JP3282883B2 - 像加熱装置 - Google Patents

像加熱装置

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JP3282883B2
JP3282883B2 JP12471293A JP12471293A JP3282883B2 JP 3282883 B2 JP3282883 B2 JP 3282883B2 JP 12471293 A JP12471293 A JP 12471293A JP 12471293 A JP12471293 A JP 12471293A JP 3282883 B2 JP3282883 B2 JP 3282883B2
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壮志 杉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機、プリンタ、ファ
クシミリ等の画像形成装置においては、画像形成プロセ
ス手段部にて目的の画像情報に対応するように記録材に
形成担持させた未定着トナー画像を加熱定着させる加熱
装置として、ヒートローラ方式が一般的であるが、近時
は、フィルム加熱方式の加熱装置が実用化されている。
この加熱装置は、特開昭63−313182号公報、特
開平1−263679号公報、特開平2−157878
号公報、特開平4−44075〜44083号公報等に
記載されているように、ヒータ(加熱体)に加熱部材と
しての耐熱フィルムを加圧部材で押圧密着させて走行さ
せ、耐熱フィルムを挟んでヒータと加圧部材とで形成さ
れる圧接ニップ部(定着ニップ部)に記録材を導入して
耐熱フィルムに密着させ、耐熱フィルムと一緒に定着ニ
ップ部を通過させることで、ヒータの熱を耐熱フィルム
を介して記録材に与えて未定着トナー画像を記録材面に
加熱定着させるものである。
【0003】このような装置においては、特願平4−3
61592号に記載されているように、加熱部材として
の耐熱フィルムや加圧部材としての加圧ローラは電気的
導通を取り、アースに落とすようにしている。すなわ
ち、図8に示すように、耐熱フィルム4の外周面の一部
に電気的導通可能な導電面4bを形成し、さらに該導電
面4bと相対する加圧ローラ5の一部もシリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、スポンジゴム等の導電部材30で形成
し、上記導電面4bと上記導電部材30の接触で電気的
導通を取り、加圧ローラ5の芯金5aを介してアースに
落としている。
【0004】これは、耐熱フィルム4や加圧ローラ5が
帯電し、記録材P上の未定着のトナー画像を乱したり、
または引き付けたりすることによる画像乱れ、及び帯電
した電荷がアース部へリークしてノイズが発生し、装置
の誤動作を発生させるのを防ぐためである。
【0005】ところで、耐熱フィルム4は、加圧ローラ
5と当接して従動回転するように配設されており、フィ
ルムガイド1、ヒータ3と摺動しているが、この際、摺
動抵抗を減少させるために、フィルム内面には耐熱性の
フッ素グリースが塗布してある。このフッ素グリースは
フィルム内面とヒータ3及びフィルムガイド1との間で
潤滑膜を形成し、フィルム4をスムーズに回動させるこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、ヒータ3により熱せられ流動性が良くなった
フッ素グリースがフィルム4端部より染み出してきて、
フィルム外周面に周り込む。この結果、図9に示すよう
に、フィルム外周導電面4bと導通ゴム30の間でフッ
素グリースGが潤滑膜を形成し電気的に絶縁となってし
まうことがあった。
【0007】本発明の目的は、上記問題点を解決し、耐
熱性フィルムと加圧ローラの外周面に電気的導通部を有
するフィルム方式の加熱装置において、該電気的導通部
の導通状態を安定して確保することのできる加熱装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、加熱体と、該加熱体と摺動するフィルムと、該フ
ィルムを介して上記加熱体とニップを形成する芯金を備
えたローラとを有する像加熱装置において、上記フィル
ムは表面の少なくとも一部に導電面を有し、外周面に溝
が加工され上記導電面と接する導電性の回転体が上記芯
金上に設けられていることにより達成される。
【0009】
【作用】本発明によれば、フィルムは表面の少なくとも
一部に導電面を有し、外周面に溝が加工され導電面と
する導電性の回転体が芯金上に設けられているので、例
えば、フィルムに塗布した潤滑剤等が面に漏れ出た場
合でも、該潤滑剤等が該表面において膜状に形成される
ことがなく、電気的導通状態を維持する。
【0010】
【実施例】本発明の実施例1及び実施例2を添付図面に
基づいて説明する。
【0011】〈実施例1〉先ず、本発明の実施例1を図
1ないし図5に基づいて説明する。図1において1はフ
ィルム内面ガイド部材(ガイドステー部材)であり、横
断面形状は略半円弧の樋型となっている。該フィルム内
面ガイド部材1は、例えばフェノール系の熱硬化樹脂製
で、被加熱材としての記録材Pの搬送方向に直交する方
向に長く延びて形成されている。
【0012】3は加熱体としてのヒータであり、上記フ
ィルム内面ガイド部材1の下面にてガイド部材1の長手
方向に沿って密着して支持されている。該ヒータ3は、
図2に示すように、記録材Pの搬送方向に直交する方向
を長手方向とする絶縁性・高耐熱性・低熱容量のアルミ
ナ等のセラミック基板31と、この基板31の表面側
(フィルム摺動面側)に長手方向に沿って印刷・焼成を
経てパターン形成された銀パラジウム等の線状或は細帯
状の通電発熱抵抗体32を基本構成とする全体的に低熱
容量のセラミックヒータである。該通電発熱抵抗体32
の両端部側には、基板31面に該抵抗体32に導通させ
てパターン形成したAg等の給電用電極部33が設けら
れており、この通電発熱抵抗体32を形成した側の基板
表面側には、ガラス・フッ素樹脂等の薄い表面保護層3
4を設けてある。また、基板裏面側にはサーミスタ等の
検温素子35及び温度ヒューズ等の加熱保護手段36等
を設けてある。従って、両端の上記電極部33に給電コ
ネクタ9を嵌着して電源(図示せず)からAC通電を行
うと、通電発熱抵抗体32が発熱し全体が急速昇温す
が、その昇温は検温素子35で検知され、その検知情報
に基づいて通電制御系(図示せず)により通電発熱抵抗
体32への通電が制御され、ヒータ3の温度が所定の温
度に維持されるようになっており、また過昇温が生じた
場合には、加熱保護手段36により通電が遮断されるよ
うになっている。
【0013】また、図1において4は、上記ヒータ3付
きのフィルム内面ガイド部材1にルーズに外嵌させたチ
ューブ型の耐熱フィルム(定着フィルム)である。該耐
熱フィルム4は熱容量を小さくしてクイックスタート性
を向上させるために、膜厚が100μm以下の耐熱性・
トナー離型性・強靭性を有するフィルムを用いており、
また、図3に示すように、内側層としての約50μm厚
のポリイミド樹脂層4aと、中間層としての約5μmの
導電プライマ層4bと、外側層としての約10μmのフ
ッ素樹脂層4cとの三層構成となっている。なお、導電
プライマ層4bの単位面積当たりの抵抗値は108Ω/
□以下に設定されている。
【0014】次に、5は上記フィルム4を介してヒータ
3に対して圧接させた加圧部材としての加圧ローラであ
り、図4に示すように金属芯金5aに同心一体に耐熱性
シリコーンゴムローラ層5bを形成し、その表面にフッ
素樹脂コートをしてある。また、加圧ローラ5の芯金5
aの両端は、図1に示すように、板金製の装置シャシ6
に取り付けられた軸受7によって回転自在に支持されて
おり、その一方の軸端にはギア5cが固着されている。
該ギア5cは、画像形成装置本体の駆動系のギア(図示
せず)に噛合しており、加圧ローラ5は所定の周速度を
もって回動駆動されるようになっている。また、加圧ロ
ーラ5は、フィルム内面ガイド部材1の両端側の上面を
それぞれ押圧する加圧バネ8により、ヒータ3に対して
所定の押圧力で圧接しており、図4に示すように、定着
ニップNを形成するようになっている。従って、加圧ロ
ーラ5が回動駆動されると、加圧ローラ5の表面摩擦力
でチューブ型のフィルム4がヒータ3の表面に密着摺動
し、フィルム内面ガイド部材1の周りを回転駆動される
ようになっている。そして、耐熱フィルム4の内周面に
は、耐熱性フッ素グリースGが塗布してあるため、フィ
ルム4の内面とヒータ3及びガイド部材1との間に潤滑
膜を形成して摺動抵抗を減少させ、耐熱フィルム4のス
ムーズな回転駆動を確保している。
【0015】以上のように配設された耐熱フィルム4と
加圧ローラ5の前方には、図4に示すように入口ガイド
10が配設されており、画像形成プロセス手段部(図示
せず)から搬送された被加熱材としての未定着トナー画
像を上面に担持した記録材Pが、該入口ガイド10に案
内されて耐熱フィルム4と加圧ローラ5との定着ニップ
部Nに導入される。定着ニップ部Nに導入された記録材
Pは回転するフィルム4の面に密着して該フィルム4と
一緒に定着ニップ部Nを通過することで、該記録材P上
の未定着トナー画像にヒータ3の熱エネルギーがフィル
ム4を介して与えられ、トナー画像の加熱定着がなされ
る。定着後の記録材Pはフィルム4と加圧ローラ5の後
方に配設された排紙ガイド11に沿って排紙され、定着
動作が完了するようになっている。
【0016】このように、耐熱フィルム4と加圧ローラ
5は、互いに摺接し、さらに記録材Pと摺接しながら定
着動作を行うため、帯電して画像を乱したり、ノイズを
発生させることがある。そこで、本実施例の耐熱フィル
ム4には、上述したように導電プライマ層4bを設け、
さらに該導電プライマ層4bと接触するように加圧ロー
ラ5に導電部材を設けることにより、帯電電荷を逃がし
ている。
【0017】図1において、20はこの加圧ローラ5に
設けた導電部材である。この導電部材としての導電シリ
コーンゴム20は、ソリッドのシリコーンゴムにカーボ
ンブラックを混ぜることにより、108Ω・cm以下程
度の体積抵抗率を確保し導電性を得たもので、加圧ロー
ラ5の一端側の芯金5aに挿入してゴムローラ層5bの
端面に密着させて設けてある。この導電シリコーンゴム
20は、上記耐熱フィルム4の端部に設けた導電面とし
ての露出導電プライマ層4bに対応する位置に配設さて
おり、その外径は加圧ローラ5のゴムローラ層5bの外
径と略同等である。従って、導電シリコーンゴム20は
フィルム4側の導電プライマ層4bに押圧されることに
より、耐熱フィルム4の表面速度と等しい周速で、加圧
ローラ5と一体で回転する。
【0018】上記加圧ローラ5の金属芯金5aには、カ
ーボン接点14を金属板バネ21の弾性により該芯金5
aに押圧接触させており、金属板バネ21を装置シャシ
6の側板に固定している。従って、耐熱フィルム4に付
与された電荷は、導電プライマ層4bから加圧ローラ5
側の導電シリコーンゴム20へ移動し、さらに導電シリ
コーンゴム20からゴムローラ層5bを介して加圧ロー
ラ芯金5aへ移動し、上記カーボン接点14及び板バネ
21並びに装置シャシ6を通ってアースに落ちている。
同様に加圧ローラ5の電荷も芯金5a、カーボン接点1
4、板バネ21及び装置シャシ6の経路でアースに落ち
いてる。
【0019】このように、本実施例の加熱装置によれ
ば、耐熱フィルム4と加圧ローラ5の帯電が抑えられ、
画像乱れ等の不具合を防ぐことができる。しかしなが
ら、上述したように、耐熱フィルム4の内周面に塗布さ
れた耐熱性フッ素グリースGは、ヒータ3によって熱せ
られると流動性が良くなり、図9に示すようにフィルム
4の端部に滲み出すと、フィルム4の外周面に付着し
て、フィルム4を電気的に絶縁させる。
【0020】そこで、本実施例においては、上記導電シ
リコーンゴム20の外周形状をローレット状とした。こ
れにより、フィルム4の導電プライマ層4bと導通シリ
コーンゴム20の間の面圧は図5に示すようにローレッ
ト頂部とそれ以外で不均一となるため、フッ素グリース
Gの潤滑膜の形成を抑えることができる。
【0021】以上説明したように、本発明によれば、導
電プライマ層4bと導通シリコーンゴム20によるフィ
ルム4の電荷除去機能を損なうことなく、フッ素グリー
スGによるフィルム4のスムーズな回転を保証すること
ができる。
【0022】〈実施例2〉次に、本発明の実施例2を図
6及び図7に基づいて説明する。なお、実施例1との共
通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0023】実施例1では、導電シリコーンゴム外周を
ローレット形状としたが、フィルム4との接触面に潤滑
膜が形成されなければ良いから、図6のように外周面に
溝や穴を設けた導電シリコーンゴム20’、図7のよう
に外周面に凸を設けた導電シリコーンゴム20”として
も、接触面の面圧が不均一になるため、潤滑膜が形成さ
れず、安定確実な導通が得られる。また、溝、穴、凸、
ローレット等同時に設けても良いことは言うまでもな
い。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルムは表面の少なくとも一部に導電面を有し、外周
面に溝が加工され導電面と接する導電性の回転体が芯金
上に設けられているので、フィルムに潤滑剤を塗布した
場合でも、確実に安定したフィルムの導通が得られるよ
うになった。従って、フィルムの円滑な回転動作を確保
しつつ、フィルムの帯電による画像乱れ及びノイズの発
生による装置の誤動作を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1装置の概略構成を示す斜視図
である。
【図2】図1装置におけるヒータの概略構成を示す図で
ある。
【図3】図1装置におけるフィルムの層構成を示す図で
ある。
【図4】図1装置の主要断面図である。
【図5】図1装置における導通部の断面図である。
【図6】本発明の実施例2における導電部材の概略構成
を示す図である。
【図7】本発明の実施例2における他の導電部材の概略
構成を示す図である。
【図8】従来例装置の概略構成を示す図である。
【図9】従来例装置における導通部の断面図である。
【符号の説明】
3 セラミックヒータ(加熱体) 4 耐熱フィルム(加熱部材) 4b 導電プライマ層(導電面) 5 加圧ローラ(加圧部材) 20 導通シリコーンゴム(導電部材) P 記録材(被加熱材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遊坐 曜 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−202509(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体と、該加熱体と摺動するフィルム
    と、該フィルムを介して上記加熱体とニップを形成する
    芯金を備えたローラとを有する像加熱装置において、 上記フィルムは表面の少なくとも一部に導電面を有し、
    外周面に溝が加工され上記導電面と接する導電性の回転
    体が上記芯金上に設けられていることを特徴とする
    熱装置。
  2. 【請求項2】 上記溝は上記回転体の母線と平行に設け
    られていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装
    置。
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