JPH0947471A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JPH0947471A
JPH0947471A JP7202578A JP20257895A JPH0947471A JP H0947471 A JPH0947471 A JP H0947471A JP 7202578 A JP7202578 A JP 7202578A JP 20257895 A JP20257895 A JP 20257895A JP H0947471 A JPH0947471 A JP H0947471A
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JP
Japan
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sheet
absorbent article
shaped material
resin
copolymer
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JP7202578A
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English (en)
Inventor
Taeko Kanai
妙子 金井
Mikio Suzuki
幹雄 鈴木
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工時における弾性体の延びによる弊害が解
消され、伸縮性能の安定性に優れ、更には高生産速度に
て製造することができる吸収性物品を提供すること。 【解決手段】 液透過性の表面シートと液不透過性の裏
面シートと該表面シート及び該裏面シートの間に配設さ
れた縦長の吸収体とを備えた吸収性物品において、上記
吸収性物品は、所望の位置にシート状材料が敷設されて
おり、上記シート状材料は、上記吸収性物品の製造時に
おいては、伸縮性を示さないが、常温にて放置すること
により自然に収縮して伸縮性が発現するシート状材料で
あることを特徴とする吸収性物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、使い捨てお
むつ等の吸収性物品に関し、詳細には吸収性物品の所望
の位置に安定な伸縮物性にて弾性体を配してなる吸収性
物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】吸収性
物品は、通常、弾性体が組み込まれて構成されている。
該弾性体を吸収性物品に組み込む際には、製造ライン上
で伸張された状態で吸収性物品に組み込まれることが多
いが、該弾性体を伸張状態で組み込むと伸張率にばらつ
きが生じる。そのため、吸収性物品においては、弾性体
部分の伸縮物性が一定にならず、製品性能上安定性に劣
るという問題がある。
【0003】また、上述の如くして弾性体を吸収性物品
に組み込む場合には、製造工程上、設備が複雑になり、
更には、製造ライン上で弾性体を伸張せしめた状態で吸
収性物品に組み込まなければならないため、生産速度に
劣るという問題が生じる。
【0004】上述の問題を解決するために、従来より種
々提案がなされており、例えば、特公平4−64701
号公報、特開昭60−17101号公報、特開昭63−
112714号公報、特開昭63−1126903号公
報、特開平7−40494号公報等に開示された技術が
知られている。
【0005】しかしながら、上述の技術では、上述の問
題を未だ十分に解決できていなかった。即ち、上記の特
公平4−64701号公報及び特開昭60−17101
号公報に開示された技術は、伸縮性素材を製造ライン上
で高温延伸して、熱不安定な状態で製品に組み込み、そ
の後、再度加熱して伸縮性を発現させるものであるが、
該技術においては、伸縮率のばらつきや低減等の問題が
あり、また、加熱処理を行うための装置が必要となり、
製造工程が複雑化され、高速生産には適さないという問
題があった。
【0006】また、特開昭63−112714号公報に
開示された技術は、伸縮材を伸張状態で補強部材により
保持し、製品に組み込んだ後、機械的措置により収縮さ
せて伸縮物性を発現させるものであるが、補強部材によ
り厚みがまして剛性が高くなるなど風合いが低下する、
また伸縮性が阻害され伸縮物性が低下する、コストが高
くなる、機械的処理を行うための装置が必要となり、製
造工程が複雑化される等の問題があった。
【0007】また、特開昭63−1126903号公報
に開示された技術は、弾性繊維と該弾性繊維を螺旋状に
被覆する非弾性繊維とからなる弾性体を用いるものであ
り、該技術によれば、一定荷重以上で伸度が固定される
ため、組み込み時の伸張率の制御が容易となるが、伸張
しながらの組み込みと、組み込み後の伸張状態の保持が
必要であるため、高速生産に適さないという問題があ
る。
【0008】また、特開平7−40494号公報に開示
された技術は、熱収縮性材料をシート状の保持材に非接
着領域を設けて面接着、線接着又は点接着し、製品に組
み込んだ後、エネルギー付与により収縮させ、伸縮性を
発現させるものであるが、補強部材により厚みがまして
剛性が高くなるなど風合いが低下する、また伸縮性が阻
害され伸縮物性が低下する、コストが高くなる、加熱処
理を行うための装置が必要となり、製造工程が複雑化さ
れる等の問題があった。
【0009】即ち、従来提案されている技術は、吸収性
物品を製造する際における、弾性材料の加工、プロセス
組み入れ時の延びの問題を解決するものではなく、且つ
高速生産に対応することができるものではなかった。
【0010】従って、本発明の目的は、加工時における
弾性体の延びによる弊害が解消され、伸縮性能の安定性
に優れ、更には高生産速度にて製造することができる吸
収性物品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、弾性体として特定
のシート状材料を用いてなる吸収性物品が上記目的を達
成することを知見した。
【0012】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、液透過性の表面シートと液不透過性の裏面シート
と該表面シート及び該裏面シートの間に配設された縦長
の吸収体とを備えた吸収性物品において、上記吸収性物
品は、所望の位置にシート状材料が敷設されており、上
記シート状材料は、上記吸収性物品の製造時において
は、伸縮性を示さないが、常温にて放置することにより
自然に収縮して伸縮性が発現するシート状材料であるこ
とを特徴とする吸収性物品を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸収性物品につい
て更に詳細に説明する。本発明の吸収性物品は、特定の
シート状材料を、吸収性物品の所望の位置に弾性体とし
て固着してなることを特徴とするものである。本発明の
吸収性物品としては、具体的には、使い捨ておむつ等を
好ましく挙げることができる。
【0014】上記の所望の位置とは、吸収性物品の種類
により適宜変更しうるものであるが、例えば、使い捨て
おむつにおいては、そのウエスト部、胴回り部及びレッ
グ部である。上記の所望の位置に敷設するには、接着剤
等により接着する等して行うことができる。また、本発
明においては、上記シート状材料を液不透過性フィルム
として使用し、所望の位置に弾性体として敷設すること
もできる。
【0015】本発明において弾性体として用いる上記の
特定のシート状材料は、上記吸収性物品の製造時におい
ては、伸縮性を示さないが、常温にて放置することによ
り自然に収縮して伸縮性が発現するシート状材料であ
る。
【0016】また、上記シート状材料は、樹脂成分又は
樹脂組成物を成形してなるシートを好ましくは40℃以
下で延伸してなるシート状材料であり、該延伸後に、4
0℃以下で且つ解放状態で、5分間放置した場合の収縮
率が好ましくは10%以内、更に好ましくは0〜5%で
あり、また、72時間放置した場合には好ましくは収縮
率30%以上、更に好ましくは収縮率50〜70%で収
縮して伸縮性が発現するものであるのが好ましい。上記
延伸の諸条件については後述する。また、上記の5分間
放置した場合の収縮率が10%を超えると、製造時に伸
縮性が発現してしまい伸長状態を保持する操作が必要と
なり、また、72時間放置した場合の収縮率が30%未
満であると、製品使用上十分な伸縮性が発現しない。
【0017】上記樹脂成分としては、内部に2種以上の
結晶性成分を有する共重合体を好ましく挙げることがで
きる。
【0018】上記共重合体としては、内部に2種以上の
結晶性成分を有する(2種以上の結晶性セグメントを有
する)共重合体であれば、特に制限されないが、例え
ば、結晶性を有するエチレン・α−オレフィン系のエラ
ストマー等を挙げることができ、また、該エラストマー
に第三成分としてジエンを添加共重合したエラストマー
も好ましく用いることができ、使用に際しては単独又は
混合物として用いることができる。該ジエンとしては、
ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、
メチレンノルボーネン、エチリデンノルボーネン、1,
4−ヘキサジエン等の非共役ジエン等を用いることがで
きる。
【0019】即ち、上記共重合体における結晶性成分と
しては、エチレン、α−オレフィン等を好ましく用いる
ことができる。また、上記結晶性成分の含有量は、共重
合体全体に対して、80重量%以上とするのが好まし
く、更には、上記共重合体は、上記結晶性成分のみから
なる共重合体でもよい。上記結晶性成分とは、かなりの
秩序をもった分子配列を示し、X線回析により明瞭な結
晶構造が認められる高分子物質をいう。具体的には、比
較的単純な単量体をもつポリエチレン、強い極性基をも
つポリアクリロニトリル、分子間に水素結合をつくりや
すいポリアミド、ポリエステル、立体規則性をもったポ
リプロピレンやポリスチレン、天然の繊維を構成するセ
ルロースやタンパク質などが挙げられる。
【0020】また、上記共重合体の分子量も特に規定さ
れないが、好ましくは1〜2×10 5 以上である。該分
子量が1〜2×105 未満であると、伸縮性の特性が著
しく低下するので好ましくない。
【0021】上記共重合体においては、エチレンを、好
ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以
上含有するのが、結晶性を持たせるためには好ましい。
【0022】また、上記α−オレフィンとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等を挙げることがで
き、結晶性を十分に持たせるために、上記共重合体にお
ける含有量を、好ましくは30重量%未満、更に好まし
くは20重量%未満とするのが望ましい。
【0023】また、上記共重合体の融点は、60〜12
0℃であるのが好ましい。
【0024】また、上記シート状材料は、上記のエチレ
ン・α−オレフィン系のエラストマーを上記樹脂成分と
して形成されてなるもの、特に、前記エラストマーが、
エチレン、1−ブテン及び非共役ジエンよりなる三元共
重合体であり、エチレン含有量が80重量%以上である
ものが好ましい。
【0025】上記シート状材料は、上記樹脂成分単独で
形成してもよいが、該樹脂成分に他の樹脂を配合して形
成してもよい。他の樹脂成分を配合する場合の上記樹脂
成分の使用量は、その特徴を生かすために、通常、30
重量%以上、好ましくは60重量%以上である。
【0026】この際用いることができる上記の他の樹脂
成分としては、結晶性を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性
エラストマー、またはその他のエラストマー及びそれら
の混合物が挙げられる。
【0027】上記の結晶性を有する熱可塑性樹脂として
は、例えば各種高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等が
挙げられ、ポリプロピレン単体やこれらの混合物等も使
用できる。
【0028】また、上記熱可塑性エラストマーとして
は、スチレン系(硬質相:スチレン、軟質相:ブチレン
ゴム、イソピレンゴム、水素添加ブチレンゴム)、エス
テル系(硬質相:ポリエステル、軟質相:ポリエーテ
ル)、ウレタン系(硬質相:ウレタン構造、軟質相:ポ
リエステル、ポリエーテル)アイオノマー各種が挙げら
れる。その他の、エラストマーとしては天然ゴム、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ア
クリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられ
る。
【0029】上記の他の樹脂は、延伸性、固定性あるい
は弾性率の調整等のため添加するものであるが、この場
合、上記樹脂成分の特性を失わないようにする必要があ
る。
【0030】また、本発明において用いられる上記樹脂
組成物としては、下記成分(a)、(b)及び(c)か
らなる樹脂組成物等が挙げられる。 (a)芳香族ビニル化合物の含有量が10〜40重量%
である、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重
合体の共役ジエン部分が水素添加された化合物、(b)
オレフィン系熱可塑性樹脂、(c)融点又は軟化点が8
0℃以上で、平均分子量が400〜2000の樹脂、
【0031】上記成分(a)は、特定の芳香族炭化水素
重合体系TPEであり、少なくとも一つの芳香族ビニル
化合物の重合体ブロックと、少なくとも一つの共役ジエ
ン化合物の重合体ブロックとからなるブロック共重合体
であり、該共役ジエン部分が水素添加されたものであ
り、その構造は(A−B)n型、(A−B)n−A型、
(A−B)n−C型のいずれでもよく、(式中Aは芳香
族ビニル化合物の重合体ブロック、Bは共役ジエン化合
物の重合体ブロックの水素添加物、Cはカップリング剤
残基、nは1以上の整数を示す)またこれらは直鎖型で
もランダム型でもよい。
【0032】共役ジエン部分に水素添加する方法は、特
に制限されない。また、水素添加率は、所望の熱伸縮性
を得るためにはこれらの共役ジエンブロックを構成する
共役ジエン単量体の80%以上が水素添加されているの
が好ましい。
【0033】上記芳香族ビニル化合物の共重合体ブロッ
クを構成する単量体としては、モノビニル置換芳香族炭
化水素が挙げられ、好ましくはスチレン、α−メチルス
チレン等が挙げられるまた、上記共役ジエンの重合体ブ
ロックを構成する共役ジエン単量体としては、ブタジエ
ンもしくはイソプレンが好ましく挙げられ、両者の混合
物を用いることもできる。また、これらの共役ジエンブ
ロック重合体の80%以上が水素添加された水素添加誘
導体であることが好ましい。上記芳香族ビニル化合物の
共重合体ブロックAと、上記共役ジエンの重合体ブロッ
クB(上記C(カップリング剤残基)を含む組成の時は
CもBに含める)との重量比は、10/90〜40/6
0であるのが好ましい。Aの重量比が10未満であると
伸縮性が劣り、40を超えると熱伸縮性が低下するので
好ましくない。上記成分(a)の分子量はHPCによる
数平均分子量で好ましくは20000以上であり、更に
好ましくは30000〜250000であり、最も好ま
しくは40000〜200000である。分子量は低す
ぎても又高すぎても熱伸縮性が悪くなるので、上記範囲
内とするのが好ましい。上記成分(a)としては、シェ
ルジャパン(株)1992年版「Shell Elastomers Car
iflex TR / Kraton G 」で説明されているクレイトンG
シリーズ(商品名)が挙げられる。
【0034】成分(b)は、エチレン、プロピレン、ブ
チレン等のα−オレフィンの単独または共重合体からな
るオレフィン系熱可塑樹脂で、通常熱可塑成形に用いら
れる樹脂グレードが使用される。中でも、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンの射出成形、押出成形グレードが好
ましく、おむつのように柔軟性を要求される用途には低
密度ポリエチレンが適しており、線状低密度ポリエチレ
ン(L−LD−PE)が最も適している。
【0035】成分(c)は、融点または軟化点が80℃
以上、好ましくは100℃以上、平均分子量が400〜
2000、好ましくは600〜1500の樹脂であり、
具体的には水添テルペン樹脂、脂環族添加水素樹脂等が
用いられる。融点または軟化点が80℃未満では、予伸
張状態での形状保持性が劣ると共に表面粘着性となるた
めである。かかる樹脂の代表的なものとしては、安原油
脂(株)の「クリアロン」、荒川化学工業(株)の「ア
ルコン」が挙げられる。
【0036】上記各成分の重量比は、 (a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.15〜0.
85 (b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.
75 (c)/〔(a)+(b)+(c)〕=0〜0.35 であるのが好ましい。上記の重量比について図1に示
す。図1は上記三成分の重量比に対する位置を示す図で
あり、横線で示す領域が上記三式を同時に満足する領域
となっている。
【0037】上記領域を満たさない場合、例えば(c)
/〔(a)+(b)+(c)〕が0.35を超える場合
には、収縮率が小さく、且つ、粘着性が大きくなる。ま
た、(b)/〔(a)+(b)+(c)〕が0.05未
満の領域では予伸張状態の保持性が劣る。又、0.75
を超えると熱収縮後の伸縮性が無くなる。また、図1に
示す如く、最も好ましい組成比の領域は複合線で示す領
域であり、その関係成分比は、(a)/〔(a)+
(b)+(c)〕= 0.25〜0.75、(b)/
〔(a)+(b)+(c)〕=0.15〜0.65、
(c)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.
25の三式を同時に満足することが好ましい。
【0038】上記樹脂組成物には、上記必須成分に加え
て本発明の目的を損なわない範囲で、該組成物の通常熱
可塑性成形品に用いられる滑剤、ブロッキング防止剤、
酸化防止剤、撥水化剤、親水化剤、光安定剤、帯電防止
剤、着色材、充填材等を配合することができる。
【0039】また、上記樹脂成分又は上記樹脂組成物を
用いて、シートを成形するには、通常のシート成形法を
特に制限無く用いて成形することができる。
【0040】上記シートを延伸する際における延伸温度
は、好ましくは40℃以下、更に好ましくは20〜30
℃である。上記延伸温度が40℃を超えると、常温に放
置したときにおける収縮性が悪くなるので好ましくな
い。また、延伸倍率は1.5倍以上、更に好ましくは3
倍以上、最も好ましくは3〜7倍である。上記延伸倍率
が1.5未満であると、収縮後の伸縮物性が不十分とな
るので好ましくない。
【0041】また、上記シート材料の収縮後(延伸後7
2時間以上経過した後)における伸縮物性は、永久歪み
が20%以下であるのが好ましい。また、上記シート状
材料は、所定の形状(ひも状、テープ状等)に切断し
て、使用に供することができる。
【0042】本発明においては、上記樹脂成分又は上記
樹脂組成物のソフトセグメントを延伸工程までに部分架
橋あるいは微架橋したものも好ましく用いることができ
る。このように、部分架橋あるいは微架橋することによ
り、収縮性は向上するが、架橋を多くすると結晶率が低
下したり、粘度上昇による取り扱いに制限を受けること
になる。また、架橋方法としては、イオウ架橋、パーオ
キサイドあるいは電子線架橋等が挙げられる。
【0043】以下、図2及び図3を参照して本発明の吸
収性物品について具体的に説明する。
【0044】図2は、本発明の吸収性物品の1例として
の使い捨ておむつを示す1部破断斜視図であり、図3
は、図2に示す使い捨ておむつの内部を表面シートを透
視して観た状態を示す透視展開図である。図2及び図3
に示す本実施例の使い捨ておむつ1は、上記のシート状
材料を、前後のウエスト部5,5’、レッグ部6及び胴
回り部8に弾性体10A,10B、10C及び10Dと
して敷設されてなるものである。
【0045】更に詳細には、使い捨ておむつ1は、図2
に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の
裏面シート3及びこれら両シート間に介在する吸収体4
と、装着時におむつを固定するためのファスニングテー
プ7とを有している。また、上記吸収体4は、図3に示
すように、股下領域が縊れた砂時計状に湾曲形成され、
表面シート2及び裏面シート3も吸収体4の形状に即し
て股下領域が上述の如く湾曲形成されており、該吸収体
4は、表面シート2及び裏面シート3により挟持・固定
されている。
【0046】上記表面シート2、上記裏面シート3、上
記吸収体4及び上記ファスニングテープ7としては、通
常用いられている公知のものを特に制限されずに用いる
ことができる。
【0047】そして、上記吸収体4の周縁部に位置する
前後のウエスト部5,5’及びレッグ部6、並びに胴回
り部8には、おむつを着用した際に、着用者に前後のウ
エスト部5,5’及びレッグ部6、並びに胴回り部8を
フィットさせるために、上記のシート状材料を、弾性体
10A,10B、10C及び10Dとしてそれぞれ敷設
されている。
【0048】上記弾性体10Aは、所謂ウエストギャザ
ーを形成するために、前後のウエスト部5,5’に設け
られているものであり、その幅及び長さ等は特に制限さ
れないが、上記吸収体4との間隔aは、5mm以上開い
ているのが、該弾性体の伸縮性が該吸収体4により阻害
されないので、好ましい。
【0049】上記弾性体10Bは、所謂レッグギャザー
を形成するために、左右のレッグ部に設けられているも
のであり、その幅及び長さ等は特に制限されないが、上
記吸収体4との間隔bは、5mm以上開いているのが、
該弾性体の伸縮性が該吸収体4により阻害されないの
で、好ましい。
【0050】また、上記弾性体10Cは、おむつの胴回
り部を着用者にフィットさせるために、おむつの前後の
胴回り部に、おむつが胴回り方向に伸縮するように前後
各3本づつ配設されている。各弾性体10Cの間隔は、
好ましくは1〜50mm、更に好ましくは5〜20mm
であり、また、前後の胴回り部に設けられている上記弾
性体の本数は、本実施例においては、3本づつである
が、好ましくは2〜20本、更に好ましくは5〜10本
の範囲で任意の本数を採用することができる。また、上
記弾性体10Cの幅は、好ましくは0.1〜10mm、
更に好ましくは2〜5mmである。もちろん、本発明は
上述の数値に何ら限定されるものではなく、上記弾性体
の幅及び間隔はすべて同一であってもよいし、それぞれ
異なっていてもよい。また、上記弾性体は、おむつの前
後で、その本数や間隔等が同じでもまた異なっていても
よい。
【0051】また、上記弾性体10Dは、おむつの背側
胴回り部のフィット性をより向上させるために、背側胴
回り部における吸収体の左右両側縁部近傍に、それぞれ
設けられている。該弾性体10Dの大きさ等は特に制限
されないが、該弾性体10Dは、左右両側のファスニン
グテープ7の間に設けられているのが好ましい。
【0052】次いで、上記使い捨ておむつ1の製造方法
の1例について説明する。尚、特に詳述しない点につい
ては、通常の製造方法を特に制限されずに用いることが
できる。
【0053】上記裏面シート3の内表面側に吸収体4及
び弾性体10A,10B、10C及び10Dとしてのシ
ート状材料を、図1に示す位置に敷設した後、表面シー
ト2を裏面シート3に貼着する。この際、上記シート状
材料は、接着剤を用いて固着させる。そして、常温に
て、即ち、おむつの製造が終了した後、通常のように搬
送工程などに該おむつを移送することにより、上記シー
ト状材料が自然に収縮して伸縮性を発現し、消費者の手
に届くときには弾性体として機能する。
【0054】
【実施例】次いで、実施例及び比較例により本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 〔実施例1〕エチレン,1−ブテン,エチリデンノルボ
ルネン共重合体(結晶性成分であるエチレン/1−ブテ
ンのモル比が90/10、該結晶性成分とエチリデンノ
ルボルネンとの重量比が98:2)を、30℃で3倍延
伸し、厚み40μ、巾25mmのシート状材料を作成し
た。該シート状材料を、常温(23℃)で5分間放置し
たところ、収縮率は10%であった。更にそのまま72
時間放置した際の収縮率は、30%であり、この時のシ
ート状材料の50%歪の応力は620g/25mm巾であ
り、永久歪は18%であった。また、上記シート状材料
を上記の延伸終了後におむつの所定位置に所定形状で配
して図2及び図3に示す使い捨ておむつを製造したとこ
ろ、72時間後においては、腰部及び脚部におむつとし
て十分な弾性が付与された使い捨ておむつが得られた。
この際、製造工程での上記シート状材料の伸びは生じな
かった。
【0055】〔実施例2〕組成物(a)として、シェル
ジャパン(株)のSEBS、クレイトンG−1657、
組成物(b)として、三井石油化学(株)のL−LDP
E、ウルトゼックス15101C、組成物(c)とし
て、安原油脂(株)の水添テルペン樹脂、クリアロンP
−105を用い、該(a)、該(b)及び該(c)を重
量比40:40:20で配合して樹脂組成物を得、得ら
れた樹脂組成物を用いてシートを成形し、次いで、該シ
ートを40℃で5倍延伸してシート状材料を作製した。
該シート状材料を、常温(23℃)で5分間放置したと
ころ、収縮率は8.8%であった。更にそのまま72時
間放置した際の収縮率は、30%であり、この時のシー
ト状材料の50%歪の応力は580g/25mm巾であ
り、永久歪は20%であった。また、上記シート状材料
を上記の延伸終了後におむつの所定位置に所定形状で配
して図2及び図3に示す使い捨ておむつを製造したとこ
ろ、72時間後においては、腰部及び脚部におむつとし
て十分な弾性が付与された使い捨ておむつが得られた。
この際、製造工程での上記シート状材料の伸びは生じな
かった。
【0056】
【発明の効果】本発明の吸収性物品は、加工時における
弾性体の延びによる弊害が解消され、製品性能上の安定
性に優れたものであり、また高生産速度にて製造するが
できるものである。更に詳細には、本発明の吸収性物品
の製造方法は、シート状材料を配置することにより、製
品が消費者に届くときには、該シート状材料が収縮され
て弾性体となるので、伸縮物性の安定性に優れている。
また、製造ラインにおいて、該シート状材料を張設する
必要がないので、製造装置を簡素化することができる。
弾性体を組み込むときの伸張保持と、組み込み後の弾性
発現のための処理が不要であるため、弾性体の大きさや
組み込み部位、伸縮方向などを自在に変更でき、所望の
部位に所望の伸縮性を付与することができる。また、延
伸倍率の異なるシート状材料を用いれば、各部位におけ
る弾性体の伸縮物性を調節することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は三成分の組成比に対する位置を示す図で
ある。
【図2】図2は、本発明の吸収性物品の1例としての使
い捨ておむつを示す1部破断斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す使い捨ておむつを示す透視
展開図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ 2 表面シート 3 裏面シート 4 吸収体 5 前のウエスト部 5’ 後のウエスト部 6 レッグ部 7 ファスニングテープ 10A,10B,10C,10D 弾性体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性の表面シートと液不透過性の裏
    面シートと該表面シート及び該裏面シートの間に配設さ
    れた縦長の吸収体とを備えた吸収性物品において、 上記吸収性物品は、所望の位置にシート状材料が敷設さ
    れており、 上記シート状材料は、上記吸収性物品の製造時において
    は、伸縮性を示さないが、常温にて放置することにより
    自然に収縮して伸縮性が発現するシート状材料であるこ
    とを特徴とする吸収性物品。
  2. 【請求項2】 上記シート状材料は、樹脂成分又は樹脂
    組成物を成形してなるシートを40℃以下で延伸してな
    るシート状材料であり、該延伸後に、40℃以下で且つ
    解放状態で、5分間放置した場合の収縮率が10%以内
    であり、また、72時間放置した場合には収縮率30%
    以上で収縮して伸縮性が発現することを特徴とする請求
    項1記載の吸収性物品。
  3. 【請求項3】 上記樹脂成分は、内部に2種以上の結晶
    性成分を有する共重合体であることを特徴とする請求項
    2記載の吸収性物品。
  4. 【請求項4】 上記共重合体が、結晶性を有するエチレ
    ン・α−オレフィン系のエラストマ−であることを特徴
    とする請求項3記載の吸収性物品。
  5. 【請求項5】 上記エラストマーがエチレン、1−ブテ
    ン及び共役ジエンからなる3元共重合体であり、且つエ
    チレン含有量が80重量%以上であることを特徴とする
    請求項4記載の吸収性物品。
  6. 【請求項6】 上記樹脂組成物が、下記成分(a)、
    (b)及び(c)を、下記重量比で配合してなる樹脂組
    成物であることを特徴とする請求項2記載の吸収性物
    品。 (a)芳香族ビニル化合物の含有量が10〜40重量%
    である、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重
    合体の共役ジエン部分に水素添加された化合物、(b)
    オレフィン系熱可塑性樹脂、(c)融点又は軟化点が8
    0℃以上で、平均分子量が400〜2000の樹脂、 重量比; (a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.15〜0.
    85 (b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.
    75 (c)/〔(a)+(b)+(c)〕=0〜0.35
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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