JP3270088B2 - 分解性ポリマーの発泡性粒子 - Google Patents
分解性ポリマーの発泡性粒子Info
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- acid
- particles
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は発泡粒子に関する。さら
に詳しくは、乳酸ポリマーを主体とする熱可塑性ポリマ
ー組成物からなる、自然環境下での分解性を持った発泡
粒子に関するものである。
に詳しくは、乳酸ポリマーを主体とする熱可塑性ポリマ
ー組成物からなる、自然環境下での分解性を持った発泡
粒子に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、ポリスチレン系、の発泡粒子は、
例えば魚箱や野菜箱、あるいはラーメンやコーヒー等の
ホットドリンク用カップとして広く使用されている。特
にこれら発泡体粒子からなる発泡体は、少量の樹脂で成
形されており、使い捨ての容器、食品容器として用いら
れている。しかし、このような樹脂から成形した発泡体
は、廃棄する際、かさばり、ゴミの量を増すうえに、従
来の物は自然環境下での分解速度がきわめて遅いため、
埋設処理された場合、半永久的に地中に残留する。また
投棄されたプラスチック類により、景観が損なわれ海洋
生物の生活環境が破壊されるなどの問題も起こってい
る。然しながら、これまで、自然環境下で容易に分解し
てしまう発泡容器は知られていない。
例えば魚箱や野菜箱、あるいはラーメンやコーヒー等の
ホットドリンク用カップとして広く使用されている。特
にこれら発泡体粒子からなる発泡体は、少量の樹脂で成
形されており、使い捨ての容器、食品容器として用いら
れている。しかし、このような樹脂から成形した発泡体
は、廃棄する際、かさばり、ゴミの量を増すうえに、従
来の物は自然環境下での分解速度がきわめて遅いため、
埋設処理された場合、半永久的に地中に残留する。また
投棄されたプラスチック類により、景観が損なわれ海洋
生物の生活環境が破壊されるなどの問題も起こってい
る。然しながら、これまで、自然環境下で容易に分解し
てしまう発泡容器は知られていない。
【０００３】一方、分解性のある熱可塑性ポリマーとし
て、ポリ乳酸または乳酸のコポリマーが知られている。
この乳酸系ポリマーは、自然環境下で分解性があり、土
壌や海水中に置かれた場合、数週間で分解を始め、約一
年で消滅する。また分解生成物は乳酸と二酸化炭素と水
であり、すべて無害である。また原料となる乳酸は、コ
ーンスターチやコーンシロップのような安価な材料の発
酵から得られ、また、エチレンのような石油化学原料か
らも容易に製造される。ポリ乳酸または乳酸のコポリマ
ーの製造に関しては、米国特許１，９９５，９７０に開
示されており、通常ラクタイドと呼ばれる乳酸の環状２
量体から合成されている。この乳酸系ポリマーは、その
生体適合と分解性から手術用の縫合糸や、医学用の除放
性材料として用いられているが、発泡体として用いるこ
とはいまだ知られていない。
て、ポリ乳酸または乳酸のコポリマーが知られている。
この乳酸系ポリマーは、自然環境下で分解性があり、土
壌や海水中に置かれた場合、数週間で分解を始め、約一
年で消滅する。また分解生成物は乳酸と二酸化炭素と水
であり、すべて無害である。また原料となる乳酸は、コ
ーンスターチやコーンシロップのような安価な材料の発
酵から得られ、また、エチレンのような石油化学原料か
らも容易に製造される。ポリ乳酸または乳酸のコポリマ
ーの製造に関しては、米国特許１，９９５，９７０に開
示されており、通常ラクタイドと呼ばれる乳酸の環状２
量体から合成されている。この乳酸系ポリマーは、その
生体適合と分解性から手術用の縫合糸や、医学用の除放
性材料として用いられているが、発泡体として用いるこ
とはいまだ知られていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は自然環境下で
分解可能なポリマーの発泡性粒子を提供することであ
る。
分解可能なポリマーの発泡性粒子を提供することであ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、自然環境
下で分解可能な発泡粒子から成る発泡体を得る目的で、
乳酸系ポリマーに着目し、乳酸ポリマーを主体とする樹
脂に発泡剤を吸収させ、更にポリマーの持っている分解
性を損なうことのない発泡体を得ることに成功し、本発
明を完成したものである。即ち、本発明は、ポリ乳酸ま
たは乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマーから成る
熱可塑性ポリマー組成物に発泡材を吸収してなる分解性
ポリマーの発泡性粒子である。 本発明に用いられるポ
リ乳酸または乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマー
は、原料として乳酸または乳酸の環状２量体であるラク
タイド、さらにヒドロキシカルボン酸を用いるか、場合
によってこの他のモノマーを適宜使用できる。乳酸を用
いる場合には脱水縮合によるが、高分子量の物を得るに
はラクタイドの開環重合によるのが好ましい。開環重合
に用いるラクタイドは、Ｌ−ラクタイド、Ｄ−ラクタイ
ド、ｍｅｓｏラクタイド、あるいはそれらの混合物が用
いられるが、ＤまたはＬ−ラクタイドに、反対の光学活
性が混ざった物が好ましい。その混合割合は、Ｄまたは
Ｌ−ラクタイド／光学対掌体＝９５／５〜５０／５０が
好ましい。
下で分解可能な発泡粒子から成る発泡体を得る目的で、
乳酸系ポリマーに着目し、乳酸ポリマーを主体とする樹
脂に発泡剤を吸収させ、更にポリマーの持っている分解
性を損なうことのない発泡体を得ることに成功し、本発
明を完成したものである。即ち、本発明は、ポリ乳酸ま
たは乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマーから成る
熱可塑性ポリマー組成物に発泡材を吸収してなる分解性
ポリマーの発泡性粒子である。 本発明に用いられるポ
リ乳酸または乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマー
は、原料として乳酸または乳酸の環状２量体であるラク
タイド、さらにヒドロキシカルボン酸を用いるか、場合
によってこの他のモノマーを適宜使用できる。乳酸を用
いる場合には脱水縮合によるが、高分子量の物を得るに
はラクタイドの開環重合によるのが好ましい。開環重合
に用いるラクタイドは、Ｌ−ラクタイド、Ｄ−ラクタイ
ド、ｍｅｓｏラクタイド、あるいはそれらの混合物が用
いられるが、ＤまたはＬ−ラクタイドに、反対の光学活
性が混ざった物が好ましい。その混合割合は、Ｄまたは
Ｌ−ラクタイド／光学対掌体＝９５／５〜５０／５０が
好ましい。
【０００６】乳酸系ポリマーの重合度は、１５０から２
０，０００である。これより低い重合度では発泡剤の吸
収量が大きくできず、発泡倍率が上がらない。また、重
合度が高過ぎると、発泡性粒子を膨張させる温度では粒
子どうしが接着強度が不足し、所望の発泡体が得られな
い。重合方法は、溶媒を用いる方法でも、溶媒を用いな
い方法でも良いが、溶媒の回収の問題から、工業的には
溶媒を用いない塊状重合がよい。開環重合の触媒は、一
般に亜鉛、錫の塩化物またはカルボン酸塩等が用いられ
るが、特に限定されない。生体適合性材料や食品関係に
用いる場合は毒性を考慮する必要がある。また、本発明
による乳酸系ポリマーには可塑剤、改質剤等を含んでい
てもよい。
０，０００である。これより低い重合度では発泡剤の吸
収量が大きくできず、発泡倍率が上がらない。また、重
合度が高過ぎると、発泡性粒子を膨張させる温度では粒
子どうしが接着強度が不足し、所望の発泡体が得られな
い。重合方法は、溶媒を用いる方法でも、溶媒を用いな
い方法でも良いが、溶媒の回収の問題から、工業的には
溶媒を用いない塊状重合がよい。開環重合の触媒は、一
般に亜鉛、錫の塩化物またはカルボン酸塩等が用いられ
るが、特に限定されない。生体適合性材料や食品関係に
用いる場合は毒性を考慮する必要がある。また、本発明
による乳酸系ポリマーには可塑剤、改質剤等を含んでい
てもよい。
【０００７】本発明による発泡性粒子は乳酸系ポリマー
から成る熱可塑性ポリマー組成物から製造されるが、通
常、上記熱可塑性ポリマーを用いた発泡性粒子は、更に
任意の形状の発泡体にして、箱や容器として用いられ
る。発泡性粒子は例えば、上記ペレット状の乳酸系ポリ
マーを押出機で溶融したところに押出機の途中より、発
泡剤を圧入して混合せしめ、ポリマーと発泡剤の混合物
がＴｇ近くまで冷却された状態で押出機先端の金型より
大気中に放出することにより製造される。発泡剤として
は、例えばエタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、エチレン、プロピレン、石油エーテル等の炭化水
素、塩化メチル、モノクロルジフルオロメタン、ジクロ
ルジフルオロメタン、モノクロルトリフルオロメタン、
ジクロルテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素
や炭酸ガス、窒素ガス、等が挙げられる。これらの発泡
剤の添加量は、熱可塑性ポリマー組成物に対して０．１
〜３０重量％、特に０．２〜１０重量％が好ましい。ま
た、気泡の調整剤や着色剤等の添加剤を加えても何ら差
支えない。発泡剤を吸収した粒子は更に所望の金型中で
加熱、加圧され高度に発泡した成形物とされる。
から成る熱可塑性ポリマー組成物から製造されるが、通
常、上記熱可塑性ポリマーを用いた発泡性粒子は、更に
任意の形状の発泡体にして、箱や容器として用いられ
る。発泡性粒子は例えば、上記ペレット状の乳酸系ポリ
マーを押出機で溶融したところに押出機の途中より、発
泡剤を圧入して混合せしめ、ポリマーと発泡剤の混合物
がＴｇ近くまで冷却された状態で押出機先端の金型より
大気中に放出することにより製造される。発泡剤として
は、例えばエタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、エチレン、プロピレン、石油エーテル等の炭化水
素、塩化メチル、モノクロルジフルオロメタン、ジクロ
ルジフルオロメタン、モノクロルトリフルオロメタン、
ジクロルテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素
や炭酸ガス、窒素ガス、等が挙げられる。これらの発泡
剤の添加量は、熱可塑性ポリマー組成物に対して０．１
〜３０重量％、特に０．２〜１０重量％が好ましい。ま
た、気泡の調整剤や着色剤等の添加剤を加えても何ら差
支えない。発泡剤を吸収した粒子は更に所望の金型中で
加熱、加圧され高度に発泡した成形物とされる。
【０００８】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例１〜３ 表−Ｉに示す分子量約１０万のポリＤ，Ｌ−ラクタイド
とポリＬ−ラクタイド混合物を押出機で２００℃まで加
熱した後、ペンタンを５重量％押出機途中より圧入れし
た。発泡剤を混合したポリマーを７０℃まで冷却し、そ
の後大気中に放出し、径から１〜２ｍｍφになるストラ
ンドを作成した。ストランドを約３ｍｍに切断し、ペレ
ットとした。ペレットを１５０℃のオーブン中に１時間
静置し、重量変化をみるとそれぞれ３、４、３、７およ
び４．１ｗｔ％であった。またその際のペレットは、微
細な気泡を有する発泡粒子となっていた。それぞれの密
度を表−Ｉに併記した。これらの発泡性粒子を深さ５ｍ
ｍ、１００×５０ｍｍの角の板が成形できる金型に１ｇ
入れ、外部より加熱して発泡させるのと同時に熔着させ
て成形品を得た。得られた角板を温度３５℃、水分３０
％の土壌中に埋設して分解試験を行った。分解性の評価
は、重量の減少率で判定した。結果を表−Ｉに併記し
た。
る。 実施例１〜３ 表−Ｉに示す分子量約１０万のポリＤ，Ｌ−ラクタイド
とポリＬ−ラクタイド混合物を押出機で２００℃まで加
熱した後、ペンタンを５重量％押出機途中より圧入れし
た。発泡剤を混合したポリマーを７０℃まで冷却し、そ
の後大気中に放出し、径から１〜２ｍｍφになるストラ
ンドを作成した。ストランドを約３ｍｍに切断し、ペレ
ットとした。ペレットを１５０℃のオーブン中に１時間
静置し、重量変化をみるとそれぞれ３、４、３、７およ
び４．１ｗｔ％であった。またその際のペレットは、微
細な気泡を有する発泡粒子となっていた。それぞれの密
度を表−Ｉに併記した。これらの発泡性粒子を深さ５ｍ
ｍ、１００×５０ｍｍの角の板が成形できる金型に１ｇ
入れ、外部より加熱して発泡させるのと同時に熔着させ
て成形品を得た。得られた角板を温度３５℃、水分３０
％の土壌中に埋設して分解試験を行った。分解性の評価
は、重量の減少率で判定した。結果を表−Ｉに併記し
た。
【０００９】実施例４〜６ 表−IIに示したＬ−ラクタイドとオキシカルボン酸のコ
ポリマーに変えた以外は実施例１と同様にして、発泡性
粒子を作成した。得られた発泡性粒子を加熱して、実施
例１と同様にして発泡体を成形した。
ポリマーに変えた以外は実施例１と同様にして、発泡性
粒子を作成した。得られた発泡性粒子を加熱して、実施
例１と同様にして発泡体を成形した。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【表２】
【００１２】
【発明の効果】本発明のポリ乳酸または乳酸とヒドロキ
シカルボン酸のコポリマーから成る熱可塑性ポリマー組
成物に発泡剤を吸収してなる分解性ポリマーの発泡性粒
子より得られる容器は、廃棄物として地中に埋設された
り海や川に投棄された場合、紙や木等の天然物と同じよ
うに自然環境中で比較的短い期間の内に無害な水と炭酸
ガスに分解する。
シカルボン酸のコポリマーから成る熱可塑性ポリマー組
成物に発泡剤を吸収してなる分解性ポリマーの発泡性粒
子より得られる容器は、廃棄物として地中に埋設された
り海や川に投棄された場合、紙や木等の天然物と同じよ
うに自然環境中で比較的短い期間の内に無害な水と炭酸
ガスに分解する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 味岡 正伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−170965（ＪＰ，Ａ) 特表 平４−505775（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C08J 9/16
Claims (3)
- 【請求項１】 ポリ乳酸または乳酸とヒドロキシカルボ
ン酸のコポリマーから成る熱可塑性ポリマー組成物に発
泡剤を吸収してなる密度０．１５〜０．５ｇ／ｃｍ ３ の
分解性ポリマーの発泡性粒子。 - 【請求項２】 乳酸がＬ−乳酸、Ｄ−乳酸またはそれら
の混合物であることを特徴とする請求項１記載の分解性
ポリマーの発泡性粒子。 - 【請求項３】 ヒドロキシカルボン酸がグリコール酸で
あることを特徴とする請求項１記載の分解性ポリマーの
発泡性粒子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34078991A JP3270088B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 分解性ポリマーの発泡性粒子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34078991A JP3270088B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 分解性ポリマーの発泡性粒子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05170966A JPH05170966A (ja) | 1993-07-09 |
| JP3270088B2 true JP3270088B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18340311
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34078991A Expired - Lifetime JP3270088B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 分解性ポリマーの発泡性粒子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3270088B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999065977A1 (de) * | 1998-06-17 | 1999-12-23 | Bio-Tec Biologische Naturverpackungen Gmbh & Co. Kg | Aus biologisch abbaubaren werkstoffen geschäumte, thermoplastische folie |
| JP5383489B2 (ja) | 2007-06-27 | 2014-01-08 | 株式会社カネカ | 生分解性脂肪族ポリエステル系発泡粒子及びその成形体 |
-
1991
- 1991-12-24 JP JP34078991A patent/JP3270088B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05170966A (ja) | 1993-07-09 |
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Legal Events
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