JP3301340B2 - 符号化装置および符号化方法、復号装置、並びに復号方法 - Google Patents

符号化装置および符号化方法、復号装置、並びに復号方法

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JP3301340B2 JP6687397A JP6687397A JP3301340B2 JP 3301340 B2 JP3301340 B2 JP 3301340B2 JP 6687397 A JP6687397 A JP 6687397A JP 6687397 A JP6687397 A JP 6687397A JP 3301340 B2 JP3301340 B2 JP 3301340B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、画像信号
をアナログおよびデジタルの電話回線、および専用のデ
ータ伝送回線などの種々の転送レートを持った伝送装置
を使って伝送したり、また、光/磁気ディスクやRAM
(random access memory)などの種々の記憶容量を持っ
た蓄積メディアに記録する場合に、画像を効率的に符号
化することができるようにした符号化装置および符号化
方法、その符号化信号を復号する復号装置、並びに復号
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2値画像の1つにハードキー信号があ
る。ハードキー信号とは、図22に示すように、物体の
形状をその物体の内側であるか外側であるかによって2
値で表現するもので、画像中の興味のある物体をその形
状に応じて切り出して、他の背景画像に合成するために
使用されている。また、ハードキー信号で切り取られる
画像はフィル画像と呼ばれる。
【0003】このハードキー信号を用いると、画像を重
要な物体と背景とに分け、重要な物体は細かく量子化
し、背景は荒く量子化して符号化し、それぞれを復号し
てハードキー信号によって合成するといったことができ
る。このとき、背景を荒く量子化したことによる符号の
減少分を、重要な物体を細かく量子化するために用いれ
ば、同じ符号発生量で主観的な画質を向上できるという
利点がある。そのため、このハードキー信号自体を効率
的に符号化する方法が重要となっている。
【0004】一方、入力画像を空間的解像度について階
層的に符号化する、つまり、一部分を復号することによ
り低解像度の画像(以下、下位の階層の画像或いは下位
画像と呼ぶ)が得られ、全体を復号することにより元の
解像度の画像(以下、上位の階層の画像或いは上位画像
と呼ぶ)が得られるように符号化すると、図23で表さ
れるように、複数の空間的な解像度の表示装置への表示
に対応することができる。
【0005】即ち、入力画像を縮小して下位画像を作成
し、次に、入力画像と下位画像をまとめて符号化し、単
一の符号化データとする。符号化データのうちの一部を
復号することにより、低解像度の下位画像を得ることが
でき、それを例えば低解像度画像表示装置に表示するこ
とができる。また、符号化データの全体を復号すること
により、高解像度の上位画像を得ることができ、それを
例えば高解像度画像表示装置に表示させることができ
る。
【0006】このように、画像を階層的に符号化する
と、下位の階層の画像についての情報を上位の階層の画
像の符号化に用いることができるため、各解像度の画像
を別々に符号化したときより符号発生量を少なくできる
という利点がある。
【0007】以上のように、画像中の物体毎にその重要
度に応じて画質と符号発生量の制御を可能とするため
に、ハードキー信号を効率よく符号化することが重要で
ある。また、画像を符号化効率を低下させることなく空
間的に階層的に符号化し、複数の解像度での復号ができ
るならば更に望ましい。
【0008】画像を空間的に階層的に符号化する基本的
な処理は、一般に、図24に示すような手順で行われ
る。まず、入力画像を縮小処理し、低解像度の下位画像
を作り、下位画像を下位画像符号化器によって符号化す
る。次に、入力された画像である上位画像を下位画像か
ら予測し、最後に、予測された上位画像と実際の上位画
像(入力画像)との差分画像を差分画像符号化器によっ
て符号化する。そして、下位画像符号化器によって符号
化されたビットストリームと、差分画像符号化器によっ
て符号化されたビットストリームを多重化する。これに
より、図25に示すように、一部分のみを復号すれば低
解像度の下位画像が得られ、全体を復号すれば入力画像
と同じ解像度の上位画像が得られるようなビットストリ
ームができる。
【0009】通常この図24、図25の基本的な処理に
対して、次の変更がなされた処理が、図26、図27の
装置によって行われている。即ち、ハードキー信号は2
値画像であるため、差分画像は必要ないので作らない。
また不可逆符号化をして符号化前の画像と復号後の画像
が異なる場合には、符号化装置の中に局所復号器を備え
るようにし、局所復号した画像を符号化器における予測
に用いる。更に、上位画像を予測した画像は作らず、下
位画像の画素をそのまま用いる。
【0010】図26は画像入力端子1から入力された画
像を階層的に符号化して階層符号出力端子10から出力
する符号化装置の一例の構成を示すブロック図である。
【0011】上位画像フレームメモリ2は、画像入力端
子1から入力された画像を保持するようになされてい
る。画像縮小器3は、上位画像フレームメモリ2の画像
を縦横それぞれ1/2に縮小して下位画像フレームメモ
リ4に書き込むようになされている。下位画像符号化器
6は、下位画像フレームメモリ4の画像を符号化するよ
うになされている。下位画像局所復号器8は、下位画像
符号化器6による符号化結果を局所復号し、下位画像フ
レームメモリ4に書き戻すようになされている。
【0012】下位画像符号化器6における符号化方法と
しては、次に挙げるいくつかの方法が考えられている。
図26に示した符号化装置による符号化は、2値画像の
符号化であるという点で、ファクシミリ(FAX)の場
合と同様であるので、MMR(modified modified REA
D)に基づく方法や、JBIG(Joint Bi-level ImageE
xpert Group:詳細については、テレビジョン学会誌 V
ol.48, No.1, pp.65-68(1994)を参照のこと)に基づく
方法、あるいは、物体の内側と外側との境界線を、その
始点と続く向きによって符号化するチェーンコーディン
グに基づく方法や、すべての葉が同一の場合を省略した
4分木に基づく方法などである。
【0013】下位画像符号化器6および下位画像局所復
号器8において下位画像が符号化および復号された後、
上位画像符号化器5で上位画像フレームメモリ2上の画
像が符号化される。そのとき、図28乃至図30を参照
して後述するように、下位画像フレームメモリ4上に書
き込まれている局所復号された下位画像と、上位画像フ
レームメモリ2上に書き込まれている上位画像が参照さ
れる。符号化結果は上位画像局所復号器7で局所復号さ
れ、上位画像フレームメモリ2に書き戻される。上位画
像符号化器5から出力された上位画像用符号と下位画像
符号化器6から出力された下位画像用符号が、多重化器
9で多重化されて階層符号出力端子10から出力され
る。
【0014】次に、上位画像符号化器5における符号化
方法を説明する。上位画像の各画素の値をP(x,y)
x={0,1,・・・,W−1},y={0,1,・・
・,H−1}、下位画像の各画素の値をQ(x,y)x
={0,1,・・・,W/2−1},y={0,1,・
・・,H/2−1}、で表すことにする。xは画像の左
端からの変位の量であり、yは画像の上端からの変位の
量である。
【0015】上位画像符号化器5では、上位画像の各画
素の値P(x,y)を1つずつ符号化する。その順序
は、x+y×Wの値の小さいものから、つまり、画像を
上のラインから下のラインへの順で、各ラインの中では
左の画素から右の画素へという順で符号化する。上位画
像符号化器5から出力された符号は、出力された順に上
位画像局所復号器7で復号され、復号された画素値は上
位画像フレームメモリ2に書き込まれる。この局所復号
された画素値は、続く画素の符号化において参照され
る。
【0016】画素P(x,y)を符号化するときには、
上位画像のP(x−1,y−1)、P(x,y−1)、
P(x+1,y−1)、P(x−1,y)、下位画像の
Q((x+1)/2−1,(y+1)/2−1)、Q
((x+1)/2,(y+1)/2−1)、Q((x+
1)/2−1,(y+1)/2)、Q((x+1)/
2,(y+1)/2)、更に、各座標を2で除した余り
である、x mod 2、およびy mod 2の値を
参照することが行われている。
【0017】参照している上位画像の画素は、符号化し
ようとする画素P(x,y)に対して画像上で上側また
は左側に位置しているため、上位画像符号化器5および
上位画像局所復号器7によって既に符号化および復号が
終わっている画素で、図28乃至図31の各図で示す位
置関係にある。また、参照している下位画像の画素は、
符号化しようとする画素の下位画像上で相当する位置の
周辺の画素で、図28乃至図31の各図で示す位置関係
にある。符号化のときに参照する画素の用い方は、参照
した画素の値の組合せによってVLC(可変長コード)
のテーブルを切り替えて使用する方法、また、参照した
画素の値の組合せをコンテキスト(参照情報)として
(適応)算術符号化する方法が考えられている。
【0018】図27は、入力された空間的解像度につい
て階層的に符号化された符号を復号して、2つの解像度
の画像を出力する復号装置の一例の構成を示すブロック
図である。
【0019】逆多重化器22は、階層符号入力端子21
から入力された階層的に符号化された符号を逆多重化
し、下位画像用の符号と上位画像用の符号とに分離する
ようになされている。下位画像復号器24は、下位画像
フレームメモリ26より供給される、既に復号されてい
る画素の値に基づいて、逆多重化器22からの下位画像
用の符号を復号するようになされている。下位画像フレ
ームメモリ26は、下位画像復号器24によって復号さ
れた下位画像を記憶するようになされている。下位画像
フレームメモリ26に記憶された下位画像は、下位画像
出力端子28より出力されるとともに、上位画像復号器
23にも供給されるようになされている。
【0020】上位画像復号器23は、上位画像フレーム
メモリ25より供給された既に復号された画素と、下位
画像フレームメモリ26より供給された既に復号された
画素の値に基づいて、逆多重化器22からの上位画像用
の符号を復号するようになされている。上位画像フレー
ムメモリ25は、上位画像復号器23によって復号され
た上位画像を記憶するようになされている。上位画像フ
レームメモリ25に記憶された上位画像は、上位画像出
力端子27より出力されるようになされている。
【0021】階層符号入力端子21から入力された階層
的に符号化された符号は、逆多重化器22において逆多
重化され、下位画像用の符号と上位画像用の符号とに分
離される。下位画像用の符号は下位画像復号器24で復
号され、下位画像フレームメモリ26に蓄えられる。低
解像度の画像を観賞する場合、下位画像フレームメモリ
26の画像が下位画像出力端子28から出力される。
【0022】また、高解像度画像を観賞する場合、さら
に、上位画像復号器23において、図26に示した符号
化装置における符号化の場合と同一の位置関係にある周
囲の既に復号されている画素を参照して上位画像用の符
号が復号される。復号された画素は上位画像フレームメ
モリ25に蓄えられ、続く画素の復号のときに参照され
る。上位画像フレームメモリ25の画像は、上位画像出
力端子27から出力され、高解像度の画像として観賞さ
れる。
【0023】この符号化方法においては、上位の階層の
符号を送らないようにすれば、画像の解像度は下がるも
のの、符号発生量を抑えることが可能である。そのた
め、上位の階層の符号を送るか否かによるレートコント
ロールを行うことが考えられている。
【0024】例えば、上位の階層の符号を送らずに解像
度の低い画像として符号化した場合には、その低解像度
画像のまま表示して空間的なスケーラビリティを持たせ
ることと、補間によって高い解像度ではあるが帯域の低
い画像にしてクオリティスケーラビリティを持たせるこ
とが可能である。後者のクオリティスケーラビリティを
持たせる場合において、補間画素の値を決定する方法と
しては、周囲の画素からの線形補間で決める方法や、算
術符号化のための確率テーブルからより生起確率が高い
として示される方の値に決める方法などが考えられてい
た。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の空間的解像度に関する階層的な符号化においては、
下位画像を作る必要があるため、下位画像を作る装置、
下位画像を記憶する装置などを持たなければならず、符
号化装置が複雑になるという課題があった。また、上位
画像の符号化に先立って下位画像を符号化する分だけ、
符号化のための処理量が増大し、発生する符号の量も増
大してしまうという課題があった。さらに、レートコン
トロールをするとき、符号発生量を少なくするために
は、画像を半分の解像度に劣化させなければならず、荒
い調節しかできないという問題点もあった。
【0026】また、空間的解像度に関する階層的な符号
の復号においても、下位画像を上位画像とは別に復号す
る必要があるため、下位画像を記憶する装置などを持た
なければならず復号装置が複雑になるという課題があ
る。さらには、上位画像の復号に先立って下位画像を復
号する分だけ、復号のための処理量が増大してしまうと
いう課題があった。
【0027】さらに、低解像度の画像を補間してクオリ
ティスケーラビリティを持たせるようにするために、例
えば線形補間のフィルタを使った補間処理を行うと、図
32に示すように、図中(a)の実線で示すような滑ら
かな画像を得たいような場合であっても、図中(b)の
実線で示すような滑らかでない補間画像が生成されてし
まうという問題がある。また、補間処理のためとして適
応的算術符号を用いた場合には、学習が進むまでの間、
予測を誤ることが多いという問題があった。
【0028】そこで、本発明はこのような状況に鑑みて
なされたものであり、符号化装置および復号装置の構成
を簡単にし、処理量を少なくするとともに、符号化効率
がよく、レートコントロールの自由度を高くすることが
でき、また、符号化効率のよい空間的スケーラブルな符
号化およびクオリティスケーラブルな符号化を実現する
符号化装置および符号化方法、その符号化に対応する復
号装置、並びに復号方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の符号化装置にお
いて、符号化器は、入力画像上の所定の位置の画素から
なる第1の階層の画像を符号化する第1の符号化手段
と、第1の階層の画像に対して上位である第2の階層の
画像を符号化する第2の符号化手段とを備え、第2の階
層の画像は入力画像であり、第2の符号化手段は、第2
の階層の画像の画素のうち、第1の階層の画像の画素を
除く画素のみを符号化することにより、上述の課題を解
決する。ここで、本発明の符号化装置では、符号化器に
おいて、第1の符号化手段が、入力画像上の所定の位置
の画素からなる第1の階層の画像を符号化し、第2の符
号化手段が、第1の階層の画像に対して上位である第2
の階層の画像を符号化し、第2の階層の画像は入力画像
であり、第2の符号化手段は、第2の階層の画像の画素
のうち、第1の階層の画像の画素を除く画素のみを符号
化する。また、本発明の符号化装置では、既に値の計算
されている画素間の中央に位置する画素の値を、既に値
の計算されている画素から補間によって計算することを
下位側の階層から順に再帰的に繰り返すことにより求め
るようにしている。
【0030】また、本発明の符号化方法は、入力画像上
の所定の位置の画素からなる第1の階層の画像を符号化
し、第1の階層の画像に対して上位である第2の階層の
画像としての入力画像を符号化するとき、第2の階層の
画像の画素のうち、第1の階層の画像の画素を除く画素
のみを符号化することにより、上述の課題を解決する。
ここで、本発明の符号化方法においては、入力画像上の
所定の位置の画素からなる第1の階層の画像を符号化
し、第1の階層の画像に対して上位である第2の階層の
画像としての入力画像を符号化するとき、第2の階層の
画像の画素のうち、第1の階層の画像の画素を除く画素
のみを符号化する。
【0031】一方、本発明の復号装置において、復号器
は、第1の階層の画像を復号する第1の復号手段と、第
1の階層に対して上位の第2の階層の画像を復号する第
2の復号手段とを備え、第2の復号手段は、第1の復号
手段によって復号された第1の階層の画像の所定の画素
を、第2の階層の画像を予測するために用いるととも
に、第1の階層の画像の画素をそのまま、第2の階層の
画像の画素の一部として用いることにより、上述の課題
を解決する。ここで、本発明の復号装置では、復号器に
おいて、第1の復号手段が、第1の階層の画像を復号
し、第2の復号手段が、第1の階層に対して上位の第2
の階層の画像を復号するとき、第1の復号手段によって
復号された第1の階層の画像の所定の画素を、第2の階
層の画像を予測するために用いるとともに、第1の階層
の画像の画素をそのまま、第2の階層の画像の画素の一
部として用いる。また、本発明の復号装置では、既に値
の計算されている画素間の中央に位置する画素の値を、
既に値の計算されている画素から補間によって計算する
ことを下位側の階層から順に再帰的に繰り返すことによ
り求めるようにしている。
【0032】また、本発明の復号方法は、第1の階層の
画像を復号し、第1の階層に対して上位の第2の階層の
画像を復号するとき、復号された第1の階層の画像の所
定の画素を、第2の階層の画像を予測するために用いる
とともに、第1の階層の画像の画素をそのまま、第2の
階層の画像の画素の一部として用いることにより、上述
の課題を解決する。ここで、本発明の復号方法において
は、第1の階層の画像を復号し、第1の階層に対して上
位の第2の階層の画像を復号するとき、復号された第1
の階層の画像の所定の画素を、第2の階層の画像を予測
するために用いるとともに、第1の階層の画像の画素を
そのまま、第2の階層の画像の画素の一部として用い
る。
【0033】
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下、図面とともに詳細に説明する。
【0035】ここでは、符号化する画像の横、縦の画素
数をそれぞれ、W、Hとし、W、Hはともに偶数である
とする。W、Hが偶数ではない場合、画枠を1画素だけ
拡張することにする。拡張された画素の値は0であると
する。また、画像の各画素の値をP(x,y)、x=
{0,1,・・・,W−1},y={0,1,・・・,
H−1}で表す。xは画像の左端からの変位、yは画像
の上端からの変位の量である。
【0036】図1は、本発明の入力された2値画像を空
間的な解像度について3つの階層に分けて符号化する符
号化装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図で
ある。また3つの階層の画素の関係を図2に示す。この
図2に示すように、どの階層の画像も相対的に上位の階
層の画像の一部になっている。下位画像の画素は入力画
像の画素の1/4を占めており、縦横それぞれ1つおき
に並んでいる。
【0037】中位画像の画素は入力画像の画素の1/4
と、下位画像の画素とからなり、市松模様に並んでい
る。上位画像の画素は入力画像の画素の1/2と、中位
画像の画素とからなり、入力画像と一致する。また、各
階層の画像の半分の画素は、相対的に下位の階層の画像
の画素となっている。
【0038】フレームメモリ32は、画像入力端子31
より入力された画像を記憶するようになされている。下
位画像符号化器35(第1の符号化手段)は、入力画像
を構成する各画素P(x,y)のうち、x,yがともに
偶数である画素の値を符号化するようになされている。
下位画像局所復号器38は、下位画像符号化器35によ
って符号化された符号を復号し、フレームメモリ32に
書き戻すようになされている。中位画像符号化器34
(第2の符号化手段)は、画素P(x,y)のうち、
x,yがともに奇数である画素を符号化するようになさ
れている。中位画像局所復号器37は、中位画像符号化
器34より出力された符号を復号し、フレームメモリ3
2に書き戻すようになされている。上位画像符号化器3
3(第2の符号化手段)は、画素P(x,y)のうち、
x+yが奇数となる画素を符号化するようになされてい
る。上位画像局所復号器36は、上位画像符号化器33
によって符号化された符号を復号し、フレームメモリ3
2に書き戻すようになされている。
【0039】多重化器39は、下位画像符号化器35、
中位画像符号化器34、および上位画像符号化器33よ
り出力された符号を多重化し、階層符号出力端子40よ
り出力するようになされている。
【0040】図1に示した第1の実施の形態において、
図26に示した従来例と大きく異なるのは、画像縮小が
行われず、画像縮小器3も下位画像フレームメモリ4も
ない点と、解像度の階層が3段階あり、従来例より1段
階増えている点である。
【0041】次に、その動作について説明する。画像入
力端子31から入力された入力画像はフレームメモリ3
2に蓄えられる。下位画像符号化器35では、画素P
(x,y)のうち、x,yがともに偶数である画素を符
号化する。符号化方法としては、どのような方法を用い
ても構わない。出力された符号は下位画像局所復号器3
8で復号され、フレームメモリ32に書き戻される。
【0042】下位画像符号化器35における符号化、お
よび下位画像局所復号器38における復号が終わった
後、中位の画像が処理される。中位画像符号化器34で
は、画素P(x,y)のうち、x,yがともに奇数であ
る画素を、x+y×Wの値の小さいものから、つまり、
画像を上のラインから下のラインへの順で、1つのライ
ンの中では左の画素から右の画素へという順序で符号化
する。中位画像符号化器34から出力された符号は、出
力された順に中位画像局所復号器37で復号され、復号
された画素値はフレームメモリ32に書き込まれる。
【0043】図2に示したように、中位の画像の画素の
数は、入力画像の画素の数の1/2であるが、そのうち
の1/2を下位の画像の画素が占める。下位の画像の画
素は既に符号化されているため、中位の画像を符号化す
るために実際に符号化する画素は、中位の画像の画素の
1/2だけでよい。
【0044】中位画像符号化器34における符号化の方
法の詳細は以下の通りである。画素P(x,y)の符号
化で参照される画素は、下位の階層の画素であり、下位
画像符号化器35および下位画像局所復号器38によっ
て、既に符号化および復号が終わっている画素P(x−
1,y−1)、P(x+1,y−1)、P(x−1,y
+1)、P(x+1,y+1)と、同じ中位の階層の画
素で、符号化しようとする画素P(x,y)に対して画
像の上側または左側に位置しているため、中位画像符号
化装置34および中位画像局所復号器37によって既に
符号化および復号が終わっている画素P(x,y−
2)、P(x−2,y)である。
【0045】これらの画素の位置関係を図3に示す。画
素P(x,y)の符号化は、これらの6画素をコンテキ
スト(参照情報)として用いた適応算術符号化によって
行われる。即ち、その6つの2値画素を、各値がそれぞ
れ0であるか1であるかによって64(2の6乗)通り
に分類し、それぞれのパターンに応じて符号化する画素
P(x,y)がとる値を予測して算術符号を用いて符号
化する。画素P(x,y)がとる値の予測は、通常の適
応算術符号の場合と同様に、それまでに符号化した画素
の値の統計で求める。
【0046】中位画像局所復号器37では、中位画像符
号化装置34と同じコンテキストを用いて適応算術符号
を復号する。
【0047】なお、P(−1,0)のような画枠外の画
素については、その値が0であるものとして扱う。この
ことは以下においても同様である。他の扱い方として、
既に符号化されている最も近い画素と同一の値であると
することも可能である。
【0048】上位の画像の画素は、入力画像の画素全体
であり、そのうちの1/2の画素が中位または下位の画
像の画素である。中位の画像と下位の画像の画素は既に
符号化されているため、上位の画像を符号化するために
実際に符号化する画素は、上位の画像の画素の1/2だ
けでよい。
【0049】中位画像符号化器34における符号化、お
よび中位画像局所復号器37における復号が終わった
後、上位の画像が処理される。上位画像符号化器33で
は、画素P(x,y)のうち、x+yが奇数となる画素
を、x+y×Wの値の小さいものから順に符号化する。
上位画像符号化器33から出力された符号は、出力され
た順に上位画像局所復号器36で復号され、復号された
画素値はフレームメモリ32に書き込まれる。
【0050】上位画像符号化器33における符号化の方
法の詳細は以下の通りである。画素P(x,y)の符号
化で参照される画素は、中位または下位の階層の画素
で、既に符号化および復号が終わっているP(x,y−
1)、P(x−1,y)、P(x+1,y)、P(x,
y+1)と、同じ上位の階層の画素で、符号化しようと
する画素P(x,y)に対して画像の上側に位置してい
るため上位画像符号化器33および上位画像局所復号器
36によって既に符号化および復号が終わっているP
(x−1,y−1)、P(x+1,y−1)である。
【0051】これらの画素の位置関係を図4に示す。画
素P(x,y)の符号化は、これらの6画素をコンテキ
ストとして用いた適応算術符号化によって行われる。即
ち、それらの6画素を、各画素の値がそれぞれ0である
か1であるかによって64(2の6乗)通りに分類し、
それぞれのパターンに応じて符号化する画素P(x,
y)がとる値を予測して算術符号を用いて符号化する。
画素P(x,y)がとる値の予測は、通常の適応算術符
号の場合と同様に、それまでに符号化した画素の値の統
計で求める。
【0052】上位画像局所復号器36では、上位画像符
号化器33の場合と同一のコンテキストを用いて適応算
術符号を復号する。中位画像符号化のときに参照する画
素と、上位画像符号化のときに参照する画素の位置関係
は、図3および図4に示したように、そのいずれかを4
5度だけ回転させて拡大または縮小することにより一致
するという関係にある。例えば、図3に示したような各
画素を、それぞれ画素P(x,y)を中心として45度
だけ時計回りに回転させ、所定の倍率で縮小することに
より、図4に示したような位置関係になる。
【0053】このように、中位画像符号化のときに参照
する画素と、上位画像符号化のときに参照する画素は、
空間的な配置が相似であるので、同一の算術符号を使う
ことにより算術符号で用いるテーブルを記憶するメモリ
領域を節約することができる。更に、適応算術符号の場
合には入力画像に適応する速度が速くなる。ただし、入
力画像に適応するための充分な余裕があれば、別々の適
応算術符号を使った場合の方が、最終的に各々について
最適なものが学習される点でよい。
【0054】下位画像符号化器35で用いる符号化方法
はどのようなものでも構わないと述べたが、上位および
中位の画像符号化器33,34で使われている方法と同
様の枠組みからなる方法として次の方法がある。この方
法は、中位および上位画像の符号化方法と共通性のある
方法なので、符号化装置を設計したり、作成することを
容易にするという利点がある。
【0055】下位画像符号化器35では、画素P(x,
y)のうち、その座標値x,yがともに偶数である画素
を、x+y×Wの値の小さいものから順に符号化する。
下位画像符号化器35から出力された符号は、出力され
た順に下位画像局所復号器38で復号され、復号された
画素値はフレームメモリ32に書き込まれる。
【0056】下位画像符号化器35における符号化の方
法の詳細は以下の通りである。画素P(x,y)の符号
化で参照される画素は、下位の階層の画素で、符号化し
ようとする画素P(x,y)に対して、画像の上側また
は左側に位置しているため、下位画像符号化器35およ
び下位画像局所復号器38によって既に符号化および復
号が終わっている画素P(x−2,y−2)、P(x,
y−2)、P(x+2,y−2)、およびP(x−2,
y)である。
【0057】これらの画素の位置関係を図5に示す。画
素P(x,y)の符号化は、これらの4画素をコンテキ
ストとして用いた適応算術符号化によって行われる。即
ち、それらの4画素を、各画素値がそれぞれ0であるか
1であるかによって16(2の4乗)通りに分類し、そ
れぞれのパターンに応じて符号化する画素P(x,y)
がとる値を予測して算術符号を用いて符号化する。画素
P(x,y)がとる値の予測は、通常の適応算術符号の
場合と同様に、それまでに符号化した画素の値の統計で
求める。
【0058】以上のように、図1に示した第1の実施の
形態では、入力画像を空間的解像度について階層的に符
号化するときに、各階層の画像の画素の一部を抜き出し
たものを相対的に下の階層の画像の画素として用いるこ
とにより、図26に示したように、下位の階層の画像を
作る装置(画像縮小器3)および下位の階層の画像を記
憶する装置(下位画像フレームメモリ4)を不用にし、
符号化装置を簡略化することができる。
【0059】更に、各階層の画素が相対的に上位の階層
の画素でもあるため、上位の階層で符号化する画素の数
が半分に減り、符号化のための処理量と符号の発生量を
従来の場合より低下させることができる。また、階層が
3段階であり、従来より1段階多いため、下位画像のみ
を符号化する段階、下位画像と中位画像を符号化する段
階、下位画像と中位画像と上位画像を符号化する段階と
いう3段階に符号発生量を調節することができ、より柔
軟なレートコントロールを可能とすることができる。
【0060】このようにして、階層的に符号化されたビ
ットストリームは、光ディスク200等の記録媒体に記
録される。
【0061】図6は、本発明の前記第1の実施の形態と
して入力された2値画像を階層的に表す符号を、復号す
る復号装置の構成を示すブロック図である。
【0062】逆多重化器52は、光ディスク200等よ
り階層符号入力端子51を介して入力された階層的に符
号化された符号を逆多重化し、下位、中位、上位の各画
像用の符号に分離するようになされている。下位画像復
号器55(第1の復号手段)は、逆多重化器52より供
給された下位画像用の符号を復号するようになされてい
る。中位画像復号器54(第2の復号手段)は、逆多重
化器52より供給された中位画像用の符号を復号するよ
うになされている。また、上位画像復号器53(第2の
復号手段)は、逆多重化器52より供給された上位画像
用の符号を復号するようになされている。
【0063】フレームメモリ56は、上位画像復号器5
3からの復号された画素、中位画像復号器54からの復
号された画素、および下位画像復号器55からの復号さ
れた画素を記憶するようになされている。そして、高解
像度の画像を鑑賞する場合、上位画像を構成する画素か
らなる画像データを上位画像出力端子57より出力し、
中解像度の画像を鑑賞する場合、中位画像を構成する画
素からなる画像データを中位画像出力端子58より出力
し、低解像度の画像を鑑賞する場合、下位画像を構成す
る画素からなる画像データを下位画像出力端子59より
出力するようになされている。さらに、上位画像復号器
53、中位画像復号器54、および下位画像復号器55
に、参照画像を供給するようになされている。
【0064】図6に示す第1の実施の形態の復号装置の
構成が、図27に示した従来例と大きく異なるのは、各
階層の画像を記憶するためのフレームメモリが各階層に
よって共有されており、フレームメモリが1つしか存在
しない点、また、解像度の階層が3段階あり、従来例よ
り1段階増えている点である。3つの階層の画素は、図
2に示したような位置関係にある。
【0065】次に、その動作について説明する。階層符
号入力端子51から入力された階層的に符号化された符
号は、逆多重化器52で逆多重化されて下位、中位、上
位の画像用の符号に分離される。下位画像用符号は下位
画像復号器55で復号され、フレームメモリ56に蓄え
られる。低解像度の画像で観賞する場合には、この画像
が下位画像出力端子59より出力される。
【0066】下位画像の符号の復号は、例えば、図1の
符号化装置の場合と同様に、周囲の既に復号されている
画素を参照して行われる。参照する画素は、図1の符号
化装置の場合と同様、下位の階層の画素で、復号しよう
とする画素P(x,y)に対して画像の上側または左側
に位置しているため既に復号が終わっているP(x−
2,y−2)、P(x,y−2)、P(x+2,y−
2)、およびP(x−2,y)である。復号された画素
は、フレームメモリ56に蓄えられ、続く画素の復号の
ときに参照される。
【0067】それより高い解像度の画像を観賞する場合
には、続いて中位画像復号器54で中位画像の符号を復
号する。中位の画像の画素は、上位の画像の画素の1/
2であるが、そのうちの1/2を下位の画像の画素が占
める。下位の画像の画素は既に復号されているため、中
位の画像を復号するために実際に符号化する画素の数
は、中位の画像の画素の数の1/2だけでよい。
【0068】中位画像の符号の復号は、図1の符号化装
置の場合と同様に、周囲の既に復号されている画素を参
照して行われる。参照する画素は、図1の符号化装置の
場合と同様、下位の階層の画像で、既に復号が終わって
いる画素P(x−1,y−1)、P(x+1,y−
1)、P(x−1,y+1)、P(x+1,y+1)
と、同じ中位の階層の画素で、復号しようとする画素P
(x,y)に対して画像の上側または左側に位置してい
るため、既に復号が終わっているP(x,y−2)、P
(x−2,y)である。復号された画素はフレームメモ
リ56に蓄えられ、続く画素の復号のときに参照され
る。中解像度の画像で観賞する場合には、この画像が中
位画像出力端子58に出力される。
【0069】更に高解像度の画像を観賞する場合には、
続いて上位画像復号器53で上位画像の符号を復号す
る。上位の画像の画素のうちの1/2の画素が中位また
は下位の画像の画素である。中位の画像と下位の画像の
画素は既に復号されているため、上位の画像を復号する
ために実際に復号する画素の数は、上位の画像の画素の
数の1/2だけでよい。
【0070】上位画像の符号の復号は、図1の符号化装
置の場合と同様に、周囲の既に復号されている画素を参
照して行われる。参照する画素は、図1の符号化装置の
場合と同じく、中位または下位の画像で既に復号が終わ
っている画素P(x,y−1)、P(x−1,y)、P
(x+1,y)、P(x,y+1)と、同じ上位の画素
で、復号しようとする画素P(x,y)に対して画像の
上側に位置しているため、既に復号が終わっている画素
P(x−1,y−1)、P(x+1,y−1)である。
復号された画素はフレームメモリ56に蓄えられ、続く
画素の復号のときに参照される。高解像度の画像を観賞
する場合には、フレームメモリ56に記憶されている全
画素で構成される上位画像が上位画像出力端子57より
出力される。
【0071】以上の説明では、画像を符号化するとき、
適応算術符号を用いるとしたが、固定的な算術符号を用
いてもよいし、複数の画素をまとめた上でVLC(可変
長符号)を用いてもよい。
【0072】以上のように、図6に示した第1の実施の
形態の復号装置では、各階層の画像の画素を相対的に上
位の階層の画像の画素の一部とすることにより、下位の
階層の画像を記憶する装置を不用にし、復号装置を簡略
化している。更に、下位の階層で復号した画素が上位の
階層の画素でもあるため、上位の階層で復号する画素の
数を減らすことができ、符号化のための処理量を減らす
ことができる。
【0073】図7は、下位画像の符号化を行うための構
成として前記図1に示した第1の実施の形態の全体構成
と同じものを用いた、本発明の第2の実施の形態の符号
化装置の構成を示すブロック図である。
【0074】フレームメモリ62は、画像入力端子61
より入力された画像を記憶するようになされている。下
−下位画像符号化器67は、入力画像を構成する各画素
P(x,y)のうち、x、y、x/2、y/2がともに
偶数である画素の値を符号化するようになされている。
下−下位画像局所復号器72は、下−下位画像符号化器
67によって符号化された符号を復号し、フレームメモ
リ62に書き戻すようになされている。
【0075】下−中位画像符号化器66は、入力画像を
構成する各画素P(x,y)のうち、x、y、x/2+
y/2がともに偶数である画素の値を符号化するように
なされている。下−中位画像局所復号器71は、下−中
位画像符号化器66によって符号化された符号を復号
し、フレームメモリ62に書き戻すようになされてい
る。また、下−上位画像符号化器65は、入力画像を構
成する各画素P(x,y)のうち、x、yがともに偶数
であり、x/2+y/2が奇数である画素の値を符号化
するようになされている。下−上位画像局所復号器70
は、下−上位画像符号化器65によって符号化された符
号を復号し、フレームメモリ62に書き戻すようになさ
れている。
【0076】中位画像符号化器64は、画素P(x,
y)のうち、x,yがともに奇数である画素を符号化す
るようになされている。中位画像局所復号器69は、中
位画像符号化器64より出力された符号を復号し、フレ
ームメモリ62に書き戻すようになされている。上位画
像符号化器63は、画素P(x,y)のうち、x+yが
奇数となる画素を符号化するようになされている。上位
画像局所復号器68は、上位画像符号化器63によって
符号化された符号を復号し、フレームメモリ62に書き
戻すようになされている。
【0077】多重化器73は、下−下位画像符号化器6
7、下−中位画像符号化器66、下−上位画像符号化器
65、中位画像符号化器64、および上位画像符号化器
63より出力された符号を多重化し、階層符号出力端子
74より出力するようになされている。
【0078】このように、図7に示した第2の実施の形
態の符号化装置では、入力画像を5階層に分けて符号化
している。5つの階層の画素の関係を図8に示す。この
第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態において
図2に示したように下位画像であった縦横1つおきの画
素が、図8においては下−上位画像、下−中位画像、下
−下位画像の3つの階層に分かれている。 図7に示し
た第2の実施の形態の符号化装置の構成の動作は、以下
の3つの場合が図1に示した第2の実施の形態の下位画
像の符号化部分(下位画像符号化器35)と置き代わる
点以外において、図1の第1の実施の形態の場合と同様
である。
【0079】下−下位画像は、下−下位画像符号化器6
7で適応算術符号化される。このとき用いられるコンテ
キストは、図9に示すように、画素P(x,y)を符号
化する場合、下−下位画像の画素P(x−4,y−
4)、P(x,y−4)、P(x+4,y−4)、P
(x−4,y)の4画素である。
【0080】下−中位画像は、下−中位画像符号化器6
6で適応算術符号化される。このとき用いられるコンテ
キストは、図10に示すように、画素P(x,y)を符
号化する場合、下−下位画像の画素P(x−2,y−
2)、P(x+2,y−2)、P(x−2,y+2)、
P(x+2,y+2)と、下−中位画像の既に符号化が
終了している画素P(x,y−4)、P(x−4,y)
の6画素である。
【0081】下−上位画像は下−上位画像符号化器65
で適応算術符号化される。このとき用いられるコンテキ
ストは、図11に示すように、画素P(x,y)を符号
化する場合、下−中位画像または下−下位画像の画素P
(x,y−2)、P(x−2,y)、P(x+2,
y)、P(x,y+2)と、下−上位画像の既に符号化
が終了している画素P(x−2,y−2)、P(x+
2,y−2)の6画素である。
【0082】このように、この第2の実施の形態におい
ても、前記図1の実施の形態の場合と同様に、各階層の
画像の画素が相対的に上位の階層の画像の画素として使
われるため、階層を増やしたことによる符号化効率の劣
化がほとんどないという利点がある。また、階層を増や
してもフレームメモリの数が増えることはない。
【0083】また、この第2の実施の形態における、最
下位の画像(下−下位の画像)の符号化方法として、前
記図1に示した第1の実施の形態での符号化方法を用い
ることにより、更に階層の数を増やすことができる。同
様にして、この階層を更に増やしていくことができる
が、符号化効率および処理の容易さから考えて、図13
乃至図15を参照して後述するように、前記第1の実施
の形態での階層を4段の階層にして用い、画素を9階層
に分けて符号化する程度が適当である。
【0084】図12は、この第2の実施の形態の復号方
法として、前記図6に示した第1の実施の形態の全体構
成と同じものを用いて下位画像の復号を行うようにした
復号装置の構成を示すブロック図である。
【0085】逆多重化器82は、階層符号入力端子81
より入力された階層的に符号化された符号を逆多重化
し、下−下位、下−中位、下−上位、中位、および上位
の各画像用の符号に分離するようになされている。下−
下位画像復号器87は、逆多重化器82より供給された
下−下位画像用の符号を復号するようになされている。
下−中位画像復号器86は、逆多重化器82より供給さ
れた下−中位画像用の符号を復号するようになされてい
る。下−上位画像復号器85は、逆多重化器82より供
給された下−上位画像用の符号を復号するようになされ
ている。中位画像復号器84は、逆多重化器82より供
給された中位画像用の符号を復号するようになされてい
る。また、上位画像復号器83は、逆多重化器82より
供給された上位画像用の符号を復号するようになされて
いる。
【0086】フレームメモリ88は、上位画像復号器8
3からの復号された画素、中位画像復号器84からの復
号された画素、下−上位画像復号器85からの復号され
た画素、下−中位画像復号器86からの復号された画
素、および下−下位画像復号器87からの復号された画
素を記憶するようになされている。そして、高解像度の
画像を鑑賞する場合、上位画像を構成する画素からなる
画像データを上位画像出力端子89より出力し、中解像
度の画像を鑑賞する場合、中位画像を構成する画素から
なる画像データを中位画像出力端子90より出力し、低
解像度の画像を鑑賞する場合、下−上位画像を構成する
画素からなる画像データを下−上位画像出端子91より
出力するようになされている。また、下−中位画像を構
成する画素からなる画像データを下−中位画像出力端子
92より出力するようになされている。さらに、下−下
位画像を構成する画素からなる画像データを下−下位画
像出力端子93より出力するようになされている。
【0087】また、上位画像復号器83、中位画像復号
器84、下−上位画像復号器85、下−中位画像復号器
86、および下−下位画像復号器87に参照画像を供給
するようになされている。
【0088】このように、図12に示した第2の実施の
形態の復号装置は、空間的な解像度について5つの階層
を持つ符号を復号する装置である。5つの階層の画素は
図8に示したような位置関係にある。
【0089】階層符号入力端子81から入力された階層
的に符号化された符号は、逆多重化器82で逆多重化さ
れ、下−下位、下−中位、下−上位、中位、および上位
の各画像用の符号に分離される。
【0090】図12に示した第2の実施の形態の復号装
置の動作は、以下の3つの場合が前記図6に示した第1
の実施の形態における下位画像の復号部分(下位画像復
号器55)と置き代わる点以外において、図6に示した
第1の実施の形態の場合と同一である。
【0091】下−下位画像復号器87により、下−下位
画像の適応算術符号が復号される。このとき用いられる
コンテキストは、図7に示した符号化装置の場合と同様
に、下−下位画像の画素P(x−4,y−4)、P
(x,y−4)、P(x+4,y−4)、P(x−4,
y)の4画素である。
【0092】下−中位画像復号器86により、下−中位
画像の適応算術符号が復号される。このとき用いられる
コンテキストは、図7に示した符号化装置の場合と同様
に、下−下位画像の画素P(x−2,y−2)、P(x
+2,y−2)、P(x−2,y+2)、P(x+2,
y+2)と、下−中位の画素のP(x,y−4)、P
(x−4,y)の6画素である。
【0093】下−上位画像復号器85により、下−上位
画像の適応算術符号が復号される。このとき用いられる
コンテキストは、図7の符号化装置の場合と同様、下−
中位または下−下位画像の画素P(x,y−2)、P
(x−2,y)、P(x+2,y)、P(x,y+2)
と、下−上位の画素のP(x−2,y−2)、P(x+
2,y−2)の6画素である。
【0094】このように、第2の実施の形態の復号にお
いては、図6に示した第1の実施の形態の場合と同様
に、各階層の画像の画素が相対的に上の階層の画像の画
素として使われるため、下の階層の画像を記憶する装置
を不用にし、復号装置を簡略化することができる。更
に、下の階層で復号した画素が上の階層の画素でもある
ため、上の階層で復号する画素の数が減り、符号化のた
めの処理量を減らすことができる。また、階層を増やし
たにもかかわらず、フレームメモリの数を1つのままと
することができる。
【0095】また、この第2の実施の形態における最下
位の符号(下−下位の画像の符号)の復号方法として、
図6に示した第1の実施の形態と同じものを用いること
により、更に階層の数を増やすことができる。同様にし
て、この階層を更に増やしていくことができるが、上述
した符号化装置の場合において、図1に示した第1の実
施の形態における階層を4段の階層にして用い、画素を
9階層に分けて符号化する程度が適当であるのと同様
に、復号装置においても、図6に示した第1の実施の形
態での階層を4段の階層にして用い、9階層の符号を復
号する程度が適当である。
【0096】図13は、入力された画像を9階層に分け
て符号化する本発明の第3の実施の形態の符号化装置の
構成を示すブロック図である。
【0097】フレームメモリ102は、画像入力端子1
01より入力された画像を記憶するようになされてい
る。下−下−下−下位画像符号化器111は、入力画像
を構成する各画素P(x,y)のうち、x、y、x/
2、y/2がともに偶数であり、x/4、y/4がとも
に偶数であり、さらに、x/8、y/8がともに偶数で
ある画素の値を符号化するようになされている。下−下
−下−下位画像局所復号器120は、下−下−下−下位
画像符号化器111によって符号化された符号を復号
し、フレームメモリ102に書き戻すようになされてい
る。
【0098】下−下−下−中位画像符号化器110は、
入力画像を構成する各画素P(x,y)のうち、x、
y、x/2、y/2がともに偶数であり、x/4、y/
4が偶数であり、さらに、x/8+y/8が偶数である
画素の値を符号化するようになされている。下−下−下
−中位画像局所復号器119は、下−下−下−中位画像
符号化器110によって符号化された符号を復号し、フ
レームメモリ102に書き戻すようになされている。
【0099】下−下−下−上位画像符号化器109は、
入力画像を構成する各画素P(x,y)のうち、x、
y、x/2、y/2がともに偶数であり、x/4、y/
4が偶数であり、さらに、x/8+y/8が奇数である
画素の値を符号化するようになされている。下−下−下
−上位画像局所復号器118は、下−下−下−上位画像
符号化器109によって符号化された符号を復号し、フ
レームメモリ102に書き戻すようになされている。
【0100】下−下−中位画像符号化器108は、入力
画像を構成する各画素P(x,y)のうち、x、y、x
/2、y/2がともに偶数であり、x/4+y/4が偶
数である画素の値を符号化するようになされている。下
−下−中位画像局所復号器117は、下−下−中位画像
符号化器108によって符号化された符号を復号し、フ
レームメモリ102に書き戻すようになされている。
【0101】下−下−上位画像符号化器107は、入力
画像を構成する各画素P(x,y)のうち、x、y、x
/2、y/2がともに偶数であり、x/4+y/4が奇
数である画素の値を符号化するようになされている。下
−下−上位画像局所復号器116は、下−下−上位画像
符号化器107によって符号化された符号を復号し、フ
レームメモリ102に書き戻すようになされている。
【0102】下−中位画像符号化器106は、入力画像
を構成する各画素P(x,y)のうち、x、y、x/2
+y/2がともに偶数である画素の値を符号化するよう
になされている。下−中位画像局所復号器115は、下
−中位画像符号化器106によって符号化された符号を
復号し、フレームメモリ102に書き戻すようになされ
ている。
【0103】下−上位画像符号化器105は、入力画像
を構成する各画素P(x,y)のうち、x、yがともに
偶数であり、x/2+y/2が奇数である画素の値を符
号化するようになされている。下−上位画像局所復号器
114は、下−上位画像符号化器105によって符号化
された符号を復号し、フレームメモリ102に書き戻す
ようになされている。
【0104】中位画像符号化器104は、画素P(x,
y)のうち、x,yがともに奇数である画素を符号化す
るようになされている。中位画像局所復号器113は、
中位画像符号化器104より出力された符号を復号し、
フレームメモリ102に書き戻すようになされている。
上位画像符号化器103は、画素P(x,y)のうち、
x+yが奇数となる画素を符号化するようになされてい
る。上位画像局所復号器112は、上位画像符号化器1
03によって符号化された符号を復号し、フレームメモ
リ102に書き戻すようになされている。
【0105】多重化器121は、上位画像符号化器10
3、中位画像符号化器104、下−下−上位画像符号化
器105、下−中位画像符号化器106、下−下−上位
画像符号化器107、下−下−中位画像符号化器10
8、下−下−下−上位画像符号化器109、下−下−下
−中位画像符号化器110、および下−下−下−下位画
像符号化器111より出力された各階層の符号を多重化
し、階層符号出力端子122より出力するようになされ
ている。
【0106】このように、図13に示した符号化装置で
は、入力画像を9階層に分けて符号化している。9つの
階層の画素の関係を図14に示す。図7に示した第2の
実施の形態においては、前記図8に示すように下−下位
画像であった縦横3つおきの画素が、この第3の実施の
形態では、図14に示すように、下−下−上位画像(番
号5で表された画素)、下−下−中位画像(番号4で表
された画素)、下−下−下−上位画像(番号3で表され
た画素)、下−下−下−中位画像(番号2で表された画
素)、下−下−下−下位画像(番号1で表された画素)
の5つの階層に分かれている。なお、各階層の画素は反
復して現れており、図14では左上側以外において、画
素の番号の記入を省略している。
【0107】図13に示した第3の実施の形態の符号化
装置の動作は、以下の5つの場合において、図7に示し
た第2の実施の形態の符号化装置の下−下位画像の符号
化部分と置き代わる点以外において、図7の実施の形態
の場合と同様である。
【0108】下−下−下−下位画像は、下−下−下−下
位画像符号化器111で適応算術符号化される。このと
き用いられるコンテキストは、画素P(x,y)を符号
化する場合、下−下−下−下位画像の画素P(x−1
6,y−16)、P(x,y−16)、P(x+16,
y−16)、P(x−16,y)の4画素である。
【0109】下−下−下−中位画像は、下−下−下−中
位画像符号化器110で適応算術符号化される。このと
き用いられるコンテキストは、画素P(x,y)を符号
化する場合、下−下−下−下位画像の画素P(x−8,
y−8)、P(x+8,y−)、P(x−8,y+
8)、P(x+8,y+8)と、下−下−下−中位画像
の既に符号化が終了している画素P(x,y−16)、
P(x−16,y)の6画素である。
【0110】下−下−下−上位画像は、下−下−下−上
位画像符号化器109で適応算術符号化される。このと
き用いられるコンテキストは、画素P(x,y)を符号
化する場合、下−下−下−中位画像または下−下−下−
下位画像の画素P(x,y−8)、P(x−8,y)、
P(x+8,y)、P(x,y+8)と、下−下−下−
上位画像の既に符号化が終了している画素P(x−8,
y−8)、P(x+8,y−8)の6画素である。
【0111】下−下−中位画像は、下−下−中位画像符
号化器108で適応算術符号化される。このとき用いら
れるコンテキストは、画素P(x,y)を符号化する場
合、下−下−下−下位画像、下−下−下−中位画像、ま
たは下−下−下−上位画像の画素P(x−4,y−
4)、P(x+4,y−4)、P(x−4,y+4)、
P(x+4,y+4)と、下−下−中位画像の既に符号
化が終了している画素P(x,y−8)、P(x−8,
y)の6画素である。
【0112】下−下−上位画像は、下−下−上位画像符
号化器107で適応算術符号化される。このとき用いら
れるコンテキストは、画素P(x,y)を符号化する場
合、下−下−中位画像、下−下−下−下位画像、下−下
−下−中位画像、または下−下−下−上位画像の画素P
(x,y−4)、P(x−4,y)、P(x+4,
y)、P(x,y+4)と、下−下−上位画像の既に符
号化が終了している画素P(x−4,y−4)、P(x
+4,y−4)の6画素である。
【0113】図15は、第3の実施の形態の復号方法と
して、下−下位画像の復号を前記図12に示した第2の
実施の形態の構成と同じものを用いて行うようにした、
本発明の第3の実施の形態の復号装置の構成を示すブロ
ック図である。
【0114】逆多重化器132は、階層符号入力端子1
31より入力された階層的に符号化された符号を逆多重
化し、下−下−下−下位、下−下−下−中位、下−下−
下−上位、下−下−中位、下−下−上位、下−中位、下
−上位、中位、および上位の各画像用の符号に分離する
ようになされている。
【0115】下−下−下−下位画像復号器141は、逆
多重化器132より供給された下−下−下−下位画像用
の符号を復号するようになされている。下−下−下−中
位画像復号器140は、逆多重化器132より供給され
た下−下−下−中位画像用の符号を復号するようになさ
れている。下−下−下−上位画像復号器139は、逆多
重化器132より供給された下−下−下−上位画像用の
符号を復号するようになされている。下−下−中位画像
復号器138は、逆多重化器132より供給された下−
下−中位画像用の符号を復号するようになされている。
【0116】また、下−下−上位画像復号器137は、
逆多重化器132より供給された下−下−上位画像用の
符号を復号するようになされている。下−中位画像復号
器136は、逆多重化器132より供給された下−中位
画像用の符号を復号するようになされている。下−上位
画像復号器135は、逆多重化器132より供給された
下−上位画像用の符号を復号するようになされている。
中位画像復号器134は、逆多重化器132より供給さ
れた中位画像用の符号を復号するようになされている。
また、上位画像復号器133は、逆多重化器132より
供給された上位画像用の符号を復号するようになされて
いる。
【0117】フレームメモリ142は、下−下−下−下
位画像復号器141からの復号された画素、下−下−下
−中位画像復号器140からの復号された画素、下−下
−下−上位画像復号器139からの復号された画素、下
−下−中位画像復号器138からの復号された画素、下
−下−上位画像復号器137からの復号された画素、下
−中位画像復号器136からの復号された画素、下−上
位画像復号器135からの復号された画素、中位画像復
号器134からの復号された画素、および上位画像復号
器133からの復号された画素を記憶するようになされ
ている。
【0118】そして、9つの階層の画像のうち、最も解
像度の低い画像を鑑賞する場合、フレームメモリ142
に記憶された下−下−下−下位画像復号器141より出
力された各画素に対応する画像(図14において、番号
1で表された画素からなる画像)を下−下−下−下位画
像出力端子151より出力する。この画像より1つ上の
階層の画像を鑑賞する場合、この画像と、さらに、フレ
ームメモリ142に記憶された下−下−下−中位画像復
号器140より出力された画素に対応する画像(図14
において、番号2で表された画素からなる画像)を下−
下−下−中位画像出力端子150より出力する。そし
て、最も解像度の高い画像を鑑賞する場合、全階層の画
像を上位画像出力端子143より出力する。
【0119】また、フレームメモリ142は、下−下−
下−下位画像復号器141、下−下−下−中位画像復号
器140、下−下−下−上位画像復号器139、下−下
−中位画像復号器138、下−下−上位画像復号器13
7、下−中位画像復号器136、下−上位画像復号器1
35、中位画像復号器134、および上位画像復号器1
33に対して、それぞれに対応する参照画素を供給する
ようになされている。
【0120】このように、図12に示した復号装置は、
空間的な解像度について9つの階層を持つ符号を復号す
る装置である。9つの階層の画素は図14に示したよう
な位置関係にある。
【0121】階層符号入力端子131から入力された階
層的に符号化された符号は、逆多重化器132で逆多重
化され、下−下−下−下位、下−下−下−中位、下−下
−下−上位、下−下−中位、下−下−上位、下−中位、
下−上位、中位、および上位の画像用の符号に分離され
る。
【0122】図15に示した第3の実施の形態の復号装
置の動作は、以下の5つの場合が前記図12に示した第
2の実施の形態での下−下位画像の復号部分(下−下位
画像復号器87)と置き代わる点以外において、図12
に示した第2のの実施の形態の場合と同様である。
【0123】下−下−下−下位画像復号器141によ
り、下−下−下−下位画像の適応算術符号が復号され
る。このとき用いられるコンテキストは、図13に示し
た符号化装置の場合と同様に、下−下−下−下位画像の
画素P(x−16,y−16)、P(x,y−16)、
P(x+16,y−16)、P(x−16,y)の4画
素である。
【0124】下−下−下−中位画像復号器140によ
り、下−下−下−中位画像の適応算術符号が復号され
る。このとき用いられるコンテキストは、図13に示し
た符号化装置の場合と同様に、下−下−下−下位画像の
画素P(x−8,y−8)、P(x+8,y−8)、P
(x−8,y+8)、P(x+8,y+8)と、下−下
−下−中位画像の画素P(x,y−16)、P(x−1
6,y)の6画素である。
【0125】下−下−下−上位画像復号器139によ
り、下−下−下−上位画像の適応算術符号が復号され
る。このとき用いられるコンテキストは、図13に示し
た符号化装置の場合と同様に、下−下−下−中位画像ま
たは下−下−下−下位画像の画素P(x,y−8)、P
(x−8,y)、P(x+8,y)、P(x,y+8)
と、下−下−下−上位画像の画素P(x−8,y−
8)、P(x+8,y−8)の6画素である。
【0126】下−下−中位画像復号器138により、下
−下−中位画像の適応算術符号が復号される。このとき
用いられるコンテキストは、図13に示した符号化装置
の場合と同様に、下−下−下−下位画像、下−下−下−
中位画像、または下−下−下−上位画像の画素P(x−
4,y−4)、P(x+4,y−4)、P(x−4,y
+4)、P(x+4,y+4)と、下−下−中位画像の
画素P(x,y−8)、P(x−8,y)の6画素であ
る。
【0127】下−下−上位画像復号器137により、下
−下−上位画像の適応算術符号が復号される。このとき
用いられるコンテキストは、図13に示した符号化装置
の場合と同様に、下−下−中位画像、下−下−下−下位
画像、下−下−下−中位画像または下−下−下−上位画
像の画素P(x,y−4)、P(x−4,y)、P(x
+4,y)、P(x,y+4)と、下−下−上位画像の
画素P(x−4,y−4)、P(x+4,y−4)の6
画素である。
【0128】このように、第3の実施の形態において
は、図12に示した第2の実施の形態の場合と同様に、
各階層の画像の画素が相対的に上の階層の画像の画素と
して使われるため、下の階層の画像を記憶する装置を不
用にし、復号装置を簡略化することができる。更に、下
の階層で復号した画素が上の階層の画素でもあるため、
上の階層で復号する画素の数が減り、符号化のための処
理量を減らすことができる。また、階層を増やしたにも
かかわらず、フレームメモリの数を1つのままとするこ
とができる。
【0129】以上のように、ハードキー信号などの2値
画像を、空間的解像度について階層的な符号化をすると
き、各階層の画像を相対的に上の階層の画像の一部の画
像とすることにより、フレームメモリを1つのみとする
ことができるとともに、画像を縮小するための装置を不
用にし、符号化装置の構成を簡単にすることができる。
また、各階層の画像において、符号化しなければならな
い画素の数を半減することができ、符号化のための処理
量を減少させるとともに、符号発生量を減少させること
ができる。さらに、階層の数を従来より増やすことがで
き、より柔軟なレートコントロールを行うことができ
る。
【0130】また、上記符号化装置によって、ハードキ
ー信号などの2値画像が空間的解像度について階層的に
符号化された符号を復号するとき、各階層の画像を相対
的に上位の階層の画像の画素の一部とすることにより、
フレームメモリを1つのみとし、復号装置の構成を簡単
にするとともに、復号における処理量を減少させること
ができる。
【0131】なお、上記各実施の形態においては、適応
算術符号を用いるものとしたが、固定的な算術符号を用
いてもよいし、複数の画素をまとめた上でVLC(可変
長符号)を用いてもよい。
【0132】また、上記各実施の形態において、コンテ
キスト(参照情報)としてより多くの画素の情報を用い
ることにより、符号化効率を向上させるようにすること
もできる。例えば、中位画像符号化のときに、画素P
(x+3,y−1)、P(x+3,y+1)、P(x−
1,y+3)、およびP(x+1,y+3)の4画素を
追加して合計10画素のコンテキストを用い、上位画像
符号化のときに、画素P(x−2,y+1)、P(x+
2,y+1)、P(x−1,y+2)、およびP(x+
1,y+2)の4画素を追加して合計10画素のコンテ
キストを用いるのがよい。あるいは、その他のコンテキ
ストを用いるようにしてもよい。
【0133】また、上記各実施の形態においては、各階
層の画像を符号化するときに、半分の画素は相対的に下
位の画像として既に符号化されているため、実際に符号
化する画素は残りの半分だけでよいとしたが、既に符号
化されている画素も、その画素自身をコンテキストとし
て符号化すると解釈してもよい。そのとき、すべての画
素が符号化されるということになるが、実際には半分の
画素の符号化においては符号発生量が0であり、残りの
半分の画素のみを符号化する場合と全く同じことにな
る。
【0134】次に、第1の実施の形態又は第2の実施の
形態の符号化において、ある階層より上位の階層につい
ては符号を送らずに、解像度の低い画像として符号化
し、局所復号器で補間によって高い解像度の画像を再現
することで、クオリティスケーラビリティを持たせるよ
うにした、本発明の第4の実施の形態の符号化方法を、
図16を用いて説明する。なお、この第4の実施の形態
の符号化方法を実現する符号化装置の構成は、前記図1
に示した第1の実施の形態又は図7に示した第2の実施
の形態の符号化装置と同じであるが、この第4の実施の
形態の場合には、最下位の階層を除くそれぞれの階層の
画像符号化器或いは局所復号器において、より下位側の
階層にて既に求められている画素値を用いて補間画素を
生成するところが異なる。
【0135】このときの補間の方法として、例えば未だ
画素の値が決まっていない階層については、その階層よ
りも下位の階層から順に補間して求めるようにする。す
なわち、下位の各階層では、既に符号化又は局所復号或
いは補間が終っていて、これら下位の階層の各画素値は
定まっているいるので、それよりも上位の階層のある画
素を求める際には、その画素の周囲の4つの画素(既に
値が定まっている)を用いた補間を行う。
【0136】ここで、それら既に値が定まっている下位
の階層の4つの画素と、それら4つの画素の中心に位置
する補間したい画素の並び方には、図16の(a)、
(b)に示すような2通りがある。なお、この図16に
おいて、図中xは補間によってこれから求められること
になる画素を示し、この画素xの周囲のa,b,c,・
・・,l,m,nは、当該画素xより以前に符号化又は
局所復号或いは補間が終っている下位の階層の各画素を
示している。すなわち、図16の(a)の例では、下位
の階層の画素として奇数番目の階層までは符号化又は局
所復号、或いは補間が終っているため、補間したい画素
xの周囲の各画素値(画素a,b,c,dの値)はそれ
ぞれ定まっている。同じく、図16の(b)の例では、
下位の階層の画素として偶数番目の階層までは符号化又
は局所復号、或いは補間が終っているため、画素xの周
囲の各画素値(画素a,b,c,dの値)はそれぞれ定
まっている。なお、図16の(a)と(b)は、それぞ
れ他方を45度回転して拡大または縮小すると一致し、
どちらについても同じ補間の方法が適用できることがわ
かる。以下、図16の(a)を例に挙げて説明するが、
図16の(b)でも全く同じである。
【0137】この図16の(a)に示すように、既に値
の定まっている画素a,b,c,dが存在する場合にお
いて、それらの中心の画素xを補間により求める処理
は、図17のフローチャートのような手順となる。
【0138】この図17のフローチャートにおいて、先
ず、ステップST1及びステップST3では、画素xの
周囲の各画素a,b,c,dの各値を加算し、そのa+
b+c+dの値が例えば3以上であれば、ステップST
2により画素xの値は1であるとして補間し、a+b+
c+dの値が3より小さくさらに1以下であれば、ステ
ップST4により画素xの値は0であるとして補間す
る。
【0139】すなわち、画素xからその周囲の各画素
a,b,c,dへの距離が全て同じであることを考えた
場合、このステップST1からステップST4までの処
理は、線形補間を行なった結果がある上限しきい値以上
であれば上記画素xの値を1であるとし、ある下限しき
い値以下であれば0であるとするものである。
【0140】これに対して、上記ステップST1からス
テップST4の処理では画素xの値を決定できないと
き、すなわちa+b+c+dの値が3より小さく且つ1
以上であるときには、前述した第1の実施の形態と第2
の実施の形態の符号化における算術符号化にて用いる生
起確率テーブルを用いて補間を行うようにする。
【0141】ここで、前記第1、第2の実施の形態の符
号化において、算術符号化の参照情報として用いている
各画素は、この図16の(c)或いは(d)に示す各画
素a,b,c,d,e,f,g,h,i,jである。な
お、図16の(c)と(d)は、それぞれ他方を45度
回転して拡大または縮小すると一致し、どちらについて
も同じ補間の方法が適用できることがわかる。これら参
照情報の各画素値に対して、画素xが1となる確率を生
起確率テーブルで調べ、その確率が1/2以上であれば
画素xの値を1(x=1)とし、それ以外の確率であれ
ば画素xの値を0(x=0)とする。すなわち、図17
のステップST5では、各画素a,b,c,d,e,
f,g,h,i,jに対して画素xが1となる確率P
(a,b,c,d,e,f,g,h,i,j)が1/2
以上となるか否かを調べ、1/2以上となる場合にはス
テップST6にて画素xの値を1(x=1)に補間し、
1/2より小さくなる場合にはステップST7にて画素
xの値を0(x=0)に補間する。
【0142】これらにより、本実施の形態によれば、参
照情報によって確率テーブルを切替えて用いるという柔
軟性を得ることができる。また、周囲に存在している画
素に明らかな偏りがあるとき、すなわちステップST1
からステップST4のときには、確率テーブルを使わな
いため、適応的算術符号化において未だ学習が進んでい
ない場合であっても、大きな誤りは発生しなくなる。
【0143】なお、上述した補間の方法はVLC(可変
長コード)符号化などの確率テーブルを持たない方法に
おいても、算術符号化の場合と同様のテーブルを持つこ
とにより実現できる。そのテーブルにおいては、確率が
1/2以上かどうかのみをテーブルに保持すればよい
し、しきい値によってテーブルが使わない画素の組み合
わせもあり、多くの参照情報の組み合わせについは必要
ない。そのため、VLC符号化のときに新たに必要にな
るテーブルは小さい。
【0144】上述のような第4の実施の形態の符号化を
行った場合の復号時には、ある階層より上位の階層につ
いては符号が送られてこないことになるため、この復号
時にも補間によって高い解像度の画像を生成して、クオ
リティスケーラブルな復号を行なうことができる。すな
わち、符号が送られてくる階層についてはその符号を復
号し、それより上位の階層については、上述の図17の
フローチャートと同じようにして補間を行う。なお、こ
の第4の実施の形態の復号装置は、前記図6に示した第
1の実施の形態又は図12に示した第2の実施の形態の
復号装置と同じであるが、この第4の実施の形態での復
号の場合には、それぞれ上位側の階層の画像復号器或い
は局所復号器において、それぞれの下位側の階層にて求
めた画素値を用いて補間画素を生成するところが異な
る。この第4の実施の形態の復号の場合も、符号化の場
合と同様の効果が得られる。
【0145】次に、第5の実施の形態として、第4の実
施の形態にて説明した補間方法の後半部分が異なる補間
方法について、図18のフローチャートを用いて説明す
る。
【0146】この第5の実施の形態では、画素の値が決
まっていない階層については下位の階層から順に補間し
ていくことと、前記図16の(a)のように既に値の定
まっている画素a,b,c,dについては前記図17の
ステップST1からステップST4と同様に、図18の
ステップST11からステップST14までにおいてa
+b+c+dの値が3以上であれば画素xの値は1であ
ると補間し、1以下であれば0であると補間すること
は、前述の第4の実施の形態と同じである。
【0147】これに対して、当該第5の実施の形態で
は、ステップST11からステップST14までの処理
で画素xの値を決定出来ないときにはステップST15
からステップST21に示すような処理を行う。
【0148】すなわちこの第5の実施の形態では、補間
のために参照する各画素は、図16の(e)或いは
(f)に示すa,b,c,d,g,h,i,j,k,
l,m,nである。なお、図16の(e)と(f)は、
それぞれ他方を45度回転して拡大または縮小すると一
致し、どちらについても同じ補間の方法が適用できるこ
とがわかる。図18のフローチャートでは、これら参照
する画素a,b,c,d,g,h,i,j,k,l,
m,nの内、画素g,h,i,j,k,l,m,nにつ
いて、g+h+i+j+k+l+m+nを計算し、ステ
ップST15のように当該計算結果の値が6以上であれ
ばステップST16にて画素xの値を0(x=0)と
し、ステップST19にて当該計算結果の値が4か5で
あればステップST20のように画素xの値を1(x=
1)に、ステップST19にて上記計算結果の値が3で
あればステップST21のように画素xの値を0(x=
0)とし、ステップST17にて上記計算結果の値が2
以下であればステップST18のように画素xの値を1
(x=1)として補間する。
【0149】この第5の実施の形態の補間方法によれ
ば、VLC符号化などを用いていて生起確率テーブルが
ないときにもテーブルを新しくを持つことなく補間が可
能になる。
【0150】この第5の実施の形態にて説明した補間方
法を用いて下位の階層から順に補間した例を、図19の
(a)から(e)に示す。すなわち図19の(a)は最
下位の階層であり、図19の(b),(c),(d),
(e)の順で階層が上位になっている。この図19中の
実線が画像の滑らかさに対応している。この図19の例
から明らかなように、前記図32にて示した従来例の補
間方法の場合と異なり、滑らかな補間がなされているこ
とがわかる。
【0151】なお、この第5の実施の形態の符号化方法
を実現する符号化装置の構成は、前記図1に示した第1
の実施の形態又は図7に示した第2の実施の形態の符号
化装置と同じであるが、この第5の実施の形態の場合に
は、それぞれの階層の画像符号化器或いは局所復号器に
おいて、それぞれ上述したように下位側の階層にて既に
求めた画素値を用いて補間画素を生成するところが異な
る。
【0152】また、上述のような第5の実施の形態の符
号化を行った場合の復号時も、前記第4の実施の形態の
復号の場合と同様に、ある階層より上位の階層について
は符号が送られてこないことになるため、この第5の実
施の形態の復号時にも補間によって高い解像度の画像を
生成して、クオリティスケーラブルな復号を行なうこと
になる。すなわち、符号が送られてくる階層については
その符号を復号し、それより上位の階層については、上
述の図18のフローチャートと同じようにして補間を行
う。なお、この第5の実施の形態の復号装置は、前記図
6に示した第1の実施の形態又は図12に示した第2の
実施の形態の復号装置と同じであるが、この第5の実施
の形態での復号の場合には、それぞれ上位側の階層の画
像復号器或いは局所復号器において、それぞれの下位側
の階層にて既に求めた画素値を用いて補間画素を生成す
るところが異なる。この第5の実施の形態の復号の場合
も、符号化の場合と同様の効果が得られる。
【0153】また、以上の各実施の形態の説明におい
て、各階層の画素の並びかたを図20及び図21に示さ
れる通りにすると、すなわち、前記図2の画素の位置関
係を図20のように置き換え、図8の画素の位置関係を
図21のように置き換えると、それらの画枠(マクロブ
ロック)毎に符号化を行なうとき(いわゆるMPEGに
おける結合モード(combined mode)のとき)に、参照
情報として用いる画素がすでに符号化又は局所復号が終
っている画素であることが多く、符号化効率が向上す
る。
【0154】なお、上記の各実施の形態において、記録
媒体としては、CD−ROM(compact disc read only
memory)、DVD(digital versatile disc)、光デ
ィスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、RAM、その
他様々な蓄積メディアとすることが可能である。
【0155】
【発明の効果】本発明の符号化装置及び符号化方法によ
れば、入力画像上の所定の位置の画素からなる第1の階
層の画像を符号化し、第1の階層の画像に対して上位で
ある第2の階層の画像としての入力画像を符号化すると
き、第2の階層の画像の画素のうち、第1の階層の画像
の画素を除く画素のみを符号化するようにしたので、入
力画像に対して空間的解像度について階層的な符号化を
行うとき、各階層の画像を相対的に上の階層の画像の一
部の画素とすることができ、符号化量を削減するととも
に、階層数を増やすことができる。これにより、装置を
簡単にすることができ、より柔軟なレートコントロール
を行うことが可能となる。
【0156】すなわち、本発明の符号化装置および符号
化方法では、ハードキー信号などの2値画像を空間的解
像度について階層的な符号化をするとき、各階層の画像
を相対的に上の階層の画像の一部の画素とすることによ
り、フレームメモリを1つのみにできるとともに、画像
縮小装置を不用にし、符号化装置を簡単にすることがで
きる。更に、各階層の画像で符号化する画素の数が半分
に減り、符号化のための処理量と符号発生量を減少させ
ることが可能である。また、階層の数を従来よりも1つ
増やし、より柔軟なレートコントロールの手段が実現で
きる。さらに、本発明によれば、ある階層までを符号化
し、その上の階層は本発明にかかる補間方法によって求
めることにより、画質のよいクオリティスケーラブルな
符号化方法を実現している。
【0157】さらに、本発明の復号装置および復号方法
によれば、第1の階層の画像を復号し、第1の階層に対
して上位の第2の階層の画像を復号するとき、復号され
た第1の階層の画像の所定の画素を、第2の階層の画像
を予測するために用いるとともに、第1の階層の画像の
画素をそのまま、第2の階層の画像の画素の一部として
用いるようにしたので、装置を簡単にし、復号のための
処理量を減らすことが可能となる。
【0158】すなわち、本発明に係る復号装置によれ
ば、ハードキー信号などの2値画像の空間的解像度につ
いて階層的な符号を復号するときに、各階層の画像を相
対的に上の階層の画像の画素の一部とすることにより、
フレームメモリを1つのみにして復号装置を簡単にし、
更に、復号のための処理量を減らることが可能である。
【0159】また、本発明の記録媒体によれば、入力画
像上の所定の位置の画素からなる第1の階層の画像を符
号化し、第1の階層の画像に対して上位である第2の階
層の画像としての入力画像を符号化するとき、第2の階
層の画像の画素のうち、第1の階層の画像の画素を除く
画素のみを符号化することにより得られた複数階層の画
像に対応するビットストリームが記録されるようにした
ので、効率的に符号化された複数階層の画像を記録する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の符号化装置の構成
を示すブロック回路図である。
【図2】各階層の画素の位置関係を示す図である。
【図3】中位画像符号化のときの画素の位置関係を示す
図である。
【図4】上位画像符号化のときの画素の位置関係を示す
図である。
【図5】下位画像符号化のときの画素の位置関係を示す
図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の復号装置の一実施
の形態の構成を示すブロック回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の符号化装置の構成
を示すブロック回路図である。
【図8】図7の符号化装置における各階層の画素の位置
関係を示す図である。
【図9】下−下位画像符号化のときの画素の位置関係を
示す図である。
【図10】下−中位画像符号化のときの画素の位置関係
を示す図である。
【図11】下−上位画像符号化のときの画素の位置関係
を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の復号装置の構成
を示すブロック回路図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態の符号化装置の構
成を示すブロック回路図である。
【図14】図13の符号化装置における各階層の画素の
位置関係を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態の復号装置の構成
を示すブロック回路図である。
【図16】本発明の第4、第5の符号化時に行われる補
間に用いる画素についての説明に用いる図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における補間処理
の流れを示すフローチャートである。
【図18】本発明の第5の実施の形態における補間処理
の流れを示すフローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施の形態における補間処理
の効果説明に用いる図である。
【図20】本発明の各実施の形態における各階層の画素
の位置関係の他の例(図2の位置関係に対応する他の
例)を示す図である。
【図21】本発明の各実施の形態における各階層の画素
の位置関係の他の例(図8の位置関係に対応する他の
例)を示す図である。
【図22】ハードキー信号を説明するための図である。
【図23】単一の符号化データが複数の空間的な解像度
の表示装置に対応している様子を示す図である。
【図24】画像を空間的に階層的に符号化する基本的な
処理手順を示す図である。
【図25】空間的に階層的に符号化された画像を復号す
る基本的な処理手順を示す図である。
【図26】従来の画像を階層的に符号化する符号化装置
の一例の構成を示すブロック回路図である。
【図27】従来の階層的に符号化された画像を復号する
復号装置の一例の構成を示すブロック回路図である。
【図28】符号化または復号する画素と参照画像の位置
関係を示す図である。
【図29】符号化または復号する画素と参照画像の位置
関係を示す図である。
【図30】符号化または復号する画素と参照画像の位置
関係を示す図である。
【図31】符号化または復号する画素と参照画像の位置
関係を示す図である。
【図32】線形補間のフィルタを用いた場合の問題点の
説明に用いる図である。
【符号の説明】
2 上位画像フレームメモリ,3 画像縮小器,4 下
位画像フレームメモリ,5 上位画像符号化器,6 下
位画像符号化器,7 上位画像局所復号器,8下位画像
局所復号器,9 多重化器,23 上位画像復号器,2
4 下位画像復号器,25 上位画像フレームメモリ,
26 下位画像フレームメモリ,32フレームメモリ,
33 上位画像符号化器,34 中位画像符号化器,3
5下位画像符号化器,36 上位画像局所復号器,37
中位画像局所復号器,38 下位画像局所復号器,3
9 多重化器,52 逆多重化器,53 上位画像復号
器,54 中位画像復号器,55 下位画像復号器,5
6 フレームメモリ,62 フレームメモリ,63 上
位画像符号化器,64 中位画像符号化器,65 下−
上位像符号化器,66 下−中位画像符号化器,67
下−下位画像符号化器,68 上位画像局所復号器,6
9 中位画像局所復号器,70 下−上位画像局所復号
器,71 下−中位画像局所復号器,72 下−下位画
像局所復号器,73 多重化器,82 逆多重化器,8
3 上位画像復号器,84 中位画像復号器,85 下
−上位画像復号器,86 下−中位画像復号器,87下
−下位画像復号器,88 フレームメモリ,102 フ
レームメモリ,103上位画像符号化器,104 中位
画像符号化器,105 下−上位画像符号化器,106
下−中位画像符号化器,107 下−下−上位画像符
号化器,108 下−下−中位画像符号化器,109
下−下−下−上位画像符号化器,110 下−下−下−
中位画像符号化器,111 下−下−下−下位画像符号
化器,112 上位画像局所復号器,113 中位画像
局所復号器,114 下−上位画像局所復号器,115
下−中位画像局所復号器,116 下−下−上位画像
局所復号器,117 下−下−中位画像局所復号器,1
18 下−下−下−上位画像局所復号器,119 下−
下−下−中位画像局所復号器,120 下−下−下−下
位画像局所復号器,121 多重化器,132 逆多重
化器,133 上位画像復号器,134 中位画像復号
器,135 下−上位画像復号器,136下−中位画像
復号器,137 下−下−上位画像復号器,138 下
−下−中位画像復号器,139 下−下−下−上位画像
復号器,140 下−下−下−中位画像復号器,141
下−下−下−下位画像復号器,142 フレームメモ
リ,200 光ディスク

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力した2値画像を空間的解像度につい
    て階層的に符号化する符号化装置において、上記入力画像を格納する1つのフレームメモリと、 上記フレームメモリに格納された 入力画像上の所定位置
    の画素を抽出してなる第1の階層の画像を符号化する第
    1の符号化手段と、上記フレームメモリに格納された 入力画像上の上記所定
    位置以外の画素を抽出してなり、上記第1の階層より上
    位となる第2の階層の画像を符号化する第2の符号化手
    段とを備え、 上記第1の符号化手段は、上記第1の符号化手段によっ
    て既に符号化された上記第1の階層の画像をコンテキス
    トとして用いる算術符号化を行い、 上記第2の符号化手段は、上記第2の符号化手段によっ
    て既に符号化された上記第2の階層の画像、及び上記第
    1の符号化手段によって既に符号化された上記第1の階
    層の画像をコンテキストとして用いる算術符号化を行う
    ことを特徴とする符号化装置。
  2. 【請求項2】 入力した2値画像を空間的解像度につい
    て階層的に符号化する符号化方法において、上記 入力画像を1つのフレームメモリに格納し、 上記フレームメモリに格納された 入力画像上の所定位置
    の画素を抽出してなる第1の階層の画像を符号化する第
    1の符号化ステップと、上記フレームメモリに格納された 入力画像上の上記所定
    位置以外の画素を抽出してなり、上記第1の階層より上
    位となる第2の階層の画像を符号化する第2の符号化ス
    テップとを備え、 上記第1の符号化ステップでは、上記第1の符号化ステ
    ップによって既に符号化された上記第1の階層の画像
    コンテキストとして用いる算術符号化を行い、 上記第2の符号化ステップでは、上記第2の符号化ステ
    ップによって既に符号化された上記第2の階層の画像、
    及び上記第1の符号化ステップによって既に符号化され
    た上記第1の階層の画像をコンテキストとして用いる算
    符号化を行うことを特徴とする符号化方法。
  3. 【請求項3】 2値画像を空間的解像度について階層的
    に符号化したビットストリームを入力とし、入力された
    ビットストリームを復号する復号装置において、 上記画像上の所定位置の画素からなる第1の階層の画像
    が符号化された第1の符号化信号を復号する第1の復号
    手段と、 上記画像上の上記所定位置以外の画素からなり、上記第
    1の階層より上位となる第2の階層の画像が符号化され
    た第2の符号化信号を復号する第2の復号手段と、 上記復号された第1の階層の画像と、上記復号された第
    2の階層の画像とを合成する1つのフレームメモリと
    備え、 上記第1の復号手段は、上記第1の復号手段によって既
    に復号された上記第1の階層の画像をコンテキストとし
    て用いる算術復号を行い、 上記第2の復号手段は、上記第2の復号手段によって既
    に復号された上記第2の階層の画像、及び上記第1の復
    号手段によって既に復号された上記第1の階層の画像
    コンテキストとして用いる算術復号を行うことを特徴と
    する復号装置。
  4. 【請求項4】 2値画像を空間的解像度について階層的
    に符号化したビットストリームを入力とし、入力された
    ビットストリームを復号する復号方法において、 上記画像上の所定位置の画素からなる第1の階層の画像
    が符号化された第1の符号化信号を復号する第1の復号
    ステップと、 上記画像上の上記所定位置以外の画素からなり、上記第
    1の階層より上位となる第2の階層の画像が符号化され
    た第2の符号化信号を復号する第2の復号ステップと、 上記復号された第1の階層の画像と、上記復号された第
    2の階層の画像とを1つのフレームメモリに合成するス
    テップとからなり、 上記第1の復号ステップでは、上記第1の復号ステップ
    によって既に復号された上記第1の階層をコンテキスト
    として用いる算術復号を行い、 上記第2の復号ステップでは、上記第2の復号ステップ
    によって既に復号された上記第2の階層の画像、及び上
    記第1の復号ステップによって既に復号された上記第1
    の階層の画像をコンテキストとして用いる算術復号を行
    うことを特徴とする復号方法。
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