JP3274914B2 - エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

エンジンの燃焼制御装置

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JP3274914B2
JP3274914B2 JP21776993A JP21776993A JP3274914B2 JP 3274914 B2 JP3274914 B2 JP 3274914B2 JP 21776993 A JP21776993 A JP 21776993A JP 21776993 A JP21776993 A JP 21776993A JP 3274914 B2 JP3274914 B2 JP 3274914B2
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和広 中村
公裕 野中
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三信工業株式会社
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速性を向上でき、し
かも減速時のいわゆるバックファイヤを抑制できるよう
にしたエンジンの燃焼制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】例えば船外機用エンジンに
おいては、スロットル弁がアイドリング位置にある状
態、即ちトローリング状態からの加速性の向上という要
請があり、そのためには加速直後にエンジン内に多量の
吸気を供給する必要があるが、スロットル弁を急激に開
いても空気の慣性効果等によりシリンダ内にはすぐに吸
気が導入されない。
【0003】そこで、スロットルバルブのアイドル位置
をある程度の開放位置(全閉位置と全開位置との略中間
開度位置)に設定し、加速時に必要な流量及び流速の吸
気の流れを吸気通路内に予め発生させておくことが考え
られる。そしてこの場合には、アクセル操作開度の小さ
いアイドル運転時においてエンジン回転数を低く抑える
ために、例えば点火時期を遅らせる必要がある。ところ
がこのようにアクセル操作開度が小さいときは、点火時
期を遅らせるように構成すると、エンジン減速時にアク
セル操作開度が小さくなると点火時期が大きく遅角さ
れ、減速開始時の運転域の如何によってはバックファイ
ヤが発生する場合がある。バックファイヤは運転者に違
和感を与えることから、このバックファイヤの発生を抑
制する必要がある。
【0004】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、加速性を向上でき、しかも減速時のバックフ
ァイヤを抑制できるエンジンの燃焼制御装置を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るエ
ンジンの燃焼制御装置は、吸気通路内に配置されたスロ
ットル弁のアイドル位置を全閉位置と全開位置との間の
略中間開度位置に設定するとともに、アクセル操作量が
上記スロットル弁のアイドル位置に対応するピックアッ
プ位置より小の場合にはスロットル弁開度を上記アイド
ル位置に保持し、アクセル操作量が上記ピックアップ位
置より大の場合にはアクセル操作量の増加に伴ってスロ
ットル弁開度を上記アイドル位置から増加させるように
し、アクセル操作量を上記ピックアップ位置より大側か
ら小側に減少させる減速時においてエンジン回転数及び
点火時期に応じて点火時期の遅角量の時間変化率を調整
しつつ点火時期を遅角させる点火時期調整手段を備えた
ことを特徴としている。ここで、アイドル位置を上記略
中間開度位置に設定するとは、従来のアイドル位置が全
閉位置から数度傾いた位置に設定されているのに対し
て、本発明の場合には、スロットル弁が全閉位置から上
記数度よりも大きな角度例えば10数度傾いた位置に設
定することを意味している。また孔又は溝等の形成され
たスロットル弁を用いることにより、全閉位置に設定し
ながら孔又は溝等の形成されていないスロットル弁の上
記略中間開度位置に実質的に相当する場合もこの略中間
開度位置に含めることとする。
【0006】請求項2の発明に係るエンジンの燃焼制御
装置は、吸気通路内に配置されたスロットル弁のアイド
ル位置を全閉位置と全開位置との間の略中間開度位置に
設定するとともに、アクセル操作量が上記スロットル弁
のアイドル位置に対応するピックアップ位置より小の場
合にはスロットル弁開度を上記アイドル位置に保持し、
アクセル操作量が上記ピックアップ位置より大の場合に
はアクセル操作量の増加に伴ってスロットル弁開度を上
記アイドル位置から増加させるようにし、燃料噴射用イ
ンジェクタを備え、アクセル操作量を上記ピックアップ
位置より小さい側に減少させる減速時においてアクセル
操作量の減少に伴なってエンジン1回転当たりの燃料噴
射量を増加させるとともに、運転気筒数を減少させるよ
うにしたことを特徴としている。
【0007】
【作用】請求項1の発明によれば、スロットル弁のアイ
ドル位置が全閉位置と全開位置との間の略中間開度位置
に設定されているので、加速時に必要な流量及び流速の
吸気の流れがアイドル運転時にすでに確保されているこ
とになる。これにより加速時にはエンジンの燃焼が促進
されてエンジンを短時間のうちに高速回転させることが
可能になり、加速性を向上できる。減速時には、点火時
期調整手段の制御により、エンジン回転数及び点火時期
に応じて点火時期の遅角量の時間変化率(時間当りの点
火時期遅角量)が調整されつつ、点火時期の遅角制御が
行われる。従って、バックファイヤの起こりにくい領域
の場合には点火時期の遅角量の時間変化率が大きく設定
されて、点火時期が遅角側に比較的急速に移行し、また
バックファイヤの起こり易い領域の場合には点火時期の
遅角量の時間変化率が小さく設定されて、点火時期が遅
角側にゆっくりと移行する。これにより減速時のバック
ファイヤの発生を抑制できる。
【0008】請求項2の発明によれば、燃料噴射量制御
手段がインジェクタを制御することにより、減速時には
アクセル操作量の減少に伴なってエンジン1回転当たり
の燃料噴射量が増加されるとともに、運転気筒数が減少
される。従って、減速時には空燃比がリッチ側に移行
し、これによりバックファイヤの発生を抑制できるとと
もに、減速状態を維持できる。また加速時には燃料噴射
総量が増加し、その一方、略中間開度位置にあるスロッ
トル弁により加速時に必要な吸気の流れはすでに確保さ
れていることから、エンジンの燃焼を促進でき、加速性
を向上できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1ないし図9は本発明の一実施例による船
外機用エンジンの燃焼制御装置を説明するための図であ
り、図1は上記燃焼制御装置が採用された船外機用エン
ジンの概略構成図、図2は図1の拡大部分図、図3は上
記燃焼制御装置による加速時の制御フローチャート図、
図4はアクセル操作量とスロットルバルブ開度,点火時
期,燃料噴射量との相関関係を示す図、図5は上記燃焼
制御装置による減速時の制御フローチャート図、図6は
バックファイヤの発生する範囲(第1制限範囲)をエン
ジン回転数と点火時期との相関関係で示す図、図7はバ
ックファイヤの発生する範囲(第2制限範囲)を遅角量
と時間との相関関係で示す図、図8は点火時期遅角量の
時間当たりの変化量を上記第1制限範囲との関係で示す
図、図9は燃料噴射量の時間当たりの増加量を上記第2
制限範囲との関係で示す図である。なお、図1におい
て、Fは船首側を、Rは船尾側を示しており、また図1
中の左下部分は左上部分のA−A断面を示している。
【0010】これらの図において、1はクランク軸縦置
きV型6気筒2サイクルエンジンの船外機であり、これ
はシリンダブロック2のVバンクをなすように形成され
たシリンダボア内にピストン3を摺動自在に挿入配置
し、該ピストン3をコンロッド4でクランク軸5に連結
した構造のものである。上記シリンダブロック2の合面
にはシリンダヘッド6が装着されており、該シリンダヘ
ッド6に形成された燃焼凹部内には点火プラグ7が挿入
されている。上記シリンダブロック2の反ヘッド側には
クランク室8が設けられている。また上記シリンダヘッ
ド6には筒内圧を測定するための圧力センサ31が装着
されている。さらに上記クランク軸5にはクランク角度
(エンジン回転数)を検出するためのセンサ33が設け
られ、クランク室8にはクランク室内圧を測定するため
の圧力センサ34が設けれている。
【0011】上記クランク室8には吸気通路10が接続
されている。該吸気通路10のクランク室側開口近傍に
は、吸気の逆流を防止するためのリードバルブ11が配
設されている。また上記吸気通路10には該吸気通路内
に燃料を噴射するためのインジェクタ12が装着されて
おり、該インジェクタ12には高圧燃料供給装置13が
接続されている。また上記吸気通路10のクランク室側
開口部には吸気温または機関の温度を測定するための温
度センサ32が設けられている。さらに排気通路26
(図1)には、排気ガス中のO2 濃度を検出するための
2 センサ35と、背圧を検出するための圧力センサ3
6とが設けられている。またエンジン温度を検出するた
めの温度センサ37が設けられている。
【0012】また上記吸気通路10にはスロットルバル
ブ15が配設されており、該スロットルバルブ15のア
イドル位置は、図2に示すように、全閉位置からα度傾
いた位置に設定されている。この角度αは通常のセッテ
ィング角である2〜3°よりも大きく、好ましくは15
°〜20°近辺に設定される。このようにスロットルバ
ルブ15のアイドル位置を全閉位置と全開位置との間の
略中間開度位置に設定することにより、加速時に必要な
流量及び流速の吸気の流れがアイドル運転時にすでに確
保されていることになる。また図示していないが、該ス
ロットルバルブの回動量すなわちスロットル角度を検出
するセンサが設けられている。該スロットルバルブ15
にはバルブ面と略直角方向に延びるピックアップバー1
6が取り付けられている。該ピックアップバー16の先
端には球状の当接部17が設けられている。
【0013】一方、上記スロットルバルブ15の側方に
はカム機構20が設けられている。該カム機構20はカ
ム部材22を有しており、該カム部材22の一端には、
回動自在に支持された支軸21が固定されている。該カ
ム部材22にはピン23を介してアクセルバー24の一
端が取り付けられており、該アクセルバー24の他端は
アクセルに連結されている。またアクセルペダルを踏み
込んでいない状態では、上記カム部材22は実線で示す
アイドル位置に位置しており、上記ピックアップバー1
6先端の当接部17との間に所定の隙間sが形成されて
いる。さらに上記支軸部21には、カム部材22の回動
量を検出するためのカムセンサ(図示せず)が設けられ
ている。この構成により、カム部材22は、アクセル操
作に連動して回動するとともに、当接部17に当接する
ピックアップ位置(図2一点鎖線参照)と、ピックアッ
プバー16を介してスロットルバルブ15を全開位置に
する全開位置(同図二点鎖線位置参照)とをとり得るよ
うになっている。
【0014】上記エンジン1は制御部としてのECU3
0を備えている。該ECU30内には、エンジン回転数
やカム角度,スロットルバルブ開度に応じたエンジン点
火時期,燃料の噴射量・噴射時期を選択するためのマッ
プが格納されており、該マップとしては、カム部材22
が上述のアイドル位置にあるときのアイドル用マップ,
カム部材22がアイドル位置とピックアップ位置との間
にあるときのアイドルピックアップ用マップ,カム部材
22がアイドルピックアップ位置を過ぎたときのピック
アップ位置以降用マップ,さらにエンジン回転数,点火
時期,時間当たりの遅角変化量,物理量により決定され
る所定の制限範囲(後述)にあるか否かに応じて用意さ
れる2種類の減速時用マップがある。
【0015】該ECU30には、上記筒内圧検出センサ
31,スロットル開度(吸気量)検出センサ,カム角度
検出センサ,吸気温(機関温度)検出センサ32,クラ
ンク角度検出センサ33,クランク室内圧検出センサ3
4,O2 センサ35,背圧検出センサ36,エンジン温
度検出センサ37,大気圧検出センサ,及び冷却水検出
センサの各入力信号が入力されている。また該ECU3
0の出力信号は、上記点火プラグ7及びインジェクタ1
2にそれぞれ入力されている。
【0016】次に上記ECU30による制御動作につい
て説明する。まずアイドル運転時及び加速時について、
図4のグラフを参照しつつ図3のフローチャートを用い
て説明する。プログラムがスタートすると、まず図3の
ステップS1において、カム機構20のカム部材22が
アイドル位置(図2実線位置)から動いたか否かを判断
する。カム部材22がアイドル位置から動いていなけれ
ば、ステップS2に移行する。ステップS2では、セン
サ33で検出されたエンジン回転数に応じて、アイドル
用マップから点火時期,燃料噴射量,燃料噴射時期を読
み込む。次にステップS3では、上記マップから読み込
まれたデータに基づいて点火プラグ7,インジェクタ1
2等を駆動制御し、6気筒のうちの2気筒を休して4気
筒運転を行う(図4参照)。これにより低速回転を安定
させる。
【0017】この場合には、図4に示すように、アクセ
ル操作量が小さいほど点火時期が遅角側に制御されてい
るため、スロットルバルブ15が上記略中間開度位置に
設定されて吸気流量及び流速が増加しているにも拘ら
ず、エンジンの燃焼が抑制されてエンジン回転数が高く
なるのを抑制できる。またこのときのエンジン1回転当
たりの燃料噴射量はアクセル操作量が大きいときの燃料
噴射量に比べると多いが、エンジン回転数が低いことに
より単位時間当りの燃料噴射量は減少しており、これに
よりエンジンの燃焼がさらに抑制されて、低速回転を確
保できる。ステップS3での処理後、プログラムはステ
ップS1に戻る。
【0018】ステップS1においてカム部材22がアイ
ドル位置から動いたと判断されれば、ステップS4に移
行する。ステップS4は、カム部材22がピックアップ
位置(図2一点鎖線位置)に達したか否かを判断する。
まだピックアップ位置に達していないと判断されればス
テップS5に移行する。ステップS5では、センサ33
で検出されたエンジン回転数,カムセンサで検出された
カム部材22の回動量(カム角度)に応じて、アイドル
ピックアップ用マップから点火時期,燃料噴射量,燃料
噴射時期を読み込む。次にステップS6では、上記マッ
プから読み込まれたデータに基づいて点火プラグ7,イ
ンジェクタ12等を駆動制御し、6気筒のうちの5気筒
を選択して5気筒運転を行う(図4参照)。
【0019】この場合において、加速時には、アクセル
操作量すなわちカム角度が大きくなるに従い、点火時期
が進角側に制御されている。その一方、スロットルバル
ブ15が上記略中間開度位置にあることにより加速時に
必要な流量及び流速の吸気の流れはすでに確保されてお
り、これによりエンジンの燃焼が促進されてエンジンを
短時間のうちに高速回転させることが可能になり、加速
性を向上できる。さらにエンジン1回転当たりの燃料噴
射量は減少されているもののエンジン回転数が増加する
ことにより単位時間当りの燃料噴射量が増加されてい
る。これによりエンジンの燃焼をさらに促進させること
ができ、加速性を一層向上できる。ステップS6での処
理後、プログラムはステップS1に戻る。
【0020】ステップS4においてカム部材22がピッ
クアップ位置に達したと判断されれば、ステップS7に
移行する。ステップS7では、エンジン回転数,カム角
度に応じてピックアップ位置以降マップから点火時期,
燃料噴射量,燃料噴射時期を読み込む。なお、この場合
にはカム部材22の回動に連動してスロットルバルブ1
5が回動するので、ピックアップ位置以降のカム回動量
はスロットルバルブ開度に等しくなる。次にステップS
8において全気筒の点火プラグをスパークさせて6気筒
運転を行う(図4参照)。ステップS8での処理後、プ
ログラムはステップS1に戻る。
【0021】次に、減速時におけるECU30の制御動
作について図5ないし図9を用いて説明する。まず図5
のステップT1において減速状態か否かの判断を行う。
減速状態と判断されればステップT2に移行し、エンジ
ン回転数・点火時期または時間当たりの遅角変化量,及
び物理量からバックファイヤを発生させる制限範囲内に
あるか否かを判断する。ここで、上記制限範囲とは、こ
の範囲ではバックファイヤが発生するために点火時期の
遅角制御及び燃料噴射量の制御の仕方に制限を設ける必
要のある範囲のことをいい、図6斜線部分に示すように
エンジン回転数と点火時期とが所定の関係をなす範囲
(第1制限範囲)と、図7斜線部分に示すように時間当
たりの点火時期遅角量の変化量が所定の関係をなす範囲
(第2制限範囲)とがある。また上記物理量には、吸気
温度(または機関温度),背圧,吸気量,空燃比(A/
F値)があり、吸気温が低いほど、背圧が高いほど、吸
気量が少ないほど、A/F値がリーン側にあるほど、第
1制限範囲の境界線P,第2制限範囲の境界線Qはそれ
ぞれ各図の一点鎖線側さらには二点鎖線側に移動する。
これは例えば吸気温度が低い場合は高い場合に比べて同
じエンジン回転数においてバックファイヤが生じ易いか
らである。
【0022】ステップT2において、上記いずれの制限
範囲内にもないと判断されれば、ステップT3に移行す
る。ステップT3では、エンジン回転数,スロットルバ
ルブの開度から、設定すべきエンジン点火時期,燃料の
噴射量,噴射時期をマップから読み取る。次にステップ
T4では、点火時期,燃料噴射量を上記マップ値まで変
化させる。この場合における点火時期側の操作を図8
(a)の直線A→B→Cで、同様に燃料噴射側の操作を
図9(a)の直線A→B→Cで示す。なお、これらの図
において点Aはスロットルバルブ15が開状態例えば全
開位置にある場合を示し、図8の点Bはスロットルバル
ブをアイドル位置に戻したことに対応した点火時期の遅
角量を示し、Cは上記スロットルバルブの開度変化によ
ってエンジン回転数が低下したことに対応した点火時期
遅角量を示す。また、図9の点B,Cは同様にスロット
ルバルブ位置及びエンジン回転数が変化したことに対応
した燃料量を示す。処理後プログラムはステップT1に
戻る。
【0023】ステップT2において、上記いずれかの制
限範囲内にあると判断されれば、ステップT5に移行す
る。ステップT5では、エンジン回転数及び上記物理量
から、設定すべき時間当たりの点火時期遅角変化量の制
限値をマップから読み取る。次にステップT6では、エ
ンジン回転数及び上記物理量から、設定すべき燃料消費
量の時間当たりの増加量をマップから読み取る。次にス
テップT7では、点火時期,燃料噴射量を上記各マップ
から読み取られたマップ値にまでそれぞれ変化させる。
この場合における点火時期側の操作を図8(a)の曲線
A→Cで、同様に燃料噴射側の操作を図9(a)の曲線
A→Cで示す。すなわち、この場合には、出発点である
A点から最終目標点であるC点までゆっくりと変化して
いることが分かる。これにより、減速時には点火時期を
遅角側にゆっくりと移行させることができ、これにより
バックファイヤの発生を抑制できる。また燃料噴射量を
徐々に増加させることができ、これによりA/Fをリッ
チ側に移行でき、バックファイヤの発生を抑制できる。
ステップT7での処理後、プログラムはステップT1に
戻る。
【0024】なお、上記点火時期,燃料噴射量の制御に
おいて、上記物理量がバックファイヤをより発生させ易
い側に変化したとき、すなわち吸気温が低温側、背圧が
高圧側、吸気量が少量側、A/F値がリーン側に変化し
たときには、図8(b),図9(b)に示すように点火
時期,燃料噴射量はよりゆっくりと変化する側に移行さ
せる必要がある。
【0025】このように本実施例では、スロットルバル
ブ15のアイドル位置が全閉位置と全開位置との間の略
中間開度位置に設定されているので、加速時に必要な流
量及び流速の吸気の流れがアイドル運転時にすでに確保
されていることになる。また上述のように、カム部材2
2がピックアップ位置に到るまではECU30がカム部
材22の回動量に対応して点火時期を制御する。すなわ
ち、例えばアイドル時には点火時期が遅角側に制御さ
れ、これにより吸気流量及び流速の増加にも拘らずエン
ジンの燃焼が抑制されて、エンジン回転数が高くなるの
を抑制できる。また加速時にはカム部材22の回動量に
対応して点火時期が進角側に制御され、その一方、加速
時に必要な吸気の流れはすでに確保されているので、エ
ンジンの燃焼が促進されてエンジンを短時間のうちに高
速回転させることが可能になり、加速性を向上できる。
【0026】また、カム部材22がピックアップ位置に
到るまでは、ECU30がインジェクタ12による単位
時間当たりの燃料噴射量をアクセル操作量が小さいほど
減少させる。従って、アイドル時には燃料噴射量の減少
によりエンジンの燃焼が抑制されて、低速回転を確保で
きる。また加速時には単位時間当たりの燃料噴射量が増
加し、その一方、略中間開度位置にあるスロットルバル
ブ15により加速時に必要な流量及び流速の吸気の流れ
はすでに確保されているので、エンジンの燃焼が促進さ
れて加速性を向上させることができる。
【0027】さらに、減速時には、ECU30の制御に
より、エンジン回転数,点火時期,上記物理量に応じて
点火時期の遅角量の時間変化率(時間当たりの遅角変化
量)が調整されつつ、点火時期の遅角制御が行われる。
従って、バックファイヤの起こりにくい領域の場合には
点火時期の遅角量の時間変化率が大きく設定されて、点
火時期が遅角側に比較的急速に移行し、またバックファ
イヤの起こり易い領域の場合には点火時期の遅角量の時
間変化率が小さく設定されて、点火時期が遅角側にゆっ
くりと移行する。これにより減速時のバックフィアヤの
発生を抑制できる。
【0028】また減速時にはエンジン1回転当たりの燃
料噴射量が増加している。従って、減速時には空燃比が
リッチ側に移行し、これによりバックファイヤの発生を
抑制できる。また加速時には燃料噴射総量が増加し、そ
の一方、略中間開度位置にあるスロットル弁により加速
時に必要な吸気の流れはすでに確保されていることか
ら、エンジンの燃焼を促進でき、加速性を向上できる。
【0029】なお、上記実施例では、点火時期の遅角量
及び燃料噴射量を同時に制御する例を示したが、本発明
はいずれか一方のみを制御する場合にも適用できる。
【0030】またスロットルバルブバルブ15として孔
又は溝等の形成されたものを用いることによりこれを全
閉開度としながら実質的に上記略中間開度位置に相当さ
せるようにしてもよい。
【0031】上記実施例では2サイクルエンジンに適用
した場合を示したが、本発明は4サイクルエンジンにも
同様に適用できる。また点火時期の遅角量のみを制御す
る場合においてはキャブレタを備えたものにも適用でき
る。
【0032】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係るエン
ジンの燃焼制御装置では、スロットル弁のアイドル位置
を略中間開度位置に設定したので、加速時に必要な流量
及び流速の吸気の流れをアイドル運転時に確保でき、こ
れにより加速性を向上できる効果がある。そして減速時
には、点火時期調整手段の制御により、エンジン回転数
及び点火時期に応じて点火時期の遅角量の時間変化率が
調整されつつ、点火時期の遅角制御が行われる。従っ
て、バックファイヤの起こりにくい領域の場合には点火
時期の遅角量の時間変化率が大きく設定されて、点火時
期が遅角側に比較的急速に移行し、またバックファイヤ
の起こり易い領域の場合には点火時期の遅角量の時間変
化率が小さく設定されて、点火時期が遅角側にゆっくり
と移行する。これにより減速時のバックフィアヤの発生
を抑制できる効果がある。
【0033】請求項2の発明に係るエンジンの燃焼制御
装置によれば、燃料噴射量制御手段がインジェクタを制
御することにより、減速時にはエンジン1回転当たりの
燃料噴射量が増加している。従って、減速時には空燃比
がリッチ側に移行し、これによりバックファイヤの発生
を抑制できる効果がある。また加速時には燃料噴射総量
が増加し、その一方、略中間開度位置にあるスロットル
弁により加速時に必要な吸気の流れはすでに確保されて
いることから、エンジンの燃焼を促進でき、加速性を向
上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による燃焼制御装置が採用さ
れた船外機用エンジンの概略構成図である。
【図2】図1の拡大部分図である。
【図3】上記燃焼制御装置による加速時の制御フローチ
ャート図である。
【図4】上記エンジンにおけるアクセル操作量と、スロ
ットルバルブ開度,点火時期,燃料噴射量との各相関関
係を示す図である。
【図5】上記燃焼制御装置による減速時の制御フローチ
ャート図である。
【図6】上記エンジンにおいてバックファイヤの発生す
る範囲(制限範囲)をエンジン回転数と点火時期との関
係で示す図である。
【図7】上記エンジンにおいてバックファイヤの発生す
る範囲(制限範囲)を時間当たりの遅角変化量との関係
で示す図である。
【図8】上記燃焼制御装置による点火時期の制御動作を
説明するための図である。
【図9】上記燃焼制御装置による燃料噴射量の制御動作
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 エンジン 10 吸気通路 15 スロットルバルブ 30 ECU(点火時期調整手段,燃料噴射量制御手
段)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02P 5/15 F (56)参考文献 特開 平1−116285(JP,A) 特開 平4−191437(JP,A) 特開 昭62−7949(JP,A) 特開 平2−55876(JP,A) 特開 平2−67444(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15 F02D 41/08 310 F02D 41/12 330 F02D 43/00 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路内に配置されたスロットル弁の
    アイドル位置を全閉位置と全開位置との間の略中間開度
    位置に設定するとともに、アクセル操作量が上記スロッ
    トル弁のアイドル位置に対応するピックアップ位置より
    小の場合にはスロットル弁開度を上記アイドル位置に保
    持し、アクセル操作量が上記ピックアップ位置より大の
    場合にはアクセル操作量の増加に伴ってスロットル弁開
    度を上記アイドル位置から増加させるようにし、アクセ
    ル操作量を上記ピックアップ位置より大側から小側に減
    少させる減速時においてエンジン回転数及び点火時期に
    応じて点火時期の遅角量の時間変化率を調整しつつ点火
    時期を遅角させる点火時期調整手段を備えたことを特徴
    とするエンジンの燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】 吸気通路内に配置されたスロットル弁の
    アイドル位置を全閉位置と全開位置との間の略中間開度
    位置に設定するとともに、アクセル操作量が上記スロッ
    トル弁のアイドル位置に対応するピックアップ位置より
    小の場合にはスロットル弁開度を上記アイドル位置に保
    持し、アクセル操作量が上記ピックアップ位置より大の
    場合にはアクセル操作量の増加に伴ってスロットル弁開
    度を上記アイドル位置から増加させるようにし、燃料噴
    射用インジェクタを備え、アクセル操作量を上記ピック
    アップ位置より小さい側に減少させる減速時において
    クセル操作量の減少に伴なってエンジン1回転当たりの
    燃料噴射量を増加させるとともに、運転気筒数を減少さ
    せるようにしたことを特徴とするエンジンの燃焼制御装
    置。
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