JP4493214B2 - キャリヤー及び使用方法 - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明は全般にキャリヤーと該キャリヤーの使用方法に関する。より詳細には、本発明は医療診断分析器で使用するキュベット用キャリヤーと該キャリヤーの使用方法に関する。
【0002】
医療診断分析器は試料を処理して試料の成分を測定する機械である。例えば、医療診断分析器はヒト血液試料を処理してヒト血液試料中のコレステロール値を測定することができる。
【0003】
このためには、医療診断分析器の反応容器、キュベット等の容器に試料を加える。医療診断分析器は容器内の試料に試薬等の他の物質を添加し、容器を「検査」し、着目成分を測定することができる。
【0004】
医療診断分析器によっては所与時間(例えば1時間)に例えば250個といった多数の試料を処理するものもある。処理する試料1個につき1個の容器を使用する場合には、医療診断分析器は所望処理を実施するのに適した数の容器が必要である。
【0005】
場合によっては、多数の容器を医療診断分析器に装填する場合もある。容器は比較的小型であるので、容器を医療診断分析器に装填するには多少の労力と時間が必要である。また、容器を検査して試料中の着目成分を測定するので、例えば指紋などがつかないように容器を比較的清潔に保つことが望ましい。従って、医療診断分析器への容器装填、容器輸送等を容易にすることができるキャリヤーを提供することが望ましい。
【0006】
発明の要約
キャリヤーの各種態様とその使用方法を開示する。1態様では、このキャリアーは、医療診断分析器に使用され、位置決め装置をもつ容器のためのものである。キャリヤーは平坦部材と、平坦部材に配置された容器保持部材を含む。容器保持部材は容器がキャリヤーにより解放可能に保持されるように容器の位置決め装置と係合可能な構造をもつ。
【0007】
(図面の簡単な説明)
【図1】
本明細書に記載するキャリヤーの1態様の斜視図である。
【0008】
【図2】
図1のキャリヤーに組立てるブランクの全体平面図である。
【0009】
【図3】
図1のキャリヤーに組立てるブランクの別の全体平面図である。
【0010】
【図4】
図1のキャリヤーに組立てるブランクの更に別の全体平面図である。
【0011】
【図5】
図1のキャリヤーに組立てるブランクの斜視図である。
【0012】
【図6】
医療診断分析器の係合部の1態様と結合した図1のキャリヤーの斜視図である。
【0013】
【図7】
図1のキャリヤーと係合した図6の医療診断分析器の係合部の斜視図である。
【0014】
【図8】
図1のキャリヤーによる医療診断分析器への容器装填を示す図6と同様の斜視図である。
【0015】
発明の詳細な説明
図1は医療診断分析器等の器具に容器1を装填するために使用可能なキャリヤー16の1態様を示す。分かり易くするために、以下の説明では米国特許第5,456,882号とヨーロッパ特許第EP0557400B1号及びEP0557403B1号に記載されている容器1及び医療診断分析器に関してキャリヤー16の組立、操作及び使用を説明する。前記特許は本願譲受人に譲渡され、その開示内容全体を参考資料として本明細書の一部とする。更に分かり易くするために、本願では上記米国特許第5,456,882号と同一参照符号を使用する。しかし、キャリヤー16は他の容器及び他の使用方法でも当然利用できる。更に、キャリヤー16の組立方法及び/又は使用方法の各段階は適当な任意方法で実施することができ、他の方法の段階と組み合わせて別法にしてもよい。
【0016】
図1を参照すると、キャリヤー16は常時実質的に平坦な部材18から構成され、平坦部材18には容器1保持部材20が配置されている。容器1保持部材20は容器1の位置決め装置6と係合可能な構造をもち、容器1はキャリヤー16に解放可能に保持され、キャリヤー16は容器1がキャリヤー16により解放可能又は摺動的に保持されるように容器1の位置決め装置6と解放可能に係合可能である。図例態様では、容器保持部材20は少なくとも1個のフラップ即ち容器1の位置決め装置6の溝10に離脱可能に挿入するように構成された1対の対向フラップ22A及び22Bを含む。位置決め装置6の構造に依存して容器1の保持部材20の他の構造も可能である。
【0017】
キャリヤー16は容器1を使用する自動医療診断分析器等の機械に配置された取付エレメント26(図7)と解放可能に係合する器具係合部24を更に含む。キャリヤー16の図例態様は、任意の所与時点で複数(例えば約8個)の容器1を所期方法でキャリヤー16に配置できるような寸法に形成されている。
【0018】
キャリヤー16の詳細は、キャリヤー16の1態様の組立方法に関する以下の説明から理解されよう。当然のことながら、他の組立方法も可能である。更に、特定材料及び寸法を挙げるが、他の材料及び寸法も適宜使用できる。
【0019】
キャリヤー16の組立は厚紙等の適当な原料から出発することができる。1態様では、少なくとも片面にクレーを塗布し、片面は未塗布とした厚さ約0.016インチの硬質さらしクラフト板紙(例えばMemphis,Tennesseeに所在のInternational Paperから市販されている16PT EVEREST FC8 NEW SHADE)を原料とすることができる。原料を切断して図2に示す形状のブランク28を形成する。1態様では、ブランク28はほぼ下記寸法とすることができる。
【0020】
【表1】
【0021】
次に、ブランク28に印刷機工程等のコーティング処理を実施する。1方法では、このコーティング処理はBesenville,Illinoisに所在のNicoatから市販されているNicoat work−in−turn艶塗料処方#89100等の水性塗料少量をブランク28の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布する。1態様では、この塗料をブランク28のクレー塗布面に配置する。塗料により占められる領域を図2の参照符号30により示す。寸法B及びIは塗料の「ブリード」領域を表す。
【0022】
次に、ブランク28を図3に示す形状に整形する。具体的には、ブランク28を例えば打抜き、クリンプ、孔あけ、折り目形成、筋形成及び/又は型押等により適宜切断する。こうして、ブランク28をほぼ次の寸法にすることができる。
【0023】
【表2】
【0024】
1態様では、「溝孔あけ」又は「折り目切断」として当業者に公知の処理をブランク28に実施し、筋、孔及び/又は折り目を交互に形成してキャリヤー16を更に組立易くする。この処理は特にブランク28に少なくとも1本の切れ目及び折り目を付けることができる。図例態様では、この線を参照符号32により示し、各々長さ約0.5”の切れ目と折り目を交互に配置した4本の実質的に直線状のセグメントとしている。
【0025】
次に、図4に示すように、ブランク28に接着剤34を付ける。接着剤34はBridgewater,New Jerseyに所在のNational Starch and Chemicalから市販されているResyn 33−9159とすることができる。接着剤34に関する詳細については米国特許第5,100,944号を参照されたい。接着剤34はAlsip,Illinoisに所在のMactronから市販されているMactronコンピュータ制御接着システム等の適当な機械により「冷」状態で塗布し、所定数(例えば2本)の線をブランク28に形成することができる。ブランク28上の接着剤34の位置と寸法は、キャリヤー16が容器1を所望通りに保持するように即ちフラップ22A及び22Bが十分弾性に維持されるように実験により決定した。ブランク28はほぼ下記寸法をもつ。
【0026】
【表3】
【0027】
接着剤34を付けると、ブランク28からキャリヤー16を組立てる準備が整う。先に形成した切れ目と折り目32に沿ってブランク28の各部分を折り曲げる。1態様では、接着剤34がブランク28の対向部と接触するように、図5に示すように約180°の角度でブランク28の各部分を折り曲げる。1態様では、このように折り曲げて接着剤34を平坦部材18のクレー塗布面に接触させる。折り曲げると、折り曲げたブランク28は十分に圧縮されるので、ブランク28の相対向する部分を結合するために十分な接着剤34の接着力が得られる。また、フラップ22A及び22Bはブランク28の他の部分から斜めになっているので、容器1の位置決め装置6は摺動により位置決め可能であり、キャリヤー16に対して解放可能に保持される。
【0028】
こうしてキャリヤー16を組立てると、複数(例えば8個)の容器1をキャリヤー16に装填することができる。このためには、容器1の位置決め装置6の溝10をキャリヤー16のフラップ22A及び22Bと実質的に整列させる。容器1とキャリヤー16を相対移動させ、フラップ22A及び22Bを位置決め装置6の溝10に挿入する。キャリヤー16、特にフラップ22A及び22Bはフラップ22A及び22Bが溝10の内側を摺動できるように構成する。
【0029】
この摺動はキャリヤー16の潤滑コーティング30により更に助長される。キャリヤー16の組立方法(例えば折り曲げ)の結果としてコーティング30はフラップ22A及び22Bに配置された容器1係合面36A及び36Bと、フラップ22A及び22Bの間に配置された同係合面36Cに存在することに留意すべきである。コーティング30は潤滑層又は面を提供し、キャリヤー16に対する容器1の移動を助長する。当然のことながら、コーティング30の代わりに所与要件に合致するような他の適当な任意コーティングを使用できる。また、キャリヤー16は容器1の光学面が該光学面の光透過性等の所望性質に悪影響を与える面又は他の物質(即ち粒状物質等)と接触しないように構成する。
【0030】
場合により、容器1をキャリヤー16と結合後に、結合した容器1とキャリヤー16を適当なポリマーのシート等の適当な材料で包装してもよい。こうして包装したキャリヤー16は箱等の適当な輸送材料に入れて輸送することができる。
【0031】
複数の容器1をもつキャリヤー16の使用に関する以下の説明からキャリヤー16の他の利点も理解されよう。
【0032】
キャリヤー16を包装する場合には、包装材料を除去し、廃棄する。1使用例では、図6に示すように、器具の鉛直案内14に固定した取付エレメント26(図7)に対してキャリヤー16を位置決めする。詳細に説明すると、取付エレメント26に形成したスロット38にキャリヤー16の器具係合部24を解放可能に挿入する。取付エレメント26は、器具係合部24を取付エレメント26に挿入するとキャリヤー16のフラップ22A及び22Bが装填装置7の鉛直案内14と実質的に整列し、容器1の位置決め装置6の溝10も装填装置7の鉛直案内14と実質的に整列するように構成する。こうして位置決めすると、操作者は容器1を一度に1個ずつ又は数個ずつまとめてキャリヤー16から装填装置7の鉛直案内14まで移動させることができる。
【0033】
全部又は所望数の容器1をキャリヤー16から装填装置7に移動後、操作者はキャリヤー16を取付エレメント26から取外すことができる。当然のことながら、キャリヤー16は任意時点で取付エレメント26から取外すことができる。
【0034】
器具は装填装置7と実質的に同様に構成された取出装置を含むことができ、即ち取出装置は実質的に同様の鉛直案内を含むことができる。この場合には、医療診断分析器が容器1の分析を終了した後に、取出装置の鉛直案内に容器1を配置することができる。取出装置は装填装置7と実質的に同様であるので、キャリヤー16を取出装置の取付エレメント26に連結することができる。こうして、医療診断分析器による容器1の使用後に、取出装置に配置した容器1をキャリヤー16に移すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本明細書に記載するキャリヤーの1態様の斜視図である。
【図2】 図1のキャリヤーに組立てるブランクの全体平面図である。
【図3】 図1のキャリヤーに組立てるブランクの別の全体平面図である。
【図4】 図1のキャリヤーに組立てるブランクの更に別の全体平面図である。
【図5】 図1のキャリヤーに組立てるブランクの斜視図である。
【図6】 医療診断分析器の係合部の1態様と結合した図1のキャリヤーの斜視図である。
【図7】 図1のキャリヤーと係合した図6の医療診断分析器の係合部の斜視図である。
【図8】 図1のキャリヤーによる医療診断分析器への容器装填を示す図6と同様の斜視図である。
Claims (4)
- 医療診断分析器に使用する容器(1)のためのキャリヤー(16)であって、
(a)平坦部材(18)と、
(b)平坦部材(18)に配置された容器保持部材(20)とを含み、該容器保持部材(20)が、容器(1)が取付けられる位置決め装置(6)に係合可能に構成され、キャリヤー(16)が、位置決め装置(6)に解放可能に係合可能であり、さらに、
(c)容器(1)を使用する医療診断分析器に配置された取付エレメント(26)と解放可能に係合する器具係合部(24)を備え、キャリヤー(16)の器具係合部(24)が、取付エレメント(26)に形成したスロット(38)に解放可能に挿入されるキャリヤー。 - 平坦部材(18)が潤滑コーティングをもつ容器係合面を含む請求項1に記載のキャリヤー。
- 容器保持部材(20)が、容器(1)の位置決め装置(6)を含む溝に離脱可能に挿入可能な少なくとも1個のフラップを含む請求項1に記載のキャリヤー。
- 複数の容器(1)が、位置決め装置(6)に取付けられる請求項1に記載のキャリヤー。
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