JP3274953B2 - 光学用合成石英ガラス材及びその製造方法、並びに該光学用合成石英ガラス材を用いた合成石英ガラス製品 - Google Patents
光学用合成石英ガラス材及びその製造方法、並びに該光学用合成石英ガラス材を用いた合成石英ガラス製品Info
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Description
ス材及びその製造方法、並びに該光学用合成石英ガラス
材を用いた合成石英ガラス製品に関し、より詳細には紫
外領域から赤外領域にわたる広い波長領域における光を
利用した機器のレンズ、ミラー、プリズム、窓部材等の
光学部品として用いられる光学用合成石英ガラス材及び
その製造方法、並びに該光学用合成石英ガラス材を用い
た合成石英ガラス製品に関する。
mという広い波長範囲で光を透過するため応用範囲が広
いこと、熱膨張係数が小さいために光軸のずれが小さく
高精度の光学系を構成できること、耐熱性が高いために
広い温度範囲で使用できること、高純度な二酸化ケイ素
であるために高エネルギーの光を照射しても損傷を受け
にくいこと等、数々の非常に優れた特性を有している。
外領域から赤外領域にわたる広い波長領域における光を
利用した機器のレンズ、ミラー、プリズム、窓部材等の
光学部品等に用いられている。
ガラス材料には、種々の特性が要求されるが、特に屈折
率の均質性、及び使用波長での耐光性が高いこと(光照
射後に透過率が低下しにくいこと)等が要求される。
ラスとして、合成石英ガラスが挙げられる。一般的に合
成石英ガラスという呼び名は、出発原料として天然のシ
リカ原料を用いていない全ての石英ガラスに適用される
が、この合成石英ガラスを製造する方法としては、種々
の方法が存在する。従って、原料の純度や製造方法に起
因して、製造された合成石英ガラスの不純物元素濃度
(金属元素濃度、非金属元素濃度)や欠陥濃度等も様々
なグレードのものが存在し、すべての合成石英ガラスが
理想的な透過光学系用のガラス材料となり得るわけでは
ない。
法と液相法があり、光学系に用いられる材料の製造方法
としては気相法が主流であるが、この気相法も直接合成
法、プラズマCVD法、気相軸付け法(VAD法)等の
種類があり、原料や製造方法に起因して合成石英ガラス
中における金属等の不純物、OH基、Cl、H2 、O
2 、酸素過剰欠陥、酸素欠乏欠陥、環構造欠陥等の濃度
が異なる。これらの不純物や欠陥等の濃度は、合成石英
ガラスの光吸収、蛍光、屈折率等の光学特性に大きな影
響を及ぼすことが知られている。
は、バーナーからケイ素化合物、水素、酸素などの原料
ガスを鉛直に懸下した種棒に向けて供給し、前記ケイ素
化合物を酸素−水素火炎中で加水分解させて生成させた
石英ガラスの微粒子を石英製等の種棒の下端部に付着、
堆積させて多孔質合成石英ガラスを形成した後、加熱す
ることにより透明ガラス化する合成石英ガラスの製造法
であるが、そのためにケイ素化合物として四塩化ケイ素
を使用した場合には、塩素やOH基等が合成石英ガラス
内に残留し、その濃度が不均一になり易く、これらの不
純物に起因して屈折率等に分布が生じるという問題があ
った。
600℃の温度範囲で行うが、その後の徐冷時の合成石
英ガラス体の内部と外部とにおける冷却速度の差に起因
して、屈折率に分布が生じる。そして、通常は、主とし
てOH基の分布によって生じる屈折率の分布と、透明ガ
ラス化後の徐冷によって生じる屈折率分布とが重なり合
うため、より大きな屈折率分布を生じ易いという問題が
あった。
る屈折率分布と、製造過程の冷却条件等の熱履歴に起因
する屈折率分布とを相反する分布として消去し合うよう
に不純物濃度や加熱後の冷却速度を調整し、実際の屈折
率分布が小さく、良好な品質の光学用石英ガラスを得る
方法が提案されている(特開平2−102139号公
報、特開平2−239127号公報等)。
された発明においては、ガラスの中央部分にOH基の極
小濃度域を存在させるとともに、周辺部に近づくにつれ
て徐々に高濃度となるOH基濃度分布を形成する。この
とき、前記OH基濃度分布に起因する屈折率分布は中央
部分で極大値を有し、周辺部に近づくにつれて低下する
分布(以下、凸型分布と記す)をなしている。一方、前
記OH基濃度分布に起因する屈折率分布を打ち消すよう
に、熱処理条件を選択することによる屈折率分布を形成
する。すなわち、800〜1300℃の範囲に所定時間
加熱した後、所定の速度で徐冷する方法により仮想温度
分布をコントロールし、この仮想温度分布に起因する中
央部分に極小値を有し、周辺部に近づくにつれて大きく
なる屈折率分布(以下、凹型分布と記す)を形成する。
このような相反する不純物濃度に起因する屈折率分布と
仮想温度分布に起因する屈折率分布を形成することによ
り、総合的に屈折率分布が小さく、良好な品質を有する
光学用合成石英ガラスを得ることができることが前記公
報に記載されている。
載された発明においては、OH基濃度と塩素濃度とに起
因した屈折率分布を凸型分布とし、前記凸型の屈折率分
布を打ち消すように仮想温度分布をコントロールするこ
とにより凹型の屈折率分布を形成し、総合的に屈折率分
布を小さく、良好な品質の光学用合成石英ガラスを得る
ことができることが記載されている。
石英ガラス中のOH基濃度と塩素濃度は、ガラス塊の内
部ほど残留し易いため、いずれも中央部分に極大濃度域
があり、その周辺部に近づくにつれて徐々に低濃度とな
り、前記OH基濃度分布及び塩素濃度分布に起因する屈
折率分布はいずれも凹型となる。従って、ガラス塊の中
央部分に極小値を有するようなOH基濃度分布及び塩素
濃度分布を形成することは難しく、またその濃度分布を
コントロールすることは一層難しいため、このような合
成石英ガラスの製造方法は現実的な方法ではなく、また
仮に製造できたとしても非常に高価なものとなるという
課題があった。
のであり、現実的に製造が可能であり、かつ屈折率が均
一で屈折率分布がほとんどない光学用合成石英ガラス材
及びその製造方法、並びに該石英ガラス材を用いた合成
石英ガラス製品を提供することを目的としている。
石英ガラス材は、中央部分にOH基濃度が極大となる領
域が存在し、該領域を中心に周辺部分にいくに従ってO
H基濃度が次第に低下し、前記OH基濃度の分布に基づ
く屈折率分布と内部の仮想温度が周囲の仮想温度よりも
低い仮想温度分布に起因する内部の屈折率が周囲の屈折
率よりも大きい屈折率分布とが形成されており、OH基
濃度の最大値と最小値との差が45ppm以下であるこ
とを特徴としている(1)。
材は、上記(1)記載の光学用合成石英ガラス材であっ
て、直径が約200〜300mmで、長さが約60〜1
50mmであり、屈折率の変動幅(Δn)が1×10-6
未満であることを特徴としている(2)。
材は、上記(1)又は(2)記載の光学用合成石英ガラ
ス材であって、塩素濃度が1ppm以下であることを特
徴としている(3)。
材は、上記(1)又は(2)記載の光学用合成石英ガラ
ス材であって、塩素濃度の最大値と最小値との差が1p
pm以下であることを特徴としている(4)。
材の製造方法は、上記(1)〜(4)記載の光学用合成
石英ガラス材の製造方法であって、OH基濃度分布を有
する光学用合成石英ガラス母材を1500〜2000℃
の温度に加熱した後、前記加熱温度より室温まで5℃/
分以下の速度で徐冷し、前記OH基濃度の分布に基づく
屈折率分布を打ち消すように、仮想温度分布を形成する
ことを特徴としている(5)。
は、上記(1)〜(4)記載の光学用合成石英ガラス材
を用いて形成されていることを特徴としている(6)。
英ガラス材は、中央部分にOH基濃度が極大となる領域
が存在し、該領域を中心に周辺部分にいくに従ってOH
基濃度が次第に低下し、前記OH基濃度の分布に基づく
屈折率分布を打ち消すように、仮想温度分布に起因する
屈折率分布が形成されている。
通常、VAD法又は直接合成法等により製造される。ま
た、前記方法のいずれの場合も、通常、四塩化ケイ素の
酸素−水素火炎を用いた加水分解により製造されるた
め、一部にSi(OH)基が形成され、塩素も残留する
が、製造法によりその程度が大きく異なる。
成石英ガラス材について説明する。VAD法では、最初
に多孔質合成石英ガラス、いわゆるスート体を形成する
ので、その後、種々の熱処理を行って緻密化する際にO
H基濃度やその分布のコントロールが可能である。前記
製造方法についての詳しい説明は後で述べるが、この製
造方法により円柱形状の光学用合成石英ガラス材の中心
部分にOH基濃度が極大となる領域が形成され、前記領
域を中心に周辺部分にいくに従って次第に低下するOH
基濃度の分布が形成される。
ppm程度以下であることが好ましく、20〜45pp
m程度がより好ましい。また、OH基濃度の最大値と最
小値との差は45ppm以下であることが好ましく、3
0ppm以下であるのがより好ましい。
5ppmのとき、屈折率の変動幅(Δn)は約4.5×
10-6となり、これより大きい場合には、前記OH基濃
度分布に基づく屈折率分布を、仮想温度分布を調節する
ことにより打ち消すのが困難になる。
前記OH基濃度の分布に基づく屈折率分布を打ち消すよ
うに、内部の仮想温度が周囲の仮想温度よりも低い仮想
温度分布に起因する内部の屈折率が周囲の屈折率よりも
大きい屈折率分布が形成されているが、透明ガラス化
後、1500℃以上の温度に昇温させ、加熱成形等を行
った後又は加熱のみを行った後、冷却する際の速度を調
節することにより、この仮想温度分布を調節することが
できる。この仮想温度分布の調節方法については後述す
る。
ラス材は、均質性に優れ、屈折率の変動幅(Δn)が極
めて小さい。前記屈折率の変動幅(Δn)は、そのサイ
ズにより異なるが、例えば直径が約200〜300mm
で、長さが約60〜150mmとサイズの大きいものに
おいても、その屈折率の変動幅(Δn)が約1×10-6
未満と小さい。前記サイズよりも小さなものにおいて
は、当然、屈折率の変動幅は約1×10-6未満と小さ
く、その複屈折率も約3nm/cm以下となる。
ような均質性を有することから、少なくとも一方向脈理
フリーであり、製造条件によっては三方向脈理フリーと
極めて均質性に優れたものとなる。
得られたスート体を、事前仮焼、仮焼、昇温、透明化の
工程又はそれに類似する工程を経て透明化しており、こ
のような連続的な処理により前記OH基濃度分布は変曲
点を有さなくなる。
熱処理によってかなりの程度除去することが可能であ
り、最終的な光学用合成石英ガラス材の濃度は1ppm
以下であることが好ましい。前記塩素の濃度が1ppm
を超えると、屈折率の分布に影響が現われ、OH基濃度
の分布や仮想温度分布のコントロールにより屈折率を小
さく保つのが難しくなる場合がある。
物の含有量に大きく左右され、製造方法自体には余り左
右されない。従って、いずれの製造方法においても、光
学用合成石英ガラス材中の金属不純物の総含有量が0.
15ppm以下であり、Alの含有量が0.01ppm
以下、Na、K、及びLiの各含有量が0.02ppm
以下、Ca、Fe、Ti、Cr、Ni、P、B、Mg、
Cu、Zr、及びZnの各含有量が0.008ppm以
下であることが好ましい。
石英ガラス材について説明する。
水素火炎を用いた加水分解により製造するが、その際に
生成したシリカの粒子を基板上に堆積させて、透明化さ
れた合成石英ガラスのインゴットを直接製造する。従っ
て、VAD法の場合のように透明化までの工程でOH基
等を除去することができないため、VAD法と比較して
OH基濃度が高い。従って、OH基濃度分布の調整は、
加水分解を行う際の酸素や水素等の流量の調節により行
う。
ガラス材中のOH基濃度は、通常、600〜1000p
pm程度であり、前記OH基濃度の好ましい最大値は8
00ppm程度である。また、前記OH基濃度の最大値
と最小値との差の好ましい範囲はVAD法の場合と同様
である。
と、石英ガラス中のOH基濃度のばらつきが増大し、O
H基濃度の最大値と最小値との差を45ppm以下に制
御することが困難になる。
pm程度であり、前記塩素濃度はできるだけ小さいこと
が好ましいが、20ppm程度が最小値となる。屈折率
を均一にするため、前記塩素の濃度の最大値と最小値と
の差は1ppm未満が好ましい。このようにOH基や塩
素の不純物濃度は、VAD法と異なるが、その他の特性
はVAD法の場合の合成石英ガラスと同様である。
石英ガラス材の製造方法について説明するが、まず最初
に、VAD法による光学用合成石英ガラス材の製造方法
について説明する。
化合物としては、例えば四塩化ケイ素が挙げられるが、
前記原料中の金属不純物の総含有量が0.05ppm以
下、Alの含有量が0.005ppm以下、Na、K、
及びLiの各含有量が0.008ppm以下、Ca、F
e、Ti、Cr、Ni、P、B、Mg、Cu、Zr、及
びZnの各含有量が0.003ppm以下であるのが好
ましい。
条件は必要でなく、通常の酸水素火炎による加水分解を
行えばよい。
石英ガラス(スート体)を真空下で熱処理等を行って光
学用合成石英ガラス材を製造するが、この光学用合成石
英ガラス材の製造工程は、事前仮焼、仮焼、昇温、及び
透明化の工程による合成石英ガラス母材の製造工程、及
び前記母材を使用して加工等を行った後、加熱成形、冷
却、均温化、冷却により合成石英ガラス製品の製造を行
う工程とに分けられる。
ート体の空隙は、その分布が不均一で周辺部分に空隙が
多く、中央にいくに従って順次空隙が少なくなってお
り、その密度も周辺部分が小さく、中央に近づくに従っ
て大きくなっている。
ト体周辺の最も密度の小さい部分に他の部分を集中させ
てその密度を高める操作、すなわち焼きしめを行って、
スート体の密度を均一化させる。この事前仮焼により、
次工程である仮焼工程でのゆっくりとした焼結による脱
水効果をスート体全体にわたってほぼ均一に進行させる
ことができ、透明ガラス化後の合成石英ガラス中のOH
基濃度を所望の分布を有するように設定することができ
る。
の圧力下、約1300〜1400℃で1〜5時間と、後
で行う仮焼よりも若干高い温度で短時間行うのが好まし
い。前記事前仮焼の温度が約1300℃未満であると、
前記事前仮焼による焼きしめ効果が少なく、他方約13
00℃と低温でも加熱時間が5時間を超えるとスート体
の密度の低い周辺部分のみならず、スート体全体がゆっ
くりと焼きしまり、目的とするスート体密度の均一化が
進みにくい傾向が表われる。前記事前仮焼の温度が約1
400℃を超えると、急激に空隙の収縮が進行し、なか
でもスート体周辺部分の焼きしめが急激に進行するた
め、その表層部分が透明ガラス化し、その後の仮焼、透
明化工程により所望の合成石英ガラスを得ることができ
ず、他方1400℃と高い温度でも、加熱時間を1時間
未満とすると、焼きしめ効果が得られず、スート体の密
度を均一化することができない。
ルよりも小さいと、加熱の際に酸素が石英ガラスより抜
け易くなり、これにより酸素欠乏欠陥が生じて紫外及び
真空紫外光の透過率低下の原因となり易く、他方前記事
前仮焼の際の圧力が約50パスカルを超えると、スート
体の焼きしめ効果が少なく、スート体の密度を均一化す
ることが難しい。
200〜1300℃で約10〜40時間行い、スート体
中の石英ガラス微粒子中に一部含まれるSi−OHをS
i−O−Siに変化させたり付着水を気化脱気せしめ、
その際に生じる水分を除去脱水する。また、この仮焼処
理によりスート体中のOH基濃度の分布を調整する。前
記仮焼の温度が約1200℃未満であると、水分の除去
がゆっくりとしか進行せず、OH基濃度が十分に低下せ
ず、またその濃度分布の調整もうまく行かない。他方、
前記仮焼の温度が1300℃を超えると、内部から十分
に水分が除去されないうちに緻密化してしまい、やはり
高濃度のOH基が残留することになる。
従ってOH基濃度が高く、中央部分にOH濃度の極大値
となる部分が存在し、逆に周辺部分にいくに従ってその
濃度が低下するOH基濃度分布が形成される。
可能であり、この場合には、前記の場合と同じ真空条件
下、約1200〜1400℃の温度で、10〜40時間
熱処理を行う。
分の除去が同時に行われるが、前記した事前仮焼及び仮
焼の2段階の加熱と比較して密度の均一化が完全に進行
しにくく、透明化処理の時間が長くなる場合がある。
英ガラスを加熱して0.5〜5℃/分の条件で昇温さ
せ、約1420〜1600℃の温度範囲で3〜8時間透
明化処理を行う。前記透明化の温度が約1420℃未満
では、緻密化が進行しにくく生産性が悪くなり、他方前
記透明化の温度が約1600℃を超えると電力の消費に
よりコスト増加となる。
下で徐冷することにより、透明化された光学用合成石英
ガラス材の母材が製造される。なお、前記透明化の温度
が1500℃以上で、かつ該工程の後、約0.5〜5℃
/分の条件下で徐冷された母材は、後述する仮想温度条
件を満足することから、そのまま熱処理することなく、
切削加工等の冷間加工を行って所定の大きさにして光学
用合成石英の製品とすることもできる。
材に後述する加熱成形等を行って製品を製造する。勿
論、得られた光学用合成石英ガラス材の母材を冷却せ
ず、高温下で引き続き下記の条件で処理を行うことも可
能である。
00℃の温度まで加熱し、例えば高純度カーボン等から
なる型を用いてプレスすることにより大型のレンズ、ミ
ラー、窓部材等の光学部材の形状を有するものに成形す
る。この成形された光学用合成石英ガラスを一旦、5〜
30℃/分の条件で約1500〜1600℃まで冷却
し、この温度範囲で0〜10時間保持する均温化処理を
行う。ここで、0時間の場合は、厳密には均温化処理を
行っておらず、この温度で冷却速度を切り替えるのみで
あるが、ここでは0時間の場合も含めて均温化処理とい
うことにする。
であると、徐冷する前の温度が低過ぎるため、下記する
仮想温度分布を形成するのが難しくなる。
しくは0.1〜4℃/分未満の温度で冷却することによ
り光学用合成石英ガラス材の仮想温度分布を調整する。
の特性は、そのガラスが過去の製造過程における高温度
域及び前記高温度域から室温までの冷却過程での熱履歴
を反映したものであり、仮想温度(Fictive Temperatu
re)とは、そのガラスが過去の熱履歴のなかで、なじま
されたときの温度、すなわち上記特性値が決定されたと
きの温度をいう(R.Bruckner,J.Non-Crystaline Solids,
5,1970, pp.133-134)。この仮想温度の概念は、石英ガ
ラスのみならず、ガラス全般に当てはまる概念であり、
もう少し簡略にいうならば、室温のガラス密度、屈折率
等の特性値がその仮想温度(室温よりも高温度)のガラ
スの平衡状態の特性値になっていることを意味する。
スの温度と密度との関係を示したグラフである。前述の
R.Brucknerによると、第1図に示すように、石英ガラス
は約1500℃において密度が最小になり、1500℃
より高い温度から冷却する場合と、1500℃より低い
温度から冷却する場合とで、石英ガラス中の密度の分布
状態が異なることが知られている。すなわち、1500
℃より低い温度から冷却する場合には、周囲が早く冷却
されるために内部に比べて周囲がより密度が大きくな
り、他方1500℃よりも高い温度から冷却する場合に
は、周囲が内部に比べて早く冷却されることは上記の場
合と同様であるが、密度は内部に比べて周囲の方が小さ
くなる。密度と相関関係を有する屈折率も、前記密度と
同様の分布を生じ、密度を測定することにより前記仮想
温度に起因する屈折率分布を特定することが可能になる
が、本発明の場合のように、約1500℃より高い温度
から冷却すると、内部の仮想温度分布の方が周囲の仮想
温度分布より低い状態となり、内部の密度の方が周囲の
密度より大きい状態、すなわち内部の方が周囲より屈折
率の高い分布が生じ、OH基濃度分布により生じる屈折
率分布と逆になるため、お互いの屈折率の変動を打ち消
し合い、極めて均一な屈折率分布を形成することができ
る。
イ素の加水分解により基台上に直接シリカ粒子を堆積さ
せ、透明化されたインゴットを製造する。従って、VA
D法の場合のように透明化されたガラスを得るまでに仮
焼等の処理を行う必要はないが、その代わりに前記工程
によりOH基濃度や塩素濃度の分布を調整することはで
きない。そこで、OH基濃度や塩素濃度等の分布は、加
水分解を行う際に、酸素−水素火炎の温度や酸素と水素
の流量比を所定の値に設定することによりコントロール
する。
トの冷却は、通常、加熱炉が大気開放型であることか
ら、大気放冷に近い炉内冷却の条件で行われ、冷却速度
の制御は困難である。従って、直接法で製造した合成石
英ガラス材の母材は、そのままの熱履歴の状態では、後
述する仮想温度分布は形成されない。そこで直接法の場
合、もう一度加熱を行い、後述する冷却、又は成形、冷
却を行って仮想温度分布を形成する必要がある。この場
合の加熱、成形、冷却等の条件は、上記したVAD法の
場合と同様である。
石英ガラスの製造工程により、OH基濃度分布に基づく
屈折率変動分布を打ち消すように、仮想温度分布に起因
する屈折率変動分布を形成することができ、屈折率の変
動幅が極めて小さい光学用合成石英ガラスを製造するこ
とが可能となる。
(1)によれば、中央部分にOH基濃度が極大となる領
域が存在し、該領域を中心に周辺部分にいくに従ってO
H基濃度が次第に低下し、前記OH基濃度の分布に基づ
く屈折率分布を打ち消すように、内部の仮想温度が周囲
の仮想温度よりも低い仮想温度分布に起因する内部の屈
折率が周囲の屈折率よりも大きい屈折率分布が形成され
ており、OH基濃度の最大値と最小値との差が45pp
m以下であるので、前記光学用合成石英ガラス材の内部
全体の屈折が極めて均一となる。
材(2)によれば、上記(1)記載の光学用合成石英ガ
ラス材であって、直径が約200〜300mmで、長さ
が約60〜150mmであり、屈折率の変動幅(Δn)
が1×10-6未満であり、大きなサイズのもので、かつ
屈折率の変動分布が小さい光学用合成石英ガラス材とな
る。
材(3)によれば、上記(1)又は(2)記載の光学用
合成石英ガラス材であって、塩素濃度が1ppm以下で
あるので、前記塩素に起因する屈折率の影響が殆どな
く、透過率の低下も殆どない。
材(4)によれば、上記(1)又は(2)記載の光学用
合成石英ガラス材であって、塩素濃度の最大値と最小値
との差が1ppm以下であるので、前記塩素に起因する
屈折率の影響が殆どない。
材の製造方法(5)によれば、上記(1)〜(4)記載
の光学用合成石英ガラス材の製造方法であって、OH基
濃度分布を有する光学用合成石英ガラス母材を1500
〜2000℃の温度に加熱した後、前記加熱温度より室
温まで5℃/分以下の速度で徐冷し、前記OH基濃度の
分布に基づく屈折率分布を打ち消すように、仮想温度分
布を形成するので、中央部分に極大値となる領域が存在
し、該領域を中心に周辺部分にいくに従って次第に低下
するように形成されたOH基濃度分布に基づく屈折率変
動分布を打ち消すように、仮想温度分布に起因する屈折
率変動分布が形成され、前記光学用合成石英ガラス材の
内部全体の屈折率が極めて均一に保たれる。
製品(6)によれば、上記(1)〜(4)記載の光学用
合成石英ガラス材を用いて形成されているので、屈折率
等の光学的特性の均一さに極めて優れた光学用合成石英
ガラス製品となる。
用合成石英ガラス材及びその製造方法、並びに該光学用
合成石英ガラス材を用いた合成石英ガラス製品を説明す
る。
AD法により多孔質合成石英ガラス(スート)を合成し
た。
(SiCl4 )を原料とし、酸素−水素火炎中で気相化
学反応により石英ガラス微粒子を合成するとともにこれ
を種棒の周囲に付着、堆積させ、多孔質合成石英ガラス
(スート)を合成した。
スを表1に示した条件で事前仮焼、仮焼、昇温、透明
化、及び冷却を行い、光学用合成石英ガラス母材を製造
した。
英ガラス母材の切削、加工等を行い、得られた部材を用
いて、表1に示した加熱成形条件で、加熱、成形、均温
化処理を行った後、表1に示した速度で冷却することに
より仮想温度分布を形成し、光学用合成石英ガラス母材
を用いた光学用合成石英ガラス製品の製造を終了した。
得られた光学用合成石英ガラス製品の特性を下記の表3
に示している。
係る光学用合成石英ガラス材に比べて大きい、比較例に
係る光学用合成石英ガラス材についても、光学用合成石
英ガラス材の製造条件、加熱成形条件及び製品特性を下
記の表2及び表4に示している。
が提案した赤外線分光光度計を用いた方法(K.M.Davis
and M.Tomozawa ニューガラスフォーラム 平成5年度
第4回シリカガラス研究会 215〜255頁 199
4年1月17日)により測定し、屈折率変動幅(Δn)
については、Zygo社製のフィゾー型干渉計(Mar
k−IV)により測定し、複屈折率については、オーク
製作所社製の高感度複屈折率測定装置(ADR−30
0)により測定した。
5]次に、直接法により直接透明の光学用合成石英ガラ
ス母材を製造した。
イ素(SiCl4 )を原料とし、酸素−水素火炎中で気
相化学反応により石英ガラス微粒子を合成するとともに
これを基台上に堆積させ、光学用合成石英ガラス母材を
製造した。
0.01ppm以下であり、水素ガス中の不純物濃度は
約50ng/Nm3 以下、酸素ガス中の不純物濃度は約
50ng/Nm3 以下であった。なお、水素ガス又は酸
素ガス中の不純物の分析は、硝酸溶液中にガスをバブリ
ングさせて通し、その溶液を高周波誘導結合プラズマ
(ICP)質量分析計に注入し、各元素ごとに測定し
た。測定下限は、おおよそ0.02〜0.005ng/
Nm3 程度である。
英ガラス母材の切削、加工等を行い、得られた部材を用
いて表5に示した加熱成形条件で、加熱、成形、均温化
処理を行った後、5℃/分未満の速度で冷却することに
より仮想温度分布を形成し、光学用合成石英ガラス材を
用いた光学用合成石英ガラス製品の製造を終了した。得
られた光学用合成石英ガラス製品の特性を下記の表6に
示している。
係る光学用合成石英ガラス材に比べて大きい、比較例に
係る光学用合成石英ガラス材についても、加熱成形条件
及び製品特性を下記の表5及び表6に記載している。
かなように、実施例に係る光学用合成石英ガラス製品の
中央部分にOH基濃度の極大値となる領域が存在し、該
領域を中心に周辺部分にいくに従ってOH基濃度が次第
に低下し、壁面部分で濃度の最小値となる濃度分布が存
在し、このOH基濃度分布に基づく屈折率変動分布(屈
折率変動幅Δn:1.0×10-6〜5.0×10-6)を
打ち消すように、内部の仮想温度が周囲の仮想温度より
も低い仮想温度分布に起因する内部の屈折率が周囲の屈
折率よりも大きい屈折率変動分布(屈折率変動幅Δn:
−1.5×10-6〜−4.5×10-6)が形成されてい
るので、前記光学用合成石英ガラス材の内部全体の屈折
率が極めて均一(屈折率変動幅Δn≦0.9×10-6)
になる。また、複屈折率も3nm/cm以下と極めて小
さく、脈理が三方向フリーの均質性に優れた材料とな
る。さらに、実施例に係る光学用合成石英ガラス製品の
金属不純物含有量はトータル量として、0.15ppm
未満であり、各金属不純物含有量は、Alの含有量が
0.01ppm以下、Na、K、及びLiの各含有量が
0.02ppm以下、Ca、Fe、Ti、Cr、Ni、
P、B、Mg、Cu、Zr、及びZnの各含有量が0.
008ppm以下であった。この光学用合成石英ガラス
製品中の不純物濃度はプラズマ発光(ICP)分析法及
び放射化分析法により測定した。
うに、比較例に係る光学用合成石英ガラス製品において
は、OH基の最大値と最小値との濃度差が大きすぎる
か、又はOH基濃度分布により形成される屈折率の変動
分布と、形成された仮想温度分布による屈折率変動分布
が加算されたかたちになっているため、全体の屈折率変
動幅が実施例に係る光学用合成石英ガラス製品の3倍を
超えた値となっている。また、均温化の後の冷却で、そ
の速度が早すぎる場合には、複屈折率が10nm/cm
以下と異方性が大きくなっている。
合成石英ガラス材(1)にあっては、中央部分にOH基
濃度が極大となる領域が存在し、該領域を中心に周辺部
分にいくに従ってOH基濃度が次第に低下し、前記OH
基濃度の分布に基づく屈折率分布を打ち消すように、内
部の仮想温度が周囲の仮想温度よりも低い仮想温度分布
に起因する内部の屈折率が周囲の屈折率よりも大きい屈
折率分布が形成されており、OH基濃度の最大値と最小
値との差が45ppm以下であるので、前記光学用合成
石英ガラス材の内部全体の屈折率分布を極めて均一的な
ものとすることができる。
材(2)にあっては、上記(1)記載の光学用合成石英
ガラス材であって、直径が約200〜300mmで、長
さが約60〜150mmであり、屈折率の変動幅(Δ
n)が1×10-6未満であり、大きなサイズのもので、
かつ屈折率の変動分布が小さい光学用合成石英ガラス材
を提供することができる。
材(3)にあっては、上記(1)又は(2)記載の光学
用合成石英ガラス材であって、塩素濃度が1ppm以下
であるので、前記塩素に起因する屈折率の影響を防止す
ることができ、透過率の低下も防止することができる。
材(4)にあっては、上記(1)又は(2)記載の光学
用合成石英ガラス材であって、塩素濃度の最大値と最小
値との差が1ppm以下であるので、前記塩素に起因す
る屈折率の影響を防止することができる。
材の製造方法(5)にあっては、上記(1)〜(4)記
載の光学用合成石英ガラス材の製造方法であって、OH
基濃度分布を有する光学用合成石英ガラス母材を150
0〜2000℃の温度に加熱した後、前記加熱温度より
室温まで5℃/分以下の速度で徐冷し、前記OH基濃度
の分布に基づく屈折率分布を打ち消すように、仮想温度
分布を形成するので、中央部分に極大値となる領域が存
在し、該領域を中心に周辺部分にいくに従って次第に低
下するように形成されたOH基濃度分布に基づく屈折率
変動分布を打ち消すように、内部の仮想温度が周囲の仮
想温度よりも低い仮想温度分布に起因する内部の屈折率
が周囲の屈折率よりも大きい屈折率変動分布を形成する
ことができ、前記光学用合成石英ガラス材内部全体の屈
折率を極めて均一に保つことができる。
製品(6)にあっては、上記(1)〜(4)記載の光学
用合成石英ガラス材が使用されて形成されているので、
屈折率等の光学的特性の均一さに極めて優れた光学用合
成石英ガラス製品を提供することができる。
際の密度の変化を様子を示したグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 中央部分にOH基濃度が極大となる領域
が存在し、該領域を中心に周辺部分にいくに従ってOH
基濃度が次第に低下し、前記OH基濃度の分布に基づく
屈折率分布と内部の仮想温度が周囲の仮想温度よりも低
い仮想温度分布に起因する内部の屈折率が周囲の屈折率
よりも大きい屈折率分布とが形成されており、OH基濃
度の最大値と最小値との差が45ppm以下であること
を特徴とする光学用合成石英ガラス材。 - 【請求項2】 直径が約200〜300mmで、長さが
約60〜150mmであり、屈折率の変動幅(Δn)が
1×10-6未満であることを特徴とする請求項1記載の
光学用合成石英ガラス材。 - 【請求項3】 塩素濃度が1ppm以下であることを特
徴とする請求項1又は請求項2記載の光学用合成石英ガ
ラス材。 - 【請求項4】 塩素濃度の最大値と最小値との差が1p
pm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2
記載の光学用合成石英ガラス材。 - 【請求項5】 OH基濃度分布を有する光学用合成石英
ガラス母材を1500〜2000℃の温度に加熱した
後、少なくとも1500℃以上の温度から室温まで5℃
/分以下の速度で徐冷し、前記OH基濃度の分布に基づ
く屈折率分布を打ち消すように、仮想温度分布を形成す
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載
の光学用合成石英ガラス材の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の光
学用合成石英ガラス材を用いて形成されていることを特
徴とする合成石英ガラス製品。
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- 1995-08-18 JP JP21084395A patent/JP3274953B2/ja not_active Expired - Lifetime
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