JP3287034B2 - コンタクトレンズの製造方法およびそれに用いられる成形型 - Google Patents

コンタクトレンズの製造方法およびそれに用いられる成形型

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JP3287034B2 JP32691892A JP32691892A JP3287034B2 JP 3287034 B2 JP3287034 B2 JP 3287034B2 JP 32691892 A JP32691892 A JP 32691892A JP 32691892 A JP32691892 A JP 32691892A JP 3287034 B2 JP3287034 B2 JP 3287034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学性に優れ、角膜に
損傷を与えることのない滑らかな表面を有する高品質な
コンタクトレンズの製造方法およびそれに用いられる成
形型に関するものである。さらには、ディスポーザブル
コンタクトレンズに適用可能な低コストコンタクトレン
ズの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズは大きく分けてハード
コンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの2種類に
分類することができる。さらに、ソフトコンタクトレン
ズは水で膨潤した状態で使用する含水ソフトコンタクト
レンズと水を含まない非含水ソフトコンタクトレンズに
分類することができる。これらのコンタクトレンズはそ
れぞれに一長一短があり、コンタクトレンズ装用者はこ
れらの中から自分に適したレンズを選択して使用してい
る。
【0003】一方、コンタクトレンズの製造方法は大き
く分けて3種類あり、レースカット法(切削研磨法)、
モールド法、スピンキャスト法(遠心注型法)のいずれ
かの方法によって製造されている。レースカット法は、
現在コンタクトレンズの製造に最も一般的に用いられて
いる方法であり、棒状またはボタン状のコンタクトレン
ズ材料を旋盤によって切り出し、切削、研磨を行ってコ
ンタクトレンズを製造する方法である。この方法はBC
(ベースカーブ:コンタクトレンズが角膜に接する面、
あるいはその面の曲率)等形状の異なった多品種のコン
タクトレンズを製造するのには適した方法であり、レン
ズの装用感を決定する重要な要素であるエッジ部の処理
を容易に行うことができるが、面精度を出すのが難しく
品質のばらつきが多い等の欠点があり、さらにコストが
非常に高いという問題があるためディスポーザブルコン
タクトレンズの製造方法としてこの方法を用いることは
非常に困難である。現在、ハードコンタクトレンズのほ
とんどはこのレースカット法によって製造されており、
ソフトコンタクトレンズも多くのメーカーがレースカッ
ト法を用いて製造している。
【0004】これに対してモールド法とスピンキャスト
法は、ほとんどがソフトコンタクトレンズの製造に用い
られている方法である。モールド法はレンズ形状の空間
を有する成形型に重合性モノマーを充填し、これを重合
してコンタクトレンズを製造する方法である。この方法
は寸法精度、面精度ともに型の精度に大きく左右され、
精度の良い型を使用すれば品質の良いコンタクトレンズ
を比較的低コストで製造することが可能であるが、形状
の異なった多品種のコンタクトレンズを製造するのは困
難である。スピンキャスト法は重合性モノマーを回転す
る型の中に流し込み遠心力で原料が薄く広がるのを利用
してコンタクトレンズを製造する方法である。この方法
もモールド法と同様に低コストでコンタクトレンズを製
造することができるという利点がある。しかし、スピン
キャスト法は重合性モノマーの粘度、表面張力、量、回
転数等の多くの因子を制御する必要があり、適用可能な
レンズ材料も特定のものに限定されてしまう。また、こ
の方法によって得られるコンタクトレンズは非球面であ
り十分な光学性能が得られないだけでなく、エッジ部の
処理が難しいという特徴もある。
【0005】近年、ソフトコンタクトレンズは、その装
用感の良さから、従来のハードコンタクトレンズを装用
できなかった人々に広く使用されている。ソフトコンタ
クトレンズはそれ自体が柔軟で角膜形状に沿って装着さ
れるため、ハードコンタクトレンズのように非常にたく
さんのBCの種類を必要としない。そのため低コストで
品質の良いコンタクトレンズを製造するためにはモール
ド法が好適である。また、シリコンラバーや長鎖アルキ
ルメタクリレートのような非含水ソフトコンタクトレン
ズのようにレンズ加工時に柔軟な材料はレースカット法
では加工できないため一般的にはモールド法によって製
造されている。
【0006】モールド法によってコンタクトレンズを製
造するという技術は既に公知であるが、得られるコンタ
クトレンズの光学性能や装用感を良くするため、またモ
ールド法でコンタクトレンズを製造した後の後加工を必
要としないための工夫や改良は、過去の研究者あるいは
技術者達の手によってさまざまに行われてきており、そ
れによるコンタクトレンズの製造方法およびそれに用い
られる成形型については非常に多くの技術が開発され、
特許等で開示されている。
【0007】例えば、雄型と雌型を合致した際に形成さ
れる空間にコンタクトレンズ材料を充填してコンタクト
レンズを得る技術として、特公昭63−36484号公
報にはモールド法によるコンタクトレンズ製造の際に発
生し易いバリを防いで、後加工を必要としないための方
法が、特開平2−172712号公報には雄型と雌型を
合致した後圧力容器内にいれ、これを加圧することによ
ってレンズ外周部のバリの発生を防ぎ、後加工を必要と
しないための方法が、特開昭61−290012号公報
にはモールドのレンズ形成空間につながるようにレンズ
材料量調節用空間を設けることによって、モールドから
レンズへの転写性を向上させ、所望の形状のレンズを容
易に製造できるようにした方法が開示されている。
【0008】また、雄型と雌型の間にスペーサーを挟
み、それを合致した際に形成される空間にコンタクトレ
ンズ材料を充填してコンタクトレンズを得る技術とし
て、特公昭55−26446号公報には所望のレンズ形
態に対応する空間を形成するために環状スペーサーを設
けた方法が、同様にスペーサーを用いた方法としては特
開昭62−297119号公報、特開昭62−2971
20号公報等によって開示されている。
【0009】さらに、モールド法を利用した方法として
特開昭59−95118号公報には雄型と雌型でコンタ
クトレンズ素材を両型に挟まれたままの状態で、レンズ
素材の周辺部を両型と一緒に機械加工する方法が、特開
昭60−73836号公報にはコンタクトレンズ素材が
両型に挟まれたままの状態で、レンズ素材の凸面を型と
一緒に機械加工する方法が、同様にモールド法と機械加
工を併用した方法としては特開昭63−3910号公報
等によって開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】コンタクトレンズをモ
ールド法によって製造する最大の利点は、同一規格のコ
ンタクトレンズを大量に製造することができ、低コスト
生産が可能であるということである。
【0011】近年は、ソフトコンタクトレンズの洗浄、
煮沸消毒処理といった面倒なケアを必要とせず、衛生的
であるという理由からアメリカを中心にディスポーザブ
ルソフトコンタクトレンズが急速に普及し始めている。
このディスポーザブルソフトコンタクトレンズを製造す
るためには従来の製造コストを大幅に引き下げる必要が
あるが、コンタクトレンズが直接角膜に触れる医療器具
である以上品質を低下させるわけにはいかない。
【0012】これらディスポーザブルコンタクトレンズ
にも適用可能な低コスト、高品質コンタクトレンズの製
造方法として、特開昭59−95118号公報、特開昭
60−73836号公報、特開昭63−3910号公報
記載のコンタクトレンズの製造方法は、モールド法によ
ってレンズ形状またはボタン形状に重合した後、機械加
工することによって製造されるため、エッジ部が滑らか
である等品質の優れたコンタクトレンズが得られるが、
機械加工が必要なためコストが高いという欠点がある。
【0013】一方、特公昭55−26446号公報、特
開昭62−297119号公報、特開昭62−2971
20号公報記載のコンタクトレンズの製造方法は、雄型
と雌型の間にスペーサーを挟み、それを合致した際に形
成される空間にコンタクトレンズ材料を充填してコンタ
クトレンズを得る方法である。これはエッジ部形状が滑
らかで2次加工の必要性をなくすため、またレンズの外
周部に生じるバリを防ぐための工夫であるが、型の種類
が増えてしまいコストの上昇につながる。
【0014】また、コンタクトレンズに要求される重要
な品質の1つに光学性能が挙げられるが、モールド法で
コンタクトレンズを製造する場合、コンタクトレンズの
面精度、形状精度は型の精度に大きく左右され、精度の
良い型を使用すれば品質の良いコンタクトレンズが得ら
れる。しかし、モールド法の特徴として、雄型、雌型を
組み合わせてその間に形成される空間で重合するため
に、雄型の光学面と雌型の光学面にズレあるいは傾きが
生じると、それが直接光学性能に影響を及ぼすことにな
る。つまり、雄型と雌型の光学面の位置のズレがある場
合、また型の寸法にズレがある場合、さらに雄型と雌型
を合致する際に両型が完全に接触していなかった場合、
雄型と雌型を組み合わせてその間に形成される空間の厚
さ(コンタクトレンズの厚み)に部分的な違いが生じ、
これが原因で得られるコンタクトレンズの焦点が光軸上
からズレることとなり、レンズのプリズムという形とな
って影響が生じてくる。この現象をレンズの偏心と呼ん
でいる。偏心のあるコンタクトレンズを装用した場合、
人間の眼はこの光軸のズレを修正しようとして調節機能
が働くことになり、長時間この偏心をもつコンタクトレ
ンズを装用していると頭痛等の症状となって現れてく
る。上述の雄型と雌型の間にスペーサーを挟み、それを
合致した際に形成される空間にコンタクトレンズ材料を
充填してコンタクトレンズを得る方法では、特にこの偏
心という現象が起こり易くなる。なぜならば、スペーサ
ーという部品が一点加わることで、雄型と雌型だけでな
くスペーサーまで高精度に加工される必要があり、さら
に雄型とスペーサーを、またスペーサーと雌型を合致さ
せる際にその接触状態に十分な配慮を行わなくてはなら
ず、従来の方法である人の手やマシンによる流れ作業的
な方法では、どうしてもこの偏心という現象が起こり易
くなってしまうからである。
【0015】特公昭63−36484号公報記載のコン
タクトレンズ製造のための成形型は、雄型と雌型の2つ
の部品からなりバリの発生を防ぐためにレンズのエッジ
部の形状に工夫を加えているが、この成形型では雄型と
雌型の接触面が非常に狭くレンズの厚み精度を出すこと
が比較的困難なため偏心が発生し易く、エッジ形状のバ
ラツキも大きいという欠点がある。また、特開平2−1
72712号公報記載のコンタクトレンズ成形装置は、
雄型と雌型の接触が線で行われており、これも偏心を皆
無にすることは非常に困難であるといえる。特開昭61
−290012号公報記載のコンタクトレンズ成形装置
は、レンズ形成空間とレンズ材料調節用空間の間を微細
隙間を介してつないでおり、雄型と雌型を組み立てる際
の接触面は、レンズ材料調節用空間のさらに外側にある
ため、偏心の生じやすい構造となっている。 しかも、こ
れら従来の技術によるコンタクトレンズ製造用の成形型
は、いずれも凸状成形面を有する雄型と凹状成形面を有
する雌型の、形状の異なる少なくとも2部品以上より構
成されており、成形型の製造において、雄型と雌型のそ
れぞれの光学面の光軸のズレを全く無くすことは極めて
困難である。
【0016】以上、現状のコンタクトレンズの製造方法
による問題点、さらにはモールド法を用いてコンタクト
レンズを製造する場合の長所と問題点について述べてき
たが、本発明は、偏心のない光学性能に優れた高品質な
コンタクトレンズを製造することを主眼におき、角膜に
損傷を与えることのない滑らかな表面を有し、しかもデ
ィスポーザブルコンタクトレンズにも適用可能な低コス
トコンタクトレンズを製造することを目的とするもので
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のコン
タクトレンズの製造方法は、雄型と雌型を合致した際に
レンズ形状となる空間が形成されるように構成され、そ
の空間に重合性モノマーを充填してコンタクトレンズを
製造する方法において、前記雄型と雌型が同一の型より
成っていることを特徴とし、一つの型に凸状成形面と凹
状成形面を持ち、この型を合致した際に形成されるレン
ズ形状となる空間に重合性モノマーを充填してこれを重
合し、コンタクトレンズを得ることを特徴とするもので
ある。
【0018】また、本発明のコンタクトレンズの製造に
用いられる成形型は、雄型と雌型を合致した際にレンズ
形状となる空間が形成されるように構成され、その空間
に重合性モノマーを充填してコンタクトレンズを製造す
る方法に使用する型であって、雄型と雌型が同一の型よ
り成り、一つの型に凸状成形面と凹状成形面を持つこと
を特徴とするものである。
【0019】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0020】図1は本発明によるコンタクトレンズ成形
型の正面図、図2は断面図であり、図3は本発明による
コンタクトレンズ成形型の結合状態を示す組立断面図で
ある。
【0021】本発明のコンタクトレンズ成形型は、図2
に示されるようにコンタクトレンズ形状に成形したとき
にFC(フロントカーブ:コンタクトレンズが角膜に接
触する面の反対側の面、あるいはその面の曲率)を形成
する凹状のFC光学面1、コンタクトレンズ形状に成形
したときにBCを形成する凸状のBC光学面2、重合性
モノマーを充填してから型を合致させるとき接触し、レ
ンズの厚みを決定する型の接触面4、重合性モノマーを
充填してから型を合致させるとき接触し、FC面とBC
面の位置のズレを防ぐ型の側面部接触面5から構成され
る。
【0022】この型を2枚合致して組み立てると、図3
に示されるようにFC光学面とBC光学面の間にレンズ
形状となる空間(キャビティー)6が形成され、そのキ
ャビティー内に重合性モノマーを充填してこれを重合
し、コンタクトレンズを得るのである。型を2枚合致し
た時に形成される空間7は重合性モノマーを充填して組
み立てた時に空気を逃がすための空間である。
【0023】以上、図面からわかるように本発明による
コンタクトレンズ成形型は、雄型と雌型が同一の型より
成っており、一つの型に凸状成形面と凹状成形面を持っ
ている。従って、型を製造するに当たって型のFC光学
面とBC光学面の偏心をなくせば、事実上それによって
成形されたコンタクトレンズの偏心はなくなるわけであ
る。また、雄型と雌型が同一の型より成っていること
で、型を何段にも重ね合わせこれを同時に重合すること
で、さらに製造コストの低下を図ることが可能であり、
型の使用数を減らすこともできるというメリットもあ
る。
【0024】続いて、成形型の製造について述べる。本
発明の成形型の材質としては金属、セラミックス、プラ
スチック等の一般に型材として用いられている材料を適
用することが出来る。特に熱可塑性プラスチックを使用
し、これを射出成形法、射出圧縮成形法あるいは圧縮成
形法等の、通常プラスチックの成形に用いられている方
法を適用することによって、精度の高い成形型を低コス
トで製造することが出来る。また、成形型の材料として
プラスチックを使用した場合には、この成形型を使い捨
てにすることで型の洗浄工程が省け、極めて生産性高く
コンタクトレンズを製造することが可能である。
【0025】成形型の材料に使用できる熱可塑性プラス
チックの例としてはポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリスルフォン、ポリアミド等を挙げ
ることが出来る。そしてこれらのプラスチックの中か
ら、コンタクトレンズの重合方法、重合性モノマーの種
類、コスト等と、プラスチックの諸物性である光線透過
率、耐熱性、耐溶剤性、機械特性(粘弾性等)、成形性
等を考慮して、目的のコンタクトレンズ製造に最も適し
た型材料を選択する。
【0026】次に、本発明によるコンタクトレンズの重
合方法について述べる。本発明の重合は、通常の重合開
始剤の存在下、加熱あるいは紫外線などの活性エネルギ
ー線の照射によって行われる。成形型の凹状成形面に重
合性モノマーを必要量吐出し、これに別の成形型を凸状
成形面が先の凹状成形面に合致するように重ね合わせ
る。この際、型の接触面および側面部接触面が完全に接
触するよう注意する。型を何段にも重ね合わせて重合す
る場合には、この操作を繰り返して型に重合性モノマー
を充填する。こうして組み立てた型を加熱して熱重合を
させるか、あるいは紫外線を照射し、光重合をさせるこ
とが適している。
【0027】本発明に適用可能な重合性モノマーとは、
一般的に用いられるラジカル重合可能な化合物であり、
ビニル基、アリル基、アクリル基、またはメタクリル基
を分子中に1個以上含む化合物で、通常ハードコンタク
トレンズまたはソフトコンタクトレンズ材料として使用
されている物質である。具体的には、アルキル(メタ)
アクリレート、シロキサニル(メタ)アクリレート、フ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、多価アルコールの(メタ)アク
リル酸エステル、ビニル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステル類、スチレンの誘導体、N−ビ
ニルラクタム、(多価)カルボン酸ビニル等のビニル化
合物等が挙げられる。さらに具体的には、例えば、スチ
レン、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、、メタクリル酸、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボ
ルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェ
ニルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル
コハク酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブ
チルメタクリレート、フマル酸およびそれらのエステル
類、メタクリロニトリル、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0028】さらに架橋剤として、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グ
リセリンジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンジ
アリルフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネート等の多官能モノマーを用いることもできる。
【0029】これらの使用する重合性モノマーの特性、
つまり粘度、体積収縮率、重合速度等を考慮して、これ
に適した重合方法、重合開始剤の種類、添加量等を選択
して行う必要がある。
【0030】
【作用】本発明によるコンタクトレンズの製造方法およ
びそれに用いられる成形型は、雄型と雌型が同一の型よ
り成っていることを特徴とし、一つの型に凸状成形面と
凹状成形面を持ち、この型を合致した際に形成されるレ
ンズ形状となる空間に重合性モノマーを充填しこれを重
合してコンタクトレンズを得るため、偏心のない光学性
能に優れた高品質なコンタクトレンズを製造することが
でき、さらに角膜に損傷を与えることのない滑らかな表
面を有し、しかもディスポーザブルコンタクトレンズに
も適用可能な低コストコンタクトレンズを製造すること
が出来る。
【0031】
【実施例】以下実施例により、更に詳しく説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】(実施例1)本実施例においては、図2に
示すBC光学面の曲率7.25mm、FC光学面の曲率
7.70mm、光学面の直径11.5mmで射出成形によっ
て製造した成形型を使用した。なお、成形型の材料とし
ては非晶質ポリオレフィンを使用した。重合性モノマー
としては、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレー
ト70重量部、メチルメタクリレート28重量部、エチ
レングリコールジメタクリレート1重量部、2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド0.05重量部をよく混合し、この混合物の脱気、窒
素置換を行ったものを使用した。この混合物を先の成形
型に充填し、これに80W/cm高圧水銀ランプを用い
て距離10cmで100秒間紫外線を照射した。得られ
たコンタクトレンズを純水中で膨潤させ、洗浄した後、
生理食塩水に浸漬して、所定量の吸水をさせると同時
に、溶出物の溶出を完結させた。
【0033】こうして得られたソフトコンタクトレンズ
は、表面が滑らかでコンタクトレンズ表面および内部に
は空隙はなく、外周部にはバリの発生もなかった。ま
た、このソフトコンタクトレンズの直径は13.8mm、
BCは8.60mmでパワーは−3.00Dを有し、プリ
ズムは全く観察されなかった。
【0034】(実施例2)本実施例においては、図2に
示すBC光学面の曲率6.90mm、FC光学面の曲率
7.65mm、光学面の直径11.5mmで射出成形によっ
て製造した成形型を使用した。なお、成形型の材料とし
ては非晶質ポリオレフィンを使用した。重合性モノマー
としては、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレー
ト70重量部、メチルメタクリレート28重量部、エチ
レングリコールジメタクリレート1重量部、2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド0.05重量部をよく混合し、この混合物の脱気、窒
素置換を行ったものを使用した。この混合物を先の成形
型に充填し、これに80W/cm高圧水銀ランプを用い
て距離10cmで100秒間紫外線を照射した。得られ
たコンタクトレンズを純水中で膨潤させ、洗浄した後、
生理食塩水に浸漬して、所定量の吸水をさせると同時
に、溶出物の溶出を完結させた。
【0035】こうして得られたソフトコンタクトレンズ
は、表面が滑らかでコンタクトレンズ表面および内部に
は空隙はなく、外周部にはバリの発生もなかった。ま
た、このソフトコンタクトレンズの直径は13.8mm、
BCは8.20mmでパワーは−8.00Dを有し、プリ
ズムは全く観察されなかった。
【0036】(実施例3)本実施例においてはBC光学
面の曲率7.25mm、FC光学面の曲率7.70mm、光
学面の直径11.5mmの成形型を使用した。なお、成形
型の材料としてはポリプロピレンを使用した。重合性モ
ノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
96重量部、エチレングリコールジメタクリレート2重
量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキサイド0.05重量部をよく混合し、この
混合物の脱気、窒素置換を行ったものを使用した。この
混合物を先の成形型に充填し、これに80W/cm高圧
水銀ランプを用いて距離10cmで100秒間紫外線を
照射した。得られたコンタクトレンズを純水中で膨潤さ
せ、洗浄した後、生理食塩水に浸漬して、所定量の吸水
をさせると同時に、溶出物の溶出を完結させた。
【0037】こうして得られたソフトコンタクトレンズ
は、表面が滑らかでコンタクトレンズ表面および内部に
は空隙はなく、外周部にはバリの発生もなかった。ま
た、このソフトコンタクトレンズの直径は13.8mm、
BCは8.60mmでパワーは−3.00Dを有し、プリ
ズムは全く観察されなかった。
【0038】(実施例4)本実施例においてはBC光学
面の曲率7.25mm、FC光学面の曲率7.70mm、光
学面の直径11.5mmの成形型を使用した。なお、成形
型の材料としては非晶質ポリオレフィンを使用した。重
合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート96重量部、エチレングリコールジメタクリレー
ト2重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド0.05重量部をよく混合
し、この混合物の脱気、窒素置換を行ったものを使用し
た。この混合物を先の成形型に充填、さらにこの操作を
2回繰り返し成形型を4段重ねにして治具で固定した。
これに80W/cm高圧水銀ランプを用いて距離10c
mで200秒間紫外線を照射した。得られたコンタクト
レンズを純水中で膨潤させ、洗浄した後、生理食塩水に
浸漬して、所定量の吸水をさせると同時に、溶出物の溶
出を完結させた。
【0039】こうして得られたソフトコンタクトレンズ
は、3枚とも表面が滑らかでコンタクトレンズ表面およ
び内部には空隙はなく、外周部にはバリの発生もなかっ
た。また、プリズムは全く観察されなかった。
【0040】(実施例5)本実施例においてはBC光学
面の曲率7.25mm、FC光学面の曲率7.85mm、光
学面の直径11.5mmの成形型を使用した。なお、成形
型の材料としてはポリプロピレンを使用した。重合性モ
ノマーとしては、2,3−ジヒドロキシプロピルメタク
リレート70重量部、メチルメタクリレート28重量
部、エチレングリコールジメタクリレート1重量部、ア
ゾビス(2,4ージメチルバレロニトリル)0.2重量
部をよく混合し、この混合物の脱気、窒素置換を行った
ものを使用した。この混合物を先の成形型に充填し、こ
れを熱風循環式の恒温槽内に投入し、60℃で10時
間、90℃で5時間加熱した。得られたコンタクトレン
ズを純水中で膨潤させ、洗浄した後、生理食塩水に浸漬
して、所定量の吸水をさせると同時に、溶出物の溶出を
完結させた。
【0041】こうして得られたソフトコンタクトレンズ
は、表面が滑らかでコンタクトレンズ表面および内部に
は空隙はなく、外周部にはバリの発生もなかった。ま
た、プリズムは全く観察されなかった。
【0042】(実施例6)本実施例においてはBC光学
面の曲率7.90mm、FC光学面の曲率8.15mm、光
学面の直径8.60mmの成形型を使用した。なお、成形
型の材料としてはポリプロピレンを使用した。重合性モ
ノマーとしては、2,2,2−トリフルオロエチルメタ
クリレート44重量部、トリス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピルメタクリレート40重量部、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート10重量部、エチレングリコ
ールジメタクリレート3重量部、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.2重
量部をよく混合し、この混合物の脱気、窒素置換を行っ
たものを使用した。この混合物を先の成形型に充填し、
これに80W/cm高圧水銀ランプを用いて距離10c
mで100秒間紫外線を照射した。
【0043】こうして得られたコンタクトレンズは、表
面が滑らかでコンタクトレンズ表面および内部には空隙
はなく、外周部にはバリの発生もなかった。また、プリ
ズムは全く観察されなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明によるコンタクトレンズの製造方
法およびそれに用いられる成形型は、雄型と雌型が同一
の型より成っており、一つの型に凸状成形面と凹状成形
面を持ち、この型を合致した際に形成されるレンズ形状
となる空間に重合性モノマーを充填しこれを重合してコ
ンタクトレンズを得るため、偏心のない光学性能に優れ
た高品質なコンタクトレンズを製造することができ、さ
らに角膜に損傷を与えることのない滑らかな表面を有
し、しかもディスポーザブルコンタクトレンズにも適用
可能な低コストコンタクトレンズを製造することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で使用したコンタクトレンズ
製造用成形型の正面図。
【図2】本発明の実施例1で使用したコンタクトレンズ
製造用成形型の断面図。
【図3】本発明の実施例1で使用したコンタクトレンズ
製造用成形型の組立断面図。
【符号の説明】
1 FC光学面 2 BC光学面 3 光学面 4 型の接触面 5 型の側面部接触面 6 レンズ形状なる空間 7 空気を逃がすための空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村山 正人 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−78512(JP,A) 特開 昭63−166506(JP,A) 特開 昭61−290012(JP,A) 特公 昭31−743(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/00 - 39/44 G02C 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雄型と雌型を合致した際にレンズ形状とな
    る空間が形成されるように構成され、その空間に重合性
    モノマーを充填してコンタクトレンズを製造する方法に
    おいて、前記雄型と雌型が同一の型より成っていること
    を特徴とし、一つの型に凸状成形面と凹状成形面を持
    ち、この型を合致した際に形成されるレンズ形状となる
    空間に重合性モノマーを充填してこれを重合し、コンタ
    クトレンズを得ることを特徴とするコンタクトレンズの
    製造方法。
  2. 【請求項2】雄型と雌型を合致した際にレンズ形状とな
    る空間が形成されるように構成され、その空間に重合性
    モノマーを充填してコンタクトレンズを製造する方法に
    使用する型であって、雄型と雌型が同一の型より成り、
    一つの型に凸状成形面と凹状成形面を持つことを特徴と
    するコンタクトレンズの製造に用いられる成形型。
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