JP3277491B2 - 符号化装置および方法、並びに復号装置および方法 - Google Patents

符号化装置および方法、並びに復号装置および方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、符号化装置および
方法、並びに復号装置および方法に関し、例えば、画像
信号をアナログもしくはデジタルの電話回線、または専
用のデータ伝送回線などの種々の転送レートを持った伝
送装置を使って伝送したり、また、光/磁気ディスクや
RAM(random access memory)などの種々の記憶容量
を持った蓄積メディアに記録する場合に、画像を効率的
に符号化するとともに、より良好な画質が得られるよう
にした符号化装置および方法、並びに復号装置および方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】2値画像の1つにハードキー信号(また
は単にキー信号)がある。ハードキー信号は、物体の形
状を、その物体の内側であるか外側であるかによって2
値で表現するもので、例えば画像中の興味のある物体を
その形状に応じて切り出して、他の背景画像に合成する
ために使用される。また、ハードキー信号で切り取られ
る画像はフィル画像(またはテクスチャ画像)と呼ばれ
る(図17参照)。
【0003】このハードキー信号を用いると、画像を、
重要な物体と背景とに分け、重要な物体は細かく、背景
は荒く量子化して符号化し、それぞれを復号してハード
キー信号によって合成することができる。この物体(オ
ブジェクト)毎に別々に行う符号化は、オブジェクトス
ケーラブルな符号化と呼ばれる。
【0004】オブジェクトスケーラブルな符号化の利点
としては、背景を荒く量子化したことによる符号の減少
分を、重要な物体を細かく量子化するために用いること
により、同じ符号発生量で主観的な画質を向上できると
いうことがある。また、複数の物体のうち、利用してい
る回線の容量の許す範囲で興味のある物体を優先してダ
ウンロードすることができるという利点もある。そのた
めこのハードキー信号を効率的に符号化する方法が重要
となっている。
【0005】一方、入力画像を空間的スケーラブルに符
号化すると、すなわち、一部分を復号することにより低
解像度の画像(下位の階層の画像)が得られ、全体を復
号することにより元の高解像度の画像(上位の階層の画
像)が得られるように符号化すると、図18に示すよう
に、複数の空間的な解像度の表示装置への表示に対応す
ることができる。画像を空間的スケーラブルに符号化す
ると、下の階層の画像についての情報を上の階層の画像
の符号化に用いることが出来るため、各解像度の画像を
別々に符号化したときより符号発生量を少なく出来ると
いう利点がある。
【0006】以上のように、画像中の物体毎にその重要
度に応じて画質と符号発生量の制御を可能とするため
に、ハードキー信号を効率よく符号化することが重要で
ある。また、符号化効率を低下させることなく空間的ス
ケーラブルに符号化し、複数の解像度での復号が出来る
ならば更に望ましい。
【0007】図19は、ハードキー信号などの2値画像
(但し、1階層の2値画像)を算術符号を用いて空間的
スケーラブルに効率よく符号化する従来の画像符号化装
置の例を示している。
【0008】ここで、算術符号とは、区間[0,
1)(”[”は境界上の値を含み、”)”は境界上の値
を含まない。つまり、0≦x<1をみたすxの存在する
区間)に対し、各シンボル(0または1)の生起確率に
比例した分割を行い、部分区間に符号化対象のシンボル
を対応づけることを、シンボルの系列に対して再帰的に
繰り返して得た区間内に含まれる点の座標を、少なくと
も他の区間と区別できるような2進小数で表現した場合
の小数部を符号とするものである。
【0009】例えば、図20に示すように、[0,1)
が母区間とされる。そして、この母区間が入力された
(符号化されるべき)シンボル(0または1)の生起確
率に比例して分割される。例えば、シンボル0の生起確
率がP0、シンボル1の生起確率がP1(=1−P0)と
すると、[0,1)の母区間が[0,P0)の部分区間
と、[P0,1)の部分区間に分割される。そして、い
ま、符号化されるべきシンボルとして0が入力されたと
すると、このシンボル0に対応する部分区間[0,
0)が選択される。
【0010】次に、選択された部分区間[0,P0
が、さらにシンボル0とシンボル1の生起確率に対応し
て分割される。これにより、部分区間[0,P0×P0
と、部分区間[P0×P0,P0)が得られる。そして、
次に符号化されるべきシンボルが入力されたとき、この
2つの部分区間のうちの、シンボルに対応する方が選択
される。例えば、いま、シンボル1が入力されたとする
と、部分区間[P0×P0,P0)が選択される。
【0011】そして、さらに、上述した場合と同様にし
て、いま選択された部分区間[P0×P0,P0)が、シ
ンボル0とシンボル1の生起確率に対応してさらに区分
される。これにより、部分区間[P0×P0,P0×P0×
0)と、部分区間[P0×P0×P0,P0)が得られ
る。そして、次に符号化されるべきシンボルに対応する
方の部分区間が2つの部分区間の中から選択される。例
えば、いま、シンボル0が符号化されるべきデータとし
て入力されたとすると、部分区間[P0×P0,P0×P0
×P0)が選択される。
【0012】例えば、P0=1/3、P1=2/3である
とすると、最後に選択された部分区間は、[1/9,5
/27)となる。算術符号化においては、この部分区間
に含まれる点の座標を2進小数で表現した場合の小数部
が符号とされるのであるが、一意に復号できるようにす
るためには、他の部分区間と区別できさえすればよい。
そこで、この場合、2進数表現では、この部分区間は、
[0.000111・・・,0.001011・・・)
と表されるので、その間の所定の値(例えば、0.00
100)の小数部00100が、入力されたデータ(0
10)に対応する符号とされる。
【0013】図19の画像符号化装置は、高解像度の階
層と低解像度の階層のうちの1つの階層の画像を符号化
するものである。画像入力端子1から入力された入力画
像は入力画像フレームメモリ2に蓄えられる。符号化さ
れる画素が入力フレームメモリ2から算術符号化器3に
送られる。また、局所復号画像の参照画素が局所復号画
像フレームメモリ6から生起確率テーブル7に送られ
る。生起確率テーブル7には、符号化する画素(注目画
素)の生起確率が、注目画素に対応する参照画素(注目
画素の周辺の画素により構成される)の組み合わせに対
応して規定されている。生起確率テーブル7は、入力さ
れた参照画素に対応する生起確率を読み出し、算術符号
化器3に出力する。算術符号化器3は、読み出された生
起確率に基づいて、入力された画素を算術符号化する。
そして、生成された符号が算術復号器5に送られるとと
もに、符号出力端子4に出力される。算術復号器5で
は、生起確率テーブル7から読み出された生起確率を用
いて、符号を復号した結果を局所復号画像フレームメモ
リ6に書き込む。
【0014】図19と同様の構成の装置が画像の階層の
数だけ用いられ、各装置で異なる空間的解像度の画像が
符号化され、空間的に階層的な符号が得られる。
【0015】以上のようにして得られた符号を復号する
装置の構成例が図21に示されている。この画像復号装
置も、1つの階層の画像を復号するものである。符号入
力端子11から入力された注目画素の符号は、算術復号
器12に送られる。復号画像上の注目画素に対応する参
照画素が、復号画像フレームメモリ14から生起確率テ
ーブル15に供給される。生起確率テーブル15には、
注目画素に対応する生起確率が参照画素の組み合わせに
対応して規定されている。生起確率テーブル15は、入
力された参照画素に対応する生起確率(注目画素に対応
する生起確率)を読み出し、算術復号器12に出力す
る。算術復号器12は、符号入力端子11より入力され
た符号を、生起確率テーブル15より供給された生起確
率に対応して復号する。この復号結果は、復号画像出力
端子13から出力されるとともに、復号画像フレームメ
モリ14に供給され、記憶される。
【0016】この図21と同様の構成の装置が、階層の
数だけ用いられ、各装置で異なる空間的解像度の画像が
復号されて、空間的に階層的な符号が復号される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図22乃至図24は、
以上のようにして符号化した画像データを復号化した場
合の各解像度の階層の画像を表している。図22は下位
復号画像、図23は中位復号画像、そして、図24は上
位復号画像を、それぞれ表している。
【0018】図22において、〈1〉として示す画素
は、孤立点となっている。すなわち、周囲の画素は0で
あるのに対して、この点だけが1となっている。従来の
装置では、このような孤立点、または孤立的な点もその
まま符号化され、復号化される。
【0019】この孤立点のデータ(1)は、図22を、
図23および図24と比較して明らかなように、正しい
データであって、誤ったデータではない。しかしなが
ら、この図22に示すような下位復号画像を時間的に隣
接する他の下位復号画像と連続して再生すると、この孤
立点が異常な画像として見え、画像が見苦しくなる課題
があった。さらに、この孤立点の符号化には、多くの符
号量が必要となる課題もあった。
【0020】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、符号量を少なくするとともに、主観的に良
好な画質が得られるようにするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の符号化
装置は、下位画像符号化手段と上位画像符号化手段の少
なくとも一方が、2値画素データが第1の値であるとい
う生起確率を、下限閾値または上限閾値と比較する比較
手段と、生起確率が下限閾値よりも小さいとき、2値画
素データの画素値を第2の値として符号化し、生起確率
上限閾値より大きいとき、2値画素データの画素値を
第1の値として算術符号化する算術符号化手段とを備え
ることを特徴とする。
【0022】上記第1の値は1とし、第2の値は0とす
るようにすることができる。
【0023】請求項3に記載の符号化方法は、下位画像
符号化手段と上位画像符号化手段の少なくとも一方は、
2値画素データが第1の値であるという生起確率を、
限閾値または上限閾値と比較し、生起確率が下限閾値よ
り小さいとき、2値画素データの画素値を第2の値とし
て符号化し、生起確率が上限閾値より大きいとき、2値
画素データの画素値を第1の値として算術符号化するこ
とを特徴とする。
【0024】第4の請求項に記載の復号装置は、下位画
復号手段と上位画像復号手段の少なくとも一方が、
号化された2値画素データが第1の値であるという生起
確率を、下限閾値または上限閾値と比較する比較手段
と、生起確率が下限閾値より小さいとき、2値画素デー
タの画素値を第2の値として復号し、生起確率が上限
値より大きいとき、2値画素データの画素値を第1の値
として算術復号する算術復号手段とを備えることを特徴
とする。上記第1の値は1であり、第2の値は1とする
ようにすることができる。請求項6に記載の復号方法
は、下位画像復号手段と上位画像復号手段の少なくとも
一方が、符号化された2値画素データが第1の値である
という生起確率を、下限閾値または上限閾値と比較し、
生起確率が下限閾値より小さいとき、2値画素データの
画素値を第2の値として復号し、生起確率が上限閾値よ
り大きいとき、2値画素データの画素値を第1の値とし
算術復号することを特徴とする。
【0025】請求項1に記載の符号化装置および請求項
3に記載の符号化方法においては、2値画素データが
1の値であるという生起確率が、下限閾値または上限閾
と比較され、生起確率が下限閾値よりも小さいとき、
2値画素データの画素値が第2の値として符号化され、
生起確率が上限閾値より大きいとき、2値画素データの
画素値が第1の値として算術符号化される。
【0026】請求項4に記載の復号装置および請求項6
に記載の復号方法においては、符号化された2値画素デ
ータが第1の値であるという生起確率が、下限閾値また
上限閾値と比較され、生起確率が下限閾値より小さい
とき、2値画素データの画素値が第2の値として復号さ
れ、生起確率が上限閾値より大きいとき、2値画素デー
タの画素値が第1の値として算術復号される。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下、図面とともに詳細に説明する。
【0028】ここでは、符号化する画像の横、縦の画素
数をそれぞれ、W、Hとし、W、Hはともに偶数である
とする。W、Hが偶数ではない場合、画枠を1画素だけ
拡張することにする。拡張された画素の値は0であると
する。また、画像の各画素の値をP(x,y)、x=
{0,1,・・・,W−1},y={0,1,・・・,
H−1}で表す。xは画像の左端からの変位、yは画像
の上端からの変位の量である。
【0029】図1は、入力された2値画像を空間的な解
像度について3つの階層に分けて符号化する本発明の符
号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図であ
る。3つの階層の画素の関係を図2に示す。同図に示す
ように、どの階層の画像も相対的に上の階層の画像の一
部になっている。下位画像の画素は入力画像の画素の1
/4を占めており、縦横それぞれ1つおきに並んでい
る。
【0030】中位画像の画素は入力画像の画素の1/4
と、下位画像の画素とからなり、市松模様に並んでい
る。上位画像の画素は入力画像の画素の1/2と、中位
画像の画素とからなり、入力画像と一致する。また、各
階層の画像の半分の画素は、相対的に下の階層の画像の
画素となっている。
【0031】フレームメモリ32は、入力画像フレーム
メモリ32Aと局所復号画像フレームメモリ32Bとに
より構成され、入力画像フレームメモリ32Aは、画像
入力端子31より入力された画像を記憶するようになさ
れている。下位画像符号化器35は、入力画像を構成す
る各画素P(x,y)のうち、x,yがともに偶数であ
る画素の値を符号化するようになされている。下位画像
局所復号器38は、下位画像符号化器35によって符号
化された符号を復号し、局所復号画像フレームメモリ3
2Bに書き戻すようになされている。中位画像符号化器
34は、画素P(x,y)のうち、x,yがともに奇数
である画素を符号化するようになされている。中位画像
局所復号器37は、中位画像符号化器34より出力され
た符号を復号し、局所復号画像フレームメモリ32Bに
書き戻すようになされている。上位画像符号化器33
は、画素P(x,y)のうち、x+yが奇数となる画素
を符号化するようになされている。上位画像局所復号器
36は、上位画像符号化器33によって符号化された符
号を復号し、局所復号画像フレームメモリ32Bに書き
戻すようになされている。
【0032】多重化器39は、下位画像符号化器35、
中位画像符号化器34、および上位画像符号化器33よ
り出力された符号を多重化し、階層符号出力端子40よ
り出力するようになされている。
【0033】次に、その動作について説明する。画像入
力端子31から入力された入力画像は入力画像フレーム
メモリ32Aに蓄えられる。下位画像符号化器35で
は、入力画像フレームメモリ32Aより入力される画素
P(x,y)のうち、x,yがともに偶数である画素を
符号化する。符号化方法としては、どのような方法を用
いても構わない。出力された符号は下位画像局所復号器
38で復号され、局所復号画像フレームメモリ32Bに
書き戻される。なお、最下層を含む各階層の符号化処理
の詳細については、図6を参照して後述する。
【0034】下位画像符号化器35における符号化、お
よび下位画像局所復号器38における復号が終わった
後、中位の画像が処理される。中位画像符号化器34で
は、入力画像フレームメモリ32Aより入力される画素
P(x,y)のうち、x,yがともに奇数である画素
を、x+y×Wの値の小さいものから、つまり、画像を
上のラインから下のラインへの順序で、1つのラインの
中では左の画素から右の画素へという順序で、局所復号
画像フレームメモリ32Bより供給される参照画像を参
照して符号化する。中位画像符号化器34から出力され
た符号は、出力された順に中位画像局所復号器37で復
号され、復号された画素値は局所復号画像フレームメモ
リ32Bに書き込まれる。
【0035】図2に示したように、中位の画像の画素の
数は、入力画像の画素の数の1/2であるが、そのうち
の1/2を下位の画像の画素が占める。下位の画像の画
素は既に符号化されているため、中位の画像を符号化す
るために実際に符号化する画素は、中位の画像の画素の
1/2だけでよい。
【0036】中位画像符号化器34における符号化の方
法の詳細は以下の通りである。すなわち、入力画像フレ
ームメモリ32Aより入力される注目画素P(x,y)
の符号化に際して参照される画素は、下位の階層の画素
であり、下位画像符号化器35および下位画像局所復号
器38によって、既に符号化および復号が終わってお
り、局所復号画像フレームメモリ32Bに記憶されてい
る画素P(x−1,y−1)、P(x+1,y−1)、
P(x−1,y+1)、P(x+1,y+1)と、同じ
中位の階層の画素で、符号化しようとする注目画素P
(x,y)に対して画像の上側または左側に位置してい
るため、中位画像符号化装置34および中位画像局所復
号器37によって既に符号化および復号が終わってお
り、局所復号画像フレームメモリ32Bに記憶されてい
る画素P(x,y−2)、P(x−2,y)である。
【0037】これらの画素の位置関係を図3に示す。画
素P(x,y)の符号化は、これらの6画素をコンテキ
スト(参照画素)として用いた適応算術符号化によって
行われる。即ち、その6つの2値画素(参照画素)を、
各値がそれぞれ0であるか1であるかによって64(2
の6乗)通りに分類し、それぞれのパターンに応じて符
号化する注目画素P(x,y)がとる値を予測して算術
符号を用いて符号化する。注目画素P(x,y)がとる
値の予測は、通常の適応算術符号の場合と同様に、それ
までに符号化した画素の値の統計で求める。
【0038】中位画像局所復号器37では、中位画像符
号化装置34と同じコンテキストを用いて適応算術符号
を復号する。
【0039】なお、P(−1,0)のような画枠外の画
素については、その値が0であるものとして扱う。この
ことは以下においても同様である。他の扱い方として、
既に符号化されている最も近い画素と同一の値であると
することも可能である。
【0040】上位の画像の画素は、入力画像の画素全体
であり、そのうちの1/2の画素が中位または下位の画
像の画素である。中位の画像と下位の画像の画素は既に
符号化されているため、上位の画像を符号化するために
実際に符号化する画素は、上位の画像の画素の1/2だ
けでよい。
【0041】中位画像符号化器34における符号化、お
よび中位画像局所復号器37における復号が終わった
後、上位の画像が処理される。上位画像符号化器33で
は、入力画像フレームメモリ32Aより供給される画素
P(x,y)のうち、x+yが奇数となる画素を、x+
y×Wの値の小さいものから順に、局所復号画像フレー
ムメモリ32Bより供給される参照画像を参照して符号
化する。上位画像符号化器33から出力された符号は、
出力された順に上位画像局所復号器36で復号され、復
号された画素値は局所復号画像フレームメモリ32Bに
書き込まれる。
【0042】上位画像符号化器33における符号化の方
法の詳細は以下の通りである。すなわち、入力画像フレ
ームメモリ32Aより供給される注目画素P(x,y)
の符号化に際して参照される画素は、中位または下位の
階層の画素で、既に符号化および復号が終わっており、
局所復号画像フレームメモリ32Bに記憶されているP
(x,y−1)、P(x−1,y)、P(x+1,
y)、P(x,y+1)と、同じ上位の階層の画素で、
符号化しようとする注目画素P(x,y)に対して画像
の上側に位置しているため上位画像符号化器33および
上位画像局所復号器36によって既に符号化および復号
が終わっており、局所復号画像フレームメモリ32Bに
記憶されているP(x−1,y−1)、P(x+1,y
−1)である。
【0043】これらの画素の位置関係を図4に示す。注
目画素P(x,y)の符号化は、これらの6画素をコン
テキストとして用いた適応算術符号化によって行われ
る。即ち、それらの6画素を、各画素の値がそれぞれ0
であるか1であるかによって64(2の6乗)通りに分
類し、それぞれのパターンに応じて符号化する注目画素
P(x,y)がとる値を予測して算術符号を用いて符号
化する。注目画素P(x,y)がとる値の予測は、通常
の適応算術符号の場合と同様に、それまでに符号化した
画素の値の統計で求める。
【0044】上位画像局所復号器36では、上位画像符
号化器33の場合と同一のコンテキストを用いて適応算
術符号を復号する。中位画像符号化のときに参照する画
素と、上位画像符号化のときに参照する画素の位置関係
は、図3および図4に示したように、そのいずれかを4
5度だけ回転させて拡大または縮小することにより一致
するという関係にある。例えば、図3に示したような各
画素を、それぞれ注目画素P(x,y)を中心として4
5度だけ時計回りに回転させ、所定の倍率で縮小するこ
とにより、図4に示したような位置関係になる。すなわ
ち、各参照画素は、注目画素P(x,y)の左上、上、
右上、左、右、または下の画素となる。
【0045】このように、中位画像符号化のときに参照
する画素と、上位画像符号化のときに参照する画素は、
空間的な配置が相似であるので、同一の算術符号を使う
ことにより算術符号で用いるテーブルを記憶するメモリ
領域を節約することができる。更に、適応算術符号の場
合には入力画像に適応する速度が速くなる。ただし、入
力画像に適応するための充分な余裕があれば、別々の適
応算術符号を使った場合の方が、最終的に各々について
最適なものが学習される点でよい。
【0046】下位画像符号化器35で用いる符号化方法
はどのようなものでも構わないと述べたが、上位および
中位の画像符号化器33,34で使われている方法と同
様の枠組みからなる方法とすることができる。そのよう
にすれば、中位および上位画像の符号化方法と共通性の
ある方法となるので、符号化装置を設計したり、作成す
ることが容易になるという利点がある。
【0047】すなわち、下位画像符号化器35では、注
目画素P(x,y)のうち、その座標値x,yがともに
偶数である画素を、x+y×Wの値の小さいものから順
に符号化させることができる。下位画像符号化器35か
ら出力された符号は、出力された順に下位画像局所復号
器38で復号され、復号された画素値は局所復号画像フ
レームメモリ32Bに書き込まれる。
【0048】下位画像符号化器35における符号化の方
法の詳細は以下の通りである。すなわち、注目画素P
(x,y)の符号化に際して参照される画素は、下位の
階層の画素で、符号化しようとする注目画素P(x,
y)に対して、画像の上側または左側に位置しているた
め、下位画像符号化器35および下位画像局所復号器3
8によって既に符号化および復号が終わっている画素P
(x−2,y−2)、P(x,y−2)、P(x+2,
y−2)、およびP(x−2,y)である。
【0049】これらの画素の位置関係を図5に示す。注
目画素P(x,y)の符号化は、これらの4画素をコン
テキストとして用いた適応算術符号化によって行われ
る。即ち、それらの4画素を、各画素値がそれぞれ0で
あるか1であるかによって16(2の4乗)通りに分類
し、それぞれのパターンに応じて符号化する注目画素P
(x,y)がとる値を予測して算術符号を用いて符号化
する。注目画素P(x,y)がとる値の予測は、通常の
適応算術符号の場合と同様に、それまでに符号化した画
素の値の統計で求める。
【0050】以上のように、図1に示した実施の形態で
は、入力画像を空間的解像度について階層的に符号化す
るときに、各階層の画像の画素の一部を抜き出したもの
を相対的に下の階層の画像の画素として用いることによ
り、符号化装置を簡略化することができる。
【0051】更に、各階層の画素が相対的に上位の階層
の画素でもあるため、上位の階層で符号化する画素の数
が半分に減り、符号化のための処理量と符号の発生量を
低下させることができる。また、階層が3段階であるた
め、下位画像のみを符号化する段階、下位画像と中位画
像を符号化する段階、下位画像と中位画像と上位画像を
符号化する段階という3段階に符号発生量を調節するこ
とができ、より柔軟なレートコントロールを可能とする
ことができる。
【0052】このようにして、階層的に符号化されたビ
ットストリームは、光ディスク200等の記録媒体に記
録される。
【0053】次に、図6を参照して、相対的に下位の画
像においても、主観的に高品質の画像を得ることができ
るようにするための構成とその処理について説明する。
なお、図6は、その原理を、下位画像符号化器35と下
位画像局所復号器38に適用した場合の構成を示してい
るが、同様の構成を、中位画像符号化器34と中位画像
局所復号器37、並びに上位画像符号化器33と上位画
像局所復号器36においても適用することができる。
【0054】図6に示すように、下位画像符号化器35
は、下位算術符号化器351と上位算術符号化器352
により構成されている。また、下位画像局所復号器38
は、下位算術復号器381と上位算術復号器382によ
り構成されている。下位画像符号化器35と下位画像局
所復号器38を制御する制御回路41は、生起確率テー
ブル411と符号化制御器412を有している。生起確
率テーブル411は、局所復号画像フレームメモリ32
Bより供給された参照画像に対応する生起確率を発生
し、下位算術符号化器351、上位算術符号化器35
2、下位算術復号器381、上位算術復号器382、お
よび符号化制御器412に供給している。符号化制御器
412は、入力された生起確率に対応して、下位算術符
号化器351、上位算術符号化器352、下位算術復号
器381、および上位算術復号器382を制御するよう
になされている。
【0055】下位算術符号化器351は、入力画像フレ
ームメモリ32Aより供給された符号化画素を、生起確
率テーブル411より供給された生起確率と、符号化制
御器412からの制御に対応して符号化し、生成された
符号を、下位算術復号器381に供給するとともに、下
位符号出力端子42から出力するようになされている。
上位算術符号化器352も、入力画像フレームメモリ3
2Aより供給された符号化画素を、生起確率テーブル4
11より供給された生起確率と、符号化制御器412か
らの制御に対応して符号化し、上位算術復号器382に
供給するとともに、上位符号出力端子43から出力する
ようになされている。
【0056】下位算術復号器381は、下位算術符号化
器351より供給された符号を、生起確率テーブル41
1より供給された生起確率と、符号化制御器412から
の制御に対応して復号し、その復号結果を局所復号画像
フレームメモリ32Bに供給し、記憶させるようになさ
れている。同様に、上位算術復号器382は、上位算術
符号化器352より供給された符号を、生起確率テーブ
ル411より供給された生起確率と、符号化制御器41
2からの制御に対応して復号し、復号結果を局所復号画
像フレームメモリ32Bに供給し、記憶させるようにな
されている。下位符号出力端子42と上位符号出力端子
43より出力された符号は、図1の下位画像局所復号器
38と多重化器39に供給されている。
【0057】次に、その動作について説明する。入力画
像フレームメモリ32Aより符号化されるべき注目画素
のデータが下位算術符号化器351と上位算術符号化器
352に供給されたとき、局所復号画像フレームメモリ
32Bから注目画素に対応する参照画素が読み出され、
生起確率テーブル411に供給される。そして、生起確
率テーブル411は、参照画素に対応する(注目画素に
対応する)生起確率を読み出し、これを下位算術符号化
器351、上位算術符号化器352、および符号化制御
器412に出力する。符号化制御器412は、入力され
た生起確率に対応して、図7のフローチャートに示すよ
うに、下位算術符号化器351と上位算術符号化器35
2を制御する。
【0058】最初に、ステップS1において、符号化制
御器412は、入力された生起確率(いまの場合、シン
ボル1の生起確率)が、予め設定されている所定の下限
閾値pLより小さいか否かが判定される。図8に示すよ
うに、生起確率pが下限閾値pLより小さいと判定され
た場合、ステップS2に進み、符号化制御器412は、
下位算術符号化器351を制御し、入力された注目画素
を、その生起確率に拘らず、常に0として符号化させ
る。但し、実際には、この符号は伝送されず、復号側に
おいても、機械的に0に復号されるので、その実質的な
処理は省略することができる。
【0059】また、次にステップS3に進み、符号化制
御器412は、上位算術符号化器352を制御し、入力
された生起確率に応じて、符号化処理を実行させる。す
なわち、図8に示すように、上位算術符号化器352
は、符号化すべきデータが1である場合、生起確率pと
1の間の部分区間を選択し、符号化すべきデータが0で
ある場合、生起確率pと0の間の部分区間を選択して、
符号化を行う。
【0060】一方、ステップS1において、入力された
生起確率が下限閾値pLより小さくないと判定された場
合、ステップS4に進み、符号化制御器412は、生起
確率pが、予め設定されている上限閾値pUより大きい
か否かを判定する。図9に示すように、生起確率pが上
限閾値pUより大きいと判定された場合、ステップS5
に進み、符号化制御器412は、下位算術符号化器35
1を制御し、図9に示すように、入力画像フレームメモ
リ32Aより入力された注目画素を、生起確率テーブル
411より入力された生起確率に拘らず、常に1として
符号化させる。なお、この符号も、実際には後段に出力
されないので、ステップS5の処理は、実質的には省略
することも可能である。
【0061】次に、ステップS6に進み、符号化制御器
412は、上位算術符号化器352を制御し、生起確率
に応じて、符号化処理を実行させる。すなわち、図9に
示すように、符号化すべきデータが1の場合、生起確率
pと1の間の部分区間を選択し、符号化すべきデータが
0の場合、生起確率pと0の間の部分区間を選択して、
符号化する。
【0062】さらに、ステップS4において、生起確率
pが上限閾値pUより大きくないと判定された場合、す
なわち、図10に示すように、生起確率pが下限閾値p
Lより大きく、上限閾値pUより小さいと判定された場
合、ステップS7に進み、符号化制御器412は、下位
算術符号化器351に、生起確率に応じた符号化処理を
実行させる。すなわち、符号化すべきデータが1の場
合、生起確率pと1の間の部分区間が選択され、符号化
すべきデータが0の場合、生起確率pと0の間の部分区
間が選択されて、符号化が行われる。
【0063】そして、ステップS8に進み、符号化制御
器412は、上位算術符号化器352を制御し、下位算
術符号化器351の符号化により得られた符号を、その
まま用いるようにする。
【0064】以上のようにして、ステップS1またはス
テップS4において、生起確率pが下限閾値pLより小
さいか、または、上限閾値pUより大きい場合、その注
目画素は、孤立画素または孤立画素に近い画素であると
考えられる。そこで、このような場合には、ステップS
2またはステップS5において、常に1つの符号として
符号化する(処理する)ようにする。これにより、孤立
画素またはそれに近い画素を含む下位の階層の画像が、
連続的なフレームの1つのフレームとして再生された場
合、孤立画素が異常な画素として視認されることが防止
される。
【0065】下位算術符号化器351または上位算術符
号化器352より出力された符号は、下位符号出力端子
42または上位符号出力端子43から多重化器39に出
力され、多重化される。但し、上述したように、ステッ
プS2とS5の処理の結果得られた符号は出力されず、
ステップS3,S6,S8の処理の結果得られた符号だ
けが出力される。
【0066】これらの符号はまた、それぞれ下位算術復
号器381または上位算術復号器382に入力される。
符号化制御器412は、下位算術復号器381と上位算
術復号器382を、図11のフローチャートに示すよう
に制御し、復号処理を実行させる。
【0067】すなわち、最初にステップS21におい
て、生起確率pが下限閾値pLより小さいか否かが判定
され、小さいと判定された場合には、ステップS22に
進み、符号化制御器412は、下位算術復号器381を
制御し、注目画素の符号を0として復号させる。次に、
符号化制御器412は、ステップS23において、上位
算術復号器382を制御し、生起確率pに応じて復号化
処理を実行させる。
【0068】すなわち、図8に示すように、この場合、
下位算術復号器381からは、常に0の復号結果が出力
され、上位算術復号器382においては、入力された符
号が1であれば、生起確率pと1の間の部分区間が選択
され、入力された符号が0であれば、生起確率pと0の
間の部分区間が選択されて、復号が行われる。下位算術
復号器381の復号結果と、上位算術復号器382の復
号結果は、いずれも局所復号画像フレームメモリ32B
に供給され、記憶される。下位算術復号器381の処理
が先に行われ、上位算術復号器382の処理がその後で
行われるため、下位算術復号器381の復号結果は、局
所復号画像フレームメモリ32Bにおいて、上位算術復
号器382の復号結果でオーバーライトされ、最終的に
は、局所復号画像フレームメモリ32Bには、より上位
の上位算術復号器382の復号結果が残ることになる。
【0069】ステップS21において、生起確率pが下
限閾値pLより大きいと判定された場合、ステップS2
4に進み、符号化制御器412は、生起確率pが上限閾
値pUより大きいか否かを判定する。生起確率pが上限
閾値pUより大きいと判定された場合、ステップS25
に進み、符号化制御器412は、下位算術復号器381
を制御し、現在の注目画素の符号を、図9に示すよう
に、常に1として復号させる。次に、ステップS26に
進み、符号化制御器412は、上位算術復号器382を
制御し、生起確率pに対応して、復号化処理を実行させ
る。すなわち、このとき、図9に示すように、上位算術
復号器382は、入力された符号が1であれば、生起確
率pと1の間の部分区間を選択し、入力された符号が0
であれば、生起確率pと0の間の部分区間を選択して、
復号を行う。
【0070】この場合の復号結果も、局所復号画像フレ
ームメモリ32Bに供給され、記憶される。
【0071】ステップS24において、生起確率pが上
限閾値pUより大きくないと判定された場合、ステップ
S27に進み、符号化制御器412は、下位算術復号器
381を制御し、図10に示すように、生起確率pに応
じて復号処理を実行させる。すなわち、生起確率pが1
に近い場合、1として復号させ、0に近い場合、0とし
て復号させる。
【0072】さらに、ステップS28に進み、符号化制
御器412は、上位算術復号器382を制御し、上位算
術復号器382に、下位算術復号器381で復号された
結果を、そのまま採用させる。従って、この場合におけ
る上位算術復号器382の実質的な復号処理は不要とな
る。しかしながら、勿論、実際に復号させることも可能
である。この場合、ステップS27の処理を省略するこ
ともできる。
【0073】以上のような処理が、下位画像符号化器3
5と下位画像局所復号器38だけでなく、中位画像符号
化器34と中位画像局所復号器37、並びに上位画像符
号化器33と上位画像局所復号器36においても行われ
る。
【0074】図12乃至図14は、このようにして、下
位画像局所復号器38、中位画像局所復号器37、また
は上位画像局所復号器36で、それぞれ復号された結果
得られる画像を模式的に示している。図14において、
○印を付して示す上位復号画像のデータは1とされてい
る。この画素は、図13に示す中位復号画像においては
1とされているが、図12に示す下位復号画像において
は、0とされている。すなわち、このように、本来の画
像(上位復号画像)においては、1であるデータも、図
12に示すように、下位復号画像において、孤立画素と
なる場合には、1ではなく、0として、復号が行われ
る。その結果、図12に示す下位復号画像の所定のフレ
ームを時間的に隣接する図示せぬ他のフレームと時間的
に連続して再生した場合、この孤立画素が非常に目立
ち、見ているものにとって、異常な画素と認識されるこ
とが抑制される。その結果、主観的に高画質の下位復号
画像を得ることができる。
【0075】図15は、図1の符号化装置に対応する2
値画像を階層的に表す符号を復号する復号装置の一実施
の形態の構成を示すブロック図である。
【0076】逆多重化器52は、光ディスク200等よ
り階層符号入力端子51を介して入力された階層的に符
号化された符号を逆多重化し、下位、中位、上位の各画
像用の符号に分離するようになされている。下位画像復
号器55は、逆多重化器52より供給された下位画像用
の符号を復号するようになされている。中位画像復号器
54は、逆多重化器52より供給された中位画像用の符
号を復号するようになされている。また、上位画像復号
器53は、逆多重化器52より供給された上位画像用の
符号を復号するようになされている。
【0077】フレームメモリ56は、上位画像復号器5
3からの復号された画素、中位画像復号器54からの復
号された画素、および下位画像復号器55からの復号さ
れた画素を記憶するようになされている。そして、高解
像度の画像を鑑賞する場合、上位画像を構成する画素か
らなる画像データを上位画像出力端子57より出力し、
中解像度の画像を鑑賞する場合、中位画像を構成する画
素からなる画像データを中位画像出力端子58より出力
し、低解像度の画像を鑑賞する場合、下位画像を構成す
る画素からなる画像データを下位画像出力端子59より
出力するようになされている。さらに、フレームメモリ
56は、上位画像復号器53、中位画像復号器54、お
よび下位画像復号器55に、参照画素を供給するように
なされている。
【0078】次に、その動作について説明する。階層符
号入力端子51から入力された階層的に符号化された符
号は、逆多重化器52で逆多重化されて下位、中位、上
位の画像用の符号に分離される。下位画像用符号は下位
画像復号器55で復号され、フレームメモリ56に蓄え
られる。低解像度の画像で観賞する場合には、この画像
が下位画像出力端子59より出力される。なお、下位画
像復号器55の詳細については、図16を参照して後述
する。
【0079】下位画像の符号の復号は、例えば、図1の
符号化装置の場合と同様に、周囲の既に復号されている
画素を参照して行われる。参照する画素は、図1の符号
化装置の場合と同様、下位の階層の画素で、復号しよう
とする画素P(x,y)に対して画像の上側または左側
に位置しているため既に復号が終わっているP(x−
2,y−2)、P(x,y−2)、P(x+2,y−
2)、およびP(x−2,y)である。復号された画素
は、フレームメモリ56に蓄えられ、続く画素の復号の
ときに参照される。
【0080】それより高い解像度の画像を観賞する場合
には、続いて中位画像復号器54で中位画像の符号を復
号する。中位の画像の画素は、上位の画像の画素の1/
2であるが、そのうちの1/2を下位の画像の画素が占
める。下位の画像の画素は既に復号されているため、中
位の画像を復号するために実際に符号化する画素の数
は、中位の画像の画素の数の1/2だけでよい。
【0081】中位画像の符号の復号は、図1の符号化装
置の場合と同様に、周囲の既に復号されている画素を参
照して行われる。参照する画素は、図1の符号化装置の
場合と同様、下位の階層の画像で、既に復号が終わって
いる画素P(x−1,y−1)、P(x+1,y−
1)、P(x−1,y+1)、P(x+1,y+1)
と、同じ中位の階層の画素で、復号しようとする画素P
(x,y)に対して画像の上側または左側に位置してい
るため、既に復号が終わっているP(x,y−2)、P
(x−2,y)である。復号された画素はフレームメモ
リ56に蓄えられ、続く画素の復号のときに参照され
る。中解像度の画像で観賞する場合には、この画像が中
位画像出力端子58に出力される。
【0082】更に高解像度の画像を観賞する場合には、
続いて上位画像復号器53で上位画像の符号を復号す
る。上位の画像の画素のうちの1/2の画素が中位また
は下位の画像の画素である。中位の画像と下位の画像の
画素は既に復号されているため、上位の画像を復号する
ために実際に復号する画素の数は、上位の画像の画素の
数の1/2だけでよい。
【0083】上位画像の符号の復号は、図1の符号化装
置の場合と同様に、周囲の既に復号されている画素を参
照して行われる。参照する画素は、図1の符号化装置の
場合と同じく、中位または下位の画像で既に復号が終わ
っている画素P(x,y−1)、P(x−1,y)、P
(x+1,y)、P(x,y+1)と、同じ上位の画素
で、復号しようとする画素P(x,y)に対して画像の
上側に位置しているため、既に復号が終わっている画素
P(x−1,y−1)、P(x+1,y−1)である。
復号された画素はフレームメモリ56に蓄えられ、続く
画素の復号のときに参照される。高解像度の画像を観賞
する場合には、フレームメモリ56に記憶されている全
画素で構成される上位画像が上位画像出力端子57より
出力される。
【0084】次に、図16を参照して、下位画像復号器
55のより詳細な構成について説明する。なお、図示は
省略するが、中位画像復号器54および上位画像復号器
53も、図16に示す場合と同様の構成とされる。
【0085】図16の構成例において、下位符号入力端
子62と上位符号入力端子63には、図15の逆多重化
器52から復号されるべき画素の符号が供給される。こ
れらの符号は、図6における下位符号出力端子42から
出力される符号、または上位符号出力端子43から出力
される符号に、それぞれ対応している。
【0086】下位符号入力端子62より入力された符号
は、下位算術復号器551に供給され、生起確率テーブ
ル611が出力する生起確率と、符号化制御器612の
制御に対応して復号されるようになされている。そし
て、その復号結果が、フレームメモリ56に供給され、
記憶されるようになされている。
【0087】また、上位符号入力端子63より供給され
た符号は、上位算術復号器552に入力され、生起確率
テーブル611が出力する生起確率と、符号化制御器6
12の制御に対応して復号されるようになされている。
上位算術復号器552の出力は、フレームメモリ56に
供給され、記憶されるようになされている。生起確率テ
ーブル611は、フレームメモリ56より供給される参
照画素に対応する生起確率を読み出し、下位算術復号器
551、上位算術復号器552、および符号化制御器6
12に出力している。
【0088】この図16の構成は、図6における局所復
号のための構成と実質的に同様の構成となっている。す
なわち、図16における下位算術復号器551、上位算
術復号器552、フレームメモリ56、生起確率テーブ
ル611、および符号化制御器612は、図6における
下位算術復号器381、上位算術復号器382、局所復
号画像フレームメモリ32B、生起確率テーブル41
1、および符号化制御器412に、それぞれ対応してい
る。そして、その復号時における処理は、図11のフロ
ーチャートに示す場合と同様の処理となるので、その説
明は省略する。
【0089】以上の説明では、画像を符号化するとき、
適応算術符号を用いるとしたが、固定的な算術符号を用
いてもよいし、複数の画素をまとめた上でVLC(可変
長符号)を用いてもよい。
【0090】また、以上における閾値は、固定とした
が、可変にすることもできる。可変の場合には、閾値を
制御するパラメータを符号化して伝送することになる。
また、閾値をさらに多く設定して、多くの階層を構成す
るようにすることも可能である。
【0091】さらに、上記実施の形態において、記録媒
体としては、CD−ROM(compact disc read only m
emory)、DVD(digital versatile disc)、光ディ
スク、磁気ディスク、光磁気ディスク、RAM、その他
様々な蓄積メディアとすることが可能である。
【0092】
【発明の効果】請求項1に記載の符号化装置および請求
項3に記載の符号化方法によれば、2値画素データが
1の値であるという生起確率を、下限閾値または上限閾
と比較し、生起確率が下限閾値よりも小さいとき、2
値画素データの画素値を第2の値として符号化し、生起
確率が上限閾値より大きいとき、2値画素データの画素
値を第1の値として符号化するようにしたので、孤立点
または孤立的な画素の符号量を減らすことができるとと
もに、主観的に良好な画質の画像が得られる符号化を実
現することができる。
【0093】請求項4に記載の復号装置および請求項6
に記載の復号方法によれば、符号化された2値画素デー
タが第1の値であるという生起確率を、下限閾値または
上限閾値と比較し、生起確率が下限閾値より小さいと
き、2値画素データの画素値を第2の値として復号し、
生起確率が上限閾値より大きいとき、2値画素データの
画素値を第1の値として復号するようにしたので、孤立
点または孤立的な画素に起因する主観的な画素の劣化を
抑制した画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の符号化装置の一実施の形態の構成を示
すブロック図である。
【図2】各階層の画素の位置関係を示す図である。
【図3】中位画像符号化のときの画素の位置関係を示す
図である。
【図4】上位画像符号化のときの画素の位置関係を示す
図である。
【図5】下位画像符号化のときの画素の位置関係を示す
図である。
【図6】図1の下位画像符号化器と下位画像局所復号器
のより詳細な構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の構成例の符号化時の処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図8】図7のステップS2とS3の処理を説明する図
である。
【図9】図7のステップS5とS6の処理を説明する図
である。
【図10】図7のステップS7とS8の処理を説明する
図である。
【図11】図6の構成例の復号時の動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図12】図1の構成例における下位復号画像を示す図
である。
【図13】図1の構成例の中位復号画像の例を示す図で
ある。
【図14】図1の構成例の上位復号画像の例を示す図で
ある。
【図15】本発明の復号装置の一実施の形態の構成を示
すブロック図である。
【図16】図15の下位画像復号器55の詳細な構成例
を示すブロック図である。
【図17】フィル画像とハードキー信号を説明する図で
ある。
【図18】2つの解像度の表示装置への対応を説明する
図である。
【図19】従来の1階層の画像符号化装置の構成例を示
すブロック図である。
【図20】算術符号化処理の原理を示す図である。
【図21】従来の1階層の画像復号装置の構成例を示す
ブロック図である。
【図22】従来の下位復号画像の例を示す図である。
【図23】従来の中位復号画像の例を示す図である。
【図24】従来の上位復号画像の例を示す図である。
【符号の説明】
32 フレームメモリ, 32A 入力画像フレームメ
モリ, 32B 局所復号画像フレームメモリ, 33
上位画像符号化器, 34 中位画像符号化器, 3
5 下位画像符号化器, 36 上位画像局所復号器,
37 中位画像局所復号器, 38 下位画像局所復
号器, 39 多重化器, 41 制御回路, 52
逆多重化器, 53 上位画像復号器, 54 中位画
像復号器, 55 下位画像復号器, 56 フレーム
メモリ, 351 下位算術符号化器, 352 上位
算術符号化器, 381 下位算術復号器, 382
上位算術復号器, 411 生起確率テーブル, 41
2 符号化制御器, 551 下位算術復号器, 55
2 上位算術復号器, 611 生起確率テーブル,
612 符号化制御器

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低解像度の階層の第1の値、または、第
    2の値からなる2値画素データを符号化する下位画像
    号化手段と、高解像度 の階層の上記第1の値、または、上記第2の値
    からなる2値画素データを符号化する上位画像符号化手
    段とを備える符号化装置において、 上記下位画像符号化手段と上記上位画像符号化手段の少
    なくとも一方は、上記2値 画素データが上記第1の値であるという生起確
    率を、下限閾値または上限閾値と比較する比較手段と、 上記生起確率が上記下限閾値よりも小さいとき、上記2
    値画素データの画素値を上記第2の値として符号化し、
    上記生起確率が上記上限閾値より大きいとき、上記2値
    画素データの画素値を上記第1の値として算術符号化す
    算術符号化手段とを備えることを特徴とする符号化装
    置。
  2. 【請求項2】 上記第1の値は1であり、上記第2の値
    は0であることを特徴とする請求項1に記載の符号化装
    置。
  3. 【請求項3】 低解像度の階層の第1の値、または、第
    2の値からなる2値画素データを符号化する下位画像
    号化手段と、高解像度の 階層の上記第1の値、または、上記第2の値
    からなる2値画素データを符号化する上位画像符号化手
    段とを備える符号化装置の符号化方法において、 上記下位画像符号化手段と上記上位画像符号化手段の少
    なくとも一方は、上記2値 画素データが上記第1の値であるという生起確
    率を、下限閾値または上限閾値と比較し、 上記生起確率が上記下限閾値より小さいとき、上記2値
    画素データの画素値を上記第2の値として符号化し、上
    記生起確率が上記上限閾値より大きいとき、上記2値画
    素データの画素値を上記第1の値として算術符号化する
    ことを特徴とする符号化方法。
  4. 【請求項4】 低解像度の階層の符号化された第1の
    値、または、第2の値からなる2値画素データを復号す
    下位画像復号手段と、高解像度 の階層の符号化された第1の値、または、第2
    の値からなる2値画素データを復号する上位画像復号
    段とを備える復号装置において、 上記第1の復号手段と上記第2の復号手段の少なくとも
    一方は、上記符号化された2値画素データが上記第1の値 である
    という生起確率を、下限閾値または上限閾値と比較する
    比較手段と、 上記生起確率が上記下限閾値より小さいとき、上記2値
    画素データの画素値を上記第2の値として復号し、上記
    生起確率が上記上限閾値より大きいとき、上記2値画素
    データの画素値を上記第1の値として算術復号する算術
    復号手段とを備えることを特徴とする復号装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の値は1であり、上記第2の
    値は0であることを特徴とする請求項4に記載の復号装
    置。
  6. 【請求項6】 低解像度の階層の符号化された第1の
    値、または、第2の値からなる2値画素データを復号す
    下位画像復号手段と、高解像度の 階層の符号化された上記第1の値、または、
    上記第2の値からなる2値画素データを復号する上位画
    像復号手段とを備える復号装置の復号方法において、 上記下位画像復号手段と上記上位画像復号手段の少なく
    とも一方は、上記符号化された2値画素データが上記第1の値 である
    という生起確率を、下限閾値または上限閾値と比較し、 上記生起確率が上記下限閾値より小さいとき、上記2値
    画素データの画素値を上記第2の値として復号し、上記
    生起確率が上記上限閾値より大きいとき、上記2値画素
    データの画素値を上記第1の値として算術復号すること
    を特徴とする復号方法。
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