JP3285697B2 - 脱水シャフトの製法 - Google Patents
脱水シャフトの製法Info
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Description
回転駆動機構に用いられる脱水シャフトを製造する方法
に関するものである。
的に行う一槽式電気洗濯機では、回転駆動機構として、
例えば図8に示すような構造のものが一般的に用いられ
ている。すなわち、脱水槽10とパルセータ11を回転
させるメインシャフト12の下端部にワンウェイバネク
ラッチ14が取り付けられており、プーリ20を介して
このワンウェイバネクラッチ14が締まる方向に回転駆
動が与えられると、メインシャフト12に外嵌された外
筒13が、メインシャフト12と一体的に高速回転する
ようになっている。この高速回転は、太陽歯車5,遊星
歯車群17およびこれとかみ合う外輪歯車22を内蔵し
たギヤケース15に伝達され、ギヤケース15から上方
に延びる脱水シャフト16を介して脱水槽10に伝達さ
れる。これにより、脱水動作が行われる。なお、18は
上記遊星歯車群17の各回転軸を上下から一体的に保持
する保持ガイドである。そして、上記外筒13は、第1
のベアリング26を介して、洗濯機本体に固定された下
軸受カバー25に回転自在に支受されている。また、上
記脱水シャフト16は、第2のベアリング21を介し
て、同じく洗濯機本体に固定された上軸受カバー27に
回転自在に支受されている。一方、プーリ20を介して
上記ワンウェイバネクラッチ14が緩む方向に回転駆動
が与えられると、外筒13は回転せず、メインシャフト
12のみが回転する。この回転は、ギヤケース15内の
太陽歯車5および遊星歯車群17に伝達され、減速され
た回転がパルセータシャフト19に伝達される。これに
より、パルセータシャフト19上端に取り付けられたパ
ルセータ11が低速回転し、洗濯・すすぎ動作が行われ
る。なお、2は外筒13がメインシャフト12と共回り
することを防止するためのワンウェイベアリング、3は
その軸受である。
ト16は、通常、つぎのようにして製造されている。す
なわち、まず図9(a)に示すように、ステンレス製丸
棒を所定長さに切断したのち、冷間鍛造プレスにかけ
て、同図(b)に示すように、上端面中央から下向きに
浅穴30を形成するとともに、上端から少し下がった位
置に、大径のつば部31を形成する。また、軸方向の略
中央部から下の部分の外周面を縮径し小径部32を形成
する。さらに、下端面中央にセンター穴33を形成す
る。つぎに、同図(c)に示すように、上記センター穴
33の位置にドリルで穴加工を行い、貫通穴34を形成
する。つぎに、図10(a)に示すように、上記つば部
31に、脱水槽10(図8参照)を取り付けるためのね
じ穴35を形成するとともに、貫通穴34の内壁上部お
よび下部を切削して、パルセータシャフト19(図8参
照)取り付け用の軸受を嵌入するための段差部を形成す
る。そして、図10(b)に示すように、周面を研磨仕
上げすることにより、目的とする脱水シャフト16を得
ることができる。
製法では、切削代が多いため材料コストおよび加工コス
トが高いという問題がある。また、ドリルによって穴あ
け加工する距離(図9《c》においてLで示す)が長い
ため、他の切削代が多いことと相俟って、加工時間が長
くかかるという問題もある。そこで、脱水シャフトを製
造するに際し、これらの工程の簡略化および低コスト化
の実現が強く望まれている。
たもので、材料コストおよび加工コストを低く抑え、加
工工程も大幅に簡略化することのできる、優れた脱水シ
ャフトの製法の提供をその目的とする。
め、この発明の脱水シャフトの製法は、略円筒状本体の
上端側に大径のつば部が形成され、この本体略中央部か
ら下の部分の外周面が縮径されて本体の略下半分が小径
部に形成されてなる脱水シャフトの製法であって、所定
長の金属製棒状体を、金型内で圧縮し塑性変形させるこ
とにより、棒状体上端面中央から下向きに浅穴を形成す
るとともに下端面中央から上向きに深穴を形成して予備
成形体を得る工程と、下面中央に、上記予備成形体の上
端部と嵌合しうる凹部が形成されたオス上型と、上面中
央に、略半分の深さまでが上記予備成形体の外径と同一
径でその下の略半分の深さ部分が縮径されて小径部に形
成された穴部を有し、この穴部内に、上記予備成形体の
深穴内径と同一径の軸部が上記穴部に同軸的に挿通され
ているメス下型とを組み合わせてなる金型を準備し、上
記メス下型の穴部と軸部とで形成される環状隙間に上記
予備成形体の下部を嵌入しその略上半分が上方に突出し
た状態で装着し、上方から上記オス上型を下降させ、上
記オス上型の凹部を上記予備成形体の上端部に嵌合させ
た状態で上記予備成形体の下部をメス下型穴部の小径部
に圧入して小径に絞るとともに、上記オス上型下面と上
記メス下型上面との間に形成される隙間において予備成
形体の一部を径方向に塑性変形させてつば部を形成する
工程と、脱型された上記つば付成形品の浅穴と深穴との
間を貫通させる穴あけ工程とを備えたという構成をと
る。
るに際し、金属製棒状体を、金型内で圧縮し塑性変形さ
せることにより、上端面から下向きの浅穴と下端面から
上向きの深穴とが形成された予備成形体を得たのち、さ
らに特殊な金型で圧縮し塑性変形させることにより、つ
ば部をつくるとともに外周面の略下半分を小径に絞っ
て、略完成形状に近い成形品を得る。そして、このつば
付成形品の浅穴と深穴との間を貫通させて、目的とする
脱水シャフト形状を得るようにしたものである。この製
法によれば、全体の成形が塑性変形によって精度よく行
われるため、最終的に切削加工する切削代が最小限です
み、材料コストおよび加工コストを大幅に低減すること
ができる。しかも、塑性変形によって棒状体の上下に浅
穴と深穴が形成されるため、最後にこの浅穴と深穴との
間の短い距離を貫通させて穴あけを行えばよく、従来穴
あけ加工に要していた時間を大幅に短縮することができ
る。そして、全体として、工程を非常に簡略化すること
ができるという利点を有する。
細に説明する。
は、図10(b)に示すような形状とする。すなわち、
略円筒状本体40の上端からの距離Sが5mmの位置に
大径のつば部31(直径D=48mm、厚みT=5m
m)が形成されており、この本体40の下の部分(下端
からの長さU=39mm)の外周面が縮径されて小径部
32に形成されている。なお、上記本体40の上端部の
外径Nは24mm、つば部31より下の部分の外径Pは
27mm、小径部32の外径Qは25mmである。ま
た、全長Rは72mm、貫通穴34の穴径Mは16mm
である。
めに、まず図1に示すように、直径26.8mmのステ
ンレス線材42をコイル状に巻いたものを準備した。な
お、図において43は巻き芯である。このコイル状ステ
ンレス線材42を解舒しながら公知の連続多段圧造機に
供給した。上記連続多段圧造機は、供給された線材42
を、まず所定長に切断し、ついで切断された線材42
を、つぎつぎと異なる金型ツールに装着し段階的に複数
の圧縮成形を行って塑性変形を与えることを連続的に繰
り返すことにより、連続的に成形品を得ることができる
ようになっているものである。
まず図2(a)に示すように、長さ68mmに切断し
た。そして、この切断品42aを、第1の圧縮工程にか
けることにより、同図(b)に示すように、片端面を、
面取りがなされたきれいな形状に塑性変形させた。つぎ
に、上記切断品42aの反対側を、第2の圧縮工程にか
けることにより、同図(c)に示すように、面取りがな
されたきれいな形状に塑性変形させた。そして、上記切
断品42aを、第3の圧縮工程にかけることにより、図
3(a)に示すように、切断品42aの両端面中央にそ
れぞれ浅穴43,43′を形成するとともに、一端縁部
をわずかに小径に絞った。さらに、上記切断品42a
を、第4の圧縮工程にかけることにより、同図(b)に
示すように、切断品42aの一方側の浅穴43′をある
程度深くした。そして、第5の圧縮工程にかけることに
より、同図(c)に示すように、上記ある程度深くした
穴をより深くして、深穴44を形成した。この一連の工
程を繰り返すことにより、上記連続多段圧造機から連続
して、上記特殊な形状の予備成形体を得ることができ
た。
すような金型51に装着し、金型51内でプレスし塑性
変形を与えた。すなわち、上記金型51のオス上型52
は、外筒53と内筒54と軸体55を組み合わせて構成
されており、その下面52aの中央に、上記予備成形体
50の上端部と嵌合しうる凹部56が形成されている。
一方、上記金型51のメス下型60は、上面60aの中
央に、略半分の深さまでが上記予備成形体50の外径と
同一径でその下の略半分の深さ部分が縮径されて小径部
61aに形成された穴部61を有し、この穴部61内
に、上記予備成形体50の深穴内径と同一径の軸部62
が同軸的に挿通されている。なお、上記「同一径」と
は、文字通りの「同一径」に限らず、互いに嵌め合うこ
とのできる程度に公差が設けられた寸法の径をも含むも
のであり、以下の「同一径」も同様の趣旨で用いてい
る。また、上記穴部61の下端には、下側から押し上げ
筒63の上端が入り込んでいる。上記押し上げ筒63
は、メス下型60の下側に設けられた基台65内で昇降
動作を行う昇降ピン66の動作に伴い上記軸部62に沿
って昇降するようになっている。そして、上記基台65
において上記昇降ピン66が昇降する部分は、低摩擦部
材67が嵌入されている。
下型60の穴部61と軸部62とで形成される環状隙間
に上記予備成形体50の下部を嵌入し、その略上半分が
上方に突出するよう装着したのち、図5に示すように、
上方からオス上型52を下降させることにより、上記オ
ス上型52の凹部56を上記予備成形体50の上端部に
嵌合させた状態で予備成形体50をメス下型60の穴6
1内に深く押し込んで、予備成形体50の略下半分を、
縮径された小径部61a内に圧入して小径に絞るととも
に、上記オス上型52の下面52aとメス下型60の上
面60aとの間に形成される隙間において、上記予備成
形体50の浅穴43の底面と深穴44の底面を、軸体5
5と軸部62とで押圧しながらこの部分を径方向に塑性
変形させる。そして、さらにオス上型52を下降させ
て、上記隙間の間隔を狭めることにより、図6に示すよ
うに、所定厚みのつば部31を一体的に成形した。そこ
で、図7に示すように、オス上型52を上昇させるとと
もに、メス下型60の下方から昇降ピン66を介して押
し上げ筒63を上昇させることにより、得られたつば付
き予備成形体50を脱型した。
予備成形体50の、浅穴43と深穴44の間のむく部分
(図7においてWで示す)を、ドリル加工によって貫通
したのち、図10(a)および同図(b)に示すよう
に、切削加工および研磨仕上げ加工を行って、目的とす
る脱水シャフト16を得ることができた。
する段階で、その上下に浅穴43と深穴44を形成し、
つぎに、この浅穴43と深穴44にオス上型52の一部
およびメス下型60の一部を嵌合した状態で圧縮してオ
ス上型52の下面52aとメス下型60の上面60aと
の間でつば部31を形成するとともに、予備成形体50
の略下半分を小径に絞って小径部32を形成するように
している。したがって、最終形状に近い形状が、上記塑
性変形によって精度よく行われるため、最終的に切削加
工する切削代が最小限ですみ、材料コストおよび加工コ
ストを大幅に低減することができる。そして、予め浅穴
43と深穴44が形成されているため、最後にこの浅穴
43と深穴44との間の短い距離を貫通させて穴あけを
行うだけで、貫通穴34が得られるため、従来穴あけ加
工に要していた時間を大幅に短縮することができる。そ
して、全体として、工程を非常に簡略化することができ
るという利点を有する。特に、予備成形体50を得る段
階で連続多段圧造機を用いているため、予備成形体50
を1個成形するのに数秒しかかからず、加工時間を大幅
に短縮することができる。
得るために、ステンレス線材42を用いたが、このよう
なステンレス線材42としては、剛性,靱性等の観点か
ら、SUS403やSUS410が好適である。さら
に、ステンレス鋼に限らず、高強度の各種金属,合金等
を用いることもできる。
2をコイル状に巻いたものを用い、これを連続多段圧造
機にかけて連続的に予備成形体50を得るようにしてい
るが、必ずしも連続多段圧造機を利用する必要はなく、
ステンレス線材42、あるいはステンレス棒材を予め所
定寸法に切断しておき、これを順次、金型形状の異なる
圧造機にかけて、予備成形体50を得るようにしてもよ
い。この方法によれば、上記連続多段圧造機を用いる場
合に比べると、工程が多くなりコスト的にも多少高くな
るが、従来法に比べると、工程的にもコスト的にも有利
である。
した切断品42aの変形を、図2(b),(c)および
図3(a)〜(c)の5工程により行っているが、必ず
しもこの5工程に限る必要はない。例えば片方の面取り
と浅穴43の形成および端部の絞りを同時に行い、他方
の面取りと浅穴43′の形成と同時に行うようにしても
よい。また、この段階で必ずしも面取りを行う必要はな
く、連続多段圧造機から取り出したのち、その両端部を
面取りするようにしても差し支えはない。もちろん、最
終的な切削加工時に面取りを行うようにしても差し支え
はない。ただし、上記実施例のように、連続多段圧造機
内において面取り形成を済ませてしまう方が、工程とし
ては簡単である。
の製法は、金属製棒状体を、金型内で圧縮し塑性変形さ
せることにより、上端面から下向きの浅穴と下端面から
上向きの深穴とが形成された予備成形体を得たのち、さ
らに特殊な金型で圧縮し塑性変形させることにより、つ
ば部をつくるとともに外周面の略下半分を小径に絞っ
て、略完成形状に近い成形品を得る。そして、このつば
付成形品の浅穴と深穴との間を貫通させて、目的とする
脱水シャフト形状を得るようにしたものである。この製
法によれば、全体の成形が塑性変形によって精度よく行
われるため、最終的に切削加工する切削代が最小限です
み、材料コストおよび加工コストを大幅に低減すること
ができる。しかも、塑性変形によって棒状体の上下に浅
穴と深穴が形成されるため、最後にこの浅穴と深穴との
間の短い距離を貫通させて穴あけを行えばよく、従来穴
あけ加工に要していた時間を大幅に短縮することができ
る。そして、全体として、工程を非常に簡略化すること
ができるという利点を有する。
説明図である。
の工程説明図である。
の工程説明図である。
ある。
フトの製法の説明図である。
製法の説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 略円筒状本体の上端側に大径のつば部が
形成され、この本体略中央部から下の部分の外周面が縮
径されて本体の略下半分が小径部に形成されてなる脱水
シャフトの製法であって、所定長の金属製棒状体を、金
型内で圧縮し塑性変形させることにより、棒状体上端面
中央から下向きに浅穴を形成するとともに下端面中央か
ら上向きに深穴を形成して予備成形体を得る工程と、下
面中央に、上記予備成形体の上端部と嵌合しうる凹部が
形成されたオス上型と、上面中央に、略半分の深さまで
が上記予備成形体の外径と同一径でその下の略半分の深
さ部分が縮径されて小径部に形成された穴部を有し、こ
の穴部内に、上記予備成形体の深穴内径と同一径の軸部
が上記穴部に同軸的に挿通されているメス下型とを組み
合わせてなる金型を準備し、上記メス下型の穴部と軸部
とで形成される環状隙間に上記予備成形体の下部を嵌入
しその略上半分が上方に突出した状態で装着し、上方か
ら上記オス上型を下降させ、上記オス上型の凹部を上記
予備成形体の上端部に嵌合させた状態で上記予備成形体
の下部をメス下型穴部の小径部に圧入して小径に絞ると
ともに、上記オス上型下面と上記メス下型上面との間に
形成される隙間において予備成形体の一部を径方向に塑
性変形させてつば部を形成する工程と、脱型された上記
つば付成形品の浅穴と深穴との間を貫通させる穴あけ工
程とを備えたことを特徴とする脱水シャフトの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04698094A JP3285697B2 (ja) | 1994-03-17 | 1994-03-17 | 脱水シャフトの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04698094A JP3285697B2 (ja) | 1994-03-17 | 1994-03-17 | 脱水シャフトの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07255983A JPH07255983A (ja) | 1995-10-09 |
JP3285697B2 true JP3285697B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=12762386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04698094A Expired - Lifetime JP3285697B2 (ja) | 1994-03-17 | 1994-03-17 | 脱水シャフトの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3285697B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100370013B1 (ko) * | 2000-05-12 | 2003-01-29 | 엘지전자 주식회사 | 세탁기용 구동축 |
-
1994
- 1994-03-17 JP JP04698094A patent/JP3285697B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07255983A (ja) | 1995-10-09 |
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