JP3287508B2 - 機能性グレージング及びその製造方法 - Google Patents

機能性グレージング及びその製造方法

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C11/00Multi-cellular glass ; Porous or hollow glass or glass particles
    • C03C11/005Multi-cellular glass ; Porous or hollow glass or glass particles obtained by leaching after a phase separation step

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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機能性グレージング及び
その製造方法に関し、詳しくは、温度変化により不透明
化機能やミラー化機能等を発揮する機能性グレージング
及びその製造方法に関する。本発明の機能性グレージン
グは、例えば、自動車用フロント・リアガラス、窓ガラ
ス、サンルーフ用ガラスなどに適用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、光の透過率や反射率を可変と
した種々の調光ガラスが知られている。例えば、「工業
材料 1992年3月号(Vol.40 No.3)
(日刊工業新聞社発行)」の31〜36頁にある「液晶
調光ガラスに利用」の欄には、(1)サーモクロミック
ガラス、(2)フォトクロミックガラス、(3)偏光フ
ィルム、(4)液晶調光ガラス等の調光ガラスが開示さ
れている。
【0003】上記(1)サーモクロミックガラスは、熱
による酸化還元反応により着色して光の吸収スペクトル
が変化する物質と、ガラスとを組み合わせたもので、温
度変化に応じて光の透過率が変化する。このサーモクロ
ミックガラスは、プラスチック、陶器に応用されてい
る。上記(2)フォトクロミックガラスは、主として紫
外線のエネルギーにより着色して光の吸収スペクトルが
変化する銀化合物をガラス中に含有するもので、主に紫
外線の照射量に応じて光の透過率が変化する。このフォ
トクロミックガラスは、眼鏡のレンズとして応用されて
いる。
【0004】上記(3)偏光フィルムは、2枚の樹脂製
偏光膜を重ねたもので、一方の膜をずらしたり、回転さ
せることによって、光の透過率が変化する。この偏光フ
ィルムは、航空機のドア部分の外部確認用として応用さ
れている。上記(4)液晶調光ガラスは、2枚の透明導
電膜付きポリエステルフィルム間に液晶が充填された液
晶フィルムを、2枚のガラス間に樹脂製接着層を介して
挟んで一体化したもので、液晶の電気光学効果を利用し
て調光機能をもたせたものである。例えば、印加電圧に
応じて液晶分子の配向を変えて液晶の屈折率を制御する
ことにより、光の透過率が変化する。この液晶調光ガラ
スは、建築物用ガラスとして応用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の調
光ガラスは以下に示す種々の問題点がある。上記(1)
サーモクロミックガラスは、耐久性のよい材料がなく、
長期使用における信頼性が低い。上記(2)フォトクロ
ミックガラスは、大型化が困難であり、成形の自由度が
低い。
【0006】上記(3)偏光フィルムは、耐久性が低
く、また機械的に作動させる為にスペースが必要であ
る。上記(4)液晶調光ガラスは、電界ON時に電界方
向に液晶分子が配向して液晶フィルム内における屈折率
が一様に揃っている場合においても、光の入射角度によ
っては光を散乱させてしまうので、実質上十分に透明な
視野角はガラスに直角な線から両側45°ぐらいの範囲
となり、透明な視野角が狭い。また、熱や紫外線により
液晶が劣化するので、耐熱性が低い。さらに、電界等の
印加を必要とするため、構造が複雑になるとともに、高
価格となる。さらにまた、液晶フィルムの厚さを均一に
維持する必要がある関係上、複曲面形状のガラスに適用
することが困難で、成形の自由度が低い。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、耐久性、耐熱性、成形の自由度が高く、視野角も
十分に広い機能性グレージングを低価格にて提供するこ
とを解決すべき技術課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載された機能性グレージングは、2種以上の光
学用材料を複合化した分散混合系よりなり、各該光学用
材料の屈折率は、ある温度においてそれぞれ等しく、か
つ、一の該光学用材料の屈折率の温度依存性と他の該光
学用材料の屈折率の温度依存性との差が100×10 -6
/℃以上であることを特徴とするものである。
【0009】ここで光学用材料とは透明な材料のことを
いい、無機又は有機のいずれの材料も含む。無機の光学
用材料としては、例えば、ホウケイ酸ガラス、高シリカ
ガラス、ソーダ石灰ガラス等の無機ガラスを挙げること
ができる。有機の光学用材料としては、例えば、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、PVB(ポリビニルブチラー
ル)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、AD
C(ジエチレングリコールビスアクリルカーボネー
ト)、PU(ポリウレタン)、PCHMA(ポリシクロ
ヘキシレンメタクリレート)、PMMI(イミド化ポリ
メチルメタアクリレート)、PVC(ポリ塩化ビニ
ル)、エポキシ樹脂、MS(メチルスチレン)、AS
(アクリロニトリル−スチレン)、PC(ポリカーボネ
ート)、PS(ポリスチレン)等の樹脂を挙げることが
できる。各光学用材料の屈折率、及び屈折率の温度依存
性を表1に示す。なお、表1中、屈折率は20℃におけ
る屈折率を示すもので、他の温度においては各光学用材
料が有する屈折率の温度依存性に応じて屈折率が変化す
る。
【0010】
【表1】 請求項1に記載された機能性グレージングにおいては、
これらの無機又は有機の光学用材料等のうちから、ある
温度において屈折率が等しく、かつ、屈折率の温度依存
性の差が100×10 -6 /℃以上である材料を2種以上
選んで用いられる。なお、各光学用材料の屈折率は、添
加物の添加によりある程度制御可能である。
【0011】ここで、屈折率の温度依存性とは、温度変
化に応じて屈折率の値が変化する割合をいう。例えば、
屈折率の温度依存性が−2×10-6/℃のホウケイ酸ガ
ラスにおいては、温度が100℃上昇した場合に2×1
-4だけ屈折率の値が減少する。請求項1に記載された
機能性グレージングを構成する各光学用材料において、
一の光学用材料の屈折率の温度依存性と他の光学用材料
の屈折率の温度依存性との差は100×10 -6 /℃以上
である。この一の光学用材料の屈折率の温度依存性と他
の光学用材料の屈折率の温度依存性との差が大きいほ
ど、温度変化に対する両光学用材料の屈折率の差の変化
が大きくなる。このため、一の光学用材料の屈折率の温
度依存性と他の光学用材料の屈折率の温度依存性との差
200×10-6/℃以上あることがより好ましい。
【0012】したがって、請求項1記載の機能性グレー
ジングを構成する光学用材料の1種に無機ガラスを用い
た場合は、少なくとも他の1種は光学用樹脂を用いるこ
とが好ましい。請求項1記載の機能性グレージングは、
以下に示すように、用いる光学用材料の種類等に応じ
て、種々の方法により製造することができる。
【0013】例えば、一方の光学用材料に無機ガラスを
用いるとともに他方の光学用材料に樹脂を用いて機能性
グレージングを製造する場合、請求項2、3、4記載の
製造方法を採用することができる。すなわち、請求項2
記載の機能性グレージングの製造方法は、2種以上の光
学用材料を複合化した分散混合系よりなり、各該光学用
材料の屈折率は、ある温度においてそれぞれ等しく、か
つ、一の該光学用材料の屈折率の温度依存性と他の該光
学用材料の屈折率の温度依存性との差が100×10 -6
/℃以上である機能性グレージングを製造する方法であ
って、連通した多数の孔を有する多孔質無機ガラスに、
熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に溶解した熱可塑性の液状
樹脂を含浸させる工程と、上記液状樹脂を固化させる工
程とからなることを特徴とするものである。
【0014】請求項2記載の製造方法において、上記液
状樹脂として熱硬化性の液状樹脂を用いた場合は、硬化
剤の添加及び加熱により架橋を進行させて、液状樹脂を
固化させることができる。一方、上記液状樹脂として溶
媒に溶解した熱可塑性樹脂を用いた場合は、上記溶媒を
加熱、乾燥することにより、液状樹脂を固化させること
ができる。
【0015】なお、液状樹脂として加熱溶融した熱可塑
性樹脂を用いると、加熱溶融状態の熱可塑性樹脂は粘度
が高く無機ガラスとの濡れ性が悪いため、樹脂中に無機
ガラスを均一に分散させるためには、二軸押出機などに
よる特別な混練行程が必要で、かつ、冷却固化時におけ
る樹脂の収縮により樹脂と無機ガラスとの界面に剥離が
発生しやすいという不都合がある。
【0016】また、請求項3記載の機能性グレージング
の製造方法は、2種以上の光学用材料を複合化した分散
混合系よりなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度
においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈
折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依
存性との差が100×10 -6 /℃以上である機能性グレ
ージングを製造する方法であって、無機ガラスをゾル−
ゲル法により製造する過程において、ゾル状態の無機ガ
ラスに熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に溶解した熱可塑性
の液状樹脂を混入し、該無機ガラスのゲル化の進行に合
わせて上記液状樹脂を固化させることを特徴とするもの
である。請求項3記載の製造方法において、上記液状樹
脂として熱硬化性の樹脂を用いた場合は、ゾル状態の無
機ガラスのゲル化の進行に合わせて、熱硬化性樹脂の架
橋を進行させて固化させることによって、無機ガラスと
熱硬化性樹脂とが分子レベルでIPN化してハイブリッ
ド構造を形成する。一方、液状樹脂として溶媒に溶解し
た熱可塑性樹脂を用いた場合、ゾル状態の無機ガラスの
ゲル化及びその乾燥の進行に合わせて、上記溶媒を乾燥
して液状熱可塑性樹脂を固化させることによって、ポー
ラスな無機ガラスの空孔部に樹脂が密着充填された構造
を形成する。なお、液状樹脂として加熱溶融した熱可塑
性樹脂を用いると、ゾル状態の無機ガラスに混入された
ときに該液状樹脂が単独で冷却、固化してしまうので、
無機ガラスと有機ガラスとが分離し両者が均質に混ざり
合わないという不都合がある。
【0017】また、請求項4記載の機能性グレージング
の製造方法は、2種以上の光学用材料を複合化した分散
混合系よりなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度
においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈
折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依
存性との差が100×10 -6 /℃以上である機能性グレ
ージングを製造する方法であって、熱硬化性の液状樹脂
又は溶媒に溶解した熱可塑性の液状樹脂中に、粉末又は
フレーク状の無機ガラスを分散する工程と、上記液状樹
脂を固化させる工程とからなることを特徴とするもので
ある。請求項4記載の製造方法において、上記液状樹脂
として熱硬化性の液状樹脂を用いた場合は、上記請求項
3記載の製造方法と同様に、硬化剤の添加及び加熱によ
り架橋を進行させて、液状樹脂を固化させることができ
る。一方、上記液状樹脂として溶媒に溶解した熱可塑性
の液状樹脂を用いた場合も、上記請求項2記載の製造方
法と同様に、上記溶媒を乾燥することにより、液状樹脂
を固化させることができる。
【0018】なお、液状樹脂として加熱溶融した熱可塑
性樹脂を用いると、加熱溶融状態の熱可塑性樹脂は粘度
が高く無機ガラスとの濡れ性が悪いため、樹脂中に無機
ガラスを均一に分散させるためには、二軸押出機などに
よる特別な混練行程が必要で、かつ、冷却固化時におけ
る樹脂の収縮により樹脂と無機ガラスとの界面に剥離が
発生しやすいという不都合がある。
【0019】なお、光学用材料に有機ガラスのみを用い
る場合は、例えば以下のように製造することができる。
まず、光学用材料として熱硬化性樹脂のみを用いる場合
は、例えば、逐次重合法による一方の熱硬化性樹脂を架
橋させて3次元網目構造を形成させた後、他方の熱硬化
性樹脂を架橋させて、両者が三次元網目的に絡み合った
IPN(相互侵入網目構造)化した、いわゆるハイブリ
ッド構造の機能性グレージングを製造することができ
る。
【0020】さらに、光学用材料として熱可塑性の樹脂
ガラスのみを用いる場合は、例えば、2種以上の熱可塑
性樹脂同士をアロイ化することにより、具体的には例え
ば2軸反応押出機によりアロイ化した材料を射出成形や
押出し成形することにより製造することができる。前記
課題を解決する請求項5に記載された機能性グレージン
グは、2種以上の薄膜状の光学用材料を交互に多数積層
してなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度におい
てそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈折率の
温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依存性と
の差が100×10 -6 /℃以上であることを特徴とする
ものである。
【0021】なお、光学用材料としては、前記請求項1
に記載された機能性グレージングと同様のものを用いる
ことができる。ここで、上記2種以上の薄膜状の光学用
材料を積層する積層数は、基本的には、各光学用材料の
屈折率の温度依存性の差や、設定したい垂直入射光に対
する反射度の値等に応じて決定することができる。例え
ば、屈折率の温度依存性の差が100〜500×10-6
/℃程度で、上記反射度を90%以上としたい場合は、
数10〜数100層以上とすることが好ましい。なお、
光学用材料に熱線吸収剤を添加した場合は、ミラ−化の
発熱温度に応じて積層数を少なくすることができる。
【0022】請求項5記載の機能性グレージングは、用
いる光学用材料の種類等に応じて、種々の方法により製
造することができる。例えば、光学用材料として熱可塑
性樹脂ガラスのみを用いて機能性グレージングを製造す
る場合、請求項6記載の製造方法を採用することができ
る。すなわち、請求項6記載の機能性グレージングの製
造方法は、2種以上の薄膜状の光学用材料を交互に多数
積層してなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度に
おいてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈折
率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依存
性との差が100×10 -6 /℃以上である機能性グレー
ジングを製造する方法であって、2種以上の熱可塑性樹
脂を共押出しして得た数層のシート物をロール状に巻き
取るか又は折り重ねて積層状にした後、延伸加工するこ
とを特徴とするものである。
【0023】なお、一方の光学用材料に無機ガラスを用
い、他方の光学用材料に樹脂を用いる場合は、例えば、
押出成形と延伸加工により製造された薄膜状の樹脂フィ
ルムを、無機ガラスのゾル溶液や過飽和液にディップコ
ートし、これを多数積層した後、乾燥、固化することに
より、製造することができる。前記請求項1又は5記載
の機能性グレージングにおいて、不透明化機能又はミラ
ー化機能や熱線透過の調節機能を高める観点から、前記
光学用材料のうちの少なくとも1種の光学用材料を着色
することが好ましい。なお、着色のし易さという観点か
らは、樹脂材料を着色することが好ましい。
【0024】前記請求項1又は請求項5記載の機能性グ
レージングにおいて、必要に応じて、温度上昇に伴う不
透明化機能やミラー化機能の発現性を制御したい場合
は、前記光学用材料のうちの少なくとも1種に熱線吸収
材を混入することができる。例えば、屈折率の温度依存
性が大きい光学用材料に熱線吸収材を混入すれば、温度
上昇に伴って発現される不透明化機能やミラー化機能を
より大きくすることができる。一方、屈折率の温度依存
性が小さい光学用材料に熱線吸収材を混入すれば、温度
上昇に伴う不透明化機能やミラー化機能が発現し難くな
る。
【0025】前記請求項1又は請求項5記載の機能性グ
レージングにおいて、環境(外部温度)に左右されず
に、不透明化機能やミラー化機能を制御したい場合は、
必要に応じて、透明発熱シートやニクロム線などの熱線
ヒータを具備させることができる。透明発熱シートとし
ては、ITOやSnO2 等よりなるシートを用いること
ができる。
【0026】なお、前記請求項1又は請求項5記載の機
能性グレージングにおいて、不透明化機能やミラー化機
能等を部分的に発揮させたい場合は、その部分に相当す
る形状の請求項1又は請求項5記載の機能性グレージン
グを製造した後、これを所定の型にセットし、その他の
部分を無機ガラスや樹脂ガラスで一体的に成形すること
も可能である。
【0027】
【作用】請求項1記載の機能性グレージングは、ある温
度では、各光学用材料の屈折率が等しいので、各光学用
材料間の境界面でも光は直進し、これにより透明状態と
なる。温度が上昇又は下降すると、各光学用材料の屈折
率は、それぞれの温度依存性に応じて、それぞれ変化す
る。このとき、請求項1記載の機能性グレージングで
は、各光学用材料間における屈折率の温度依存性の差が
100×10 -6 /℃以上と所定値以上あることから、各
光学用材料間で屈折率が大きく相違することになる。こ
れにより、各光学用材料間の境界面で光が屈折・反射
し、その結果透過光が錯乱光となって、機能性グレージ
ングが不透明となる。したがって、不透明時において
は、炎暑感の低減、防眩、プライバシー化等の機能を発
揮する。
【0028】請求項2記載の機能性グレージングの製造
方法は、多孔質無機ガラスに熱硬化性の液状樹脂又は溶
媒に溶解した熱可塑性液状樹脂を含浸させた後、液状樹
脂を固化させるものである。熱硬化性の液状樹脂又は溶
媒に溶解した熱可塑性状樹脂は、加熱溶融した熱可塑性
樹脂と比べて、流動性が高く無機ガラスとの濡れ性も良
好なため容易に無機ガラスの空孔部に充填させることが
可能で、加熱溶融した熱可塑性樹脂を用いる場合のよう
に樹脂ガラスと無機ガラスとの界面に剥離が発生し易い
という不都合がなく、樹脂ガラスと無機ガラスとの界面
が密着した構造の機能性グレージングを製造することが
できる。
【0029】また、請求項3記載の機能性グレージング
の製造方法は、無機ガラスをゾル−ゲル法により製造す
る過程において、無機ガラスのゲル化の進行に合わせて
熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に溶解した熱可塑性樹脂を
固化させるものであるから、無機ガラスと樹脂とが均質
に、かつ、分子レベルで強固に結合した機能性グレージ
ングを製造することができる。
【0030】また、請求項4記載の機能性グレージング
の製造方法は、熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に溶解した
熱可塑性樹脂中に、粉末又はフレーク状の無機ガラスを
分散した後、液状樹脂を固化させるものである。このた
め、上記請求項2記載の製造方法と同様に液状樹脂を固
化させることにより、樹脂ガラス中に無機ガラスを均一
に分散させることができるとともに、両者の界面が密着
した構造の機能性グレージングを製造することができ
る。
【0031】請求項5に記載された機能性グレージング
は、ある温度では、各光学用材料の屈折率が等しいの
で、各光学用材料間の積層界面でも光は直進し、これに
より透明状態となる。温度が上昇又は下降すると、各光
学用材料の屈折率は、それぞれの温度依存性に応じて、
それぞれ変化する。このとき、請求項5記載の機能性グ
レージングでは、各光学用材料間における屈折率の温度
依存性の差が100×10 -6 /℃以上と所定値以上ある
ことから、各光学用材料間の積層界面で光が屈折・反射
する。このとき、積層界面の数が多い場合、反射面が多
くなるため、透過光の100%近くが反射光となりミラ
ー化する。このミラー化時においては、熱線透過を減少
したり、プライバシー化等の機能を発揮する。
【0032】請求項6記載の機能性グレージングの製造
方法は、2種以上の熱可塑性樹脂ガラスを共押出しして
得た数層のシート物を多数積層した後、延伸加工するも
のであるから、容易に、かつ、生産性良く、薄膜状の光
学用材料を多数積層させることができる。請求項1記載
の機能性グレージングにおいて、光学用材料のうちの少
なくとも1種を着色した場合には、着色された光学用材
料を通過する光は色素により若干吸収されるので、該着
色された光学用材料を通過する光路長に応じて透過光が
減少する。透明時においては、光は直進するので、グレ
ージング内を光が直進する間に着色された光学用材料を
通過する光路長の分だけ全透過光が減少する。しかし、
不透明時においては、光は錯乱光となるので、該錯乱光
は直進光と比べて何倍もの着色された光学用材料を通過
することとなり、この着色された光学用材料を通過する
錯乱光の光路長の増加分だけ色素により吸収される量が
増加し、その結果として全透過光が大幅に減少する。一
方、光学用材料が着色されていない場合は、不透明時に
おいて、垂直透過光は錯乱により減少するが、錯乱光を
含めた全透過光は余り減少しない。このため、光学用材
料のうちの少なくとも1種を着色することにより、不透
明時において、着色しない場合と比べて全透過光の減少
量を大きくできるとともに、透明時における色より格段
と濃い色とすることができる。したがって、不透明時に
おいては、熱線透過を減少させる機能を発揮するととも
に、防眩やプライバシー化等の機能をより効果的に発揮
させることが可能となる。
【0033】また、請求項5記載の機能性グレージング
において、光学用材料のうちの少なくとも1種を着色し
た場合には、上記と同様の理由により、ミラー化の過程
において、透明時における色より格段と濃い色とするこ
とができるので、プライバシー化等の機能をより効果的
に発揮させることが可能となる。請求項1又は請求項5
記載の機能性グレージングにおいて、光学用材料のうち
の少なくとも1種に熱線吸収材を混入した場合には、温
度上昇に伴う不透明化機能やミラー化機能の発現性を制
御することができる。例えば、屈折率の温度依存性が大
きい光学用材料に熱線吸収材を混入すれば、該熱線吸収
材が混入された光学用材料は温度上昇による屈折率の減
少割合がより大きくなるので、熱性吸収材が混入されて
いない屈折率の温度依存性が小さい光学用材料との屈折
率の差がより大きくなる。このため、温度上昇に伴って
発現される不透明化機能やミラー化機能をより大きくす
ることができる。
【0034】請求項1又は請求項5記載の機能性グレー
ジングにおいて、透明発熱シートや熱線ヒータ等の加熱
装置を具備せしめた場合には、該加熱装置への通電によ
り温度を制御することにより、環境(外部温度)に左右
されずに、不透明化機能やミラー化機能を制御すること
が可能となる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 (実施例1)本実施例1に係る機能性グレージングは、
多孔質の無機ガラス(ホウケイ酸ガラス)をマトリック
スとし、溶媒に溶解した熱可塑性樹脂(PMMA)を含
浸、充填後、固化させることにより、上記マトリックス
としての無機ガラス中に樹脂を分散混合させたもので、
請求項2に記載された機能性グレージングの製造方法を
適用したものである。なお、この機能性グレージング
は、例えば、自動車のクウォーターガラスに適用され
る。また、ホウケイ酸ガラスは、常温(20℃)での屈
折率が1.50であり、屈折率の温度依存性が約−2×
10-6(1/℃)である。また、PMMAは、常温(2
0℃)での屈折率が1.50であり、屈折率の温度依存
性が約−1.1×10-4(1/℃)である。
【0036】常温(20℃)での屈折率が1.50とな
るように成分調整した主成分がSiO2 で、連通した多
孔質で板状のホウケイ酸ガラス1を、500〜600℃
で分相後約5%の塩酸でNa2 O−B2 3 を溶出する
ことにより準備した。このホウケイ酸ガラス1を十分に
洗浄、乾燥し、表面に付着した不純物を除去した。上記
ガラス1を型内にセットし、溶媒としてのトルエンで8
0wt%に溶解希釈したPMMA(ポリメチルメタアク
リレート)2を型内に注入して、ガラス1の空孔部にP
MMA2を充填した。なお、PMMA2を注入する際、
ポアの発生を確実に防止するために、型内を軽く減圧し
ておくことが望ましい。
【0037】そして、型内を約50℃に加熱し、溶媒を
乾燥してPMMA2を固化した。このとき溶媒の乾燥に
よる収縮をおぎなうため、2〜3気圧でPMMAを保圧
することが望ましい。これにより、ホウケイ酸ガラス1
をマトリックスとし、PMMA2が含浸、充填され、不
透明化機能を備えた剛性の高いクウォーターガラス用機
能性グレージングを得た。
【0038】本実施例1の機能性グレージングについ
て、温度と透明度(平行光線透過率)との関係を図3に
示す。すなわち、この機能性グレージングを構成するガ
ラス1及びPMMA2は、常温(20℃)での屈折率が
ともに1.50と等しい。このため、機能性グレージン
グに入射した光は、常温では、図1に示すように、ガラ
ス1とPMMA2との界面において反射・屈折すること
なく直進しつつ透過する。したがって、常温では、機能
性グレージングが透明状態となる。
【0039】一方、例えば直射日光が当たることにより
機能性グレージングの温度が80℃に上昇すると、ガラ
ス1とPMMA2との屈折率の温度依存性の相違によ
り、ガラス1の屈折率とPMMA2の屈折率とでは約
0.01異なってくる。このため、機能性グレージング
に入射した光は、図2に示すように、ガラス1とPMM
A2との界面において反射・屈折を繰り返して錯乱光と
なる。したがって、80℃では、機能性グレージングが
すりガラス状の不透明状態となる。
【0040】なお、上記実施例1では、液状樹脂とし
て、溶媒に溶解した熱可塑性樹脂材料を用いたが、これ
の代わりに液状の熱硬化性樹脂材料を用いることもでき
る。 (実施例2) 本実施例2に係る機能性グレージングは、無機ガラス
(シリカガラス)をマトリックスとし、シリカガラスを
ゾル−ゲル法により製造する過程において、液状の熱硬
化性樹脂材料としてのADC(ジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート)をシリカガラスのゲル化の進行
に合わせて架橋、固化させることにより該樹脂材料を分
散混合させたもので、請求項3に記載された機能性グレ
ージングの製造方法を適用したものである。なお、この
機能性グレージングは、例えば、自動車のドアガラスに
適用される。また、シリカガラスは、常温(20℃)で
の屈折率が1.50であり、屈折率の温度依存性が約−
2×10-6(1/℃)である。また、ADCは、常温
(20℃)での屈折率が1.50であり、屈折率の温度
存性が約−1.1×10-4(1/℃)である。
【0041】280:160:150:1のSi(OC
2 5 4 −C2 5 OH−H2 O−HCl溶液から、
下記(1)式に示す加水分解反応と、下記(2)式に示
す脱水素重縮合反応とにより、ポリシロキサン粒子のゾ
ルを得た。 Si(OC2 5 4 +4H2 O →Si(OH)4 +4C2 5 OH …(1) Si(OH)4 →SiO2 +2H2 O …(2) 上記ゾルに、液状樹脂としてのADCモノマーと重合開
始剤としてのジイソピロピルパーオキシジカーボネート
(IPP)を3%加え、十分に攪拌した。そして、この
溶液を型内に注入し、30〜50℃で120分程度型内
を保持し、シリカガラスのゲル化と同時にADCの重合
を進めた。シリカガラスのゲル化がある程度進行した
後、約100℃まで段階的に徐々に昇温し、ゲルの乾燥
とADCの重合を完了した。これにより、無機ガラスと
してのシリカガラスと熱硬化性樹脂材料としてのADC
とがIPN構造をとり、不透明化機能を備えた剛性の高
いドアガラス用機能性グレージングを得た。
【0042】本実施例2の機能性グレージングも、上記
実施例1の機能性グレージングと同様に、温度上昇に応
じて不透明化機能を発揮する。 (実施例3)本実施例3に係る機能性グレージングは、
無機ガラス(シリカガラス)をマトリックスとし、シリ
カガラスをゾル−ゲル法により製造する過程において、
溶媒に溶解した液状の熱可塑性樹脂材料としてのPMM
Aをシリカガラスのゲル化の進行に合わせて乾燥、固化
させることにより該樹脂材料を分散混合させたもので、
請求項3に記載された機能性グレージングの製造方法を
適用したものである。なお、この機能性グレージング
は、例えば、自動車のリアガラスに適用される。
【0043】前記実施例2と同様の方法により得たポリ
シロキサン粒子のゾルに、溶媒(本実施例ではメタノー
ル/トルエン(9/5)を用いた)に溶解した80wt
%のPMMA溶液を等量加え、十分に攪拌した。この溶
液を型内に注入し、30〜50℃で120分程度型内を
保持し、シリカガラスのゲル化を進行させた。そして、
80〜90℃まで段階的に徐々に昇温し、ゲル及びPM
MAを乾燥した。これにより、無機ガラスとしてのシリ
カガラスと熱可塑性樹脂材料としてのPMMAとが均質
に混り合った、不透明化機能を備えた靱性の高いリアガ
ラス用機能性グレージングを得た。
【0044】本実施例3の機能性グレージングも、上記
実施例1の機能性グレージングと同様に、温度上昇に応
じて不透明化機能を発揮する。 (実施例4)本実施例4に係る機能性グレージングは、
図4に示すようにマトリックスとしてのPMMA3と、
PMMA3中に均一に分散混合されたシリカビーズ4と
からなり、溶媒に溶解した液状の熱可塑性樹脂材料とし
てのPMMA3中にシリカビーズ4を分散した後、PM
MA3を乾燥、固化させることにより該シリカビーズ4
を分散混合させたもので、請求項4に記載された機能性
グレージングの製造方法を適用したものである。なお、
この機能性グレージングは、例えば、自動車のスカイラ
イトルーフに適用される。
【0045】溶媒(溶媒としては、アセトン又はベンゼ
ンを用いることができるが、本実施例ではアセトンを用
いた)に溶解した80wt%のPMMA溶液中に、シリ
カガラスのビーズ(平均粒径20μm)を30%分散さ
せた。この溶液を型内に注入し、50℃で30分程度型
内を保持し、溶媒を乾燥して板状の成形体5を得た。こ
の成形体3を、図4に示すようにヒーター6及びプレス
型7を用いて、120℃、5MPaの条件で加熱プレス
成形し、所定の複曲面や曲げRの小さい形状の不透明化
機能を備えたスカイライトルーフ用機能性グレージング
を得た。
【0046】本実施例4の機能性グレージングも、上記
実施例1の機能性グレージングと同様に、温度上昇に応
じて不透明化機能を発揮する。なお、上記実施例におい
て、シリカビーズ4の代わりに、他の無機ガラス粉末
や、フレーク状の無機ガラスあるいは該形状の光学用樹
脂を用いることも可能である。
【0047】(実施例5)本実施例5に係る機能性グレ
ージングは、2種の熱硬化性樹脂材料を逐次網目形成法
や同時網目形成法によりIPN構造をとるように重合さ
せたもので、例えば自動車のチルトウィンドに適用され
る。なお、熱硬化性樹脂材料としては、熱硬化型のアク
リル樹脂、及びポリウレタン樹脂を用いた。また、アク
リル樹脂は、常温(20℃)での屈折率が1.52であ
り、屈折率の温度依存性が約−1.1×10-4(1/
℃)である。
【0048】アクリルモノマーとその開始剤として0.
05%のジアセチルパーオキシド添加した溶液とポリオ
ールとイソシアネートを等モル比で混合した溶液を重量
比で3:7で十分に攪拌混合及び脱泡する。このアクリ
ルとウレタンの混合溶液を型内に注入し、逐次網目形成
法により始めにウレタンの重合を進行させた後に、アク
リルを架橋重合させてアクリルとウレタンがIPN構造
をとった不透明化機能を備えた軽量で強度の高いチルト
ウィンドガラス用機能性グレージングを得た。具体的な
硬化条件は、60℃で1.5時間保持後160℃まで段
階的に昇温し1時間保持し硬化させる。
【0049】本実施例5の機能性グレージングも、上記
実施例1の機能性グレージングと同様に、温度上昇に応
じて不透明化機能を発揮する。 (実施例6)本実施例6に係る機能性グレージングは、
2種の熱可塑性樹脂材料をアロイ化することにより分散
混合させたもので、例えば自動車のムーンルーフに適用
される。なお、熱可塑性樹脂材料としては、PCHMA
(ポリシクロヘキシレンメタクリレート)、及びエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体を用いた。また、PCHMA
は、常温(20℃)での屈折率が1.51であり、屈折
率の温度依存性が約−1.1×10-4(1/℃)であ
る。また、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニ
ルの添加量の調整により常温(20℃)での屈折率を
1.51とし、屈折率の温度依存性が約−3.6×10
-4(1/℃)である。
【0050】PCHMA:85%及びエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体:15%から2軸反応押出機により得たア
ロイをダイを通しシート状成形することにより、PCH
MAをマトリックスとしてエチレン・酢酸ビニル共重合
体が均一に分散混合され、不透明化機能を備えたムーン
ルーフ用機能性グレージングを得た。本実施例6の機能
性グレージングも、上記実施例1の機能性グレージング
と同様に、温度上昇に応じて不透明化機能を発揮する。
【0051】(実施例7)本実施例7に係る機能性グレ
ージングは、上記実施例6の機能性グレージングにおい
て、エチレン・酢酸ビニル共重合体を染料(Disde
rse FastBrown 3R:5%)により着色
したもので、その他の構成は上記実施例6の機能性グレ
ージングと同様である。
【0052】本実施例7の機能性グレージングを構成す
るPCHMA10及びエチレン・酢酸ビニル共重合体1
1は、常温(20℃)での屈折率がともに1.51と等
しい。このため、機能性グレージングに入射した光は、
常温では、図7に示すように,PCHMA10とエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体11との界面において反射・屈
折することなく直進しつつ透過するので、透過光の全光
路長:Lは機能性グレージングを直進して横断する長さ
となる。そして、着色されたエチレン・酢酸ビニル共重
合体11の厚さをtとし、かつ、全光路長Lにおいて着
色されたエチレン・酢酸ビニル共重合体11をn回通過
するとすれば、着色されたエチレン・酢酸ビニル共重合
体11を通過する光路長は約n・tとなる。ここで、着
色された光学用材料を通過する光は色素により若干吸収
されるので、着色されたエチレン・酢酸ビニル共重合体
11を通過する光路長(約n・t)の分だけ全透過光が
減少する。
【0053】一方、温度上昇によりPCHMA10とエ
チレン・酢酸ビニル共重合体11との屈折率が異なる
と、機能性グレージングに入射した光は、図8に示すよ
うに、PCHMA10とエチレン・酢酸ビニル共重合体
11との界面において反射・屈折を繰り返して錯乱光と
なる。その結果、透過光の全光路長L及び着色されたエ
チレン・酢酸ビニル共重合体11を通過する光路長の値
は、錯乱する分だけ常温時の値よりも数倍以上長くな
る。このため、着色されたエチレン・酢酸ビニル共重合
体11を通過する光路長の増加分だけ色素により吸収さ
れる量が増加し、その結果として全透過光が大幅に減少
する。したがって、温度上昇時に、常温時と比べて全透
過光の減少量を大きくできるとともに、格段と色が濃く
なるので、熱線透過を減少させる機能を発揮するととも
に、防眩やプライバシー化等の機能をより効果的に発揮
させることが可能となる。
【0054】(実施例8)本実施例8に係る機能性グレ
ージングは、ある形状の意匠に係る部分のみに不透明化
機能をもたせたもので、例えば、ワゴンのサイドガラス
に適用される。この機能性グレージングは、図9に示す
ように、星型機能性グレージング部12と、この星型機
能性グレージング部12の周りに一体的に成形されPC
HMAよりなるノーマルガラス部13とから構成されて
いる。
【0055】本実施例8の機能性グレージングを製造す
るに際しては、上記実施例7で得られた機能性グレージ
ングを星型形状に切り取り、星型機能性グレージング部
12を得た。この星型機能性グレージング部12を、図
10に示すように所定の型14内にセットした。そし
て、PCHMAを型14内に注入し、星型機能性グレー
ジング部12と一体的にノーマルガラス部13を成形し
て、星型の意匠に係る部分のみに不透明化機能を備えた
サイドガラス用機能性グレージングを得た。
【0056】この機能性グレージングは、透明時では、
グレージング全体が薄く着色した透明である。温度上昇
時には、図9に示すように、星型の意匠に係る部分の色
が濃くなって不透明化し意匠が浮き上がる。 (実施例9)本実施例9に係る機能性グレージングは、
薄膜状の無機ガラス(シリカガラス)層と薄膜状の熱可
塑性樹脂(PC(ポリカーボネート))層とを交互に多
数積層したもので、例えば自動車用ドアガラスに適用さ
れる。なお、シリカガラスは、ZrO2 やLa2 3
添加により常温(20℃)での屈折率を1.59とし、
屈折率の温度依存性が約−2×10-6(1/℃)であ
る。また、PCは、常温(20℃)での屈折率が1.5
9であり、屈折率の温度依存性が約−1.2×10
-4(1/℃)である。
【0057】この機能性グレージングは、図11に示す
ように、膜厚:Δ=約10μmの薄膜状のシリカガラス
15と、膜厚:Δ=約10μmの薄膜状のPC層16と
が交互に多数(全積層数:k層、本実施例ではk=43
0)積層された構成である。本実施例の機能性グレージ
ングの製造に際しては、押出し成形及び延伸加工により
製造したPCのフィルムを、前記実施例2と同様の方法
により得たポリシロキサン粒子のゾル溶液に浸漬した。
これを所定の枚数積層した後、30〜50℃で120分
程度保持してシリカガラスのゲル化を進行させた後、約
100℃まで段階的に徐々に昇温してゲルを乾燥させ
た。そして、所定形状にカットすることにより、熱線透
過調節、ミラー化(遮光化)等の機能を備えたドアガラ
ス用機能性グレージングを得た。
【0058】本実施例9の機能性グレージングを構成す
るシリカガラス15及びPC16は、常温(20℃)で
の屈折率がともに1.59と等しい。このため、機能性
グレージングに入射した光は、常温では、図11に示す
ように、シリカガラス15とPC16との積層界面にお
いて反射・屈折することなく直進しつつ透過する。した
がって、常温では、機能性グレージングが透明状態とな
る。
【0059】一方、例えば直射日光が当たることにより
機能性グレージングの温度が70℃に上昇すると、シリ
カガラス15とPC16との屈折率の温度依存性の相違
により、シリカガラス15の屈折率とPC16の屈折率
とでは約0.01異なってくる。このため、機能性グレ
ージングに入射した光は、図12に示すように、シリカ
ガラス15とPC16との積層界面において反射・屈折
を繰り返す。この時、積層板よりなる機能性グレージン
グの反射度:Rは、下記(3)式で表される。なお、全
積層数はk層であり、nh :温度上昇時のシリカガラス
15の屈折率、nl (nh >nl ):温度上昇時のPC
16の屈折率、i:複素数、Δ:層の厚さ、M:合成マ
トリックスである。
【0060】
【数1】
【0061】ここで、 k:奇数のとき、 Mk =(Mhl(k-1)/2 h 、 k:偶数のとき、 Mk =(Mhlk/2
【0062】
【数2】
【0063】
【数3】
【0064】したがって、層の厚さ:Δ=10μm、全
積層数:k=431の場合、温度上昇時において、シリ
カガラス15の屈折率:nh と、PC16の屈折率:n
l とが約0.01異なると、反射度:Rが90%以上の
ミラーとなる。 (実施例10)本実施例10に係る機能性グレージング
は、2種の熱可塑性樹脂ガラス(PMMAとエチレン・
酢酸ビニル共重合体)を共押出しして得た数層のシート
物を延伸加工したもので、請求項6に記載された機能性
グレージングの製造方法を適用したものである。なお、
この機能性グレージングは、例えば、自動車のムーンル
ーフガラスに適用される。また、PMMAの常温(20
℃)での屈折率はイオウ等の添加により1.52に調整
し、かつ、エチレン・酢酸ビニル共重合体の常温(20
℃)での屈折率もイオウ等の添加により1.52に調整
した。
【0065】この機能性グレージングは、膜厚:Δ=約
10μmの薄膜状のPMMA17と、膜厚:Δ=約10
μmの薄膜状のエチレン・酢酸ビニル共重合体18とが
交互に多数(全積層数:k層、本実施例ではk=24
0)積層された構成である。本実施例の機能性グレージ
ングの製造に際しては、図13に示すように、PMMA
及びエチレン・酢酸ビニル共重合体を、共押出し成形機
19を用いて2層共押出し成形して2層のシート物20
を得た。このシート物20をロール状に巻き取ってロー
ル21とした。次に、このロール21をガラス転移温度
以上に保温し、かつ、層間にエアーが残らないように脱
気しながら、ローラー22で所定厚さに延伸加工した。
そして、所定の形状に2次加工して、熱線透過調節、ミ
ラー化(遮光化)等の機能を備えた自動車のリアウィン
ドシェイド用機能性グレージングを得た。
【0066】本実施例10の機能性グレージングも、上
記実施例9の機能性グレージングと同様に、温度上昇に
応じてミラー化機能を発揮する。なお、図13にも示す
ように、上記シート物20をロール状に巻き取る代わり
に、折り重ねてスタック23とし、これを延伸加工する
こともできる。 (実施例11)本実施例11の機能性グレージングは、
屈折率の温度依存性が大きい方の光学用材料に熱線吸収
剤を添加したもので、例えば自動車のムーンルーフやサ
ンシェードに適用される。
【0067】すなわち、この機能性グレージングは、前
記実施例1の機能性グレージングにおいて、熱線吸収剤
としてのIn2 3 がPMMA2に添加されたものであ
る。製造に際しては、前記実施例1の機能性グレージン
グの製造方法において、溶媒に溶解したPMMAの溶液
中にIn2 3 :2%程度を添加すればよい。本実施例
11の機能性グレージングにおいては、温度上昇時に、
熱線吸収剤が添加されたPMMA2が、熱線吸収剤が添
加されていないホウケイ酸ガラス1よりも優先的に加熱
されて温度がより上昇するので、PMMA2の屈折率の
変化がより大きくなってホウケイ酸ガラス1との屈折率
の差がより大きくなり、より敏感に不透明化する。
【0068】(実施例12)本実施例12の機能性グレ
ージングは、前記実施例10の機能性グレージングにお
いて、屈折率の温度依存性が大きい方の光学用材料であ
るエチレン・酢酸ビニル共重合体18に、熱線吸収剤と
しての2Al2 3 ・MgOを添加したものである。
【0069】この機能性グレージングの製造に際して
は、共押出し成形する前にエチレン・酢酸ビニル共重合
体に2Al2 3 ・MgOを2%程度添加すればよい。
本実施例12の機能性グレージングは、温度上昇時に、
熱線吸収剤が添加されたエチレン・酢酸ビニル共重合体
18が、熱線吸収剤が添加されていないPMMA17よ
りも優先的に加熱されて温度がより上昇するので、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体18の屈折率の変化がより大
きくなってPMMA17との屈折率の差がより大きくな
り、より敏感にミラー化する。
【0070】(実施例13)本実施例13の機能性グレ
ージングは、図14に示すように、マトリックスとして
のPMMA3中にシリカビーズ4が均一分散された前記
実施例4で得られたスカイライトルーフ用機能性グレー
ジングにおいて、透明発熱シートとしてのITOシート
24が埋設されたものである。
【0071】この機能性グレージングはITOシートを
上記機能性グレージングで接着剤を介しサンドウィッチ
することにより製造した。なお、ITOシート24は、
膜厚:200μmであり、外部から通電可能とされてい
る。本実施例13の機能性グレージングは、外部からI
TOシート24への通電によりITOシート24を発熱
させ、これにより機能性グレージング全体の温度を任意
に調整することにより、環境(外部温度)に左右されず
に、不透明化機能を制御することが可能となる。
【0072】(実施例14)本実施例14の機能性グレ
ージングは、図15に示すように、薄膜状のPMMA1
7と薄膜状のエチレン・酢酸ビニル共重合体18とが交
互に多数積層された前記実施例10で得られた機能性グ
レージングにおいて、透明発熱シートとしてのITOシ
ート24をその表裏両面に積層させたものである。
【0073】この機能性グレージングは、前記実施例1
0と同様の方法により得たPMMA17とエチレン・酢
酸ビニル共重合体18とが交互に多数積層された機能性
グレージングの表裏両面に、ITOシート24をそれぞ
れ接着剤により固定することにより製造した。本実施例
14の機能性グレージングも、上記実施例13の機能性
グレージングと同様に、外部からITOシート24への
通電により、環境(外部温度)に左右されずに、ミラー
化機能を制御することが可能となる。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の機
能性グレージングは、温度変化に応じて不透明化して炎
暑感の低減、防眩、プライバシー化等の機能を発揮する
ので、車両や建築用窓ガラス等に有効に適用することが
できる。請求項2記載の機能性グレージングの製造方法
は、多孔質無機ガラスに熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に
溶解した熱可塑性の液状樹脂を含浸させた後、液状樹脂
を固化させるものであるから、加熱溶融した熱可塑性樹
脂を用いる場合のように樹脂ガラスと無機ガラスとの界
面に剥離が発生することがなく、樹脂ガラスと無機ガラ
スとの界面が密着した構造の機能性グレージングを製造
することができる。
【0075】また、請求項3記載の機能性グレージング
の製造方法は、無機ガラスをゾル−ゲル法により製造す
る過程において、無機ガラスのゲル化の進行に合わせて
熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に溶解した熱可塑性の液状
樹脂を固化させるものであるから、無機ガラスと樹脂ガ
ラスとが均質に、かつ、分子レベルで強固に結合した、
高強度で、透明度の高い機能性グレージングを容易に製
造することができる。
【0076】また、請求項4記載の機能性グレージング
の製造方法は、熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に溶解した
熱可塑性の液状樹脂中に、粉末又はフレーク状の無機ガ
ラスを分散した後、液状樹脂を固化させるものであるか
ら、樹脂ガラス中に無機ガラスが均一に分散し、両者の
界面が密着した構造で、しかも成形の自由度や寸法精度
が向上した機能性グレージングを製造することができ
る。
【0077】請求項5に記載された機能性グレージング
は、温度変化に応じてミラー化して熱線透過を減少した
り、プライバシー化等の機能を発揮するので、車両や建
築用窓ガラス等に有効に適用することができる。請求項
6記載の機能性グレージングの製造方法は、2種以上の
熱可塑性樹脂ガラスを共押出しして得た数層のシート物
を多数積層した後、延伸加工するものであるから、スパ
ッタリングやスプレーコート等に比べて設備投資が小さ
く、低コストで生産性良く製造することができる。ま
た、プレス成形や真空成形等の2次成形も可能なため、
様々な形状に対応することができる。
【0078】請求項1又は5記載の機能性グレージング
において、光学用材料のうちの少なくとも1種を着色し
た場合には、熱線透過を減少させる機能、防眩やプライ
バシー化等の機能をより効果的に発揮させることが可能
となる。請求項1又は請求項5記載の機能性グレージン
グにおいて、光学用材料のうちの少なくとも1種に熱線
吸収材を混入した場合には、温度上昇に伴う不透明化機
能やミラー化機能の発現性を制御することができる。
【0079】請求項1又は請求項5記載の機能性グレー
ジングにおいて、透明発熱シートや熱線ヒータ等の加熱
装置を具備せしめた場合には、該加熱装置への通電によ
り温度を制御することにより、環境(外部温度)に左右
されずに、不透明化機能やミラー化機能を制御すること
が可能となる。そして、本発明に係る機能性グレージン
グは、基本的に一般的な無機ガラスや樹脂を用いること
ができるため、耐久性や耐熱性に優れた機能性グレージ
ングを得ることができる。また、光学的特性も基本的に
等方性であるため、透明時の視野角が十分に広いものと
なる。さらに、特に樹脂を用いた場合は、成形の自由度
が高いので、複曲面形状の機能性グレージングを生産性
良く、低コストで製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る機能性グレージングの
模式断面図であり、透明状態の透過光等を説明する図で
ある。
【図2】本発明の実施例1に係る機能性グレージングの
模式断面図であり、不透明状態の透過光等を説明する図
である。
【図3】本発明の実施例1に係る機能性グレージングに
おいて、温度と透明度との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例4に係る機能性グレージングの
模式断面図である。
【図5】本発明の実施例4に係る機能性グレージングの
製造方法を模式的に説明する図である。
【図6】本発明の実施例5に係る機能性グレージングの
模式断面図である。
【図7】本発明の実施例7に係る機能性グレージングの
模式断面図であり、透明状態の透過光等を説明する図で
ある。
【図8】本発明の実施例7に係る機能性グレージングの
模式断面図であり、不透明状態の透過光等を説明する図
である。
【図9】本発明の実施例8に係る機能性グレージングの
不透明化時の平面図である。
【図10】本発明の実施例8に係る機能性グレージング
の製造方法を模式的に説明する図である。
【図11】本発明の実施例9に係る機能性グレージング
の模式断面図であり、透明状態の透過光等を説明する図
である。
【図12】本発明の実施例9に係る機能性グレージング
の模式断面図であり、不透明状態の透過光等を説明する
図である。
【図13】本発明の実施例10に係る機能性グレージン
グの製造方法を模式的に説明する図である。
【図14】本発明の実施例13に係る機能性グレージン
グの模式断面図である。
【図15】本発明の実施例14に係る機能性グレージン
グの模式断面図である。
【符号の説明】
1はホウケイ酸ガラス、2、3、17はPMMA、4は
シリカビーズ、8はアクリル樹脂、9はポリウレタン樹
脂、10はPCHMA、11、18はエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、15はシリカガラス、16はPC、20
はシート物、24はITOシートである。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の光学用材料を複合化した分散
    混合系よりなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度
    においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈
    折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依
    存性との差が100×10 -6 /℃以上であることを特徴
    とする機能性グレージング。
  2. 【請求項2】 2種以上の光学用材料を複合化した分散
    混合系よりなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度
    においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈
    折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依
    存性との差が100×10 -6 /℃以上である機能性グレ
    ージングを製造する方法であって、 連通した多数の孔を有する多孔質無機ガラスに、熱硬化
    性の液状樹脂又は溶媒に溶解した熱可塑性の液状樹脂を
    含浸させる工程と、 上記液状樹脂を固化させる工程とからなることを特徴と
    する機能性グレージングの製造方法。
  3. 【請求項3】 2種以上の光学用材料を複合化した分散
    混合系よりなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度
    においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈
    折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依
    存性との差が100×10 -6 /℃以上である機能性グレ
    ージングを製造する方法であって、 無機ガラスをゾル−ゲル法により製造する過程におい
    て、 ゾル状態の無機ガラスに熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に
    溶解した熱可塑性の液状樹脂を混入し、該無機ガラスの
    ゲル化の進行に合わせて上記液状樹脂を固化させること
    を特徴とする機能性グレージングの製造方法。
  4. 【請求項4】 2種以上の光学用材料を複合化した分散
    混合系よりなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温度
    においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の屈
    折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度依
    存性との差が100×10 -6 /℃以上である機能性グレ
    ージングを製造する方法であって、 熱硬化性の液状樹脂又は溶媒に溶解した熱可塑性の液状
    樹脂中に、粉末又はフレーク状の無機ガラスを分散する
    工程と、 上記液状樹脂を固化させる工程とからなることを特徴と
    する機能性グレージングの製造方法。
  5. 【請求項5】 2種以上の薄膜状の光学用材料を交互に
    多数積層してなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温
    度においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の
    屈折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度
    依存性との差が100×10 -6 /℃以上であることを特
    徴とする機能性グレージング。
  6. 【請求項6】 2種以上の薄膜状の光学用材料を交互に
    多数積層してなり、各該光学用材料の屈折率は、ある温
    度においてそれぞれ等しく、かつ、一の該光学用材料の
    屈折率の温度依存性と他の該光学用材料の屈折率の温度
    依存性との差が100×10 -6 /℃以上である機能性グ
    レージングを製造する方法であって、 2種以上の熱可塑性樹脂ガラスを共押出しして得た数層
    のシート物をロール状に巻き取るか又は折り重ねて積層
    状にした後、延伸加工することを特徴とする機能性グレ
    ージングの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記光学用材料のうちの少なくとも1種
    は着色されていることを特徴とする請求項1又は5記載
    の機能性グレージング。
  8. 【請求項8】 前記光学用材料のうちの少なくとも1種
    は、熱線吸収材が混入されていることを特徴とする請求
    項1又は5記載の機能性グレージング。
  9. 【請求項9】 熱線ヒータ或いは透明発熱シートを備え
    ていることを特徴とする請求項1又は5記載の機能性グ
    レージング。」
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