JP3270846B2 - ワサビ栽培用の作土、及びこれを使用したワサビ栽培方法 - Google Patents

ワサビ栽培用の作土、及びこれを使用したワサビ栽培方法

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JP3270846B2 JP32940299A JP32940299A JP3270846B2 JP 3270846 B2 JP3270846 B2 JP 3270846B2 JP 32940299 A JP32940299 A JP 32940299A JP 32940299 A JP32940299 A JP 32940299A JP 3270846 B2 JP3270846 B2 JP 3270846B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワサビ栽培用の作
土及びこれを使用したワサビ栽培方法に関し、特に、
「ワサビ田」を使用するといった場所の限定を受けない
ワサビ栽培用の作土及び栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワサビは、山間地の日影の多い場所で、
しかも清水が流れていて、「れき」(小石等の川砂利)
が比較的入手し易い所に「ワサビ田」を形成し、このワ
サビ田で長い時間をかけて栽培されているものである。
従って、ワサビ栽培は、上記のワサビ田が作れる場所で
しか行えないのであり、非常に制限されたものとなって
いる。
【0003】特に、ワサビは、非常に育てにくい植物で
あり、少なくとも、次の条件を満たさなければならな
い。
【0004】ワサビ田等の「培地」は、富栄養化され
ていると、ワサビの成育にかえって悪影響を及ぼすの
で、養分の少ない培地を使用すること。
【0005】ワサビを育成するための栽培水は、毎秒
15〜20cm程度の流速であること。
【0006】同栽培水は、12℃〜15℃程度の水温
であること。
【0007】栽培水の溶存酸素量は、10ppm以上
であること。
【0008】このような条件に合う場所でワサビ田を作
ることは、当然のことながら多くの制約を受けるもので
あり、現在日本に形成されているワサビ田を、これ以上
安価に増設することは殆ど不可能な状態になってきてい
る。
【0009】特に、従来より行われている「ワサビ田」
におけるワサビ栽培は、その培地を構成している砂利が
崩れ易いため、この砂利による「畝」の修復作業を常に
行わなければならないものとなっていて、非常に重労働
となっている。「畝」の修復は、沢水の流れを良くする
ためにも、欠かせない作業となっているものである。そ
れだけでなく、このような「ワサビ田」は、沢水をその
まま利用するものであるため、沢の中に形成しなければ
ならないという制約があり、このことが、「ワサビ田」
の増設を困難にしている大きな理由でもある。
【0010】このため、本発明者等は、上記〜のワ
サビ栽培条件を満たしながら、自然環境的に制約された
ワサビ田の増設をより人工的に行えないかについて種々
検討を重ねてきた結果、次の結論を得たのである。
【0011】(1)上記の培地については、人工的な
ものが種々開発されてきており、安価に入手できるもの
となっているので、現地で入手する必要がなくなってき
ている。
【0012】(2)上記及びについては、山間地の
沢水を利用するとともに、山間地の傾斜を利用すれば、
何とか可能性が出てくる。
【0013】(3)日影条件は、現在ワサビ田でも使用
されているような「寒冷紗」を利用すればよい。
【0014】(4)の溶存酸素量については、沢水が
その程度の酸素を既に有しており、この沢水を常に流す
ようにすれば十分と考えられる。
【0015】そこで、出願人等は、特開平11−151
049号公報にて、「複数の栽培槽を順次低くなるよう
に配置し、これら各栽培槽内に、少なくとも底面に多数
の通水孔を設けた少なくとも1つの栽培容器を収納する
ことにより、これら各栽培容器を順次低くなるように配
置し、前記各栽培槽の高い位置のものから低い位置のも
のに配水管によって順次接続するとともに、これら各栽
培槽内に下端が開口した止水板を設けて、前記配水管か
ら供給された栽培水を、前記各止水板にて一旦止めて下
方の開口から下流側へ流すことにより、前記各栽培容器
の上流側のものから順に、その下部に前記栽培水を供給
するようにしたことを特徴とするワサビ栽培方法」を提
案してきているのであるが、その後の実験によって、培
地を作る「作土」の改良をすることの必要性に気付いた
のである。
【0016】すなわち、ワサビを十分成育させて、葉、
茎及び根茎の全てが「商品」として十分なものとするに
は、上述した周囲環境を整えることも重要であるが、成
育のための培地そのものの改良改善を行うことにより、
より一層の収量と、促成が望めることに結論が至ったの
である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯の下になされたもので、その解決しようとする課
題は、ワサビの成育をより十分にかつ短期間に行えるよ
うにすることである。
【0018】すなわち、請求項1及び請求項2に係る発
明の目的とするとことろは、ワサビを短期間で商品とし
て十分なものに成育させることのできるワサビ栽培用の
作土を提供することである。
【0019】また、請求項3及び請求項4に係る発明の
目的とするところは、上記請求項1または請求項2の作
土を容器内で使用することによって、この容器に養水を
容易に供給できる場所、例えば休耕田や山林中等の日陰
を効果的に利用することができて、ワサビを短期間内で
十分成育させることのできるワサビ栽培方法を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項1に係る発明の採った手段は、後述す
る実施の形態中において使用する符号を付して説明する
と、「ワサビ栽培のための容器20内に詰められて、上
方から注入された養水を下方に向けて通しながらワサビ
40の栽培を行うために使用される作土10であって、
この作土10を、上から順に第1層11〜第4層14の
4つの層状に積層されたものとするとともに、第1層1
1及び第3層13を、直径が0.25〜2.0mm程度
の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂3
0%程度と、粘土類10%以下とを混合したものとし、
第2層12を、直径が5mm程度の川砂利により構成す
るとともに、第4層14を、直径が20〜50mm程度
の玉砂利により構成したことを特徴とするワサビ栽培用
の作土10」である。
【0021】すなわち、この請求項1に係る作土10
は、図1に示すように、ワサビ40を栽培する適宜箇所
に配置される栽培容器20内に詰められるものである
が、図2に示すように、上から順に、第1層11〜第4
層14の合計4層からなる層状のものである。これら各
層の構成素材である、粗砂、微砂、川砂利あるいは玉砂
利等は、天然のものを選別して使用するようにしてもよ
いが、前述したように、人工的なものを使用してもよ
い。
【0022】以上のように構成した作土10の表面に対
しては、図1に示すように、配管30を通して谷水や湧
水等の養水が供給されるのであるが、これらの養水は、
配管30の先にある注入槽31内に一旦溜められて落葉
等の不純物を除去したものとして形成されたものであ
る。そして、各作土10の表面に供給された養水は、全
層を通過して栽培容器20外に排出されることになる。
【0023】ここで、作土10を構成している各層での
作用を説明すると、まず第1層11では、養水中に混入
していて汚れの原因となっている細かな土や泥の除去が
なされるとともに、供給された養水の蒸散防止が図られ
るのである。この蒸散防止を図るためには、当該第1層
11がある程度の保水性を有していなければならない
し、またゴミ除去のためには、それなりの細かさが必要
である。従って、この第1層11は、上記のような材料
によって構成する必要がある。
【0024】第2層12は、図2に示すように、ワサビ
40の特に根茎43を育てる部分であり、ワサビ栽培に
とって最重要部分である。すなわち、この第2層12で
は、上記第1層11にて調整された養水を、根44がた
くさん生えているワサビ40の根茎43に供給するとと
もに、根茎43の支えも行うものである。ワサビ40の
根茎43は、真すぐ下方に伸び、また商品形態を左右す
るものであるから、この第2層12の厚さは、根茎43
の大きさを決定することにもなるものである。
【0025】この第2層12の下方にある第3層13
は、実質的には上記第1層11と同じ構成のものである
が、第2層12を構成している川砂利の下方への流亡を
防止することになるものである。換言すれば、この第3
層13と第1層11とによって第2層12が包まれてい
るのであり、第2層12を通るべき養水の短時間内での
流出をも防止するものである。従って、この第3層13
は、第2層12の構成材料の流亡防止と、第2層12に
おける養水の保存機能、つまり保水作用を発揮するもの
である。
【0026】最下層の第4層14は、上記のように粗目
の玉砂利を使用することにより、養水中に混入している
泥土等を積極的に外部へ排出させる機能を有していて、
各層での目詰り防止を図りながら、当該作土10の全箇
所における養水の流れを安定化させるものである。
【0027】従って、この請求項1の作土10によれ
ば、ワサビ40の特に根茎43に対して最適な養水の流
れを形成することができるのであり、これにより、ワサ
ビ40を早期かつ十分に成育させることができるのであ
る。
【0028】上記課題を解決するために、請求項2に係
る発明の採った手段は、上記請求項1の作土10につい
て、「層状の作土10は、第2層12の厚さを、ワサビ
の根茎43が商品となり得る100mm程度とするとと
もに、これを基準に、第1層11〜第4層14の各層の
厚さの比を、5:10:3:18程度となるようにした
こと」である。
【0029】すなわち、この請求項2の作土10では、
商品化されるべきワサビ40の根茎43の最適な大きさ
は10cm程度であることに着目して、根茎43の成育
がなされる第2層12の厚さをこの10cm程度にした
ものである。そして、この第2層12の厚さに対して、
他の層の最適な厚さを上記したように決定したものであ
る。
【0030】従って、この請求項2の作土10によれ
ば、長さ10cmの程度の根茎43を得るにあたって、
その早期成育を果たしながら、ワサビ40の成育を十分
なものとすることができるのである。
【0031】また、上記課題を解決するために、請求項
3に係る発明の採った手段は、同様に、「ワサビ40の
栽培に適した箇所に多数の栽培容器20を配列して、こ
れら各栽培容器20内に次の4層からなる作土10を層
状に詰め、第1層11(最上層)及び第3層13;直径
が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径
が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%
以下とを混合したもの 第2層12(成育層);直径5mm程度の川砂利 第4層14(最下層);直径が20〜50mm程度の玉
砂利 この作土10の詰め作業中または完了後に、ワサビ苗等
を第2層12に対して植え付けるか、あるいは、上記作
土10を詰めた各栽培容器20をワサビ40の栽培に適
した箇所に配列し、これら各栽培容器20に対して養水
の供給が行えるように配管30して、この配管から各栽
培容器20内の表面に養水を供給して作土10内を通過
させるようにしたことを特徴とするワサビ40の栽培方
法」である。
【0032】すなわち、この請求項3に係るワサビ栽培
方法は、上述した請求項1に係る作土10を採用しなが
ら、ワサビ栽培を制限を受けないで行えるようにしたも
のであり、そのために、栽培容器20を使用するように
したものである。
【0033】栽培容器20は、ワサビの成育状態や天候
に応じた養水の供給量を調整するものであって、ワサビ
栽培に適した場所であれば、別に谷水が流れている「ワ
サビ田」のような場所に限定されることなく設置される
ものであり、例えば休耕田であってもよいし、勿論山林
中の斜面であってもよい。また、この栽培容器20内に
作土10を詰めておけば、作土10を構成している各層
が流れによって動くことがないため、ワサビ田の整地の
ような作業は全く不要となる。
【0034】勿論、各栽培容器20に対しては、図1に
示すように、配管30を利用して1箇所の注入槽31か
ら養水の供給を行うようにするのであるから、谷から離
れた休耕田でのワサビ栽培をも十分可能にするものであ
る。注入槽31に対しては、谷水は勿論、湧水が近くに
あればこれを供給するようにしてもよいし、ポンプ等を
利用して養水を供給するようにすれば、天候や自然災害
に影響を受けることなく、ワサビ栽培を行うことができ
るものである。
【0035】従って、この請求項3に係るワサビ栽培方
法によれば、ワサビ栽培のための場所の限定を殆んど受
けることがないのであり、請求項1の作土10を使用す
ることによって、ワサビ栽培を短期間内に十分に行うこ
とができるのである。
【0036】さて、請求項4に係る発明の採った手段
は、上記請求項3のワサビ栽培方法について、「層状の
作土10は、第2層12の厚さを、ワサビの根茎43が
商品となり得る100mm程度とするとともに、これを
基準に、第1層11〜第4層14の各層の厚さの比を、
5:10:3:18程度となるようにしたこと」であ
る。
【0037】従って、この請求項4のワサビ栽培方法に
よれば、上記請求項3のワサビ栽培方法と同様なワサビ
栽培を行うことができることは勿論、長さ10cmの程
度の根茎43を得るにあたって、その早期成育を果たし
ながら、ワサビ40の成育を十分なものとすることがで
きるのである。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各発
明を、図面に示した実施の形態に従って説明するが、こ
の実施形態は、上記各発明の全てを実質的に含むもので
あるため、以下では、この実施形態を中心に説明してい
くこととする。
【0039】まず、図1には、本発明に係る作土10を
詰めた多数の栽培容器20を、休耕田や山林中の、ワサ
ビ栽培に適した地面に設置して、これら各栽培容器20
に養水の供給を集中管理して行えるように、配管30を
適宜配列した状態の平面図が示してある。すなわち、こ
の図1には、本発明に係るワサビ栽培方法を実施してい
る状態が示してある。
【0040】本実施形態における配管30は、図1に示
したように、縦に並べた各栽培容器20上に取付けるこ
とにより、栽培容器20の作土10上面に散水できるよ
うにしてあるが、ワサビ40の成育に適した養水の供給
調整が行えるようになっていることは言うまでもない。
また、この配管30には、散水ムラが生じないようにす
るための孔が、適宜な数や大きさのものとして開口させ
てある。
【0041】そして、各配管30に対しては、例えば各
栽培容器20の設置場所より高い位置に設置した注入槽
31に接続してあり、この注入槽31から各栽培容器2
0に養水が自然流下するようにしてある。この注入槽3
1に対しては、谷水や湧水を自然流下させるか、場所に
よってはポンプによって汲み上げて、一定量の養水が溜
められるようにしてある。なお、本実施形態では、水温
13℃前後の湧水を使用して、各栽培容器20に毎分8
0リットル程度流れるようにしている。
【0042】注入槽31においては、図示していないけ
れども、ネットや内部堰あるいは上述した止水板等を設
けることによって、養水中に混入している葉等の有機物
を留めるようにして、下流の配管30側へ流下しないよ
うにしている。勿論、小さな砂等は内部堰あるいは止水
板によって底に溜まるようにしてあり、これらの砂等も
下流の配管30側に流下しないようにしてある。
【0043】作土10が詰められている各栽培容器20
は、図2に示したように、タテ×ヨコ×高さが、約72
5mm×1230mm×360mm程度の合成樹脂製容
器であり、その容器本体21の底面、または側壁下端の
適宜位置(図示せず)には多数の排水孔21aが形成し
てある。これら各容器本体21からは、作土10中を通
ってきた養水が排出されるのであり、これら各栽培容器
20は養水をオーバーフローさせて使用するものではな
いものとしてある。
【0044】なお、本実施形態の栽培容器20は、ワサ
ビ40の根茎43が比較的大きなものも栽培できるよう
にするために、上述したような大きさのものとして形成
してあるが、通常の商品化されるべき根茎43を形成す
るため、及び排水を良好にするためには、図2に示した
ように、支持台22を使用することによって作土10の
底上げを行うようにしている。
【0045】換言すれば、本実施形態の栽培容器20
は、その容器本体21内に多数の排水孔22aを有した
支持台22を収納するとともに、この支持台22上にネ
ット23を敷いてこのネット23上に作土10を層状に
積層するものである。勿論、各排水孔22aやネット2
3は、養水を底面にまで流下させることができるもので
あり、作土10を構成している各材料を流下させない程
度のものであることは言うまでもない。
【0046】そして、この栽培容器20は、その中に作
土10を詰めて、休耕田等のワサビ栽培適地に配置され
るのであるが、その場合には、図2にも示したように土
台上に載置するようにするとよい。この土台は、例えば
合成樹脂を材料として一体成形した運搬用パレットを採
用するのが、常に水に濡れしかも自然環境にそのまま置
かれるものであることから、有利である。
【0047】さて、この作土10であるが、この作土1
0は、図2に示したように、上から順に、第1層11、
第2層12、第3層13及び第4層14からなっている
ものである。これらの第1層11等を構成している材料
は、谷川にある砂利を選別することにより入手してもよ
いが、人工的に作られたものであってもよいものであ
る。各層は、次のようなものである。
【0048】作土10を構成している第1層11は、直
径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直
径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10
%以下とを混合したものによって構成したものであり、
養水中に混入しているゴミの除去を行うとともに、養水
の蒸散防止を図るものである。
【0049】また、作土10を構成している第2層12
は、直径が5mm程度の川砂利により構成したものであ
り、上記第1層11にて調整された養水を、根44がた
くさん生えているワサビ40の根茎43に供給するとと
もに、根茎43の支えも行うことになるものである。
【0050】さらに、作土10を構成している第3層1
3は、上記の第1層11と実質的に同様に構成したもの
であり、直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%
以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、
粘土類10%以下とを混合したものである。また、この
第3層13は、上記第1層11との協動によって第2層
12をサンドイッチ状に包み込むものであり、第2層1
2を通るべき養水の短時間内での流出をも防止するもの
である。
【0051】そして、作土10を構成している第4層1
4は、直径が20〜50mm程度の玉砂利により構成し
たものであり、養水中に混入している泥土等を積極的に
外部へ排出させる機能を有していて、各層での目詰り防
止を図りながら、当該作土10の全箇所における養水の
流れを安定化させるものである。
【0052】以上のような作土10は、栽培容器20内
のネット23上に、第4層14から順に第3層13、第
2層12及び第1層11というように詰められるもので
あるが、第2層12は、図2にも示したように、ワサビ
40の主として根茎43の成育を果す部分となるもので
あり、この第2層12を第1層11と第3層13とによ
ってサンドイッチ状にするものである。そして、この第
2層12の厚さを10cm程度とすることにより、ワサ
ビ40の根茎43を商品化するのに適した大きさのもの
とするのである。
【0053】この第2層12は、根茎43を成育させる
重要部分であり、この第2層12中には養水が必要かつ
十分に通されなければならないため、作土10はこの第
2層12を中心にした前述の4層から構成しなければな
らないものである。そして、各層の機能については、前
述した通りである。
【0054】本実施形態においては、作土10を構成し
ている第2層12の厚さを10cm程度としたときに、
他の層の厚さは、以下に示す比の程度の厚さとしてあ
る。
【0055】第1層11:第2層12:第3層13:第
4層14=5:10:3:18 また、作土10全体の厚さは、上記実施形態の栽培容器
20に対して、380mm程度であり、第1層11の表
面は容器本体21の縁から約30mm程度下方にあり、
容器本体21内の支持台22によって形成されている養
水の流れ空間の厚さは230mm程度となっている。
【0056】
【発明の効果】以上、詳述した通り、まず請求項1に係
る発明においては、上記実施形態にて例示した如く、
「ワサビ栽培のための容器20内に詰められて、上方か
ら注入された養水を下方に向けて通しながらワサビ40
の栽培を行うために使用される作土10であって、この
作土10を、上から順に第1層11〜第4層14の4つ
の層状に積層されたものとするとともに、第1層11及
び第3層13を、直径が0.25〜2.0mm程度の粗
砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%
程度と、粘土類10%以下とを混合したものとし、第2
層12を、直径が5mm程度の川砂利により構成すると
ともに、第4層14を、直径が20〜50mm程度の玉
砂利により構成したこと」を特徴とするワサビ栽培用の
作土10」にその構成上の特徴があり、これにより、ワ
サビ40を短期間で商品として十分なものに成育させる
ことのできるワサビ栽培用の作土10を提供することが
できる。
【0057】また、上記作土10について、各層の厚さ
を、第1層11から順に、5:10:3:18とするこ
とにより、第2層12の通水を良好なものとすることが
できて、ワサビ40の特に根茎43の成育を促すことが
できるのである。
【0058】さらに、請求項3に係る発明のように、
「ワサビ40の栽培に適した箇所に多数の栽培容器20
を配列して、これら各栽培容器20内に次の4層からな
る作土10を層状に詰め、第1層11(最上層)及び第
3層13;直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60
%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度
と、粘土類10%以下とを混合したもの 第2層12(成育層);直径5mm程度の川砂利 第4層14(最下層);直径が20〜50mm程度の玉
砂利 この作土10の詰め作業中または完了後に、ワサビ苗等
を第2層12に対して植え付けるか、あるいは、上記作
土10を詰めた各栽培容器20をワサビ40の栽培に適
した箇所に配列し、これら各栽培容器20に対して養水
の供給が行えるように配管30して、この配管から各栽
培容器20内の表面に養水を供給して作土10内を通過
させるようにしたことを特徴とするワサビ40の栽培方
法」を採用すれば、ワサビ40を、少ない管理でしかも
商品化するのに十分なものとして育てることができて、
休耕地の有効利用ができることは勿論、ワサビ田の砂利
等の資源を有効に利用することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る作土を詰めた栽培容器を配列し
て、これに配管によって養水の供給を行っている様子を
示す平面図である。
【図2】 図1に示した栽培容器内の様子を示す部分拡
大断面図である。
【符号の説明】
10 作土 11 第1層 12 第2層 13 第3層 14 第4層 20 栽培容器 21 容器本体 22 支持台 23 ネット 30 配管 31 注入槽 40 ワサビ 41 葉 42 茎 43 根茎 44 根
フロントページの続き (72)発明者 平野 登 岐阜県各務原市尾崎北町2丁目24番地 (72)発明者 藤原 雅章 愛知県岡崎市上地1丁目44番地17 (72)発明者 大倉 敏道 岐阜県各務原市鵜沼小伊木町1丁目109 番地 (56)参考文献 特開 昭54−15839(JP,A) 特公 昭44−22454(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/00 301

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワサビ栽培のための容器内に詰められ
    て、上方から注入された養水を下方に向けて通しながら
    ワサビの栽培を行うために使用される作土であって、 この作土を、上から順に第1層〜第4層の4つの層状に
    積層されたものとするとともに、 前記第1層及び第3層を、直径が0.25〜2.0mm
    程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微
    砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したものと
    し、 前記第2層を、直径が5mm程度の川砂利により構成す
    るとともに、 前記第4層を、直径が20〜50mm程度の玉砂利によ
    り構成したことを特徴とするワサビ栽培用の作土。
  2. 【請求項2】 前記層状の作土は、前記第2層の厚さ
    を、ワサビの根茎が商品となり得る100mm程度とす
    るとともに、これを基準に、前記第1層〜第4層の各層
    の厚さの比を、5:10:3:18程度となるようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載のワサビ栽培用の作
    土。
  3. 【請求項3】 ワサビの栽培に適した箇所に多数の栽培
    容器を配列して、これら各栽培容器内に次の4層からな
    る作土を層状に詰め、 第1層(最上層)及び第3層;直径が0.25〜2.0
    mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下
    の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したも
    の 第2層(成育層);直径5mm程度の川砂利 第4層(最下層);直径が20〜50mm程度の玉砂利 この作土の詰め作業中または完了後に、ワサビ苗等を前
    記第2層に対して植え付けるか、あるいは、上記作土を
    詰めた各栽培容器をワサビの栽培に適した箇所に配列し
    て、 これら各栽培容器に対して養水の供給が行えるように配
    管して、この配管から前記各栽培容器内の表面に前記養
    水を供給して前記作土内を通過させるようにしたことを
    特徴とするワサビの栽培方法。
  4. 【請求項4】 前記層状の作土は、前記第2層の厚さ
    を、ワサビの根茎が商品となり得る100mm程度とす
    るとともに、これを基準に、前記第1層〜第4層の各層
    の厚さの比を、5:10:3:18程度となるようにし
    たことを特徴とする請求項3に記載のワサビの栽培方
    法。
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