JP3280617B2 - 広帯域表面波フィルタ - Google Patents

広帯域表面波フィルタ

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JP3280617B2
JP3280617B2 JP06414098A JP6414098A JP3280617B2 JP 3280617 B2 JP3280617 B2 JP 3280617B2 JP 06414098 A JP06414098 A JP 06414098A JP 6414098 A JP6414098 A JP 6414098A JP 3280617 B2 JP3280617 B2 JP 3280617B2
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    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/46Filters
    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
    • H03H9/6423Means for obtaining a particular transfer characteristic
    • H03H9/6433Coupled resonator filters
    • H03H9/6436Coupled resonator filters having one acoustic track only

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は広帯域表面波フィル
タに関し、特に縦結合表面波フィルタの通過帯域幅を従
来の表面波フィルタのそれより拡大して、移動通信の新
方式に適応させるための広帯域表面波フィルタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、表面波フィルタ(以下、SAWフ
ィルタと称す)は多くの通信分野で用いられ、高性能、
小型、量産性等の特徴を有することから携帯電話等の普
及の一翼を担っている。図4は従来の1次−3次縦結合
二重モードSAWフィルタ(以下、二重モードSAWフ
ィルタと称す)の電極パターンの構成を示す模式的平面
図であって、圧電基板11の主面上に表面波の伝搬方向
に沿って3つのIDT電極12、13、14を近接配置
すると共に、IDT電極12、13、14の両側に反射
器15a、15bを配設したものである。IDT電極1
2、13、14はそれぞれ互いに間挿し合う複数本の電
極指を有する一対のくし形電極により構成され、IDT
電極12の一方のくし形電極は入力端子に接続し、他方
のくし形電極は接地する。そして、IDT電極13、1
4の一方のくし形電極は互いに連結して出力端子に接続
すると共に、他方のくし形電極はそれぞれ接地する。
【0003】図4に示すような二重モードSAWフィル
タの動作は、周知のように、IDT電極12、13、1
4によって励起される複数の表面波が反射器15a、1
5bの間に閉じ込められ、IDT電極12、13、14
の間で音響結合を生ずる結果、1次と3次の2の縦共振
モードが強勢に励振され、適当な終端を施すことにより
これらの2つのモードを利用した二重モードSAWフィ
ルタとして動作する。なお、該二重モードSAWフィル
タの通過帯域幅は1次共振モードと3次共振モードとの
周波数差で決まることは周知のことである。また、前記
二重モードSAWフィルタを圧電基板上に複数個併置
し、それらを縦続接続してフィルタの減衰傾度及び保証
減衰量を改善することも周知の手段である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の設計に基づき、圧電基板として例えば切断角度36
°のタンタル酸リチウム(LiTaO3)を用いて、中心周波
数を900MHz帯の広帯域1次−3次二重モードSAWフィ
ルタを製作すると、1.0dBの帯域幅の限界はせいぜい30M
Hzであり、新しい携帯電話に要求されている通過帯域内
が平坦であり、40MHz以上の広い帯域幅のフィルタを実
現することは困難であるという問題があった。
【0005】上記問題の解決手段として、1次モードと
3次モードとの共振間隔を広げれば、二重モードSAW
フィルタの広帯域化が可能であると推察される。そこ
で、周知のようにIDT電極対数を少なくし、入出力I
DT電極間隔を適当に選び1次−3次モードの共振間隔
を広げるべく二重モードSAWフィルタを試作した。圧
電基板に36°Y-X LiTaO3を用い、IDT電極12の対数
を22.5対、IDT電極13、14の対数をそれぞれ15.5
対、反射器15a、15bをそれぞれ100本、アルミニ
ウム電極の膜厚H/λ(λは表面波の波長)を6%、交差
長を60λ、IDT電極12、13、14と反射器15
a、15bの周期をそれぞれLT、LRとしたとき、LT / L
Rを0.978に設定した場合の濾波特性を図6に示す。図6
から明らかなように、帯域幅は広がるものの通過帯域の
高域側においては平坦性に欠け、十分な通過域特性が得
られないという問題が生ずる。一方、従来より電極指対
数を減らしたためにフィルタの終端インピーダンスが一
般的な50Ωから増大するという問題も発生した。
【0006】二重モードSAWフィルタの終端インピー
ダンスは図5に示すように電極指幅Wとスペース幅Sとの
和(W+S)に対する電極指幅Wとの比W /(W+S)、所謂ライ
ン占有率に大きく依存することが知られている。従っ
て、IDT電極12、13、14のライン占有率RT=WT
/( WT +ST)を0.5〜0.8と大きくすることにより50Ωとす
ることが可能となったが、新しい方式の携帯電話のRF
フィルタに要求される、通過域が広帯域で且つ平坦であ
るという条件は依然として解決することができなかっ
た。本発明は上記問題を解決するためになされたもので
あって、広帯域であると共に、通過域特性が平坦な二重
モードSAWフィルタを提供することを目的とする。
【0007】上記目的を達成するために本発明に係る請
求項1記載の広帯域表面波フィルタの発明は、圧電基板
上に複数のIDT電極を表面波の伝搬方向に配置すると
共にその両側に反射器を配設して構成する縦結合多重モ
ード表面波フィルタにおいて、前記反射器のライン占有
率を前記IDT電極のライン占有率より小さくしたこと
を特徴とする広帯域表面波フィルタである。請求項2記
載の発明は、圧電基板上に複数のIDT電極を表面波の
伝搬方向に配置すると共にその両側に反射器を配設して
構成する縦結合多重モード表面波フィルタにおいて、前
記反射器のライン占有率を前記IDT電極の占有率より
小さくし、且つ、前記反射器の電極指幅W を電極指間
隙S より小さくしたことを特徴とする広帯域表面波フ
ィルタである。請求項3記載の発明は、IDT電極の電
極指の周期をLとし、反射器の周期をLとした場
合、前記反射器のストップバンドの中心周波数と前記縦
結合多重モード表面波フィルタの中心周波数とがほぼ一
致するように周期LとLとの比を設定することを特
徴とする請求項1または2記載の広帯域表面波フィルタ
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。ここで、実施例の説明
に先立ち、本発明の理解を容易にすべく本発明に至るま
での経緯を説明する。IDT電極の電極指対数を減らす
ことにより、二重モードSAWフィルタの1次と3次の
共振間隔を広げたにもかかわらず通過帯域内の高域側に
おいて、十分な通過域特性が得られない点を解決すべく
種々の実験を行った。この結果、IDT電極2、3、4
の電極対数を減少させて、1次−3次モードの共振間隔
を広げたとしても、反射器5a、5bのストップバンド
幅が元のまま狭かっため、該ストップバンドの外側に1
次−3次モードの一方の共振周波数が存在することにな
り、通過帯域内の高域側の平坦性が劣化したものと考え
られる。
【0009】この知見に基づき、図1に示すようにID
T電極2、3、4の周期LT 、その占有率RT、反射器5
a、5bの周期LR 、その占有率RR及電極膜厚H/λ等を
変えて二重モードSAWフィルタを種々試作した。ID
T電極2、3、4の周期LTと反射器5a、5bの周期LR
との比LT / LRを0.994と0.986に選び、それらに対しI
DT電極2、3、4のライン占有率RTと反射器5a、5
bの占有率RRとをマトリクス的にそれぞれ0.35から0.6
まで変化させて、二重モードSAWフィルタの帯域幅、
通過帯域の平坦性、通過帯域のカットオフ特性及び挿入
損失等の特性を測定した。その結果、従来のIDT電極
2、3、4と反射器5a、5bとのライン占有率をほぼ
同一に設定する通例とは反して、反射器5a、5bの占
有率RRをIDT電極2、3、4のライン占有率RTよりも
小さくすることにより、反射器のストップバンド幅が広
がり、フィルタの通過帯域が広帯域になることが分かっ
た。
【0010】そこで、さらに実験を進め、 電極膜厚H/
λを一定として反射器5a、5bのストップバンド幅Δ
f/f0とライン占有率RRとの関係を実験的に調べた。圧
電基板に39°Y-X LiTaO3を用い、IDT電極2の対数を
15.5対、IDT電極3、4の対数をそれぞれ9.5対、反
射器5a、5bの本数をそれぞれ150本、交差長を60
λ、電極膜厚H/λを6乃至9%λとし、IDT電極2、
3、4のライン占有率RTを70%、反射器5a、5bのラ
イン占有率RRを30%から50%まで変化させた。図2はそ
の結果の一部を示すものであり、この例は電極膜厚H/λ
を6%λとした場合であって反射器のライン占有率RR
役30%の時をピークとする上に凸の放物線を呈すること
が分かる。他の条件においてもライン占有率が50%より
小さいところでピークを呈することが確認された。ライ
ン占有率RRを35%の場合の二重モードSAWフィルタの
濾波特性を図3に示す。Aが通過帯域、Bが減衰特性で
ある。1dBの帯域幅として40.7MHz、挿入損失は1dB以下
であり、この帯域幅は従来の二重モードSAWフィルタ
の帯域幅に比べて約30%も広くなったことになる。
【0011】ここで、IDT電極2、3、4のライン占
有率RTを70%、反射器5a、5bのライン占有率RRを30
%から50%としたとき、IDT電極周期LTと反射器の周
期LRとの比LT / LRを0.960から0.971と小さい値に設定
することが必要であることが判明した。これはIDT電
極2、3、4のライン占有率RTを大きくしたため、該電
極により励起される1次、3次モードの共振周波数が下
がったことと、反射器5a、5bのライン占有率RRを小
さくしたため反射器5a、5bが形成するストップバン
ドの中心周波数が上昇したことから、1次、3次モード
の共振周波数を上記ストップバンド内に収容するために
は、1次、3次モードの共振周波数の中心周波数とスト
ップバンドの中心周波数とを一致させるべくIDT電極
周期LTと反射器の周期LRとの比LT / LRを従来よりも小
さくする必要があったからである。
【0012】ところで、反射器5a、5bのライン占有
率RR=(WR/( WR +SR))は、要求されるフィルタの特性
から例えば、二重モードSAWフィルタの通過域の平坦
性を重視する場合には反射器5a、5bのストップバン
ド幅を1次−3次の共振間隔よりもかなり広く設定する
ことにより可能となる。ストップバンド幅Δf/f0を広
げる手段は、反射器5a、5bのライン占有率RRとスト
ップバンド幅Δf/f0の関係からストップバンド幅Δf/
f0を最大になるように設定すればよい。
【0013】また、二重モードSAWフィルタの減衰特
性を重視した設計をする場合には、所望の帯域幅を決め
る1次−3次モードの共振周波数より僅かに広く反射器
5a、5bのストップバンド幅を設定すればよい。この
場合も、反射器5a、5bのライン占有率RRとストップ
バンド幅Δf/f0との関係から所望のストップバンド幅
Δf/f0を設定すればよい。このように本発明の特徴
は、一般的にIDTのライン占有率と反射器の占有率を
ほぼ同一としていた設計から、前記2つのライン占有率
を所望される二重モードSAWフィルタの特性に応じ
て、設定することにある。従って、広帯域のフィルタを
実現するためには、反射器の占有率をIDTのライン占
有率に比べ小さく設定し、反射器のストップバンド幅を
フィルタの要求内容に応じて適切に選ぶ点、更には反射
器のライン占有率を50%より小さくする点、即ち電極指
幅を電極指間隙よりも小さくした点に本発明の特徴があ
る。
【0014】また、IDT電極2、3、4が励起する1
次、3次共振周波数が反射器5a、5bの形成するスト
ップバンド幅に対し適切に配置されるように、IDT電
極2、3、4の周期LT及び反射器5a、5bの周期LR
比LT / LRの値が従来の一般的な例よりも小さな値、例
えば0.98以下といった値に設定することに大きな特徴が
ある。
【0015】以上の説明では1次−3次縦結合二重モー
ドSAWフィルタを例にして説明したが、1次−2次縦
結合二重モードSAWフィルタ、1次−2次−3次縦結
合三重モードSAWフィルタ、1次−3次−5次縦結合
三重モードSAWフィルタ等のいかなる多重モードフィ
ルタにも適用できることは云うまでもない。また、圧電
材料としてタンタル酸リチウムを用いて説明したが、ニ
オブ酸リチウム、四硼酸リチウム、ランガサイト等の他
の圧電材料にも適用できる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように所望のフ
ィルタ特性に応じて、IDT電極の対数とそのライン占
有率を設定すると共に、反射器のストップバンド幅を設
定したので、新しい広帯域の通信方式に適用する場合に
は、通過帯域幅が広く、且つ平坦である縦結合多重モー
ドSAWフィルタを構成することができた。本フィルタ
を新しい通信方式の携帯電話に用いれば携帯電話の通信
品質を著しく向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1次−3次縦結合二重モードSA
Wフィルタの電極構成を示す模式的平面図である。
【図2】ライン占有率W /(W+S)とストップバンド幅Δf
/f0との関係を示す曲線である。
【図3】本発明の電極構成を用いた1次−3次縦結合二
重モードSAWフィルタの濾波特性の一例である。
【図4】従来の1次−3次縦結合二重モードSAWフィ
ルタの電極構成を示す模式的平面図である。
【図5】電極膜厚H/λ、ライン占有率W /(W+S)を説明す
る図である。
【図6】1次−3次共振モードの周波数間隔のみを広く
し、反射器のストップバンド幅を元のままにした場合の
1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタの濾波特性
である。
【符号の説明】
1・・圧電基板 2、 3、4・・IDT電極 5a、5b・・反射器 WT・・IDT電極の電極指幅 ST・・ IDTの電極のスペース幅 wR・・反射器の電極指幅 SR・・反射器のスペース幅 Lt・・IDTの電極の周期 LR・・反射器の電極の周期
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−315886(JP,A) 特開 平7−283682(JP,A) 特開 平5−251988(JP,A) 特開 平10−276062(JP,A) 特開 昭61−288509(JP,A) 特開 平10−270983(JP,A) 特開 昭62−128605(JP,A) 森田孝夫 他3名,900MHz帯広帯 域2重モードSAWフィルタ,電子情報 通信学会論文誌,日本,1993年 2月25 日,Vol.J76−A,No.2,p p.227−235 Yasushi KURODA,e t.al,Wide Bandwidt h SAW Resonator Fi lter Using 36゜Y−XLi TaO3 Substrate,IEI CE TRANS.FUNDAMENT ALS,日本,VOL.E78−5,N O.5(1995.05),pp.566−568 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/25 H03H 9/145

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電基板上に複数のIDT電極を表面波の
    伝搬方向に配置すると共にその両側に反射器を配設して
    構成する縦結合多重モード表面波フィルタにおいて、
    記反射器のライン占有率を前記IDT電極のライン占有
    より小さくしたことを特徴とする広帯域表面波フィル
    タ。
  2. 【請求項2】圧電基板上に複数のIDT電極を表面波の
    伝搬方向に配置すると共にその両側に反射器を配設して
    構成する縦結合多重モード表面波フィルタにおいて、前
    記反射器のライン占有率を前記IDT電極の占有率より
    小さくし、且つ、前記反射器の電極指幅W を電極指間
    隙S より小さくしたことを特徴とする広帯域表面波フ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】IDT電極の電極指の周期をLとし、反
    射器の周期をLとした場合、前記反射器のストップバ
    ンドの中心周波数と前記縦結合多重モード表面波フィル
    タの中心周波数とがほぼ一致するように周期LとL
    との比を設定することを特徴とする請求項1または2記
    載の広帯域表面波フィルタ。
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Yasushi KURODA,et.al,Wide Bandwidth SAW Resonator Filter Using 36゜Y−XLiTaO3 Substrate,IEICE TRANS.FUNDAMENTALS,日本,VOL.E78−5,NO.5(1995.05),pp.566−568
森田孝夫 他3名,900MHz帯広帯域2重モードSAWフィルタ,電子情報通信学会論文誌,日本,1993年 2月25日,Vol.J76−A,No.2,pp.227−235

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