を有しない膜である。このとき、溝部1
0aの底部に埋め込み層33aが残存しているので、溝
部10aのアスペクト比が小さくなったのと同じ効果が
生じ、分離用絶縁膜31中にはボイドは発生しない。
【0098】次に、図8(d)に示すように、フォトレ
ジスト膜で素子形成領域Rtrの反転パターンを形成し、
これを用いてエッチバックすることにより、基板表面を
ほぼ平坦にする。つまり、素子形成領域Rtr内の分離用
絶縁膜31及び下敷き用絶縁膜40は完全に除去して、
ポリシリコン膜22の表面を露出させる。この工程によ
り、素子分離領域Rtoには、溝部10a内に残存する分
離用絶縁膜31aと埋め込み層33aと下敷き膜40a
とからなる素子分離51が形成される。このとき、ポリ
シリコン膜22を完全に露出させるためにはオーバーエ
ッチングを行う必要があるので、素子分離51の上面位
置は、ポリシリコン膜22の上面位置よりもやや下方ま
で堀込まれる。
【0099】その後、図8(e),(f)に示す工程
で、上記第6実施形態における図6(e),(f)に示
す工程と同じ処理を行う。さらにその後、上記第1の実
施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理を行っ
て、半導体装置を完成する。
【0100】本実施形態では、図8(c)に示す工程で
溝部10a内に分離用絶縁膜31が堆積される際に、溝
部10a内に埋め込み層33aが形成されているため
に、溝部10aのアスペクト比が小さくなったのと同じ
効果が得られる。すなわち、シャドウィング効果による
ボイドの発生を招くことがない。しかも、溝部10a自
体の形状は、その側面と基板表面との間の角度がほぼ9
0゜に近くなるように、つまりテーパを持たないか、テ
ーパを持っても極めて小さくできるので、溝部10aの
底部の幅寸法は溝部10aの上部の幅寸法とそれほど変
わらない。すなわち、高集積化された半導体装置におい
ても、良好な素子分離機能を確保しながら、半導体装置
の信頼性の劣化を有効に防止することができるのであ
る。
【0101】なお、本実施形態では、埋め込み用膜33
をポリシリコン膜で構成したが、シリコン窒化膜等のス
テップカバレージの良好な材料からなる膜であれば、特
に材質には限定されず、導電膜,強誘電体膜等でもよ
い。
【0102】(第9の実施形態) 次に、第9の実施形態について説明する。図9(a)〜
(f)は、第9の実施形態に係る半導体装置の製造工程
を示す断面図である。本実施形態が上記第8の実施形態
と異なる点は、素子分離用の絶縁膜を堆積する前に、リ
フロー性を有する膜を堆積した後リフローしてボイドを
消滅させたものを、予め溝部内に埋め込んでおく点であ
る。
【0103】まず、図9(a)に示す工程で、半導体基
板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20nm
程度)及びエッチングストッパ膜であるポリシリコン膜
22(厚み100〜300nm程度)を堆積した後、ポ
リシリコン膜22の上に、素子分離領域Rtoを開口しか
つ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜を形成す
る。そして、上記フォトレジスト膜をマスクとしてエッ
チングを行い、ポリシリコン膜22及びシリコン酸化膜
11を除去した後、さらに半導体基板10を堀込んで、
所定深さ(約500nm)の溝部10aを形成する。こ
のとき、半導体基板10の表面と溝部10aの側面との
間の角度θが90゜付近(80〜100゜程度の範囲)
であることが好ましい。そして、溝部10aが形成され
た状態で、基板上にHTO膜からなる下敷き用絶縁膜4
0を堆積し、さらに、この上にBPSG膜からなる埋め
込み用膜34を溝部10aの深さ寸法の1/2よりも大
寸法の厚み(例えば300〜500nm程度)で堆積す
る。この埋め込み用膜34は、例えばシラン系BPSG
膜,TEOS系BPSG膜等のリフロー性を有する膜で
ある。ただし、BPSG膜だけでなく、PSG膜,BS
G膜,ヒ素含有シリコン酸化膜等でもよく、また、シリ
コン酸化膜を堆積してから不純物イオンの注入を行うこ
とでリフロー性を与えてもよい。
【0104】このとき、図1(b)に示すと同様に、幅
の狭い素子分離領域Rtoにおいて、溝部10aのアスペ
クト比が高いので、埋め込み用膜34中にボイド19が
発生する確率が極めて高い。
【0105】次に、図9(b)に示すように、例えば8
50℃,30分間程度の熱処理により、埋め込み用膜3
4のリフローを行い、ボイド19を消滅させる。
【0106】次に、図9(c)に示すように、埋め込み
用膜34をエッチバックし、溝部10aの底部付近に埋
め込み層34aを残して、素子形成領域Rtr内の埋め込
み用膜34を完全に除去する。
【0107】次に、図9(d)に示すように、基板上に
溝部10aの深さ寸法よりも大寸法の厚み(例えば80
0〜1000nm程度)を有するシリコン酸化膜からな
る分離用絶縁膜31を堆積し、溝部10aを分離用絶縁
膜31で埋める。この分離用絶縁膜31はリフロー性を
有しない膜でよいが、リフロー性を有する材料で構成さ
れていてもよい。このとき、溝部10aの底部に埋め込
み層34aが形成されているので、溝部10aのアスペ
クト比が小さくなったのと同じ効果が生じ、分離用絶縁
膜31中にはボイドは発生しない。
【0108】その後、図9(e),(f)に示す工程
で、上記第6実施形態における図6(e),(f)に示
す工程と同じ処理を行う。さらにその後、上記第1の実
施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理を行っ
て、半導体装置を完成する。
【0109】本実施形態では、図9(d)に示す工程で
溝部10a内に分離用絶縁膜31が堆積される際に、溝
部10a内に埋め込み層34aが形成されているため
に、溝部10aのアスペクト比が小さくなったのと同じ
効果が得られる。すなわち、シャドウィング効果による
ボイドの発生を招くことがない。しかも、溝部10a自
体の形状は、その側面と基板表面との間の角度がほぼ9
0゜に近くなるように、つまりテーパを持たないか、テ
ーパを持っても極めて小さくできるので、溝部10aの
底部の幅寸法は溝部10aの上部の幅寸法とそれほど変
わらない。すなわち、高集積化された半導体装置におい
ても、良好な素子分離機能を確保しながら、半導体装置
の信頼性の劣化を有効に防止することができるのであ
る。
【0110】なお、本実施形態では、埋め込み用膜34
をBPSG膜で構成したが、埋め込み用膜はリフロー性
のある材料からなる膜であればよく、PSG膜,BSG
膜等であってもよいことはいうまでもない。
【0111】また、下敷き用絶縁膜40は必ずしも設け
る必要はない。ただし、下敷き用絶縁膜40を形成する
ことで、不純物の基板への侵入を防止し得る利点があ
る。
【0112】(第10の実施形態) 次に、第10の実施形態について説明する。図10
(a)〜(f)は、第10の実施形態に係る半導体装置
の製造工程を示す断面図である。本実施形態の特徴は、
ステップカバレージのよいポリシリコン等で素子分離を
形成してから、少なくともその一部を酸化して絶縁膜に
変化させる点である。
【0113】まず、図10(a)に示す工程で、半導体
基板10の上にシリコン酸化膜11(厚み10〜20n
m程度)及びエッチングストッパ膜であるシリコン窒化
膜12(厚み100〜200nm程度)を堆積した後、
シリコン窒化膜12の上に、素子分離領域Rtoを開口し
かつ素子形成領域Rtrを覆うフォトレジスト膜を形成す
る。そして、上記フォトレジスト膜をマスクとしてエッ
チングを行い、シリコン窒化膜12及びシリコン酸化膜
11を除去した後、さらに半導体基板10を堀込んで、
所定深さ(約500nm)の溝部10aを形成する。こ
のとき、半導体基板10の表面と溝部10aの側面との
間の角度θが90゜付近(80〜100゜程度の範囲)
であることが好ましい。そして、溝部10aが形成され
た状態で、基板上にHTO膜からなる下敷き用絶縁膜4
0を堆積し、さらに、この上にステップカバレージのよ
いポリシリコン膜35を溝部10aの深さ寸法よりも大
寸法の厚み(例えば800〜1000nm程度)で堆積
する。このとき、ポリシリコン膜35のステップカバレ
ージが良好なことから、溝部10a内のポリシリコン膜
35中にはボイド19が発生しない。
【0114】次に、図10(b)に示すように、CMP
法により、ポリシリコン膜35を除去し、基板全体を平
坦化する。その際、素子形成領域Rtrのシリコン窒化膜
12の表面が露出するまでCMPを行い、素子形成領域
Rtrのポリシリコン膜35及び下敷き用絶縁膜40を除
去して、素子分離領域Rtoに下敷き膜40aと埋め込み
膜35aとを残す。
【0115】次に、図10(c)に示すように、埋め込
み膜35aを表面から酸化して、表面からある深さ迄の
部分をシリコン酸化膜に変化させる。つまり、シリコン
酸化膜からなる上部埋め込み層35bと、ポリシリコン
膜からなる下部埋め込み層35aと、下敷き絶縁膜40
aとで素子分離51が構成されている。なお、このと
き、ポリシリコン膜からなる埋め込み膜35aが酸化さ
れると、体積の増大が生じるので、素子分離51の上面
が高くなっている。
【0116】次に、図10(d)に示すように、シリコ
ン窒化膜12を燐酸ボイル等を用いて除去し、さらにフ
ッ酸系のウェットエッチング液等を用いてシリコン酸化
膜11を除去し、素子分離形成工程を終了する。
【0117】そして、図10(e)に示すように、基板
上にゲート絶縁膜16及びポリシリコン膜を堆積し、こ
のポリシリコン膜からゲート電極17aをパターニング
する。
【0118】その後の工程は図示を省略するが、上記第
1の実施形態における図1(g)に示す工程と同じ処理
を行って、半導体装置が完成する。
【0119】本実施形態では、図10(a)に示す工程
で、溝部10a内にステップカバレージのよいポリシリ
コン膜を堆積する際に、溝部10a内にボイドが発生す
ることがない。しかも、溝部10a自体の形状は、その
側面と基板表面との間の角度がほぼ90゜に近くなるよ
うに、つまりテーパを持たないか、テーパを持っても極
めて小さくできるので、溝部10aの底部の幅寸法は溝
部10aの上部の幅寸法とそれほど変わらない。すなわ
ち、高集積化された半導体装置においても、良好な素子
分離機能を確保しながら、半導体装置の信頼性の劣化を
有効に防止することができるのである。
【0120】なお、ポリシリコン膜35の代わりにアモ
ルファスシリコン膜を堆積し、これを後に酸化してもよ
い。また、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜
全体を酸化してもよい。
【0121】(その他の実施形態) 上記第1〜第4の実施形態では、CMP法により平坦化
工程を行ったが、上記第5〜第9の実施形態のごとく、
フォトレジスト膜で素子形成領域Rtrの反転パターンを
形成し、基板全体をエッチバックすることで基板全体を
ほぼ平坦にするようにしてもよい。
【0122】上記第5〜第9の実施形態では、分離用絶
縁膜を堆積した後の平坦化をフォトレジスト膜を利用し
たエッチバック法により行ったが、第1〜第4の実施形
態のごとくCMP法により行ってもよい。その場合に
は、第1〜第4の実施形態で述べたような素子分離の膜
減りの小さいことによる信頼性の向上やパターニング精
度の向上等の効果がある。
【0123】上記第5〜第9の実施形態において、図5
(a),図6(a),図7(a),図8(a),図9
(a)に示す状態で、ポリシリコン膜22の代わりにシ
リコン窒化膜を堆積してその後第5〜第9の実施形態と
同様の工程を行ってもよい。
【0124】上記第5〜第9の実施形態において、図5
(a),図6(a),図7(a),図8(a),図9
(a)に示す状態で、第2,第4実施形態のごとく、ポ
リシリコン膜22を除去せずにゲート電極の下層膜とし
て利用してもよい。その場合には、素子分離が素子形成
領域の半導体基板の表面よりもステップ状に高くなるの
で、第2,第4の実施形態で述べたような素子分離の膜
減りのほとんどないことによる信頼性の向上やパターニ
ング精度の向上等の効果がある。
【0125】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造方法によれ
ば、半導体基板上に素子形成領域と溝型素子分離領域を
有する半導体装置の製造方法として、素子分離領域に溝
部を形成し、この溝部の上端よりも下方に絶縁膜からな
る埋め込み層を形成してから分離用絶縁膜を堆積するよ
うにしたので、分離絶縁膜の堆積の際にボイドの発生を
防止あるいはボイドが発生してもその発生位置を奥方に
限定することができ、よって、集積度及び信頼性の高い
半導体装置を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図4】第4の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図5】第5の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図6】第6の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図7】第7の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図8】第8の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図9】第9の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図10】第10の実施形態に係る半導体装置の製造工
程を示す断面図である。
【図11】従来の一般的な半導体装置の製造工程を示す
断面図である。
【図12】従来の高集積度の半導体装置の製造工程を示
す断面図である。
【図13】図12の工程の一部を拡大して示す断面図で
ある。
【図14】従来の半導体装置の素子分離形成工程の終了
状態における平面図である。
【符号の説明】
10 半導体基板 10a 溝部 11 シリコン酸化膜 12 シリコン窒化膜(エッチングストッパ膜) 14 拡散防止膜 15 分離用絶縁膜 15a 素子分離 16 ゲート絶縁膜 17 ポリシリコン膜(ゲート用導電膜) 17a ゲート電極 19 ボイド 20 ボイド 21 ゲート絶縁膜 22 ポリシリコン膜(エッチングストッパ膜)(第
1の導電膜) 23 ポリシリコン膜(第2の導電膜) 24 サイドウォール 25 ソース・ドレイン領域 26 層間絶縁膜 27 埋め込み金属 28 上層金属配線 31 分離用絶縁膜 31a 素子分離 32 HTO膜(埋め込み用絶縁膜) 33 埋め込み用膜 34 BPSG膜(埋め込み用絶縁膜) 35 ポリシリコン膜(半導体膜) 50 ゲート電極 51 素子分離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中林 隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−67675(JP,A) 特開 平6−177239(JP,A) 特開 平1−235246(JP,A) 特開 平1−258439(JP,A) 特開 昭60−164335(JP,A) 特開 昭58−143548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/76

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOSトランジスタを形成するための複
    数の素子形成領域と上記各素子形成領域を区画するため
    の溝型素子分離領域とを有する半導体基板上に、エッチ
    ングストッパ膜を堆積する第1の工程と、 上記素子分離領域を開口したマスクを用いてエッチング
    を行い、上記素子分離領域の上記エッチングストッパ膜
    と上記半導体基板の一部とを除去して、上記半導体基板
    に所定深さの溝部を形成する第2の工程と、 上記溝部が形成された状態で、基板上に埋め込み用絶縁
    膜を堆積する第3の工程と、 上記埋め込み用絶縁膜をエッチバックして、上記溝部内
    に埋め込み層を形成する第4の工程と、 上記溝部内に上記埋め込み層が形成された状態で、基板
    上に分離用絶縁膜を堆積する第5の工程と、 上記分離用絶縁膜を少なくとも上記エッチングストッパ
    膜の表面が露出するまで化学的機械的研磨法によって除
    去しながら基板の表面をほぼ平坦にし、上記溝部内に上
    記分離用絶縁膜を残存させて、上記分離用絶縁膜からな
    る素子分離層を形成する第6の工程と、 上記素子形成領域内に、ゲート絶縁膜,ゲート電極及び
    ソース・ドレイン領域からなるMOSトランジスタを形
    成する第7の工程とを備え、 上記第3の工程では、上記素子分離領域の最小幅寸法の
    1/2以上の厚みを有する埋め込み用絶縁膜を上記素子
    分離領域のうち最小幅を有する部分において上記埋め込
    み用絶縁膜中にボイドが発生するよう堆積し、 上記第4の工程では、上記ボイドが開口した後ボイドの
    下端部下方の埋め込み用絶縁膜の少なくとも一部が除去
    されるまで上記埋め込み用絶縁膜をエッチバックするこ
    により、上記埋め込み層の上端が上記溝部の上端より
    も下方になるように形成することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第1の工程では、エッチングストッパ膜としてゲー
    ト絶縁膜を介して第1の導電膜を堆積し、 上記第7の工程では、基板上に第2の導電膜を堆積し
    て、上記第1及び第2の導電膜から上記MOSトランジ
    スタのゲート電極をパターニングすることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
JP32671495A 1994-12-20 1995-12-15 半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3288211B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32671495A JP3288211B2 (ja) 1994-12-20 1995-12-15 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-316593 1994-12-20
JP31659394 1994-12-20
JP32671495A JP3288211B2 (ja) 1994-12-20 1995-12-15 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08227935A JPH08227935A (ja) 1996-09-03
JP3288211B2 true JP3288211B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=26568718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32671495A Expired - Fee Related JP3288211B2 (ja) 1994-12-20 1995-12-15 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3288211B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3087685B2 (ja) 1997-06-04 2000-09-11 日本電気株式会社 半導体装置の製造方法
JP4068286B2 (ja) 2000-06-30 2008-03-26 株式会社東芝 半導体装置の製造方法
JP5602340B2 (ja) 2007-10-30 2014-10-08 ピーエスフォー ルクスコ エスエイアールエル 半導体装置及びその製造方法
JP5525127B2 (ja) 2007-11-12 2014-06-18 ピーエスフォー ルクスコ エスエイアールエル 半導体装置及びその製造方法
CN104733392B (zh) * 2015-04-17 2018-03-30 上海华虹宏力半导体制造有限公司 用于绝缘体上硅射频开关器件结构的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08227935A (ja) 1996-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6143626A (en) Method of manufacturing a semiconductor device using a trench isolation technique
JP4086926B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US6090700A (en) Metallization method for forming interconnects in an integrated circuit
US4857141A (en) Method of forming holes in semiconductor integrated circuit device
US20050242377A1 (en) Semiconductor device, a method of manufacturing the semiconductor device and a method of deleting information from the semiconductor device
KR100620979B1 (ko) Fet 디바이스용 게이트 스택 구조체 및 금속 층을포함하여 이루어지는 다층 게이트 스택 구조체를 제조하는방법
US6207543B1 (en) Metallization technique for gate electrodes and local interconnects
JP4550185B2 (ja) Dram装置の製造方法
US5866465A (en) Semiconductor processing method of forming a contact opening to a region adjacent a field isolation mass
EP0534631B1 (en) Method of forming vias structure obtained
JPH0745714A (ja) 半導体集積回路装置及びその製造方法
US6777341B2 (en) Method of forming a self-aligned contact, and method of fabricating a semiconductor device having a self-aligned contact
US20100200925A1 (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same
JP3102405B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP4160167B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US6143613A (en) Selective exclusion of silicide formation to make polysilicon resistors
JP2720796B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US6420273B1 (en) Self-aligned etch-stop layer formation for semiconductor devices
JP3215320B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0955499A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2002280452A (ja) 効果的に短絡を防止できる集積回路装置およびその製造方法
US6551920B2 (en) Semiconductor device and fabrication method thereof
JP3288211B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR100281124B1 (ko) 반도체소자 및 그의 제조방법
US6559489B2 (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20011106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080315

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090315

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100315

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110315

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110315

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees