JP3284760B2 - 生産設備の修正過程支援システム - Google Patents

生産設備の修正過程支援システム

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JP3284760B2
JP3284760B2 JP12773094A JP12773094A JP3284760B2 JP 3284760 B2 JP3284760 B2 JP 3284760B2 JP 12773094 A JP12773094 A JP 12773094A JP 12773094 A JP12773094 A JP 12773094A JP 3284760 B2 JP3284760 B2 JP 3284760B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばフェンダーパネ
ルやドアパネルといった部品を生産し、それらの部品を
組立てて自動車ボデーといった製品を生産するために用
いられる生産設備、例えば、部品生産用のプレス型や組
立工程で用いられる治具や溶接装置といった生産設備を
修正する技術に関する。例えばプレス型の場合、最初か
ら設計通りのプレス品が得られることはまれであり、品
質基準を満たすプレス品が生産されるに至るまでには各
種の修正を必要とすることが多い。本発明は生産設備の
修正過程を支援するシステムを実現し、もって品質基準
を満たす製品が生産されるに至るまで必要な時間を短縮
化し、修正過程に必要とされる経費の低減を図るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ボデーの生産準備段階で
は、次の業務によって生産設備の修正を行なっている
(図2)。 (1) 品質計画業務 パネルやボデーの位置決め基準・精度保証部位・許容公
差を、生産技術上のノウハウを織り込んで、品質標準書
(=以下QR)や測定部位指示図(=以下EM)として
整理し、品質評価の計画を立案するステップである。こ
のステップでは、品質に関わる幅広い経験と知識を持っ
たエンジニアが必要であると同時に、その作成及び度重
なる設計変更への対応などをすべて手作業で行っており
非常に非効率なものであった(図3)。また後続業務と
の連携もすべて帳票などの紙を介して行われており業務
の円滑な推進を妨げていた。
【0003】(2) 測定準備業務 品質標準書や測定部位指示図をもとに、測定のための道
具、即ちチェッキングフィクチャ(以下C/F)を製作
する業務である(図4)。このC/Fは、車種・車型ご
とに製作される専用設備であり車のモデルチェンジ毎に
莫大な設備投資が必要であった。C/Fにはプレス品の
単品やアッセンブリ状態を測定するための様々な種類が
あり、運用面では、品質計画と同様に設計変更への対応
の難しさなどがあった。一方精度面では、個々のC/F
の製作誤差や、関連するC/F相互の器差に起因する測
定誤差の発生を避けることができず、後述の精度解析業
務を混乱させる要因にもなっていた。
【0004】(3) 測定業務 作業者が、前記の測定部位指示図(EM)を見ながらC
/Fに位置決めしたパネルやボデーをノギスなどで測定
するステップである(図5)。この従来法では手作業に
起因する測定結果のばらつきなどの測定誤差が潜在的な
問題となっていた。一方、機械加工物に比して寸法のば
らつきの大きいプレス品やボデーを統計的に精度解析す
るための多数測定が現実的には不可能であったり、C/
Fの仕様によって測定できる部位が限定されるなどの問
題点があり精度解析ステップを一層試行錯誤的なものと
していた。
【0005】(4) 精度解析業務 エンジニアが、測定された結果を図表化して、多角的に
その精度の分析・検討を行い、プレス型や溶接治具の修
正指示に結び付けるステップである(図6)。この業務
はボデーの生産準備後半でもっとも重要な業務であり、
リードタイム短縮のためには限られた時間内で効率的に
実施しなければならない。しかし、図表化などデータ解
析の非効率さに加え、前述の測定準備や測定の不充分さ
をベテランエンジニアの職人芸的な経験と勘で補いなが
ら業務を試行錯誤的に推進せねばならずエンジニアにと
って過酷な業務となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明に係わるシステ
ムの目的は、前記した各業務の問題点を解決することに
より、製品の生産準備において、旧態依然たる品質関連
業務を革新することである。具体的には次の課題の実現
を図る。 (1) 品質関連情報の一元データベース化 計画から解析までの各ステップで発生する各種図表を含
めた品質情報をエンジニアが、コンピュータとネットワ
ークを介して共有し、情報の錯綜による業務の混乱(や
り直し)を防ぐと共に距離差・時間差を超越した地球規
模での製品生産準備のサイマルテイニアスエンジニアリ
ングを推進する。
【0007】(2) 精度解析業務の数値基準化 パネル・ボデー精度測定用の三次元測定機(以下CMM
と略す,図1)による高精度な測定結果を、CAD基準
寸法と容易に比較評価可能とし、設計・製作の分野に留
まっていた数値基準化を工程整備の分野にまで広げる。
ベテランエンジニアに頼っていた精度解析業務を容易化
・一般化し、業務の効率化を図る。
【0008】(3) 精度解析業務のシミュレーション化 測定結果の多様なデータ整理を可能とし、エンジニアの
精度解析を支援・適正化する。また、パネルの組付けチ
ェックによる精度解析を、測定結果同志のデータの突き
合わせに置換するなどのシミュレーションを実現する。
これによってボデー生産準備のクリティカルパスとなっ
ている精度解析業務のリードタイム短縮を図る。このよ
うに本システムは、単にCMMを導入して測定作業を機
械化(自動化)するだけでなく、部品や製品に特有な測
定法や生産準備に特有な精度解析手法をソフトウェア化
することにより、品質業務の計画から解析までを総合的
にサポートし同業務を改革するためのエンジニアリング
支援システムと位置付けられるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、部品を生産し
その部品を組立てて製品とする生産設備を、品質基準を
満たす製品が生産されるに至るまで修正していく過程を
支援するシステムに関するものであり、部品と部品の組
立状態に関する形状データを記憶しておく形状データ記
憶手段、部品と、その部品の品質保証部位と、その品質
保証部位の品質標準データとを関連づけて記憶しておく
品質情報記憶手段、前記形状データ記憶手段と前記品質
情報記憶手段に記憶されているデータを参照して特定の
部品の品質保証部位と品質標準データを特定する品質計
画立案サブシステム、前記品質計画立案サブシステムで
立案された品質保証部位に基づいて、測定機の測定動作
プログラムを作成する測定動作プログラム作成サブシス
テム、前記測定動作プログラム作成サブシステムで作成
された測定動作プログラムに基づいて、前記生産設備で
生産された部品の形状を測定する測定サブシステム、前
記測定サブシステムで測定された測定値を前記形状デー
タ記憶手段に記憶されているデータを参照して解析する
精度解析サブシステム、前記精度解析サブシステムの解
析結果に基づいて、生産設備の修正データを作成する修
正データ作成サブシステムとを備えている。
【0010】
【作用】このシステムによると、生産準備に携わるエン
ジニアは、過去の経験や生産技術や測定技術を加味した
うえで修正・蓄積されている信頼性の高い情報を参照し
ながら、品質計画を立案することが可能となっている。
また情報は最新のものに一元化されており、業務のやり
直しといったことも最小限に押えられる。これらによっ
て信頼性の高い品質計画が能率よく立案される。
【0011】さらにこのシステムでは品質計画に基づい
て測定動作プログラムが作成され、測定機の効率的な運
用が可能となる。また従来必要とされていた多くのC/
Fを作成する必要をなくすことが可能となり、測定準備
工程が大幅に簡単化される。さらに本システムによる
と、測定工程の大部分が自動化され、多数の測定が短時
間で精度よく実行され、測定工程が大幅に簡単化され
る。測定化された結果は、設計上の形状データを参照し
て解析され、品質基準を満たさない場合にはその要因把
握が容易化される。これらによって生産設備の修正デー
タの作成が可能となっており、どこをどう修正すればよ
いのかが確実に短時間でわかる。これらを通して、品質
基準を満たす製品を生産するに至るまで生産設備を修正
してゆく過程が格段にやり易くなる。
【0012】
【実施例】次に本発明を具現化した一実施例について説
明する。この実施例のシステムは、大型CMMを中核と
し、各種のデータ処理をするためのコンピュータとそれ
らを結合するネットワークで構成されている(図7)。
品質計画立案ステップでは、品質計画立案サブシステム
(品標システムと略すことがある)を利用してエンジニ
アがオフィスに設置されたコンピュータを利用してボデ
ー形状のCADデータをもとに品質計画を立案する(図
7(a) ,図23)。測定準備ステップでは、基準点サブ
システムや測定動作プログラム作成サブシステムを利用
して作業者がネットワークを通じて転送された品質計画
情報を付加したボデー形状CADデータをもとに、測定
基準点と測定動作プログラムを作成する(図7(b) ,図
23)。測定ステップでは、その測定動作プログラムを
ネットワークを通じて各測定場で入手可能であるため、
国内外の工機工場やボデー工場のCMMを問わず、同一
の測定動作プログラムでのインテリジェント測定機能を
利用した測定を行なっている(図7(c) ,図23)。精
度解析ステップでは、すべての測定結果がネットワーク
を通じて1台のデータベースマシンに蓄積されているた
め、エンジニアは精度解析サブシステムを用いて、場所
や時間の違いにとらわれることなく効率的に精度解析を
行うことが可能である(図7(d) ,図23)。
【0013】次に各サブシステムについて説明する。 (1) 品質計画立案サブシステム(品標システム、図8) 本サブシステムはエンジニアの能力差や経験差によるバ
ラツキの少ない品質計画を効率良く立案するため、品質
標準書及び測定部位指示図(図3)の作成を支援し、そ
の結果をデータベース化するものである。具体的には、
事前に品質保証部位毎の測定・解析ノウハウをマスタデ
ータベース内へ登録し、必要な情報のみを取り出し、組
合わせることにより車種毎の品質標準書を作成できるよ
うにした。なお、この品質計画情報は一元データベース
化されエンジニア間で共有することにより、情報の混乱
・不整合を防ぐとともに設計変更への対応を確実・容易
なものとしている(図8)。また、溶接ボデーの精度解
析を的確に行うためには、関連する単品パネルとサブア
ッシ間で同一の部位を評価する必要がある。このため、
関連する部品間での測定部位転写機能や不要点削除機能
を織り込み、過不足のない測定部位を確実・容易に決定
できるようにした。
【0014】(2) 基準点システム(図9) 本サブシステムは、測定動作プログラムを作成し測定結
果を評価するために、品質計画情報を付加したボデー形
状のCADデータを使って、各測定点毎に評価するため
の基準値を作るものである。本サブシステムでは各基準
寸法を一つ一つ作成することなく、品質計画でつくられ
た品質標準データと測定部位データの中の部位名・測定
手法を取り込み、測定部位に応じた基準寸法を簡単な操
作で一括して作成することを可能にした(図9)。本シ
ステムの開発当初は市販のCADシステムを利用してこ
の作業を行なっており、その作業工数がCMM活用の一
つのボトルネックになっていたが、この基準点システム
を開発したことにより、CMMの長所である高速多点測
定の機能をいかんなく発揮できるようになった。
【0015】(3) 測定動作プログラム作成サブシステム
(図10) 本サブシステムは2つのシステムから構成されている。
一方は、市販のシミュレーションシステム(IGPI
P)をカスタマイズし、トヨタとしての工夫を凝らした
オフラインティーチングシステムである。その工夫点と
しては、構造の異なるCMM(片持ち型←→門型)間の
測定動作プログラムの相互変換機能、基準点システムか
ら受取った測定基準寸法を基に測定動作プログラムを自
動作成する機能の他、パネルやボデーの評価グループ単
位でのデータ操作機能などトヨタ特有の機能も実現して
いる。言うまでもなく、このシステムの最大のメリット
は、CMMを使用したティーチングを排除したことによ
りCMMの稼働率を上げ、ますます高まる測定負荷増大
へのニーズに大きく貢献している(図10)。
【0016】他方は、上記シミュレーションシステムと
類似するサブシステムとして、測定点から次の測定点へ
干渉物を回避しながら移動する動作のみをCMMを用い
てラフなティーチングを行なった後、コンピュータ上で
CADデータと組合わせて測定動作プログラムを作成す
る。このサブシステムは、高価なシミュレーションシス
テムのない各工場の計測場で設計変更への柔軟な対応な
どに活用している。測定動作プログラム作成サブシステ
ムにおいては、2つのサブシステムを使い分けることに
より、あらゆる条件のもとで効果を発揮している。
【0017】(4) インテリジェント測定サブシステム パネル・ボデーなどの板金物を高精度で自動測定するに
は、その寸法バラツキが大きいという特性を考慮した測
定手法が必要である。このためには、被測定物のズレを
検索しながら狙い位置に測定子を誘導する機能(=検索
誘導)と、測定値を即時演算判定し接触状態の良否をチ
ェックする機能(=接触状態判定)が不可欠である(図
11)。例えば、ボデーの蓋物見切り部は、見切り線の
精度を断面R終わり部で評価する必要がある。すなわ
ち、従来の一般的な定点狙いの測定では、パネル自体の
偏差やボデー全体のズレにより断面R部を測ってしま
う、等の誤差を拾う可能性が高いが、トヨタオリジナル
の本機能を使用して測定することによりその誤差は1/
6に低減される(図12)。また、穴測定時に穴回りの
平坦度を演算判定し、加工不良(断面Rダレ等)を測定
誤差として拾うことを未然に防ぐ機能も開発した。これ
らの機能はCMMのコントローラに組込む必要があり、
ユーザーカスタマイズ可能なコントロールシステム(D
EA MASTER)を選択して実現している。この結
果、測定精度を向上するだけでなく生産準備の初期段階
にありがちな被測定物の精度不良によるCMMの異常停
止に妨げられることなく長時間連続無人運転が可能とな
った。
【0018】(5) 精度解析支援サブシステム このシステムは測定結果を活用し精度解析を支援するた
め各種図表を出力するものである。この出力には次のよ
うな例がある。まず1番目の例は、従来からの馴染みの
深い寸法精度表に相当するもので、この例としてプレス
品の精度表がある。CMMによる測定結果である面沿い
誤差表示、その測定結果より良否を判断するための公差
判定、及び測定結果と測定位置を対応させる挿絵などの
従来の情報に加え、多サンプル測定の結果を解析するた
めの統計量とプレス型の修理前後の精度比較バーグラフ
で表示している(図13)。このように付加価値を高め
た精度表を自動出力することにより、従来の単なる測定
結果の表示から解析の手段として活用しやすい精度表へ
の脱皮を図った。
【0019】次の例は、スポット溶接接合部の板合わせ
解析などを行うため、溶接接合部位を小ピッチで精度良
く測定した結果のグラフとボデー形状を組合わせたドッ
キング出力図である(図14)。この出力を利用するこ
とにより、単品パネルを組合わせた板合わせ解析を行な
うことなくデータによる精度解析が可能となった。
【0020】その他、新しい出力形態の例としてコンピ
ューターの高速性を利用して、相隣り合う被測定物の測
定結果を画面上で組付け表示する機能がある。そしてこ
の測定結果を個別に回転・移動表示することにより最適
な組付け状態をシミュレーションすることを可能とし
た。これにより個々の部品の最適修理方法を検討するこ
とを容易にした。また、この出力を使い、プレス型とパ
ネルの互いの測定結果を重ね合わせたシミュレーション
することにより、プレス加工の際の、弾塑性変形の影響
で生じるプレス品の寸法変化の解析にも活用している
(図15)。このように、本サブシステムでは従来法で
困難であった精度解析を可能にしている。
【0021】(6) その他 以上述べた測定動作プログラムや測定結果などの各種情
報は、ネットワークを介して1台のデータベースマシン
で一元管理している(図7)。また、各サブシステムの
操作は、すべてグラフィカルなユーザーインターフェー
スで統一しており、コンピュータに馴染みの少ないベテ
ランエンジニアや作業者でも容易に操作できるようにな
っている。そして、ほとんどのサブシステムがバイリン
ガル化(日本語&英語)されており、国内外に分散した
オフィスや工場間でユーザ自身による測定情報の活用を
可能としている。なお、データベース内の情報には、セ
キュリティがかけられており、各ユーザー毎に許された
範囲の情報のみを登録・参照可能としている。
【0022】次に本システムの活用について説明する。
パネルボデー精度CATシステムの開発・実用化をベー
スに、トヨタでは計画から精度解析までの全品質業務で
画期的な業務改革を推進している。品質計画・測定準備
・測定の各業務では、品質情報の一元化/作業の機械化
/専用治具の廃止・簡素化などにより、業務の効率向上
や設備投資の削減に大きく寄与している。また、精度解
析業務では同業務の数値基準化やシミュレーション化を
実現したことにより信頼性を上げ、その業務ステップの
改廃を含めた業務改革をダイミナックに進めている。以
下に、その概要を述べる。
【0023】(1) 精度解析の信頼性向上 前述したように、従来は、C/Fそのものと手作業に起
因する測定誤差や作業工数の限界が解析から修正の効率
アップを阻害していたが、計測誤差の半減とサンプル数
の拡大で、解析業務の信頼性を大幅に向上させることが
できた(図16)。さらに、本システム実用化の進展に
伴い、精度解析業務に統計的手法が定着してきている。
前述のプレス品精度表を活用し、トライステップ毎にデ
ータの平均値とバラツキを比較検討することにより、従
来以上に的確な修正指示が少ない工数で行なえるように
なった。また、従来はC/Fの使用により測定範囲が制
限されていたが、CMMでの測定によりその範囲を拡大
した。例えば、メーンボデーでは、新たに艤装品(内外
装・足廻り部など)取付け部位の測定が行われ、精度保
証範囲が大幅に拡大された(図16,図17)。
【0024】(2) ボデー精度解析の業務革新 一般的に、自動車ボデーのパネルは薄板で形状凍結性が
乏しく寸法ばらつきが大きい。そして、そのばらつきの
あるパネルを組上げて、ボデーの精度を解析することは
非常に繁雑である。このボデー精度を短期間に解析する
ために、ボデーメーカ各社はそれぞれ独自の手法を活用
している。トヨタでは、現実的かつ効率的な手法とし
て、基本的には、2つの狙いの異なるステップに分けて
ボデーの精度解析を進めていた(図18)。一方のステ
ップでは、C/F内で実際のパネルを組付け、そのC/
Fによってボデーを測定することによりパネル同志の板
合わせ解析を行ない、プレス金型を修正することであ
る。
【0025】他方のステップでは、量産用の溶接設備で
ボデーを組付け、C/Fでボデーを測定することにより
溶接設備の工程能力を解析し溶接設備の調整を行なうこ
とである。これらのステップは、ボデー生産準備のクリ
ティカルパスとなっており、その改善が急務であった。
我々は、本システムを活用してこのプロセスのダイナミ
ックな業務改革に取組んだ。
【0026】まず、プレス品・ボデー精度解析のステッ
プの改革であるが、まず、C/Fによる計測をCMMに
置き換えた。この結果、大変高価なメインボデーC/F
を廃止することができ、設備投資の大幅な削減を実現し
た。さらに、単品C/FとメインボデーC/F、各C/
Fと溶接設備間の製作精度差をクロスチェックすること
などが不要となり業務の効率化も図ることができた。続
いて、プレス・ボデー精度解析のためのC/Fや溶接設
備での組付け及びその組付けボデーのCMMでの測定も
廃止し、これを「データ組付け」と呼ばれる単品パネル
の測定結果同志の突き合わせによる板合わせ解析に置き
換えた。すなわち、単品パネルの測定結果をドッキング
出力機能で処理し、ボデーを組むことなくその板合わせ
解析を可能とした。これは、従来の板合わせ解析で蓄積
されたノウハウとCMMの高速多点精密測定能力及びそ
の結果を処理するシステムを組合わせることにより実現
した(図18)。
【0027】一方、工程能力解析のステップでは、デー
タ組付けで早期に得られた明確な目標値をもとにCMM
の高速自動測定能力を活用し、従来よりはるかに多くの
ボデーを再現性確認のため測定している。この結果、早
期に寸法ばらつきの現象と要因が解明でき、溶接設備の
工程能力把握から設備調整まで業務の効率向上を図るこ
とができた。この結果、解析ステップの削減、プレス金
型修正のための精度解析と溶接工程能力解析の並行処理
化によりボデー生産準備のクリティカルパスとなってい
たボデー精度解析業務のリードタイムの短縮を図ること
ができた。
【0028】(3) 遠隔地での並行生産準備 海外生産の拡大に伴い、設備やパネルの海外での現地調
達も増えてきている。これらの部品の生産準備をするう
えで先に述べた「データ組付け解析」を応用することで
物の運搬の制約を受けることなく距離を超越した生産準
備が可能となった。すなわちパネルの中には日本で調達
するもの(日調品)と海外の現地で調達するもの(現調
品)とがあり、従来は、精度解析を国内で行うならば現
調品を、また、海外で行うならば日調品をそれぞれ相手
先へ送り、パネルを組付けることにより行なっていた。
本システムが海外展開されたことにより、国内外でそれ
ぞれパネルを測定し測定結果を共有化することで同時に
解析を行なうことができる。これにより、地球規模での
同時生産準備が可能となり、高度の専門技術を持った技
術者が全世界のパネル・ボデーの精度解析をサポートす
ることが可能となった。
【0029】
【発明の効果】
(質的効果)測定準備・測定業務の説明で述べたよう
に、従来の手法では、測定誤差と測定サンプル数の不足
が精度解析業務の信頼性を低いものとしエンジニアにと
って過酷な業務となっていた。しかし、本システムを活
用することにより測定誤差の半減とサンプル数の増大を
可能とし、この効果を統計的に比較すると精度解析業務
の信頼性を従来の4倍まで向上できた(図19)。これ
により、精度解析業務の容易化・一般化を実現し、生産
準備での品質の早期確保・安定に寄与している。
【0030】(量的効果)洩れのない評価という点で
は、従来はC/Fの使用により被測定物の測定範囲が制
限されるため精度解析を行なう上で必ずしも充分ではな
かった。本システムではCMMによる高速測定を可能と
したことから、パネル測定では従来の8倍に、ボデー測
定では18倍に測定量を増大させた(図20)。
【0031】(コスト効果)車のモデルチェンジ毎に製
作していた専用設備である高価なメーンボデーC/Fを
廃止し、汎用設備であるCMMに置換することができ
た。この投資対効果は、CMMの投資額を100とする
と1台のメーンボデーC/Fの廃止による投資削減額は
50であるため、2度のモデルチェンジで、CMM導入
の投資額を償却している(図21)。また、メーンボデ
ーC/F以外の他のC/Fも削減・簡素化が進んでい
る。
【0032】(タイミング)精度解析業務の中核である
パネルの板合わせ解析は、従来は、パネル組付けのため
組付け対象となるパネル全ての測定が終了するまで開始
できず、多くの工数と期間が必要とされていた。しか
し、本システムの活用により関連するパネルの測定が済
みしだい、データでの比較が可能となった。また、精度
解析業務の信頼性を向上させたことにより、プレス型・
溶接設備の修理のやり直しを減少させた。これにより大
幅なリードタイムの短縮が可能となった(図22)。
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元測定機の一例を示す図
【図2】生産準備段階で実行される業務を示す図
【図3】品質標準書と測定部位指示図の一例を示す図
【図4】チェッキングフィクチャを例示する図
【図5】従来の測定業務の作業内容を示す図
【図6】生産設備の修正データの一例を示す図
【図7】実施例のシステム構成図
【図8】品質計画立案サブシステムを示す図
【図9】基準点サブシステムを示す図
【図10】測定動作プログラム作成サブシステムを示す
【図11】インテリジェント測定サブシステムを示す図
【図12】見切り部の測定方式を示す図
【図13】プレス品の精度表の一例を示す図
【図14】溶接接合部における測定データと形状データ
を組合わせたドッキング出力図
【図15】プレス品の弾塑性変形の解析図の一例
【図16】解析業務の信頼性を従来と対比して示す図
【図17】精度保証範囲を示す図
【図18】精度解析業務の改革内容を示す図
【図19】精度解析業務の信頼性向上結果を示す図
【図20】測定点数を示す図
【図21】必要費用を示す図
【図22】必要期間を示す図
【図23】実施例の機能を一覧表示する図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼頭 正年 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 稲井 賢次 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 新間 昭治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−46630(JP,A) 特開 平5−285501(JP,A) 特開 平5−135242(JP,A) 特開 平5−273199(JP,A) 特開 平5−225202(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 15/00 - 15/02 G06F 17/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品を生産しその部品を組立てて製品と
    する生産設備を、品質基準を満たす製品が生産されるに
    至るまで修正していく過程を支援するシステムであり、 部品と部品の組立状態に関する形状データを記憶してお
    く形状データ記憶手段、 部品と、その部品の品質保証部位と、その品質保証部位
    の品質標準データとを関連づけて記憶しておく品質情報
    記憶手段、 前記形状データ記憶手段と前記品質情報記憶手段に記憶
    されているデータを参照して特定の部品の品質保証部位
    と品質標準データを特定する品質計画立案サブシステ
    ム、 前記品質計画立案サブシステムで立案された品質保証部
    位に基づいて、測定機の測定動作プログラムを作成する
    測定動作プログラム作成サブシステム、 前記測定動作プログラム作成サブシステムで作成された
    測定動作プログラムに基づいて、前記生産設備で生産さ
    れた部品の形状を測定する測定サブシステム、 前記測定サブシステムで測定された測定値を前記形状デ
    ータ記憶手段に記憶されているデータを参照して解析す
    る精度解析サブシステム、 前記精度解析サブシステムの解析結果に基づいて、生産
    設備の修正データを作成する修正データ作成サブシステ
    ムとを備えた生産設備の修正過程支援システム。
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