JP3278695B2 - 開口枠 - Google Patents

開口枠

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JP3278695B2 JP09745893A JP9745893A JP3278695B2 JP 3278695 B2 JP3278695 B2 JP 3278695B2 JP 09745893 A JP09745893 A JP 09745893A JP 9745893 A JP9745893 A JP 9745893A JP 3278695 B2 JP3278695 B2 JP 3278695B2
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豊秋 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家屋の柱、まぐさ等の
軸組材に対して取り付けられるドア枠、引戸枠等の開口
枠に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、家屋の組立材についてのユニット
化がすすみ、ドア枠、引戸枠等の開口枠についても、一
定のサイズに規格化したものを工場で生産し、現場で
柱、まぐさ等の軸組材に取り付ける施工がなされてい
る。
【0003】従来、開口枠の取付施工については、柱等
が必ずまっすぐになっているとは限らないために、図8
に示すように、枠材310を組み立てて開口枠300を
つくり、柱330、まぐさ340等の軸組材又はかい木
350との間にそれぞれ1cm程度の隙間をあけて開口
枠300を立付け、下げ振り400を見ながら隙間に端
材となった木片360等を差し込んで枠材310がまっ
すぐなるように調整し、ビス又は釘により枠材310を
固定して開口枠300の取付施工がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな端材を利用した調整は微調整がきかず、又、現場で
適当な端材が見つからない場合もあり、施工作業を遅ら
せる要因ともなるいった問題があった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、その目的とするところは、枠材の取付調整が
容易に行え、かつ微調整も可能で、作業性良く取付施工
を行うことができる開口枠を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の採った手段について実施例に対応する図
面に用いた符号を付して以下に説明する。即ち、本発明
に係る開口枠100は、柱、まぐさ等の軸組材に対して
取り付けられるドア枠、引戸枠等の開口枠100であっ
て、出入り方向に徐々に傾斜した斜面111を有するス
ロープ部11を外側面の適宜箇所に備えた枠材10と、
スロープ部11内に挿入され、スロープ部11の斜面1
11に対応する傾斜面211を有するとともに、一端の
板厚がスロープ部11の溝深さより厚くなるように形成
して成る取付調整部材20と、を有することを特徴とし
ている。
【0007】
【作用】上記本発明に係る開口枠100にあっては、出
入り方向に徐々に傾斜した斜面111を有するスロープ
部11を備えた枠材10と、スロープ部11の斜面11
1に対応する傾斜面211を有するとともに、一端の板
厚がスロープ部11の溝深さより厚くなるように形成し
て成る取付調整部材20との構成により、図3に示すよ
うに、取付調整部材20が枠材10のスロープ部11内
に挿入されるにしたがって、取付調整部材20の傾斜面
211とは反対側の一側面212が、枠材10のスロー
プ部11内から外方に向かって徐々にせり出し、枠材1
0外側の隙間を埋めて柱等の軸組材又はかい木に一側面
212が当接するように作用する。したがって、スロー
プ部11内への取付調整部材20の挿入状態を調整する
ことによって枠材10がまっすぐなるように容易に取付
調整されるようになっている。そして、取付調整は、取
付調整部材20の傾斜面211の構成により無段階の調
整が可能であり、微調整も容易に行えるようになってい
る。
【0008】なお、本発明に係る開口枠100にあって
は、枠材10にスロープ部11を形成したことによっ
て、取付調整部材20の一側面212は常に枠材10の
外側面と平行状態に移動することとなり、枠材10の出
入り方向のうちの片側のみから取付調整部材20を挿入
する方法により開口枠の取付施工を行うことができる。
【0009】
【実施例】以下、図面について、本発明に係る開口枠の
実施例について説明するが、これは代表的なものを示し
たものであり、本実施例により本発明が限定されるもの
ではない。
【0010】図1はドア枠に適用した本発明に係る開口
枠100の一実施例を示したものであり、この開口枠1
00は、左右に設けられる堅枠101、102と上方に
設けられる上枠103とによる枠材10を有している。
これら堅枠101、102及び上枠103には図示しな
いが、内側面に戸当りが取り付けられ、又、両側縁には
額縁が取り付けられるようになっている。又、堅枠10
1、102間の下端には沓ずりが取り付けられるように
なっている。これらの部材は嵌め込み、ビス止め等によ
り現場において簡単に組み付けられるように構成されて
いる。なお、枠材10は、柱、まぐさ等の軸組材に対し
て取り付けられるが、これは軸組材に直接固定される場
合と、かい木等を介して間接的に取り付けられる場合と
の両者を含んでいる。
【0011】枠材10である堅枠101、102の外側
面には、出入り方向に徐々に傾斜した斜面111を有す
るスロープ部11が設けられており、このスロープ部1
1内には取付調整部材20が挿入されるようになってい
る。スロープ部11は適宜箇所に設けられているが45
cm程度の間隔をおいて設けられるのが適当である。な
お、この例では、スロープ部11は堅枠101、102
のみに設けられているが、上枠103に設けられていて
も良い。
【0012】取付調整部材20は、図2に示すように、
枠材10である堅枠101、102のスロープ部11の
斜面111に対応する傾斜面211を有し、一端の板厚
がスロープ部11の溝深さより厚くなるように形成され
ている。これにより、図3に示すように、取付調整部材
20が枠材10のスロープ部11内に挿入されるにした
がって、傾斜面211とは反対側の一側面212を、枠
材10のスロープ部11内から外方に向かって徐々にせ
り出させることができるようになっている。この取付調
整部材20には、ラワン等の南洋材が使用され、図6に
示すように、突出した両端部分は堅枠101、102の
幅にあわせて折り取られるため、ある程度割れ易く、木
目が揃って縦方向になるように作製されたものが好まし
い。なお、取付調整部材20は木製に限らず、合成樹脂
により作製されたものであっても良く、この場合は図7
に示すように、多数の切込み23を設けて切除しやすい
形態とするのが良い。
【0013】枠材10である堅枠101、102のスロ
ープ部11の斜面111及び取付調整部材20の傾斜面
211の傾斜角度は、枠材10の幅や取付調整部材20
の長さの程度にもよるが、10mm挿入すると1mm広
がる程度の傾斜角度のものが好ましい。この例では、1
13mm幅の堅枠101、102に対して、取付調整部
材20の長さが180mmで、そのうち挿入端から15
0mmの地点まで傾斜面211が形成され、残り30m
mは同じ板厚で形成されており、150mmの長さに対
して15mm板厚が厚くなるように形成されている。し
たがって、例えば、堅枠101、102の一側縁からス
ロープ部11の斜面111が形成されている場合、取付
調整部材20の挿入端の板厚が1mmであったとする
と、およそ0〜7mmの範囲で隙間調整が可能となる。
なお、取付調整部材20の挿入端の板厚を変更すれば隙
間調整の範囲を変えることができ、又、本発明では枠材
10のスロープ部11の斜面111及び取付調整部材2
0の傾斜面211の傾斜角度は、上記実施例に限定され
るものではない。なお、スロープ部11及び取付調整部
材20の幅は、約30〜45mm程度が適当であり、ス
ロープ部11と取付調整部材20との幅は1mm程度の
クリアランスを設けるのが好ましい。
【0014】図2、図3に示す実施例では、枠材10で
ある堅枠101、102のスロープ部11が設けられた
位置にビス取付孔12が設けられ、取付調整部材20の
傾斜面211には、ビス取付孔12に挿通されるビス8
0の通し部22が設けられており、取付調整部材20を
挟んで枠材10をビス止めして柱、まぐさ等の軸組材に
取付固定できるようになっている。ビス止めされる部分
は、取付調整部材20を挟んでいるので、ビス80を強
く締め付けてもそれによって枠材10がしなることはな
く、枠材10の正確な取付固定ができる。なお、通し部
22は、取付調整部材20の挿入端側に開放されている
が、これは、図3に示すように、ビス取付孔12にビス
80を挿通した状態で取付調整部材20をスロープ部1
1内に挿入可能とするためである。
【0015】さて、次にこのような開口枠100の取付
施工例について説明すると、まず、図4に示すように、
枠材10の堅枠101、102及び上枠103を組み立
て、さらに沓ずり104を取り付けて枠本体を作製し、
柱30又はかい木50との間に隙間を設けた状態に立付
ける。このとき、堅枠101、102は柱30又はかい
木50にビスで仮止めした状態とする。
【0016】その後、図5に示すように、堅枠101、
102のスロープ部11内に、スロープ部11の斜面1
11と取付調整部材20の傾斜面211とが向かい合う
ようにして、取付調整部材20を挿入し、下げ振り(図
示せず)を見ながら堅枠101、102がまっすぐなる
ように取付調整部材20の挿入状態を調整する。すなわ
ち、柱30又はかい木50が内側に出張った箇所では取
付調整部材20の挿入状態を浅くし、柱30又はかい木
50が外側に反った箇所では取付調整部材20の挿入状
態を深くする。又、柱30又はかい木50表面の凹凸に
合わせて取付調整部材20の挿入状態を浅くしたり、深
くしたりして取付調整する。こうして、調整ができた
ら、図6に示すように、取付調整部材20の突出した両
端部分は堅枠101、102の幅にあわせて金槌500
等を用いて折り取る。そして、堅枠101、102の両
側縁には額縁等を取り付ける。
【0017】なお、上記実施例はドア枠に適用した本発
明に係る開口枠100の一実施例を示したものである
が、本発明では、ドア枠に限らず、引戸枠、クローゼッ
ト等の開口枠についても同様に適用することができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る開口
枠は、出入り方向に徐々に傾斜した斜面を有するスロー
プ部を外側面の適宜箇所に備えた枠材と、スロープ部内
に挿入され、スロープ部の斜面に対応する傾斜面を有す
るとともに、一端の板厚がスロープ部の溝深さより厚く
なるように形成して成る取付調整部材との構成により、
枠材の取付調整が容易に行え、かつ微調整も可能で、作
業性良く取付施工を行うことができるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ドア枠に適用した本発明に係る開口枠の一実
施例を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す開口枠の要部斜視図である。
【図3】 同じく図1に示す開口枠の取付調整部材挿入
時の状態における要部斜視図である。
【図4】 開口枠の取付施工例の一工程を示す正面図で
ある。
【図5】 同じく開口枠の取付施工例の一工程を示す正
面図である。
【図6】 取付調整後の取付調整部材の後処理の作業例
を示す断面図である。
【図7】 取付調整部材の別例を示す平面図である。
【図8】 従来の開口枠の取付施工における一工程を示
す正面図である。
【符号の説明】
100 開口枠 10 枠材 11 スロープ部 111 斜面 12 ビス取付孔 20 取付調整部材 211 傾斜面 212 一側面 30,330 柱 340 まぐさ 350 かい木

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱、まぐさ等の軸組材に対して取り付け
    られるドア枠、引戸枠等の開口枠であって、 出入り方向に徐々に傾斜した斜面を有するスロープ部を
    外側面の適宜箇所に備えた枠材と、 前記スロープ部内に挿入され、スロープ部の斜面に対応
    する傾斜面を有するとともに、一端の板厚がスロープ部
    の溝深さより厚くなるように形成して成る取付調整部材
    と、を有することを特徴とする開口枠。
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