JP3288086B2 - 動物体抽出装置 - Google Patents

動物体抽出装置

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JP3288086B2
JP3288086B2 JP28795192A JP28795192A JP3288086B2 JP 3288086 B2 JP3288086 B2 JP 3288086B2 JP 28795192 A JP28795192 A JP 28795192A JP 28795192 A JP28795192 A JP 28795192A JP 3288086 B2 JP3288086 B2 JP 3288086B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された画像中で、
動きのある物体の輪郭形状とその動きを同時にかつ安定
に抽出する動物体抽出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像中から動きのある物体(以
下、単に動物体という)を抽出する技術は、動物体を認
識するための、前処理として重要な要素技術である。こ
れまでに、様々な動物体抽出方法が提案されてきた。こ
れらの基本的な考えは、先ず、動物体の動きを検出し、
この検出された動物体の動きに係る情報から、或いは他
の特徴(エッジ、カラー、テクスチャなど)により抽出
された物体領域情報と加味された情報から、当該動物体
領域の抽出を試みようとするものであった。
【0003】例えば、動きを検出する代表的な手法に
は、画像間相関を用いた方法(立川、稲葉、井上:高速
相関演算機能をもつビジョンシステム(第2報:実時間
トラッキング処理への応用)、第9回日本ロボット学術
講演会予稿集(1991)) 、他に、特定カラー、角などの特
徴点の対応付けより動きを求める方法(福井、久保田、
溝口、石川:風船お手玉ロボットの視覚処理、第5回産
業における画像センシング技術シンポジム予稿集、pp.9
1-96(1990))、オプティカルフローによる方法(千葉、
小沢:ノイズを含んだ画像からのオプティカルフローの
検出、電子情報通信学会論文誌、Vol.j73-D-II, No.12,
pp.1952-1959(1990))、さらに、差分による方法、時空
間に展開して求める方法(間瀬:非エピポーラ面画像に
おける物体速度の推定、コンピュータビジョン研究会、
CV-71,pp1-8(1991) )等が挙げられる。
【0004】また、精度良く動物体領域を抽出するため
には、この動き情報を正確かつ密に検出する必要があ
る。しかし、実際の画像では、本来、3次元の画像情報
を有する物体が2次元面に投影される際に、情報の欠落
やノイズの混入が生じ、さらには検出される動き情報に
は誤差が含まれる場合が多い。また、他の特徴の抽出に
関しても、常にうまく求め得るとも限らない。例えば、
ソーベルオペレータのような単純な手法では、照明の加
減や、背景の状況により、途切れてエッジが抽出された
り、背景のエッジを抽出してしまうこともある。したが
って、抽出される領域も不正確となる。
【0005】そこで、予め用意された動的な輪郭モデ
ル、例えばスネーク曲線に、力学系でのエネルギ最小化
問題を適用して、物体の輪郭にフィットさせる方法が、
Kassらによって提案された(M.Kass,A.Witkin,D.Terzop
ouls,"Snakes:Active ContourModels",In Proc. 1st In
t.Conf.on Computer Vision,pp.259-268(1987) )。
【0006】これは、Active Contour Models (Snakes)
と呼ばれ、動物体の輪郭形状と動きを同時に抽出できる
ものである。すなわち、この手法は、画像中の輪郭上で
最小になるよなエネルギ関数を定義して、画像中の対象
物からの輪郭抽出問題を、弛緩法を用いたエネルギ関数
の最小化問題に変換して解く手法である。動物体領域抽
出には、有効な手法である。また、このときのエネルギ
関数Eは、以下の様に定義される。
【0007】 E=Σ(Eint (vi)+Eimage (vi)+Eext (vi)) (1) ここで、Eint (vi)は、スネーク曲線自身が滑らかに成
ろうとする力(内部エネルギー)、Eimage (vi)は、画
像特徴(線、エッジ、色など)に引き寄せられる力(画
像エネルギー)、Eext (vi)は、外部からの強制力(外
部エネルギー)となる。
【0008】別の観点から見ると、Snakeモデルは、拘
束条件下でスプライン関数を求める手法とも考えられ
る。スネークは、n点の離散的な点列Vi =(Xi ,Y
i )(i=0,n)から成る閉曲線で構成される。物理
的な表現をすると、ある程度剛性を有する針金を、エッ
ジに引き付けられる力で序々に変形させる過程に例えら
れる。引き付けられる力と針金自身が持つ復元力が釣り
合った状態が、エネルギ最小化の状態である。外部エネ
ルギは、外部から加わる拘束力であるが、外部からこの
ような力が加わらない場合は、考慮しない。
【0009】このスネークは、エネルギ関数の最小化問
題を弛緩法で解くため、非常に計算量が多い、この計算
を動的計画法で解く手法も開発されているが、リアルタ
イムに処理するのは、容易ではない。また、スネーク曲
線自身の滑らかになろうとする度合(以下、剛性と呼
ぶ)は、内部エネルギ関数内のパラメタで定義されるの
で、これを最適に決定する必要がある。細かい凹凸輪郭
を抽出する時と、荒い凹凸輪郭を抽出するときでは、剛
性のパラメータを変化させる必要があり、計算量もさら
に増加する。
【0010】そこで、これらの問題を解決するために、
コンピュータグラフィックスの分野で曲線を表現するの
に良く使われるBスプライン曲線、ベッイエ曲線を導入
したBスプラインスネーク(B-Spline snake ;R. Cip
olla, A. Blake, “The dynamic Analysis of Apparent
Conours” In Proc. 3st Int. Conf.on.Computer Vis
ion, pp616-623(1990))が開発された。
【0011】このBスプラインスネークは、従来のスネ
ークに比べて、収束繰り返し計算を行なわないため処理
が軽く、リアルタイム処理が可能である。図1に、Bス
プラインスネークの概略図を示す。
【0012】具体的な処理は、以下の5段階から成る。
【0013】ステップ1.初期値として、幾つかの制御
点を与える。
【0014】ステップ2.この制御点で表されるベッイ
エ曲線(あるいは、Bスプライン曲線)上の座標X
(s)、Y(s)を次式で計算する。ここで、sは、曲
線上で定義されたパラメータである。
【0015】
【数1】 なお、nは、制御点の総数、Qixは、制御点iのX座
標、Qiyは制御点iのY座標、Bi (s)は、n次混合
関数或いはBスプライン基本関数を表す。
【0016】
【数2】 ステップ3.各サンプル点において、曲線の垂直方向に
関して、最も強いエッジ(濃度勾配が最も大きい領域)
を探索する。自分自身と、このエッジまでの距離を移動
距離として、全サンプル点に対して求める。
【0017】ステップ4.各サンプルs点の移動量(d
sx,dsy)から、次式を最小とするQix、Qiyを最小2
乗法を適用して求め、新しい制御点iまでの移動量とす
る。
【数3】 ここで、mは、曲線上のサンプル点総数である。
【0018】ステップ5.制御点のみを3.で求めた移
動量だけ移動させる。
【0019】ステップ6.ステップ2.へ戻る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Bスプ
ラインスネークも含め従来の手法では、実画像で使用す
る際に、以下の3つの解決すべき問題点があった。
【0021】第1は、背景画像が複雑でエッジを多く含
む場合には、うまく対象物の輪郭のみを抽出できない点
である。これは、スネークが画像中で、自分自身に最も
近いエッジ(濃度勾配が最も大きい領域)を単純に探索
・抽出しているからである。物体の輪郭より強いエッジ
を含まない単純な背景画像に対しては、動物体の輪郭を
うまく抽出できるが、動物体の輪郭より濃度勾配が大き
い勾配を持つエッジが、近くに存在する場合、それらの
エッジを誤って抽出してしまう。これは、動く物体の輪
郭を追跡する上では、大きな問題となる。
【0022】第2は、状況によっては、剛性が適切でな
く、微小な動きに対してもノイズの影響を受けやすくな
るという点である。
【0023】先に述べたようにBスプラインスネーク
は、剛性をベッイエ曲線、あるいは、スプライン曲線で
表現している。そのため、剛性に関するパラメータの調
整は必要ないものの、例えば対象物の一部が見えなくな
る、形状が急激に変化する、画像中のノイズを受けると
いうような状況では、スネークは、その変化に敏感に反
応して、輪郭形状を急激に変形してしまうことになる。
【0024】したがって、場合によっては、スネークは
振動を開始して、最終的には発振して、動物体の輪郭形
状をうまく保持できなくなる問題があった。この問題に
関しては、剛体の振動解析と同様に複数の振動モードが
存在するとして報告されている(稲川、Pentland,Sclar
off 、アクティブモデルを用いた形状推定における拘束
条件決定手法: Correspondence in “3D Shape Reconst
ruction for ActiveModels”,PRU91-58(1991) )。
【0025】第3は、従来のスネークに比較して計算量
が多くなる場合がある。Bスプラインスネークは、従来
のスネークに比較して計算量は少ないが、それでも複雑
な形状を細部まで忠実に抽出する場合、サンプル点、制
御点の数を増やす必要があり、それに伴って計算量が増
大してリアルタイム処理ができなくなる点である。
【0026】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、背景画像、Bスプラインスネークの剛性、さらには
対象となる動物体の形状に拘らず、入力された画像中の
動物体の輪郭形状とその動きを同時にかつ安定に抽出す
ることのできる動物体抽出装置を提供することを目的と
する。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願第1の発明は、供給される画像情報から動きのある
物体を検出し、その輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、こ
の輪郭抽出手段で抽出された輪郭を対象として設けられ
る複数の輪郭追跡手段と、この複数の輪郭追跡手段の形
状とその動きから当該物体の輪郭形状と動きとを求める
動物体抽出手段とを有すること要旨とする。
【0028】また、本願第2の発明は、供給される画像
情報から動きのある物体を検出し、その輪郭を抽出する
輪郭抽出手段と、この輪郭抽出手段で抽出された輪郭を
対象として設けられ、それぞれ当該輪郭の特定方向の動
きにのみ反応する複数の輪郭追跡手段と、この複数の輪
郭追跡手段の内、異なる特定方向の動きに反応する少な
くとも2つの輪郭追跡手段を対として、それぞれ相互に
異なる特定方向の動きに係る情報を補間する補間手段
と、前記複数の輪郭追跡手段の形状とその動きから当該
物体の輪郭形状と動きとを求める動物体抽出手段とを有
することを要旨とする。
【0029】また、本願第3の発明は、供給される画像
情報から動きのある物体を検出し、その輪郭を抽出する
輪郭抽出手段と、この輪郭抽出手段で抽出された輪郭を
対象として設けられ、それぞれ当該輪郭の特定方向の動
きにのみ反応する複数の輪郭追跡手段と、この複数の輪
郭追跡手段の内、異なる特定方向の動きに反応する少な
くとも2つの輪郭追跡手段を対として、相互に当該輪郭
追跡手段の動きを拘束する拘束手段と、前記複数の輪郭
追跡手段の形状とその動きから当該物体の輪郭形状と動
きとを求める動物体抽出手段とを有することを要旨とす
る。
【0030】さらに、本願第4の発明は、供給される画
像情報から動きのある物体を検出し、その輪郭を抽出す
る輪郭抽出手段と、この輪郭抽出手段で抽出された輪郭
を対象として設けられる複数の輪郭追跡手段と、この複
数の輪郭追跡手段で囲繞される領域内に任意の点を設定
する任意点設定手段と、この任意点設定手段で設定され
る任意点と前記複数の輪郭追跡手段の各輪郭追跡手段と
の間に設けられ当該輪郭追跡手段の動きを拘束する拘束
手段と、複数の輪郭追跡手段の形状とその動きから当該
物体の輪郭形状と動きとを求める動物体抽出手段とを有
することを要旨とする。
【0031】
【作用】本願第1の発明の動物体抽出装置は、供給され
る画像情報から動きのある物体を検出し、抽出された輪
郭を対象として複数の輪郭追跡手段を設け、この輪郭追
跡手段の一部の特異な反応が他に及ばないようにした上
で、この複数の輪郭追跡手段の形状とその動きから当該
物体の輪郭形状と動きとを求めるようにしたものであ
る。また、複数の輪郭追跡手段としていることから並列
処理を行うことが可能であり、また個々の輪郭追跡手段
が小さいことから処理負担を軽減することができ、その
ためリアルタイム処理が可能となる。
【0032】本願第2の発明の動物体抽出装置は、それ
ぞれ当該輪郭の特定方向の動きにのみ反応する複数の輪
郭追跡手段の内、異なる特定方向の動きに反応する少な
くとも2つの輪郭追跡手段を対として、それぞれ相互に
異なる特定方向の動きに係る情報を補間することで全輪
郭を安定して抽出し得るようにしたものである。
【0033】本願第3の発明の動物体抽出装置は、それ
ぞれ当該輪郭の特定方向の動きにのみ反応する複数の輪
郭追跡手段の内、異なる特定方向の動きに反応する少な
くとも2つの輪郭追跡手段を対として、相互に当該輪郭
追跡手段の動きを拘束することで外乱に対して堅固なも
のとなるようにしたものである。
【0034】本願第4の発明の動物体抽出装置は、設定
される任意点と前記複数の輪郭追跡手段の各輪郭追跡手
段との間に拘束手段を設けたことから当該輪郭追跡手段
の動きが拘束され外乱に対して堅固なものとなるように
したものである。
【0035】
【実施例】まず、本発明の基本的な概念について説明す
る。前述した第1の問題を解決するために、本発明では
動いているエッジを優先的に抽出するようにしている。
このエッジの抽出のために連続する画像間で差分処理、
しきい値処理を行ない、輝度変化した変化領域を検出す
る。次に、この変化量の絶対値をとり、変化量とする。
ビデオレートで2枚の連続した画像間差分処理を行なう
場合は、この変化領域は、ほぼ動物体の輪郭に対応して
いると考えられる。最大勾配を持つエッジ探索は、この
輝度変化領域内で行なう。これにより、誤って、背景画
像中のエッジを抽出してしまうことを防ぐことが可能と
なる。
【0036】また、多少精度が悪くなるが、変化領域の
中で変化量が最大の部分を輪郭として、探索して良い。
物体が静止して、変化領域が検出されない場合は、最も
近いエッジ、すなわち輝度勾配が最大の点を抽出する。
【0037】また、前述の第2の問題を解決するため
に、動物体の全輪郭を一つの処理で抽出することを避
け、全輪郭を適宜の小部分に分割して処理するようにし
ている。さらに各部分処理は、お互いに拘束手段として
の仮想のスプリング、あるいは、ダンパで接続されて拘
束し合いながら処理を進める。各部分処理は、以下の2
つの方法で実現する。
【0038】第1の方法として、各部分処理では、異な
る方向にエッジ探索して抽出する。各部分輪郭抽出処理
は、エッジ探索を特定方向(例えば、水平、垂直)に限
定する。各部分輪郭抽出処理は、特定方向に動く輪郭の
みの反応するという選択性をもつ。
【0039】したがって、全輪郭を一度に抽出する場合
を比較して、輪郭の一部を抽出するもので、外乱の影響
も小さくてすむ。さらに、探索方向に垂直な方向には、
輪郭の長さを変化させないので、外乱に対して堅固であ
る。各部分輪郭抽出処理に、自分自身の不足している動
き情報や位置情報を、他の部分輪郭抽出処理から受けと
る。これにより、部分輪郭抽出処理だけでは、2次元的
な動きに対応できないという問題を回避して、全輪郭を
安定に抽出することができる。
【0040】第2の方法は、エッジ探索を特定方向に限
定しないで、エッジ探索処理を2段階で構成する。図3
に処理の流れを示す。まず、第1処理では、Aで示す一
時点前に抽出した輪郭モデル(例えばスネーク曲線)を
その形状を保ったまま、平行移動、回転移動等のアフィ
ン変換を行い、エッジの近傍まで移動させる。
【0041】続いて、第2処理では、狭い範囲でエッジ
を探索して輪郭モデルに変形を許し、エッジに完全に合
致(フィット)させる。
【0042】この第1処理におけるアフィン変換の係数
は、輪郭モデルの各サンプル点の移動量から最小2乗法
を用いて求める。また、求めた移動量、回転角度だけ、
輪郭モデルをアフィン変換する。この方法は、輪郭モデ
ルの形状を保ったまま、現時点のエッジの近傍まで移動
させ、その後で微小な変形を許すので、一度に大きな変
形を許す場合に比べて、剛性が大きくノイズの影響に対
して堅固なものとすることができる。
【0043】さらに、前述の第3の問題に対しては、先
に述べた手段により解決できる。全輪郭の部分毎に、異
なる複数の処理で抽出するので、各処理は、分散、並列
処理が可能であり、リアルタイム処理にも対処できる。
また、サンプル点、制御点が増えても、並列処理する数
を増やせば容易に対応できる。
【0044】次に、本発明に係る一実施例を図面を参照
して具体的に説明する。なお、画像中から顔領域を抽出
することは、画像を用いたヒューマンI/F技術におい
て不可欠な要素技術である。本実施例では、より具体的
なものとするために顔の輪郭抽出場合を例に説明する。
図1は本発明に係る動物体抽出装置の構成を示したブロ
ック図である。
【0045】図1に示すように、本実施例の動物体抽出
装置は画像入力部1と、追跡輪郭決定部2と、輪郭追跡
部群3と、ホスト計算機4と、画像出力部5及び位置決
定部6とからなる。
【0046】また、画像入力部1はカメラ11とA/D
変換器13によって構成され、このA/D変換器13と
画像バスBI を介して接続される追跡輪郭決定部2は画
像メモリ21、差分回路(エッジ抽出回路)23、2値
化回路25、ラベリング回路27及び外接長方形算出回
路29によって構成される。同様にA/D変換器13と
画像バスBI を介して接続される輪郭追跡部群3はロー
カルモジュール、具体的にはn個の輪郭追跡部31a、
31b、〜、31nによって構成される。またホスト計
算機4は、輪郭追跡部管理部41、拘束力計算部43、
全輪郭算出部45及び3次元位置計算部47によって構
成される。画像出力部5は3次元位置計算部47と前記
画像バスBI と接続される出力モニタ51によって構成
される。また、さらに位置決定部6は口位置決定部6
1、両目位置決定部63及び鼻位置決定部65によって
構成される。
【0047】次に、図1及び図2に沿って詳細に説明す
る。画像入力部1のカメラ11は、例えばITVカメラ
が用いられる。ここで、カメラ11から入力された画像
を、画像1と呼ぶ。入力された画像1は、A/D変換器
13によりデジタル化される。
【0048】追跡輪郭決定部2では、まずステップS1
でカメラ11により撮像された現時点の画像と、画像メ
モリ21に蓄えられている1フレーム前の画像データあ
るいは予め入力してある物体が存在しない背景画像デー
タとの差分を差分回路23で求める。背景画像との差分
の場合は、2値化回路25で2値化し、ラベリング回路
27でラベリングした後に、外接長方形算出回路29で
当該動物体に対する外接長方形座標を求める(ステップ
S3)。この算出された当該動物体に対する外接長方形
座標等の情報は、ホスト計算機4の輪郭追跡部管理部4
1に出力される。
【0049】輪郭追跡部管理部41は、輪郭追跡部群3
を、外接長方形の各辺を含む矩形領域に配置する。輪郭
追跡部群3の配置される位置、輪郭モデルのサイズは、
この外接長方形により決まる。具体的には、図4に示す
ように抽出された外接長方形に4つの輪郭追跡部が配置
される場合には、縦辺には水平輪郭追跡部LHL、L
HRが、横辺には垂直輪郭追跡部LVU、LVDが配置され、
また図5に示すように、8つの輪郭追跡部が配置される
場合には、縦辺には水平輪郭追跡部LHLU 、LHRU、L
HLD 、LHRD が、横辺には垂直輪郭追跡部LVUL 、L
VDL 、LVUR 、LVDRがそれぞれ配置される(ステップ
S5)。
【0050】あるいは、追跡輪郭決定部2と輪郭追跡管
理部41では、次のような処理を行うことも考えられ
る。連続する画像間の差分を行い、さらにしきい値処
理、2値化処理して物体の輪郭領域を抽出する。通常
は、この輪郭領域は分割して抽出されることが多い。し
たがって、抽出された複数の部分領域は、一度連結され
て、再度分割される。分割は、輪郭重心Gを中心とした
回転角度により基づいて行なわれる。例えば、図6に示
すように4分割の場合は、90度間隔に分割されてこの
線分を含む矩形領域に水平輪郭追跡部LHL、LHR及び垂
直輪郭追跡部LVU、LVDを配置する。8分割の場合は、
45度間隔に分割する。
【0051】また、この各輪郭追跡部Lは、人間が出力
モニタ51の画像を見ながら、対話的にマウス、キーボ
ードなどの入力手段により、配置してもよい。
【0052】配置された各輪郭追跡部Lは、ステップS
7で、それぞれ特定方向にエッジ探索処理を行なう。例
えば、特定方向を画像中の水平・垂直方向とすると、図
7のように、輪郭追跡群3は、複数の輪郭追跡部31
a、31b、〜、31nとから構成されることになる。
任意の輪郭追跡部31kで設定される水平輪郭追跡部L
H (LHLU 、LHRU 、LHLD 、LHRD )では、エッジ探
索方向を水平方向に限定する。他の任意の輪郭追跡部3
1lで設定される垂直輪郭追跡部LV (LVUL
VDL 、LVUR 、LVDR )では、エッジ探索方向を垂直
方向に限定する。つまり、水平輪郭追跡部LH は、輪郭
の水平運動のみの反応する。同様に、垂直輪郭追跡部L
V は、輪郭の垂直運動のみに反応する。
【0053】このようにして配置された直後、ステップ
S7の探索処理では、物体に輪郭モデルを張り付けるた
めに、外接長方形内部のみをエッジ探索する。この段階
では、各輪郭追跡部は、独立で処理が進められる。しか
し、このままでは、各輪郭追跡部は、特定方向の1次元
の動きのみにしか対応できないので、物体の全輪郭を追
跡することができない。そこで、不足する位置情報を各
輪郭追跡部間でお互いに補い合う。
【0054】以下、図8を参照して、4つの輪郭追跡部
で構成される場合について説明する。垂直輪郭追跡部L
1と垂直輪郭追跡部L3は、不足する水平位置(輪郭モ
デルの重心位置)を水平輪郭追跡部L2と水平輪郭追跡
部L4の重心位置から求める。逆に、水平輪郭追跡部L
2と水平輪郭追跡部L4は、不足する垂直位置(輪郭モ
デルの重心位置)を垂直輪郭追跡部L1と垂直輪郭追跡
部L3の重心位置から求める。
【0055】8つの輪郭追跡部から構成される場合を、
図9に示す。垂直輪郭追跡部L1は、不足している水平
位置を、水平輪郭追跡部L2とL7の重心位置から求め
る。この3つの位置関係は、 x1 =x7 +(x2 −x7 )×(2/3) で表される。垂直輪郭追跡部L8も、水平輪郭追跡部L
2とL7の重心位置から、求める。
【0056】 x8 =x7 +(x2 −x7 )×(1/3) 同様に、水平輪郭追跡部L2は、不足している垂直方向
の位置を垂直輪郭追跡部L1とL4の重心位置から求め
る。
【0057】 y2 =y4 +(y1 −y4 )×(2/3) 水平輪郭追跡部L3、垂直輪郭追跡部L1とL4の重心
位置から、求める。
【0058】 y3 =y4 +(y1 −y4 )×(1/3) 他の輪郭追跡部Lも不足する位置から同様に求める。物
体の大きさの拡大・縮小に対しては、後で述べる各輪郭
追跡部の輪郭モデルのサイズを変化させることにより対
応する。
【0059】輪郭追跡部31は、ホスト計算機から制御
可能な複数のローカルモジュールで処理が行なわれる
(久保田, 福井, 石川, 溝口:“物体の認識、識別をめ
ざしたビジョンプロセッサの構想と試作モデルの開
発”、信学技法、PRU89-07(1990))。ローカルモジュー
ルは、図10に示すようにローカルプロセッサ75を備
え、さまざまな並列処理がソフトウェアで実現できる。
このローカルプロセッサ75は、ローカルバスBL を介
してバスインタフェース71、アドレスデコーダ73、
ウインドコントローラ77及びウインドメモリ79と接
続される。
【0060】線分を中心に含む適当な大きさの矩形領域
を定め、その位置(アドレス)ウィンドウコントローラ
のレジスタにセットする。ローカルモジュールは、現時
点(時刻t)その部分の画像をウィンドウメモリ79に
画像バスBI からビデオレートで取り込む。この領域を
追跡ウィンドウW(図7参照)と呼ぶ。この追跡ウィン
ドウWは、輪郭モデルを含むサイズに設定される。次
に、次時点(時刻t+Δ)で同じ部分の画像をウィンド
ウメモリ79から取り込む。先ず、ローカルプロセッサ
75は、この2枚の連続する画像間で差分処理を行な
い、変化領域を検出する。さらに、取り込んだ画像デー
タに対して、変化領域内で特定方向にエッジ探索処理を
行ない、エッジを抽出・追跡する。
【0061】輪郭追跡部31の処理については、後で詳
しく述べる。抽出したエッジの位置情報は、随時、パラ
レルポートなどにより、ホスト計算機4上の輪郭追跡部
管理部41に転送される。
【0062】輪郭追跡部管理部41では、送られて来た
輪郭位置情報から、拘束力Forceを求め、再度、各輪郭
追跡部の位置を計算する(ステップS9)。また、輪郭
モデルのSize を求め、位置と共に各輪郭追跡部に送り
返す。拘束力は、図中で仮想スプリング(波線)と仮想
ダンパ(実線)で実現され、以下の式で求まる。
【0063】 Force=forcesp+forcedp (6) forcesp=Const1 *(Lenij−Lennatural ) (7) forcedp=Const2 *(Dlen ij/Dt ) (8) ここで、Lenijは、輪郭追跡部i ,間の距離、Len
natural は、仮想スプリングの自然長、Const1 は、ス
プリング定数、Const2 は、ダンピング定数である。
【0064】各輪郭追跡部の輪郭モデルのサイズは、物
体のサイズの拡大・縮小に伴って変化する。つまり、輪
郭追跡部間にすき間がある場合は、それを埋め、重なっ
ている場合は、短くする。変化させる際の基準として、
一部の輪郭モデルのサイズのみが大きくなるとそれだけ
計算時間が大きくなり、全体の処理時間も上がるため、
できるだけ長さが一様になるように各サイズが決められ
る。
【0065】図11を用いて、垂直輪郭追跡部L1の例
を説明する。垂直輪郭追跡部L1の輪郭モデルの水平サ
イズは、両端のX座標、Xs1,newとXe1,newで決まる。
ここで、Xs1,newは、隣の水平輪郭追跡部L8の端点の
X座標Xes,oldとXs1,oldの間隔と自分自身の水平長さ
Leng1で決まる。ここで、添え字のnew は、新しく計算
された端点の座標、old は、計算される前の座標であ
る。
【0066】 Xs1,new=Xs1,old−(Xs1−Xe8)*rat (9) rat =Leng8/(Leng1+Leng8) (10) ここで、Leng8は、水平輪郭追跡部L8の水平長さであ
る。
【0067】他方の端点のX座標Xe1,newは、以下の式
で求まる。
【0068】 Xe1,new=Xe1,old−(Xs2−Xe1)*rat (11) rat =Leng2/(Leng1+Leng2) (12) ここで、Leng2は、水平輪郭追跡部L2の垂直長さであ
る。
【0069】同様に、水平輪郭追跡部L2の輪郭モデル
の垂直サイズは、両端のY座標、Ys2,newとYe2,newで
決まる。ここで、Ys2,newは、隣の垂直輪郭追跡部L1
の端点のY座標Ye1,oldとYs2,oldの間隔と自分自身の
垂直長さLeng2で決まる。
【0070】 Ys2,new=Ys2,old−(Ye1−Ys2)*rat (13) rat =Leng1/(Leng1+Leng2) (14) 他方の端点のY座標Ye2,newは、以下の式で求まる。
【0071】 Ye2,new=Ye2,old−(Ye2−Ys3)*rat (15) rat =Leng3/(Leng2+Leng3) (16) ここで、Leng3は、水平輪郭追跡部L3の垂直長さであ
る。
【0072】他の輪郭追跡部の輪郭モデルのサイズも、
同様に求まる。これにより画像中で、顔が距離により拡
大・縮小しても、各輪郭追跡部の輪郭モデルサイズが最
適に変化してうまく輪郭を抽出して追跡できる。
【0073】全輪郭算出部45では、ステップS11
で、得られた部分輪郭形状を繋げて全輪郭形状を算出す
る。部分輪郭の接続部がうまく継らない場合は、再度形
状の滑らかさの拘束を加えて滑らかに接続する。また、
輪郭形状が得られなかった部分は、スプライン曲線など
で補間する。
【0074】次にステップS13乃至S17において、
口位置決定部61、両目位置決定部63及び鼻位置決定
部65では、それぞれ口、両目、鼻の位置を決定する。
【0075】すなわち、先ず、抽出された顔領域の輪郭
形状情報から、予め登録されている顔モデルに基づい
て、おおよその両目、鼻、口の領域を限定する。さら
に、この領域内で、目、鼻、口の位置を詳細に決定す
る。これは、予め用意してある画像マスクパターンとの
マッチングにより実現する。マスクパターンは、顔の大
きさに比例して拡大・縮小変換される。あるいは、エッ
ジ抽出、ハフ変換を行なって、予め登録されている形状
とのマッチングをとる。例えば、円領域を見つけて目の
位置とする。鼻ならば、三角形領域を鼻とする。
【0076】3次元位置計算部47では、ステップS1
9において、顔の輪郭形状と両目と鼻、あるいは、口と
の相対位置関係から顔の3次元位置を求める。予め、顔
の輪郭の大きさとカメラからの距離との関係を求めてお
く。これにより、抽出された顔の輪郭の大きさから逆に
距離を求める。顔の向きは、顔モデルに基づいて、両目
と鼻、あるいは口の幾何学関係から求める。
【0077】画像出力部5は、抽出された部分輪郭形状
を出力モニタ51に出力する(ステップS21)。
【0078】次に、輪郭追跡部の処理について詳細を述
べる。各ローカルプロセッサ75は、取り込んだ画像デ
ータに対して、輪郭を抽出・追跡する。以下に、処理の
流れを示す。
【0079】ステップ11.抽出された部分輪郭を含む
矩形領域に追跡ウィンドウWを配置する。
【0080】ステップ12.幾つか、例えば4個の制御
点を追跡ウィンドウWの2等分線上に与える。
【0081】ステップ13.この制御点で表されるベッ
イエ曲線、或いはBスプライン曲線上の座標X(s)、
Y(s)を次式で計算する。ここで、sは曲線上で定義
されたパラメタである。
【0082】
【数4】 ここで、nは、制御点の総数、Qixは制御点iのX座
標、Qiyは制御点iのY座標、Bi (s)は、n次混合
関数を表す。或いはBスプライン基本関数に置き換えて
も良い。
【0083】
【数5】 ステップ14.連続する画像間で差分処理を行ない、し
きい値処理、絶対値をとり、変化領域を検出する。
【0084】ステップ15.図12に示すように、各サ
ンプル点sにおいて、変化領域内で、特定方向にエッジ
領域を探索する。ここでは、各サンプル点の曲線に対す
る法線方向として説明する。各サンプル点と探索された
エッジ領域までの距離を移動距離とする。この移動距離
を、全サンプル点に対して求める。
【0085】ステップ16.各サンプルs点の移動量
(dsx,dsy)から、次式を最小とするQix、Qiyを最
小2乗法を適用して求め、新しい制御点iまでの移動量
とする。
【0086】
【数6】 ここで、mは、曲線上のサンプル点sの総数である。
【0087】ステップ17.各制御点のみをステップ1
3で求めた移動量だけ移動させる。
【0088】ステップ18.求めた曲線をローカル画像
メモリに書き込み、画像出力部5の出力モニタ51上に
輪郭を表示する。
【0089】ステップ19.次に、ローカルウィンドウ
を、全制御点の平均移動距離Distance だけ移動させ
る。同時に、各制御点を−Distance だけ移動させる。
【0090】ステップ20.ステップ13へ戻る。
【0091】なお、ステップ15の処理において、精度
が多少落ちるものの変化領域中で、エッジ探索の替わり
に、変化量が最大の部分をエッジとして探索しても良
い。
【0092】次に、図13を参照して、実際の画像を用
いた水平運動する輪郭追跡の結果について説明する。該
図13中で、上段部分の実線W1は、従来のB-splineス
ネークによるもの、下段の実線W2は、新しく差分情報
を加味した輪郭追跡手段によるものをそれぞれ表してい
る。また、長方形は、ローカルウィンドウを示してい
る。2つの手段は、同じ初期位置(X座標が等しい)に
置かれる。動物体(棒)の水平方向の移動と共に、棒を
追跡して、途中まで、うまく追跡している。しかし、境
界線W1は、背景の強いエッジの方を検出してしまい、
追跡が失敗している。それに対して、境界線W2は、う
まく最後まで追跡が成功している。
【0093】図14は、顔の輪郭をリアルタイムで抽出
した結果を示している。各輪郭追跡部が顔にフィットし
ている様子がわかる。輪郭追跡部は、2つの水平輪郭追
跡部と1つの垂直輪郭追跡部から成る。図15に、各輪
郭追跡部の構成を示す。図13、14中で、矩形は、ロ
ーカルモジュールの追跡ウィンドWを示している。ウィ
ンド内の境界線W1、W2が、水平輪郭追跡部LHL、L
HR、境界線W3が垂直輪郭追跡部LV を示している。
【0094】また、各輪郭追跡部間に拘束力に関して
は、物理的なテンプレートによる方法でも、実現可能で
ある。この拘束力を実現するために、図16に示すよう
な複数の仮想スプリングと仮想ダンパが各輪郭追跡部の
重心g位置と全輪郭重心G位置に置かれ、各輪郭追跡部
に半径方向の拘束力を付加する。また、全輪郭重心Gに
は、仮想巻きバネが置かれて、回転方向の拘束力を実現
している。各スプリングのバネ定数、ダンパの定数の初
期値は、零に初期設定される。
【0095】輪郭追跡が予め設定される所定の処理ステ
ップ時間に成功したら、スプリングの自然長がこの時の
重心間距離に設定される。時間と共に、これらの値は大
きくなってゆく。各スプリングでは、ポテンシャルエネ
ルギの値が計算され、この時間変化がモニタされてい
る。時間変化が、決められた値より大きくなった場合、
スプリングの自然長がその時の長さに再設定される。
【0096】前述の剛性を付加するには、前述した特定
の方向にエッジ探索を行なう手段以外に、2段階処理に
よる手段でも実現可能である。
【0097】基本的な考えは、全体処理を2段階の処理
に分離する。第1処理をフリーズ、第2処理をリラック
スと呼ぶ。まずフリーズ処理では、探索した各サンプル
点の動き情報から、次式の
【外1】 を最小2乗法により求める。
【0098】
【数7】 全制御点を、この求めたパラメータ分だけ回転・並行移
動させる。ここで、全制御点は、同じ変換を受ける。こ
れは、形状を変えないで回転・並行移動することを意味
している。次のリラックス処理では、フリーズ処理の探
索範囲よりも狭い範囲を各サンプル点において、探索し
て動きを求める。この段階では、形状の変形を許して、
全制御点を動かす。このように2段処理により、動物体
が急激に動いたり、形状が変化する場合でも、剛性を持
つことになり、外乱に強くなる。
【0099】次に第2の実施例としての動物体追尾カメ
ラについて説明する。
【0100】この実施例は、画像中から動物体領域を抽
出して、その動きに追尾して、パン、チルト、ズーム、
フォーカスを自動制御するカメラに関する。図17は、
実施例の全体的な構成図であり、画像入力部1Aと、追
跡輪郭決定部2Aと、輪郭追跡部群3と、輪郭追跡部管
理部41と、全輪郭算出部45と、3次元位置計算部4
7と、図示しないカメラ制御部と、カメラ雲台制御部8
と、画像出力部とからなる。
【0101】画像入力部1A、追跡輪郭決定部2A、輪
郭追跡部群3、輪郭追跡部管理部41、全輪郭算出部4
5は、前述の実施例1に述べたものと略同様の作用を有
するものである。カメラ制御部は、フォーカス制御部
と、ズーム制御部85と、絞り制御部から構成される。
フォーカス制御部は、入力される画像からフォーカス制
御回路を用いてフォーカス調整する。ズーム制御部85
では、3次元位置計算部47で計算された物体に大きさ
に基づいてズーム量を調整する。
【0102】ズーム制御量は、画像中で物体領域の面積
の割合いRatioが常に一定となるように、フィードバッ
クループ制御される。
【0103】Ratio=α1 *(s /s0) (2
1) ここで、s は、物体の画像中での面積、s0は、画像全体
の面積である。
【0104】カメラ雲台制御部8は、パン制御部81
と、チルト制御部83からなる。このパン、チルト制御
部81、83は、対象物を常に画像中に捉えるために、
雲台15のパン、チルト角度を変化させる。この制御部
は、フィールドバックループ制御を形成している。画像
中の対象物の位置(x ,y )と、パンPan、チルトTil
t 角度の制御量は、以下の式で求まる。
【0105】 Pan=α1 *(x −x0)+β1 *vx (22) Tilt =α2 *(y −y0)+β2 *vy (23) ここで、(x ,y )は物体の重心座標、(x0,y0)は画
像中心座標、(vx,vy)は画像上での物体の速度であ
る。α1,α2,β1 ,β2 は、制御理論により決定さ
れる最適な定数である。
【0106】ここで、問題となるのがカメラ自身が動い
ている場合は、前述の輪郭追跡法ではうまく追跡できな
い。なぜならば、差分では、背景のエッジも動くので検
出されてしまう。これを解決するため、カメラが動いて
いる場合は、単純にエッジ抽出を行ない、カメラが静止
している場合に、前述の差分処理と組み合わせたエッジ
探索を行なうことで解決される。
【0107】次に、第3の実施例としての動物体抽出機
能付きワークステーションWSについて説明する。
【0108】この実施例は、前述の動物体抽出装置を搭
載したワークステーションWSに関する。図18は、実
施例装置の全体的な概略図であり、A/D変換部13B
と画像メモリ21Bで構成される画像入力部、物体抽出
処理部91、表示変更演算部93、物体追尾演算部95
で構成される中央演算処理装置(CPU)9と、モニタ
回転台制御回路97、カメラ雲台制御回路98、カメラ
制御回路99、グラフィックコントローラ101、画像
出力部51Bsから構成される。図19に、このワーク
ステーションの概観を示す。画像入力部11Bは、第1
の実施例に述べたものが使用される。モニタ51B上の
雲台15Bの設置された入力用の小型ITカメラ11B
は、第2の実施例で述べた物体追尾機能を備えて、使用
者の顔領域を追跡する。モニタ51Bは、2自由度(パ
ン、チルト)を有する回転台97aに乗せられ、前述の
追跡結果に基づいて使用者の方へモニタの向きを変え、
使用者までの距離に応じて、モニタ51Bに表示される
文字サイズを変化させる。
【0109】前述の実施例で述べたローカルプロセッサ
での処理は、すべてCPUを使ってソフトウェアで行な
われる。結果表示は、全てワークステーションWSのモ
ニタに開かれたウインドウにリアルタイムで表示され
る。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように本発明の動物体抽出
装置は、入力された画像中から動物体の輪郭と動きを同
時に抽出する装置を実現する等の実用上で多大なる効果
が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の概略の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図1に示した動物体抽出装置の処理全体の流れ
を概略的に示すフローチャートである。
【図3】エッジ探索を2段階処理で行う場合の処理手順
を示す図である。
【図4】外接長方形に配置された4つの輪郭追跡部が初
期配置される様子を示す図である。
【図5】外接長方形に配置された8つの輪郭追跡部が初
期配置される様子を示す図である。
【図6】輪郭追跡部が輪郭重心を中心として回転角度に
基づいて配置される様子を示す図である。
【図7】各輪郭追跡部による特定方向へのエッジ探索処
理及び各輪郭追跡部間の関係を示す図である。
【図8】輪郭追跡部が4つの場合における位置情報の算
出を説明するための図である。
【図9】輪郭追跡部が8つの場合における位置情報の算
出を説明するための図である。
【図10】図1に示したローカルモジュールの構成を示
すブロック図である。
【図11】輪郭モデルの各サイズの決定を説明するため
の図である。
【図12】各サンプル点の変化領域内におけるエッジ領
域の探索を説明するための図である。
【図13】実際の画像を用いて水平運動する輪郭追跡の
結果を示す図である。
【図14】顔の輪郭をリアルタイムで抽出した結果を示
す図である。
【図15】各輪郭追跡部の構成を示す図である。
【図16】複数の仮想スプリングと仮想ダンパを用いて
実現した拘束力を説明するための図である。
【図17】動物体領域の動きに追従して自動制御される
カメラの概略の構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示した動物体抽出装置を搭載したワ
ークステーションの概略の構成を示すブロック図であ
る。
【図19】図18に示したワークステーションの外観を
示す斜視図である。
【図20】従来例におけるBスプラインスネークを説明
するための概略図である。
【符号の説明】
1 画像入力部 2 追跡輪郭決定部 3 輪郭追跡部群 4 ホスト計算機 5 画像出力部 6 位置決定部 8 カメラ雲台制御部 9 中央演算処理装置(CPU) 11 カメラ 13 A/D変換器 21 画像メモリ 23 差分回路(エッジ抽出回路) 25 2値化回路 27 ラベリング回路 29 外接長方形算出回路 31 輪郭追跡部 41 輪郭追跡部管理部 43 拘束力計算部 45 全輪郭算出部 47 3次元位置計算部 51 出力モニタ 61 口位置決定部 63 両目位置決定部 65 鼻位置決定部 71 バスインタフェース 73 アドレスデコーダ 75 ローカルプロセッサ 77 ウインドコントローラ 79 ウインドメモリ 91 物体抽出処理部 93 表示変更演算部 95 物体追尾演算部 97 モニタ回転台制御回路 98 カメラ雲台制御回路 99 カメラ制御回路 101 グラフィックコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 13/00 G06T 7/00 - 7/60 G06T 1/00 H04N 7/18 H04N 7/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給される画像情報から動きのある物体
    を検出し、その全輪郭を小部分に分割して抽出する輪郭
    抽出手段と、 前記輪郭抽出手段で抽出された輪郭を対象として設けら
    れ、それぞれ当該輪郭の特定方向の動きにのみ反応する
    複数の輪郭追跡部と、 前記複数の輪郭追跡部間において相互に当該輪郭追跡部
    の動きを拘束すると共に、前記各輪郭追跡部の位置を計
    算する輪郭追跡部管理部と、 前記輪郭追跡部管理部から得られた部分輪郭を繋げて全
    輪郭を算出する全輪郭算出部とを備え、 これにより複数の輪郭追跡部の形状とその動きから当該
    物体の輪郭形状と動きを求めることを特徴とする動物体
    抽出装置。
  2. 【請求項2】 前記輪郭算出手段は、前記部分輪郭が繋
    がらない場合には、再度形状の滑らかさの拘束を加えて
    滑らかに接続することを特徴とする請求項1に記載の動
    物体抽出装置。
  3. 【請求項3】 供給される画像情報から動きのある物体
    を検出し、その輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、 前記輪郭抽出手段で抽出された輪郭を対象として設けら
    れる複数の輪郭追跡手段と、 前記複数の輪郭追跡手段で囲繞される領域内に任意の点
    を設定する任意点設定手段と、 前記任意点設定手段で設定される任意点と前記複数の輪
    郭追跡手段の各輪郭追跡手段との間に設けられ当該輪郭
    追跡手段の動きを拘束する輪郭追跡部管理部とを備え、 これにより前記輪郭追跡手段の追跡結果から、当該物体
    の輪郭形状およびその動きを求めることを特徴とする動
    物体抽出装置。
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