JPH1031747A - 三次元情報抽出装置および三次元情報抽出方法 - Google Patents

三次元情報抽出装置および三次元情報抽出方法

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JPH1031747A
JPH1031747A JP8184776A JP18477696A JPH1031747A JP H1031747 A JPH1031747 A JP H1031747A JP 8184776 A JP8184776 A JP 8184776A JP 18477696 A JP18477696 A JP 18477696A JP H1031747 A JPH1031747 A JP H1031747A
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JP8184776A
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Shinjiro Kawato
慎二郎 川戸
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 因子分解法によると、正しく三次元情報が復
元されない場合があるという課題があった。 【解決手段】 基準平面である部品箱10の底面上にお
いて、撮像される各画像21〜25の視野内に存在する
ように位置認識可能マーク11〜14が設定される。撮
像される各画像21〜25における位置認識可能マーク
11〜14の位置があらかじめ認識され、それらの位置
は各画像21〜25における特徴点の位置として含めら
れる。生成された対象物の三次元情報は、その情報中の
位置認識可能マーク11〜14のz座標にもとづいて確
定されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、対象物の三次元
情報を抽出する三次元情報抽出装置および三次元情報抽
出方法に関するものである。三次元情報抽出装置および
三次元情報抽出方法は、例えば、ロボットが未知の対象
物について操作しようとする場合に必要となる対象物の
三次元情報を、カメラなどの撮像手段によって入手した
画像を処理することによって抽出する。
【0002】
【従来の技術】電子情報通信学会論文誌D−II,第J7
6−D−II巻、第8号(1993年8月発行)の第14
97頁〜第1505頁(「因子分解法による物体形状と
カメラ運動の復元」)に、三次元情報抽出方法の一つで
ある因子分解法が記載されている。因子分解法は、よく
知られている二眼立体視法とは異なり、3点以上の異な
る視点から撮像された多数の画像を用いて三次元情報を
抽出する方法である。
【0003】以下、因子分解法の原理を簡単に説明す
る。対象物を特徴点の集合と考える。そして、対象物の
座標原点をその重心にとる。カメラモデルを正射影モデ
ルと考えると、画像への対象物の座標原点の投影点は、
画像に投影された各特徴点の画像における重心に一致す
る。そこで、画像座標の原点を、その画像における各特
徴点の重心にとる。そして、対象物をそれぞれ異なる各
視点から撮像して各画像を得る。f番目の画像を撮像し
たときのカメラの姿勢を表す回転マトリクスRf
(1)式のように表す。
【0004】
【数1】
【0005】p番目の特徴点の座標を(xp ,yp ,z
p )とすると、その特徴点のf番目の画像上の座標(x
fp,yfp)は、(2)式のように表される。
【0006】
【数2】
【0007】ただし、rifは、行ベクトルである。そこ
で、(3)〜(5)式を作る。
【0008】
【数3】
【数4】
【数5】
【0009】ここで、Fは画像の総数、Pは特徴点の総
数である。(3)式による行列Wは、上半分に各特徴点
の各画像におけるx座標を保持し、下半分に各特徴点の
各画像におけるy座標を保持している。行列Wの各要素
は、得られた各画像から取得できる。すなわち、行列W
の各要素が観測されうるデータである。行列Mの上半分
は、カメラの姿勢の各画像におけるx座標に関連してい
る各行ベクトルを保持し、下半分は、カメラの姿勢の各
画像におけるy座標に関連している各行ベクトルを保持
している。行列Sは、対象物の重心を原点とする各特徴
点の座標を表している。正射影モデルでは、各特徴点の
各画像における座標を表している行列Wは、次式で与え
られる。 W=MS ・・・(6)
【0010】観測された行列Wを行列Mと行列Sとに分
離できれば、行列Sから、各特徴点のx,y,z座標が
得られる。すなわち、各特徴点の三次元情報が得られ
る。特異値分解定理によれば、任意の2F×P行列W
は、(7)式に示すように3つの行列の積に分解でき
る。 W=UΣVT ・・・(7) ここで、Uは2F×Pの直交行列、ΣはP×Pの対角行
列、VはP×Pの直交行列である。
【0011】行列Σの対角要素は、 σ1 ≧σ2 ≧σ3 ・・・≧σP ≧0 ・・・(8) のように降順に並んでいる。そうでなければ、そのよう
にすることは容易である。そこで、 M^=U,S^=ΣVT ・・・(9) とおけば、1つの分解 W=M^S^ ・・・(10) が得られる。
【0012】ノイズがなければ、上記文献に記載されて
いるように、行列Wのランクは高々3である。よって、
(8)式におけるσ4 以降の特異値は0になり、M^は
2F×3行列、S^は3×P行列になる。一般に観測さ
れた行列Wにはノイズが含まれているのでランクは3に
ならないが、σ4 以降の特異値は、σ3 に比べて十分小
さい。すなわち、σ4 以降の値を0で近似できる。する
と、M^の第4列以降およびS^の第4行以降を無視で
きる。その結果は、最小二乗法的意味での最良近似解に
なっている。M^S^への分解は一意的ではないが、
(11)式に示すように、行列Rを一つ固定すると、M
^S^を一意に決定することができる。行列Rを一つ固
定するということは、座標系基準となるカメラを決定す
ることと等価である。(11)式は、対象物の三次元座
標系のx,y,zの方向を、最初の画像を撮像したカメ
ラの座標に一致させることを意味する。
【0013】
【数6】
【0014】M^S^が一意に分解されると、行列Sが
一意に得られたことになる。よって、得られた行列Sの
各要素から各特徴点の三次元情報が得られる。
【0015】因子分解法は、いわゆる二眼立体視法など
と比べると、カメラの相対位置や方向のデータが不要
で、かつ、レンズの焦点距離や光軸中心の位置のデータ
も不要であるという利点がある。すなわち、各画像中の
特徴点の対応付けができるように対象物が写っているだ
けでよく、厳密なカメラの位置調整を行う必要はない。
なお、このような手法を実現する三次元情報抽出装置
は、例えば、カメラ、駆動機構および計算機で実現され
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の三次元情報抽出
装置および三次元情報抽出方法は以上のように構成され
ているので、以下のような課題があった。(11)式は
行列M^を固定するために用いられるが、行列M^に使
われるr11,r21の第3列は0である。よって、(1
0)式において行列M^の第3列の各要素と行列S^の
第3行(特徴点のz座標)の各要素の符号を全て反転さ
せても(10)式は成り立つ。つまり、1つの観測結果
にもとづいてz座標(奥行き)について2通りの解釈が
成り立つ。この発明の発明者は、シミュレーションによ
って、観測された行列Wから正しく三次元情報が復元さ
れる場合と奥行きが反転した三次元情報が復元される場
合とがあることを確認した。
【0017】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、奥行きが反転していない正しい三
次元情報を常に出力できる三次元情報抽出装置および三
次元情報抽出方法を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る三次元情報抽出装置は、対象物がその平面の一方の側
に存在するような基準平面上における点であって各画像
の視野内に存在する教示点の位置を、各画像における各
特徴点の位置として含める教示点反映手段と、三次元情
報生成手段によって得られた対象物の三次元情報を、そ
の情報中の教示点のz座標にもとづいて確定する三次元
情報確定手段とを備えたものである。
【0019】請求項2記載の発明に係る三次元情報抽出
装置は、教示点反映手段が、教示点である位置認識可能
マークの各画像における位置をあらかじめ認識する位置
認識可能マーク抽出部を含むものである。
【0020】請求項3記載の発明に係る三次元情報抽出
装置は、教示点反映手段が、対象物の形状にかかわらず
各画像に写るような位置に設定された教示点である位置
認識可能マークの位置を、各画像から認識するように構
成されているものである。
【0021】請求項4記載の発明に係る三次元情報抽出
装置は、教示点反映手段が、どの3点も同一直線上には
ない少なくとも4点の教示点の位置を各画像における各
特徴点の位置として含めるように構成されているととも
に、特徴点位置決定手段が各特徴点の位置を決定すると
きの位置探索範囲を、各画像における各教示点の位置に
もとづいて限定する範囲限定手段をさらに備えたもので
ある。
【0022】請求項5記載の発明に係る三次元情報抽出
装置は、教示点反映手段が、対象物および基準平面がそ
の平面の一方の側に存在するような第2の基準平面上に
おける点であって、各画像の視野内に存在し、どの3点
も同一直線上にはない少なくとも4点の第2の教示点の
位置を、各画像における各特徴点の位置として含めるよ
うに構成され、範囲限定手段が、特徴点位置決定手段の
位置探索範囲を、各画像における各第2の教示点の位置
にもとづいてさらに限定するように構成されているもの
である。
【0023】請求項6記載の発明に係る三次元情報抽出
方法は、対象物がその平面の一方の側に存在するような
基準平面上における点であって、撮像される各画像の視
野内に存在する教示点を設定するステップと、撮像され
る各画像における教示点の位置をあらかじめ認識するス
テップと、少なくとも3箇所の異なる視点から対象物を
撮像し、教示点の位置を各画像における特徴点の位置と
して含めるステップと、生成された対象物の三次元情報
を、その情報中の教示点のz座標にもとづいて確定する
ステップとを備えたものである。
【0024】請求項7記載の発明に係る三次元情報抽出
方法は、対象物がその平面の一方の側に存在するような
基準平面上における点であって、撮像される全ての画像
に写るような教示点を設定するステップと、教示点の位
置を各画像における特徴点の位置として含めるステップ
と、生成された対象物の三次元情報を、その情報中の教
示点のz座標にもとづいて確定するステップとを備えた
ものである。
【0025】なお、z座標にもとづいて三次元情報を確
定するとは、三次元情報生成手段が生成した三次元情報
において教示点のz座標に矛盾が生じている場合には、
その三次元情報における各z座標値を修正し、三次元情
報生成手段が生成した三次元情報において教示点のz座
標に矛盾が生じていない場合には、三次元情報生成手段
が生成した三次元情報を正しいものと認識することであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による三
次元情報抽出装置の構成を示すブロック図である。図に
おいて、1はそれぞれ異なる複数の視点から対象物(図
示せず)を撮像するカメラ、2はカメラ1を駆動する駆
動装置、3は対象物の基準平面に設けられた位置認識可
能マークを抽出する位置認識可能マーク抽出部、4は最
初に得られた画像から各特徴点を決定する特徴点抽出部
(特徴点抽出手段)、5は各画像における特徴点の座標
を得る特徴点位置決定部(特徴点位置決定手段)、6は
特徴点の三次元座標を得る演算部、7は特徴点のz座標
値の修正およびシフトを行うz座標決定部、8は特異な
値を示す特徴点を除外する特徴点除去部、9は記憶部で
ある。
【0027】なお、位置認識可能マーク抽出部3、特徴
点抽出部4、特徴点位置決定部5、演算部6、z座標決
定部7および特徴点除去部8は、例えば、計算機のプロ
グラムで実現される。また、この場合には、撮像手段
は、カメラ1で実現される。三次元情報生成手段は、演
算部6で実現される。教示点反映手段は、位置認識可能
マーク抽出部3および演算部6で実現される。三次元情
報確定手段は、z座標決定部7で実現される。範囲限定
手段は、特徴点位置決定部5で実現される。
【0028】図2は三次元情報抽出装置による撮像位置
および対象物の一例を示す説明図である。この例では、
部品箱10の中にランダムに堆積された部品(図示せ
ず)の三次元情報を抽出する場合を例にする。また、5
つの画像を用いる場合を例にする。図2において、11
〜14はこの場合の基準平面である部品箱10の底面に
設けられた位置認識可能マーク(以下、マークとい
う)、21〜25はそれぞれ異なる視点から撮像された
第1〜第5の画像を示している。マーク11〜14は、
どの3点も同一直線上にないように設定される。なお、
図に示すように、画像21は、部品箱10の底面に垂直
な方向から撮像されたものである。
【0029】次に動作について説明する。この三次元情
報抽出装置は、動作モードとして、教示モードと三次元
認識モードとを有する。図3は教示モードの動作を示す
フローチャートである。教示モードにおいて、駆動装置
2は、第1の画像21が得られるようにカメラ1の位置
を制御する(ステップST11)。その位置でカメラ1
が撮像した第1の画像21は位置認識可能マーク抽出部
3に入力される。位置認識可能マーク抽出部3は、第1
の画像21におけるマーク11〜14を認識し、それら
の座標値を記憶部9中のマーク座標ファイルに格納する
(ステップST13,ST14,ST15,ST1
6)。駆動装置2は第2〜第5の画像22〜25が得ら
れるようにカメラ1の位置を順次制御し(ステップST
17,ST18)、各位置に応じて、第2〜第5の画像
22〜25におけるマーク11〜14の認識および座標
値の格納を行う(ステップST12〜ST16)。マー
ク11〜14を認識する際に、位置認識可能マーク抽出
部3は、パターンマッチングなどの手法を用いることが
できる。なお、教示モードの動作は、部品箱10が空の
状態で実行される。
【0030】図4は三次元認識モードの動作を示すフロ
ーチャートである。三次元認識モードの動作は、部品箱
10に部品が入っている状態で実行される。三次元認識
モードにおいて、駆動装置2は、第1の画像21が得ら
れるようにカメラ1の位置を制御する。その位置でカメ
ラ1が撮像した第1の画像21は特徴点抽出部4に入力
される(ステップST21)。特徴点抽出部4は、第1
の画像21中の多数の特徴点を抽出する(ステップST
22)。特徴点として、周囲の点と紛らわしくない点を
抽出するのがよい。他の画像上で、それらの対応点を求
める必要があるからである。例えば、特徴点抽出部4
は、第1の画像21中に多数の注目点を設定し、各注目
点を中心とする周囲数画素の小領域を見た場合に、その
中にある程度強い縦の濃度エッジ成分と横の濃度エッジ
成分とが適当に混在しているような点を特徴点として抽
出する。
【0031】次に、駆動装置2は、第2の画像22が得
られるようにカメラ1の位置を制御する。その位置でカ
メラ1が撮像した第2の画像22は特徴点位置決定部5
に入力される(ステップST23)。特徴点位置決定部
5は、第1の画像21中の各特徴点に対応する点の座標
を見つける。そのために、特徴点位置決定部5は、ま
ず、対応点探索のための開始点を決める(ステップST
24)。
【0032】ある平面を異なった視点から撮像したとき
に、一方の画像における任意の4点に対応する各点の位
置が他方の画像において決まれば、一方の画像における
全ての点に対応する点の位置が他方の画像において一意
に決まる。ただし、どの3点も同一直線上にないことが
条件である。このことは、例えば、「コンピュータビジ
ョン、グラフィックスのための射影幾何学[II](計測
と制御,第29巻第12号第48頁〜第56頁,199
0年発行)」に示されている。その対応変換マトリクス
は容易に求められる。第1の画像21および第2の画像
22においてマーク11〜14は部品に隠れて写ってい
ないかも知れないが、教示モードにおいて、第1の画像
21および第2の画像22におけるマーク11〜14の
位置は既に抽出されている。従って、部品箱10の底面
上の各点の第2の画像22における位置は計算で求ま
る。
【0033】図5に示すように、第1の画像21におい
て特徴点(P点)の位置がp点であったとする。する
と、P点は、部品箱10の底面上のB点(P点から底面
に下ろした垂線と底面との交点)の真上にあるはずであ
る。底面上のB点の第2の画像22における位置はb点
として計算で求まる。すなわち、探索開始点としてb点
が決定される。同様にして、第1の画像21における全
ての特徴点に対応した第2の画像22における探索開始
点を求める。次に、特徴点位置決定部5は、第2の画像
22における各特徴点の座標を求める(ステップST2
5)。
【0034】第2の画像22における特徴点の位置であ
るq点は、b点を始点とする半直線上にある。すなわ
ち、特徴点(P点)の第2の画像22における位置を探
索する際に、b点を始点とする半直線上で行えばよい。
このように探索範囲が限定されるので、処理時間が短縮
される。図2に示すように、第1の画像21、第2の画
像22および第4の画像24のxz平面が一致するよう
に撮像し、第1の画像21、第3の画像23および第5
の画像25のyz平面が一致するように撮像しておけ
ば、第2の画像22において、特徴点探索のための半直
線は、x軸と平行な方向になる。なお、カメラ1の設定
位置精度を考慮して、実際には、b点を要とする扇形の
範囲を探索する。以下、特徴点位置決定部5は、同様に
して第2の画像22における全ての特徴点の座標を求め
る。
【0035】特徴点の探索に際して、特徴点位置決定部
5は、特徴点探索のための半直線上の各点の周囲の小領
域の画像を評価して、特徴点か否か決定するのがよい。
すなわち、第1の画像21における対応する点の周囲画
像を基準としたパターンマッチングによって、特徴点位
置決定部5は、第2の画像22における特徴点を検出で
きる。
【0036】特徴点位置決定部5は、第3の画像23、
第4の画像24および第5の画像25について同様の処
理を行い、第3の画像23、第4の画像24および第5
の画像25における全ての特徴点の座標を求める(ステ
ップST26)。以上の処理が完了すると、全ての画像
における各特徴点のxy座標値が得られたことになる。
すなわち、(3)式で示された行列Wの各要素が得られ
たことになる。
【0037】実際には観測されていないが、全ての画像
におけるマーク11〜14の座標が得られている。そこ
で、演算部6は、各画像におけるマーク11〜14の座
標を、あたかも観測された特徴点の座標のようにみなし
て、マーク11〜14の各座標値を行列Wに追加する
(ステップST27)。そして、演算部6は、因子分解
法によって特徴点の三次元座標の行列S^を得る(ステ
ップST28)。行列Wを(7)式に示すように分解す
るには、例えば「Cにおける数値処理法(Numerical Re
cipes in C),第2版,第59頁,1992年ケンブリ
ッジ大学出版(CAMBRIDGE UNIV. PRESS )刊」に記載さ
れている特異値分解法(Singular Value Decompositio
n)というアルゴリズムを使用することができる。
【0038】(10)式に示すような分解M^S^が得
られた後、(11)式に示された条件を適用すると、S
^が得られる。この場合、(11)式として、第1の画
像21を撮像した位置におけるカメラのx,y,z軸方
向の基準ベクトルを基準座標系で表示したものとなる。
第1の画像21のxy座標系は、カメラのxy座標系と
一致している。従って、xy座標が第1の画像21にお
けるxy座標に一致しz座標が第1の画像21の視点方
向に一致している座標系で、特徴点の三次元座標の行列
S^が得られる。すなわち、各特徴点の三次元情報が得
られる。ただし、原点はマーク11〜14を含む各特徴
点の重心である。
【0039】z座標決定部7は、得られた行列S^にお
いて奥行きが反転していないかどうか調べる(ステップ
ST29)。マーク11〜14は、第1の画像21の位
置から見ると、どの特徴点よりも奥にある。つまり、マ
ーク11〜14のz座標値は負であるはずである。従っ
て、マーク11〜14のz座標値が正である場合には全
ての特徴点のz座標値を反転することにより、正しい三
次元情報が得られる(ステップST30)。
【0040】次いで、z座標決定部7は、各特徴点のz
座標値にマーク11〜14のz座標値の絶対値を加算す
ることにより各z座標値をシフトする(ステップST3
1)。この操作によって、各特徴点のz座標値は、部品
箱10の底面からの高さを示す値になる。そして、特徴
点除去部8は、第2〜第5の画像22〜25を対象とし
た対応点探索時に大きく誤った可能性のある特徴点の情
報を除去する(ステップST32)。行列S^として抽
出された各特徴点のx,y,z座標値のうちx,y座標
値は、第1の画像21から各特徴点を抽出したときの各
x,y座標値と一致しているはずである。従って、行列
S^として抽出されたx,y座標値のうちで、第1の画
像21における各特徴点のx,y座標値から大きくかけ
離れているものは、第2〜第5の画像22〜25を対象
とした対応点探索時に誤った結果が反映されたものであ
るとみなせる。そのようなx,y座標値に対応したz座
標値は信頼できない。そこで、特徴点除去部8は、その
ようなx,y座標値を持つ特徴点の情報を結果から除去
する。
【0041】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、部品を観測するときには写らない可能性があるマー
ク11〜14の各画像における座標をあらかじめ教示し
ておき、それらの座標を付加して因子分解法を実行する
ので、因子分解法の処理結果において奥行きが反転して
いないかどうか判定できる。
【0042】1個の位置認識可能マークが設けられてい
れば、奥行きが反転していないかどうか判定できる。し
かし、この実施の形態1のように、どの3個も同一直線
上にない4個以上のマーク11〜14を設けると、画像
22〜25における対応点探索時に探索範囲を限定でき
る。よって、処理時間を短縮できる効果がある。
【0043】なお、ここでは、1台のカメラ1が駆動装
置2によって第1〜第5の画像21〜25を撮像する位
置に移動される場合について説明したが、固定された5
台のカメラによって一時に部品を撮像してもよい。
【0044】実施の形態2.実施の形態1ではマーク1
1〜14の座標があらかじめ教示されるようにしたが、
部品が存在していても必ずどのカメラ位置からも観測さ
れるようにマーク11〜14を設定できるのであれば、
各画像からマーク11〜14の座標を認識してもよい。
例えば、マーク11〜14を部品箱10の枠の四隅上面
などに設定できる場合である。その場合、教示モードは
不要である。
【0045】そのような処理を行う三次元情報抽出装置
は実施の形態1における三次元情報抽出装置と同様に構
成される。ただし、位置認識可能マーク抽出部3は、実
施の形態1の場合とは異なり、三次元認識モードにおい
て撮像された第1〜第5の画像21〜25からマーク1
1〜14の位置を認識する。
【0046】この場合には、三次元認識モードにおける
各カメラ位置を教示モードにおける各カメラ位置に一致
させる必要はなく、対象物に応じた任意の位置から対象
物を撮像できる効果がある。
【0047】実施の形態3.実施の形態1ではマーク1
1〜14が部品箱10の底面に設定されていたが、底面
と上面とのそれぞれ4個ずつ設定してもよい。上面で
は、例えば部品箱10の枠の四隅上面に設定される。
【0048】そのような処理を行う三次元情報抽出装置
は実施の形態1における三次元情報抽出装置と同様に構
成される。ただし、特徴点位置決定部5の処理がより高
速化される。図6に示すように、部品箱10の上面にお
けるT点の第2の画像22における位置は、部品箱10
の上面に設けられたマークの第2の画像22における位
置にもとづいて決定できる。この点をt点とする。部品
が部品箱10の上面からはみ出ないとすると、特徴点で
あるP点はT点よりも上にはない。よって、対応点探索
時に、探索範囲を、b点とt点とを結ぶ線分上に限定で
きる。従って、この実施の形態3によれば、処理時間を
さらに短縮できる効果がある。
【0049】実施の形態4.実施の形態1および実施の
形態3では固定的に設けられた位置認識可能マークを用
いて教示モードが実行されたが、位置認識可能マークは
必ずしも固定的に設けられている必要はない。例えば、
LEDのような点光源を所定の位置間で移動させるよう
にしてもよい。
【0050】そのような処理を行う三次元情報抽出装置
は実施の形態1における三次元情報抽出装置と同様に構
成される。LEDのような点光源は、実施の形態1にお
けるマーク11〜14の位置に移動させられる。位置認
識可能マーク抽出部3は、点光源がマーク11〜14の
位置にきたときに撮像された4枚の第1の画像21のそ
れぞれにおいて点光源の位置を認識する。第2〜第5の
画像22〜25についても同様である。その他の動作は
実施の形態1の場合と同様である。従って、この場合に
も、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、三次元情報抽出装置を、教示点の位置を各画像に
おける各特徴点の位置として含め、得られた対象物の三
次元情報を教示点のz座標にもとづいて確定するように
構成したので、得られた対象物の三次元情報において奥
行き情報が反転していないかどうか容易に確認でき、常
に正しい奥行き情報を含む三次元情報が得られる効果が
ある。
【0052】請求項2記載の発明によれば、三次元情報
抽出装置を、位置認識可能マークの各画像における位置
をあらかじめ認識する位置認識可能マーク抽出部を含む
ように構成したので、各画像中に教示点が写らないよう
な場合でも、確実に正しい奥行き情報を含む三次元情報
が得られる効果がある。
【0053】請求項3記載の発明によれば、三次元情報
抽出装置を、対象物の形状にかかわらず各画像に写るよ
うな位置に設定された位置認識可能マークの位置を各画
像から認識するように構成したので、三次元情報抽出処
理に際して、対象物に応じた任意の位置から対象物を撮
像できる効果がある。すなわち、撮像位置の自由度が増
す効果がある。
【0054】請求項4記載の発明によれば、三次元情報
抽出装置を、どの3点も同一直線上にはない少なくとも
4点の教示点の位置を各画像における各特徴点の位置と
して含めるように構成したので、各特徴点の各画像にお
ける位置を決定するときの位置探索範囲が各画像におけ
る各教示点の位置にもとづいて限定され、三次元情報抽
出の処理時間が短縮される効果がある。
【0055】請求項5記載の発明によれば、三次元情報
抽出装置を、対象物および基準平面がその平面の一方の
側に存在するような第2の基準平面上における点であっ
て、どの3点も同一直線上にはない少なくとも4点の第
2の教示点の位置も各画像における各特徴点の位置とし
て含めるように構成したので、各特徴点の各画像におけ
る位置を決定するときの位置探索範囲が第2の教示点の
位置にもとづいてさらに限定され、三次元情報抽出の処
理時間がさらに短縮される効果がある。
【0056】請求項6記載の発明によれば、三次元情報
抽出方法を、教示点を設定するステップと、各画像にお
ける教示点の位置をあらかじめ認識するステップと、教
示点の位置を各画像における特徴点の位置として含める
ステップと、対象物の三次元情報を教示点のz座標にも
とづいて確定するステップとを備えるように構成したの
で、各画像中に教示点が写らないような場合でも、常に
正しい奥行き情報を含む三次元情報が得られる効果があ
る。
【0057】請求項7記載の発明によれば、三次元情報
抽出方法を、撮像される全ての画像に写るような教示点
を設定するステップと、教示点の位置を各画像における
特徴点の位置として含めるステップと、対象物の三次元
情報を教示点のz座標にもとづいて確定するステップと
を備えるように構成したので、常に正しい奥行き情報を
含む三次元情報が得られる効果がある。また、撮像位置
の自由度が増す効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による三次元情報抽
出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 三次元情報抽出装置による撮像位置および対
象物の一例を示す説明図である。
【図3】 教示モードの動作を示すフローチャートであ
る。
【図4】 三次元認識モードの動作を示すフローチャー
トである。
【図5】 この発明の実施の形態1における対応点の探
索範囲の限定の様子を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態3における対応点の探
索範囲の限定の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 カメラ(撮像手段)、3 位置認識可能マーク抽出
部(教示点反映手段)、4 特徴点抽出部(特徴点抽出
手段)、5 特徴点位置決定部(特徴点位置決定手段,
範囲限定手段)、6 演算部(三次元情報生成手段,教
示点反映手段)、7 z座標決定部(三次元情報確定手
段)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3箇所の異なる視点から対象
    物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による各画像の
    うちの1つの画像から対象物の3点以上の特徴点を抽出
    する特徴点抽出手段と、 前記各特徴点が抽出された画像以外の各画像における各
    特徴点の位置を決定する特徴点位置決定手段と、 前記各画像における各特徴点の位置から前記対象物の三
    次元情報を生成する三次元情報生成手段とを備えた三次
    元情報抽出装置において、 前記対象物がその平面の一方の側に存在するような基準
    平面上における点であって前記各画像の視野内に存在す
    る教示点の位置を、前記各画像における各特徴点の位置
    として含める教示点反映手段と、 前記三次元情報生成手段による対象物の三次元情報を、
    その情報中の教示点のz座標にもとづいて確定する三次
    元情報確定手段とを備えたことを特徴とする三次元情報
    抽出装置。
  2. 【請求項2】 教示点反映手段は、教示点である位置認
    識可能マークの各画像における位置をあらかじめ認識す
    る位置認識可能マーク抽出部を含むことを特徴とする請
    求項1記載の三次元情報抽出装置。
  3. 【請求項3】 教示点反映手段は、対象物の形状にかか
    わらず各画像に写るような位置に設定された教示点であ
    る位置認識可能マークの位置を各画像から認識する請求
    項1記載の三次元情報抽出装置。
  4. 【請求項4】 教示点反映手段は、どの3点も同一直線
    上にはない少なくとも4点の教示点の位置を各画像にお
    ける各特徴点の位置として含め、 特徴点位置決定手段が各特徴点の位置を決定するときの
    位置探索範囲を、各画像における各教示点の位置にもと
    づいて限定する範囲限定手段をさらに備えたことを特徴
    とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載
    の三次元情報抽出装置。
  5. 【請求項5】 教示点反映手段は、対象物および基準平
    面がその平面の一方の側に存在するような第2の基準平
    面上における点であって、前記各画像の視野内に存在
    し、どの3点も同一直線上にはない少なくとも4点の第
    2の教示点の位置を、前記各画像における各特徴点の位
    置として含め、 範囲限定手段は、特徴点位置決定手段が各特徴点の位置
    を決定するときの位置探索範囲を、各画像における各第
    2の教示点の位置にもとづいてさらに限定することを特
    徴とする請求項4記載の三次元情報抽出装置。
  6. 【請求項6】 対象物がその平面の一方の側に存在する
    ような基準平面上における点であって、撮像される各画
    像の視野内に存在する教示点を設定し、 あらかじめ、撮像される各画像における教示点の位置を
    認識し、 少なくとも3箇所の異なる視点から対象物を撮像し、 各画像のうちの1つの画像から対象物の3点以上の特徴
    点を抽出し、 各特徴点が抽出された画像以外の各画像における各特徴
    点の位置を決定するとともに、教示点の位置を各画像に
    おける特徴点の位置として含め、 前記各画像における各特徴点の位置から前記対象物の三
    次元情報を生成し、 生成された対象物の三次元情報を、その情報中の教示点
    のz座標にもとづいて確定する三次元情報抽出方法。
  7. 【請求項7】 対象物がその平面の一方の側に存在する
    ような基準平面上における点であって、撮像される全て
    の画像に写る教示点を設定し、 少なくとも3箇所の異なる視点から対象物を撮像し、 各画像のうちの1つの画像から対象物の3点以上の特徴
    点を抽出し、 各特徴点が抽出された画像以外の各画像における各特徴
    点および教示点の位置を決定するとともに、教示点の位
    置を各画像における特徴点の位置として含め、 前記各画像における各特徴点の位置から前記対象物の三
    次元情報を生成し、 生成された対象物の三次元情報を、その情報中の教示点
    のz座標にもとづいて確定する三次元情報抽出方法。
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Cited By (4)

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