JP3270451B2 - 分析中に生物学的試料を搬送するための物品 - Google Patents

分析中に生物学的試料を搬送するための物品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、DNAを含む流体のごとき生物学的液状試料
を試験器具間で搬送するための装置に係わり、特に、標
本トレイから電気泳動装置に生物学的液体を搬送するた
めの装置に関する。
【0002】ゾーン電気泳動は、血液、尿、DNAとい
った生物学的試料の様々なタイプを分析する良く知られ
た技術である。用意された生物学的試料は、例えばゲル
媒体やセルロースアセテートに受け渡され、その後、電
場に晒される。電場の作用によって、両性分子であるタ
ンパク質は、イオン化されて、それぞれの電荷強度に応
じて直線的に分離される。これによって、ゲル内には、
生物学的試料の成分を識別するパターンが形成される。
【0003】このようなプロセスは、米国特許第5,6
03,899号に開示された回収トレイのように、
「行」と「列」とを有する2次元行列に編成される複数
の受け凹部(wells)を有する1つのトレイ内に各
試料を用意することによって開始される。なお、米国特
許第5,603,899号に開示された回収トレイの説
明は、この米国特許を参照することによって、本明細書
中に組み入れられる。前記各受け凹部内には、分析され
る異なった生物学的試料が入れられるか、あるいは、別
個に処理される同じ試料が入れられる。
【0004】前記受け凹部から生物学的試料を搬送する
様々な装置が開発されてきている。このような装置の一
例が米国特許第3,616,387号、米国特許第4,
096,825号、米国特許第5,464,515号に
示されている。これらの搬送装置は、標本トレイ内の受
け凹部の「列」もしくは「行」の数および間隔と一致す
る複数の吸収性フィンガを有している。搬送は、受け凹
部の「列」または「行」内にフィンガを浸し、フィンガ
の吸収性材料によって生物学的液体の試料を吸い取るこ
とによって行なわれる。その後、搬送装置は、受け凹部
から移動され、フィンガが電気泳動ゲルと接触するよう
に位置が変えられる。これにより、異なった位置で、生
物学的試料がゲルに受け渡される。
【0005】それぞれの試料の成分の分離は、電気泳動
装置の電極間で1つのラインに沿って生じる。電気泳動
作用によって生物学的試料を分離することに加え、それ
ぞれの離れたラインと一直線を成す光検出器の直線的な
配列を有し且つそれらのラインに沿って成分の位置を検
出する自動装置が開発されてきている。したがって、光
検出器の1つのセットは、ゲル内に受け渡された1つの
生物学的試料の成分材料の分布を測定する。
【0006】共通に利用できる処理トレイの受け凹部同
士の間隔は、残念ながら、標準的な電気泳動装置の直線
的な光検出器の配列の間隔と一致していない。一般に、
直線的な光検出器の配列は、電気泳動装置の各操作時に
処理される試料の数を最大にするために、トレイの受け
凹部よりも間隔が狭い。その結果、標本トレイの受け凹
部の配列にしたがって離間された搬送装置のフィンガ
は、受け渡しが行なわれる電気泳動ゲルの領域において
は、その間隔が正確ではなくなる。唯一の解決策は、電
気泳動装置の光検出器の配列の間隔と一致する受け凹部
を有する標本トレイを使用することである。しかしなが
ら、そのような標準的でないトレイは、得てして高価で
あり、生物学的試料の準備に使用される他の装置とうま
く合わない。また、1つの試験で複数のタイプの電気泳
動装置が使用される場合には、それぞれのタイプに合わ
せて異なったトレイが必要となる。
【0007】したがって、様々な試験器具に必要とされ
る複数の異なる間隔に適合できる搬送装置を提供するこ
とが望まれる。
【0008】発明の概要 本発明の主な目的は、第1の間隔を有する一連の受け凹
部から第2の間隔で試料が受け渡される他の装置に複数
の生物学的試料を同時に搬送する物品(articl
e)を提供することである。
【0009】他の目的は、生物学的試料を搬送する複数
のストリップを有し且つストリップの横方向の間隔が変
化して異なった間隔に調整される搬送体(transf
er article)を提供することにある。
【0010】これらの目的と他の目的は、複数の生物学
的試料を同時に搬送する搬送装置によって達成される。
このような搬送装置は、第1のタブと第2のタブとを有
している。第1のタブと第2のタブとの間には、生物学
的試料を吸収するための吸収性材料から成る複数のスト
リップが接続されている。第1および第2のタブは互い
に対してスライド可能であり、このスライドによって、
複数のストリップが調整され、互いに隣り合う複数のス
トリップの先端同士の間隔が変化する。このような調整
により、先端同士の間隔は、試験装置の異なる部分の複
数の間隔要求に対応するように変化することができる。
【0011】搬送装置の1つの実施例において、複数の
ストリップは、螺旋体を形成するように互いに接続され
ている。螺旋体は、第1および第2の端部と、これらの
端部間に位置する複数の渦巻き部とを有している。各渦
巻き部は、生物学的試料を吸収するための吸収性材料か
ら成る別個の舌部を有している。第1のタブは、螺旋体
の第1の端部に接続されるとともに、螺旋体を貫通して
第2の端部から突出している。同様に、第2のタブは、
螺旋体の第2の端部に接続されるとともに、螺旋体を貫
通して第1の端部から突出している。第1および第2の
タブが互いに対して移動することにより、螺旋体が伸縮
し、舌部同士の間隔が変化する。
【0012】本発明の搬送装置に他の実施例において、
各ストリップは、第1のタブに取り付けられた第1の部
分と、第2のタブに取り付けられた第2の部分とを有し
ている。第1の部分同士は所定の間隔で離間し、また、
第2の部分同士は、第1の部分における間隔と異なる間
隔で、互いに離間している。各ストリップの中間部は、
第1の部分と第2の部分とが互いに対してオフセット
(offset)されるような角度で、第1の部分と第
2の部分との間を延びている。第1および第2のタブが
互いに対してスライドすることにより、ストリップは、
第1の部分と中間部との間の接合部または第2の部分と
中間部との間の接合部で交互に折れ曲がり、これによ
り、ストリップの先端が変化し、先端同士の間隔が変化
する。
【0013】更なる他の実施例において、搬送体は、第
1および第2の側面を有する本体を備えている。本体の
第1の側面からは、生物学的試料を吸収するための吸収
性材料から成る複数の第1のストリップが所定の間隔で
突出している。また、本体の第2の側面からは、吸収性
材料から成る複数の第2のストリップが所定の間隔で突
出している。複数の第2のストリップは、複数の第1の
ストリップからオフセットされている。
【0014】例えばスリットや折り目のような要素によ
って、搬送体は、複数の第1のストリップが複数の第2
のストリップ間に入り込むような状態に折れ曲がること
ができる。複数の第1および第2のストリップ同士のオ
フセットにより、搬送体が折り曲げられると、組み合わ
された第1および第2のストリップ同士の間隔は、第1
または第2のストリップだけの間隔の半分になる。
【0015】展開された搬送体は、第1の試験器具から
生物学的試料を吸収するために使用される。この場合、
複数の第1のストリップは、生物学的試料を含む標本ト
レイの受け凹部の1つの列に浸される。したがって、複
数の第1のストリップは、標本トレイの受け凹部から生
物学的試料を吸収する。その後、搬送体はひっくり返さ
れ、別の生物学的試料を吸収するために、複数の第2の
ストリップが受け凹部の他の列に浸される。次に、搬送
体が実質的に半分に折り曲げられ、第1および第2の側
面が一直線状に揃えられるとともに、複数の第1および
第2のストリップが互いに入り込むように位置される。
折り曲げられた搬送体は、第2の試験器具に対して並べ
て配置され、複数の第1および第2のストリップから第
2の試験器具に生物学的試料が受け渡される。このよう
な動作は、第1の試験器具の受け凹部同士の間隔よりも
狭い間隔で配置される第2の試験器具に生物学的試料を
受け渡す。狭い間隔要求をもつ器具から広い間隔を要求
する器具に試料を搬送する場合には、このような手続き
と逆の手続きを行なうことができる。
【0016】発明の詳細な説明 まず最初に図1を参照すると、搬送体10は、吸収性材
料によって形成されるシートから金型により打ち抜かれ
る。搬送体10は、長尺な矩形タブ14,16を備えた
中央部分12を有している。タブ14,16は、図中に
破線で示される直線状の接合部18,20で、中央部分
の両側から延びている。中央部分12は、後述する折り
曲げ線22によって二等分されている。
【0017】搬送体10が打ち抜き加工されると、金型
は、複数の閉じられた直線状のスリット24を中央部分
に形成する。これらの各スリットの端部は切断線27,
29でそれぞれ終端している。これら複数のスリット2
4は、それらの間に、幅が等しく且つ折り曲げ線22に
対して点対称な複数のストリップ26を形成している。
各ストリップ26は、折り曲げ線22を横切る中間部3
2によって互いに接続された第1および第2の端部2
8,30に分けられている。各端部28,30はそれぞ
れ長手中心軸34,36を有している。中間部32は接
続された各端部に対して角度を成しており、これによ
り、各ストリップ26の対応する長手中心軸34,36
は互いに対してオフセットされている。オフセット量は
各ストリップ26の幅に等しい。ストリップ26の列の
一方側では、スリット24の半分の長さを有する第1の
半スリット25が折り曲げ線22の一方側から延びてい
る。ストリップの列の他方側では、第2の半スリット2
6が折り曲げ線の他方側から延びている。半スリット2
5,27は外側ストリップ29,31を形成している。
【0018】また、打ち抜き加工によって、折り曲げ線
22の両側のスリット26の端部には、小さな矩形の開
口38が形成される。ストリップには、開口38同士の
間に、吸収性のある舌部44,46が形成されている。
複数のスリット24の端部は、搬送体10の縁部に沿っ
て、アライメント部40,41で終端している。各アラ
イメント部41,40は、後述する折り曲げ時に搬送体
10の半部分同士を重ね合わせて揃えるための複数の開
口42を全体にわたって有している。
【0019】吸収性材料によって形成されるシートから
搬送体10の形状が打ち抜かれると直ぐに、図2に示さ
れるように、タブ14,16が中央部分12を乗り越え
るように折り曲げられる。この折り曲げは、接合線1
8,20に沿って行なわれる。その後、図3に示される
ように、アライメント部40,41の露出した縁部が揃
えられて複数の開口42が一致されるようにアライメン
ト部40,41同士が重ね合わされるまで、搬送体10
が折り曲げ線22に沿って折り曲げられる。この製造段
階において、タブ14,16は、複数のストリップ26
の端部28,30間に挟み込まれ、折り曲げられた中央
部分12から外側に突出する。
【0020】複数のストリップ26はその各端部28,
30の遠位端に舌部44,46を有しており、舌部4
4,46はこの遠位端でストリップの先端を形成してい
る。搬送体10が図3に示されるように折り曲げられる
と、第1の端部28の舌部44が各ストリップ26の反
対側の端部で第2の端部30の舌部46と重なり合う。
しかしながら、各ストリップ26の角度を成す中間部3
2によって形成されたオフセットにより、一のストリッ
プ26の第1の端部28は、それと隣り合うストリップ
26の第2の端部30と重なり合う。これらの舌部4
4,46は、アライメント部40,41とともに、それ
らの接触面に接着剤が塗布されることにより互いに接着
される。
【0021】接着剤によって搬送体10の接着部位が接
着固定されると、図3の破線48に沿ってカットされる
ことにより、アライメント部40,41が切り取られ
る。これにより、既に接着された各舌部44,46で複
数のストリップ26が分離される。このような接着と分
離は、図4に示されるように、複数のストリップ26か
ら偏平な螺旋50を形作る。この偏平な螺旋50におい
て、各ストリップの第1の端部28の舌部44は、他の
ストリップの第2の端部30の舌部26に接着されてい
る。これにより、各ストリップ26は螺旋50の渦巻き
を形成する。
【0022】螺旋50によって、2つのタブ14,16
は、矢印52で示されるように両方向で横にスライドす
ることができる。タブ14,16が外側に引張られる
と、図3に示されるようにストリップ26の列が互いに
当接する最も外側の位置に達するまで、螺旋50が閉じ
る。タブ14,16がストリップ内へと押し込まれる
と、図4に示されるように、螺旋50は、個々のストリ
ップ26を互いに離間させるように広げる。このような
動作により、取り付けられた舌部44,46の互いに隣
り合うセット間の間隔S、したがって、ストリップ26
の先端54同士の間隔Sが大きくなる。その結果、先端
54同士の間隔Sは、生物学的な試料を吸収するために
先端54が浸される標本トレイの受け凹部の間隔と対応
するように変化させることができ、その後、電気泳動装
置によって要求される間隔に調整することができる。本
実施例によれば、タブ14,16の2つの終端位置間で
間隔を無段階に調整することができる。
【0023】タブ14,16は、ロボットアームによる
搬送体10の把持および操作を可能ならしめる手段を提
供する穴56,58(図3および図4参照)をそれぞれ
有していることが望ましい。これらの穴56,58によ
って、搬送体は、自動化されたワークステーションの把
持部に位置合わせされ、この必要な動作によって、スル
ープットが高い種々の生物学的試料取り扱いルーチンを
実行することができるとともに、その必要な動作を効率
的に何度も繰り返すことができるようになる。また、搬
送体10にバーコードを貼り付け、これによって、ロボ
ットアームをコンピュータ制御して、搬送される生物学
的試料を識別するようにしても良い。
【0024】図5は変形例に係る搬送体60を示してい
る。この搬送体60は、搬送体の複数の部分を互いに対
してスライドさせることにより、異なる複数の試験装置
に適応するように調整できる。また、この搬送体60
は、吸収性材料によって形成された平坦なシールから打
ち抜かれる。このような打ち抜き動作によって、複数の
ストリップ66により互いに連結される2つのタブ6
2,64が形成される。ストリップ66は、第1のタブ
62から延び且つ第1の距離で互いに離間する第1の端
部68を有している。ストリップ66は、第2のタブ6
4から延び且つ第1の距離よりも小さい第2の距離で互
いに離間する第2の端部70を有している。すなわち、
第2の端部は第1の端部よりも更に接近した状態で離間
されている。ストリップの2つの端部68,70のそれ
ぞれの間隔は、搬送体60とともに使用される2つの試
験器具(例えば、凹状のトレイ(well tray)
や電気泳動器)の間隔に対応している。
【0025】第1の端部68のそれぞれは、中間部72
によって、第2の端部70の1つに個別に接続されてい
る。第1の端部68と中間部72との間には折り目が形
成されている。また、第2の端部70と中間部72との
間にも同様に折り目が形成されている。これにより、搬
送体を中間部72の両端で折り曲げることができる。図
6は、第1の端部68と中間部72との間の折り目で搬
送体60を折り曲げて2つのタブ62,64の主表面を
当接させた状態を示している。このような形態におい
て、ストリップ66の先端74は、第1の端部68間の
距離によって決定される第1の間隔を有している。2つ
のタブ62,64を図7に示される位置に向けて互いに
対しスライドさせると、ストリップ66の先端74同士
の間隔は、別の試験装置によって要求される間隔と一致
するように変化される。このスライド動作によって、ス
トリップ66は、第1の端部68と中間部72との間の
折り目で展開されるとともに、第2の端部70と中間部
72との間の折り目で折り曲げられる。この状態では、
第2の端部70と中間部72との間の折り目によって先
端74が形成される。第2の端部70同士は互いに接近
しているため、先端74同士の間隔は変化する。
【0026】このように、搬送体60のタブ62,64
を図6の位置に向けてスライドさせると、生物学的材料
を試験器具から広い間隔で取得することができるととも
に、生物学的材料を試験器具に広い間隔で受け渡すこと
ができる。一方、図7の位置では、生物学的材料を器具
から狭い間隔で取得することができるとともに、生物学
的材料を器具に狭い間隔で受け渡すことができる。した
がって、搬送体60は、必要とする間隔が異なる2つの
試験器具間で複数の生物学的試料を同時にやりとりする
ために使用できる。
【0027】まず始めに図8を参照すると、搬送体10
0は、吸収性材料によって形成された平坦なシートから
金型によって打ち抜かれる。この打ち抜き加工によっ
て、両縁部すなわち側面104,106を有する矩形の
本体102が形成される。複数の第1のストリップ10
8が第1の側面104から外側に突出している。これら
の第1のストリップ108は、所定の中心間距離D(例
えば9mm)で互いに等間隔で離間している。複数の第
2のストリップ110が第2の側面106から外側に突
出している。これらの第2のストリップ110は、所定
の中心間距離Dで互いに等間隔で離間している。この距
離Dは、後述するように、第1のタイプの試験器具にお
いて必要とされる間隔と一致するように選択される。複
数の第1および第2のストリップ108,110のそれ
ぞれは、距離Dよりも小さい幅を有している。複数の第
1のストリップ108は複数の第2のストリップ110
と一直線上に並んで位置されていない。その代わり、こ
れら2つのストリップ108,110は、所定の中心間
距離Dの半分(例えば4.5mm)だけオフセットされ
ている。
【0028】搬送体100が打ち抜き加工されると、金
型は矩形の本体102に閉じられたスリット112を形
成する。このスリットは、互いに対向する側面104,
106間で延びる本体の横側面114,116から等し
い距離で離間されている。スリット112の両端部は、
互いに対向する側面104,106から等距離に位置さ
れている。スリット112は、矩形の本体102を、複
数の第1のストリップ108が延出する第1の部分11
8と複数の第2のストリップ110が延出する第2の部
分120とに分割している。スリット112のパターン
は、第2の部分120に矩形のタブ122を形成すると
ともに、第1の部分118に2つの先細りタブ124,
126を形成する。
【0029】スリット112の各端部とそれに隣接する
横側面114,116との間には、矩形の本体102の
中心線に沿って、破線で示される一対の折り目128,
130が形成されている。スリット112と一対の折り
目128,130は、図9に示されるように、搬送体1
00を実質的に半分に折り曲げることを容易にする。こ
の折り曲げ状態で、2つの互いに対向する側面104,
106は一直線に揃えられ、複数の第1および第2のス
トリップ108,110は、間隔における前記オフセッ
トにより、互いに入り込んだ状態に位置される。すなわ
ち、交互に配置される。したがって、端部に位置する第
1および第2のストリップを除き、複数の第1のストリ
ップ108のそれぞれは、複数の第2のストリップ11
0の異なる対間に個別に位置され、複数の第2のストリ
ップ110のそれぞれは、2つの第1のストリップ10
8間に位置される。この折り曲げ状態において、第2の
部分120の矩形のタブ122と第1の部分118の2
つの先細りタブ124,126はハンドルを形成し、ユ
ーザは、このハンドルによって、ストリップ108,1
10から離れた搬送装置を保持することができる。
【0030】ストリップ108,110が離間されてい
る中心間距離Dは、生物学的試料を処理するための凹状
のマルチプル標本トレイのようなある1つのタイプの試
験器具によって要求される間隔に対応している。搬送対
100を使用する場合、試験技術者は、搬送体(art
icle)を図8に示されるような平坦な状態にし、複
数のストリップ108,110の一方を標本トレイの受
け凹部の1つの列に浸す。各ストリップは、異なる受け
凹部内に入り、その中にある流体状の生物学的試料を吸
収する。その後、技術者は搬送体100をひっくり返
し、複数のストリップ108,110の他方を標本トレ
イの受け凹部の他の列に浸す。これにより、浸されたス
トリップは流体状の生物学的試料を吸収する。
【0031】次に、技術者は搬送体100を折り目12
8,130に沿って折り曲げて図9に示される形状にす
る。搬送体100の2つの部分118,120の主表面
同士が当接すると、2つの複数のストリップ108,1
10は互いに入り込むように位置し、広げられた搬送体
のストリップ同士の間隔は半分になる。すなわち、試験
を保持するストリップ108,110は、互いに接近
し、自動電気泳動装置のような第2の試験器具によって
要求される間隔と一致する間隔を有するようになる。そ
の後、折り曲げられた搬送体100は、生物学的試料を
ストリップ108,110から第2の試験器具に受け渡
す。
【0032】当業者であれば分かるように、非常に接近
した間隔をもつ器具から広い間隔をもつ器具に対して生
物学的材料を搬送する場合には、正反対のプロセスを使
用できる。この場合、搬送体は、生物学的材料を吸収す
るために折り曲げられて使用され、その後、その材料を
第2の試験器具に受け渡すために展開される。この場
合、複数のストリップ108,110の一方に吸収され
ている材料がまず最初に受け渡され、その後、搬送体1
00がひっくり返されて、複数のストリップ108,1
10の他方から材料が第2の試験器具に受け渡される。
【0033】前述した説明は主に本発明の好ましい実施
例に関するものである。本発明の範囲内で幾つかの留意
点が様々な変形に対して与えられてはいるが、当業者で
あれば、これらの実施例の開示から明らかな別個の変形
を実現できるものと考えられる。したがって、本発明の
範囲は、特許請求の範囲に基づいて決定されるべきであ
り、前述した開示に限定されるべきではない。 [図面の簡単な説明]
【図1】図1は吸収性材料から成る平坦な一片から打ち
抜かれた本発明に係る搬送体を示す図である。
【図2】図2は組み立ての一工程における搬送体を示す
図である。
【図3】図3はその後の組み立て工程における搬送体を
示す図である。
【図4】図4は搬送体の使用状態の図である。
【図5】図5は吸収性材料によって形成された平坦なシ
ートから打ち抜かれた本発明の第2の実施例に係る搬送
体を示す図である。
【図6】図6は第2の実施例に係る搬送体の第1の使用
状態における図である。
【図7】図7は第2の実施例に係る搬送体の第2の使用
状態における図である。
【図8】図8は本発明の第3の実施例に係る搬送体の平
坦な使用状態における図である。
【図9】図9は第3の実施例に係る搬送体の折り曲げ使
用状態における図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−128129(JP,A) 特開 平11−174025(JP,A) 特開 平3−295462(JP,A) 特開 平8−271479(JP,A) 特開 昭62−138735(JP,A) 実開 昭54−59754(JP,U) 実開 昭59−179368(JP,U) 実開 平1−78946(JP,U) 実開 昭53−121095(JP,U) 米国特許3616387(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/447 G01N 1/00 101 G01N 33/48 G01N 1/10

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の生物学的試料を同時に搬送するた
    めの物品において、 本体と、 前記本体から延び、吸収性材料によって形成されるとと
    もに、複数の生物学的試料を吸収するための複数のスト
    リップとを備え、複数のストリップのそれぞれは先端を
    有し、 更に、前記本体に連結されて外部の操作体と係合する部
    材を備え、前記部材は、外部の操作体による操作時に前
    記本体の形状を変化させて、複数のストリップの先端同
    士の間隔を変化させることを特徴とする物品。
  2. 【請求項2】 複数の生物学的試料を同時に搬送するた
    めの物品において、 第1のタブと、 第2のタブと、 前記第1のタブと前記第2のタブとの間で接続され、吸
    収性材料によって形成されるとともに、複数の生物学的
    試料を吸収するための複数のストリップとを備え、複数
    のストリップはそれぞれ少なくとも1つの先端を有し、 第1のタブと第2のタブは、互いに対してスライド可能
    であり、そのスライドによって、互いに隣り合う複数の
    ストリップの先端同士の間隔を変化させるように複数の
    ストリップを調整することを特徴とする物品。
  3. 【請求項3】 複数のストリップのそれぞれは、第1の
    長手方向軸を有する第1の部分と、第2の長手方向軸を
    有する第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間で
    角度を成して延びる中間部とを有し、第1の長手方向軸
    は第2の長手方向軸からオフセットされていることを特
    徴とする請求項2に記載の物品。
  4. 【請求項4】 複数のストリップのそれぞれは、第1の
    タブに取り付けられた第1の部分と、第1のタブに取り
    付けられた第2の部分と、第1の部分と第2の部分との
    間で延びる中間部とを有し、互いに隣り合う複数のスト
    リップの第1の部分同士は第1の間隔で離間し、互いに
    隣り合う複数のストリップの第2の部分同士は第2の間
    隔で離間していることを特徴とする請求項2に記載の物
    品。
  5. 【請求項5】 前記中間部は、第1の接合部で第1の部
    分に取り付けられ、第2の接合部で第2の部分に取り付
    けられており、また、第1および第2のタブは重ね合わ
    され、第1および第2のタブが互いに対してスライドさ
    れると、複数のストリップは第1および第2の接合部で
    交互に折り曲げられることを特徴とする請求項4に記載
    の物品。
  6. 【請求項6】 複数のストリップのそれぞれは、第1の
    長手方向軸および第1の端部を有する第1の部分と、第
    2の長手方向軸および第2の端部を有する第2の部分
    と、第1の部分を第2の部分に接続する中間部とを有
    し、第1の長手方向軸は第2の長手方向軸からオフセッ
    トされ、複数のストリップは一列に並んで配置されると
    ともに中間部で折り曲げられており、各ストリップの第
    1の端部は、隣り合うストリップの第2の端部と重ね合
    わされて、この第2の端部に取り付けられていることを
    特徴とする請求項2に記載の物品。
  7. 【請求項7】 第1のタブは前記列の第1の端でストリ
    ップの第1の端部に接続され、また、第1のタブは、複
    数のストリップの第1の端部と第2の端部との間で延び
    るとともに、前記列の第2の端から外側に突出し、 第2のタブは前記列の第2の端でストリップの第2の端
    部に接続され、また、第2のタブは、複数のストリップ
    の第1の端部と第2の端部との間で延びるとともに、前
    記列の第1の端から外側に突出し、 第1および第2のタブは、複数のストリップ同士の間隔
    を変化させるように、前記列の内側に向かって及び前記
    列の外側に向かって移動できることを特徴とする請求項
    6に記載の物品。
  8. 【請求項8】 複数の生物学的試料を同時に搬送するた
    めの物品において、 第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部
    との間に位置する複数の渦巻き部とを有する螺旋体を備
    え、この螺旋体は、複数の生物学的試料を吸収する吸収
    性材料から成る複数の舌部を有し、各舌部は複数の渦巻
    き部のうちの1つの異なる舌部に取り付けられ、 また、第1の端部に接続された第1のタブを備え、この
    第1のタブは螺旋体を貫通して第2の端部から突出し、 また、第2の端部に接続された第2のタブを備え、この
    第2のタブは螺旋体を貫通して第1の端部から突出し、 第1および第2のタブが互いに対して移動することによ
    り、複数の舌部同士の間隔が変化することを特徴とする
    物品。
  9. 【請求項9】 前記螺旋体は複数のストリップを備え、
    各ストリップは第1および第2の端を有し、各ストリッ
    プの第2の端は他のストリップの第1の端に取り付けら
    れていることを特徴とする請求項8に記載の物品。
  10. 【請求項10】 複数の舌部のそれぞれは、個別に、各
    ストリップの第1および第2の端の一方に取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項9に記載の物品。
  11. 【請求項11】 複数の生物学的試料を同時に搬送する
    ための物品において、 吸収性材料によって形成されるとともに、複数の生物学
    的試料を吸収するための複数のストリップを備え、複数
    のストリップのそれぞれは、第1の長手方向軸および第
    1の端部を有する第1の部分と、第2の長手方向軸およ
    び第2の端部を有する第2の部分と、第1の部分を第2
    の部分に接続する中間部とを有し、第1の長手方向軸は
    第2の長手方向軸からオフセットされ、複数のストリッ
    プは一列に並んで配置されるとともに中間部で折り曲げ
    られており、各ストリップの第1の端部は、隣り合うス
    トリップの第2の端部と重ね合わされて、この第2の端
    部に取り付けられ、 また、前記列の第1の端でストリップの第1の端部に接
    続された第1のタブを備え、この第1のタブは、複数の
    ストリップの第1の端部と第2の端部との間で延びると
    ともに、前記列の第2の端から外側に突出し、 また、前記列の第2の端でストリップの第2の端部に接
    続された第2のタブを備え、この第2のタブは、複数の
    ストリップの第1の端部と第2の端部との間で延びると
    ともに、前記列の第1の端から外側に突出し、 第1および第2のタブは、複数のストリップ同士の間隔
    を変化させるように、互いに対して移動できることを特
    徴とする物品。
  12. 【請求項12】 複数の生物学的試料を同時に搬送する
    ための物品において、 第1のタブと、 第2のタブと、 吸収性材料によって形成されるとともに、複数の生物学
    的試料を吸収するための複数のストリップとを備え、複
    数のストリップのそれぞれは、第1の長手方向軸および
    第1のタブに取り付けられる第1の端部を有する第1の
    部分と、第2の長手方向軸および第2のタブに取り付け
    られる第2の端部を有する第2の部分と、第1の部分と
    第2の部分との間で延びる中間部とを有し、第1の長手
    方向軸は第2の長手方向軸からオフセットされているこ
    とを特徴とする物品。
  13. 【請求項13】 前記中間部は、第1の接合部で第1の
    部分に取り付けられ、第2の接合部で第2の部分に取り
    付けられており、また、第1および第2のタブは重ね合
    わされ、第1および第2のタブが互いに対してスライド
    されると、複数のストリップは第1および第2の接合部
    で交互に折り曲げられることを特徴とする請求項12に
    記載の物品。
  14. 【請求項14】 第1の器具と第2の器具との間で複数
    の生物学的試料を同時に搬送するための方法において、 第1の器具に対して1つの搬送体を並べて配置し、前記
    搬送体は複数のストリップを有し、これらのストリップ
    は、吸収性材料から形成されるとともに、第1の器具か
    ら複数の生物学的試料を吸収し、 複数のストリップに取り付けられた第1および第2のタ
    ブを移動させることによって、互いに隣り合う複数のス
    トリップの先端同士の間隔を変化させ、 その後、第2の器具に対して搬送体を並べて位置させ
    て、複数の生物学的試料を第2の器具に受け渡すことを
    特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 複数の生物学的試料を同時に搬送する
    ための物品において、 互いに対向する第1および第2の側面を有する本体と、 生物学的試料を吸収するための吸収性材料から成る複数
    の第1のストリップとを備え、複数の第1のストリップ
    は互いに離間するとともに前記本体の第1の側面から突
    出し、 生物学的試料を吸収するための吸収性材料から成る複数
    の第2のストリップとを備え、複数の第2のストリップ
    は互いに離間するとともに前記本体の第2の側面から突
    出し、また、複数の第2のストリップは複数の第1のス
    トリップからオフセットされ、 前記本体は、複数の第1のストリップが複数の第2のス
    トリップ間に入り込むような形態に折り曲げ可能である
    ことを特徴とする物品。
  16. 【請求項16】 前記本体は、本体を2つの部分に区画
    するスリットを有し、前記2つの部分が互いに対して折
    り曲げられると、複数の第1および第2のストリップが
    交互に配置されることを特徴とする請求項15に記載の
    物品。
  17. 【請求項17】 前記本体は、第1の側面と第2の側面
    との間で延びる第1および第2の横側面と、第1および
    第2の側面と第1および第2の横側面とから分離される
    スリットとを備えていることを特徴とする請求項16に
    記載の物品。
  18. 【請求項18】 前記本体は、前記スリットと第1の横
    側面との間で延びる第1の折り目と、前記スリットと第
    2の横側面との間で延びる第2の折り目とを備えている
    ことを特徴とする請求項17に記載の物品。
  19. 【請求項19】 吸収性材料から成る複数の第1のスト
    リップが突出する第1の部分と吸収性材料から成る複数
    の第2のストリップが突出する第2の部分とを有する搬
    送体を使用して、第1の器具と第2の器具との間で複数
    の生物学的試料を同時に搬送するための方法において、 第1の器具に対して前記搬送体を並べて配置し、これに
    よって、複数の第1および第2のストリップによって第
    1の器具から生物学的試料を吸収し、 搬送体の第1の部分を第2の部分に対して移動させるこ
    とによって、互いに隣り合う複数の第1のストリップと
    第2のストリップとの間の間隔を変化させ、 第2の器具に対して前記搬送体を並べて位置させて、生
    物学的試料を複数の第1および複数の第2のストリップ
    から第2の器具に受け渡すことを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 第1の器具に対して搬送体を並べて配
    置する場合には、 第1の器具に対して搬送体の第1の部分を並べて配置し
    て、第1の器具から複数の第1のストリップによって生
    物学的試料を吸収し、 その後、第1の器具に対して搬送体の第2の部分を並べ
    て配置して、第1の器具から複数の第2のストリップに
    よって別の生物学的試料を吸収する、 ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 搬送体の第1の部分を第2の部分に対
    して移動させる工程は、複数の第1のストリップが複数
    の第2のストリップ間に入り込むように搬送体を折り曲
    げる工程を備えていることを特徴とする請求項20に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 第1の器具に対して搬送体を並べて配
    置する工程は、複数の第1のストリップが複数の第2の
    ストリップ間に入り込むように搬送体を折り曲げる工程
    を備え、 搬送体の第1の部分を第2の部分に対して移動させる工
    程は、搬送体を展開する工程を備えることを特徴とする
    請求項19に記載の方法。
  23. 【請求項23】 第2の器具に対して搬送体を並べて配
    置する場合には、 第1の器具に対して搬送体の第1の部分を並べて配置
    し、複数の第1のストリップから第2の器具に生物学的
    試料を受け渡し、 その後、第1の器具に対して搬送体の第2の部分を並べ
    て配置し、複数の第2のストリップから第2の器具に生
    物学的試料を受け渡す、 ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 第1の器具と第2の器具との間で複数
    の生物学的試料を同時に搬送する方法において、 第1の器具に対して搬送体の第1の側を並べて配置し、
    前記第1の側は、第1の器具から生物学的試料を吸収す
    る吸収性材料から成る複数の第1のストリップを有し、 第1の器具に対して搬送体の第2の側を並べて配置し、
    前記第2の側は、第1の器具から別の生物学的試料を吸
    収する吸収性材料から成る複数の第2のストリップを有
    し、 複数の第1のストリップが複数の第2のストリップ間に
    入り込むように搬送体を折り曲げ、 折り曲げた後、第2の器具に対して前記搬送体を並べて
    位置させて、生物学的試料を複数の第1および第2のス
    トリップから第2の器具に受け渡すことを特徴とする方
    法。
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