JP3270328B2 - 靴 底 - Google Patents

靴 底

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JP3270328B2
JP3270328B2 JP13096496A JP13096496A JP3270328B2 JP 3270328 B2 JP3270328 B2 JP 3270328B2 JP 13096496 A JP13096496 A JP 13096496A JP 13096496 A JP13096496 A JP 13096496A JP 3270328 B2 JP3270328 B2 JP 3270328B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日常の外出時、ジ
ョギング時やバスケットボール、バレーボールなどのス
ポーツの際に履く運動靴の靴底に関するものである。
【0002】
【従来の技術】運動靴には、足の衝撃を和らげるクッシ
ョン性と、軽量性が要求される。そのため、近年、柱状
のクッション材を備えた運動靴が提案されている(たと
えば、米国特許第4,733,483号明細書)。柱状
のクッション材は、上下に大きく圧縮されるので、蓄積
ないし散逸されるエネルギーが大きく、したがって、ク
ッション性の向上が図られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、クッション材
が柱状であるため、足の裏面に伝わる荷重が集中し易い
という問題があった。
【0004】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、その目的は、柱状ないし壁状の緩衝部を備えた
靴底において、軽量で、かつ足の裏面に伝わる荷重が集
中しにくい靴底を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】つぎに、本発明の原理に
ついて説明する。まず、本発明の靴底は、図1(a)に
示すように、踏み面を形成する接地部1と、この接地部
1の上方に設けられ上下方向に圧縮されて衝撃を緩和す
る柱状部2aないし壁状部を有する緩衝部2と、この柱
状部2aないし壁状部の上方に設けられ、前記緩衝部2
からの荷重を少なくとも踵の略全域に分散させる分散部
3とを備えている。前記分散部3は、上方からの荷重を
受けた際に、図1(b)のように、靴の内外端4a,4
aから踵の中間部3fに行くに従い分散部3のたわみ量
が大きくなるように設定されている。前記緩衝部2は、
各柱状部2aまたは壁状部2a間に空隙部2bを有して
いる。なお、本発明における「中央部」とは、踵のおよ
そ中央という程度の意味であり、踵の真中という意味で
はない。
【0006】まず、分散部3の第1の機能について説明
する。なお、以下の説明は、理解を容易にするために、
分散部3が金属材料であると仮定して解析したものであ
る。柔軟な靴底に、圧縮荷重Pを受けたときの歪をΔと
すると、靴底内に蓄積される圧縮歪エネルギーU1 は、
下記の(1) 式で与えられる。 U1 =PΔ/2 …(1) この圧縮歪エネルギーU1 の分だけ、足裏に伝わる衝撃
が小さくなる。ここで、緩衝部2を柱状ないし壁状とす
ることにより、柱状部2a等に作用する応力が大きくな
って前記(1) 式の歪Δが大きくなるので、衝撃吸収に有
利に働く。
【0007】さらに、本発明では、分散部3がたわむの
で、分散部3には、下記の(2) 式で与えられる曲げ歪エ
ネルギーU2 が蓄積される。 U2 =Mφ/2 …(2) 但し、M:曲げモーメント φ:角変位(図1(b)参照) この曲げ歪エネルギーU2 の分だけ、足裏に伝わる衝撃
が小さくなるのであるが、(2) 式から分かるように、角
変位φが大きい程、蓄積される曲げ歪エネルギーU2
大きくなる。しかし、角変位φが大きくても、図1
(c)のように、分散部3が波を打ったようにたわんだ
のでは、モーメントアームが短いので、曲げ歪エネルギ
ーU2 が小さくなる。これに対し、本発明では、靴の内
外端4a,4aから中央部に行くに従い、分散部3のた
わみ量が大きくなるので、分散部3には大きな曲げ歪エ
ネルギーU2 が蓄積されることになる。
【0008】ここで、分散部3の曲げ剛性が大きすぎる
と、分散部3の角変位φやたわみ量が小さくなるので、
蓄積される曲げ歪エネルギーU2 が小さくなる。一方、
分散部3の曲げ剛性が小さすぎると、分散部3に発生す
る曲げモーメントMが小さくなるので、やはり、歪エネ
ルギーU2 が小さくなる。これに対し、本発明では、後
述するように、分散部3が適度な曲げ剛性を有している
ので、分散部3に大きな曲げ歪エネルギーU2 を蓄積す
ることができる。
【0009】つぎに、分散部3の第2の機能について説
明する。分散部3の曲げ剛性が十分に大きければ、足L
の裏面には、前記分散部3における空隙部2bの上方の
部分31からも反力が伝わる。そのため、各柱状部また
は壁状部2aからの衝撃力は、分散部3によって分散さ
れる。一方、分散部3の曲げ剛性が大きすぎると、踏み
込んだ際に荷重が加わっても、分散部3の形状が変化せ
ず、そのため、分散部3の表面が足裏の形状に沿わない
ので、分散部3は適度な剛性を有している必要がある。
かかる分散部3の第1および第2の機能を発揮させる具
体的手段としては、以下に説明するような3つの手段が
ある。
【0010】第1発明では、分散部3が非発泡性で、硬
度(JISK6301:JISC型硬度計で測定した
値)が65度〜95度、板厚tが1.5mm〜5.0m
mの合成樹脂板を備えている。分散部3の硬度が65度
未満であると、十分に大きな曲げ剛性が得られなかった
り、分散部3の板厚を大きくしなければならず、そのた
め、靴底が重くなるからである。また、分散部3の硬度
が95度以上であると、分散部3の曲げ剛性が大きくな
りすぎて、十分な曲げ歪エネルギーU2 を蓄積できない
上、着用した際に分散部3の形状が足の裏面に沿わず、
履き心地が低下するからである。なお、第1発明は、分
散部3の硬度が大きい(65度〜95度)が、前述のよ
うに、分散部3自体や分散部3の下方の緩衝部2で衝撃
力を吸収(散逸)するから、何ら支障はない。第1発明
において、分散部3の硬度は75度〜90度が好まし
く、また、板厚は2.5mm〜4.0mmが好ましい。
【0011】第2発明では、前記分散部3がFRPまた
は金属を含む板材からなり、該板材の板厚が0.5mm
〜3.0mmに設定されている。FRPまたは金属は、
非発泡性の合成樹脂よりもヤング率が大きく、したがっ
て、合成樹脂板よりも板厚を小さくすることで、適度な
曲げ剛性が得られる。なお、第2発明において、板厚
は、FRPの場合、1.0mm〜3.0mmが好まし
く、金属板の場合、0.5mm〜1.5mm程度が好ま
しい。
【0012】第3発明では、分散部3が板状の部材から
なり、荷重を、靴底ないし靴の状態における横断面の最
大たわみ量δで除した値(以下、「曲げ剛性度」とい
う。)が、4.0kg/mm〜60kg/mmに設定さ
れている。ここで、横断面の最大たわみ量δとは、図1
(b)の横断面図におけるたわみ量δをいう。また、
「靴底ないし靴の状態における」とは、分散部3を単体
とし荷重を負荷するのではなく、靴底または靴の状態で
荷重を負荷して測定することを意味する。また、第3発
明における最大たわみ量δは、人が靴または靴底の上に
乗り、片足に全体重をかけて測定される値δをいい、人
の体重W(衣服を含む)を該測定値δで除して、曲げ剛
性度(W/δ)を求める。なお、曲げ剛性度(W/δ)
は、5.0kg/mm〜40kg/mmが好ましく、1
0kg/mm〜20kg/mmとするのがより好まし
い。曲げ剛性度(W/δ)が小さすぎると、荷重を分散
できないからであり、一方、曲げ剛性度(δ/W)が大
きすぎると、履き心地が低下するからである。
【0013】また、前記曲げ歪エネルギーU2 に着目す
ると、図4ないし図7に示すように、緩衝部2が足の後
半部分において分散部3を馬蹄形に支持しているのが好
ましい。すなわち、分散部3が馬蹄形に支持されていれ
ば、図1(b)の比較的硬い分散部3の中央部3fが大
きくたわむから、分散部3が足裏の形状に沿い易いだけ
でなく、分散部3のモーメントアームが長くなって、分
散部3に作用する曲げモーメントMが大きくなると共
に、角変位φが大きくなるので、曲げ歪エネルギーU2
が大きくなる。なお、本発明では、必ずしも馬蹄形に支
持する必要はなく、たとえば、図1(d)のように、中
央部に、短い柱部2aを設け、分散部3のたわみが大き
くなりすぎるのを防止してもよい。なお、この場合、分
散部3が波打つようにたわむが、ある程度の荷重に対し
ては、中央部に行くに従い分散部3のたわみ量が大きく
なるので、本発明に含まれる。
【0014】また、緩衝部2は発泡した合成樹脂で形成
すると共に、分散部3よりもヤング率の小さい材料で構
成するのが好ましい。ここで、緩衝部2を硬い材料で構
成すると、緩衝部2の真上の分散部3は殆どたわまない
ので、図1(e)のように端部4aの分散部3が足裏の
形状に沿いにくい上、分散部3の実質的なスパン(梁と
しての長さ)Lが短くなる。これに対し、緩衝部2を柔
らかい発泡した合成樹脂で構成することにより、緩衝部
2の真上の分散部3もたわむので、端部4aにおいても
分散部3が足裏の形状に沿い易くなる上、分散部3の実
質的なスパンLが図1(f)のように長くなり、そのた
め、蓄積される曲げ歪エネルギーU2 が大きくなる。さ
らに、緩衝部2を発泡した合成樹脂で構成すれば、分散
部3の機械的性質と緩衝部2の機械的性質が著しく異な
るので、反射による衝撃波を反射して衝撃を和らげるこ
ともできる。
【0015】また、分散部3を図1(f)のようにヒー
ルカップ形状とすることにより、分散部3の周縁の曲げ
剛性が高まるので、分散部3全体を薄肉にすることがで
き、そのため、分散部3の中央のたわみが大きくなっ
て、吸収できる曲げ歪エネルギーU2 の増大を図ること
ができる。さらに、分散部3をヒールカップ形状とする
ことにより、靴底を構成する分散部3で足の後半部を包
み込んで支持するので、足の支持が安定する。なお、本
発明における「ヒールカップ形状」とは、上述の機能を
発揮するものであり、かかる観点から最も深い部分の深
さDが2.0cm以上の深さDを有していることを条件と
する。なお、前記深さDは2.5cm以上であることが好
ましく、3.0cm以上であれば更に好ましい。
【0016】また、発泡した合成樹脂で構成した緩衝部
2は、前記ヒールカップ形状の分散部3における平板状
部3aの端部から立上り部3bにかけて固着されている
のが好ましい。このように、分散部3を支持することに
より、分散部3を、より一層、端の部分で支持すること
ができるから、分散部3の実質的なスパンLが長くなる
ので、より一層曲げ歪エネルギーU2 が大きくなる。ま
た、異なる材質からなる緩衝部2と分散部3との固着面
積が大きくなるので、両者2,3の固着力が大きくな
る。さらに、通常着地する場合には、図1(f)のよう
に、踏み面1は路面100に対して斜めになるのである
が、前述のように、ヒールカップ形状の立上り部3bに
緩衝部2を固着することで、足の位置(保持)が安定す
るという利点も得られる。
【0017】ところで、梁の曲げ剛性E1を、図1
(g)のように中央において小さくするのと、図1
(h)のように中央において大きくするのとでは、曲げ
モーメントMが大きい中央の曲げ剛性を小さくする方
が、梁10のたわみが大きくなって、角変位φが大きく
なる。したがって、分散部3の周縁を除く中央部分に、
図6ないし図7のような多数の通気孔3dを設けると、
分散部3の中央部分の曲げ剛性が小さくなり、そのた
め、吸収できる曲げ歪エネルギーU2 が大きくなる。な
お、通気孔3dが「多数」とは、少なくとも5個以上を
意味し、10個以上であることが好ましく、また、通気
孔3dの大きさは、φ3〜φ5mm程度が好ましい。これ
は、通気性を確保する一方で、曲げ剛性E1を所定の範
囲とするためである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図
2〜図7にしたがって説明する。図2は運動靴を示し、
靴底4は、踏み面を形成する接地部1と、柱状ないし壁
状の緩衝部2と、分散部3とを備えている。接地部1
は、いわゆるアウタ−ソールを構成するものであり、耐
摩耗性に優れた材料で構成される。
【0019】緩衝部2は、たとえば発泡した合成樹脂か
らなり、接地部1の上方に設けられ、少なくとも踵部分
に柱状部2aを備え、上下方向に圧縮されて緩衝を緩和
するものである。ここで、「上下方向に圧縮されて」と
は、斜め方向に圧縮される場合や、柱状部2aが湾曲し
て上下に縮む場合等も含む。
【0020】前記緩衝部2は、靴の前半部分の板状部2
cと、靴の後半部分において、たとえばV字を横に連ね
たような多数の柱状部2aとを備えている。柱状部2a
の形状は、円柱形、円錐台形、円筒形など種々のものを
採用することができ、更には、柱に変えて壁状としても
よい。ここで、本発明において、「柱状部ないし壁状部
を有する」とは、図6の分断斜視図で明示するように、
緩衝部2に空間Sが形成されていることを意味し、緩衝
部2はたとえばハニカム状などであってもよく、あるい
は、柱状部と壁状部とを混在させてもよい。また、柱状
部2aの配置は、図6および図7に示すような馬蹄形に
限定されるものではない。
【0021】図3は靴底を示す斜視図である。この図に
示すように、緩衝部2の上方には、分散部3が固着され
ている。分散部3は、緩衝部2の柱状部2aの上方に設
けられて緩衝部2に支持されており、緩衝部2からの荷
重を少なくとも踵の略全域に分散させるもので、緩衝部
2と共にミッドソールを構成している。ここで、「分散
させる」とは、分散部3の剛性により、柱状部2aから
の衝撃を広い面積に分散させることをいい、したがっ
て、分散部3は中敷(インナーソール)とは異なる。な
お、分散部3の上面には、図示しない中敷が敷設され
る。
【0022】前記分散部3は、たとえば非発泡性の合成
樹脂板で形成されており、平板状部3aと、図4(b)
および(c)に示すように該平板状部3aの周縁から巻
き上がるようにして立ち上がる立上り部3bとが一体と
なったヒールカップ状に形成されている。ここで、本発
明における分散部3の板厚とは、平板状部3aの板厚を
意味し、また、板厚が1.5mm〜5.0mmとは、平
板状部3aの平均厚さ、ないしは、平板状部3aの50
%以上の部分が1.5mm〜5.0mmの範囲にあるこ
とを意味する。なお、本実施形態では、図2に明示する
ように、分散部3の立上り部3b等が靴のアッパーの側
面として外側方に露出している。
【0023】前記立上り部3bの外周面には、図5の分
解斜視図で示すように、帯状の接着補助部3cが一体に
成型されている。この接着補助部3cは、平板状部3a
および立上り部3bよりも緩衝部2との親和性が大きい
発泡樹脂からなり、緩衝部2との接着性を高めるための
もので、好ましくは緩衝部2と同種の材料を用いる。
【0024】前記分散部3はヒールカップ形状に形成さ
れていることにより、緩衝部2と立上り部3bにおいて
も接着(固着)されるので、緩衝部2と分散部3との接
合が強固になる。また、図4のように、分散部3の周縁
が曲成されていることにより、柱状部2aから伝わる衝
撃波の分散が図られるので、クッション性が高まる。な
お、分散部3の平板状部3aについては、前述のような
硬い素材とする必要があるが、立上り部3b、特に立上
り部の上端縁については、硬度が低い方が好ましく、た
とえば、硬度はJISK6301(JISC型硬度計で
測定した値)で60度〜80度程度が好ましい。
【0025】図6は靴底の一部を破断して示す分解斜視
図であり、図7は靴底の底面図である。これらの図に示
すように、緩衝部2は、足の後半部分において、分散部
3を馬蹄形に支持している。図6に明示するように、分
散部3の中央部分には、上下に貫通する多数の通気孔3
dが形成されている。これらの通気孔3dは、緩衝部2
の中央の空間部2dから外気を導入して足のムレを防止
する。
【0026】ところで、緩衝部2は、図8に示すよう
に、靴底4の後半部分だけでなく、略全長にわたって、
柱状ないし壁状に形成してもよい。また、分散部3は、
荷重を少なくとも踵の略全域に分散させればよく、した
がって、この図に示すように、靴底の略全長にわたって
設けてもよい。
【0027】分散部3を構成する材料としては、非発泡
性のたとえばEVA,PU,PP,PEなどの合成樹脂
の他に、FRP、カーボングラファイトや金属板などが
ある。また、分散部3は、2種以上の合成樹脂やその他
の素材を積層した積層板としてもよい。さらに、分散部
3は、素材、硬度、厚みなどが均一である必要はなく、
必要に応じて2以上の素材や硬度の組合せで構成しても
よい。
【0028】一方、緩衝部2を構成する材料としては、
発泡したEVA,PUなどが一般的であるが、柱状部2
aの軽量化を図る上では、分散部3と同様の材料を用い
てもよい。緩衝部2と分散部3を同素材とすれば、図9
または図10のように、緩衝部2と分散部3とを一体成
型することもできる。なお、この場合においても、緩衝
部2の硬度は分散部3の硬度よりも小さく設定する。ま
た、図9のように、靴底4を前半部分と後半部分とに分
割してもよい。
【0029】また、緩衝部2は金属製のコイルスプリン
グとしてもよく、あるいは、空気やゲルを封入した中空
のセルとしてもよい。また、緩衝部2を耐摩耗性に優れ
た材料とすれば、図10のように、緩衝部2と接地部1
とを一体に成型してもよい。つまり、緩衝部2自体で接
地部1を構成してもよい。
【0030】また、分散部3には、図11のように凹所
3eを形成し、この凹所3eにクッション用パッド5を
装着してもよい。また、図6の分散部3の立上り部3b
に貫通孔を形成してもよい。さらに、靴の内側と外側と
で分散部3の立上り部3bの厚さや硬度を変えて、立上
り部3bの剛性を変えてもよい。また、請求項1ないし
3の発明の要件のうち、2つ以上の要件を合わせ持つ靴
底としてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
緩衝部を構成する柱状部ないし壁状部の上方に薄肉の分
散部が設けられ、この分散部の曲げ剛性を適度な値に設
定しているので、柱状部等によって吸収できるエネルギ
ーが大きいだけでなく、柱状部等からの衝撃を分散部に
よって、少なくとも踵部の略全域に分散させることがで
きると共に、薄肉の分散部自体がたわむ(湾曲する)こ
とにより衝撃力を吸収ないし蓄積することができる。し
たがって、靴底の軽量化とクッション性および反発性が
向上し得る。また、分散部の曲げ剛性が大きいので、靴
底のネジレ防止にもなる。
【0032】また、緩衝部によって分散部を馬蹄形に支
持すれば、分散部のモーメントアームが長くなって、分
散部に作用する曲げモーメントが大きくなると共に、角
変位も大きくなるので、吸収ないし蓄積し得る曲げ歪エ
ネルギーが増大し、クッション性および反発性が更に向
上する。
【0033】さらに、請求項5のように、緩衝部を発泡
した合成樹脂で構成すれば、分散部の実質的なスパンが
長くなるので、蓄積し得る曲げ歪エネルギーが増大する
上、分散部と緩衝部との機械的性質の相違によって、緩
衝波を反射して衝撃を和らげることもできる。
【0034】また、請求項6のように、分散部をヒール
カップ形状とすれば、分散部の中央部分よりも端縁部の
曲げ剛性が大きくなるので、分散部3の薄肉化と衝撃吸
収性の向上を図ることができると共に、分散部周縁が曲
成されていることにより衝撃波を分散させることができ
るので、クッション性が高まる。
【0035】また、請求項7の発明によれば、分散部の
スパンがより一層長くなるので、クッション性が高まる
と共に、緩衝部と分散部との固着面積が大きくなるか
ら、両者の固着力が高まる。
【0036】また、請求項8のように、分散部の中央部
分に多数の通気孔を形成すれば、通気性が向上するだけ
でなく、分散部の中央部分がたわみ易くなるので、分散
部の軽量化と分散部による衝撃吸収性が高まる。しか
も、靴底を構成する分散部自体で足の後半部分を包み込
んで支持するので、足の支持が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する概念図である。
【図2】第1実施形態を示す靴の側面図である。
【図3】靴底の斜視図である。
【図4】(a)は靴底の側面図、(b)および(c)
は、それぞれ、b−b線およびc−c線断面図である。
【図5】靴底の分解斜視図である。
【図6】同じく一部を破断して示す分解斜視図である。
【図7】同底面図である。
【図8】第2実施形態を示す靴底の斜視図である。
【図9】第3実施形態を示す靴底の斜視図である。
【図10】第4実施形態を示す靴底の斜視図である。
【図11】分散部の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:接地部 2:緩衝部 2a:柱状部 3:分散部 3a:平板状部 3b:立上り部 3d:通気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−85848(JP,A) 特開 昭61−263401(JP,A) 特開 平3−90102(JP,A) 特開 平7−8301(JP,A) 実開 平7−44268(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 13/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 踏み面を形成する接地部と、この接地部
    の上方に設けられ上下方向に圧縮されて衝撃を緩和する
    柱状部ないし壁状部を有する緩衝部と、前記柱状部ない
    し壁状部の上方に固着ないし一体に形成され、前記緩衝
    部からの荷重を少なくとも踵の略全域に分散させる分散
    部とを備え、 前記分散部は、上方からの荷重を受けた際に、靴の内外
    端から踵の中央部に行くに従い、分散部のたわみ量が大
    きくなるように設定されていると共に、 前記分散部は、非発泡性で、硬度(JISK6301)
    が65度〜95度、板厚が1.5mm〜5.0mmの合
    成樹脂板を備えている靴底。
  2. 【請求項2】 踏み面を形成する接地部と、この接地部
    の上方に設けられ上下方向に圧縮されて衝撃を緩和する
    柱状部ないし壁状部を有する緩衝部と、前記柱状部ない
    し壁状部の上方に固着ないし一体に形成され、前記緩衝
    部からの荷重を少なくとも踵の略全域に分散させる分散
    部とを備え、 前記分散部は、上方からの荷重を受けた際に、靴の内外
    端から踵の中央部に行くに従い、分散部のたわみ量が大
    きくなるように設定されていると共に、 前記分散部は、FRPまたは金属を含む板材からなり、
    該板材の板厚が0.5mm〜3.0mmに設定されてい
    る靴底。
  3. 【請求項3】 踏み面を形成する接地部と、この接地部
    の上方に設けられ上下方向に圧縮されて衝撃を緩和する
    柱状部ないし壁状部を有する緩衝部と、前記柱状部ない
    し壁状部の上方に固着ないし一体に形成され、前記緩衝
    部からの荷重を少なくとも踵の略全域に分散させる分散
    部とを備え、 前記分散部は、上方からの荷重を受けた際に、靴の内外
    端から踵の中央部に行くに従い、分散部のたわみ量が大
    きくなるように設定されていると共に、 前記分散部は板状の部材からなり、荷重Wを、靴底ない
    し靴の状態における横断面の最大たわみ量δで除した値
    (W/δ)が、4.0kg/mm〜60kg/mmに設
    定されている靴底。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    において、 前記緩衝部が足の後半部分において分散部を馬蹄形に支
    持している靴底。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記緩衝部が発泡した合成樹脂で形成されて、前記緩衝
    部が前記分散部よりもヤング率の小さい材料で構成され
    ている靴底。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記分散部は、足の後半部において平板状部から上方に
    巻き上がるようにして立上がる立上り部を有し、最も深
    い部分が2.0cm以上の深さを有するヒールカップ形状
    に形成されている靴底。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記緩衝部は、前記ヒールカップ形状の分散部の平板状
    部の端部から立上り部にかけて固着されて、分散部を支
    持している靴底。
  8. 【請求項8】 請求項4において、 前記分散部の周縁を除く中央部分には、上下に貫通する
    多数の通気孔が形成されている靴底。
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