JP3273032B2 - シール材 - Google Patents

シール材

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JP3273032B2
JP3273032B2 JP03134199A JP3134199A JP3273032B2 JP 3273032 B2 JP3273032 B2 JP 3273032B2 JP 03134199 A JP03134199 A JP 03134199A JP 3134199 A JP3134199 A JP 3134199A JP 3273032 B2 JP3273032 B2 JP 3273032B2
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康之 大原
久夫 鯉江
清 小林
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Tsuchiya TSCO Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、気密性、水密性
等を向上させるために建築用アルミサッシの網戸等に装
着されるシール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、隙間を塞ぐためのシール材が使用
されるものとして、例えば窓枠に対して開閉可能に設け
られる相手部材としての網戸とその網戸よりも内側に位
置するように設けられ、窓枠及び網戸に対して開閉可能
な移動部材としての障子が挙げられる。この場合、シー
ル材は網戸の両側内面に設けられた取付け用の凹条に嵌
合されている。
【0003】このようなシール材は、合成繊維による基
布の表面に、摺動性の良い合成繊維がベロアとして形成
された毛羽を有している。さらに、基布の裏面には、毛
羽の抜け落ち及び基布のほつれを防止するための合成樹
脂製のコーティング層を有している。そして、障子と網
戸との間に形成される隙間を塞ぐことにより、気密性等
のシール効果を発揮できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
シール材の場合、気密性等のシール効果を良好に発揮す
るため、網戸及び障子を閉めた状態で毛羽の毛先は障子
に密接されている。このため、障子を開閉する際、毛羽
の障子に対する摺動抵抗が大きなものとなり、障子の開
閉に連動して網戸も開閉されてしまう場合があるという
問題があった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、移動部材と相手部材との間の良好なシー
ル効果を維持しつつ、移動部材の移動に伴って生ずる相
手部材の連動を防止することができるシール材を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載のシール材の発明は、相手部材
と、その相手部材に対して相対移動される移動部材との
間に介装され、基材とその基材に起毛される毛羽とから
パイル織りによって形成されたベロアにより構成され
一対の毛羽間に毛羽を形成するパイル糸が露出するよう
に、基材上に毛羽の束をW織りによって形成するととも
に、毛羽の毛先が相手部材又は移動部材に摺接するよう
に構成し、長さ300mmのアルミニウム板に毛羽の毛
先を前記摺接条件に合わせて摺動させたときの摺動抵抗
の値が0.01〜1.5kgfの範囲内である条件を満
たし、建築物又はその内部に備えられるものである。
【0007】請求項2に記載のシール材の発明は、請求
項1に記載の発明において、前記毛羽を形成する糸の太
さを5〜30デニール(d)/フィラメント(f)に設
定したものである。
【0008】請求項3に記載のシール材の発明は、請求
項1又は請求項2に記載の発明において、前記毛羽を形
成する糸は、捲縮加工を施したものである。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示すよう
に、相手部材としての網戸11は、枠状をなすアルミニ
ウム製の框12の内周面に形成された嵌合溝12aに、
網11aが嵌め込まれて構成されている。上框12bの
端面には、上方に開口するガイド溝13が一対の突出片
13aにより形成されている。また、たて框12cの端
面にも、側方に開口するガイド溝13が一対の突出片1
3aにより形成されている。このたて框12cの内面の
ほぼ中央には、網戸11の厚み方向に開口する凹条14
が網戸11の高さ方向に延びるように形成されている。
この凹条14の開口端は、一対の突片14aによって開
口部が所定幅に規制されている。
【0011】この網戸11は、図示しない四角枠状に形
成された窓枠の内側に開閉可能に収容されている。図中
に2点鎖線で示す移動部材としての障子15は、図示し
ない窓枠の内側において、網戸11よりも内方に位置す
るように開閉可能に収容されるとともに、網戸11に対
して相対移動可能となっている。
【0012】網戸11のたて框12cと障子15との間
には、隙間16が形成されている。そして、シール材2
0は、その毛羽22の毛先が障子15の外面に接触する
ように設けられている。すなわち、網戸11のたて框1
2cに設けられるシール材20は、網戸11と障子15
との間において、たて框12cの凹条14の内部に収容
されている。
【0013】図3及び図4に示すように、実施形態のシ
ール材20は、合成樹脂製の繊維よりなる基材としての
基布21と、その基布21上に起毛するように摺動性の
良い繊維より形成された毛羽22とからなるベロアより
構成されている。合成樹脂製のコーティング層23は、
基布21の裏面に熱溶着され、毛羽22の根元と基布2
1が接合されている。
【0014】前記基布21としては、低温で溶融し、防
水性、耐久性が高く、接着剤で接着可能な織布、フィル
ム等の材料が使用される。このような材料としては、ポ
リエステル、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ナイロン
及びウレタン樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリプロ
ピレンは熱溶着しやすく、非吸水性が高いことから好ま
しい。
【0015】この実施形態における基布21としては、
タテ糸21aと、そのタテ糸21aの延びる方向と直交
方向に延びるヨコ糸21bとを、互い違いに交錯するよ
うに織りなすことによって構成された織布が使用されて
いる。基布21を構成するタテ糸21a及びヨコ糸21
bはポリプロピレン製の繊維より形成されている。ま
た、各糸の太さはタテ糸21aが340デニール(d)
/60フィラメント(f)、ヨコ糸21bが210d/
40fに設定されている。
【0016】前記毛羽22は、同じ太さ、同じ長さの繊
維より形成され、前記基布21の表面から延びるように
形成されている。この毛羽22は、基布21の裏面にお
いて熱溶着されることから、基布21と同質の材料によ
り形成されることが好ましい。また、毛羽22に使用さ
れる繊維は復元性及び非吸水性を有するものがより好ま
しく、このような繊維の材料として、基布21で挙げた
材料の他に、超高分子ポリエチレン、ポリアミド、アラ
ミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。この実施形態の
毛羽22としては、ナイロン繊維が使用されている。
【0017】毛羽22を形成する糸としては、複数本の
長い繊維を撚り合わせて形成したマルチフィラメント糸
が好ましく、1フィラメント(f)当たりの太さが3〜
50デニール(d)の繊維を使用することが好ましい。
1フィラメント当たりの太さが3dより細い場合、糸の
耐久度が低減し、1フィラメント当たりの太さが50d
より太い場合、糸の柔軟性が低減し、障子15と摺動す
る際の抵抗が増し、網戸11の開閉に支障を来す。
【0018】毛羽22を形成するべロアは、パイル織
り、たて編み、静電植毛等により得られるが、この実施
形態の毛羽22は1050d/54fのパイル糸を用
い、基布21上にパイル織りされることによって得られ
る。このパイル織りは、その織り方によってベルベッ
ト、プラッシュ、ベッチン、コール天等があり、使用部
位あるいは使用目的により使い分けられる。
【0019】パイル織りの方法には、U織り、W織り等
があり、この実施形態の毛羽22はW織りによって形成
されている。すなわち、図4に示すように、ベロアを構
成する基布21は、シール材20の長さ方向において、
波形状をなす2本のタテ糸21aの山と谷の間に1本の
ヨコ糸21bが入り込むように形成されている。
【0020】毛羽22を形成するパイル糸22aは、ま
ず1本のヨコ糸21bの下をくぐった後、隣りのヨコ糸
21bの上を乗り越え、さらに隣りのヨコ糸21bの下
をくぐるように基布21に織り込まれている。つまり、
パイル糸22aは基布21の3本のヨコ糸21bに渡っ
て、W字状をなすように織り込まれている。そして、毛
羽22は基布21表面にパイル織りされた後、基布21
の裏面より突出した根元が基布21と熱溶着されること
によって、基布21の表面より抜け落ちないようになっ
ている。このときの状態で一対の毛羽22間には、基布
21のヨコ糸21b上を乗り越えるパイル糸22aが基
布21表面に露出するようになっている。
【0021】このパイル糸22aは、糸を螺旋状に巻き
縮みさせた捲縮加工がなされている。捲縮加工を行う方
法としては、パイル糸22aをギヤ捲縮機又はエアーサ
ッファー機にて加工する方法と、充填法によるスタッフ
ィングボックス等の方法があり、この実施形態の毛羽2
2は、パイル糸22aをエアーサッファー機にて加工す
る方法によって得られる。
【0022】また、毛羽22を形成する繊維としては、
耐候性を有するものがより好ましい。繊維に耐候性を付
与する方法としては、原糸段階において耐候剤を練り込
む方法と、紡糸後に耐候剤を含む加工液を繊維に含浸さ
せる方法とがある。この実施形態においては、繊維が耐
候性を維持する点で有利なことから、原糸段階において
耐候剤を練り込む方法と、染色段階において耐光性の染
料により原糸を染色する方法とが採用されている。
【0023】上記のような耐候剤としては、ヒンダード
アミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
等が用いられ、この実施形態の耐候剤としては、ヒンダ
ードアミン系光安定剤が用いられている。耐候剤の繊維
に対する含有量は、0.01〜20重量%が好ましい。
含有量が0.01重量%より少ない場合には、毛羽22
は所望の耐候性を満たさず、含有量を20重量%より多
くした場合、毛羽22の耐候性はそれ以上向上しない。
【0024】毛羽22の密度は、毛羽22を基布21の
全面に渡って織り込んだ値に換算して、その値が100
0〜20000本/インチ2となるように設定すること
が好ましい。密度が1000本/インチ2未満の場合、
所望のシール効果を得にくくなり、20000本/イン
2よりも高い場合、毛羽22の摺動抵抗が大きくな
り、障子15の移動に伴って網戸11が連動する。この
実施形態の毛羽22の密度は16000本/インチ2
なるように設定されている。
【0025】前記コーティング層23は、基布21の裏
面に熱溶着されることから、基布21と同一の材料によ
り形成されることが好ましい。この実施形態のコーティ
ング層23は、ポリプロピレンを使用している。そし
て、コーティング層23は基布21の裏面及び毛羽22
の根元と熱溶着され、基布21のほつれ及び毛羽22の
抜け落ちを防止している。
【0026】上記構成よりなるシール材20の摺動抵抗
の測定は、次に示すような測定装置により行われる。図
5に示すように、基台31は金属板によって四角形状に
形成され、上面の両側部には、両端が折り曲げられた金
属棒よりなる一対の案内枠32が基台31の長さ方向に
延びるように立設されている。長板状のアルミニウム板
は、その両端が垂下され、脚部33とされるとともに、
中央部は所定長さ(L)に設定された被摺動部材34と
なっている。このアルミニウム板は、被摺動部材34が
基台31の幅方向に延びるように配置された状態で、一
対の脚部33の下端面が基台31上面の両側縁に接合さ
れることによって、一対の案内枠32を跨ぐように基台
31上に立設されている。
【0027】可動部材35は、厚みを有する長板状に形
成され、その両端には係合凹所が形成されている。この
係合凹所内には案内枠32が挿通されるとともに、図示
しないボールベアリングが保持され、可動部材35は両
案内枠32に長さ方向への移動が案内されるようになっ
ている。この案内時には、可動部材35は被摺動部材3
4と平行状態を維持するように配置され、前記ボールベ
アリングにより可動部材35と案内枠32の間に生ずる
摺動抵抗が低減されるようになっている。
【0028】可動部材35の上面には、可動部材35の
高さ方向に開口する凹条36が可動部材35の長さ方向
に延びるように形成されている。この凹条36の開口端
は、一対の突片36aによって開口部が所定幅に規制さ
れている。そして、この凹条36内には実施形態のシー
ル材20が収容されている。
【0029】可動部材35の側面中央には、棒材37の
基端部が固定されるとともに、棒材37の先端部にはリ
ング38が設けられている。このリング38にはフック
39を介してプッシュプルゲージ40が接続されるとと
もに、このプッシュプルゲージ40の図示しない端部に
は、可動部材35を一定速度で牽引するための牽引装置
が接続されている。この牽引装置を操作することによっ
て、可動部材35は一対の案内枠32に案内されなが
ら、被摺動部材34に対して平行な状態を保持したまま
相対移動するようになっている。
【0030】図6に示すように、摺動抵抗を測定するに
当たって、シール材20はその裏面から毛羽22の毛先
までのパイル高さ(H)及び毛羽22の毛先が被摺動部
材34と重なり合うニップ量(N)が設定されるように
なっている。なお、このニップ量は0よりも大きい値に
設定される。そして、パイル高さ(H)及びニップ量
(N)を所定値に設定した後、可動部材35を被摺動部
材34に相対移動させると、図6に2点鎖線で示すよう
に、可動部材35が被摺動部材34の下を通り抜ける
際、シール材20の毛羽22の毛先が被摺動部材34の
下面に摺動されるようになっている。
【0031】毛羽22の毛先が被摺動部材34の下面に
摺動された状態で、毛羽22の毛先と被摺動部材34と
の間には摺動抵抗が生じ、可動部材35と牽引装置との
間に設けられたプッシュプルゲージ40に摺動抵抗によ
る負荷が加わる。この状態のプッシュプルゲージ40よ
って測定された値から空抵抗値を引いた値を、シール材
20の摺動抵抗の値としている。ここで、空抵抗値と
は、可動部材35の凹条36内にシール材20を収容し
ていない状態で可動部材35を被摺動部34に相対移動
させたときの値であり、この実施形態では0.1kgf
である。そして、この実施形態のシール材20は、上記
測定装置において、シール材20の長さを300mm、
つまりシール材20が摺動される部分の被摺動部材34
の長さ(L)を300mm、被摺動部材34に対する可
動部材35の移動速度を50〜400mm/minに設
定したときに測定した摺動抵抗の値が0.01〜1.5
kgfの範囲内となるように設定されている。
【0032】次に、実施形態におけるシール材20の作
用について説明する。図3及び図4に示すように、シー
ル材20を構成する際には、まず最初に、一対の毛羽2
2間に毛羽22を形成するパイル糸22aが露出するよ
うに、基布21上に毛羽22の束をW織りによって形成
する。次いで、基布21の裏面にコーテイング層が形成
された後、熱溶着され、シール材20が構成される。こ
の熱溶着により、毛羽22と基布21とコーティング層
23とが溶融して一体化される。
【0033】図1及び図2に示すように、上記のように
して構成されたシール材20は、網戸11のたて框12
cの内面に設けられた凹条14の内部に、毛羽22の毛
先が凹条14の開口部より若干突出するようにして取着
される。そして、障子15を閉めた状態にした場合、図
2に示すように、凹条14より突出した毛羽22の毛先
が障子15の外面に接触して毛先が開くことによって、
網戸11と障子15との間の隙間16がシールされる。
この毛羽22を形成するパイル糸22aは、捲縮加工が
施されているため、毛羽22の毛先が広がり、気密性
等、例えば埃や虫が入るのを規制するシール性を効果的
に発揮する。
【0034】障子15が開閉され、網戸11に対して相
対移動されるとき、障子15の外面が毛羽22の毛先に
摺動され、このとき生ずる摺動抵抗により、網戸11が
障子15に連動して開閉しようとする。この実施形態の
シール材20は、前述した所定の測定条件における摺動
抵抗の値が0.01〜1.5kgfの範囲内となるよう
に設定されていることから、障子15との連動による網
戸11の開閉が防止される。
【0035】前記実施形態によって発揮される効果につ
いて、以下に記載する。 ・ 実施形態のシール材20によれば、シール材20が
べロアによって形成されていることから、障子15の開
閉の際に網戸11に取付けられたシール材20の毛羽2
2は、障子15の開閉方向に曲げられるようになってい
る。加えて、このシール材20は、その摺動抵抗の値が
所定の範囲内となるように設定されている。このため障
子15と網戸11との間の良好なシール効果を維持しつ
つ、障子15の移動に伴って生ずる網戸11の連動を防
止することができる。
【0036】・ 実施形態のシール材20によれば、毛
羽22は、W織りと呼ばれるパイル織り方法によって形
成されている。このため、シール材20を構成するベロ
アを容易に形成することができるとともに、所定の面積
内に形成される毛羽22の密度を減少させることがで
き、シール材20の摺動抵抗をより効果的に減少させる
ことができる。
【0037】・ 実施形態のシール材20によれば、毛
羽22を形成するパイル糸22aの太さは、パイル糸2
2aを形成する繊維の1フィラメント当たりの太さを設
定することによって、5〜30d/fの範囲内となるよ
うに設定されている。このため、シール材20は良好な
シール効果を効果的に維持しつつ、摺動抵抗を確実に減
少させることができる。
【0038】・ 実施形態のシール材20によれば、毛
羽22を形成するパイル糸22aは、捲縮加工が施され
ていることから、未加工の糸と比較して毛羽22の毛先
が広がり、気密性等のシール効果をより良好に発揮させ
ることができる。
【0039】・ 実施形態のシール材20によれば、毛
羽22は耐候剤を練り込んで形成されているため、シー
ル材20は良好な耐候性を発揮させることができる。 ・ 実施形態のシール材20によれば、基布21の裏面
には同質の材料により形成されたコーティング層23が
熱溶着されている。このため、基布21のほつれを防止
することができるとともに、毛羽22の抜け落ち防止効
果を向上させることができる。
【0040】・ 実施形態のシール材20によれば、た
て框12cの内面に設けられた凹条14の内部に毛羽2
2の毛先が開口部より若干突出するようにして、シール
材20が設けられている。このため、障子15の開閉及
び障子15を閉めた状態にした場合、毛羽22の毛先が
広がり、容易かつ確実にシール効果を発揮させることが
できる。
【0041】
【実施例】以下、前記実施形態をさらに具体化した実施
例及び比較例について説明する。 (実施例1)次のような各数値、つまり、パイル糸22
aの太さ、毛羽22の密度及びパイル高さが所定値とな
るように設定して、毛羽22を形成し、シール材20を
構成した。すなわち、パイル糸22aは1フィラメント
当たり19.4dのナイロン製の繊維によって、太さが
1050d/54fとなるように設定した。このパイル
糸22aにより構成された毛羽22を、密度が1600
0本/インチ2、パイル高さ(H)が4.5mmとなる
ように基布21上にW織りによって形成した。このよう
にして所望とするシール材20を得た。 (実施例2)次のような各数値、つまり、パイル糸22
aの太さ、毛羽22の密度及びパイル高さが所定値とな
るように設定して、毛羽22を形成し、シール材20を
構成した。すなわち、パイル糸22aは1フィラメント
当たり12.4dのナイロン製の繊維によって、太さが
840d/68fとなるように設定した。このパイル糸
22aにより構成された毛羽22を、密度が55000
本/インチ2、パイル高さ(H)が4.5mmとなるよ
うに基布21上にU織りによって形成した。このように
して所望とするシール材20を得た。 (比較例1)次のような各数値、つまり、パイル糸22
aの太さ、毛羽22の密度及びパイル高さが所定値とな
るように設定して、毛羽22を形成し、シール材20を
構成した。すなわち、パイル糸22aは1フィラメント
当たり24.0dのポリプロピレン製の繊維によって、
太さが1150d/48fとなるように設定した。この
パイル糸22aにより構成された毛羽22を、密度が4
2000本/インチ2、パイル高さ(H)が4.5mm
となるように基布21上にU織りによって形成した。こ
のようにして所望とするシール材20を得た。 (シール材の性能試験)実施例1、実施例2及び比較例
1について、図5及び図6に示すような装置を用いて、
それぞれの摺動抵抗を測定した。この摺動抵抗の値は、
シール材20を一側方から被摺動部材34に摺動させた
値と、他側方から被摺動部材34に摺動させた値とを平
均して求めた。なお、ニップ量(N)は障子15と網戸
11との摺動条件に合わせて2mmに設定した。この結
果を表1に示す。また、被摺動部材34の長さ(L)は
300mmに設定した。加えて、パイル高さ(H)及び
ニップ量(N)はmmで示し、摺動抵抗はkgfで示し
た。
【0042】
【表1】 表1の結果より、比較例1は毛羽22の密度が4200
0本/インチ2であり、実施例2の毛羽22の密度であ
る55000本/インチ2と比較して、毛羽22の密度
が低くなるように設定されているが、摺動抵抗は2kg
f以上となり、所望とする摺動抵抗の値の範囲外である
ことが示された。一方、実施例1及び実施例2において
は摺動抵抗の値がそれぞれ0.15kgf、0.67k
gfとなり、所望とする範囲を満たすことが示された。
また、実施例2と比較して、実施例1の摺動抵抗が大き
く低減していることから、パイル織り方法をW織りとす
ることによって、毛羽22の密度が低くなり、摺動抵抗
の値が低減することが示された。 (実施例3)次のような各数値、つまり、パイル糸22
aの太さ、毛羽22の密度及びパイル高さが所定値とな
るように設定して、毛羽22を形成し、シール材20を
構成した。すなわち、パイル糸22aは1フィラメント
当たり12.4dのナイロン製の繊維によって、太さが
840d/68fとなるように設定した。このパイル糸
22aにより構成された毛羽22を、密度が59000
本/インチ2、パイル高さ(H)が5.5mmとなるよ
うに基布21上にU織りによって形成した。このように
して所望とするシール材20を得た。 (実施例4)次のような各数値、つまり、パイル糸22
aの太さ、毛羽22の密度及びパイル高さが所定値とな
るように設定して、毛羽22を形成し、シール材20を
構成した。すなわち、パイル糸22aは1フィラメント
当たり8.8dのナイロン製の繊維によって、太さが8
40d/96fとなるように設定した。このパイル糸2
2aにより構成された毛羽22を、密度が84000本
/インチ2、パイル高さ(H)が5.5mmとなるよう
にとなるように基布21上にU織りによって形成した。
このようにして所望とするシール材20を得た。 (シール材の性能試験)実施例3及び4においては、パ
イル糸22aの1フィラメント当たりの太さを変化させ
て、摺動抵抗を測定した。摺動抵抗の測定は、実施例
1、実施例2及び比較例1と同様に、図5に示すような
装置を用いて行った。この結果を表2に示す。なお、被
摺動部材34の長さ(L)は300mmに設定した。ま
た、パイル高さ(H)及びニップ量(N)はmmで示
し、摺動抵抗はkgfで示した。
【0043】
【表2】 表2の結果より、摺動抵抗の値は実施例3が0.09k
gf、実施例4が0.03kgfとなり、両実施例共、
摺動抵抗の値が所望とする範囲を満たすことが示され
た。一方、パイル糸22aの太さは両実施例共に840
dであるにも係わらず、実施例4の方が摺動抵抗の値が
低いことから、パイル糸22aの太さが同じであれば、
パイル糸22aを形成する繊維を細く設定することによ
って、摺動抵抗の値が低減することが示された。 (実施例5)次のような各数値、つまり、パイル糸22
aの太さ、毛羽22の密度及びパイル高さが所定値とな
るように設定して、毛羽22を形成し、シール材20を
構成した。すなわち、パイル糸22aは1フィラメント
当たり19.4dのナイロン製の繊維によって、太さが
1050d/54fとなるように設定した。このパイル
糸22aにより構成された毛羽22を、密度が1600
0本/インチ2、パイル高さ(H)が5.5mmとなる
ように基布21上にW織りによって形成した。このよう
にして所望とするシール材20を得た。 (実施例6)次のような各数値、つまり、パイル糸22
aの太さ、毛羽22の密度及びパイル高さが所定値とな
るように設定して、毛羽22を形成し、シール材20を
構成した。すなわち、パイル糸22aは1フィラメント
当たり19.4dのナイロン製の繊維によって、太さが
1050d/54fとなるように設定した。このパイル
糸22aにより構成された毛羽22を、密度が1600
0本/インチ2、パイル高さ(H)が6.0mmとなる
ように基布21上にW織りによって形成した。このよう
にして所望とするシール材20を得た。 (シール材の性能試験)実施例1、5及び6において
は、パイル高さを変化させて、摺動抵抗を測定した。摺
動抵抗の測定は、実施例1、実施例2及び比較例1と同
様に、図5に示すような装置を用いて行った。この結果
を表3に示す。なお、被摺動部材34の長さ(L)は3
00mmに設定した。また、パイル高さ(H)及びニッ
プ量(N)はmmで示し、摺動抵抗はkgfで示した。
【0044】
【表3】 表2の結果より、実施例5及び6においては全て摺動抵
抗の値が所望とする範囲を満たすことが示された。一
方、摺動抵抗の値が高い方から順に、実施例1の0.1
5kgf、実施例5の0.06kgf、実施例6の0.
04kgfとなった。このため、ニップ量(N)が同じ
であれば、パイル高さ(H)を高く設定することによっ
て摺動抵抗の値が低減することが示された。
【0045】上記各実施例において測定された摺動抵抗
毎に摺動感の評価を行い、適正な摺動抵抗の範囲を求め
た。測定結果を表4に示した。なお、摺動感の評価は測
定者の手応えにより行い、所望とする摺動感を満たすも
ののうち良好なものから順に○、△とした。
【0046】
【表4】 表4の結果より、摺動抵抗の値が0.04〜0.66k
gfの範囲内であれば、所望とする摺動感を満たすこと
が示された。そして、摺動抵抗の値が0.04〜0.1
5kgfの範囲内であるとき、摺動感をさらに効果的に
高め、良好なシール効果を発現させることができること
が示された。
【0047】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 実施形態の毛羽22を形成する繊維に、撥水性を付
与してもよい。繊維に撥水性を付与する方法としては、
繊維を紡糸する工程で撥水剤を練り込む方法と、紡糸後
にパイル糸22a表面に撥水剤を被膜する方法とがあ
り、繊維が撥水性を維持する点で有利なことから、繊維
を紡糸する工程において撥水剤を練り込む方法が好まし
い。また、撥水剤としては、シリコーンオイル、ポリテ
トラフルオロエチレン等が挙げられ、なかでも摺動性も
高めることができるシリコーンオイルがさらに好まし
い。
【0048】このように毛羽22を形成する繊維に紡糸
過程で撥水剤を練り込んだ場合、シール材20に防水等
のシール効果をも発揮させることができる。加えて、撥
水剤にシリコーンオイルを用いた場合、毛羽22に柔軟
性をも付与することができる。
【0049】・ 実施形態のコーティング層23の裏面
に強い粘着性を有する接着剤により形成された粘着剤層
を形成してもよい。このような接着剤としては、ゴム
系、アクリル系等の感圧接着剤、熱可塑性エラストマー
よりなるホットメルト系粘着剤を用いることが好まし
い。また、感圧接着剤としては、芯材を有しないもの、
又は伸びのある芯材を有するものを使用することがさら
に好ましい。
【0050】このようにコーティング層23の裏面に粘
着剤層を設けた場合、シール材20を網戸11に取付け
る際、接着剤等を塗布することなく、シール材20を網
戸11に確実に固着することができ、取付作業を容易に
行うことができる。
【0051】・ 実施形態のシール材20は網戸11に
取付けられるものに限定されず、例えば、建築物内に設
置される食器棚において、相手部材としての枠部と、移
動部材としてのガラス窓の間に実施形態のシール材20
を取付けてもよい。
【0052】又は、サイドボード等の家具において、相
対移動可能な一対の引き戸等の間にシール材20を取付
けたり、ふすま、ドア等の開閉可能な建具の周囲の隙間
を塞ぐようにシール材20を取付けてもよい。
【0053】このように構成することによって、建築物
又はその内部に備えられるあらゆる相手部材及び移動部
材に対応できるシール材20を提供することができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想につい
て以下に記載する。
【0054】・ 前記毛羽は耐候性を有するものである
請求項1から請求項のいずれかに記載のシール材。こ
のように構成した場合、シール材が良好な耐候性を発揮
することができる。
【0055】・ 前記基布の裏面にコーティング層を設
けるとともに、このコーティング層を基布に対して熱溶
着した請求項1から請求項のいずれかに記載のシール
材。このように構成した場合、基布のほつれを防止する
ことができるとともに、毛羽の抜け落ち防止効果を向上
させることができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
シール材によれば、移動部材と相手部材との間の良好な
シール効果を維持しつつ、移動部材の移動に伴って生ず
る相手部材の連動を防止することができる。加えて、シ
ール材を構成するベロアを容易に形成することができる
とともに、パイル織り方法をW織りとしたことから、所
定の面積内に形成される毛羽の密度を減少させることが
でき、シール材の摺動抵抗をより効果的に減少させるこ
とができる。
【0057】請求項2に記載の発明のシール材によれ
ば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、毛羽を形成
するパイル糸の太さは、パイル糸を形成する繊維の1フ
ィラメント当たりの太さを設定することによって、5〜
30d/fの範囲内となるように設定されている。この
ため、シール材は良好なシール効果を効果的に維持しつ
つ、摺動抵抗を確実に減少させることができる。
【0058】請求項3に記載の発明のシール材によれ
ば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え
て、毛羽に捲縮加工が施されていることから、未加工の
糸と比較して毛羽の毛先が広がり、気密性等のシール効
果をより良好に発揮させることができる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のシール材を網戸に取付けた状態を
示す斜視図。
【図2】 実施形態のシール材を網戸に取付けた状態を
示す断面図。
【図3】 実施形態のシール材を示す斜視図。
【図4】 実施形態のシール材を示す側断面図。
【図5】 摺動抵抗を測定する装置を示す一部を破断し
た斜視図。
【図6】 アルミニウム板に毛羽を摺動させる状態を示
す断面図。
【符号の説明】
11…相手部材としての網戸、15…移動部材としての
障子、20…シール材、21…基材としての基布、22
…毛羽。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−85480(JP,A) 特開 平9−60445(JP,A) 特開 平5−213062(JP,A) 特開 平8−176937(JP,A) 実開 昭57−170314(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 7/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手部材と、その相手部材に対して相対
    移動される移動部材との間に介装され、基材とその基材
    に起毛される毛羽とからパイル織りによって形成された
    ベロアにより構成され、一対の毛羽間に毛羽を形成する
    パイル糸が露出するように、基材上に毛羽の束をW織り
    によって形成するとともに、毛羽の毛先が相手部材又は
    移動部材に摺接するように構成し、長さ300mmのア
    ルミニウム板に毛羽の毛先を前記摺接条件に合わせて摺
    動させたときの摺動抵抗の値が0.01〜1.5kgf
    の範囲内である条件を満たし、建築物又はその内部に備
    えられるシール材。
  2. 【請求項2】 前記毛羽を形成する糸の太さを5〜30
    デニール(d)/フィラメント(f)に設定した請求項
    1に記載のシール材。
  3. 【請求項3】 前記毛羽を形成する糸は、捲縮加工を施
    したものである請求項1又は請求項2に記載のシール
    材。
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