JP3276691B2 - 多層膜の形成方法 - Google Patents

多層膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層膜の形成方法、特に
反射型結像光学系に用いられる多層膜反射鏡、特に数十
乃至数百層の薄膜を積層して形成することによって軟X
線に対しても実用的な反射率を得ることができる多層膜
反射鏡を構成する多層膜を形成する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】軟X線の波長領域においては物質の屈折
率はほぼ1であるため、可視光、紫外光、赤外光に対し
て用いられている通常の光学系では軟X線を結像するこ
とができず、したがって軟X線を集光、結像するために
は特殊な光学系を使用する必要がある。このために軟X
線に対しては、回折を利用したゾーンプレート、全反射
を利用したウォルター光学系、多層膜反射鏡を利用した
シュヴァルツシルト光学系などが、例えばX線顕微鏡用
の光学系として開発されている。これらの軟X線用の光
学系の内では、シュヴァルツシルト光学系は結像特性に
優れ、広い視野を有している特徴がある。
【0003】図1は上述したシュヴァルツシルト光学系
の構成を示すものであり、Aは光軸に沿った断面図であ
り、Bは瞳を示す図である。シュヴァルツシルト光学系
は、凹面鏡1と凸面鏡2とから構成されており、物体0
からの輻射線は凹面鏡および凸面鏡で順次に反射されて
物体の像Fを形成するようになっている。このようなシ
ュヴァルツシルト光学系では光軸上に凸面鏡2が配置さ
れているので、図1Bに示すように瞳は輪帯状となる。
上述したように軟X線領域では物質の屈折率はほぼ1で
あり、可視光の場合のように数層程度の多層膜では殆ど
反射率を得ることができない。このため、凹面鏡1およ
び凸面鏡2の表面には屈折率の異なる物質を交互に数十
〜数百層積層して反射率を得るようにした多層膜が成膜
されている。
【0004】一般に多層膜は使用する軟X線の波長およ
び代表的な光路(例えば中心光路)を辿って入射する軟
X線の入射角に対して最適となるように設計されてい
る。そして、反射鏡全面に亘ってできるだけ多層膜の周
期(多層膜を構成する2種類の膜の膜厚を合計した膜
厚)が均一となるように形成するための努力が払われて
いる。
【0005】図2は上述した多層膜を形成する従来の方
法を示すものである。真空容器3の内部の下方に被着す
べき2種類の材料のターゲット3および4が基板6から
等距離の位置に並べて配置され、また、ターゲット4、
5と基板6との間にはシャッタ7を軸8を中心として回
動自在に配置されている。ターゲット4および5をイオ
ンビーム等でスパッタして基板6の表面に被着するよう
にしている。この際、シャッタ7を適当な周期で切換え
て、それぞれの材料が最適な膜厚で交互に積層されるよ
うにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】多層膜を形成した反射
鏡の反射率には角度依存性があることは良く知られてい
る。しかし、従来可視領域で用いられてきた多層膜は層
数が10層以下の場合が殆どであり、この角度依存性は
顕著には現れない。軟X線の領域においても、例えばMo
とSiより構成された多層膜を使用することができる130
Åよりも長い波長領域については、図3に示すようにシ
ュヴァルツシルト光学系の瞳の径に対する透過率分布は
瞳の半径(0.5 〜1.0)の全体に亘ってほぼ一様となって
いる。図3は波長135 Å用に設計されたもので、41層膜
を凹面鏡1および凸面鏡2の表面にともに周期70.7Å(M
o/Si=31.7 Å/39.0 Å) で積層した場合の透過率を示す
ものである。
【0007】しかしながら、130 Åよりも短い波長の軟
X線に対しては事情が異なってくる。例えば凹面鏡1の
表面にNi/Ti(8.5 Å/11.7 Å: 周期は20.2Å) を201 層
積層し、凸面鏡2の表面にNi/Ti(8.6 Å/11.8 Å: 周期
は20.4Å) を201 層積層した場合の透過率分布は図4に
示すように大きく変化することになる。すなわち、この
シュヴァルツシルト光学系は39.8Åの波長に対して最適
となるように設計されたものであるにも拘らず、各反射
鏡へ入射する軟X線の入射角が光線高によって変化する
ため反射率が減少し、瞳の半径に亘って透過率の不均一
が生じることになる。すなわち、反射率を増大させるた
めに百層以上の多層膜を必要とするような波長領域では
角度依存性が顕著に現れ無視できなくなる。
【0008】光源として白色光源(これは可視域の光源
ではなく、軟X線領域をカバーする広い波長範囲の軟X
線を放射する光源を意味する)を用いれば、多層膜が反
射する波長範囲に亘って積分した総計の透過率は、瞳の
透過率分布が仮に均一である場合の透過率と等しくな
る。しかし、瞳の半径の全体に亘っての透過率分布が波
長によって異なるということは、波長によって結像特性
が異なることを意味し、これらの波長の軟X線によって
形成される像が重なり合って像が構成されるのであるか
ら、結像特性の評価が難しくなる。勿論、単色光源を使
用する場合には、そのまま透過率の減少につながり、好
ましくない。
【0009】本発明の目的は、多層膜反射鏡の反射面上
の場所毎の光線の入射角の違いにより生ずる反射率の不
均一性を改善し、反射面全域に亘ってより均一な反射率
が得られる多層膜反射鏡を構成する多層膜を基板の表面
に正確に形成することができる方法を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による多層膜の形
成方法は、球面鏡を構成する基板上に、被蒸着物質から
の粒子を被着させて基板上に多層膜を成膜するに当た
り、基板の直前に開口を有するマスクを配置し、これら
基板とマスクとを相対的に回転させ、deを入射角ηに
おける多層膜の周期、θを球面鏡の半径Dにおける輻射
線の入射角、rを球面鏡の曲率半径とするとき、前記マ
スクの開口の形状を、回転軸を原点とする極座標(D,
Φ) で表示した場合、式(1)で表される形状とするこ
とを特徴とするものである。
【0011】
【作用】このような本発明の多層膜の形成方法によれ
ば、多層膜反射鏡を含む反射型結像光学系において、多
層膜反射鏡として、多層膜に入射する光線の各々に対し
て反射率が最大となるように、光線の入射位置の変化に
したがって周期が変化している多層膜を形成することが
できる。
【0012】また、本発明の多層膜の形成方法によれ
ば、光線の入射角φにおいて最適化された膜厚の多層膜
を表面に形成した光学素子であり、上記入射角φ以外の
入射角θで光が入射する領域において、当該領域におけ
る各層の膜厚dが略d=dcosφ/cosθ (dは入射角φ
で最適化された当該層の膜厚)となる多層膜光学素子を
形成することができる。
【0013】さらに、本発明の多層膜の形成方法によれ
ば、多層膜を表面に形成した反射型光学素子であり、上
記光学素子表面の各領域において、当該各領域における
光線の入射角に応じて上記多層膜の膜厚を変化させ、入
射光に対して全面に渡って略均一な反射率が得られるよ
うに構成した多層膜光学素子を形成することができる。
【0013】本発明の多層膜の形成方法によれば、それ
ぞれ多層膜を表面に形成した凹面鏡と凸面鏡との2つの
反射鏡からなるシュヴァルツシルト光学系であって、上
記凹面鏡および凸面鏡の各々の表面の各領域において、
当該各領域における光線の入射角に応じて上記多層膜の
膜厚を変化させ、瞳全体に渡って略均一な透過率が得ら
れるように、前記凹面鏡の表面に形成した多層膜の代表
的な光線の入射角φにおいて最適化された膜厚をd
し、凹面鏡の半径D上での入射角θとするとき、凹
面鏡の半径D上での膜厚dを略 d=dcosφ/cosθ とすると共に、前記凸面鏡の表面に形成した多層膜の代
表的な光線の入射角ψにおいて最適化された膜厚をd
とし、凹面鏡の半径D上での入射角θとするとき、
凹面鏡の半径D上での膜厚dを略 d=dcosψ/cosθ としたシュヴァルツシルト光学系を形成することができ
る。
【0014】また、本発明の多層膜の形成方法によれ
ば、凹面鏡と凸面鏡の2つの反射鏡からなるシュヴァル
ツシルト光学系であって、dを入射角φにおける多層
膜の周期、θを凹面鏡の半径Dにおける輻射線の入
射角、rを凹面鏡の曲率半径、Wを凹面鏡の曲率中
心と前側焦点位置との距離とするとき、凹面鏡に成膜し
た多層膜の周期dを、ほぼ下式(2)
【数2】 で示すように凹面鏡の半径に応じて変化させるととも
に、dを入射角ψにおける多層膜の周期、θ を凸面
鏡の半径Dにおける輻射線の入射角、rを凸面鏡の曲
率半径、Wを凸面鏡の曲率中心と後側焦点位置との距
離としたとき、凸面鏡に成膜した多層膜の周期dをほ
ぼ下式(3)
【数3】 にしたがって変化させたシュヴァルツシルト光学系を形
成することができる。
【0015】図5は本発明による多層膜の形成方法によ
って形成されるシュヴァルツシルト光学系の作用を説明
するために、凹面鏡11と、凸面鏡12とを示す。ここで解
析を簡単とするために凹面鏡11と凸面鏡12とは曲率中心
が一致する共心型を示してあるが、本発明はこのような
共心型に限られるものではない。また、これらの凹面鏡
11および凸面鏡12は非球面としても良い。
【0016】凹面鏡11の曲率半径をr、凸面鏡12の曲
率半径をr、凹面鏡の曲率中心から前側焦点位置まで
の距離をW、凸面鏡の曲率中心から後側焦点位置まで
の距離をWとすると、凹面鏡の半径D上の光線(軟
X線であるが、便宜上光線と表記する)の入射角θ
よび凸面鏡の半径D上の光線の入射角θは、次式
(4)および(5)で表される。
【数4】
【0018】多層膜の周期dは簡単のため多層膜による
吸収を考えないと、
【数5】 2d cosθ= λ (6) で表される。ここで、λは波長、θは入射角である。
今、入射角φで最適化された多層膜の周期をd (2d
cos φ= λ) とすると、入射角θで上述した条件を
満たす周期dは、
【数6】 d=dcosφ/cosθ (7) となる。
【0019】したがって、凹面鏡11の代表的な光線の入
射角φで最適設計された膜厚をdとすると、凹面鏡の
半径D上での膜厚dを、
【数7】 d(D)= dcosφ/cosθ (8) に選べば、すべての入射光線に対して反射の条件を満た
す多層膜が得られることになる。
【0020】凸面鏡12の場合も、代表的な光線の入射角
ψで最適設計された膜厚をdとすると、凸面鏡の半径
D上での膜厚dを、
【数8】 d(D)= dcosψ/cosθ (9) に選べば、すべての入射光線に対して反射の条件を満た
す多層膜が得られることになる。
【0021】以上のように光線の入射角に応じて周期の
変化する多層膜を成膜することにより均一な反射率が反
射鏡の全面に亘って得られることになる。さらに、この
ようにして製作された凹面鏡と凸面鏡とを用いてシュヴ
ァルツシルト光学系を構成すれば、均一な瞳透過率を有
する光学系が得られることになる。
【0022】一般に電子ビーム蒸着法やマグネトロンス
パッタリング法などの場合、ターゲットに対して基板が
角度αだけ傾いていると、垂直(α=0)の場合に成膜さ
れる膜厚tに対して、
【数9】 t=tcosα (10) の膜厚にしか成膜できないことが知られている。したが
って、垂直の場合に必要な蒸着時間をTとすると、
【数10】 T=T/cosα (11) の時間が必要になる。
【0023】図6は本発明による多層膜の形成方法を実
施する装置の基本的な構成を示す線図である。所望の球
面を有する基板20を回転軸21の回りに等速度で回転させ
ながらターゲット22および23からの物質を被着させるも
のである。ターゲット22および23の上方にはシャッタ24
を軸25を中心として回転自在に配置する。本発明におい
ては、基板20の直前に、回転軸21を原点とする極座標
(D,Φ)において、Φ(D)で与えられる円弧の長さΦに比
例する大きさの開口27を有するマスク26を配置する。こ
のようなマスク26を設けることによって基板20上への蒸
着時間がΦ(D)に比例して変化することになり、その結
果として基板20上にΦ(D)に比例する膜厚を形成するこ
とができる。
【0024】したがって、dを入射角ηにおける多層
膜の周期、θを球面鏡の半径Dにおける輻射線の入射
角、rを球面鏡の曲率半径とするとき、
【数11】 Φ(D) ∝ dcosη/(cosθcosα) (12) で表される形状の開口27を有するマスク26を用いること
によって反射率が入射角に依存しない反射鏡を得ること
ができる。
【0025】ここで、半径D のときの球面基板表面のタ
ーゲットに対する傾き角αは、rを球面鏡の曲率半径と
するとき、図7から明らかなように
【数12】 cosα= (1-D/r)1/2 (13) で表されるから、マスク26の開口を式(3)で示すよう
な形状とすれば良いことになる。
【0026】
【実施例】共心型のシュヴァルツシルト光学系におい
て、3次の球面収差とコマを零にすると光学系のパラメ
ータは一義的に定まることが、例えば P. Erdos, Journ
alof Optical Society of America, 49, 877(1959)や
Y. Horikawa, Proceedingsof SPIE, 1720(1992)217. に
記載されている。凹面鏡の曲率半径をr、凸面鏡の曲
率半径をr、曲率中心から前側焦点位置までの距離W
は、倍率Mと、系の全長(物点から像点までの距離)L
の2つのパラメータで決定される。
【数13】
【0027】したがって、倍率Mが100 倍で全長Lが10
00mmの場合、
【数14】 r=32.66mm r=12.25mm W=9.92mm W=990.08mm が得られる。したがって、各反射鏡における入射位置と
入射角との関係は次のようになることが分かる。
【数15】
【0028】次に、波長39.8Åに対して多層反射膜の最
適設計を行う。先ず、凹面に対しては代表光線の入射角
を5.4 度で設計した。このとき、Ni/Ti を用いて設計す
ると、周期は20.2Å(Ni:8.5 Å/Ti:11.7Å) であった。
凸面に対しては代表光線の入射角11度に対して周期は2
0.4Å(Ni:8.6 Å/Ti:11.6Å) が得られた。これを式(1
4)に代入すると、マスクの開口の寸法を表す関数が次の
ように得られた。凹面に対して
【数16】 凸面に対して、
【数17】 これらの関数にしたがってマスクを作製し、多層膜の成
膜を行った。なお、NiおよびTiのそれぞれの膜厚は周期
に比例して成膜した。
【0029】次に第2の実施例として非共心型のシュヴ
ァルツシルト光学系を構成した。基本設計は前例と同様
であるが、製作誤差の影響を軽減し、さらにはより性能
を向上するために光線追跡により最適化を行った。本例
の倍率Mは100 倍、全長Lは1000mmとした。このとき、
【数18】 r=22.239mm r=10.800mm であるが、凹面と凸面の曲率中心の位置は僅かに異なっ
ている。しかし、この量は高々0.427mm であり、多層膜
の計算には殆ど影響しないので、式(4)および(5)
にしたがって入射角変化を計算することができる。前側
焦点位置と凹面鏡の曲率中心との距離Wは9.093mm で
あり、後側焦点位置と凸面鏡の曲率中心との距離W
991.334mm である。
【0030】本例の多層反射膜は第1実施例と同じ設計
を用いた。すなわち、波長39.8Åに対して凹面は代表光
線の入射角5.4 度で設計した。このとき周期は20.2Å(N
i:8.5 Å/Ti:11.7Å) であった。凸面に対しては代表光
線の入射角を11度に対して周期は20.4Å(Ni:8.6 Å/Ti:
11.6Å) が得られた。これを式(14)に代入してマスクの
開口の形状を表す関数を次のように決定した。凹面に対
して、
【数19】 凸面に対して、
【数20】
【0031】図8AおよびBは式(21)および(22)で表さ
れる凹面および凸面に対するマスク開口の形状を表すも
のである。また、図9は本発明で使用するマスクの一例
の構成を示すものであり、マスクの開口の形状をkΦ(D)
/360になるようにしたものである。マスクの中の開口
は、この関係が満たされるものであれば1個に限られる
ものではなく、複数の開口を形成することもできる。
【0032】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例えば
上述した実施例においては、マスクを固定して基板を回
転させたが、これらは相対的に回転させれば良いので、
基板を固定してマスクを回転させても良い。また、多層
膜の各層の膜厚は上述した式(2)、(3)をほぼ満足
すると述べているが、多層膜をN層の薄膜で形成する場
合は、各層についてほぼ1/N(%)程度の膜厚誤差は一般的
な許容誤差として認識されている。
【0033】
【発明の効果】上述したように本発明による多層膜の形
成方法によれば、基板の直前に所定の形状の開口を有す
るマスクを配置し、これら基板およびマスクを相対的に
回転させながら蒸着を行うことによって周期が所望の如
く変化する多層膜を正確に形成することができる。ま
た、このような方法によって形成されるシュヴァルツシ
ルト光学系によって代表される反射型結像光学系におい
ては、多層膜の周期を入射角の変化に対応して変化させ
ることによって瞳の径に対する透過率分布の変動を軽減
することができ、したがって結像特性を改善することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1AおよびBは、シュヴァルツシルト光学
系の構成を示す断面図および瞳の形状を示す線図であ
る。
【図2】 図2は、多層膜を形成する従来の装置の構成
を示す線図である。
【図3】 図3は、従来の反射鏡の130 Åの波長の軟X
線に対する透過率分布を示すグラフである。
【図4】 図4は、従来の反射鏡の39.8Åの波長の軟X
線に対する透過率分布を示すグラフである。
【図5】 図5は、本発明によるシュヴァルツシルト光
学系の基本原理を説明するための線図である。
【図6】 図6は、本発明による多層膜の形成方法を実
施する装置の構成を示す線図である。
【図7】 図7は、ターゲットからの粒子の基板表面へ
の入射角を示す図である。
【図8】 図8AおよびBは、本発明による多層膜の形
成方法に使用するマスクに開口の形状を示すグラフであ
る。
【図9】 図9は、同じくマスクの一例の構成を示す平
面図である。
【符号の説明】
11 凹面鏡 12 凸面鏡 20 基板 21 基板回転軸 22, 23 ターゲット 24 シャッタ 25 シャッタ回転軸 26 マスク 27 開口

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球面鏡を構成する基板上に、被蒸着物質
    からの粒子を被着させて基板上に多層膜を成膜するに当
    たり、基板の直前に開口を有するマスクを配置し、これ
    ら基板とマスクとを相対的に回転させ、前記マスクの開
    口の形状を、回転軸を原点とする極座標(D,Φ)で表示し
    た場合、次式で表される形状とすることを特徴とする多
    層膜の形成方法。 【数1】 ここで dは入射角ηにおける多層膜の周期、θは球面
    鏡の半径Dにおける輻射線の入射角、rは球面鏡の曲率半
    径である。
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