JP3286958B2 - 非破壊検査装置ならびに位相関係および振幅情報演算装置 - Google Patents

非破壊検査装置ならびに位相関係および振幅情報演算装置

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JP3286958B2
JP3286958B2 JP27531292A JP27531292A JP3286958B2 JP 3286958 B2 JP3286958 B2 JP 3286958B2 JP 27531292 A JP27531292 A JP 27531292A JP 27531292 A JP27531292 A JP 27531292A JP 3286958 B2 JP3286958 B2 JP 3286958B2
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洋介 松本
伸治 斎藤
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株式会社テクノ電子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、管、線、棒、板等の
被検査体の欠陥を検出するための非破壊検査装置ならび
に位相関係および振幅情報演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】管、線、棒、板等の被検査体の欠陥を検
出するための非破壊検査装置として、交流を流したコイ
ルを被検査体に近接させ、コイルの電圧又は電流変化を
検出して被検査体の欠陥を検出する非破壊検査装置がす
でに知られている。交流を流したコイルを被検査体に近
接させると、被検査体にうず電流が発生し、コイルのイ
ンピーダンスが変化する。被検査体に傷があると、うず
電流が傷の部分を遠回りするのでうず電流に変化が起こ
り、これによりコイルのインピーダンスが変化する。こ
の変化を検出することにより、被検査体の傷が検出され
る。
【0003】この種の非破壊検査装置の一例が図2に示
されている(「非破壊検査シリーズ渦流探傷試験B」
昭和59年10月15日 社団法人日本非破壊検査協会
発行 参照)。発振回路1により、所要周波数の交流信
号が発生される。この交流信号は、2つの検出コイル2
が組み込まれたブリッジ回路3に送られる。ブリッジ回
路3からは2つの検出コイル2の発生電圧の差分に応じ
た信号(被検査体状態信号)が出力される。ブリッジ回
路3の出力は、増幅回路4で増幅された後、第1および
第2同期検波回路6、7に送られる。
【0004】第1同期検波回路6には、さらに移相器5
からの第1基準信号Vxが送られる。移相器5としては
SIN ・COS ポテンショメータが用いられており、発振回
路1の出力の位相が任意の角度回転された信号であって
かつ互いに90°の位相差をもつ制御信号Vx、Vyが
出力される。同期検波回路6は、増幅回路4の出力に含
まれる不要信号成分と被検査体状態信号のうち、不要信
号成分の影響を減少させるため、ならびに位相情報のx
成分を得るために、増幅回路4の出力を第1基準信号V
xで検波する。
【0005】第2同期検波回路7には、第1基準信号V
xと位相が90°異なる第2制御信号Vyが移相器5か
ら送られる。同期検波回路7は、被検査体状態信号のう
ち、位相情報のy成分を得るために、増幅回路4の出力
を第2基準信号Vyで検波する。各同期検波回路6、7
は、たとえばアナログ乗算器およびローパスフィルタか
ら、またはスイッチング回路およびローパスフィルタか
ら構成される。各同期検波回路6、7の出力は、ブラウ
ン管等の表示器8に送られ、被検査体状態信号が振幅位
相平面上に2次元的に表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の非破壊検査
装置では、ブリッジ回路3からの信号を連続的に処理し
ており、またアナログ信号処理を行っているため、次の
ような欠点がある。
【0007】(1) 同期検波回路6、7を、アナログ
乗算器およびローパスフィルタで構成した場合には、ア
ナログ乗算器は能動素子の非直線性を利用せざるをえな
いため、2つの入力信号のスペクトラムを四則演算した
高調波を必然的に発生し、計測誤差が生じる。
【0008】(2) 同期検波回路6、7を、スイッチ
ング回路およびローパスフィルタで構成した場合には、
スイッチングノイズが発生し、計測誤差が生じる。
【0009】(3) 表皮効果がコイルに印加される信
号の周波数によって異なるため、ブリッジ回路3に複数
の周波数信号が重畳された多重周波数信号を入力する装
置も開発されているが、その場合には、多重する周波数
の数に応じて同期検波回路6、7を増加させなければな
らず、コストが高くなるととともに消費電力が多くな
る。
【0010】(4) 同期検波回路6、7では、カット
オフ周波数の低い(例えば、1KHz以下)のローパス
フィルタによって、センサー駆動信号(発振回路1の出
力)および乗算器またはスイッチング回路により発生す
るノイズ成分を除去している。しかしながら、このよう
なフィルタを実現するためには、物理的に大きなインダ
クタが必要となり、装置が大型化する。特に、多重周波
数信号を用いる場合には、多数のフィルタが必要とな
り、物理的に、またインダクタの相互作用により、実装
が困難になる。そこで、通常は、ローパスフィルタとし
てアクティブフィルタが使用されているが、アクティブ
フィルタを用いた場合には、使用するアンプの速度以上
の周波数が素通りしてしまい、ノイズを十分に減衰させ
ることが困難である。
【0011】(5) 被検査体状態信号は、傷の種類
(DENT、OUTER DEFECT、INNER
DEFECT、貫通孔等)によって位相が異なるが、従
来からの慣習としてDENTに対応する被検査体状態信
号が水平となるように被検査体状態信号を2次元的に表
示している。アナログ処理のみによって、この位相回転
を行うには、センサー信号(増幅回路4の出力)と乗算
を行う制御信号Vx、Vyを90°の位相差に保持した
ままセンサー信号との位相を連続的に変化させる必要が
あり、そのためにSIN ・COS ポテンショメータという特
殊な可変抵抗器を使用している。しかし、この可変抵抗
器は、どの位置でも常に正確に90°の位相差を保持し
ているとは限らず、表示器8に表示される図形を回転さ
せると図形自体が変化することがある。また、この可変
抵抗器は高価であり、特殊な技術で作られているため、
入手しにくいとともに個々の特性のばらつきが大きいと
いう問題がある。
【0012】この発明は、高精度化、高速化、小型化お
よび低廉化が図れる非破壊検査装置を提供することを目
的とする。
【0013】また、この発明は、リアクタンスを含む回
路の入力信号と出力信号との位相関係および上記出力信
号の振幅に関する情報を非常に簡単に求めることができ
る位相関係および振幅情報演算装置を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明による第1の非
破壊検査装置は、被検査体に渦電流を発生させることに
より被検査体の状態を検出する検知部、上記検知部に駆
動信号を供給する駆動手段、上記検知部の出力信号の振
幅を求める振幅演算手段、上記検知部の出力を所定期間
ごとに所定の1つのタイミングでディジタル値として取
り出すサンプリング手段、ならびに、上記振幅演算手段
によって求められた振幅データおよび上記サンプリング
手段によってサンプリングされた瞬時値データに基づい
て、上記検知部の出力信号と上記駆動信号との位相関係
に関する情報を算出する位相関係演算手段を備えている
ことを特徴とする。
【0015】上記検知部としては、たとえば、2つのコ
イルと、これらのコイルの出力電圧の差電圧を検出する
回路とを備えているものが用いられる。上記駆動信号と
しては、正弦波交流等の交流信号の他、脈流信号を用い
ることができる。上記駆動手段としては、たとえば、上
記駆動信号の波形データを記憶する記憶手段および記憶
手段に記憶されている波形データをD/A変換する手段
を備えているものが用いられる。上記振幅演算手段とし
ては、たとえば、上記検知部の出力を整流する整流回路
および整流回路の出力を積分する積分回路を備えている
ものが用いられる。上記サンプリング手段としては、上
記検知部の出力をA/D変換し、上記検知部の出力の所
定区間ごとに上記検知部の出力の所定の1つのタイミン
グでのA/D変換データをラッチするサンプリング回路
が用いられる。上記位相関係演算手段としては、ディジ
タルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processer)を
用いることが好ましい。上記振幅演算手段によって求め
られた振幅および上記位相関係演算手段によって算出さ
れた位相関係に関する情報を表示する表示装置を設ける
ことが好ましい。
【0016】この発明による第2の非破壊検査装置は、
被検査体に渦電流を発生させることにより被検査体の状
態を検出する検知部、上記検知部に複数の周波数の信号
が重畳された多重周波数駆動信号を供給する駆動手段、
上記検知部の出力を上記多重周波数駆動信号の各周波数
ごとに分離して抽出する複数のフィルタ、上記各フィル
タごとに設けられかつ対応する上記フィルタの出力信号
の振幅を求める複数の振幅演算手段、上記各フィルタご
とに設けられかつ対応する上記フィルタの出力信号を所
定区間ごとに所定の1つのタイミングでダィジタル値と
して取り出す複数のサンプリング手段、ならびに、上記
各フィルタの出力信号ごとに、上記振幅演算手段によっ
て求められた振幅データおよび上記サンプリング手段に
よってサンプリングされた瞬時値データに基づいて、上
記各フィルタの出力信号と上記多重周波数駆動信号に含
まれている複数の周波数の信号のうち上記フィルタの出
力信号に対応する周波数の信号との位相関係に関する情
報をそれぞれ算出する位相関係演算手段を備えているこ
とを特徴とする。
【0017】上記検知部としては、たとえば、2つのコ
イルと、これらのコイルの出力電圧の差電圧を検出する
回路とを備えているものが用いられる。上記駆動手段と
しては、たとえば、上記多重周波数駆動信号の波形デー
タを記憶する記憶手段および記憶手段に記憶されている
波形データをD/A変換する手段を備えたものが用いら
れる。上記各振幅演算手段としては、たとえば、上記検
知部の出力を整流する整流回路および整流回路の出力を
積分する積分回路を備えたものが用いられる。上記各サ
ンプリング手段としては、たとえば、対応する上記フィ
ルタの出力をA/D変換し、上記フィルタの出力の所定
区間ごとに上記フィルタの出力の所定の1つのタイミン
グでのA/D変換データをラッチするサンプリング回路
が用いられる。上記位相関係演算手段としては、ディジ
タルシグナルプロセッサ(DigitalSignal Processer)を
用いることが好ましい。上記各フィルタの出力信号につ
いて、上記振幅演算手段によって求められた振幅および
上記位相関係演算手段によって算出された位相関係に関
する情報を表示する表示装置を設けることが好ましい。
【0018】この発明による位相関係および振幅情報演
算装置は、リアクタンスを含む回路の入力信号と出力信
号との位相関係および上記出力信号の振幅に関する情報
を求める装置であって、上記出力信号の振幅を求める振
幅演算手段、上記出力信号を所定区間ごとに所定の1点
のタイミングでディジタル値として取り出すサンプリン
グ手段ならびに上記振幅演算手段によって求められた振
幅データおよび上記サンプリング手段によってサンプリ
ングされた瞬時値データに基づいて、上記出力信号と上
記入力信号との位相関係に関する情報を算出する演算手
段を備えていることを特徴とする。
【0019】
【作用】この発明による第1の非破壊検査装置では、検
知部に駆動信号が供給されることにより検知部が駆動さ
れ、検知部から被検査体の状態に応じた信号が出力され
る。検知部の出力の振幅が振幅演算手段によって求めら
れる。また、検知部の出力は、所定の区間ごとに所定の
1つのタイミングでディジタル値として取り出される。
そして、振幅演算手段によって求められた振幅データお
よびサンプリングされた瞬時値データに基づいて、検知
部の出力信号と駆動信号との位相関係に関する情報が算
出される。
【0020】この発明による第2の非破壊検査装置で
は、複数の周波数の交流信号が重畳された多重周波数駆
動信号が検知部に供給されることにより検知部が駆動さ
れ、検知部から被検査体の状態に応じた信号が出力され
る。検知部の出力は、多重周波数駆動信号の各周波数ご
とに設けられたフィルタによって、多重周波数駆動信号
の各周波数ごとに分離されて抽出される。各フィルタの
出力信号の振幅が振幅演算手段によって求められる。ま
た、各フィルタの出力信号は、所定区間ごとに所定の1
つのタイミングでディジタル値として取り出される。そ
して、各フィルタの出力信号ごとに、振幅演算手段によ
って求められた振幅データおよびサンプリング手段によ
ってサンプリングされた瞬時値データに基づいて、各フ
ィルタの出力信号と多重周波数駆動信号に含まれている
複数の周波数の信号のうちフィルタの出力信号に対応す
る周波数の信号との位相関係に関する情報がそれぞれ算
出される。
【0021】この発明による位相関係および振幅情報演
算装置では、リアクタンスを含む回路の入力信号と出力
信号との位相差および上記出力信号の振幅に関する情報
が次のようにして求められる。すなわち、リアクタンス
を含む回路の出力信号の振幅が求められる。また、出力
信号が所定区間ごとに所定の1点のタイミングでディジ
タル値として取り出される。そして、求められた振幅デ
ータおよびサンプリングされた瞬時値データに基づい
て、リアクタンスを含む回路の出力信号と入力信号との
位相関係に関する情報が算出される。
【0022】
【実施例】以下、図1を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0023】図1は、非破壊検査装置の構成を示してい
る。
【0024】非破壊検査装置は、DSP(Digital Signa
l Processer)20によって制御される。DSP20は、
パーソナルコンピュータ等のホスト制御装置10に接続
されている。ホスト制御装置10は必要なデータ並びに
システム制御プログラムを記憶するRAM11、被検査
体状態信号を2次元的に表示する表示装置12、必要な
データを入力するための入力装置(図示略)等を備えて
いる。DSP20は、そのプログラムを記憶するプログ
ラムRAM21、コイル駆動信号の波形データ、サンプ
ルタイミングデータ等を記憶するためのRAM22およ
びRAM22からのデータの読出を制御するためのカウ
ンタ23を備えている。カウンタ23にはクロック信号
CKが入力しており、クロック信号CKが入力するごと
にカウンタ23からデータ読出アドレス指定信号Sad
rが出力される。
【0025】DSP20には、信号処理ユニット30が
接続されている。信号処理ユニット30には、プローブ
50(PROBE)が接続されている。この例では、プ
ローブ50は、試験コイルと比較コイルとを有する自己
誘導自己比較型コイルを備えたものが使用されている。
信号処理ユニット30は、RAM22に記憶されたコイ
ル駆動信号の波形データ(通常は多重周波数信号波形デ
ータ)をD/A変換するD/A変換回路31、D/A変
換回路31の出力から折返し歪を除去するローパスフィ
ルタ32、ローパスフィルタ32を通過した信号を増幅
してプローブ50の駆動信号として出力する増幅回路3
3、プローブ50の2つのコイルの出力の差信号を被検
査体状態信号として抽出するための差動増幅回路34、
差動増幅回路34の出力が入力され多重周波数信号の周
波数ごとに被検査体状態信号を抽出する複数のバンドパ
スフィルタ35、各バンドパスフィルタ35の出力をA
/D変換する複数のA/D変換回路36および各バンド
パスフィルタ35の出力信号の振幅を求める振幅演算回
路37を備えている。
【0026】この例では、プローブ50の駆動信号とし
てn個の周波数f1 、f2 …fn の信号が重畳された多
重信号が用いられる。各振幅演算回路37は、バンドパ
スフィルタ35の出力を整流する整流回路41、整流回
路41の出力を積分する積分回路42および積分回路4
2の出力をサンプリングするA/D変換回路43から構
成されている。
【0027】次に、上記回路による傷の検出原理につい
て説明する。傷の検出に必要な情報は、プローブ50に
供給される多重周波数信号の各周波数信号について、被
検査体状態信号の振幅と、被検査体状態信号のプローブ
駆動信号に対する位相差である。これらの情報のうち、
被検査体状態信号の振幅は、上記振幅演算回路37によ
って求められる。被検査体状態信号のプローブ駆動信号
に対する位相差は、上記振幅演算回路37によって求め
られた振幅と、被検査体状態信号の所要期間ごとに、所
定の1点のタイミングでの瞬時値のサンプリングデータ
とに基づいて求められる。いま、いま、あるフイルタ3
5から抽出された信号の周波数をf、サンプリングデー
タをd1(t)とすると、d1(t)は、次の数式1で
表される。
【0028】
【数1】 d1(t)=A(t)sin(2πft+ψ(t))
【0029】上記数式1におけるψ(t)は、プローブ
50の駆動信号に対して被検査体状態信号の位相が変化
した位相角である。サンプリングデータd1(t)と振
幅演算回路37によって求められた振幅A(t)とに基
づいて、上記数式1から被検査体状態信号のプローブ5
0の駆動信号に対する位相差ψ(t)が求められる。そ
して、このようにして求められた振幅データと、位相差
データに基づいて、被検査体状態信号の振幅位相平面で
のX座標成分(A(t)cosψ(t))およびY座標
成分(A(t)sinψ(t))が算出される。
【0030】次に、図1の回路の動作について説明す
る。まず、ホスト制御装置10の入力装置から、DSP
20のプログラムを入力する。この際、プローブ50の
駆動信号として用いるべき信号の周波数データ、各周波
数ごとのサンプルタイミングに関するデータ等が入力さ
れる。これらのデータは、プログラムRAM21に送ら
れて記憶される。
【0031】そして、測定開始信号が入力されると、D
SP20による処理が開始される。この処理において
は、まず、プローブ50の駆動信号として用いるべき信
号の波形データDaが周波数データにより演算されてR
AM22に書き込まれる。また、各周波数ごとのサンプ
ルタイミングに関するデータDsが波形データと関連し
てRAM22に書き込まれる。
【0032】RAM22への波形データDaおよびサン
プルタイミングデータDsの書込みの具体例について説
明する。ここでは、説明の便宜上、プローブ50の駆動
信号として用いるべき信号が、単一周波数の正弦波交流
信号(Asinθ)であり、交流駆動信号のサンプルタ
イミングに対応する角度θが、(90°+n×360
°)(但し、nは整数)であるとする。駆動信号の交流
波形の瞬時値のデータDa(θ)が、所定角度、たとえ
ば1°ごとにRAM22内の記憶エリアのアドレスの低
いものから順に記憶される。また、サンプリングタイミ
ングに対応する瞬時値データDa(90°+n×360
°)がそれぞれ記憶されているRAM22のエリアにサ
ンプリングタイミングであることを示すデータDsが記
憶される。
【0033】このように、瞬時値のデータDa(θ)と
サンプリングタイミングであることを示すデータDsと
をRAM22内の同一アドレスに書き込むには、たとえ
ば、RAM22の1つのアドレスエリアに記憶されうる
1語のビット数うちの上位数ビットをサンプリングタイ
ミングであることを示すデータDsに割当て、それより
も下位の数ビットを瞬時値のデータDa(θ)に割り当
てることが考えられる。
【0034】プローブ50の駆動信号として用いるべき
信号が、複数の周波数の交流信号が重畳された多重信号
である場合には、多重信号の波形の瞬時値データがRA
M22に記憶されるとともに、多重信号に含まれる複数
の周波数ごとの交流信号についてのサンプルタイミング
に関するデータが多重信号の波形の瞬時値データに関連
して記憶される。
【0035】RAM22に書き込まれたプローブ50の
駆動信号波形データDa(θ)およびサンプリングタイ
ミングであることを示すデータDsは、カウンタ23か
ら出力される読出アドレス指定信号SadrがRAM2
2に入力されるごとにRAM22の記憶エリアのアドレ
スの低いものから順に読み出される。読み出された駆動
信号波形データDa(θ)は、D/A変換回路31に送
られてD/A変換される。読み出されたサンプリングタ
イミングであることを示すデータDsは、各A/D変換
回路36にデータラッチタイミング信号として送られ
る。
【0036】D/A変換回路31の出力はローパスフィ
ルタ32に送られ、折返し歪が除去される。ローパスフ
ィルタ32の出力は、増幅回路33によって増幅された
後、試験コイルと比較コイルとの2つのコイルを有する
プローブ50に送られる。
【0037】プローブ50からの信号は、差動増幅回路
34に送られ、2つのコイルの出力の差信号が被検査体
状態信号として抽出される。差動増幅回路34の出力
は、多重周波数信号の各周波数ごとに設けられたバンド
パスフィルタ35にそれぞれ送られ、多重周波数信号の
周波数ごとに被検査体状態信号が分離される。各バンド
パスフィルタ35から出力される周波数ごとの被検査体
状態信号は、各バンドパスフィルタ35ごとに設けられ
たA/D変換回路36および振幅演算回路37に送られ
る。
【0038】各振幅演算回路37では、入力信号が整流
回路41で整流され、積分回路42で整流回路41の出
力が積分された後、A/D変換回路43で積分回路42
の出力がA/D変換される。A/D変換回路43の出力
である振幅データは、DSP20に送られる。各A/D
変換回路36は、入力信号をA/D変換し、RAM22
からデータラッチタイミング信号が送られてくるごとに
A/D変換データをA/D変換回路36内のラッチ回路
にラッチさせる。これにより、RAM22に書き込まれ
たサンプルタイミングデータに応じたタイミングでのA
/D変換データがA/D変換回路36内のラッチ回路に
ラッチされる。
【0039】DSP20は、各バンドパスフィルタ35
の出力(周波数別の被検査体状態信号)ごとに、振幅演
算回路37からの振幅データおよびA/D変換回路36
からの瞬時値データに基づいて、上記数式1を用いて、
バンドパスフィルタ35の出力とプローブ駆動信号に対
する位相差を算出する。そして、振幅データおよび算出
された位相差データに基づいて、被検査体状態信号の振
幅位相平面でのX座標成分およびY座標成分を演算し、
その演算結果データをホスト制御装置10に送る。ホス
ト制御装置10は、送られてきた被検査体状態信号の振
幅位相平面でのX座標成分およびY座標成分のデータを
RAM11に記憶させるとともにこれらのデータに基づ
いて表示装置12に被検査体状態信号を2次元表示させ
る。
【0040】上記実施例によれば、従来のような同期検
波回路および移相器が不要となる。このため、従来の同
期検波回路で用いられていた乗算器またはスイッチング
回路において発生していたノイズが発生しなくなる。ま
た、DENTに対応する被検査体状態信号が水平となる
ように被検査体状態信号を表示するための位相回転もデ
ィジタル的に演算処理によって行えるので、従来の移相
器として用いられていたSIN ・COS ポテンショメータと
いう特殊な可変抵抗器を用いずに済み、コストの低廉化
が図れる。
【0041】また、従来の同期検波回路で用いられてい
たカットオフ周波数の低い(1KHz以下)ローパスフ
ィルタが不要となるので、装置が大型化したり、ノイズ
を十分に減衰できないといった問題も生じない。
【0042】上記実施例では、プローブ50の交流駆動
信号として複数の周波数の交流信号が重畳された多重周
波数信号が用いられているが、単一の周波数の交流信号
を用いてもよい。この場合には、A/D変換回路36お
よび振幅演算回路37を一組設ければよい。また、この
場合には、バンドパスフィルタ35は1つ設けてもよい
し、設けなくてもよい。さらに、複数の周波数の交流信
号を時分割してプローブ50に供給してもよい。この場
合には、バンドパスフィルタ35は不要であり、A/D
変換回路36および振幅演算回路37も一組設ければよ
い。
【0043】上記実施例では、プローブ50の交流駆動
信号は、RAM22に書き込まれた交流駆動信号波形デ
ータをD/A変換することにより発生させているが、発
振器によってプローブ50の交流駆動信号を発生させる
ようにしてもよい。
【0044】また、上記実施例では、差動増幅回路34
によって2つのコイルの発生電圧の差信号を得ている
が、2つのコイルの発生電圧をA/D変換した後に、減
算を行って2つのコイルの発生電圧の差信号を得るよう
にしてもよい。
【0045】
【発明の効果】この発明による非破壊検査装置によれ
ば、高精度化、高速化、小型化および低廉化が図れる。
【0046】この発明による位相関係および振幅情報演
算装置によれば、リアクタンスを含む回路の入力信号と
出力信号との位相関係および上記出力信号の振幅に関す
る情報を非常に簡単に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非破壊検査装置の構成示す電気ブロック図であ
る。
【図2】非破壊検査装置の従来を示す電気ブロック図で
ある。
【符号の説明】
10 ホスト制御装置 11 RAM 12 表示装置 20 DSP 21 プログラムRAM 22 RAM 30 信号処理ユニット 31 D/A変換回路 36 A/D変換回路 37 振幅演算回路 50 プローブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立花 直治 兵庫県神戸市北区北五葉5丁目14番7号 (56)参考文献 特開 昭59−90044(JP,A) 特開 昭57−198880(JP,A) 特開 平1−223340(JP,A) 特開 平1−262494(JP,A) 実開 平4−38561(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体に渦電流を発生させることによ
    り被検査体の状態を検出する検知部、 上記検知部に駆動信号を供給する駆動手段、 上記検知部の出力信号の振幅を求める振幅演算手段、 上記検知部の出力を所定期間ごとに所定の1つのタイミ
    ングでディジタル値として取り出すサンプリング手段、
    ならびに、 上記振幅演算手段によって求められた振幅データおよび
    上記サンプリング手段によってサンプリングされた瞬時
    値データに基づいて、上記検知部の出力信号と上記駆動
    信号との位相関係に関する情報を算出する位相関係演算
    手段、 を備えている非破壊検査装置。
  2. 【請求項2】 上記検知部が2つのコイルと、これらの
    コイルの出力電圧の差電圧を検出する回路とを備えてい
    ることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査装置。
  3. 【請求項3】 上記駆動手段が上記駆動信号の波形デー
    タを記憶する記憶手段および上記記憶手段に記憶されて
    いる上記波形データを駆動信号に変換する手段を備えて
    いることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査装置。
  4. 【請求項4】 上記振幅演算手段は、上記検知部の出力
    を整流する整流回路および整流回路の出力を積分する積
    分回路を備えていることを特徴とする請求項1記載の非
    破壊検査装置。
  5. 【請求項5】 上記サンプリング手段は、上記検知部の
    出力をA/D変換し、上記検知部の出力の所定区間ごと
    に上記検知部の出力の所定の1つのタイミングでのA/
    D変換データをラッチするサンプリング回路であること
    を特徴とする請求項1記載の非破壊検査装置。
  6. 【請求項6】 上記位相関係演算手段が、ディジタルシ
    グナルプロセッサであることを特徴とする請求項1記載
    の非破壊検査装置。
  7. 【請求項7】 上記振幅演算手段によって求められた情
    報を表示する表示装置を備えている請求項1記載の非破
    壊検査装置。
  8. 【請求項8】 被検査体に渦電流を発生させることによ
    り被検査体の状態を検出する検知部、 上記検知部に複数の周波数の交流信号が重畳された多重
    周波数駆動信号を供給する駆動手段、 上記検知部の出力を上記多重周波数駆動信号の各周波数
    ごとに分離して抽出する複数のフィルタ、 上記各フィルタごとに設けられかつ対応する上記フィル
    タの出力信号の振幅を求める複数の振幅演算手段、 上記各フィルタごとに設けられかつ対応する上記フィル
    タの出力信号を所定区間ごとに所定の1つのタイミング
    でディジタル値として取り出す複数のサンプリング手
    段、ならびに、 上記各フィルタの出力信号ごとに、上記振幅演算手段に
    よって求められた振幅データおよび上記サンプリング手
    段によってサンプリングされた瞬時値データに基づい
    て、上記各フィルタの出力信号と上記多重周波数駆動信
    号に含まれている複数の周波数の信号のうち上記フィル
    タの出力信号に対応する周波数の信号との位相関係に関
    する情報をそれぞれ算出する位相関係演算手段、 を備えている非破壊検査装置。
  9. 【請求項9】 上記検知部が2つのコイルと、これらの
    コイルの出力電圧の差電圧を検出する回路とを備えてい
    ることを特徴とする請求項8記載の非破壊検査装置。
  10. 【請求項10】 上記駆動手段が上記多重周波数駆動信
    号の波形データを記憶する記憶手段および上記記憶手段
    に記憶されている上記波形データを駆動信号に変換する
    手段を備えていることを特徴とする請求項8記載の非破
    壊検査装置。
  11. 【請求項11】 上記各振幅演算手段は、上記検知部の
    出力を整流する整流回路および上記整流回路の出力を積
    分する積分回路を備えていることを特徴とする請求項8
    記載の非破壊検査装置。
  12. 【請求項12】 上記各サンプリング手段は、対応する
    上記フィルタの出力をA/D変換し、上記フィルタの出
    力の所定区間ごとに上記フィルタの出力の所定の1つの
    タイミングでのA/D変換データをラッチするA/D変
    換回路であることを特徴とする請求項8記載の非破壊検
    査装置。
  13. 【請求項13】 上記位相関係演算手段が、ディジタル
    シグナルプロセッサであることを特徴とする請求項8記
    載の非破壊検査装置。
  14. 【請求項14】 上記各フィルタの出力信号について、
    上記振幅演算手段によって求められた振幅および上記位
    相関係演算手段によって算出された位相関係に関する情
    報を表示する表示装置を備えている請求項8記載の非破
    壊検査装置。
  15. 【請求項15】 リアクタンスを含む回路の入力信号と
    出力信号との位相差および上記出力信号の振幅に関する
    情報を求める装置であって、上記出力信号の振幅を求め
    る振幅演算手段、上記出力信号を所定区間ごとに所定の
    1点のタイミングでディジタル値として取り出すサンプ
    リング手段ならびに上記振幅演算手段によって求められ
    た振幅データおよび上記サンプリング手段によってサン
    プリングされた瞬時値データに基づいて、上記出力信号
    と上記入力信号との位相関係に関する情報を算出する演
    算手段を備えている位相関係および振幅情報演算装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1767932A1 (de) * 2005-09-23 2007-03-28 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung und Verfahren zur zerstörungsfreien Prüfung von Bauteilen

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