JP3285696B2 - 特殊レーヨン糸の製造法 - Google Patents

特殊レーヨン糸の製造法

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JP3285696B2 JP03454194A JP3454194A JP3285696B2 JP 3285696 B2 JP3285696 B2 JP 3285696B2 JP 03454194 A JP03454194 A JP 03454194A JP 3454194 A JP3454194 A JP 3454194A JP 3285696 B2 JP3285696 B2 JP 3285696B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料用織編物に用いら
れる再生セルロース繊維からなる嵩高性混繊糸及びその
製造法に関するものであり、更に詳しくは、従来の遠心
ポット巻取式紡糸法によって得られる糸長差を有する嵩
高性合糸混繊糸に関する。
【0002】
【従来の技術】再生セルロース繊維を使用した繊編物
は、特有のシルキーな光沢性としなやかさを有するが、
膨らみ感に欠け、ペーパーライクなものとなりがちであ
る。このような欠点を解消するために、合成繊維のよう
に異収縮混繊糸や物性の異なる複数の糸条の合糸仮撚な
どにより、収縮差や糸長差を生ぜしめ嵩高性を得ようと
しても、再生セルロース繊維は、ポリエステルなどの合
成繊維に比べ熱挙動や収縮差の発現性に乏しく、後工程
で糸長差を発現させる為には、工程が複雑且つコスト高
となる。
【0003】また、特開平5−247762号にある如
き、数%の収縮率の差を利用する方法が考えられるが、
再生セルロース繊維自身の収縮応力が弱い為に織物組織
にした場合、その拘束力により収縮差が発現し難く、ま
た再生セルロース繊維の湿潤時の伸度が大きいために僅
かの張力で伸びてしまい、せっかく発現させた収縮差に
基づく糸長差が加張力により消失し、安定した嵩高性を
得ることがむづかしい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に収縮差や糸長差の発現させ難い再生セルロース繊維合
糸混繊糸に対し、速度差による安定した糸長差を付与せ
しめ、最終的に膨らみのある布帛を得ようとするもので
あり、従来の遠心ポット式巻取紡糸法によって、数%か
ら数10%の糸長差を紡糸工程中で容易且つ確実に発生
させようとするものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】この本発明のレーヨン糸の
製造法は、従来のポット式レーヨン紡糸方法が、1錘毎
に2段式ゴデットローラーにより10数%の延伸を加え
ながら、1錘毎に巻取るのに対し、例えば、2錘以上を
1組とし、それぞれ任意に延伸した糸条を別々の速度に
よって供給差を生ぜしめ、同一巻取りポット内に合糸巻
取るものである。また、同一のノズルから紡出された糸
条を一旦、複数に分割しそれぞれ任意に延伸した各糸条
を異なる供給速度で再び同一の巻取ポット内に合糸巻き
取る方法も可能である。すなわち、遠心ポット巻取式レ
ーヨン紡糸装置の複数のノズルから紡出した糸条を、そ
れぞれ延伸(または延伸せず)後、ゴデットローラーの
径の差または回転数の差により、巻取りへの供給速度の
差を生ぜしめ、且つまたポット回転による加撚を利用
し、糸長差のある糸条を同一ポット内に合糸巻取るもの
である。
【0006】その方法は、導糸方法やゴデットローラー
の組合せによって、幾通りかの方法が可能であり、複数
のノズルとギアー・ポンプを用いることから、フィラメ
ント数やそれぞれの繊度あるいは延伸率など任意の組合
せが可能である。また、遠心ポット式巻取機を使用する
ため巻取糸条に50〜100T/mの撚が自動的に入
り、速度供給差から発生する一方の糸条のたるみを撚が
吸収し、巻取りがスムースに行われる。
【0007】しかしながら、あまり大きな供給速度差を
付与せしめた場合や遠心ポット巻取り時間の経過による
巻取遠心力の低下から糸条のたるみを撚が吸収し難くな
ることがあり、そのような場合は、巻取り手前に於いて
流体絡合処理や仮撚加撚処理を付与することが好まし
い。この場合、レーヨン製造に独特の硫酸バス雰囲気室
内に於いて、また、硫酸バス液を含んだ糸条に対して絡
合処理や加撚処理を実施することは、材質面や環境、作
業面で非常に問題が多い。これを避ける為には、可及的
短時間で巻取量を少なくし、玉上げ(ドフィング)する
のが望ましい。
【0008】逆に、精練性などの繁雑さを避けるため、
安定な糸条と巻量を得るべく絡合処理を付与するために
は、絡合用ノズルとして、スリット・ノズルでも1.0
〜1.5kg/cm2 以上のエアー圧で処理を行えば5
0〜100T/mの撚が存在しても絡合状況は良好であ
り、ループヤーンも得られる。また、これらの場合、絡
合部をタスラン・ボックスの如くボックス内に納めるこ
とが望ましい。
【0009】次に本発明の紡糸方法の1例を図を用いて
説明する。の糸条は、同心円状に位置するローラー
A、ローラーBからなる2段ローラーにより紡糸延伸を
行い右側隣接錘の奥側ローラーDを介してフアンネル導
糸口へと導く。の糸条は、同心円状に位置するローラ
ーC、ローラーDの2段ローラーにより紡糸延伸を行い
自錘の手前最大ローラーCからフアンネル導糸口へと導
く。この場合ローラーBとローラーAのローラーの径比
が糸条の延伸率となり、DとCの径比が糸条の延伸
率となる。また、DとCの径比が糸長差たるみを発生さ
せる供給速度差となる。勿論ローラーDからの糸条が
低速で供給され芯糸となり、ローラーCからの糸条が
たるむ結果となり、巻付き糸となる。
【0010】この方法によると、糸条の延伸率と糸条
の供給比が同じであるという制限がある。両糸条の
寸法安定性を考えれば、両糸条の延伸率が高い方が望ま
しいように思われるが、その延伸率が供給速度差となる
為、あまり大きな供給差となると、ポット回転による加
撚で供給速度差による糸のたるみを吸収しにくくなり、
強制加撚や絡合処理が必要となる。換言すれば、強制加
撚や絡合処理を付与するとすれば、ローラー径C/ロー
ラー径Dが大なる程、望ましい。その場合、たるみとな
る糸条の延伸率が大きくなる。
【0011】本発明の主目的である糸長差を大きく且つ
安定に出現する為には、芯糸糸条及び側糸糸条の延
伸率が如何にあるべきかが重要なポイントとなる。合成
熱可塑性繊維の場合、後加工や工程処理の熱収縮を考え
ると、芯糸の方の熱収縮が大となるよう、芯糸の延伸
率が低い程望ましいと思われる。それ以上に本発明の場
合、芯糸はセルロース繊維の非延伸性から無延伸が最
も望ましいと考えられる。
【0012】しかしながら、セルロース繊維、特にヴィ
スコース法による紡糸の特性は、これらの考え方をかた
くなにくつがえす。芯糸となる糸条を無延伸とした場
合、ポット巻取直前の張力により、自己伸長する為か、
あるいはそれ以後の再生機構によるものかは不明である
が、大きな糸長差を緩和し、機械的に付与したローラー
径の差の供給差が結果としては小さなものとなる。
【0013】そこで、芯糸及び側糸共に10%前後
の延伸率と供給速度差を採用する、即ち、ローラー径A
/ローラー径B及びローラー径C/ローラー径Dが両者
ともほぼ1.1となるようにすれば、生じた糸長差を残
留しやすく、強制的な加撚や絡合処理の必要のない巻取
が可能である。
【0014】糸長差の大きな合糸混繊糸を得るべく、1
0%以上の供給速度差を採用すると巻取撚数50〜10
0T/mでは糸たるみを吸収し難くなり、強制的な加撚
や絡合処理を施さなければ、順調な巻取りは数時間ある
いはそれ以下となる。また、供給速度差が6〜7%以下
となると、延伸率が低くなると共に、精練、乾燥後の製
品糸条の糸長差は少ないものとなり、僅かの張力により
殆んど糸長差が認められなくなる。ただ、たるみ糸の加
撚合糸により螺施状に巻取られた残存形態と僅かの膨ら
みが残っている。
【0015】供給速度差10%以上の大きな糸長差を得
る為には、強制加撚や絡合処理が必要となり、その装置
は導糸上、スリット型の加撚具や絡合ノズルが望まし
い。加撚具となると装置的に大きな工事が必要となるの
で、絡合装置の付設が容易である。また、前述の如く、
巻取時には、まだ多量のバス浴が糸条に残っている為、
絡合装置の材質や処置方法を考慮する必要がある。
【0016】絡合用ノズルについて言えば、特にスリッ
ト型であることが望ましい以外特殊な必要性はないが、
糸道をセラミックとし、ブラケットを樹脂製にするなど
酸・アルカリに対する材質の考慮が必要である。また、
流体圧は1.0〜3.0気圧程度の圧力で約25%前後
までの糸たるみを吸収出来る。
【0017】
【実施例】
実施例1 通常の丸断面紡糸ノズル(30H 0.07mmφ)及
び通常のセミ・ダル・ヴィスコースと図1に示す如きロ
ーラーの組合せ(A=D=190mmφ,B=174m
mφ,C=207mmφ)を用い、約9%の延伸率と供
給差を付与し、紡糸速度(Cの回転速度)70m/分に
て、およそ75デニール/30フィラメント×2の糸条
を得るべく、吐出量5.3cc/分の割合で紡糸を行っ
た。
【0018】この時のポット(直径180mmφ)回転
数は133ヘルツ×60rpmで、紡糸速度共に一定速
度にあり、6時間の連続巻取を行った。その後、通常の
精練と乾燥を行った後、糸条の撚を解き、糸長差を測定
した結果、平均4%であったが、たるみを有する側糸は
ヤーンの長さ方向にフィラメントそのものに撚が固定さ
れ、芯糸に較べ膨らみのある糸条となり外観からも太く
見受けられた。また、得られた混繊合糸糸条は、無数の
数ミリから数センチ・メートルのループが存在し、追撚
100〜500T/mを施しても、螺施状に浮いた側糸
が観察され膨らみのある糸条の得られていることが認め
られた。
【0019】実施例2 実施例1と同様の方法により、ローラーの組み合わせを
次の如くとし(A=D=186mmφ,B=175mm
φ,C=198mmφ)、延伸率及び供給差を約6.5
%とし、紡糸を行った。得られた製品の糸長差は約1%
であったが、側糸の形態に撚が残っており、芯糸に較べ
膨らみのある糸条であった。
【0020】実施例3 実施例1と同様の方法により、ローラーの組み合わせを
次の如くとし(A=D=220mmφ,B=157mm
φ,C=220mmφ)、延伸率及び供給差を約18%
とし、紡糸を行うと共に、糸直径3.0mmφのスリッ
ト・ノズルを用い、エアー圧2.5kg/cm2 の圧力
にて絡合処理を施こしながら巻取を行った。但し、実施
例3に於いては、ポットの回転数を110ヘルツ×60
rpmまで下げて一定条件で巻取を行った。
【0021】得られた製品は、無数の数ミリの単糸ルー
プを有し、絡合数はバラツキがあるが平均60〜80ケ
/mの絡みを有し、追撚100〜500T/mを施こし
ても、ループ形状が観察され、膨らみのある糸条の得ら
れていることが認められた。
【0022】
【発明の効果】本発明により、膨らみ感のある糸条及び
布帛の得難い再生セルロース繊維糸条に、従来のポット
巻取式紡糸機に於いて、容易に確実な糸長差を有する混
繊糸を得るに至った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される製造装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1:紡糸ノズル 2:糸条 3:糸条 4:ゴデットローラーA 5:ゴデットローラーB 6:ゴデットローラーC 7:ゴデットローラーD 8:ガイド 9:ファンネル導糸口 10:絡合装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−247762(JP,A) 特開 昭60−28539(JP,A) 特開 平5−339833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02J 1/00 - 1/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心ポット巻取式レーヨン紡糸方法にお
    いて、供給速度の異なる複数の糸条を同一ポット内に同
    時に巻取ることを特徴とするレーヨン糸の製造法。
  2. 【請求項2】 供給速度の異なる複数の糸状を同一ポッ
    ト内に巻取る直前に、流体絡合処理を施した後、巻取る
    ことを特徴とするレーヨン糸の製造法。
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