JP3272379B2 - 濃硫酸の製造方法 - Google Patents
濃硫酸の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は濃硫酸の製造方法に関す
るものであり、SO2からSO3への接触式転化装置の運
転条件を改良した濃硫酸の製造方法に関するものであ
る。
るものであり、SO2からSO3への接触式転化装置の運
転条件を改良した濃硫酸の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、銅、鉛などのばい焼炉、焼結炉、
転炉などの非鉄冶金炉からの低濃度SO2 排ガスの処理
としては以下のような方法が行われていた。 (1)湿式SO2 吸収設備による石膏回収法 (イ)石灰石膏方法 (ロ)塩基性硫酸アルミニウム法による石膏回収法 (2)湿式SO2 吸収設備による芒硝回収法 である。しかしながら、これらの方法ではSO2 ガスが
安価な石膏あるいは芒硝としてしか回収されず、また回
収物が有効利用できず産業廃棄物となる場合もある。さ
らに、これらの回収法では、使用薬剤が高価であり、S
O2 吸収以外の付帯設備が多くその建設コストが高い、
結晶化し易い液のために発生するスケールやあるいはス
ラリー液がプラント運転のトラブルを起こし易いという
問題もある。
転炉などの非鉄冶金炉からの低濃度SO2 排ガスの処理
としては以下のような方法が行われていた。 (1)湿式SO2 吸収設備による石膏回収法 (イ)石灰石膏方法 (ロ)塩基性硫酸アルミニウム法による石膏回収法 (2)湿式SO2 吸収設備による芒硝回収法 である。しかしながら、これらの方法ではSO2 ガスが
安価な石膏あるいは芒硝としてしか回収されず、また回
収物が有効利用できず産業廃棄物となる場合もある。さ
らに、これらの回収法では、使用薬剤が高価であり、S
O2 吸収以外の付帯設備が多くその建設コストが高い、
結晶化し易い液のために発生するスケールやあるいはス
ラリー液がプラント運転のトラブルを起こし易いという
問題もある。
【0003】従来、硫酸プラントからの高濃度SO2 排
ガスの排煙脱硫処理方法としては以下のような湿式法が
行われていた。すなわち、 (1)湿式SO2 吸収設備による石膏回収法 (イ)石灰石膏方法 (ロ)塩基性硫酸アルミニウム法による石膏回収法 (2)湿式SO2 吸収設備による芒硝回収法 である。しかしながら、これらの方法では非鉄冶金炉排
ガスについて前述したような問題があった。
ガスの排煙脱硫処理方法としては以下のような湿式法が
行われていた。すなわち、 (1)湿式SO2 吸収設備による石膏回収法 (イ)石灰石膏方法 (ロ)塩基性硫酸アルミニウム法による石膏回収法 (2)湿式SO2 吸収設備による芒硝回収法 である。しかしながら、これらの方法では非鉄冶金炉排
ガスについて前述したような問題があった。
【0004】さらに従来、硫酸プラントからのSO2 排
ガスの排煙脱硫処理方法としては以下のような乾式法も
行われていた。すなわち、 (1)移動床による吸着分離法(加熱熱分解法) (2)固定床による吸着分離法(水蒸気脱離法、水洗脱
離法)などがある。
ガスの排煙脱硫処理方法としては以下のような乾式法も
行われていた。すなわち、 (1)移動床による吸着分離法(加熱熱分解法) (2)固定床による吸着分離法(水蒸気脱離法、水洗脱
離法)などがある。
【0005】しかしながら、これらの方法には以下のよ
うな問題がある。(1)の移動床による吸着分離法は活
性炭を吸着塔から脱着塔に移動させるために、これらの
塔間のガスのシールが困難であり、そのための設備が複
雑になり、そして建設コストが高くなる。さらに活性炭
そのものを移動させるために活性炭が多く破損し、活性
炭のコストが高くなる。(2)の固定床による吸着分離
法では水蒸気脱離法の場合SO2 回収ガスが水分を含む
ために、濃硫酸製造原料ガスとしては適さない。また、
水洗脱離法は希硫酸として回収されるために、更に濃硫
酸にするには濃縮などの設備が必要になる。
うな問題がある。(1)の移動床による吸着分離法は活
性炭を吸着塔から脱着塔に移動させるために、これらの
塔間のガスのシールが困難であり、そのための設備が複
雑になり、そして建設コストが高くなる。さらに活性炭
そのものを移動させるために活性炭が多く破損し、活性
炭のコストが高くなる。(2)の固定床による吸着分離
法では水蒸気脱離法の場合SO2 回収ガスが水分を含む
ために、濃硫酸製造原料ガスとしては適さない。また、
水洗脱離法は希硫酸として回収されるために、更に濃硫
酸にするには濃縮などの設備が必要になる。
【0006】以上説明したようにSO2 を吸着分離して
回収することには問題がある。一方、特開昭63−25
6121号によれば、硫酸製造設備の排ガスを脱SO3
処理した後に排ガスに含まれる未転化のSO2 含有ガス
を活性炭と接触させてSO2を除去して除去後のガスを
大気に放出し、その後活性炭をキャリアガスで再生して
脱離したSO2 リッチガスを硫酸製造設備に戻す方法が
提案が公知である。この方法によると硫酸製造設備の排
ガス中のSO2 が硫酸として回収して回収される。しか
しながらこの方法では、脱着したSO2 ガスに水分が含
まれており乾燥を必要とするために濃硫酸の製造には適
していないので、濃硫酸製造の効率が高いとは言えな
い。
回収することには問題がある。一方、特開昭63−25
6121号によれば、硫酸製造設備の排ガスを脱SO3
処理した後に排ガスに含まれる未転化のSO2 含有ガス
を活性炭と接触させてSO2を除去して除去後のガスを
大気に放出し、その後活性炭をキャリアガスで再生して
脱離したSO2 リッチガスを硫酸製造設備に戻す方法が
提案が公知である。この方法によると硫酸製造設備の排
ガス中のSO2 が硫酸として回収して回収される。しか
しながらこの方法では、脱着したSO2 ガスに水分が含
まれており乾燥を必要とするために濃硫酸の製造には適
していないので、濃硫酸製造の効率が高いとは言えな
い。
【0007】特開平1−119328号公報によると、
硫酸製造工場の排ガス中のSO2 を所定温度において大
気圧近傍で吸着剤に吸着させ、吸着剤をより低圧で再生
するともに濃縮SO2 ガスを採取する方法が公知であ
る。この方法で採取された濃縮SO2 ガスからSO2 は
石膏として回収される。したがって、この方法では前述
した石膏回収法に伴う問題が派生する。
硫酸製造工場の排ガス中のSO2 を所定温度において大
気圧近傍で吸着剤に吸着させ、吸着剤をより低圧で再生
するともに濃縮SO2 ガスを採取する方法が公知であ
る。この方法で採取された濃縮SO2 ガスからSO2 は
石膏として回収される。したがって、この方法では前述
した石膏回収法に伴う問題が派生する。
【0008】現在広く採用されている二段式接触式硫酸
製造設備ではSO2 からSO3 への転化率を高めるため
に、SO2 含有ガスを処理するために転化器を多段に配
置することが行われている。また図2に示すように1基
の転化器1の中段から取り出したガスを第1吸収塔4で
処理して硫酸を得、SO3 を除去した処理ガスを再び転
化器1に戻し、その終段から取り出したガスを第2吸収
塔5で処理することも行われている。図中、3はブロワ
ー、2は五酸化バナジウムなどの触媒層である。しかし
これらの硫酸製造法では第1吸収塔4を中間に配置した
ことによって通ガス抵抗が高くなり、電力使用量が嵩
む。
製造設備ではSO2 からSO3 への転化率を高めるため
に、SO2 含有ガスを処理するために転化器を多段に配
置することが行われている。また図2に示すように1基
の転化器1の中段から取り出したガスを第1吸収塔4で
処理して硫酸を得、SO3 を除去した処理ガスを再び転
化器1に戻し、その終段から取り出したガスを第2吸収
塔5で処理することも行われている。図中、3はブロワ
ー、2は五酸化バナジウムなどの触媒層である。しかし
これらの硫酸製造法では第1吸収塔4を中間に配置した
ことによって通ガス抵抗が高くなり、電力使用量が嵩
む。
【0009】硫酸製造設備において電力使用量を削減す
るために、通ガス抵抗を少なくすることが望ましい。旧
式の1段接触式フローを採用していたが、転化率が低く
未転化のSO2 が吸収塔を通り抜けるので、電力使用量
は少ないが排ガス規制が厳しい現状には適用さないの
で、湿式排煙脱硫が行われている。
るために、通ガス抵抗を少なくすることが望ましい。旧
式の1段接触式フローを採用していたが、転化率が低く
未転化のSO2 が吸収塔を通り抜けるので、電力使用量
は少ないが排ガス規制が厳しい現状には適用さないの
で、湿式排煙脱硫が行われている。
【0010】
【発明が解決しようとるす課題】排ガス中のSO2を濃
縮して硫酸製造設備に戻す方式の硫酸製造法において
は、電力使用量を削減するために硫酸製造設備において
1段接触式フローを採用するとSO2からSO3への転化
率の低下が避けられず、未転化のSO2が吸収塔を通り
抜けるので、そのままでは大気に排ガスを放出すること
ができない。これを避けるために湿式脱硫処理が必要で
あり、そのため従来は運転コストの増大を招いた点に鑑
み、本発明は従来の方法に比べて運転コストが低い濃硫
酸製造方法に提供することを目的とする。
縮して硫酸製造設備に戻す方式の硫酸製造法において
は、電力使用量を削減するために硫酸製造設備において
1段接触式フローを採用するとSO2からSO3への転化
率の低下が避けられず、未転化のSO2が吸収塔を通り
抜けるので、そのままでは大気に排ガスを放出すること
ができない。これを避けるために湿式脱硫処理が必要で
あり、そのため従来は運転コストの増大を招いた点に鑑
み、本発明は従来の方法に比べて運転コストが低い濃硫
酸製造方法に提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前掲特開平
1−119328号公報に開示されたSO2の濃縮法を
利用する濃硫酸製造法につき研究した結果、接触式硫酸
製造装置により濃硫酸を製造する方法において、前記接
触式硫酸製造装置のSO2からSO3への転化器をその処
理ガス中に10体積%以下のSO2が含有されるよう
に、約95%以下50%以上の転化率で運転し、前記処
理ガスをSO2ガス濃縮装置に導入して処理して得た濃
縮SO2ガスを前記接触式硫酸製造装置にその原料ガス
の一部として導入する発明を完成した。
1−119328号公報に開示されたSO2の濃縮法を
利用する濃硫酸製造法につき研究した結果、接触式硫酸
製造装置により濃硫酸を製造する方法において、前記接
触式硫酸製造装置のSO2からSO3への転化器をその処
理ガス中に10体積%以下のSO2が含有されるよう
に、約95%以下50%以上の転化率で運転し、前記処
理ガスをSO2ガス濃縮装置に導入して処理して得た濃
縮SO2ガスを前記接触式硫酸製造装置にその原料ガス
の一部として導入する発明を完成した。
【0012】以下、本発明を具体的に説明する。SO2
濃縮法としては、活性炭などの吸着剤に吸着させたSO
2を、脱着温度で不活性ガスで吸着剤を再生するととも
に、濃縮SO2を回収する方法を採用することができ
る。しかしながら広範囲のSO2濃度範囲のガスを安定
して濃縮する観点から好ましい方法として圧力スイング
法(Pressure Swing Adsorption)を採用することが望
ましい。この方法は、特開平1−119328号に開示
されたように、大気圧近傍にあるSO2を吸着した吸着
剤からのSO2の脱着を0.05〜0.3atmで行
い、濃縮SO2含有ガスを回収する(以下、PSA法と
いう)。
濃縮法としては、活性炭などの吸着剤に吸着させたSO
2を、脱着温度で不活性ガスで吸着剤を再生するととも
に、濃縮SO2を回収する方法を採用することができ
る。しかしながら広範囲のSO2濃度範囲のガスを安定
して濃縮する観点から好ましい方法として圧力スイング
法(Pressure Swing Adsorption)を採用することが望
ましい。この方法は、特開平1−119328号に開示
されたように、大気圧近傍にあるSO2を吸着した吸着
剤からのSO2の脱着を0.05〜0.3atmで行
い、濃縮SO2含有ガスを回収する(以下、PSA法と
いう)。
【0013】図5はγ−アルミナを使用したPSA法に
よる濃縮の効果を示すグラフであり、横軸はPSA装置
の入口のSO2 濃度(%)を縦軸は次式: 濃縮率=回収ガス中のSO2 濃度/入口ガス中のSO2
濃度 で表される濃縮倍数である。図6もPSA法による濃縮
の効果を示すグラフであり、横軸はPSA装置の入口ガ
スの温度であり、縦軸は濃縮率である。これらのグラフ
よりPSA装置の広範囲のSO2 濃度範囲及び温度範囲
にわたって安定した濃縮効果が得られることが分かる。
また入口ガスのSO2 濃度が1%程度であれば、1段の
PSA処理によりSO3 への転化に適するSO2 濃縮ガ
スが得られるが、それより低SO2 濃度では2段のPS
A処理を行うことが必要である。
よる濃縮の効果を示すグラフであり、横軸はPSA装置
の入口のSO2 濃度(%)を縦軸は次式: 濃縮率=回収ガス中のSO2 濃度/入口ガス中のSO2
濃度 で表される濃縮倍数である。図6もPSA法による濃縮
の効果を示すグラフであり、横軸はPSA装置の入口ガ
スの温度であり、縦軸は濃縮率である。これらのグラフ
よりPSA装置の広範囲のSO2 濃度範囲及び温度範囲
にわたって安定した濃縮効果が得られることが分かる。
また入口ガスのSO2 濃度が1%程度であれば、1段の
PSA処理によりSO3 への転化に適するSO2 濃縮ガ
スが得られるが、それより低SO2 濃度では2段のPS
A処理を行うことが必要である。
【0014】吸着剤としてはγ−アルミナ、シリカゲ
ル、シリカライトを使用することができるが、γ−アル
ミナ、シリカライトが吸着力の面から好ましく使用され
る。その他の吸着剤並びに吸着及び脱着条件は特開平1
−119328号に記載されているところによる。
ル、シリカライトを使用することができるが、γ−アル
ミナ、シリカライトが吸着力の面から好ましく使用され
る。その他の吸着剤並びに吸着及び脱着条件は特開平1
−119328号に記載されているところによる。
【0015】
【0016】本発明のおいては、SO2からSO3への転
化器における転化率(出口ガス中におけるSO3量/入
口ガス中のSO2量―百分率)を約95%以下50%以
上とする。前記の範囲であれば後工程でのガス濃縮装置
での処理が可能なためである。これは従来の転化器にお
いて2段接触方式(図2参照)を1段接触方式に変更す
ることにより可能とした。このような低い転化率で転化
を行うことは一見以上と見えるが、これにより通風抵抗
の減少が図られ、一塔当たりのガス量が増大し、電力の
大幅削減が可能になったのである。
化器における転化率(出口ガス中におけるSO3量/入
口ガス中のSO2量―百分率)を約95%以下50%以
上とする。前記の範囲であれば後工程でのガス濃縮装置
での処理が可能なためである。これは従来の転化器にお
いて2段接触方式(図2参照)を1段接触方式に変更す
ることにより可能とした。このような低い転化率で転化
を行うことは一見以上と見えるが、これにより通風抵抗
の減少が図られ、一塔当たりのガス量が増大し、電力の
大幅削減が可能になったのである。
【0017】転化処理されたSO2+SO3含有ガスは続
いて吸収塔で処理され、SO3は硫酸として回収される
が、転化されなかったSO2は吸収塔を通過する。一般
にこのガス中のSO2濃度は0.1〜5体積%の範囲内
であり、SO3濃度は数10ppm以下である。本発明
の方法ではかかるSO2含有ガスを濃縮してから原料ガ
スの一部として混合し、再び転化器に送る。このように
未転化のSO2を繰り返して濃縮して転化器に戻すこと
により効率的に濃硫酸を製造することができ、かつ最終
的転化率99.9%は確保できる。
いて吸収塔で処理され、SO3は硫酸として回収される
が、転化されなかったSO2は吸収塔を通過する。一般
にこのガス中のSO2濃度は0.1〜5体積%の範囲内
であり、SO3濃度は数10ppm以下である。本発明
の方法ではかかるSO2含有ガスを濃縮してから原料ガ
スの一部として混合し、再び転化器に送る。このように
未転化のSO2を繰り返して濃縮して転化器に戻すこと
により効率的に濃硫酸を製造することができ、かつ最終
的転化率99.9%は確保できる。
【0018】
【0019】従来法では硫酸製造設備からのSO2含有
排ガス石膏などの副産物を伴う湿式法などにより処理を
してSO2を除去してから大気に放出していたのに対し
て、本発明の方法ではSO2含有ガスを濃縮してから再
び転化器に送るので高価な製品として回収することがで
きる。また前掲特開昭63−256121号の方法では
硫酸製造設備からの排ガスに脱SO3とSO2濃縮処理を
別々の塔で施し、また脱SO3処理ガスの一部には水ま
たは水蒸気転化により脱SO2処理を施し残部は濃縮S
O2ガスとして硫酸製造設備に戻している。これに対し
て本発明の方法では、脱SO3処理及び水添加は施さ
ず、また回収SO2含有ガス全量を転化器に戻している
ために、設備の構成が簡単でありかつ増産が容易にでき
る。以下本発明の好ましい実施形態を示し、本発明を更
に詳しく説明する。
排ガス石膏などの副産物を伴う湿式法などにより処理を
してSO2を除去してから大気に放出していたのに対し
て、本発明の方法ではSO2含有ガスを濃縮してから再
び転化器に送るので高価な製品として回収することがで
きる。また前掲特開昭63−256121号の方法では
硫酸製造設備からの排ガスに脱SO3とSO2濃縮処理を
別々の塔で施し、また脱SO3処理ガスの一部には水ま
たは水蒸気転化により脱SO2処理を施し残部は濃縮S
O2ガスとして硫酸製造設備に戻している。これに対し
て本発明の方法では、脱SO3処理及び水添加は施さ
ず、また回収SO2含有ガス全量を転化器に戻している
ために、設備の構成が簡単でありかつ増産が容易にでき
る。以下本発明の好ましい実施形態を示し、本発明を更
に詳しく説明する。
【0020】
【実施例】PSA装置として以下の使用のものが好まし
い。 吸着剤:γ―アルミナ 吸着塔:吸着剤1kg/塔を直列2段に配列 処理ガス流量:3Nm3/hr(平均)
い。 吸着剤:γ―アルミナ 吸着塔:吸着剤1kg/塔を直列2段に配列 処理ガス流量:3Nm3/hr(平均)
【0020】実施例1(第1発明の実施例) 図3に銅転炉漏洩排ガスから濃硫酸を製造するフローを
示す。図中の参照符号は図2と同一数字は同一装置を示
す。また、10はPSA装置を示す。SO2 濃度が30
0〜3000ppmのの銅転炉排ガスをPSA装置10
(入口のガス温度=約50°C)により処理することに
より、濃縮率=20〜200倍でSO2が濃縮される。
この濃縮ガスを通常の接触触媒式転化器1(4段の触媒
層2を備える)で処理することによりSO3 濃縮ガスが
得られ、これを吸収塔4で処理することにより濃度が9
5〜99wt%の濃硫酸が得られる。吸収塔4の排ガス
は大気に放出する。
示す。図中の参照符号は図2と同一数字は同一装置を示
す。また、10はPSA装置を示す。SO2 濃度が30
0〜3000ppmのの銅転炉排ガスをPSA装置10
(入口のガス温度=約50°C)により処理することに
より、濃縮率=20〜200倍でSO2が濃縮される。
この濃縮ガスを通常の接触触媒式転化器1(4段の触媒
層2を備える)で処理することによりSO3 濃縮ガスが
得られ、これを吸収塔4で処理することにより濃度が9
5〜99wt%の濃硫酸が得られる。吸収塔4の排ガス
は大気に放出する。
【0021】実施例1 図1に硫酸製造プラントからの実排ガスからSO2を回
収して濃硫酸を製造するフロー図を示す。図中の参照符
号は図2、図3、図4と同一数字は同一装置を示す。硫
酸製造設備の排ガスと本設備によるPSA濃縮装置によ
る濃縮ガスの混合ガス(SO2濃度=8〜10体積%)
を通常の触媒接触式転化器1(4段の転化触媒層2を備
える、入口のガス温度=40〜50℃)により一段処理
することにより、転化率=95%程度でSO2がSO3に
転化される。この転化ガスを吸収塔4で処理することに
より濃度が95〜99wt%の濃硫酸が得られる。吸収
塔4の排ガスは0.5〜1.5体積%のSO2を含有し
ており、出口温度は65〜75℃である。このSO2含
有ガスを回収してPSA装置10で処理することによ
り、約10倍の濃縮率で濃縮する。かくして濃縮された
SO2含有ガスを生成SO2ガスと混合して再び転化器1
で処理する。以上の設備によると、PSA装置駆動用電
力が必要になるが、転化器1における通風抵抗の大幅低
減により合計した電力の消費量は削減される。月算7.
5万トンの硫酸を製造する設備における計算では12k
WH/ton(硫酸)の電力の節減となった。
収して濃硫酸を製造するフロー図を示す。図中の参照符
号は図2、図3、図4と同一数字は同一装置を示す。硫
酸製造設備の排ガスと本設備によるPSA濃縮装置によ
る濃縮ガスの混合ガス(SO2濃度=8〜10体積%)
を通常の触媒接触式転化器1(4段の転化触媒層2を備
える、入口のガス温度=40〜50℃)により一段処理
することにより、転化率=95%程度でSO2がSO3に
転化される。この転化ガスを吸収塔4で処理することに
より濃度が95〜99wt%の濃硫酸が得られる。吸収
塔4の排ガスは0.5〜1.5体積%のSO2を含有し
ており、出口温度は65〜75℃である。このSO2含
有ガスを回収してPSA装置10で処理することによ
り、約10倍の濃縮率で濃縮する。かくして濃縮された
SO2含有ガスを生成SO2ガスと混合して再び転化器1
で処理する。以上の設備によると、PSA装置駆動用電
力が必要になるが、転化器1における通風抵抗の大幅低
減により合計した電力の消費量は削減される。月算7.
5万トンの硫酸を製造する設備における計算では12k
WH/ton(硫酸)の電力の節減となった。
【0022】実施例2 図4に硫酸製造プラントからの実排ガスからSO2を回
収して濃硫酸を製造するフロー図を示す。このフローは
図1の転化器1を2段の転化触媒層2をもつ転化器1
a、1bに分け、前段1aと後段1bのそれぞれに、実
施例1で説明した混合ガスを供給すると共に、前段への
供給ガス及び後段への供給ガスをそれぞれ別に取り出す
ように構成し、加えて吸収塔4a、4bもそれぞれの転
化ガス専用に構成したものである。
収して濃硫酸を製造するフロー図を示す。このフローは
図1の転化器1を2段の転化触媒層2をもつ転化器1
a、1bに分け、前段1aと後段1bのそれぞれに、実
施例1で説明した混合ガスを供給すると共に、前段への
供給ガス及び後段への供給ガスをそれぞれ別に取り出す
ように構成し、加えて吸収塔4a、4bもそれぞれの転
化ガス専用に構成したものである。
【0023】図4の装置では転化率は80〜90%とな
り、参考例4より短くなるとともに、通風量は実施例1
の2倍になる。また吸収塔出口のSO2濃度は1〜2%
であり、出口温度は80〜90℃である。
り、参考例4より短くなるとともに、通風量は実施例1
の2倍になる。また吸収塔出口のSO2濃度は1〜2%
であり、出口温度は80〜90℃である。
【0024】参考例1 図3に銅転炉漏洩排ガスから濃硫酸を製造するフローを
示す。図中の参照符号は図2と同一数字は同一装置を示
す。また、10はPSA装置を示す。SO2濃度が30
0〜3000ppmの銅転炉排ガスをPSA装置10
(入口のガス温度=約50℃)により処理することによ
り、濃縮率=20〜200倍でSO2が濃縮される。こ
の濃縮ガスを通常の接触触媒式転化器1(4段の触媒層
2を備える)で処理することによりSO3濃縮ガスが得
られ、これを吸収塔4の排ガスは大気に放出する。
示す。図中の参照符号は図2と同一数字は同一装置を示
す。また、10はPSA装置を示す。SO2濃度が30
0〜3000ppmの銅転炉排ガスをPSA装置10
(入口のガス温度=約50℃)により処理することによ
り、濃縮率=20〜200倍でSO2が濃縮される。こ
の濃縮ガスを通常の接触触媒式転化器1(4段の触媒層
2を備える)で処理することによりSO3濃縮ガスが得
られ、これを吸収塔4の排ガスは大気に放出する。
【0025】本発明においては、転化器における転化率
を低く抑えることにより、電力使用量を削減するととも
に、未転化SO2を濃縮後再転化することにより高効率
で濃硫酸を製造することができる。さらに濃縮にPSA
装置を使用すると広範囲のSO2濃度及び温度において
SO2を効率的に吸着することができるので、濃硫酸製
造工程排ガスのSO2濃度の大きな変動に対処すること
ができる。
を低く抑えることにより、電力使用量を削減するととも
に、未転化SO2を濃縮後再転化することにより高効率
で濃硫酸を製造することができる。さらに濃縮にPSA
装置を使用すると広範囲のSO2濃度及び温度において
SO2を効率的に吸着することができるので、濃硫酸製
造工程排ガスのSO2濃度の大きな変動に対処すること
ができる。
【図1】本発明の実施例により転化器後にSO2濃縮装
置を配置した濃硫酸製造フローを示す図である。
置を配置した濃硫酸製造フローを示す図である。
【図2】従来の2段接触式硫酸製造フローを示す図であ
る。
る。
【図3】非鉄治金炉のSO2含有排ガスを濃縮して濃硫
酸を製造するフローを示す図である。
酸を製造するフローを示す図である。
【図4】本発明の実施例により転化器後にSO2濃縮装
置を配置し、吸収塔を2分割した濃硫酸製造フローを示
す図である。
置を配置し、吸収塔を2分割した濃硫酸製造フローを示
す図である。
【図5】PSA装置の入口SO2濃度と濃縮率の関係を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図6】PSA装置において処理されるSO2含有ガス
の温度と濃縮率の関係を示すグラフである。
の温度と濃縮率の関係を示すグラフである。
1 転化器 2 酸化触媒層 3 ブロワー 4 吸収塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C01B 17/74 (72)発明者 矢部 彰二 大分県北海部郡佐賀関製錬所町大字関3 の3382番地 日本鉱業株式会社佐賀関製 錬所内 (72)発明者 森本 敬 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 八巻 徹夫 大分県北海部郡佐賀関製錬所町大字関3 の3382番地 日本鉱業株式会社佐賀関製 錬所内 (72)発明者 泉 順 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 荒木 公一 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (56)参考文献 特公 昭50−12400(JP,B1) 特公 昭46−14806(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/50 B01D 53/34 B01D 53/81 B01D 53/86 B01J 23/22 C01B 17/74
Claims (1)
- 【請求項1】 接触式硫酸製造装置により濃硫酸を製造
する方法において、前記接触式硫酸製造装置のSO2か
らSO3への転化器をその処理ガス中に10体積%以下
のSO2が含有されるように約95%以下50%以上の
低転化率で運転し、前記処理ガスをSO2ガス濃縮装置
に導入して処理して得た濃縮SO2ガスを前記接触式硫
酸製造装置にその原料ガスの一部として導入することを
特徴とする濃硫酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25414491A JP3272379B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 濃硫酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25414491A JP3272379B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 濃硫酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06210127A JPH06210127A (ja) | 1994-08-02 |
JP3272379B2 true JP3272379B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=17260837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25414491A Expired - Fee Related JP3272379B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 濃硫酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3272379B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6583491B1 (ja) | 2018-07-02 | 2019-10-02 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP7041083B2 (ja) * | 2019-01-15 | 2022-03-23 | トヨタ自動車株式会社 | So2ガスの処理方法 |
-
1991
- 1991-09-06 JP JP25414491A patent/JP3272379B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06210127A (ja) | 1994-08-02 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |