JP3274538B2 - タイヤの室内摩耗試験における摩耗ゴムの付着防止方法及び粉末散布装置。 - Google Patents

タイヤの室内摩耗試験における摩耗ゴムの付着防止方法及び粉末散布装置。

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JP3274538B2 JP14510193A JP14510193A JP3274538B2 JP 3274538 B2 JP3274538 B2 JP 3274538B2 JP 14510193 A JP14510193 A JP 14510193A JP 14510193 A JP14510193 A JP 14510193A JP 3274538 B2 JP3274538 B2 JP 3274538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、路面及びタイヤへの摩
耗ゴムの付着を防止できるタイヤの室内摩耗試験におけ
る摩耗ゴムの付着防止方法及び粉末散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤの室内摩耗試験を実施するときに
生成される摩耗ゴムが、路面やタイヤトレッドに付着し
試験結果に悪影響(測定精度が悪化したり、タイヤの摩
耗状態の再現性が悪くなること)を及ぼすため、その防
止方法が種々試みられている。
【0003】その代表的な例として、K.W.Mcintosh,Tir
e Science and Tecnology,Vol1、No1,Feb 1973、やI.Go
usakovら、SAE Paper 770872 1972 に記載されている様
に、ゴムローラーやゴムタイヤで摩耗ゴムを吸着する方
法や、1種類の摩耗ゴムの付着防止粉末、例えばJAR
I(日本自動車研究所)では、タルクを落下方式で間欠
的に散布する方法が行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来法にお
いては次のような問題点が上げられる。 (1) ゴムローラやゴムタイヤで摩耗ゴムを吸着する
方法は、ゴムローラやゴムタイヤの吸着量に限度があ
り、連続して長時間にわたり安定して摩耗ゴムを吸着す
ることができない。 (2) 広範囲のトレッドゴム質のタイヤについて、1
種類の摩耗ゴムの付着防止粉末で路面とタイヤトレッド
の2ヶ所への摩耗ゴムの付着を同時に防止することが困
難である。即ち、何れか一方への付着を防止することし
かできない。 (3) 摩耗ゴムの付着防止粉末の散布量が一定せず、
摩耗ゴムの付着を防止するために必要な少量の粉末を、
充分に分散させながら連続して散布することができな
い。 (4) 回転しているタイヤトレッドが路面に接地する
直前に、摩耗ゴムの付着防止粉末を散布するため、摩耗
ゴムの付着防止に活用されない余剰の粉末が回転するタ
イヤで拡散されるため、飛散した粉末の回収が難しい。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、摩耗ゴムの付
着を確実に防止して精度の高い摩耗試験を行うことので
きるタイヤの室内摩耗試験における摩耗ゴムの付着防止
方法及び摩耗ゴムの付着防止粉末を安定して散布できる
粉末散布装置を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のタイヤ
の室内摩耗試験における摩耗ゴムの付着防止方法は、路
面とタイヤとを圧着回転してタイヤトレッドの摩耗試験
を行うタイヤトレッドの摩耗試験方法において、少なく
とも摩耗ゴムのタイヤへの付着を防止する第1の付着防
止用粉末と摩耗ゴムの路面への付着を防止する第2の付
着防止用粉末とからなる混合粉末を前記路面及び前記タ
イヤに付与し、摩耗試験によって生成された摩耗ゴムの
前記路面及び前記タイヤへの付着を防止することを特徴
としている。
【0007】請求項2に記載のタイヤの室内摩耗試験に
おける摩耗ゴムの付着防止方法は、路面とタイヤとを圧
着回転してタイヤトレッドの摩耗試験を行うタイヤトレ
ッドの摩耗試験方法において、少なくとも摩耗ゴムのタ
イヤへの付着を防止する第1の付着防止粉末と摩耗ゴム
の路面への付着を防止する第2の付着防止粉末とからな
る混合粉末を、回転したタイヤのトレッド踏面から離れ
た直後の路面に散布装置で散布すると共に、摩耗ゴムの
付着防止に活用されない余剰の粉末を、散布位置よりも
タイヤ側とは反対側の近傍に配置される粉末回収装置で
回収することを特徴としている。
【0008】請求項3に記載の発明は、路面とタイヤと
を圧着回転してタイヤトレッドの摩耗試験を行うタイヤ
の室内摩耗試験に用いられ、摩耗試験によって生成され
た摩耗ゴムの前記路面及び前記タイヤへの付着を防止す
る粉末を散布する粉末散布装置であって、粉末が充填さ
れると共に気体が供給される部屋と、前記部屋の下部に
設けられ前記気体を前記部屋内に供給する空気供給口
と、前記部屋の前記粉末表面よりも上側に連結され、前
記部屋に供給された気体と粉末の混合体を排出して散布
する排出口と、を備えたことを特徴としている。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、路面とタ
イヤとを圧着回転してタイヤトレッドの摩耗試験を行う
タイヤの室内摩耗試験に用いられ、摩耗試験によって生
成された摩耗ゴムの前記路面及び前記タイヤへの付着を
防止する粉末を散布する粉末散布装置であって、粉末が
充填され、かつ、気体が供給される第1の部屋と、前記
第1の部屋よりも容積が小さい第2の部屋と、前記第1
の部屋の内部と前記第2の部屋の内部とを下側部で連結
する開口部と、前記第2の部屋の前記開口部よりも上側
に連結され、前記第1の部屋から供給された気体と粉末
との混合体を排出して散布する排出口と、を備えたこと
を特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明のタイヤの室内摩耗試験
における摩耗ゴムの付着防止方法によれば、摩耗ゴムの
タイヤへの付着を防止する第1の付着防止用粉末と摩耗
ゴムの路面への付着を防止する第2の付着防止用粉末と
からなる混合粉末を路面及びタイヤに付与して、タイヤ
トレッドの摩耗試験を行うので、摩耗試験により生成し
た摩耗ゴムが試験中のタイヤ及び路面へ付着することが
ない。
【0011】請求項2に記載の発明のタイヤの室内摩耗
試験における摩耗ゴムの付着防止方法によれば、摩耗ゴ
ムのタイヤへの付着を防止する第1の付着防止粉末と摩
耗ゴムの路面への付着を防止する第2の付着防止粉末と
からなる混合粉末を回転したタイヤのトレッド踏面から
離れた直後の路面に散布装置で散布することにより、路
面へ付着しなかった混合粉末及び路面の余剰な混合粉末
が散布位置よりもタイヤ側とは反対側の近傍に配置され
る粉末回収装置で回収され、路面上には適度に混合粉末
が散布された状態となり、この路面に圧着して回転する
摩耗試験中のタイヤにも、路面上の混合粉末が適度に転
写される。
【0012】請求項3に記載の発明の粉末散布装置によ
れば、粉末が充填された部屋に下部から気体を供給する
と、粉末と気体とが部屋の粉末上部空間で混合され、
末が気体に均一に分散された状態となり、粉末が排出口
から連続的に排出され、粉末が路面に均一に散布され
る。
【0013】また、請求項4に記載の発明の粉末散布装
置によれば、粉末が充填された第1の部屋に気体を供給
すると、粉末と気体とが開口部を介して第2の部屋へ供
給され、第2の部屋内で粉末と気体とが混合される。第
2の部屋で混合された気体と粉末は、開口部よりも上側
に連結された排出口を介して散布される。
【0014】ここで、第1の部屋の内部の混合粉末の体
積に対して第2の部屋の混合粉末の上方の空間部分の体
積、即ち、空気と混合粉末とが混合する部分の体積が影
響を受けないので、第1の部屋の内部の混合粉末の体積
に係わらず常にほぼ一定した量の混合粉末を排出口を介
して空気と共に排出させることができる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例を図1乃至図7にしたがっ
て説明する。
【0016】図1に示すように、室内のドラム試験機1
0のドラム12には試験用のタイヤ14が圧着されて、
共に矢印A方向に回転するようになっている。
【0017】なお、ドラム12の表面には、実路の表面
形状を有した路面材16が貼り付けられており、本実施
例の路面材16には、珪砂とエポキシ樹脂の混合物が用
いられている。
【0018】図1及び図2に示すように、このドラム試
験機10は、粉末散布装置11を備えている。
【0019】タイヤ14とドラム12との接触部分の矢
印B方向側の近傍には、粉末散布装置11の一部を構成
する排出口としてのノズル18が配置されている。ノズ
ル18はダクト20を介して、粉末散布装置11の他の
一部を構成する混合容器22に連結されており、先端
が、タイヤ14から離れた直後のドラム12に対して、
ほぼ直角に向けられている。
【0020】図3及び図4に示すように、混合容器22
は軸芯が大地に対して垂直方向とされた円筒状の密閉容
器である。本実施例の混合容器22は、内寸で直径Dが
430mm、高さ寸法Hが455mmとされている。
【0021】混合容器22の内部は、仕切り板24によ
って、水平方向に2室に区画されており、一方が第1の
部屋としての大容積の気体供給室26とされ、他方が第
2の部屋としての小容積の混合室28とされている。こ
の仕切り板24は、気体供給室26側へ傾斜しており、
また、上部及び両側部が混合容器22の内壁に密着し
て、下部が混合容器22の底部22Aから所定寸法離間
して開口部30を形成している。本実施例の仕切り板2
4は、鉛直方向に対する傾斜角θが5度であり、混合容
器22の内部を、気体供給室26の容積を96、混合室
28の容積を4の割合で区画している。また、開口部3
0の大きさは高さ寸法hが50mm、横幅wが210mmで
ある。
【0022】気体供給室26の底部側には、混合容器2
2を貫通して外部から空気供給パイプ32の先端が配設
されている。この空気供給パイプ32には、先端の近傍
に、複数個の空気噴出孔34が形成されており、これら
の空気噴出孔34からは図示しないコンプレッサーから
供給される乾燥した圧縮空気が噴出するようになってい
る。
【0023】この気体供給室26には、図4に示すよう
に、2種類の組成からなる混合粉末としてのゴム付着防
止粉末36が充填されている。なお、ゴム付着防止粉末
36は、気体供給室26の上部に設けられた投入口27
から入れられるようになっている。
【0024】ゴム付着防止粉末36は、少なくとも摩耗
ゴムのタイヤ14への付着を防止する第1の付着防止剤
と、摩耗ゴムのドラム12の路面材16への付着を防止
する第2の付着防止剤とから構成されている。
【0025】本実施例では、第1の付着防止剤としてコ
ーンスターチが用いられており、第2の付着防止剤とし
てホワイトカーボン(SiO2 ・nH2 O)が用いられ
ている。
【0026】ゴム付着防止粉末36としてコーンスター
チとホワイトカーボンを用いた場合には、コンスターチ
の重量の100〜20重量%をホワイトカーボンとする
ことが好ましい。なお、この配合割合は、コンスターチ
とホワイトカーボンとの組み合わせに関しての割合であ
り、他の種類の付着防止粉末を用いる場合には、これら
の配合割合は適宜変更される。
【0027】図1及び図2に示すように、ドラム12の
外周に沿ってノズル18の先端よりも矢印B方向側に
は、粉末回収装置37としての図示しない集塵装置に連
結された集塵フード38が水平に配置されている。
【0028】図2に示すように、集塵フード38は、幅
W1がタイヤ14よりも幅広とされており、図1に示す
ように、下端がドラム12の表面の近傍に配設されてい
る。
【0029】次に本実施例の作用を説明する。混合容器
22の気体供給室26にゴム付着防止粉末36を充填し
て、空気噴出孔34から圧縮空気を連続して噴出させる
と、空気が開口部30を介して混合室28へ送り込まれ
ると共に、気体供給室26のゴム付着防止粉末36が開
口部30を介して混合室28へ送り込まれる。
【0030】混合室28では、空気とゴム付着防止粉末
36とが混合されてゴム付着防止粉末36が空気に均一
に分散された状態となり、空気に分散されたゴム付着防
止粉末36は、ダクト20を介してノズル18からタイ
ヤ14と離間直後のドラム12の表面、即ち、路面材1
6の表面へ向けて連続して噴出する。
【0031】ここで、ゴム付着防止粉末36の散布量の
調整は気体供給量を調整して行うことができる。
【0032】一般に、密閉した容器に粉末を所定量入れ
て、内部に気体を供給した場合を考えると、上部に設け
られた排出口から排出される粉末と空気との混合体に占
める粉末の量(g/sec)は、以下の式(1)に粉末
量をかけ合わせたものとなる。
【0033】 上記式(1)でいう「気体と粉末とが混合する部分の体
積」とは、本実施例では混合室28のゴム付着防止粉末
36の上側の空間部分の体積を示し、「供給する気体の
体積」とは、空気供給パイプ32の空気噴出孔34から
噴出する空気の体積を示す。
【0034】本実施例では、気体供給室26の内部のゴ
ム付着防止粉末36の体積に対して混合室28のゴム付
着防止粉末36の上方の空間部分の体積、即ち、空気と
ゴム付着防止粉末36とが混合する部分の体積が影響を
受けないので、本実施例では、ゴム付着防止粉末36の
体積に係わらず一定した量のゴム付着防止粉末36を空
気と共に排出させることができる。したがって、不要な
量のゴム付着防止粉末36を排出させることがなく、同
量のゴム付着防止粉末36を用いた場合には、従来より
も長時間にわたってゴム付着防止粉末36を排出させる
ことが可能となる。また、混合室28は、上方に向かっ
て体積が増加するようになっているため、混合室28内
のゴム付着防止粉末36の体積の増加割合に対して混合
室28のゴム付着防止粉末36上部の空間部分の体積の
減少割合は少なくなる傾向となり、混合室28内のゴム
付着防止粉末36の体積変化に対する排出量の変化を抑
えることができる。
【0035】ノズル18から噴出したゴム付着防止粉末
36は、路面材16の外周面に付着する。ここで、ドラ
ム12は高速で回転しているため、余剰のゴム付着防止
粉末36は遠心力で路面材16から離間する。路面材1
6から離間した余剰のゴム付着防止粉末36及びノズル
18から噴出して路面材16に付着しなかったゴム付着
防止粉末36は、ドラム12の外周面近傍で回転方向に
沿って流れる気流(矢印D)に乗りドラムの回転方向下
流側へ搬送される。
【0036】ノズル18よりもドラム12の回転方向下
流側には、集塵フード38が配置されているため、気流
に乗って搬送されたゴム付着防止粉末36は集塵フード
38を介して集塵装置に回収される。
【0037】このようにして、路面材16には、摩耗ゴ
ムのタイヤ14への付着を防止するコーンスターチと摩
耗ゴムのドラム12の路面材16への付着を防止するホ
ワイトカーボンとから構成されるゴム付着防止粉末36
が適度に散布された状態となり、この路面材16に圧着
して回転する摩耗試験中のタイヤ14にも、路面材16
上のゴム付着防止粉末36が適度に転写される。
【0038】このため、摩耗試験によって生成された摩
耗ゴムがタイヤ14及びドラム12の路面材16へ付着
することはなく、しかも、適度な量のゴム付着防止粉末
36によってタイヤ14が路面材16に対して不要なス
リップを起こすことがないため、タイヤの摩耗試験を正
確かつ安定して行うことができる。
【0039】本実施例では、従来のようにノズル18と
集塵フード38の間にタイヤ14が介在しないので、ノ
ズル18から噴出したゴム付着防止粉末36はドラム1
2の周方向に沿って搬送され、ドラム12の軸方向外側
へ飛散することがない。しかも、本実施例では、ノズル
18の下流側の近傍に集塵フード38が設けられている
ため、集塵効率が極めて高い。また、ノズル18から噴
出したゴム付着防止粉末36の噴出量が安定しているた
め、安定して集塵ができる。
【0040】〔試験例1〕天然ゴム系のトレッドを持つ
小型トラック用タイヤを用いて、摩耗ゴムの付着防止効
果を試験した。
【0041】試験は、コーンスターチ単一粉末、ホワイ
トカーボン単一粉末、及び80重量%のコーンスターチ
と20重量%のホワイトカーボンからなるゴム付着防止
粉末の合計3種の粉末を用意し、室内摩耗試験機で摩耗
試験走行している小型トラック用タイヤのトレッドが離
れた直後の路面材に、各粉末を200g/時間を目標に
連続して散布し(図1参照)、摩耗ゴムの付着の有無を
調べた。これらの実験結果を以下の表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】〔試験例2〕ゴム付着防止粉末36を、回
転するタイヤ14のトレッドが路面材16に接触する直
前の路面材(以降は前方路面と略す)に散布する比較例
に係る散布方法と(図9及び図10参照)、回転するタ
イヤ14のトレッドが路面材16から離間した直後の路
面材(以降は後方路面と略す)に散布する本発明に係る
散布方法とを行い、それぞれについてタイヤ14の摩耗
量と散布量との関係を調べた。これらの試験結果を図5
及び図6に示す。
【0044】比較例に係る方法では、図6に示すよう
に、ゴム付着防止粉末36の散布量が変動するとタイヤ
の摩耗量も連動して変化する。これは、前方からゴム付
着防止粉末36を散布すると、多量のゴム付着防止粉末
36がタイヤと路面との間に入り込んでスリップし易く
なり、摩耗量を支配する摩擦仕事量(せんだん力×滑り
量)が増えて、摩耗量が増加するためである。また、こ
の方法では、タイヤの側方へゴム付着防止粉末36が飛
散し(図10、矢印C参照)、回収を満足に行うことが
出来なかった。
【0045】一方、ゴム付着防止粉末36を後方路面に
散布する本発明の方法によると、図5に示すように、散
布量が変動しても、タイヤの摩耗量にはほとんど影響が
でない。また、この方法によるとタイヤの側方へゴム付
着防止粉末36が飛散しないため、余剰のゴム付着防止
粉末36を確実に回収することができた(図2参照)。
【0046】〔試験例3〕散布量の安定度を調べるため
に、本発明の混合容器22(図3参照)を用意し、容器
内の粉末重量と粉末散布量との関係を調べた。なお、初
期の粉末重量は各々30kgとした。これらの試験結果
を図7に示す。
【0047】前述した式(1)のIの値がほとんど変動
しない本実施例の混合容器22では、図7に示すように
混合容器22内のゴム付着防止粉末36の量に係わらず
散布量はほぼ一定している。
【0048】なお、本実施例では、第1の付着防止剤と
してコーンスターチを用いたが、第1の付着防止剤とし
ては小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、可溶性澱粉等の他の種類の
澱粉を用いてもよく、摩耗ゴムのタイヤのゴムへの付着
を防止できるものであれば、これらの澱粉以外の粉末を
用いてもよい。
【0049】さらに、本実施例では、第2の付着防止剤
としてホワイトカーボンを用いたが、第2の付着防止剤
としてはホワイトカーボン以外の、例えば、クレー(粘
土の乾燥粉)、タルク、酸化マグネシウム、活性白土、
カオリン等であってもよく、摩耗ゴムのドラム12の路
面材16への付着を防止できるものであれば、前述した
以外の粉末を用いてもよい。
【0050】また、前記実施例では、気体供給室26と
混合室28との2室を有する混合容器22を用いる構成
としたが、本発明はこれに限らず、図8に示すように、
内部を区画しない混合容器112を用いても良い。
【0051】図8に示すように、混合容器112は、円
筒状の密閉容器であり、内部にゴム付着防止粉末36が
2/3程度入れられている。ダクト20は混合容器11
2の上部に連結さており、空気供給パイプ32は混合容
器112内部の底部112A上に配置されている。
【0052】この混合容器112では、空気噴出孔34
から乾燥空気が噴出すると、混合容器112のゴム付着
防止粉末36の上部の空間にゴム付着防止粉末36が舞
い上がり、この空間部でゴム付着防止粉末36と空気が
混合されて、ダクト20を介してノズル18(図8では
図示せず)から噴出され、乾燥空気が連続して噴出すれ
ば、ゴム付着防止粉末36は連続してノズル18から噴
出される。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載の発明のタイヤの室内摩
耗試験における摩耗ゴムの付着防止方法は、摩耗ゴムの
タイヤへの付着を防止する第1の付着防止用粉末と摩耗
ゴムの路面への付着を防止する第2の付着防止用粉末と
からなる付着防止用混合粉末を付与するようにしたの
で、タイヤ及び路面に摩耗試験によって生成された摩耗
ゴムが付着することがなく、タイヤトレッドの摩耗試験
を精度良く行なえるという優れた効果を有する。
【0054】請求項2に記載の発明のタイヤの室内摩耗
試験における摩耗ゴムの付着防止方法は、摩耗ゴムのタ
イヤへの付着を防止する第1の付着防止用粉末と摩耗ゴ
ムの路面への付着を防止する第2の付着防止用粉末とか
らなる付着防止用混合粉末を、回転したタイヤのトレッ
ド踏面から離れた直後の路面に散布するようにしたの
で、余剰の付着防止用混合粉末が遠心力で取り除かれる
ため、タイヤがスリップを起こすことなくタイヤトレッ
ドの摩耗試験を精度良く行なえるという優れた効果を有
すると共に、散布位置よりもタイヤ側とは反対側の近傍
に配置される粉末回収装置で余剰の付着防止用混合粉末
を回収するので、散布された付着防止用混合粉末の周囲
への飛散を防止できるという優れた効果を有する。
【0055】また、請求項3に記載の発明の粉末散布装
置は、上記構成としたので、連続して粉末を排出口から
排出させて均一に散布することができ、タイヤトレッド
の摩耗試験を精度良く行なえるという優れた効果を有す
る。
【0056】また、請求項4に記載の発明の粉末散布装
置は、上記構成としたので、常にほぼ一定した量の粉末
を連続して排出口から排出させることができ、粉末を無
駄なく有効に活用してタイヤトレッドの摩耗試験を精度
良く行なえるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係り、室内のドラム試験機
の側面図である。
【図2】図1に示すドラム試験機の平面図である。
【図3】混合容器の斜視図である。
【図4】図3に示す混合容器の縦断面図である。
【図5】本発明の方法を適用した場合の粉末散布量とタ
イヤの摩耗量との関係を示すグラフである。
【図6】タイヤ前方から散布した場合(図9、10)の
粉末散布量とタイヤの摩耗量との関係を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の混合容器を用いた場合の容器内の粉末
重量と粉末散布量との関係を示すグラフである。
【図8】他の実施例に係る混合容器の斜視図である。
【図9】タイヤ前方から散布する場合におけるドラム試
験機の側面図である。
【図10】図9に示すドラム試験機の平面図である。
【符号の説明】
11 粉末散布装置 14 タイヤ 16 路面材 18 ノズル(排出口、粉末散布装置) 22 混合容器(粉末散布装置) 26 気体供給室(第1の部屋) 28 混合室(第2の部屋) 30 開口部 36 ゴム付着防止粉末(混合粉末) 37 粉末回収装置 38 集塵フード(粉末回収装置) 112 混合容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 秀之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大庭 正晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−22061(JP,A) 実開 昭58−160334(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/56 G01M 17/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面とタイヤとを圧着回転してタイヤト
    レッドの摩耗試験を行うタイヤの室内摩耗試験における
    摩耗ゴムの付着防止方法において、 少なくとも摩耗ゴムのタイヤへの付着を防止する第1の
    付着防止用粉末と摩耗ゴムの路面への付着を防止する第
    2の付着防止用粉末とからなる混合粉末を前記路面及び
    前記タイヤに付与し、摩耗試験によって生成された摩耗
    ゴムの前記路面及び前記タイヤへの付着を防止すること
    を特徴とするタイヤの室内摩耗試験における摩耗ゴムの
    付着防止方法。
  2. 【請求項2】 路面とタイヤとを圧着回転してタイヤト
    レッドの摩耗試験を行うタイヤの室内摩耗試験における
    摩耗ゴムの付着防止方法において、 少なくとも摩耗ゴムのタイヤへの付着を防止する第1の
    付着防止粉末と摩耗ゴムの路面への付着を防止する第2
    の付着防止粉末とからなる混合粉末を、回転したタイヤ
    のトレッド踏面から離れた直後の路面に散布装置で散布
    すると共に、 摩耗ゴムの付着防止に活用されない余剰の粉末を、散布
    位置よりもタイヤ側とは反対側の近傍に配置される粉末
    回収装置で回収することを特徴とするタイヤの室内摩耗
    試験における摩耗ゴムの付着防止方法。
  3. 【請求項3】 路面とタイヤとを圧着回転してタイヤト
    レッドの摩耗試験を行うタイヤの室内摩耗試験に用いら
    れ、摩耗試験によって生成された摩耗ゴムの前記路面及
    び前記タイヤへの付着を防止する粉末を散布する粉末散
    布装置であって、 粉末が充填されると共に気体が供給される部屋と、前記部屋の下部に設けられ前記気体を前記部屋内に供給
    する空気供給口と、 前記部屋の前記粉末表面よりも上側に連結され、前記部
    屋に供給された気体と粉末の混合体を排出して散布する
    排出口と、 を備えたことを特徴とする粉末散布装置。
  4. 【請求項4】 路面とタイヤとを圧着回転してタイヤト
    レッドの摩耗試験を行うタイヤの室内摩耗試験に用いら
    れ、摩耗試験によって生成された摩耗ゴムの前記路面及
    び前記タイヤへの付着を防止する粉末を散布する粉末散
    布装置であって、 粉末が充填され、かつ、気体が供給される第1の部屋
    と、 前記第1の部屋よりも容積が小さい第2の部屋と、 前記第1の部屋の内部と前記第2の部屋の内部とを下側
    部で連結する開口部と、 前記第2の部屋の前記開口部よりも上側に連結され、前
    記第1の部屋から供給された気体と粉末との混合体を排
    出して散布する排出口と、 を備えたことを特徴とする粉末散布装置。
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