JP3271331B2 - メロディ分析装置 - Google Patents

メロディ分析装置

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JP3271331B2
JP3271331B2 JP29926792A JP29926792A JP3271331B2 JP 3271331 B2 JP3271331 B2 JP 3271331B2 JP 29926792 A JP29926792 A JP 29926792A JP 29926792 A JP29926792 A JP 29926792A JP 3271331 B2 JP3271331 B2 JP 3271331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は音楽装置に関し、特に
与えられたメロディを調性分析するメロディ分析装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】メロディの調を判定するメロディ分析装
置は既に知られている。この種のメロディ分析装置はメ
ロディに自動伴奏をつける自動伴奏装置にしばしば利用
される。代表的な従来のメロディ分析装置は、メロディ
に含まれる音の集合を主音が異なるスケールのピッチク
ラスセット(PCS)とマッチングすることによりメロ
ディの調を判定する。また、メロディの最後の音を手掛
りにしてメロディの調を判定するメロディ分析装置も知
られている。しかし、いずれの従来のメロディ分析装置
も、与えられたメロディは転調(調の変化)を含んでい
ないことを前提にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来のメ
ロディ分析装置では、途中で転調しているメロディに対
しては、メロディの一部について正しくない調を判定す
ることとなり、満足のいく調性分析を行い得なかった。
したがって、この発明の目的は転調を含むメロディにも
対応できるメロディ分析装置を提供することである。更
に、この発明の目的はメロディに含まれる転調を検出可
能なメロディ分析装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、一連
の音符列からなるメロデイを付与するメロデイ付与手段
と、前記メロデイを構成する各音符を検査し、特定の音
符が存在するか否かを検出する特定音符検出手段と、前
記特定音符検出手段により検出された特定音符のメロデ
イ上の位置に基づいて、前記メロデイを複数の楽節に分
割するメロデイ分割手段と、分割された各楽節の調を判
定する楽節別調判定手段と、を有することを特徴とする
メロデイ分析装置が提供できる。
【0005】この構成によれば、メロディ分析手段の作
用により、分割された個々のメロディ部分(楽節)に
は、転調が含まれないようにすることが可能となる。例
えば、4番目の楽節までC調で、5番目と6番目はF調
で、7番目と8番目の楽節でC調に戻るメロディの場
合、メロディ全体としては転調を含むが、個々の楽節内
部では調は変わっていない。したがって、楽節別調判定
手段により、個々の楽節の調を判定することにより、メ
ロディの調の進行を正確に分析することができる。ま
た、運悪く、楽節の内部で突然の転調があるような場合
でも、調を誤って判定するメロディ部分の範囲を従来よ
り小さくすることができる。
【0006】メロデイ付与手段は、実時間でメロデイの
データを入力する鍵盤手段と、入力されたメロデイのデ
ータを記憶するメロデイ記憶手段とで構成することがで
きる。これにより、ユーザーは、メロデイ分析装置に分
析させるメロデイを手軽に入力することができる。
【0007】特定音符検出手段は、例えば、特定の音符
として、メロデイを構成する一連の音符列の中から楽節
終了音符が存在するか否かを検出する手段を含み得る。
更に、特定音符検出手段は、特定の音符として、例え
ば、メロデイの先頭に1小節の半分以上の長さの休符が
存在するか否かを検出する手段を含み得る。
【0008】楽節別調判定手段は楽節のモーション(フ
レーズの動き、流れ)を分析するモーション分析手段
と、分析したモーションに基づいて楽節の主音を判定す
る主音判定手段とを有し得る。主音判定手段は、複数の
主音候補を生成する手段を含み得る。これは、音楽にお
いて複数の調の可能性をもつメロディが存在し得ること
を考慮したものである。これにより、柔軟性のあるメロ
ディ分析が達成できる。また、楽節別調判定手段は、現
楽節の調が前楽節の調と同じかどうかを検査する調維持
検査手段を含み得る。これは、音楽において調が維持さ
れる傾向に従うものである。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を更に詳細に
説明する。図1はこの発明によるメロディ分析装置を組
み込んだ音楽装置の機能ブロック図である。2は与えら
れたメロディを表わす。メロディ分割部4は、この与え
られたメロディ2を参照番号6で示す楽節1〜楽節nの
ように、複数の分割メロディ(楽節)に分割する。調性
分析部8は各楽節の調を判定する。要素4〜8によりメ
ロディ分析装置が提供される。図1に示す音楽装置の全
体の目的は、与えられたメロディに対し、和音(コード
進行)付けを行うことである。
【0010】この実施例の特徴に従い、音楽装置は、与
えられたメロディ2の各部分に対して1つずつコードを
付けるのでなく、楽節を単位として、各楽節に適したコ
ード進行を割り当て、決定する。このために、コード進
行データベース(CPDB)12が設けられる。コード
進行データベースは種々の音楽スタイルのコード進行の
データベースを記憶する。10は指定された音楽スタイ
ル(リズムスタイル)を表わす。属性テスト部14は、
指定リズムスタイルと、楽節の長さに適合するコード進
行(CP)をCPDB12のなかから検索する。CPD
B12に記憶されるコード進行はいずれも基準の調で書
かれている。そこで、移調部16は検索されたコード進
行を調性分析部8から与えられる楽節の調に移調する
【0011】モーション分類部18と音種分類部20は
分割メロディ(楽節)の各音符の意味付けを行う。モー
ション分類部18は、隣り合う音符の音高差(音程)の
大きさに従って、音符間のモーションを分類する。音種
分類部20は調性分析部8から与えられる楽節の調とC
PDB12から検索されたコード進行(楽節のコード進
行の候補)の情報を基にして楽節の各音符の音種を分類
する。
【0012】メロディパターンルールベース(MPR
B)22は、個々の音楽スタイルで使用されるメロディ
パターンのルールベースを記憶する。マッチング部24
は、モーション分類部18と音種分類部20から与えら
れる各音符の分類データを受け、その分類データが、指
定されたスタイル10のメロディパターンに従うかどう
かを検査する。このために、マッチング部24はMPR
B22から指定されたリズムスタイル10のメロディパ
ターンを検索し、それを分類データと照合する。マッチ
ングの結果、メロディパターンのルールに従う楽節の音
符にはパターン適合のラベルが付けられる。
【0013】音種分類部20による音種の分類は検索し
たコード進行に依存する。したがって、検索したコード
進行が楽節に合わない場合には、メロディパターンのル
ールに従わない音符が多くなる。いいかえると、パター
ン適合のラベルが付いた音符の割合は、検索したコード
進行が楽節に対しどの程度、適合するかを表わすCP適
合度の尺度である。同様に、音種分類部20の結果は調
性分析部8で判定した楽節の調にも依存する。つまり、
調性分析部8が判定した調が誤っている場合には、パタ
ーン適合のラベルが付いた音符の割合は少なくなる。
【0014】したがって、調性分析部8としては、楽節
がとり得る複数の調の可能性を考慮して、複数の調を楽
節の調の候補として判定できることがのぞましい。適合
度評価部26は、マッチング部24の結果を受けて楽節
の音符のなかでパターン適合のラベルが付いた音符の割
合を算出してコード進行の適合度を評価する。
【0015】決定部28はCPDB12から検索したコ
ード進行のなかで最も適合度の高いコード進行を楽節の
コード進行として決定する。決定したコード進行を参照
番号30に示す。「決定CP1」は「楽節1」のコード
進行、……「決定CPn」は「楽節n」に対するコード
進行を表わしている。以上の説明からわかるように、メ
ロディ分割部4は、楽節の調性分析部8と組み合わせに
よって、メロディに含まれる転調の検出を可能とするも
のである。
【0016】また、メロディ分割部4の結果である各楽
節にCPDB12からのコード進行(意味的にまとまっ
たコードのパターン)を割り当てることにより、従来の
ように1つずつコードをメロディの各部に割り当てる方
式では得られない、和音付けが可能である。
【0017】図2は実施例に係る音楽装置(ここでは電
子鍵盤楽器を構成している)のハード構成のブロック図
である。CPU40はプログラムROM50に記憶され
るプログラムに従って動作してシステム全体を制御す
る。鍵盤60は通常の電子鍵盤楽器に使用される鍵盤と
同様の構成であり、音楽の演奏に使用される。操作パネ
ル70には、リズム(伴奏)スタイルを指定するための
リズム選択キー71、演奏速度を指定するテンポボリウ
ム72、メロディの分割位置を指示入力するためのフィ
ルインキー73、鍵盤60で演奏するメロディを音楽装
置に記録することを要求するメロディ記録キー74、記
録の終了を指示するストップキー75、記録したメロデ
ィのアレンジ(和音付、伴奏付)を要求するためのアレ
ンジキー76、アレンジしたものの演奏を指示するプレ
イキー77、演奏の停止を指示するストップキー78、
その他、音楽装置の操作に必要なキー、スイッチ類が設
けられる。
【0018】データROM80は調性判定に使用される
音の結合度テーブル81、和音付けにおいて使用される
コード進行データベース(CPDB)82、コードとテ
ンションの標準ピッチクラスセット(PCS)メモリ8
3、メロディパターンルールベース(MPRB)84、
各種のスタイルのリズムパターンを記憶するリズムデー
タメモリ85、各種スタイルの伴奏パターンを記憶する
伴奏パターンデータメモリ86、その他、所要の固定デ
ータを記憶する。
【0019】RAM90は鍵盤60で演奏されたメロデ
ィ(入力メロディ)を記憶する入力メロディメモリ9
1、入力メロディを量子化(音符化)した量子化メロデ
ィを記憶する量子化メロディメモリ92、分割メロディ
(楽節)の音符の結合ヒストグラムメモリ93、各楽節
の主音の候補を記憶するためのキーエントリテーブル9
4、楽節の分類データを記憶する分類データメモリ9
5、コード進行の適合度を記憶するCP適合度メモリ9
6、各楽節のコード進行の候補を記憶するCPエントリ
テーブル97を含む。
【0020】表示装置100は操作パネル上に配置され
るLED群、液晶パネルを含む。音源110はCPU4
0の制御の下に楽音信号を発生する。サウンドシステム
120は、アンプ、スピーカを含み、楽音信号を外部に
出力する。
【0021】図3は鍵盤60から実時間で演奏されるメ
ロディをRAM90の入力メロディメモリ91に記録す
るルーチンのフローチャートである。メロディデータの
記録フォーマットを図4に示す。図示のように1つのメ
ロディデータは時間バイトTとコマンドバイトCDの2
バイトで構成される。時間バイトTはイベント間の時間
差を記憶する。コマンドバイトCDはイベントを記憶す
る。イベントには、鍵盤操作による押鍵(ノートオン)
イベントと離鍵(ノートオフ)イベント、フィルインキ
ー73操作によるフィルインイベント(CD=F0)、
タイムオーバーによるタイムオーバーイベント(F
E)、ストップキー75操作によるエンドイベント(F
F)がある。ノートオンとオフのイベントバイトのう
ち、下位5ビットはノートナンバー(音高)を表わす。
ビット6は“0”で、MSBはオンイベントなら
“0”、オフイベントなら“1”となる。
【0022】フィルインキー73はメロディの分割位置
を演奏者が指示入力するのに用いられる(なお、アレン
ジ演奏においては、フィルイン演奏を行うのに使用され
る)。メロディ記録キー74が押されると、CPU40
は図3に示す実時間メロディの記録ルーチンを実行す
る。初期化R1で入力メロディメモリ91の領域をRA
M90上に割り当て、長さカウンタLENGTHをクリ
アする。次にR2でリズムをスタートさせる。この結
果、図示しないリズム演奏ルーチンにより、リズムパタ
ーンデータメモリ84、音源110を介して指定スタイ
ルのリズムが演奏される。メロディ演奏者は、このよう
なリズムに合わせてメロディを演奏することになる。
【0023】キー走査R3で鍵盤60、フィルインキー
73、ストップキー75の状態を読み込む。計測単位時
間(テンポに依存する音楽分解能時間)の経過後(R
5)、R20でフィルインキー73が押されたかどうか
を調べ、押されていればR21〜R23に示すフィルイ
ンデータの書込処理(時間バイトTへの長さLENGT
Hの書込、コマンドバイトCDへのフィルインフラグの
書込、長さカウンタLENGTHのクリア)を行う。
【0024】続いて、R6で鍵状態の変化の有無を調べ
る。鍵状態が変化していれば、時間バイトTに長さLE
NGTHを書き込み(R7)、押鍵か離鍵かをチェック
する(R8)。押鍵なら、コマンドバイトCD中にノー
トオンフラグを書き込み(R10)、離鍵ならコマンド
バイトCD中にノートオフフラグを書き込み(R9)。
そして、コマンドバイトCD中に押鍵または離鍵にかか
るノートナンバーを書き込み(R11)、長さカウンタ
LENGTHをクリアする(R12)。その後、計測単
位時間の経過待ちループR3〜R5のエントリであるキ
ー走査R3に戻る。
【0025】鍵状態に変化がなければ、LENGTHが
255(FF)に達しているかどうかを調べ、255に
達してなければ、長さカウンタLENGTHをインクリ
メントして(R14)キー走査R3に戻る。達していれ
ば、時間バイトTに255を書き込み(R15)、コマ
ンドバイトCDにタイムオーバーフラグを書き込み(R
16)、LENGTHをクリアして(R17)、キー走
査R3に戻る。
【0026】メロディ演奏が終ったら演奏者はストップ
キー75を押す。これは、R4で検出される。これに対
し、時間バイトTにLENGTHを書き込み(R1
8)、コマンドバイトCDにエンドフラグを書き込んで
(R19)、実時間メロディの記録処理を終える。この
ようにして鍵盤60で演奏したメロディが入力メロディ
メモリ91に記録される。
【0027】次に、アレンジキー76を操作すると、入
力メロディメモリ91に記憶されたメロディに対するア
レンジ処理が実行される。アレンジ処理の前処理とし
て、入力メロディは量子化(音符化)され、量子化メロ
ディとして量子化メロディメモリ92に移される。
【0028】量子化メロディメモリ92のフォーマット
を図5に示す。図示のように、量子化メロディメモリ9
2において1つの音符レコードはピッチクラスバイト、
長さバイト、音高バイト、フラグバイトの4バイトで構
成される。ピッチクラスバイトは通常、音符(ノート)
のピッチクラス(C〜Bのいずれかを00〜CBで表わ
す)を表わす。値0Fのピッチクラスバイトは休符を表
わす。値0Eのピッチクラスバイトはタイを表わす。長
さバイトは音符の長さ(量子化した音符長)を表わす。
音高バイトは音符のピッチを表わす。フラグバイトは、
フィルインや楽節終了を示すフラグとして用いられる。
フィルインのみのときは80、楽節終了のみのときは0
1、両方あるときは81、いずれもないときは80の値
をとる。量子化処理を完了した段階では、楽節終了フラ
グを除く情報が量子化メロディメモリ92に記憶され
る。楽節終了フラグは後述するメロディ分割処理におい
て書き込まれる。楽節終了フラグから次の楽節終了フラ
グまでが分割メロディ(楽節)を表わす。
【0029】量子化処理の次に、メロディ全体に対する
調性判定処理が行われる。図6〜図8に調性判定処理ル
ーチンのフローを示す。調性判定処理ではメロディの各
音符についてそのまわりの音符との間で形成されるモー
ションを分析し、その分析結果に基づいて複数の主音候
補を生成する。モーションの分析のために図9に示すよ
うな結合度テーブル81が利用される。結合度テーブル
81は隣り合う2音間の結合度を2音間に形成される音
高差(音程)の関数として記憶している。
【0030】調性判定処理ルーチンの初期化D1で量子
化メロデイの先頭(最初の音符レコード)をロケート
し、キーエントリ94をクリアする。D2で現音符と前
後の音符の音高を読み、D3で現音符の音長LENを読
み、D4で現音符のピッチクラスPCを読む。そして、
D5で前音符と現音符との音高差(前音程)fを算出
し、D6で現音符次音符との音高差(後音程)tを算
出する。つづいて、D7で前音程fと後音程tにより結
合度テーブル81をルックアップして前結合度JOIN
T(f)と、後結合度1/JOINT(t)を得、これ
に、音長データLENを用いて、現音符の結合度CPL
を、 CPL=LEN×JOINT(f)/JOINT(t) 算出する。そしてこの結合度E、ヒストラムメモリ
93における現音符のピッチクラスに対する要素W(P
C)に加える。以上の処理を、メロデイのすべての音符
について繰り返し実行する(D8、D9)。この結果、
結合ヒストラムメモリ93には、メロデイの各ピッチ
クラスについて結合度の累算値が記憶される。
【0031】次に、結合ヒストラムメモリ93を利用
して、メロデイの第1の主音候補を決定する(D10〜
D15)。まず、D10でトニックのピッチクラスカウ
ンタiと最大値maxを“0”に初期化する。D11で
トニック(主音)をピッチクラスiとしたときのダイア
トニックスケールの評価値pointを次式に示すよう
に結合ヒストラムメモリ93を用いて算出する。 この評価値の算出はすべてのピッチクラスiのトニック
について行なわれる(D15、D16)。最も高い評価
値を与えたピッチクラスiをメロデイの第1の主音候補
keyとしてキーエントリ94内にストアする(D1
2、D13)。また、最大の評価値maxもストアする
(D14)。
【0032】次にD17〜D24において、最大の評価
値maxの90%以上の評価値を与えたピッチクラスに
ついても第2、第3……の主音候補cand key
[j]としてキーエントリ94内にストアする。メロデ
ィの全体に対する調性判定処理の結果は、後述する楽節
の調性判定処理において、最初と最後の楽節の調性判定
に利用される。なお、メロディの全体に対する調性判定
処理は、楽節の調性判定処理の前処理であり、所望であ
れば、省略することができる。メロディ全体の調性判定
処理の終了後、メロディを楽節に分割するメロディ分割
処理が行なわれる。
【0033】メロディ分割処理のフローを図10に示
す。このメロディ分割処理ルーチンは、(A)メロディ
がアウフタクト(auftact)で始まるかどうかを
検査する機能、(B)4小節のメロディ部分を楽節とし
て検出する機能、(C)メロディのなかから楽節終了音
符(ケーデンスノート)を検出する機能、(D)フィル
インフラグを楽節の分割ポイントとして解釈する機能、
を備えている。
【0034】例えば、図11の譜例(A)のメロディに
おける矢印151で示されるGの音符はアウフタクト音
符として検出される。その結果Gの音符の次の小節線1
52が第1楽節と第2楽節との分割点となる。また、譜
例(B)において、矢印153で示される音符C、矢印
155で示される音符Aはそれぞれケーデンスノートと
して検出される。その結果、ケーデンスノートCの次の
小節線154が第1と第2楽節との分割点となり、ケー
デンスノートAの次の小節線156が第2と第3楽節と
の分割点となる。いいかえると、第1小節が第1楽節、
第2と第3小節が第2楽節、第4小節以降が第3楽節と
なる。譜例(C)の場合、4小節の長さのメロディ部分
が検出され、小節線157が第1楽節と第2楽節との分
割ポイントとなる。
【0035】メロディ分割処理ルーチンの詳細を述べる
と、先ず初期化E1で量子化メロディの先頭をロケート
する。次にE2でメロディがアウフタクトで始まるかど
うかを判定する。これは、メロディの先頭の休符の長さ
で判定する。即ち、先頭の休符が1小節の半分以上あれ
ばアウフタクト開始メロディとして第1小節を第1楽節
として分割する(E9、E10)。
【0036】E3で楽節の長さカウンタall−len
を“0”に初期化し、ループE4〜E8のエントリE4
で音符長を読み、E5でそれをall−lenに足し込
む。音符が最初の音符でなければ(E6)、E7でal
l−lenが4小節を超えたかどうかを判定する。4小
節を超えていれば、E21で、p−len=4により、
楽節の長さとして4小節を設定する。E8ではケーデン
スノートかどうかを判定する。音符の長さ(ここでは、
音符から次の音符までの長さである。したがって音符の
次に休符がくる場合には休符の長さも加えたものにな
る。)が1小節の3/4以上であれば、ケーデンスノー
トと判定する。ケーデンスノートの検出に続く、E10
〜E13では、分割点を求めている。即ち、ケーデンス
ノートが終了する位置last−lenが小節内の半分
以上なら、その小節の終りをメロディの分割点として楽
節長p−lenを決め(E10、E13)、小節内の半
分以下で終っていればその小節より1つ前の小節の終り
をメロディ分割点として楽節長p−lenを定める(E
10)。
【0037】E14では、p−lenで示されるメロデ
イ部分内にフィルインがあるかどうかチェックする。フ
ィルインがあれば、フィルインフラグの位置に応じてメ
ロデイ分割点を決める。即ち、フィルインフラグが小節
の3/4以前に立っておれば、その小節より1つ前の小
節の小節の終りをメロデイの分割点として楽節長p−l
enを定め、小節の3/4以降に立っておれば、その小
節の終りをメロデイの分割点として楽節長p−lenを
定める。以上、フィルイン、ケーデンスノート、アウフ
タクト、または4小節の経過の検出に応じてメロデイ分
割点が決められる。そこで、E16ではメロデイ分割点
に相当する量子化メロデイメモリ92の位置に楽節終了
フラグを書込むことにより、その位置で楽節が終了する
ことを示す。
【0038】E17とE18は楽節の調性判定処理であ
る。E16までで現楽節が決まったので、E17では、
前楽節(ただし、現楽節が最初の楽節のときはメロディ
全体)の調性判定結果を参照して、現楽節の調がそれと
同一になるかどうかを調べる。これは、現楽節のピッチ
内容が前楽節(またはメロディ全体)の主音から始まる
ダイアトニックスケールのPCSに含まれるかどうかを
みることで行う。含まれていれば、現楽節に対するキー
エントリ(第1、第2……の主音候補のテーブル)を前
楽節(またはメロディ全体)のものと同一にする。含ま
れていなければ、E18で現楽節に対して調性判定を行
う。これは、メロディ全体について述べた調性判定処理
(図6〜図8)と同じ処理を現楽節に対して行うことに
より達せられる。E20でメロディが終ったかどうかを
調べ、終ってなければ、E2に戻って、次の楽節の決
定、及び調性分析を繰り返す。以上の処理により、メロ
ディは、複数の楽節に分割され、量子化メロディメモリ
92(図5)において各楽節の終了位置には楽節終了フ
ラグが立てられる。また、キーエントリテーブル94に
は各楽節の主音候補がエントリされる。
【0039】次にアレンジ処理は和音付(Melody Harm
onization)処理に進む。図12に和音付処理の概略フ
ローを示す。この処理の目的は各楽節に所望のコード進
行を割り当てることである。まず、初期化1(M1)で
量子化メロディ(既に楽節に分割されている)の最初の
楽節をロケートする。初期化2(M2)でCPDB82
の最初のコード進行をロケートし、キーエントリテーブ
ル94から最初の楽節の第1の主音(キー)候補を読み
込む。属性テストM3ではCPDB82から検索したコ
ード進行の属性(リズムスタイルと長さ)を検査する。
不合格(NG)ならCPDB82の次のコード進行(C
P)をロケートして(M8)、属性テストM3に戻る。
合格(OK)なら、モーション、音種分類M4に進む。
【0040】モーション、音種分類M4では現楽節の各
音符のモーションと音種を現主音候補と検索したコード
進行とに基づいて分類し、分類データ95を作成する。
マッチングM5では分類データ95をMPRB84に記
憶されるメロディパターンのルールによって検査し、メ
ロディパターンに適合する楽節の音符にパターン適合の
ラベルを付ける。判定M6では楽節の音符のなかでパタ
ーン適合のラベルが付いた音符の割合をCP適合度とし
て評価し、比較的高い適合度を与えたコード進行を楽節
のコード進行候補としてCPエントリテーブル97にス
トアする。
【0041】M7でCPDB82の終りでなければ、C
PDB中の次のコード進行をロケートし(M8)、M3
に戻る。ループM3〜M8は、キーエントリテーブル9
4内の主音候補を主音としたときの楽節について、CP
DB82の全てのコード進行を検査するまで繰り返され
る。次にM9でキーエントリテーブル94に現楽節の主
音候補が残っているかどうかを調べ、残っていれば、テ
ーブル94から次の主音候補を選び(M10)、再びC
PDB82の先頭をロケートし、ループ処理M3〜M8
に戻る。このようにして、現楽節のすべての主音候補に
ついて、CPDB82のすべてのコード進行を検査す
る。
【0042】M11で現楽節のコード進行を決定する。
これは、例えば、CPエントリテーブル97にエントリ
した現楽節のコード進行候補のなかで最も高いCP適合
度をもつコード進行を選択することで行える。なお、コ
ード進行の決定ないし選択は、後述するようにアレンジ
の演奏要求の都度、行うようにしてもよい。M12でコ
ード進行を割り当てるべき楽節が残っているかどうか調
べ、残っていれば、次楽節をロケートし(M13)、初
期化2(M2)に戻って処理を続ける。このようにして
和音付処理ルーチンは、量子化メロディメモリ92にあ
るすべての楽節に対して所望のコード進行を割り当て
る。
【0043】図13にコード進行データベース(CPD
B)82のフォーマットを示す。CPDB82におい
て、各コード進行のレコードは、属性としてのリズム属
性とコード進行の長さ、本体としてのコードデータの
列、及び終了マークから成る。各コードデータは、ルー
ト、タイプ及び長さの情報をもっている。図14にメロ
ディパターンルールベース(MPRB)84のフォーマ
ットを示す。MDRB84において各メロディパターン
のコードは、リズム属性、メロディパターンデータの
列、及び終了マークから成る。メロディパターンデータ
は音符の機能を表わしたものであり、音種とモーション
タイプから成る。
【0044】図15に属性テストM3(図12)のフロ
ーを示す。F1で指定リズムスタイルを読む。ここに指
定リズムスタイルとは実時間メロディの記録(図3)に
おいて鍵盤60でのメロディ演奏を助けるために自動演
奏されたリズムのスタイルである。F2でCPDB82
からコード進行(CP)を読み、F3でコード進行のリ
ズム属性を指定リズムと比較する。一致すれば、F4で
楽節の長さを読み、F5で楽節の長さをコード進行の長
さと比較する、一致すれば、属性テストルーチンM3は
OKを返す。そうでなければ属性テストルーチンM3に
NGを返す。このようにして属性テストルーチンM3
は、CPDB82から楽節の長さと指定リズムのスタイ
ルに合うコード進行を検索する。
【0045】モーション、音種分類ルーチンM4(図
4)のフローを図16と図17に示す。このルーチンの
目的は楽節の各音符の音種とモーションを分類すること
である。分類結果は、分類データメモリ95にストアさ
れる。分類データメモリ95において各音符のレコード
は、音種バイト、モーションタイプバイト、及びパター
ンマッチング用のフラグバイトの計3バイトで構成され
る。このうち、フラグバイトへのフラグ書込は後のマッ
チングルーチンM5で実行される。音種は背景である調
とコードとによって意味づけられる音符の種類を表わ
し、コードトーン、スケールノート、テンションノー
ト、アヴェイラブルノート、アボイドノートのなかから
選択される。モーションタイプは次音符への音高の変化
の仕方によって分類され、終了モーション、同音進行、
上行跳躍進行、下行跳躍進行、上行順次進行、下行順次
進行のなかから選択される。
【0046】詳細に述べると、まず、初期化G1で分類
データメモリ95のクリア、先頭のロケート、検索した
コード進行の先頭ロケート、量子化メロディメモリ92
における現楽節の最初の音符のロケート、コードとメロ
ディの長さアキュームレータのクリアを行う。G2でコ
ード進行から次コードを読み出すべきかどうかをチェッ
クする。これは、分類対象の現音符と時間的に対応する
コード進行内のコードを決めるためのチェックであり、
具体的にはコード進行の先頭からの長さのアキュームレ
ータ(コード長)と楽節の先頭からの長さのアキューム
レータ(メロディ長)とを比較することで行われる。コ
ード長>メロディ長でなくなったらG6に進む前に、コ
ード進行から次のコードを読み、そのコードを用いて、
標準PCSメモリ83から、コードトーンPCSとテン
ションノートPCSを読み、そのコードの長さをコード
長のアキュームレータに加える(G3〜G5)。
【0047】次にG6で現音符のピッチクラスPCを読
み、G7で現音符の長さを読み、G8でその長さをメロ
ディ長のアキュームレータに加える。次にPCが休符か
どうかを調べる(G9)。休符に対しては、分類処理は
行わないので、G35、G36を介して次音符をロケー
トし、G2に戻る。休符でなければ(音符なら)、現音
符のピッチクラスPC、現コードのルートROOT、現
主音候補KEYを用いて、 DROOT=(PC+24−KEY−ROOT)mod
12 DKEY=(PC+12−KEY)mod12 を求める(G10、G11)。
【0048】DROOTがコードトーンPCSの要素で
あれば現音符の音種(ノートタイプ)をコードトーンと
決定する(G12、G13)。DKEYがスケールノー
トPCS(主音Cのダイアトニックスケール)の要素で
あり(G14)、かつDROOTがテンションノートP
CSの要素であれば(G15)、音種をアヴェイラブル
ノートを決定する(G17)。DKEYがスケールノー
トPCSの要素であるがDROOTがテンションノート
PCSの要素でないなら、音種をスケールノートと決定
する(G19)。DKEYがスケールノートPCSには
含まれないがDROOTがテンションノートPCSの要
素であるなら(G16)、音種をテンションノートと決
定する(G18)。DKEYがスケールノートPCSの
要素でなく、またDROOTがテンションノートPCS
の要素でもないときは音種をアヴォイドノートと決定す
る(G20)。このようにして決定した音種を、分類デ
ータメモリ95の現音符レコードの音種バイトに書き込
む(G21)。
【0049】以上で現音符の音種分類処理が終了する。
次に現音符のモーションを分類する。即ち、現音符が楽
節の最終音符ならモーションタイプを終了モーションと
決定する(G22、G23)。最終音符でないなら、次
音符の音高NPと現音符の音高PPを読み現音符から次
音符への音高の変化幅(音程)NP−PPを算出する
(G24〜G26)。音程が“0”(同じ高さ)なら現
音符のモーションタイプを同音進行と決定する(G2
7)。音程が“1”か“2”(半音または全音の音高の
上昇)なら、モーションタイプを上行順次進行と決定す
る(G26、G28、G30)。音程が“2”より大き
いならモーションタイプを上行跳躍進行と決定する(G
26、G28、G29)。音程が“−1”か“−2”
(半音または全音の音高の下降)なら、モーションタイ
プを下行順次進行と決定する(G26、G31、G3
2)。音程が“−2”より小さい場合にはモーションタ
イプを下行跳躍進行と決定する(G26、G31、G3
3)。
【0050】このようにして決定したモーションタイプ
を、分類データメモリ95の現音符のモーションバイト
に書き込む(G34)。そして、G35で楽節の終りに
達したかどうかをチェックし、達してなければ、次音符
をロケートし(G36)、G2に戻って分類処理を続け
る。このようにして、分類データメモリ95には、楽節
のすべての音符について、音種とモーションの分類結果
が記録されることになる。図18と図19にマッチング
処理ルーチンM5のフローを示す。このルーチンでは、
分類データメモリ95に書き込まれた楽節の音符分類デ
ータがMPRB84にあるメロディパターンに合うかど
うかを調べ、メロディパターンに一致した音符のフラグ
バイトにパターン適合フラグを立てる。
【0051】初期化B1で分類データメモリ95の最初
の音符レコードをロケートする(ロケーション=LOC
1)。B2でMPRB84から指定リズムスタイルに属
する最初のメロディパターンをロケートする。B3でL
OC1が指す音符レコードの分類データを読む。楽節の
終り(B3で読んだデータ=終了マーク)でなく(B
4)、MPRB84の終りに達していなければ(B
5)、B6でLOC2にLOC1をセットする。これ
は、LOC1が指す分類データメモリ95上の音符をマ
ッチングのための先頭音符にすることを意味する。即
ち、以下ではこの先頭音符から始まる分類音符のパター
ンとMPRB84の各メロディパターンとの間で比較を
行う。即ち、B7でMPデータ(メロディパターンの音
符の音種とモーションタイプ)を読み、B8で分類デー
タ(分類音符の音種とモーションタイプ)を読む。音種
とモーションタイプの両方とも一致するなら(B9、B
11)、LOC2をインクリメントして次の分類音符を
ロケートし、検査しているメロディパターンの次の要素
をロケートし(B12)、B7に戻って両者の比較を続
ける。メロディパターンとの比較の途中で、音種、モー
ションタイプのどちらかでも不一致が検出されると、そ
のパターンは不適合とみて、MPRB84から指定リズ
ムに合う次のメロディパターンを検索し(B13)、B
5に戻る。
【0052】分類音符のパターンが検査したメロディパ
ターンに一致するときはB10でメロディパターンから
終了モーションが検出される。この場合、B14〜B1
6でLOC1〜LOC2までの分類音符のフラグバイト
にパターン適合フラグを立て、マッチングのための先頭
音符を次に進めて(B17)、B2に戻る。分類音符の
パターンがMPRB84のどのパターンとも一致しない
ときはB5でMPRBの終りが検出される。そこで、マ
ッチングのための先頭音符を次に進めて(B17)、B
2に戻る。このようにして、楽節のすべての音符をそれ
ぞれ先頭音符とみてMPRB84の各メロディパターン
とマッチングを行い、一致した音符群はパターン適合フ
ラグでラベル付けする。
【0053】判定ルーチンM8のフローを図20と図2
1に示す。このルーチンはマッチング処理ルーチンによ
りパターン適合のラベルが付いた音符の割合を求めて楽
節に対するコード進行の適合度を評価する。そして、比
較的高い適合度を示したコード進行をCPエントリテー
ブル97に楽節のコード進行候補として記録する。J1
で初期化(量子化メロディメモリ92の現楽節の先頭ロ
ケート、分類データメモリ95の先頭ロケート、CP適
合度J−POINTのクリア)を行い、J2で休符のた
めのJ−FLAGを立てる。J3で音符のピッチクラス
PCを読み、J4で音符の長さLENを読む。休符(P
C=“休符”)でなければ、即ち音符なら、その音符の
パターン適合フラグを分類データメモリ95から読み込
む(J5、J6)。そして、パターン適合フラグが立っ
ていれば(J7)、CP評価値J−POINTに音長L
ENを加え(J8)、J−FLAGを立てる(J9)。
パターン適合フラグが立ってなければJ−FLAGを下
げる(J10)。このJ−FLAGの立て、下げは、パ
ターン適合ラベルが付いた音符の次に休符がくる場合に
は、その休符を適合とみなし、パターン不適合のラベル
が付いた音符の次にくる休符は不適合とみなすためであ
る。即ち、休符を検出したときは(J5)、J−FLA
Gが立っている場合に限り、その休符の長さLENをC
P適合度J−POINTに加える(J11、J12)。
【0054】楽節の最後の音符に達してなければ(J1
3)、量子化メロディメモリ92にある楽節の次の音符
をロケートして(J14)、J3に戻る。楽節の最後の
音符にパターン適合フラグが付いていないときは(J1
3、J15)、その長さLENをCP適合度J−POI
NTから引く(J16)。これは、最後の音符が調性・
和音上、重要な音符であることを考慮したものである。
このようにして、CPDB82から検索したコード進行
のCP適合度が評価される。続いて、図21のフローに
従い、検査したコード進行を楽節のコード進行候補とし
てエントリするかどうかを決める。ここにCPエントリ
テーブル97は楽節別に用意される。図13では各楽節
のCPエントリ数を4としている(J17)。各エント
リのデータレコードはCP適合度ENTRY[i]、コ
ード進行のポインタCP[i]、及び主音KEY[i]
の3項目から成る。J18〜J23のループで現楽節の
CPエントリテーブルの要素を、検査したコード進行の
CP適合度が何番目になるかに従って、並びかえてい
る。J18においてJ−POINT>ENTRY[i]
が成立するときの(i+1)番目が、コード進行のCP
適合度の順位である。
【0055】そこで、J24〜J27において、その順
位のCPエントリレコードに、今回のコード進行のCP
適合度J−POINT、CPDB82における今回のコ
ード進行のロケーション、現在の主音候補を記録してい
る。和音付処理(図12)の完了によりアレンジキー7
6に対するメロディアレンジ処理が終了する。その後、
プレイキー77が押されると、音楽装置(図2)はアレ
ンジの内容を自動演奏する。即ち、量子化メロディメモ
リ92にあるメロディデータの再生によるメロディ演
奏、決定したコード進行と指定スタイルの伴奏パターン
データとに基づく伴奏パートの作成と演奏、及び指定ス
タイルのリズム演奏を行う。
【0056】プレイキー77によるアレンジ演奏の都
度、和音付(メロディに対するコード進行)に変化を付
けるようにすれば、聞き手であるユーザーは種々のアレ
ンジ演奏を楽しむことができ、望ましい。これは、例え
ば、プレイキー77の操作に応答して、CPエントリテ
ーブル97から各楽節のコード進行を乱数で、あるい
は、エントリ順に選ぶことで実現できる(この場合、図
12のM11は省略される)。別の例を図22にフロー
で示す。この例では、各楽節について、前回の伴奏に使
用したコード進行のCP適合度が100%(J−POI
NT/楽節長=1)なら、CPエントリテーブル97か
ら次のCPエントリを選択し、それを今回の伴奏で使用
し、前回選択したコード進行のCP適合度が100%に
満たないときは順位1位のCPエントリを選択する。な
お、最初のアレンジ演奏のときは各楽節とも順位1位の
CPエントリを用いる。
【0057】詳細に述べると、C1で演奏回数Mをイン
クリメントし、C2で最初の楽節をロケートする。C3
で現楽節のCPエントリテーブルから、適合度100%
のコード進行の候補数Aをカウントする。Aがエントリ
数(図21では4つ)ならそのまま、エントリ数より少
なければ、Aをプラス1する(C4、C5)。そして、
C6で、現楽節のCPエントリテーブルのMmodA番
目のCPエントリを選択し、そのコード進行と主音を演
奏用バッファ(図示せず)に書き込む。次に、次楽節を
ロケートし(CS)、以上のコード進行選択処理を、メ
ロディの全ての楽節について実行する(C7)。その
後、演奏用バッファに書かれた、各楽節のコード進行と
主音を用いて伴奏が行われる(図示せず)。常に満足の
いくアレンジ演奏を保証するために、CP適合度が10
0%に満たないコード進行をより高い適合度をもつよう
に修正する機能があると望ましい。
【0058】これは、例えば、図23に示すようなCP
合成ルーチンを設けることで実現できる。CP合成ルー
チンはS1でメロディの最初の楽節を現楽節としてロケ
ートする。S2で現楽節のCPエントリテーブルから適
当な方法(例えば、乱数、あるいは図21で述べた方
法)で1つのCPエントリを選ぶ。そのエントリのCP
適合度が100%なら(S3)、コード進行の修正なし
に処理を次楽節に進める(S16)。選んだCPエント
リの適合度が100%に満たなければ(S3)、S4に
進み、エントリのコード進行CP(i)の最初の小節を
K小節としてロケートする。S5でコード進行CP
(i)のK小節の適合度を評価し、100%なら(S
6)K小節を次小節に進める(S14)。
【0059】コード進行CP(i)のK小節の適合度が
100%に満たないときは、CPDB82にある、現楽
節長の長さで指定スタイルのコード進行DBのなかか
ら、K小節の適合度が100%となるコード進行CPを
捜し出し、そのLPのK小節の内容にコード進行CP
(i)のK小節を書きかえる(S6〜S12)。即ち、
CPDB12から現楽節長と長さが一致し、指定リズム
スタイルの属性のもつ最初のCPをロケート(S7)
し、そのK小節の適合度を評価し(S8)、100%な
らCP(i)のK小節=CPのK小節によりコード進行
CP(i)を修正する(S9、S12)。CPのK小節
の適合度が100%に満たなければ(S9)、CPDB
82から指定スタイル、現楽節の条件を満たす次のCP
をロケートし(S10)、S11を介してS5に戻る。
CPDB中に、K小節の適合度が100%のCPがなけ
れば(S11)、コード進行CP(i)のK小節は変更
せずに、次小節に進む(S14)。
【0060】この代りに、CP(i)のK小節を指定条
件(指定スタイル、楽節長)のCPDBのなかでK小節
の適合度が最も高いCPのK小節に差し替えるようにし
てもよい。以上の処理をコード進行CP(i)のすべて
の小節について行う(S13)。S15ですべての楽節
のコード進行の修正ないし合成処理が完了したかどうか
調べ、終ってなければ、現楽節を次楽節に進めて(S1
6)、処理を繰り返す。このようなCP合成処理は結果
として、CPDB82の仮想空間を拡大するものであ
る。また、従来の再和音付け技術のように、単にコード
を格別の音楽的な根拠なしに代理コードのような別のコ
ードに変更するのではなく、CPDB82に置かれ、ス
タイル属性と長さが同じコード進行同士を、適合度を合
成基準とし、かつ音楽的な時間対応をとって合成してい
る。したがって合成後のコード進行の自然さを保つもの
である。以上で実施例の説明を終えるがこの発明の範囲
内で種々の変更が可能である。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細に述べたように、この発明の
メロディ分析装置は与えられたメロディを音楽的に意味
をもつ構成単位である楽節に分割し、楽節ごとに調性を
判定している。したがって、メロディに内在する転調
(調の変化)を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のメロディ分析装置を組み込んだ音楽
装置の機能ブロック図。
【図2】実施例の音楽装置のハードウェア構成のブロッ
ク図。
【図3】実時間入力メロディの記録処理のフローチャー
ト。
【図4】入力メロディデータの記録フォーマットを示す
図。
【図5】量子化メロディデータのデータフォーマットを
示す図。
【図6】調性判定処理の一部のフローチャート。
【図7】調性判定処理の一部のフローチャート。
【図8】調性判定処理の一部のフローチャート。
【図9】結合度テーブルのデータを示す図。
【図10】メロディ分割処理のフローチャート。
【図11】メロディ分割の譜例を示す図。
【図12】和音付処理のフローチャート。
【図13】コード進行データベースのフォーマットを示
す図。
【図14】メロディパターンルールベースのフォーマッ
トを示す図。
【図15】属性テストのフローチャート。
【図16】モーション、音種分類処理の一部を示すフロ
ーチャート。
【図17】モーション、音種分類処理の一部を示すフロ
ーチャート。
【図18】マッチング処理の一部を示すフローチャー
ト。
【図19】マッチング処理の一部を示すフローチャー
ト。
【図20】判定処理の一部を示すフローチャート。
【図21】判定処理の一部を示すフローチャート。
【図22】コード進行選択処理のフローチャート。
【図23】コード進行合成処理のフローチャート。
【符号の説明】
2 メロディ 4 メロディ分割 6 楽節 8 調性分析

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一連の音符列からなるメロデイを付
    与するメロデイ付与手段と、 (B)前記メロデイを構成する各音符を検査し、特定の
    音符が存在するか否かを検出する特定音符検出手段と、 (C)前記特定音符検出手段により検出された特定音符
    のメロデイ上の位置に基づいて、前記メロデイを複数の
    楽節に分割するメロデイ分割手段と、 (D)分割された各楽節の調を判定する楽節別調判定手
    段と、 を有することを特徴とするメロデイ分析装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のメロデイ分析装置におい
    て、前記特定音符検出手段は、特定の音符として、前記
    メロデイを構成する一連の音符列の中から楽節終了音符
    が存在するか否かを検出することを特徴とするメロデイ
    分析装置。
  3. 【請求項3】請求項1のメロデイ分析装置において、
    記特定音符検出手段は、特定の音符として、前記メロデ
    イの先頭に1小節の半分以上の長さの休符が存在するか
    否かを検出することを特徴とするメロデイ分析装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のメロデイ分析装置におい
    て、前記楽節別調判定手段は、 (A)楽節のモーションを分析するモーション分析手段
    と、 (B)前記モーション分析手段の分析したモーションに
    基づいて楽節の主音を判定する主音判定手段と、を有する ことを特徴とするメロデイ分析装置。
  5. 【請求項5】請求項記載のメロデイ分析装置におい
    て、前記主音判定手段は複数の異なる主音候補を生成す
    る手段を含むことを特徴とするメロデイ分析装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載のメロデイ分析装置におい
    て、前記楽節別調判定手段は、現楽節の調が前楽節の調
    と同じかどうかを検査する調維持検査手段を含むことを
    特徴とするメロデイ分析装置。
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