JP3280451B2 - 洗浄剤および洗浄方法 - Google Patents
洗浄剤および洗浄方法Info
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Description
して使用できるとともに、光学部品や電子部品などの被
洗浄物表面の汚れを拭き取り操作により除去する手拭き
の仕上げ洗浄に用いることが可能な洗浄剤および洗浄方
法に関する。
モールド部品、金属部品、セラミック部品などは、手拭
きによって表面汚れを除去することが行われる一方、光
学部品や電子部品は浸漬によって精密洗浄が行われ、こ
の精密洗浄では、浸漬および引き上げによって前工程で
使用した洗浄液を置換して除去する置換洗浄が行われて
いる。このような洗浄剤としては、従来より1,1,2
−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(フロ
ン113)が使用されている。これはフロン113が使
用されている。これはフロン113が不燃性である;生
体に対する毒性が低い;プラスチック、ゴムなどの高分
子材料を侵食しないが、油脂などを溶解するという選択
的溶解性を有する;乾燥速度が早い;などの優れた特性
を有しているためである。
燃化、脱脂力の向上のため、種々の混合物や共沸組成物
が開発されている。例えば、特開平1−318094号
公報には、洗浄溶剤としてフロン113とイソプロピル
アルコール、メチルエチルケトンとの混合物が記載され
ている。また、特開平2−289693号公報にはジク
ロロテトラフルオロプロパン(フロン234)とエタノ
ールなどの脂肪族低級アルコールとの共沸組成物が開示
されている。さらには、IPA、エタノールなどの脂肪
族低級アルコール、アセトンなどのケトン単体、エーテ
ル系も検討されている。
3などのパーハロエタンは化学的に特に安定であるため
対流圏内での寿命が長く、拡散して成層圏に達し、ここ
で太陽光線により分解して発生する塩素ラジカルがオゾ
ンと連鎖反応を起こし、オゾン層を破壊することから、
これらの使用の削減が求められている。このため既述の
ように、フロン113とパーハロエタン以外の有機溶剤
との共沸組成物を開発することにより、その使用量の削
減を図っているが、フロン113を必須とするため、そ
の使用量をある程度以上減らすことができない問題があ
る。また、フロン113に比べ、オゾン層の破壊性が比
較的小さいフロン234との共沸組成物も開発されてい
るが、オゾン層の破壊を完全になくすことはできない。
を用いた場合は、乾燥剤としての乾燥性に問題があると
ともに、ケトン系、エーテル系ではプラスチックなどの
素材を劣化させるため実用的でない。
たものであり、オゾン層を破壊することがないととも
に、プラスチック等の素材を侵すことなく、良好な洗浄
力を有し、しかも乾燥速度の優れた手拭き用の洗浄剤お
よび洗浄方法を提供することを目的とする。
浄方法は、ヘキサメチルジシロキサンとエタノールとの
共沸組成物の共沸点に対して沸点の増加が1.0℃未満
でかつ組成変化が5重量%未満となる、ヘキサメチルジ
シロキサン55.0〜70.0重量%と、エタノール3
0.0〜45.0重量%とからなる組成物を有効成分と
し、手拭きの仕上げ洗浄に使用するものである。手拭き
の仕上げ洗浄とは、洗浄剤を綿布やクリーニングペーパ
ーなどの浸し込ませ物に浸み込ませて被洗浄物の表面を
拭くことにより、表面の汚れを除去するものでる。
浄剤は、使用時の液管理が容易で、しかも容易に回収し
再生して循環使用できることが重要であり、さらには、
蒸気洗浄も可能であることが望ましい。このような要件
を充足するには、単に2成分以上を混合しただけで得る
ことができず、共沸点を有する状態、すなわち共沸状態
の組成となっていることが必要である。このような共沸
状態の組成は個々の成分の沸点と異なる一定の沸点を示
し、この沸点が低い場合には、揮発速度が向上する;蒸
発の結果として組成物または留出物の割合がほとんど変
化しない;等の優れた特性を有している。具体的には、
共沸点に対し、組成物の沸点の増加が1.0℃未満であ
り、かつ組成物の組成変化が5wt%以下である特性を
有している。
ヘキサメチルジシロキサン64.3〜63.3 wt
%、エタノール35.7〜36.7wt%であり、また
共沸様状態を有する組成は、ヘキサメチルジシロキサン
が70.0〜55.0wt%、エタノールが30.0〜
45.0wt%の範囲における上記共沸状態を除く組成
であり、この範囲以外の組成では上記特性は得られな
い。
成要素であるヘキサメチルジシロキサンは化学式(CH
3)3SiOSi(CH3)3で構成されており、この
うち、25℃における粘度が、0.65CStのものを
使用することができる。このヘキサメチルジシロキサン
は、生体への毒性が少なく、化学的に安定であり、プラ
スチックやゴム、金属、ガラスなどにほとんど影響を与
えることがない。しかも、塩素等のハロゲンを含んでい
ないためオゾン層への影響もない。他方の構成要素のエ
タノールについても周知の通り生体への毒性が少なく、
安全性が高い。従って、このような構成要素からなる共
沸組成物または共沸様組成物は部品の手拭き仕上げ洗浄
に好適に適用することができると共に、使用時の液管理
が容易で、かつ容易に回収、再使用でき、さらに蒸気洗
浄も可能となる。
るが、本発明の洗浄剤を安定させる効果が大きく、しか
も蒸留操作により同伴留出されるか共沸を形成する性質
のものが望ましい。また、本発明では溶解力を増大させ
るための溶剤を添加することができるが、この溶剤につ
いても安定剤と同様に、蒸留操作により同伴留出される
と共沸を形成する性質のものが望ましい。
留、吸着剤により精製し、不純物として混入しているヘ
キサメチルジシロキサンより揮発しにくい炭化水素系化
合物、粘度1CSt(25℃)以上のシロキサンなどを
除去した。これらの不純物は、被洗浄物上に残渣となる
可能性があるためである。この精製により得られたヘキ
サメチルジシロキサンの純度をガスクロマトグラフィで
分析したところ、99.0%以上であった。またこのヘ
キサメチルジシロキサンの粘度は0.65CSt(25
℃)であった。
ロキサンおよび純度99.5%以上のエタノールの10
0gをそれぞれ蒸留フラスコに入れて200gとし、理
論段数30段の精留塔を用いて常圧下で精留した。この
精留により71.4℃において共沸留分が得られた。そ
して、この留分をガスクロマトグラフィーにより分析し
たところ、ヘキサメチルジシロキサンが64.3〜6
3.3%で、エタノールが35.7〜36.7%の組成
であった。
方法で作成した共沸組成物に対し、安定剤および/また
は溶剤を添加することができる。安定剤としては、例え
ばジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテル類、ヘキセン、ペンタジエン、シクロヘキセ
ン、シクロペンテンなどの不飽和炭化水素類を単独ある
いは2種以上併用することができる。このような安定剤
を例えば、0.1〜10wt%添加することにより、性
能等の劣化が認められず、より安定化した特性を付与す
ることができる。
ソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン等の炭化水素類、
メタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルア
ルコール等の低級アルコール類、アセトン等のケトン類
等から選ばれる1種または2種以上を使用できる。この
溶剤の混合比は特に限定されないが、例えば、1〜20
wt%添加することにより、溶解力を増大させることが
できる。
0〜10.0%の範囲およびエタノールが1.0〜9
0.0wt%の範囲で、その配合比を1wt%こどに変
化させた混合物200gを作成し、これらの混合物の沸
点を測定した。結果を後述する表1の「蒸留前」の欄お
よび「観測沸点」の欄に示す。表1において、ヘキサメ
チルジシロキサンの配合比35.0wt%以上の混合物
は、実施例1の共沸組成物と同様に洗浄剤として適用で
きる共沸様組成物となっており、以下、実施例2の製造
物と記する。
浄剤においても、実施例1に示した安定剤および/また
は溶剤を添加することができる。
0〜10.0wt%の範囲およびエタノールが1.0〜
90.0wt%の範囲で、その配合比を1wt%ごとに
変化させた混合物200gを作成した。そして、これら
の混合物をそれぞれ蒸留フラスコに入れて単一蒸留し
た。また、この蒸留の際の蒸留前、留出物、蒸留残液を
ガスクロマトグラフィで分析した。結果を表1に示す。
させたものの内、一部のみを抽出して掲載してある。
ると、ヘキサメチルジシロキサンが70.0〜55.0
wt%、エタノール30.0〜45.0wt%の範囲に
おいて、5wt%以下の組成変化となっており、この5
wt%の組成変化の範囲内の留出物が共沸様組成物とし
て実施例1と同様に洗浄剤として適用することができ、
以下実施例3の製造物と記する。
と同様に安定剤および/または溶剤を添加することがで
きる。
の手拭き洗浄および検査について説明する。
および実施例3の製造物を、手押しポンプ付きのハンド
ラップ容器に入れ、手拭き洗浄剤として使用した。すな
わち、これらの組成物をハンドラップ容器からクリーン
ワイプ紙に適量浸み込ませ、光学芯取り加工後の芯取り
油が付着した光学レンズを手拭き洗浄した。その結果、
芯取り油を完全に除去することができ、しかも光学レン
ズにヤケの発生もない良好な仕上がりとなった。次に、
同様に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ガラ
スフィラー入りPC(ポリカーボネート)、PP(ポリ
プロピレン)およびABS(アクリルニトリル−ブタジ
エン−スチレン)からなるそれぞれのプラスチック板を
使用し、これらのプラスチック板の表面を手拭きにより
仕上げ洗浄した。その結果、いずれもプラスチック板に
対するアタック性等の問題がなかった。
×2mmの大きさの試験片をガラスビン内に入れ、表1
に示す組成液100gを充填し、常温常湿下に48時間
放置して取り出し、各試験片の重量変化および外観変化
を調べた。また、比較例としてエーテルとエタノール混
合液(エーテル:エタノール=3:1)およびダイフロ
ン(商品名)を同様に用いた。結果を表2に示す。同表
において、「○」は適量変化が1%未満でかつクラック
発生、溶解発生がなく、「△」は重量変化が1%未満で
かつクラック発生、溶解発生がなく、「×」は重量変化
が1%以上でかつクラック発生、溶解発生があった結果
を、それぞれ示す。なお、表2においてヘキサメチルジ
シロキサンとエタノールとの1wt%ごとの配合比の
内、一部のみを抽出掲載してある。
シロキサンとエタノールの組成物では、いずれも「○」
で良好な結果となっていた。
仕上げ洗浄用の洗浄剤および洗浄方法は、オゾン層等の
環境破壊がないとともに、使用時の液管理が容易であっ
て、プラスチック等の材料を侵すことがなく、洗浄物の
劣化および洗浄物への残渣が全くなく、また蒸発による
組成変化がなく、人体への毒性が少なくて安全性が高
く、さらには乾燥速度も優れるため、手拭きの仕上げ洗
浄用の洗浄剤および洗浄方法として優れた効果を発揮す
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 手拭きの仕上げ洗浄に用いる洗浄剤であ
り、ヘキサメチルジシロキサンとエタノールとの共沸組
成物の共沸点に対して沸点の増加が1.0℃未満でかつ
組成変化が5重量%未満となる、前記ヘキサメチルジシ
ロキサン55.0〜70.0重量%と、エタノール3
0.0〜45.0重量%からなる組成物を有効成分とす
ることを特徴とする洗浄剤。 - 【請求項2】 ヘキサメチルジシロキサンとエタノール
との共沸組成物の共沸点に対して沸点の増加が1.0℃
未満でかつ組成変化が5重量%未満となる、前記ヘキサ
メチルジシロキサン55.0〜70.0重量%と、エタ
ノール30.0〜45.0重量%からなる組成物を有効
成分とした洗浄剤を容器に入れ、この洗浄剤を綿布やペ
ーパー等の浸み込ませ物に浸し込ませて被洗浄物表面を
拭くことにより該表面の汚れを除去して洗浄することを
特徴とする手拭きの仕上げ洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4728693A JP3280451B2 (ja) | 1992-04-09 | 1993-02-12 | 洗浄剤および洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP11700992 | 1992-04-09 | ||
JP4-117009 | 1992-04-09 | ||
JP4728693A JP3280451B2 (ja) | 1992-04-09 | 1993-02-12 | 洗浄剤および洗浄方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0688098A JPH0688098A (ja) | 1994-03-29 |
JP3280451B2 true JP3280451B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=26387455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4728693A Expired - Lifetime JP3280451B2 (ja) | 1992-04-09 | 1993-02-12 | 洗浄剤および洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3280451B2 (ja) |
-
1993
- 1993-02-12 JP JP4728693A patent/JP3280451B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0688098A (ja) | 1994-03-29 |
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