JP3270893B2 - セラミックと金属の結合構造 - Google Patents

セラミックと金属の結合構造

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、セラミックロータの軸を金属材の嵌合孔に
嵌合・固定する結合構造に関する。
[従来の技術] 従来、この種の結合構造は、特開昭59−21583号公
報、特開昭62−148701号公報等に見られるように、圧入
焼きばめ等により嵌合・固定させたセラミックロータの
軸と金属材の嵌合孔との間に、黒鉛,二硫化モリブデン
等の滑材や低融点材料を介在させている。
そして、ターボチャージャやガスタービン等のセラミ
ックロータと、これを固定するための金属スリーブとの
関係において多用され、高温環境下での強固なセラミッ
クロータの保持を図っている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の結合構造でも十分でなく、
次のような問題が指摘されている。
セラミックロータと金属スリーブとの結合部が高温と
なると、両部材間に硬化されていた低融点材料が再溶融
する虞があり、セラミックロータを金属スリーブに保持
する強度の信頼性に欠ける。
滑材を介在させた結合構造では、再溶融等の虞はな
く、その低摩擦抵抗に基づくセラミックロータ固定時の
カジリ防止を図ることができるものの、滑材とセラミッ
クロータの外周面又は金属スリーブの内周面との密着性
が低いために応力集中を生じたり、高負荷・高回転の過
酷な条件でセラミツクロータを回転させた場合、やはり
保持強度が低下することがある。
本発明は上記問題点を解決するためになされ、常温か
ら数百度という高温への推移を繰り返すセラミックロー
タ等の金属スリーブへの結合に不可欠なセラミツクロー
タへの応力集中の緩和を図ることは勿論、セラミツクロ
ータの軸の保持強度を高温・高負荷・高回転の過酷な使
用条件に耐えうるよう確保することを目的とする。
発明の構成 [課題を解決するための手段] かかる目的を達成するために、請求項1の発明は、 窒化珪素質焼結体からなるセラミックロータの軸を金
属材の嵌合孔に嵌合・固定したセラミックと金属の結合
構造において、前記金属材の嵌合孔の内周面に、金属薄
膜を備えるとともに、前記金属薄膜は前記金属材より硬
度の低い金属原材料からなり、且つ活性金属を含まない
ことを特徴とするセラミックと金属の結合構造を要旨と
する。
[作用] 上記構成を有する請求項1の発明では、金属薄膜をセ
ラミックロータの軸の嵌合部の外周面又は金属材の嵌合
孔の内周面の少なくとも一方に、メッキ,蒸着,スパッ
タ等の適宜方法で形成することで、当該金属薄膜を外周
面又は内周面に強国に密着させ、かつセラミックロータ
又は金属材と金属薄膜とを一体化させる。
この金属薄膜形成に供せられる金属としては、嵌合孔
を有する金属材より硬度の低い金属であり、少なくとも
銀を含む材料を採用する。
金属薄膜形成後に、セラミックロータの軸を圧人、焼
きばめ、冷やしばめ等の適宜方法で金属材の嵌合孔に嵌
合・固定して、結合後のセラミックロータの軸と金属材
の嵌合孔との間に金属薄膜を介在させる。
そして、介在させた金属薄膜によるセラミックロータ
と金属材との結合部における摩擦抵抗低減に基づいて、
セラミックロータの軸の軸方向摺動を僅かに許容すると
思われるのでセラミックロータの軸への応力集中を緩和
する。尚、金属薄膜の摩擦抵抗値と応力集中の緩和との
因果関係は、有限要素法を用いたコンピュータ解析で、
実験的に確認される。
そして、応力緩和を図るうえで、金属材より硬度の低
い少なくとも銀を含む金属材料を用いることの効果も、
やはり上記コンピュータ解析で、実験的に確認される。
このように、金属薄膜の金属原材料を選択することに
より、金属薄膜の摩擦抵抗値を調節し、応力集中の緩和
を図りつつ結合部の保持強度を高温・高負荷・高回転の
過酷な使用条件下でも維持することができる。
又、金属薄膜の膜厚は適宜決定すればよいが、約20μ
m以下、特に約2〜10μmの範囲が工業業的、経済的に
好ましい。
また、請求項1の発明では、結合構造におけるねじり
強度が6.0kg・m以上であるので、高速回転時であって
も、結合部の信頼性が高い。
[実施例] 次に、本発明に係るセラミックと金属の結合構造の実
施例について図面に基づき説明する。
第1図は実施例のセラミックと金属の結合構造を説明
するための要部断面図である。
第1図に示すように、この結合構造は、内径15mmの嵌
合孔1を有するインコロイ903(低熱膨張合金鋼)製の
金属スリーブ2と、締め代75μmで調整した外径を有す
る窒化ケイ素からなるセラミックロータの軸(セラミッ
ク軸)3とを、膜厚5μmの銀製薄膜4を介在させて嵌
合・固定したものである。尚金属スリーブ2の外径は20
mmあり、嵌合長さは3mmである。
この銀製薄膜4はセラミック軸3を嵌合する以前に、
金属スリーブ2の嵌合孔内周面に予め銀メッキを施して
形成されている。そして、メッキ後の金属スリーブ2を
真空中で1000℃に加熱し、セラミック軸3を焼きばめ固
定した銀メッキを施すに当たっては、前処理としてニッ
ケルストライクメッキを行い、既述したように膜厚5μ
mに調整した。
こうして得られた結合品を実施例品Aとして、次の特
性試験(冷熱サイクル試験)を実施した。比較例品aと
しては、銀製薄膜4を省略し、他の条件、例えば締め
代、嵌合長さ等を同一の条件としたものを採用した。
上記実施例品A及び比較品aの各3個を、大気を熱媒
体とする試験槽内に放置し、−20℃〜400℃〜−20℃
(上昇温度勾配10℃/分,降下温度勾配5℃/分)の冷
熱サイクルに200サイクル晒す。こうして、両被測定品
に繰り返し熱応力を加える。
その後、実施例品A及び比較品aの限界曲げ応力を測
定した。その結果を第1表に示す。尚、限界曲げ応力の
測定に当たっては、被測定品をその金属スリーブを固定
して水平に保持し、セラミック軸の開放端に鉛直方向の
荷重を加えることとし、嵌合部のセラミック軸に破壊現
象が観察されたときの嵌合部応力を限界曲げ応力とし
た。
この第1表から、各比較例品は、常温まで冷却した焼
きばめ完了後でさえ、セラミック軸の嵌合部に働く応力
集中によりクラックが発生し、冷熱サイクル試験開始前
の限界曲げ応力が低く、初期の結合強度すら極めて低い
値しか得られなかった。
これに対して、銀製薄膜4を介在させた実施例品の個
々は、200サイクルにおよび上記冷熱サイクル試験終了
後でさえ、35〜40kgf/mm2という、高い限界曲げ応力を
維持している。
従って、実施例のセラミックと金属の結合構造を採る
ことにより、応力集中の緩和とともに過酷な使用条件に
耐えうる結合強度を確保できる。
この結果、セラミック軸と金属スリーブとの結合の信
頼性が向上する。事実、実施例品Aを、400℃の温度下
で20万rpmの回転数で回転させた場合でも、何等の回転
異常も認められなかった。
次に、セラミック軸を大気中、常温で圧入した場合の
結合品について、上記の実施例と同一条件(200サイク
ル)での冷熱サイクル試験を実施し、その後、限界曲げ
応力を測定した。その結果を第2表に示す。
尚、限界曲げ応力の測定に供する結合品(圧入品)と
しては、実施例に係るもの及び比較例に係るものとも、
その形状、金属スリーブ及びセラミック軸材質等は上記
した実施例品A、比較例品aと同一とした又、このうち
実施例品として、既述した如くニッケルストライクメッ
キを経て膜厚5μmに調整した銀製薄膜を介在させた実
施例品Bを採用し、比較例品bとして、何等の処理もせ
ず嵌合孔に直接セラミック軸に圧入したものを採用し
た。
この第2表の結果から、金属薄膜を形成せずに、直接
セラミック軸と金属スリーブとを圧入固定した比較例品
bは、限界曲げ応力が全体的に低く、そのバラツキが大
きいことが判る。
これに対して、銀製薄膜を介在させた実施例Bは、20
0サイクルにおよび上記冷熱サイクル試験終了後でさ
え、40kgf/mm2以上の高い限界曲げ応力を一様に維持し
ている。
従って、セラミック軸と金属スリーブとを圧入した実
施例の結合構造であっても、応力集中の緩和とともに、
過酷な使用条件に耐えうる結合強度を確保できる。この
結果、圧入・焼きばめを問わず、セラミック軸と金属ス
リーブとの結合の信頼性が向上する。
次に、セラミック軸を大気中,常温で圧入した場合の
実施例Dと、金属薄膜に替わる被覆膜ととして二硫化モ
リブデンを介在させた比較品cとについて、ねじり強度
を測定した、尚、実施例品D、比較例品cとも、その形
状、金属スリーブ及びセラミック軸材質等は、上記実施
例A,比較例品aと同一とした。
また、第2図に示すように、このうちの実施例Dは、
ニッケル無電解メッキを経て、膜厚5μmに調整された
銀製薄膜14をセラミック軸13外周面に形成して介在させ
たものを採用し、比較例品cは、セラミック軸13外周面
に二硫化モリブデン粉末を周知の有機バインダーにより
スプレー塗布し、その厚みが5μmとなるよう調整した
ものを採用した。
ねじり強度の測定に当たっては、常温で各結合品のセ
ラミック軸13を固定した状態で、金属スリーブ12に徐々
にトルクを加えた場合に、嵌合部に滑りが生じた時のね
じりトルクをねじり強度として測定した。その結果を第
3表に示す。
この第3表の結果から、二硫化モリブデン塗膜を介在
させた比較例品では、ねじり強度が低い値であるため、
高速回転時にセラミック軸の滑りが発生する虞ががあ
り、その信頼性が低い。つまり、二硫化モリブデンの塗
膜ではセラミック軸にかかる応力集中を緩和できるもの
の、その摩擦抵抗値が必要以上に小さい値となるので、
セラミック軸の保持強度の確保が十分とはいえず、その
信頼性が低い。
これに対して、銀製薄膜を備える実施例品Dは、6.0k
g・m以上の高いねじり強度を備え、過酷な使用条件に
耐えうる結合強度(ねじり強度)を確保できる。この結
果、セラミック軸と金属スリーブとの結合の信頼性が向
上する。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る
ことは勿論である。
例えば本実施例では、袋穴状の嵌合孔にセラミック軸
を嵌合・固定する場合について説明したが、貫通してい
る嵌合孔にセラミック軸を嵌合・固定する場合にも同様
な効果を得ることができる。又、金属薄膜をセラミック
軸外周面及び金属スリーブの嵌合孔内周面の両方に形成
して、両部材間に金属薄膜を介在させてもよい。当然
に、孔に限らず金属部材の溝にセラミック材の軸を嵌合
させる際に用いることもできる。
更に、セラミック軸の原材料として、窒化珪素、サイ
アロンの焼結体を用いることや、金属スリーブの原材料
として、インコロイ等の低熱膨張合金鋼は勿論、SNCM,S
CMといった各種合金鋼を使用できる。
発明の効果 以上実施例を含めて詳述したように、本発明のセラミ
ックと金属の結合構造によれば、所定の金属薄膜を結合
範囲のセラミックロータと金属材との間に介在させるこ
とにより、結合部におけるセラミックロータの軸に加わ
る応力集中を緩和しつつ、その保持強度を過酷な使用条
件に耐えうるよう高い値のまま維持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は実施例のセラミックと金属の結合構造
の要部を示す断面図である。 1,11……嵌合孔、2,12……金属スリーブ 3,13……セラミック軸、4,14……金属薄膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックロータの軸を金属材の嵌合孔に
    嵌合・固定したセラミックと金属の結合構造において、
    前記金属材の嵌合孔の内周面に、金属薄膜を備えるとと
    もに、前記金属薄膜は前記金属材より硬度の低い金属原
    材料からなり、且つ活性金属を含まないことを特徴とす
    るセラミックと金属の結合構造。
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