JP3270700B2 - 尿素の合成方法 - Google Patents

尿素の合成方法

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JP3270700B2 JP34152096A JP34152096A JP3270700B2 JP 3270700 B2 JP3270700 B2 JP 3270700B2 JP 34152096 A JP34152096 A JP 34152096A JP 34152096 A JP34152096 A JP 34152096A JP 3270700 B2 JP3270700 B2 JP 3270700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアンモニアと二酸化
炭素とからの尿素の合成方法に関する。更に詳しくは、
アンモニアと二酸化炭素とから尿素を合成するに当り、
尿素合成管中のアンモニアと二酸化炭素とのモル比(以
下、N/Cと称する)を一定の範囲内に保持する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】尿素プラントにおいては、プロセスの相
違により尿素合成圧力、尿素合成温度、N/C、水と二
酸化炭素のモル比(以下、H/Cと称する)等の尿素合
成条件の相違はあっても、尿素合成管内のN/Cを所定
の条件範囲に調整することは尿素プラントの運転上極め
て重要である。さらに、プラントの運転中に尿素合成管
におけるマテリアル・バランスがリアル・タイムにとれ
ることは、プラントの運転上、極めてメリットがある。
【0003】ところで、尿素合成管内のN/Cを所定の
条件範囲に調整するため、従来種々検討されてきたが、
その代表例として以下があげられる。
【0004】(1)尿素合成管内のN/Cを調整するた
め、定期的に尿素合成管に設けられたサンプリング・ポ
イントからサンプラーを用いてサンプルを手動であるい
は自動的に採取し、手分析あるいは自動分析を行い、得
られた分析値を運転者に知らせていた。運転者は、リア
ル・タイムではないが定期的に得られる分析値をもと
に、経験的に運転状況を把握し、尿素合成管内のN/C
を調整していた。
【0005】(2)比較的低いN/Cでの尿素合成工程
とストリッピング工程とを含むプロセスでは、特公昭4
9−25253号に開示されているように尿素合成管出
口ガスの組成をガスクロマトグラフ法により検出し、そ
れに基づいてガス側に対する液側でのN/Cを推定して
いた。
【0006】(3)また、N/Cが約4であるような高
いN/Cの溶液循環式尿素合成プロセスでは、合成管へ
の循環量と、分析された組成、それにメイクアップされ
るアンモニア、二酸化炭素の量とから合成管でのN/C
を推定する方法が採用されていた。
【0007】(4)また、別の技術として、特公昭62
−39152に開示されるように、尿素合成管の出口に
自動分析計を用いて、尿素合成管出口の尿素合成液の組
成を自動分析し、分析値をみて経験的に運転者が尿素合
成管内のN/C等の運転条件を調整していた。
【0008】(5)さらに、別の技術として、尿素合成
管出口の尿素合成液と直接接触する型式の振動式密度計
を用いて、リアル・タイムに尿素合成管出口の尿素合成
液の密度を測定する方法もある。しかしながら、この方
法は密度の測定値をみて経験的に運転者が尿素合成管内
のN/Cを調整するかあるいは単に密度をある数値にな
るように調整するにすぎなかった。
【0009】なお、プラント運転中に、尿素合成管のマ
テリアル・バランスをリアル・タイムでとることができ
る技術は散見すらされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術に
は、なお解決すべき下記の課題があった。
【0011】(1)通常、分析結果をもとにして運転者
が合成系の最適運転条件を設定するが、前記の従来技術
(1)〜(4)に関しては、分析に時間がかかるために
尿素合成管内のN/Cの情報が運転者に遅れて伝わるこ
と、サンプラーの詰まりの問題、分析精度があまり良く
ないこと等から経験的に運転者が運転条件を決定するた
め、最適運転条件範囲で運転できるとは限らなかった。
【0012】(2)また、前記の従来技術(5)に関し
ては、リアル・タイムに尿素合成液の密度を測定し、こ
の密度の測定値をみて経験的に運転者が運転条件を決定
するため、最適運転条件範囲で運転できるとは限らなか
った。また、密度の測定中に上記密度計に尿素合成液等
が固結する等による不具合も発生することがあった。
【0013】(3)上記(1)および(2)のいずれの
場合においても、運転に熟練を要求されていたため、い
わゆる人為的なミス・オペレイションが生じたりする可
能性が残っていた。
【0014】このような状況下で、簡易で、かつ、リア
ル・タイムに尿素合成液のN/C値が把握でき、同時に
プラントの運転中に尿素合成管のマテリアル・バランス
をリアル・タイムにとることができる技術の開発が待た
れていた。
【0015】したがって、本発明の目的はリアル・タイ
ムに尿素合成液のN/C値を把握してこのN/Cの値を
所定の一定範囲で調節することができる尿素の合成方法
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の尿素の合成方法
は、(1)尿素合成域にアンモニアおよび二酸化炭素を
供給し、尿素合成温度および圧力において反応させて尿
素、未反応アンモニア、未反応二酸化炭素および水から
なる尿素合成液を生成させる尿素合成工程、該尿素合成
液から該未反応アンモニアおよび二酸化炭素をそれらの
混合ガスとして分離するストリッピング工程、該ストリ
ッピング工程からの尿素合成液中に残留する未反応アン
モニアおよび二酸化炭素をそれらの混合ガスとして分離
するカーバメート分解工程、該カーバメート分解工程か
らの尿素液をさらに処理して尿素を得る精製工程、該カ
ーバメート分解工程からの該混合ガスを吸収媒体に吸収
して回収する回収工程、および該ストリッピング工程か
らの該混合ガスを該回収工程からの吸収液と接触させて
凝縮させて回収液を得る凝縮工程からなる尿素の合成方
法であって、該尿素合成液の密度を該尿素合成域の出口
においてリアル・タイムに測定し、得られた密度の値か
ら該尿素合成液のN/C値を決定し、一方、該回収液の
液量と組成とをリアル・タイムで測定し、これらの測定
値と該N/C値とから尿素合成域中のアンモニア保持量
を計算し、このアンモニア量が所定のN/C値に対応す
るアンモニア量となるように、該尿素合成域に供給する
アンモニアの量を調整することを特徴とするものであ
る。
【0017】本発明は、また、(2)上記(1)の尿素
の合成方法において、尿素合成温度における尿素合成液
の密度とN/C値との相関関係に基いて、該尿素合成域
出口における該尿素合成液の密度のリアル・タイムの測
量値から該尿素合成液のN/C値を決定することを特徴
とするものである。
【0018】本発明は、また、(3)上記(1)または
(2)の尿素の合成方法において、尿素合成液に接触し
ない型式の密度計を該尿素合成域の出口に設けて密度を
測定することを特徴とするものである。
【0019】本発明は、また、(4)上記(3)の尿素
の合成方法において、該密度計が放射線型密度計である
ことを特徴とするものである。
【0020】本発明は、さらに、(5)上記(1)〜
(4)のいずれかの尿素の合成方法において、該尿素合
成液の密度をリアル・タイムで測定して該尿素合成液の
N/C値を決定し、一方、該回収液の液量および組成を
リアル・タイムで測定して該尿素合成域への水のリサイ
クル量を算出し、それによって該尿素合成液のH/C値
を決定し、こうして得られたN/CおよびH/Cの値、
並びに該尿素合成域の温度、圧力および滞留時間から尿
素合成率を推定して該尿素合成域におけるマテリアル・
バランスを推算し、このマテリアル・バランスから該尿
素合成域中に保持されるアンモニアの量を算出し、この
アンモニア量が所定のN/C値に対応するアンモニア量
となるように該尿素合成域に供給するアンモニアの量を
調節することを特徴とするものでる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明においては、尿素合成液の
温度、尿素合成液の密度とN/Cとの関係がまず把握さ
れることが必要である。
【0022】プロセスにより尿素合成圧力、尿素合成温
度、尿素合成液のN/C、H/C等の尿素合成条件に相
違はあっても、N/Cの値としては、通常2.5〜4.
5が採用される。詳細には、該N/Cの値は、プロセス
によって2.8〜3.2、3.3〜3.6および3.5
〜4.5のように種々の範囲が採用される。運転中にお
いて尿素合成圧力および尿素合成温度はほとんど急激な
変化をしない。また、尿素合成液のH/Cは、通常、
0.3〜0.7の範囲で変動するが、尿素合成率は、上
記N/Cが支配的になっている。
【0023】ここで、尿素合成率とは、尿素合成域に供
給された全二酸化炭素のうち尿素に転化した二酸化炭素
のモル量と全二酸化炭素モル量の割合をパーセンテージ
で表わしたものである。
【0024】尿素合成液の密度とN/C値との相関関係
を以下に説明する。なお、前述した従来技術(5)は尿
素合成液のN/Cが密度の関数であることを示唆してい
るようでもあるが、具体的には開示がない。
【0025】本発明者らは、尿素合成液の密度が圧力の
影響を受けず、尿素合成液のN/Cは温度および尿素合
成液の密度の関数として表しうることを見いだした。
【0026】例えば、 N/C=c1 d+c2 t+c3 (ここで、c1 、c2 およびc3 は定数、dは密度、t
は温度であり、dおよびtの単位は、それぞれkg/m
3 および℃である。)である。
【0027】なお、温度tの適用範囲はプロセスごとに
異なることがあり、例えば下記のように示されるが、こ
れには限定されない。
【0028】 N/C=2.8〜3.3、温度=170℃〜190℃ N/C=3.3〜3.8、温度=175℃〜195℃ N/C=3.5〜4.5、温度=180℃〜200℃ 尿素合成液の密度とN/Cとの相関関係を図5に示す。
図5に示すように、尿素合成液の密度とN/Cとの関係
は、狭いN/Cの範囲ではほぼ直線となる。
【0029】上記の経験的事実から、本発明者らは尿素
合成液と接触することなく密度を測定しうる非接触型の
密度計を用いることにより、N/Cの値をリアル・タイ
ムに監視し、それによって尿素合成域の運転条件を一定
の運転範囲内に保持し、さらに尿素合成域におけるマテ
リアル・バランをリアル・タイムに推算することがで
き、安定に尿素プラントを運転することができることを
見いだした。
【0030】非接触型の密度計としては放射線型密度計
が好ましく用いられる。放射線型密度計は市販品で充分
であり、例えばOhmart社製、Berthold社
製のものを挙げることができる。
【0031】図面を参照して以下に本願発明を具体的に
説明する。図1は放射線型密度計を尿素合成管の出口に
設けた一実施形態を示す。図1において、尿素合成管1
の頂部に開口を有するダウン・パイプ3を設け、尿素合
成管出口ライン20に放射線型密度計2を設置した例で
ある。ライン10および11からそれぞれアンモニアお
よび回収液が尿素合成管底部に供給され、頂部に向かっ
て上昇しつつ順次尿素合成反応が進み、尿素、未反応ア
ンモニア、未反応二酸化炭素および水からなる尿素合成
液が生成される。この尿素合成液はダウン・パイプ3を
流下し、尿素合成管出口ライン20に設けられた放射線
型密度計2で密度が測定され、ライン20を経て原料二
酸化炭素によるストリッピング工程に送られ、さらにカ
ーバメート回収工程および精製工程を経て尿素が得ら
れ、一方、カーバメート分解工程およびストリッピング
工程において分離された未反応アンモニアおよび未反応
二酸化炭素は回収工程および凝縮工程において回収さ
れ、得られた回収液はライン11を経て尿素合成管に循
環される。
【0032】図2は尿素合成管1と、凝縮工程を実施す
るためのコンデンサー5とが一体となった装置を用いる
例を示す。この装置は、本出願人の先願である特開平8
−265969号に開示されている。3はコンデンサー
の頂部および尿素合成管の底部のそれぞれに開口を有す
る、コンデンサーで得られた回収液を尿素合成管へ送る
ためのダウン・パイプである。4は図1におけと同様に
尿素合成液を次工程に送るために抜きだすためのダウン
・パイプである。図2の例では尿素合成管出口ライン2
0に設けられた放射線型密度計により尿素合成液の密度
を測定する。測定後の尿素合成液は、ライン20を経て
図1の例におけると同様の処理工程に送られる。ライン
11から回収工程において得られた吸収液がまたライン
12から原料二酸化炭素によるストリッピング工程にお
いて分離された未反応アンモニア、未反応および原料二
酸化炭素の混合ガスをコンデンサー5に導入するための
パイプである。アンモニアはライン10から尿素合成管
1の底部に供給される。なお、二酸化炭素の一部分を、
尿素合成管における吸熱を補うために尿素合成管に供給
することもできる。
【0033】図3は旧式な尿素合成管1を用いた例を示
す。アンモニア、二酸化炭素および回収液は、それぞれ
ライン10、11および12から尿素合成管1の底部に
供給され、尿素合成管の中を上昇しながら尿素合成が行
われ、尿素合成液は尿素合成管の頂部から尿素合成管出
口ライン20を経て図1および2におけると同様の処理
工程に送られる。尿素合成液の密度の測定はライン20
に設けた放射線型密度計により行われる。なお、尿素合
成液をストリッピング工程を実施することなく、直接に
中圧で実施されるアンモニウムカーバメート分解工程に
送り、この分解工程からの未反応アンモニアおよび二酸
化炭素の混合ガスを吸収媒体に吸収して得られる吸収液
をライン12から供給することもできる。
【0034】非接触型の密度計は、尿素合成管出口に設
けられる。ここで出口とは尿素合成管から次工程へ送り
出すために尿素合成液が抜き出される場所であるが、こ
れにのみ限定されず、例えば尿素合成管出口ラインの適
当な場所、特に尿素合成管に近接した場所でもよい。
【0035】尿素合成圧力および温度は、プロセスによ
り異なるが、一般的には、それぞれ130〜250バー
ルおよび180〜210℃の範囲である。この圧力およ
び温度は、通常、常時記録されて監視されている。ま
た、密度計からは、尿素合成管の運転圧力および温度に
対応する密度の値が得られるので、例えば図5の尿素合
成液の密度とN/Cの相関図からN/Cの値が求められ
る。いうまでもないが、温度、圧力、密度およびN/C
のデータは電気信号に変換したり、放射線型密度計の場
合はその受信部から電気信号をとることができ、これら
の値は、必要に応じて、画面に経時的に写し出すことが
できる。したがって、定常運転中のみならず、スタート
・アップおよびシャット・ダウン時にも有効に使用でき
る。
【0036】図4は、放射線型密度計2を合成管出口の
配管に設けた一例を示す横断面図である。放射線型密度
計2は線源100と受信部200とから構成され、これ
を配管400に止め金具600とクランプ300で固定
されて設置される。線源は、セシュウム137である。
【0037】次に、尿素合成管におけるマテリアル・バ
ランスの計算について説明する。
【0038】図6は尿素合成管におけるマテリアル・バ
ランス推算のロジックを示す図面である。通常、尿素プ
ラントは、尿素合成が行われる尿素合成管と、尿素合成
液から製品としての尿素とそれ以外の成分に分けるため
のストリッパーおよびカーバメート分解器と、カーバメ
ート分解器およびストリッパーで分離された未反応アン
モニアおよび二酸化炭素を尿素合成管へ循環するために
凝縮するコンデンサーとを包含する。
【0039】尿素合成管での尿素合成率は、N/C、H
/C、温度、圧力および滞留時間の関数である。これら
が知られている場合の尿素合成率は、例えば、特開平7
−319554にも用いられているトレーニングシミュ
レーター、登録番号P第1643号−1、プログラム名
称upotsから推算できる。ここで、N/Cは、尿素
合成管温度および尿素合成液温度と密度の測定結果から
リアル・タイムに測定できる。H/Cは、コンデンサー
から返送される回収液の実測量とその組成から推定でき
る。特に、水の組成に関しては、全体の組成の変動は小
さいので、それに含まれる水の量の変動も少ない。
【0040】さらに、発明者の一人が、特開平6−18
4085に開示した回収液の組成を電気伝導度との相関
から、回収液の各組成を精密に測定することもできる。
ところで、温度および圧力は、常時、測定されており、
滞留時間は、プラントのロードの単純な関数で表され
る。したがって、尿素合成管出口の尿素合成率並びに尿
素、アンモニア、二酸化炭素および水の組成および量が
リアル・タイムに推算できる。なお、いうまでもない
が、画面に表示して運転者がこれをみることもできる。
この場合、測定された密度の値は、温度、圧力など、先
に示した方法で尿素合成液の組成を推定するのに必要な
運転データとともに、中央制御室に設置された分散制御
システムと信号変換器を介して光ケーブルにてつながれ
たプロセスコンピュータにリアル・タイムで送られ、プ
ロセスコンピュータに搭載された尿素合成液組成推算プ
ログラムによって、これらのデータから尿素合成(管に
おけるマテリアル・バランス)がリアル・タイムにプロ
セスコンピュータ画面に表示される。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をより詳細に説
明する。しかしながら、本発明はこの実施例にのみ限定
されるものでないことは、いうまでもない。
【0042】尿素生産量は日産1725トンであり、尿
素合成管は図1に示すものを用いた。
【0043】図1において、尿素合成管1には、ライン
10から予熱されたアンモニアが、ライン11からこの
図に記載されていないコンデンサーからのアンモニウム
カーバメート溶液およびアンモニア、二酸化炭素、水の
混合ガスが、ガス液混相(回収液)で循環された。合成
管1では、該塔頂での温度が190℃に保たれ、所望す
るN/Cは4であった。
【0044】該塔頂では、175バールで不活性ガスが
尿素合成液から分離され、図示されないラインから排出
された。不活性ガスを分離した尿素合成液は、ダウン・
パイプ3を経て、この図には記載されていないストリッ
パーの塔頂部、次いで中圧のアンモニウムカーバメート
分解工程および精製工程へ順次供給された。中圧分解工
程以降の各段階で分離された、未反応アンモニウムおよ
び二酸化炭素を吸収媒体に吸収して形成された水溶液
は、ストリッパーにおいて原料二酸化炭素によって分離
された未反応アンモニア、未反応二酸化炭素、原料二酸
化炭素および水の混合ガスとともにコンデンサーに供給
され、ここで上記のガス液混相が得られた。
【0045】尿素合成液の密度は出口ライン20に設置
されたOhmart社製の放射線型密度計2により測定
された。尿素合成液密度は900kg/m3 であった。
なお、密度測定時の尿素合成液の温度は188℃であっ
た。その他の運転条件をも含めて尿素合成液密度の値を
表1にしめす。
【0046】
【表1】
【0047】上記の密度の値は、尿素合成温度、圧力な
ど、先に示した方法で尿素合成液の組成を推定するのに
必要な運転データは中央制御室に設置された分散制御シ
ステムのオペレータコンソール画面にリアル・タイムに
表示された。これらの値を表1に併記する。これらの値
は、分散制御システムと信号変換器を介して光ケーブル
にてつながれたプロセスコンピュータにリアル・タイム
で送られ、プロセスコンピュータに搭載された尿素合成
液組成推算プログラムによって、これらのデータから尿
素合成液組成と尿素合成管におけるマテリアル・バラン
スがリアル・タイムにプロセスコンピュータ画面に表示
された。結果を表1に併記するとともに、プロセスコン
ピュータ画面に表示された結果を図7に示す。
【0048】表1に示されたように、尿素合成液のN/
Cは3.8であった。このN/Cを4.0にするための
操作として、まず合成系内のアンモニア量を計算した。
合成系内のアンモニア量は、合成管内の容積180m3
と、測定した尿素合成液の密度と、アンモニアの成分流
量から以下のように計算された。すなわち、180m3
×0.9t/m3 ×35.22/100=57.1t
【0049】次に、N/C4.0の尿素合成液組成は、
下記のように計算された。
【0050】 尿素 85.2t/h(35.09%) アンモニア 89.1t/h(36.68%) 二酸化炭素 26.2t/h(10.81%) 水 42.3t/h(17.42%) なお、上記組成が達成されたとき、N/C=4.0、H
/C=0.46、尿素合成率=70.4%、尿素合成液
の密度=875kg/m3 である。
【0051】上記と同じく、合成系内に保持されるべき
アンモニア量は、180m3 ×0.875t/m3 ×3
6.68/100=57.8tと計算された。
【0052】したがって、プラントの安定運転を損なわ
ないで、N/C=4.0に戻すため1時間後にN/Cが
4.0となるように増加すべき原料アンモニア量は、下
記のとおり計算された。
【0053】 (57.8t−57.1t)/1h=0.7t/h これに基づき、原料アンモニア供給量は、 40.7t/h+0.7t/h=41.4t/h と計算され、コンピュータ画面に表示された。
【0054】これに応じて、原料アンモニア流量コント
ローラの設定値を41.4t/hに増加した。
【0055】尿素合成液密度は、徐々に下がっていき、
1時間後に合成管温度190℃において、875kg/
3 を示した。また、N/Cは4.0であることが確認
された。
【0056】
【発明の効果】本発明の尿素の合成方法は、以下に記載
の効果を奏する。
【0057】(1)尿素合成液とは非接触型密度計を尿
素合成管の出口に設置することにより、尿素合成液の固
結等の不具合がなく、尿素合成液の密度がリアル・タイ
ムに測定でき、それによって尿素合成液のN/Cをリア
ル・タイムに得ることができる。
【0058】(2)プロセスコンピュータに搭載された
尿素合成液組成推算プログラムによって、尿素合成液組
成と尿素合成管におけるマテリアルバランスがリアル・
タイムにわかるので、運転が極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すフローシートであ
る。
【図2】本発明の別の実施形態を示すフローシートであ
る。
【図3】本発明のさらに別の実施形態を示すフローシー
トである。
【図4】放射線型密度計の設置状況を示す横断面図であ
る。
【図5】尿素合成液の密度とN/Cとの相関関係を示す
グラフである。
【図6】尿素合成管におけるマテリアル・バランス推算
のロジックを示すブロック図である。
【図7】尿素合成液組成とマテリアル・バランスの画面
表示の一例を示す図面である。
【符号の説明】
1 尿素合成管 2 放射線型密度計 3 ダウン・パイプ 4 ダウン・パイプ 5 コンデンサー 100 線源 200 受信部 300 クランプ 400 配管 500 尿素合成液 600 止め金具

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿素合成域にアンモニアおよび二酸化炭
    素を供給し、尿素合成温度および圧力において反応させ
    て尿素、未反応アンモニア、未反応二酸化炭素および水
    からなる尿素合成液を生成させる尿素合成工程、該尿素
    合成液から該未反応アンモニアおよび二酸化炭素をそれ
    らの混合ガスとして分離するストリッピング工程、該ス
    トリッピング工程からの該尿素合成液中に残留する未反
    応アンモニアおよび二酸化炭素をそれらの混合ガスとし
    て分離するカーバメート分解工程、該カーバメート分解
    工程からの尿素液をさらに処理して尿素を得る精製工
    程、該カーバメート分解工程からの該混合ガスを吸収媒
    体に吸収して回収する回収工程、および該ストリッピン
    グ工程からの該混合ガスを該回収工程からの吸収液と接
    触させて凝縮させて回収液を得る凝縮工程からなる尿素
    の合成方法であって、該尿素合成液の密度を該尿素合成
    域の出口においてリアル・タイムに測定し、得られた密
    度の値から該尿素合成液のN/C(アンモニアと二酸化
    炭素のモル比)値を決定し、一方、該回収液の液量と組
    成とをリアル・タイムで測定し、これらの測定値と該N
    /C値とから尿素合成域中のアンモニア保持量を計算
    し、このアンモニア量が所定のN/C値に対応するアン
    モニア量となるように、該尿素合成域に供給するアンモ
    ニアの量を調整することを特徴とする尿素合成方法。
  2. 【請求項2】 尿素合成温度における尿素合成液の密度
    とN/C値との相関関係に基いて、該尿素合成域出口に
    おける該尿素合成液の密度のリアル・タイムの測定値か
    ら該尿素合成液のN/C値を決定する請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 尿素合成液に接触しない型式の密度計を
    該尿素合成域の出口に設けて密度を測定する請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該密度計が放射線型密度計である請求項
    3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該尿素合成液の密度をリアル・タイムで
    測定して該尿素合成液のN/C値を決定し、一方、該回
    収液の液量および組成をリアル・タイムで測定して該尿
    素合成域への水のリサイクル量を算出し、それによって
    該尿素合成液のH/C(水と二酸化炭素のモル比)値を
    決定し、こうして得られたN/CおよびH/Cの値、並
    びに該尿素合成域の温度、圧力および滞留時間から尿素
    合成率を推定して該尿素合成域におけるマテリアル・バ
    ランスを推算し、このマテリアル・バランスから該尿素
    合成域中に保持されるアンモニアの量を算出し、このア
    ンモニア量が所定のN/C値に対応するアンモニア量と
    なるように該尿素合成域に供給するアンモニアの量を調
    節する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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