JP3272821B2 - 伸縮性材、それを用いた吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents

伸縮性材、それを用いた吸収性物品及びその製造方法

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JP3272821B2 JP16355893A JP16355893A JP3272821B2 JP 3272821 B2 JP3272821 B2 JP 3272821B2 JP 16355893 A JP16355893 A JP 16355893A JP 16355893 A JP16355893 A JP 16355893A JP 3272821 B2 JP3272821 B2 JP 3272821B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸縮性材、それを用い
た吸収性物品及びその製造方法に関するものであり、よ
り詳しくは、幼児、大人、失禁用の使い捨ておむつ等の
ギャザーに使用される伸縮性材、それを用いた吸収性物
品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に使い捨ておむつ等の吸収性物品
は、尿等の排泄物を吸収する吸収体、その吸収体の表面
を覆い肌に当接する表面材、及びその吸収体の裏面を覆
い吸収した液の漏れを防止する裏面材とからなり、これ
等は互いに固着され一体化している。また、使い捨てお
むつの脚周囲や胴周囲にはギャザーが形成され、ギャザ
ーは漏れ防止のためのフィルム或いはフィラメント状の
ゴム等から成る伸縮部材によって形成されている。
【0003】通常、使い捨ておむつのギャザーを形成す
る工程においては高速処理が望まれている。例えば、胴
周囲の素材であるウェブ等にギャザーを形成する場合、
ウェブを高速で搬送させ、そのウェブの搬送と共に伸縮
部材等を取り付けて高速化を図っている。しかし、この
場合、ウェブの搬送方向と垂直方向に、伸縮部材を伸長
させた状態でウェブに接続する工程を含むため、複雑な
治具を必要とする。また、伸縮部材或いは他の全ての部
材を90°半転させ、伸縮部材の接合部分を搬送方向に
対応して正確に合わせる等の必要があるため、生産速度
を著しく低下させている。
【0004】このような欠点を改良する方法として、例
えば特開昭59−144601号公報では「収縮性の腰
バンドを有する使い捨ておむつ」が、特開昭60−17
101号公報では「造形弾性収縮性腰バンドを有する使
い捨ておむつ」が、特開昭60−17102号公報では
「移動ウェブから切断された個々別々の物品をウェブ移
動に垂直の方向に弾性化する連続製造方法」が、特開昭
60−250935号公報では「熱収縮性エラストマ
ー、このエラストマーの製造方法及びこのエラストマー
を用いた製品」が、特開昭63−112714号公報で
は「加工後に弾性シャーリング化されうる部分を含む製
品」が、特表昭64−500361号公報では「弾力性
脚おむつおよびその製造方法と装置」、また特開平1−
201504号公報では「吸水により収縮する弾性体及
びその製法並びにその弾性体を用いた衛生用品と紙おむ
つ」が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59−144601号公報では、弾性的な収縮性の腰バ
ンドを有する使い捨ておむつの構成であり、特開昭60
−17101号公報ではおむつの構造を主に改良したも
のであり、特開昭60−17102号公報では、移動ウ
ェブから切断された個々別々の物品をウェブ移動に垂直
の方向に弾性化する連続処理方法であるが、使用エラス
トマー組成物に特別な限定はなく未だ改良の余地があ
る。
【0006】また、特開昭60−250935号公報で
は、熱収縮性エラストマーとして、ポリアミドとポリエ
ーテルとが交互に繰り返されている多数のブロック共重
合体セグメントからなるエラストマーが開示されてい
る。特開昭63−112714号公報では、予伸長され
た緊張エラストマー部材が用いられ、この部材の緊張状
態を保つため、少なくとも1個の補強部材に固着させて
複合体を構成し、ウェブの搬送工程に組み込んでいる。
緊張エラストマー部材を補強できる部材、即ち、エラス
トマーより強固な補強材を必要とする点で実用性に乏し
い。特表昭64−500361号公報では、おむつの長
手方向のみでなく、横断方向腰包囲周辺部にも適用され
る旨が記載されているが、使用される材の組成及び物性
(伸縮性)に具体的な記載がない。特開平1−2015
04号公報では、おむつ製造段階で収縮しているのでな
く、着用した際、尿等の排泄物が端部に到達して(吸水
して)初めて収縮し、伸縮性を発現するもので収縮の遅
れから漏れを完全に防ぐに至っていない。
【0007】従って、本発明の目的は、取付加工の際に
伸縮性を示さず、その加工後に加熱により瞬時に収縮し
て伸縮性を発揮し、製品のギャザーを形成するフィラメ
ントまたはフィルム状の伸縮性材を提供することにあ
る。本発明の目的はまた、ギャザー等が設けられるウェ
ブを高速で搬送させ、そのウェブの搬送時に伸縮性材を
高速で取り付けてウェブにギャザーを容易に形成するこ
とのできる吸収性物品及びその製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の芳香族炭化
水素重合体系TPE(熱可塑性エラストマー)とポリオ
レフィン、更には必要により両者に対して相容性を有す
る特定融点の樹脂を特定の割合で配合した樹脂組成物を
フィラメントまたはフィルム(以下、フィラメント等と
いう。)とし、ヒートセット或いは特に加熱又は冷却す
ることなしに予伸張により延伸すると、その樹脂組成物
がその形状を保持し(張力がかかっていた時より短い
が、初めの長さより長い状態を極めて長期間維持するこ
と)、且つ接着性に優れ、しかも、外部から加熱する
と、瞬時に収縮して潜在している伸縮性を発現し、その
後も安定した伸縮性を兼備していること(以下、特性を
「熱伸縮性」と略す。)を見出すことにより、上記目的
を達成することを知見した。ここで、「ヒートセット」
とは熱可塑性樹脂の温度による粘弾性変化を利用して軟
化温度近くで延伸し、その緊張下に冷却して固定化する
ことをいう。また、「特に加熱又は冷却することなし
に」とは予伸長状態にするために特別に加熱又は冷却を
しなくても良いことであって、延伸による自己発熱及び
製造設備の熱伝導による自然冷却はこれには含まない。
【0009】即ち、本発明は、上記知見に基づいてなさ
れたもので、加熱して収縮させることにより伸縮性を発
揮する下記樹脂組成物よりなることを特徴とする伸縮性
材を提供するものであり、該樹脂組成物は、 (a)芳香族ビニル化合物の含有量が10〜40重量%
の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の
共役ジエン部分の水素添加された化合物、 (b)オレフィン系熱可塑性樹脂、 (c)融点又は軟化点が80℃以上で、平均分子量が4
00〜2000の水添テルペン樹脂又は脂肪族系石油
脂、の上記(a)〜(c)の3成分からなり、各成分の
比率(重量)が、 (a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.15〜0.85 (b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.75 (c)/〔(a)+(b)+(c)〕=0〜0.35 の各式を満足するTPE組成物である。
【0010】本発明はまた、伸縮部材からなるギャザー
を有した吸収性物品において、伸縮部材は、取り付け後
に加熱によりギャザーを形成する上記伸縮性材であるこ
とを特徴とする吸収性物品を提供するものである。本発
明は更に、ウェブにギャザーを形成する工程を含む吸収
性物品の製造方法において、請求項1記載の樹脂を常
温で延伸し所定の伸長状態とする工程、該伸長状態の
樹脂を上記ウェブに接合する工程、加熱してウェブに
ギャザーを形成する工程、を含むことを特徴とする吸収
性物品の製造方法を提供するものである。
【0011】
【作用】上記樹脂組成物をフィラメント等に形成したも
のを特に加熱或いは冷却することなく、ある一方に伸長
またはローリング等によって延伸配向させ、その張力を
除いた時には、弛緩して初めの長さよりは長いが延伸さ
れた長さより短い見掛け変形長さとなる。例えば、フィ
ラメント等を200%以上の長さに伸長し、この張力を
外すと、フィラメント等は弛緩して伸長時の長さと延伸
前の初めの長さの中間の見掛け変形長さとなり、この見
掛け変形長さは完全な静止状態に至るに限らず組立加工
に支障をきたさない程度の安定した伸長状態を長期間維
持するものであり、予伸長状態と考えられるものであ
る。この予伸長状態の樹脂組成物は、この状態で伸縮性
が小さいが、次いで加熱(例えば50〜80℃程度)さ
れると、急速に収縮して、その伸縮性を発現する、所謂
潜在的な伸縮性を有するものである。即ち、フィラメン
ト等の初めの長さと予伸長状態の長さとの差の大部分
が、その後の加熱によって到達される永久変形長さへの
収縮分として残される。
【0012】従って、上記樹脂組成物によるフィラメン
ト等は、ヒートセット或いは冷却を必要とすることなく
予伸長状態が可能であることから、従来、予伸長フィラ
メント等の技術で必須であると考えられていたヒートセ
ット等を全く必要とせず、特に加熱又は冷却することな
しに予伸長状態とするため、ギャザー取付け用部材等に
容易に取り付けることができ、その後に伸縮性を加熱に
より発揮させることができる。また、このような潜在的
伸縮性の有る伸縮性材を吸収性物品等に適用する場合、
その素材であるウェブの搬送時に、当該伸縮性材は伸縮
性を有していないために容易に取り付けることができ、
その高速処理が容易にできる。また、取付後に加熱すれ
ば、ウェブにギャザーが容易に形成される。
【0013】以下、本発明に係る伸縮性材、それを用い
た製品及びその製造方法について詳述する。本発明に係
る伸縮性材の樹脂組成物は、(a)芳香族ビニル化合物
の含有量が10〜40重量%の芳香族ビニル化合物−共
役ジエンブロック共重合体の共役ジエン部分の水素添加
された化合物、(b)オレフィン系熱可塑性樹脂、
(c)融点又は軟化点が80℃以上で、平均分子量が4
00〜2000の水添テルペン樹脂又は脂肪族系石油
脂、の上記(a)〜(c)の3成分からなる。
【0014】成分(a)は、特定の芳香族炭化水素重合
体系TPEである。即ち、芳香族ビニル化合物の含有量
が10〜40重量%の芳香族ビニル化合物−共役ジエン
ブロック共重合体の共役ジエン部分が水素添加された化
合物であり、少なくとも一つの芳香族ビニル化合物の重
合体ブロックと、少なくとも一つの共役ジエン化合物の
重合体ブロックの水素添加物を含むものであり、その構
造は(A−B)n型、(A−B)n−A型、(A−B)
n−C型のいずれでもよく、(式中Aは芳香族ビニル化
合物の重合体ブロック、Bは共役ジエン化合物の重合体
の水素添加物、Cはカップリング剤残基、nは1以上の
整数を示す)またこれらは直鎖型でもランダム型でもよ
い。
【0015】ジエン部分の水素添加誘導体を得る方法に
ついての限定はないが、本発明の熱伸縮性を得る為には
これらの共役ジエンブロックの80%以上が水素添加さ
れた水素添加誘導体であることが好ましい。共重合体ブ
ロックAを構成する単量体のモノビニル置換芳香族炭化
水素は、好ましくはスチレンであり、α−メチルスチレ
ン等も用いられる。共重合体ブロックBにおける共役ジ
エン単量体はブタジエンもしくはイソプレンが好まし
く、また、両者の混合物であってもよい。これらの共役
ジエンブロック重合体の80%以上が水素添加された水
素添加誘導体であることが好ましい。共重合体ブロック
Aと共重合体ブロックB(Cを含む組成の時はCもBに
含めて)の重量比が10/90〜40/60である。A
の重量比が10未満では伸縮性が劣り、40を超えると
熱伸縮性が低下する。AB合わせた分子量はHPCによ
る数平均分子量で20000以上であり、好ましくは3
0000〜250000であり、更に好ましくは400
00〜200000である。分子量は低すぎても又高す
ぎても熱伸縮性が悪くなる。かかる芳香族炭化水素重合
体系TPEの代表的なものとしては、シェルジャパン
(株)1992年版「Shell Elastomers Cariflex TR /
Kraton G 」で説明されているクレイトンGシリーズが
挙げられる。
【0016】成分(b)は、エチレン、プロピレン、ブ
チレン等のα−オレフィンの単独または共重合体からな
るオレフィン系熱可塑樹脂で、通常熱可塑成形に用いら
れる樹脂グレードが使用される。中でも、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンの射出成形、押出成形グレードが好
ましく、おむつのように柔軟性を要求される用途には低
密度ポリエチレンが適しており、線状低密度ポリエチレ
ン(L−LD−PE)が最も適している。
【0017】成分(c)は、融点または軟化点が80℃
以上、好ましくは100℃以上、平均分子量が400〜
2000、好ましくは600〜1500の水添テルペン
樹脂又は脂肪族系石油樹脂である。融点または軟化点が
80℃未満では、予伸張状態での形状保持性が劣ると共
に表面粘着性となるためである。かかる樹脂の代表的な
ものとしては、安原油脂(株)の「クリアロン」、荒川
化学工業(株)の「アルコン」が挙げられる。
【0018】上記各成分の比率(重量)は、 (a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.15〜0.
85 (b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.
75 (c)/〔(a)+(b)+(c)〕=0〜0.35 の各式を満足するTPE組成物である。また、図1は三
成分の組成比に対する位置を示す図であり、横線で示す
領域が上記三式を同時に満足する領域となっている。
【0019】上記領域を満たさない場合、例えば(c)
/〔(a)+(b)+(c)〕が0.35を超える場合
には、予伸張後熱を加えても収縮率が小さく、且つ、粘
着性が大きくなる。また、(b)/〔(a)+(b)+
(c)〕が0.05未満の領域では予伸張状態の保持性
が劣る。又、0.75を超えると熱収縮後の伸縮性が無
くなる。また、図1に示す如く、最も好ましい組成比の
領域は複合線で示す領域であり、その関係成分比は、
(a)/〔(a)+(b)+(c)〕= 0.25〜
0.75、(b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.
15〜0.65、(c)/〔(a)+(b)+(c)〕
=0.05〜0.25の三式を同時に満足することが好
ましい。
【0020】上記樹脂組成物には、上記必須成分に加え
て本発明の目的を損なわない範囲で、該組成物の通常熱
可塑性成形品に用いられる滑剤、ブロッキング防止剤、
酸化防止剤、撥水化剤、親水化剤、光安定剤、帯電防止
剤、着色材、充填材等を配合することができる。上記樹
脂組成物は、所定の形状に成形されるが、その形状にお
いては使用目的において変わるので特に制限はされな
い。例えば、フィラメント等に成形する場合は、従来公
知のポリマーブレンドに常用される方法、例えばバンバ
リーミキサー、オープンロール、二軸押出機などを利用
して、加熱下に溶融混練する等の方法によることがで
き、得られたコンパウンドを用いて通常の押出成形でフ
ィラメント状、または、フィルム状に形成する。押出機
の混練能力によっては予備混練したコンパウンドを経る
ことなく、タンブラー等で混合しただけで成形機に投入
してもよい。
【0021】所定形状に成形された上記樹脂組成物、例
えば、フィラメント等は、予伸長状態とされ、潜在的な
伸縮性を有したものとされる。フィラメント等は一定方
向に、その単位長さ当たり200〜700%(最初の長
さに対して3倍乃至8倍)程度延伸することが望まし
い。そして、このフィラメント等を一定方向にこの程度
延伸すると、この張力を解除した後には自然にある程度
は弛緩するが、その時の長さは最初の長さに戻ることが
なく、予伸長率は40〜400%、熱収縮率は30〜6
0%である。
【0022】このフィラメント等に加えられた予伸長状
態の強さ(潜在化されている収縮力)によって、これが
取り付けられた製品部分を収縮するための熱収縮の程度
が左右されることになる。この予伸長フィラメント等を
使い捨ておむつの一部に取り付けた時には都合良く、2
5〜45%の収縮率になる。即ち、柔軟な弾性製品中で
は、このフィラメント等の収縮がある程度制限されるた
め、熱収縮させても、このフィラメント等の初めの熱収
縮率より小さくなるが25〜45%の収縮率は製品を目
的通りに収縮することができる。
【0023】フィラメント等の予伸張方法は、ロール延
伸法または、テンター法等にて常温で降伏点前後まで伸
長し、張力を開放することにより可能となる。通常、当
該技術では張力開放前にヒートセットを必要とするが上
記樹脂組成物ではこれを全く必要とせず、張力が開放さ
れるとやや縮むが予伸長率は40〜400%に保持され
る。この予伸張フィラメント等を、被着体に接着剤また
はヒートシールで固着する。その後で、予伸張フィラメ
ント等を組成物の成分(a)及び(b)の融点以下(5
0〜80℃)の温度に加熱すると、瞬時に収縮すると共
に伸縮性が発現し、常温まで降温しても伸縮性が保持さ
れる。この時の熱収縮率は25〜45%であることが望
ましい。尚、接着にホットメルト接着剤使用、または、
ヒートシール接着を行う時には、予伸張フィラメント等
が熱で収縮開始する点を十分配慮した治具、工程で行う
ことが重要である。接着後の収縮/伸縮性発現させる温
度は成分(a)、(b)、(c)の組成/配合比率によ
って異なり、各々最適温度に選択される。
【0024】
【実施例】次に、本発明に係る吸収性物品及びその製造
方法の一実施例を図2及び図3の使い捨ておむつに基づ
いて説明する。図2は、使い捨ておむつの斜視図であ
り、図3は使い捨ておむつの展開図である。本実施例は
図2及び図3に示す如く、伸縮部材からなるギャザーを
有した使い捨ておむつ20であり、使い捨ておむつ20
の伸縮部材は、取り付け後に加熱によりギャザー22を
形成する上記伸縮性材26である。本実施例の使い捨て
おむつ20を更に説明すると、図3に示す如く、使い捨
ておむつ20は、着用者の肌に接する側を形成する液透
過性のトップシート22と、トップシート22に対応
し、下着に接する不透過性のバックシート23と、これ
ら両シート間に位置した状態で固定されて排泄物を吸収
する吸収体24とから成る。そして、トップシート22
及びバックシート23は重畳された状態で、吸収体4の
長手方向に延在され、それらの延在部、即ちウエストフ
ラップ25にギャザー27が形成されている。
【0025】図3に示す如く、ギャザー27は上述した
本発明に係る伸縮性材26からなり、伸縮性材26はト
ップシート22或いはバックシート23の素材であるウ
ェブ23Aに取り付けられている。尚、ここでのウェブ
23Aは、ウェブロールから巻き出されたウェブに伸縮
性材26が取り付けられた後に股下領域が縊れた砂時計
状に裁断されている。また、図3においては、伸縮性材
26が常温で予伸長状態に維持されており、ウェブ23
Aに全てを組み込んだ後に加熱を加えて収縮させて伸縮
性を発揮させ、これにより、ウエストギャザー27を形
成するようになっている。
【0026】即ち、使い捨ておむつ20は、上述の樹脂
組成物から伸縮性材26を形成するため、その樹脂組成
物をフィラメントに成形し、このフィラメントを常温で
延伸し所定の伸長状態とする工程と、伸長状態の伸縮性
材26をウェブ23Aに接合する工程と、加熱して組み
立てられたウェブ23Aにギャザー27を形成する工程
とを経ることにより製造される。このような製造工程に
おいては、伸縮性材26の取り付けに際しては複雑の治
具を必要とせず容易に取り付けられ、また、製造された
使い捨ておむつ20のウエストギャザー27は適度な機
能を発揮する。尚、上記使い捨ておむつ20では、ウエ
ストギャザー27に本発明に係る伸縮性材26を用いた
が、これをレッグギャザー28に用いても良い。
【0027】また、本発明に係る伸縮性材の実施例を比
較例と比較しながら更に具体的に説明する。尚、本発明
は以下の実施例に限るものではない。
【0028】(実施品1〜6の製造) 組成物(a)として、シェルジャパン(株)の(SEB
S)クレイトンG−1650、組成物(b)として、
井石油化学工業(株)の(L−LD−PE)のウルトゼ
ックス15100C、組成物(c)として、安原油脂
(株)の(水添テルペン樹脂)クリアロンP−105
用い、通常の溶融混練方法でφ45mmの二軸押出機(樹
脂温度240℃)にて表1に示す各々配合比(実施品1
〜6:図1に示す1〜6)のコンパウンド(ペレット)
を造った。そのペレットをフィラメント成形用ダイス付
φ25mmの単軸押出機(樹脂温度240℃)にて水冷ロ
ールにて冷却しながらφ1mmのフィラメントを成形し
た。
【0029】これらのフィラメント試料の熱伸縮性を調
べる為、各試料を15cmの長さに切り、各々の一端から
5cmの所に印をつけた後(標線間が5cmとなる)、23
℃/60%RHの室内に24Hr保存した。次いで、こ
れらの試料をTENSILON伸長試験機で標線間の長
さを100%、300%、500%延伸(2倍、4倍、
6倍の長さに延伸)した。延伸された試料を再び23℃
/60%RHの室内に24Hr保存した。次いで、初め
の標線間の長さ(5cm)の部分についての予伸長率を次
式によって測定した。 予伸長率(%)=(L1 −L0 )・100/L0 (上式中でL0 は試料の初めの長さ、L1 は延伸し、張
力を解除後1Hr保存後の試料の長さを示す。)また、
各試料に賦与された熱収縮性を調べる為、延伸後の各フ
ィラメント(上記予伸長率測定試料)を70℃の水中に
1秒間浸漬して熱収縮させ、熱収縮率を測定し、次式よ
り計算した。 熱収縮率(%)=(L1 −L2 )・100/L1 上式中でL2 は熱収縮後の長さ、L1 は前記式のものと
同じ。
【0030】熱収縮後の各試料の伸縮性を調べる為、積
算装置付前記伸長試験機を使ってヒステリシス比を測定
した。即ち、延伸後に熱収縮した試料を各々の熱収縮率
にかかわりなく、上記試験機のチャック間で50mmとな
るよう固定し、次いで各試料を500mm/min の速度で
100%延伸し、引続き同速度で緩めて初めの長さ(5
0mm)になった所で止め、各々延伸曲線下、弛緩曲線下
の面積を測定し、次式で算出した。 ヒステリシス比=延伸曲線下の面積/弛緩曲線下の面積 真のエラストマーのヒステリシス比は1.0であるた
め、試料のヒステリシス比を測定すると、熱収縮後の弾
性の指標が得られる。即ち、熱収縮率が約30〜50%
またはそれ以上であり、かつ、ヒステリシス比が3未満
のフィルム、フィラメントが使い捨ておむつの弾性ウエ
ストバンド用として適している。実施品1〜6の評価結
果を表1に示した。また、比較のため、本組成物の成分
比に該当しないものを比較品1〜4とし、その評価結果
を表2に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表中、実施品1〜6で、伸張率300%〜
500%で優れた熱伸縮性を示す、特に、実施品2〜4
は優れており、使い捨ておむつのウエストギャザーに用
いた時、好適なシャリングを施すことがあきらかにな
る。これに対して、比較品1〜4は、予伸張性、熱伸縮
性が劣るかヒステリシス比が大きい(伸縮性が劣る)。
以上のことから 本発明の伸縮性材は、ヒートセット無
しに常温で予伸張状態を形成することが出来る為、環境
に影響されずに安定で、製品組立ライン中でも容易に適
用することが出来、製造工程が簡素化される。本発明の
伸縮性材は、延伸率300%〜500%において予伸長
率が80%以上あり、且つ、熱収縮率が30〜50%で
あるためシャリング性に優れ、ヒステリシス比(HR)
が1.5〜2.5の範囲にあることが優しい伸縮性を呈
し、使い捨ておむつ等のウエストギャザー等の伸縮部材
として好適である。
【0034】
【発明の効果】本発明の伸縮性材は、取付加工の際に伸
縮性を示さず、その加工後に加熱により瞬時に収縮して
伸縮性を発揮し、製品のギャザー等を好適に形成する。
また本発明の吸収性物品及びその製造方法では、ギャザ
ー等が設けられるウェブを高速で搬送させ、そのウェブ
の搬送時に伸縮性材を高速で取り付けてウェブにギャザ
ーを容易に形成することのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は三成分の組成比に対する位置を示す図で
ある。
【図2】図2は、使い捨ておむつの斜視図である。
【図3】図3は使い捨ておむつの展開図である。
【符号の説明】
1〜6 実施品の位置 7〜10 比較品の位置 20 使い捨ておむつ 22 トップシート 23 バックシート 24 吸収体 25 ウエストフラップ 26 伸縮性材 27 ウエストギャザー 28 レッグギャザー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 53/02 A41B 13/02 K 57/02 (56)参考文献 特開 平3−172329(JP,A) 特開 昭63−154747(JP,A) 特開 昭62−220524(JP,A) 特開 昭60−17102(JP,A) 特開 昭59−17101(JP,A) 特開 昭59−144601(JP,A) 特開 平2−4366(JP,A) 特開 昭61−119702(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A41B 13/02 A61F 5/44 C08L 23/02 C08L 45/02 C08L 53/02 C08L 57/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱して収縮させることにより伸縮性を
    発揮する下記樹脂組成物よりなることを特徴とする伸縮
    性材。 (a)芳香族ビニル化合物の含有量が10〜40重量%
    の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の
    共役ジエン部分の水素添加された化合物、 (b)オレフィン系熱可塑性樹脂、 (c)融点又は軟化点が80℃以上で、平均分子量が4
    00〜2000の水添テルペン樹脂又は脂肪族系石油
    脂、 の上記(a)〜(c)の3成分からなり、各成分の比率
    (重量)が、 (a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.15〜0.85 (b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.75 (c)/〔(a)+(b)+(c)〕=0〜0.35 の各式を満足するTPE組成物。
  2. 【請求項2】 上記樹脂組成物は、特に加熱又は冷却す
    ることなく常温で延伸されて所定の伸長状態が保持さ
    れ、潜在的な伸縮性を有したものであることを特徴とす
    る請求項1記載の伸縮性材。
  3. 【請求項3】 伸縮部材からなるギャザーを有した吸収
    性物品において、上記伸縮部材は、取り付け後に加熱に
    よりギャザーを形成する上記請求項1記載の伸縮性材で
    あることを特徴とする吸収性物品。
  4. 【請求項4】 ウェブにギャザーを形成する工程を含む
    吸収性物品の製造方法において、 請求項1記載の樹脂を常温で延伸し所定の伸長状態と
    する工程、 該伸長状態の樹脂を上記ウェブに接合する工程、 加熱してウェブにギャザーを形成する工程、 を含むことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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