JP3278086B2 - 電子線描画方法及び電子線描画装置 - Google Patents

電子線描画方法及び電子線描画装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線描画方法及び電
子線描画装置に関し、特に、電子線干渉を用いて所定の
外形内の繰り返しパターンを効率的に描画できる電子線
描画方法及びそのための電子線描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子線を用いた描画装置において
は、例えば微細な回折格子状の繰り返しパターンを描画
する場合、描画装置によって細く絞られた電子ビームを
描画面上で順次掃引して描画する。しかしながら、この
方法は、各線を順に描画するため、描画面全体を描画す
るのに時間がかかると言う本質的問題がある。
【0003】これに対して、電子線干渉を利用して微細
な回折格子状の繰り返しパターンを一度に描画する方法
が提案されている(特開昭62−140485号)。こ
の方法は、電子線干渉を利用して、コヒーレントな電子
平面波を波面分割し(波面を光軸に垂直な線を境として
2分し)、分割された2つの波面を電子バイプリズムに
より相互に微小角度を持たせて干渉させ、その干渉パタ
ーンを電子線レジストを塗布した描画面に当てて面領域
を同時に描画する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この電
子線ホログラフィーを利用して描画する方法は、電子線
が高い空間コヒーレンシーを有することが必要であり、
そのためには、高価な電界放出型の電子銃が必要にな
り、かつ、このような電子銃を用いても、ビーム断面の
両端間の干渉性は充分でなく、そのため、描画に利用で
きる干渉パターンが得られる領域はビーム断面に比べて
狭く、したがって、描画速度が充分に速いとは言えな
い。しかも、この方法によって得られる干渉パターン領
域は、外縁が明確でなく、所定のシャープな外形領域内
にのみ干渉パターンを描画したい場合には、別のマスク
等を用いなけらばならず、描画プロセスが複雑になる問
題点もある。
【0005】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、任意形状のシャープな外形で
囲まれた領域内に回折格子状の繰り返しパターンを同時
に速く描画でき、しかも、干渉性の高い電子銃を用いな
くてもよい電子線描画方法とそのための電子線描画装置
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の電子線描画方法は、任意の形状を持つ開口を通る電
子線光束をビームスプリッタで相互に角度をなす2光束
に振幅分割し、その分割された2光束をバイプリズムで
相互に近づく方向に偏向して、開口と共役な描画面上で
角度をなして交差させて、分割された2つの開口像を描
画面上で重ね合わせることにより、開口像領域にのみそ
の外形によって明確に区分された干渉縞パターンを描画
することを特徴とする方法である。
【0007】この場合、異なる形状の開口を用いて複数
の干渉縞パターンを順次連結して描画することもでき
る。また、1つの開口を用いて形成された干渉縞パター
ンを露光しながら、干渉縞の方向に描画面を相対的に移
動することにより、所定ピッチの縞模様を描画すること
もできる。
【0008】また、本発明の電子線描画装置は、交換可
能な開口板と、前記開口板を照射する電子線源と、前記
開口板を描画面上に結像する結像電子光学系と、前記開
口板から描画面に至る光束中に配置され前記開口板を通
る電子線光束を相互に角度をなす2光路に振幅分割する
ビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにより分割
された2光束を相互に近づく方向に偏向して、前記描画
面上で角度をなして交差させて、分割された2つの開口
像を結像面上で重ね合わせるバイプリズムとからなるこ
とを特徴とするものである。
【0009】この場合、ビームスプリッタを電子線を回
折する単結晶板から構成し、バイプリズムを電子バイプ
リズムで構成するのが現実的であり、また、ビームスプ
リッタを中心軸方向に位置調節可能に構成し、かつ、バ
イプリズムの偏向角を調節可能に構成することが望まし
く、さらに、ビームスプリッタ及びバイプリズムを中心
軸の周りで一体に回転調節可能に構成するのが望まし
い。
【0010】
【作用】本発明においては、任意の形状を持つ開口を通
る電子線光束をビームスプリッタで相互に角度をなす2
光束に振幅分割し、その分割された2光束をバイプリズ
ムで相互に近づく方向に偏向して、開口と共役な描画面
上で角度をなして交差させて、分割された2つの開口像
を描画面上で重ね合わせることにより、開口像領域にの
みその外形によって明確に区分された干渉縞パターンを
描画するので、描画面上で相互に干渉する電子波は、開
口内の同じ位置から出た波であるから、電子線源として
干渉性の高いものを使用しなくてもよく、電界放出型の
電子銃でなく熱電子型の電子銃を用いても描画できる。
また、開口を通った電子は全て描画に利用できるため、
干渉縞は明るく強度の大きい一様なものとなり、描画速
度が従来の電子線干渉を利用する方法に比較して格段に
向上する。さらに、形成される干渉縞パターンの外形が
明確に区分され、しかも、開口形状として任意のものを
用いることができるので、描画できるパターンの自由度
が向上する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の電子線描画方法と電子線描画
装置の原理と実施例について、図面を参照にして説明す
る。
【0012】まず、本発明の描画方法の原理を簡単のた
めに光学的モデルを用いて説明する。図2は、この光学
的モデル図であり、レンズLを介して開口板Aと描画面
Pを共役に配置し、光源Sからの光で開口板Aを照明す
る。そして、開口板Aから描画面Pに至る光路中に、ウ
ォラストンプリズムのように分割された2光束の相対角
度が小さいビームスプリッタBSとそのより像側にフレ
ネルの複プリズムのようなバイプリズムBPを配置す
る。ここで、ビームスプリッタBS通過後の2つの光束
を1と2とし、それらの光束によって結像される開口板
Aの像をそれぞれA1 、A2 とする。また、光束1、2
がバイプリズムBPによって中心軸側に曲げられた後の
光束をそれぞれ1’、2’とし、それらの光束1’、
2’によって結像される開口板Aの像をそれぞれ
1 ’、A2 ’とすると、像A1 ’とA2 ’は合同にな
る。ビームスプリッタBSによる2光束1、2の相対角
度2θ1 とバイプリズムBPによる各光束1’、2’の
偏角θ2 を、描画面P上の開口板Aの像A1 ’、A2
が、図示のように完全に一致して重なるように定める
と、像面P上での両光束1’、2’の波面のなす角度
は、簡単な計算から2(θ2 −θ1)となり、かつ、光
源Sから光は一定の波長λ(エネルギーE〔eV〕の電
子線の波長は(150/E)1/2 で与えられる。)を有
するので、この波長λと波面相互のなす角度2(θ2
θ1 )とで与えられる一定のピッチの直線干渉縞(図示
の場合は、紙面に垂直な縞)が開口板Aの像A1 ’、A
2 ’領域内に形成される。しかも、この形成領域は、開
口板Aの像A1 ’、A2 ’の外縁によって明確に区分さ
れる内部領域であり、その外形内では一様な干渉縞が形
成される。また、像面Pで相互に干渉する光は、開口板
Aの開口内の同じ位置から出た光であるから、光源Sの
干渉性は高くなくともよく、したがって、干渉縞は一様
な明るさとなり、かつ、光源Sから出た光を全て利用す
ることができるので、強度の高い干渉縞となり得る。
【0013】干渉縞の方向、ピッチ、位相を変化させる
には、種々の方法が考えられるが、方向は、例えばビー
ムスプリッタBSとバイプリズムBPを中心軸の周りで
回転させればよい。また、そのピッチは、光源Sの波長
を変えればよいが、電子線の場合、電子線のエネルギー
を変化させると、レンズLの励磁電流も変化させなけれ
ばならないので、開口板Aと描画面Pの共役関係を保持
したまま、ビームスプリッタBSの中心軸方向の位置を
変え、それに伴って描画面P上の像A1 ’、A2 ’が一
致するように、バイプリズムBPの偏角が変わるように
その電位を変える。また、干渉縞の位相を変化させるた
めには、例えば開口板A、ビームスプリッタBS又はバ
イプリズムBPを中心軸に垂直な方向に微調節すればよ
い。また、偏向系を光路中に設けその偏向角を僅かに変
えてもよい。
【0014】また、開口板Aの照明光束の形状について
は、格別限定されないが、図2に示すように、バイプリ
ズムBP位置において、ビームスプリッタBSにより分
割された光束1、2の径が最も小さくなるように、光源
SとバイプリズムBPの位置を決めるのが望ましく、ま
た、光源Sからの可能な限り多い光束が開口板Aの開口
を通過できるようにすることが望ましい。図示のよう
に、レンズLの像側にビームスプリッタBSとバイプリ
ズムBPを配置する場合、開口板Aを発散光束で照明
し、その発散点の像がバイプリズムBP近傍に結像され
るようにするのが望ましい。
【0015】なお、レンズLの位置については、必ずし
も図示のようにビームスプリッタBSの光源S側である
必要はなく、ビームスプリッタBSとバイプリズムBP
の間、又は、バイプリズムBPの像側、さらには、複数
の位置に配置してもよく、また、その結像倍率も、拡
大、等倍、縮小何れになるように配置してもよい。
【0016】さて、上記のような光学的モデルで表すこ
とができる本発明の電子線描画方法を実施する電子線描
画装置の1実施例について、図1の断面図を参照にして
説明する。図1において、電子線源側から、電子銃E
G、第1コンデンサーレンズCL1 、交換可能な開口板
AP、第2コンデンサーレンズCL2 、電子線を回折す
る結晶CR、電子バイプリズムEBP、対物レンズO
b、電子線レジストが表面に塗ってある被描画基板S
B、基板SBを載置して光軸方向及びそれに直交する2
軸に沿って移動可能なステージSTからなり、第1コン
デンサーレンズCL1は、図2の光源Sに相当する位置
に電子銃EGから出た電子ビームを集束するものであ
り、第2コンデンサーレンズCL2 と対物レンズObの
合成結像系が図2のレンズLの結像作用をする。そし
て、この合成結像系により開口板APの像が被描画基板
SB上に結像されるようにステージの高さが調節され
る。結晶CRは、Si、GaAs等の格子欠陥のない単
結晶板からなり、単結晶板の厚さやビームに対する傾斜
角を適当に選ぶと、回折1時ビームが直進0次ビームと
同程度の強度に励起される条件が達成されもので(図1
では、両ビーム共偏向されているが、実際は回折ビーム
のみが偏向される。)、図2のビームスプリッタBSの
作用をする。また、電子バイプリズムEBPは、図2の
バイプリズムBPの作用をする。そして、結晶CRによ
って分けられた2つのビームの相対角度2θ1 と電子バ
イプリズムEBPによる各ビームの偏角θ2 を、描画面
P(開口板APと共役な面)上の2つのビームによる開
口板APの像が完全に一致するように定める。
【0017】このように配置すると、図2を参照にした
原理の説明で述べたように、電子線の波長と基板SB上
での2つの電子ビームの波面相互のなす角度2(θ2
θ1)とで与えられる一定のピッチの一様な明るさの直
線干渉縞(図示の場合は、紙面に垂直な縞)が、開口板
APの開口像内領域にのみその外縁によって明確に区分
されて形成される。その例を図3に示す。図3(a)
は、開口板APとして横長の矩形開口板を用いて図1の
横方向からその長辺方向に沿って挿入し、結晶CR及び
電子バイプリズムEBPを系の中心軸の周りで90°回
転させて描画する場合に形成される描画パターンであ
り、図3(b)は、直角二等辺三角形の開口板をその1
つの短辺を手前にし斜辺が右下がりになるようにしてそ
の短辺に沿って図1の横方向から挿入し、結晶CR及び
電子バイプリズムEBPを図3(a)の場合と同様にし
て形成される描画パターンであり、図3(c)は、図3
(b)と同様な直角二等辺三角形の開口板を上下逆転さ
せて今度はその1つの短辺を向う側にしてその辺に沿っ
て図1の横方向から挿入し、結晶CR及び電子バイプリ
ズムEBPを図1の状態にして描画する場合に形成され
る描画パターンであり、さらに、図3(d)は、縦長の
矩形開口板を用いて図1の横方向からその短辺方向に沿
って挿入し、結晶CR及び電子バイプリズムEBPを図
3(c)の場合と同様にして形成される描画パターンで
ある。なお、これらの場合、何れも干渉縞は同じピッチ
にしてある。
【0018】このように、図1のような電子描画装置を
用いて、任意の開口パターンを有する開口板APを通る
1つの光束を結晶CRを用いたビームスプリッタで相互
に角度をなす2光束に振幅分割し、その分割された2光
束を電子バイプリズムEBPによるバイプリズムで相互
に近づく方向に偏向して、開口板APと共役な結像面上
で角度をなして交差させて、分割された2つの開口板A
Pの像を結像面上で重ね合わせることにより、開口板A
Pの開口像内領域にのみその外形によって明確に区分さ
れた一定ピッチの一様な明るさの直線干渉縞パターンを
同時に描画することができる。そして、この方法におい
ては、像面P上で相互に干渉する電子波は、開口板AP
の開口内の同じ位置から出た波であるから、電子銃EG
の干渉性は高くなくともよく、電界放出型の電子銃でな
く熱電子型の電子銃を用いても描画できる。また、同じ
理由で、開口板APを通った電子は全て描画に利用でき
るため、干渉縞は明るく強度の大きい一様なものとな
り、描画速度が従来の電子線干渉を利用する方法に比較
して格段に向上する。
【0019】さて、このような描画方法及び装置におい
て、描画される干渉縞の方向、ピッチ、位相を変化させ
るには、原理の説明で言及したように、種々の方法が考
えられるが、方向は、例えば結晶CRと電子バイプリズ
ムEBPを中心軸の周りで回転させればよい。また、そ
のピッチは、電子銃EGからの電子のエネルギーを変え
る代わりに、開口板APと描画面Pの共役関係を保持し
たまま、結晶CRの中心軸方向の位置を変え、それに伴
って電子バイプリズムEBPの偏角が変わるようにその
電位を変える。また、干渉縞の位相を変化させるために
は、例えば開口板AP、結晶CR又は電子バイプリズム
EBPを中心軸に垂直な方向に微調節すればよい。ま
た、偏向系を光路中に設けその偏向角を僅かに変えても
よい。
【0020】また、開口板APに照射する電子ビームの
形状については、格別限定されないが、図1に示すよう
に、電子バイプリズムEBP位置において、結晶CRに
より分割されたビームの径が最も小さくなるように、開
口板APの上流で集束するようにするのが望ましく、ま
た、電子銃EGから可能な限り多い電子が開口板APの
開口を通過できるようにすることが望ましい。図1のよ
うに、合成レンズの像側に結晶CRと電子バイプリズム
EBPを配置する場合、開口板APを発散光束で照明
し、その発散点の像が電子バイプリズムEBP近傍に結
像されるようにするのが望ましい。なお、各レンズCL
1 、CL2 、Obの位置については、必ずしも図示のよ
うである必要はなく、また、数も図示に限定されるもの
ではない。また、その結像倍率も、拡大、等倍、縮小何
れになるように配置してもよい。
【0021】ところで、図3に示したような4つの描画
パターンを組み合わせて、例えば図4に示したような配
線パターンを描画することができる。図4の配線パター
ンの中、符号a〜dで示した領域はそれぞれ図3(a)
〜(d)のパターンに相当し、それらをズレなく連続に
接続して描画することにより、図4の配線パターンが作
成される。この描画の際、図1の開口板APは描画位置
に応じて交換され、また、各開口板APに応じて結晶C
R及び電子バイプリズムEBPが中心軸の周りで回転さ
れる。また、基板SBを載置しているステージSTも対
応して移動される。
【0022】また、別の例として、直角二等辺三角形の
開口板を1枚用い、その斜辺に平行に一定ピッチの干渉
縞を形成するように描画装置を配置し、直角二等辺三角
形の直角の頂点を中心に90°ずつ回転させて4つの干
渉縞パターンをつなぐと、図5に示したような渦巻きパ
ターンができる。ただし、各直角二等辺三角形の干渉縞
パターンは向きが90°異なる毎に位相が1/4波長ず
つズレるように構成されている。図5のような渦巻きパ
ターンは平面電磁コイルとして用いることができる。
【0023】さらに、例えば図3に示したような何れか
の干渉縞パターンを露光しながら、干渉縞の方向に描画
装置と基板SBを相対的に移動することにより、所定ピ
ッチの長い直線格子模様が作成できる。その際、開口板
APの開口が幅の狭いスリットでそのスリットが干渉縞
に直交している場合には、相対移動軌跡が直線以外の曲
線でも、平行に走る縞模様が描画できる。
【0024】なお、本発明の描画方法によると100Å
程度の細線まで容易に描画できる。以上、本発明の電子
線描画方法及び電子線描画装置を実施例に基づいて説明
してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の
変形が可能である。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電子線描画方法及び電子線描画装置によると、任意の
形状を持つ開口を通る電子線光束をビームスプリッタで
相互に角度をなす2光束に振幅分割し、その分割された
2光束をバイプリズムで相互に近づく方向に偏向して、
開口と共役な描画面上で角度をなして交差させて、分割
された2つの開口像を描画面上で重ね合わせることによ
り、開口像領域にのみその外形によって明確に区分され
た干渉縞パターンを描画するので、描画面上で相互に干
渉する電子波は、開口内の同じ位置から出た波であるか
ら、電子線源として干渉性の高いものを使用しなくても
よく、電界放出型の電子銃でなく熱電子型の電子銃を用
いても描画できる。また、開口を通った電子は全て描画
に利用できるため、干渉縞は明るく強度の大きい一様な
ものとなり、描画速度が従来の電子線干渉を利用する方
法に比較して格段に向上する。さらに、形成される干渉
縞パターンの外形が明確に区分され、しかも、開口形状
として任意のものを用いることができるので、描画でき
るパターンの自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子線描画方法を実施する電子線描画
装置の1実施例の断面図である。
【図2】本発明の描画方法の原理を説明するための光学
的モデル図である。
【図3】本発明の描画方法により描画された干渉縞パタ
ーンの例を示す図である。
【図4】図3のパターンを連結して描画された配線パタ
ーンを示す図である。
【図5】本発明の描画方法により描画された渦巻きパタ
ーンを示す図である。
【符号の説明】
L…レンズ A…開口板 P…描画面 S…光源 BS…ビームスプリッタ BP…バイプリズム A1 、A2 、A1 ’、A2 ’…開口板の像 EG…電子銃 CL1 …第1コンデンサーレンズ AP…開口板 CL2 …第2コンデンサーレンズ CR…結晶 EBP…電子バイプリズム Ob…対物レンズ SB…被描画基板 ST…ステージ 1、2、1’、2’…光束 a〜d…干渉縞パターン

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の形状を持つ開口を通る電子線光束
    をビームスプリッタで相互に角度をなす2光束に振幅分
    割し、その分割された2光束をバイプリズムで相互に近
    づく方向に偏向して、開口と共役な描画面上で角度をな
    して交差させて、分割された2つの開口像を描画面上で
    重ね合わせることにより、開口像領域にのみその外形に
    よって明確に区分された干渉縞パターンを描画すること
    を特徴とする電子線描画方法。
  2. 【請求項2】 異なる形状の開口を用いて複数の干渉縞
    パターンを順次連結して描画することを特徴とする請求
    項1記載の電子線描画方法。
  3. 【請求項3】 1つの開口を用いて形成された干渉縞パ
    ターンを露光しながら、干渉縞の方向に描画面を相対的
    に移動することにより、所定ピッチの縞模様を描画する
    ことを特徴とする請求項1記載の電子線描画方法。
  4. 【請求項4】 交換可能な開口板と、前記開口板を照射
    する電子線源と、前記開口板を描画面上に結像する結像
    電子光学系と、前記開口板から描画面に至る光束中に配
    置され前記開口板を通る電子線光束を相互に角度をなす
    2光路に振幅分割するビームスプリッタと、前記ビーム
    スプリッタにより分割された2光束を相互に近づく方向
    に偏向して、前記描画面上で角度をなして交差させて、
    分割された2つの開口像を結像面上で重ね合わせるバイ
    プリズムとからなることを特徴とする電子線描画装置。
  5. 【請求項5】 前記ビームスプリッタが電子線を回折す
    る単結晶板からなり、前記バイプリズムが電子バイプリ
    ズムからなることを特徴とする請求項4記載の電子線描
    画装置。
  6. 【請求項6】 前記ビームスプリッタが中心軸方向に位
    置調節可能に構成され、かつ、前記バイプリズムの偏向
    角が調節可能に構成されていることを特徴とする請求項
    4又は5記載の電子線描画装置。
  7. 【請求項7】 前記ビームスプリッタ及びバイプリズム
    が中心軸の周りで一体に回転調節可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項4から6の何れか1項記載の電
    子線描画装置。
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